JPH09166697A - 小線源及びそれを含有する医薬用組成物 - Google Patents

小線源及びそれを含有する医薬用組成物

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JPH09166697A
JPH09166697A JP7327565A JP32756595A JPH09166697A JP H09166697 A JPH09166697 A JP H09166697A JP 7327565 A JP7327565 A JP 7327565A JP 32756595 A JP32756595 A JP 32756595A JP H09166697 A JPH09166697 A JP H09166697A
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polymer compound
organic polymer
phosphate
insoluble
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JP7327565A
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Noboru Harada
昇 原田
Fumiyo Takabayashi
ふみ代 高林
Koichi Iyanagi
宏一 井柳
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深部癌等の有効な放射線治療が可能な小線源
を提供することを課題とする。 【解決手段】 水可溶性リン酸塩と有機高分子化合物と
水とを含む滴下液を、リン酸とともに水不溶性塩を形成
しうる金属の水可溶性塩と水とを含む硬化液中に滴下
し、放射性同位元素を含む水不溶性金属リン酸塩を含有
する小球体を析出させ、水不溶性金属リン酸塩(ヒドロ
キシアパタイト又はリン酸三カルシウム等)を含む平均
粒径0.01〜10mmの小球体からなり、且つ放射性
同位元素を含有する小線源を得る。これを配合して医薬
用組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌の治療に有益な
金属リン酸塩を主成分とする小球体からなる小線源に関
する。
【0002】
【従来の技術】感染症が抗生物質の登場によって克服さ
れた現在、癌は人類が直面している未解決の重大な疾患
の一つである。癌を克服すべく、種々の化学物質が開発
されてきたが、癌細胞に対する毒性と正常細胞に対する
毒性の差が少なく、癌を治療できる濃度まで投与量を挙
げることができなかったり、副作用のため癌は治療でき
ても延命作用にはつながらなかったりするなど、化学療
法には多くの問題が残っている。
【0003】この化学療法を補完する目的で放射線療法
が行われているが、放射線も、抗癌剤同様、副作用の強
さに問題があった。更に、放射線療法においては、肝
臓、膵臓、脾臓等の深部癌に対しては、術中照射より他
に対処の仕様がなかった。術中照射は患者に多大な負担
をかけるため、体力の衰えた患者には適応し難く、ま
た、同時に照射できる回数が制限されるため、その効果
は限られたものになることが少なくなかった。
【0004】このような状況下、化学療法や放射線療法
の効果を上げるため、種々の工夫がなされてきた。例え
ば、抗癌細胞モノクロナール抗体等を抗癌剤に結合さ
せ、癌配向性を高めたミサイル療法や、リピオドール等
の沃素化油脂で癌の栄養血管を封鎖すると共に抗癌剤を
担癌臓器に封じ込める抗癌剤閉塞療法などである。しか
しながら、ミサイル療法には癌に到達したときの薬物の
リリースに問題があり、一方、閉塞療法には、充分に閉
塞し得る材料が無い、例えばリピオドールのように合成
化学物質であるため閉塞材料に生体適合性がない等とい
う問題があった。
【0005】また、体内に小線源を注入する方法として
は、酸化ジルコニウムをアクリル樹脂等のマイクロカプ
セルに封入する試みもなされたが、粒径のバラツキが大
きい、樹脂の血中安定性に問題があり体内で放射性物質
が漏出し正常部位に放射線を照射してしまう、等の欠点
があった。
【0006】一方、ヒドロキシアパタイト等の水不溶性
金属リン酸塩について、その不定形粉末を抗癌剤等の担
体として癌治療に用いたり、温熱療法の熱支持体として
用いたり、癌栄養血管の閉塞剤として使用することは知
られていたが、血管内壁に傷をつけにくい小球状に加工
し、且つその内部に放射性同意元素を含有させて、この
β−壊変時に生ずる放射線を用いて患部内部より放射線
治療を行うことは知られていなかった。また、そのよう
な小球状の物質については知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況を踏まえてなされたものであり、有効な癌治療が可
能な小線源を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる実状
に鑑みて、有効な癌治療、取り分け深部癌に対する閉塞
療法に有益な素材を求めて鋭意研究を重ねた結果、放射
性同位元素を含むヒドロキシアパタイト等の水不溶性金
属リン酸塩を含む一定粒径の小球体からなる小線源が有
効であることを見いだし、発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、水不溶性金属リン酸
塩を含有する平均粒径0.01〜10mmの小球体から
なり、且つ放射性同位元素を含有する小線源に関する。
この小線源は、水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合
物とを含有するものであっても、また、水不溶性金属リ
ン酸塩を主成分とし有機高分子化合物を実質的に含まな
いものであってもよい。好ましくは、水可溶性リン酸塩
と有機高分子化合物と水とを含む滴下液を、リン酸とと
もに水不溶性塩を形成しうる金属の水可溶性塩と水とを
含む硬化液中に滴下し、水不溶性金属リン酸塩と有機高
分子化合物とを含有する小球体を析出させることにより
得られるものである。このうち、有機高分子化合物を実
質的に含まない小線源は、好ましくは、析出する水不溶
性金属リン酸塩と有機高分子化合物とを含有する小球体
を、更に焼成して有機高分子化合物を除去することによ
り得られるものである。
【0010】本発明の放射性同位元素を含む小線源は、
患部において、β−壊変によって生ずる放射線により癌
放射線治療を生体内において行うことができる。本発明
の小線源は、小球体の構成成分であるヒドロキシアパタ
イト等の金属リン酸塩が生体成分であるため、異物認識
反応を受けないことが期待できる。更に、その形状が従
来には知られていない球状であることから、注射時に血
管を傷つけないこと、生体適合材料であり血液中で分解
されないこと及び構造が堅固であり変形することにより
患部から他の部位に漏出しないこと等の効果が期待でき
る。
【0011】以下に、本発明について詳細に述べる。
【0012】(1)本発明の小線源 本発明の小線源は、水不溶性金属リン酸塩を含有し、球
状の形状をとる小球体からなり、且つ放射性同位元素を
含むことを特徴とする。ここで球状とは、球ないしは球
に対して20%以内の歪みを許容した滑らかな表面を有
する形状を意味する。大きさは、平均粒径(球の平均直
径)が0.01〜10mm、好ましくは0.05〜1m
mである。平均粒径がこの範囲であれば、血管内への投
与が可能で且つ癌に容易に到達することができる。
【0013】水不溶性金属リン酸塩としては、好ましく
はカルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウ
ムからなる群から選ばれる金属のリン酸塩である。その
うち、生体に豊富なカルシウムのリン酸塩が好ましい。
さらに、このような金属リン酸塩として、ヒドロキシア
パタイト又はリン酸三カルシウムが好ましい。
【0014】放射性同位元素は、水不溶性金属リン酸塩
中に含まれていてもよく、また小球体に配合される他の
成分中に含まれてもよいが、水不溶性金属リン酸塩中に
含まれるのが好ましい。すなわち、リン原子及び水不溶
性金属リン酸塩を構成する上記金属は、非放射性のもの
でも放射性同位元素でもよいが、少なくともこれらのリ
ン原子もしくは金属原子のいずれかが放射性同位元素で
あるのが好ましい。より好ましくは、リン原子の放射性
同位体である32Pを放射性同位元素として含むのがよ
い。これは、32Pの半減期が治療の効果を得る上では十
分に長いが、放射線の副作用を発現するほど長くはない
ためである。
【0015】本発明の小線源を構成する小球体には、前
記水不溶性金属リン酸塩の他に、バインダーとして有機
高分子化合物を含有させることができる。有機高分子化
合物としては、上記リン酸の水不溶性塩を形成する対金
属イオンによって硬化可能な高分子化合物であればよい
が、具体的には、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガ
ム、ローカストビーンガム、カルボキシデキストランナ
トリウム、カラギーナン、ペクチン等が例示できる。こ
のうち、アルギン酸ナトリウムが最も好ましい。
【0016】また、本発明の小線源を構成する小球体
は、前記水不溶性金属リン酸塩を主成分とし、有機高分
子化合物を実質的に含有しない者であってもよい。本発
明の小球体は、このように前記水不溶性金属リン酸塩を
含有するものであるが、本発明の効果を損なわない範囲
において、他に種々の任意成分が含有されていてもよ
い。このような他の任意成分としては、炭酸カルシウム
や硫酸カルシウム等の種々の無機塩、シリカ等が挙げら
れる。
【0017】本発明の小球体が水不溶性金属リン酸塩を
主成分とする場合は、前記小球体における水不溶性金属
リン酸塩の好ましい含有量は70〜100重量%、好ま
しくは90〜100重量%である。そのうち、各成分の
好ましい含有量は、小球体中リン酸が0.1〜70重量
%、金属が0.1〜70重量%であり、更に好ましく
は、リン酸が0.5〜30重量%、金属が0.5〜30
重量%である。尚、この場合、有機高分子化合物は実質
的に含まれないが、これは具体的には、有機高分子化合
物の含有量が0.1重量%程度以下であることを意味す
る。
【0018】また、本発明の小球体に有機高分子化合物
が含有される場合は、各成分の好ましい含有量は、リン
酸が0.1〜50重量%、金属が0.1〜50重量%、
有機高分子化合物が0.1〜60重量%である。更に好
ましくは、リン酸が0.5〜30重量%、金属が0.5
〜30重量%、有機高分子化合物が0.5〜40重量%
である。
【0019】本発明の小球体中、放射性同位元素の好ま
しい含有量は、小球体1個当たり1×105dpm〜1
×1010dpm、より好ましくは1×106dpm〜1
×10 8dpmである。
【0020】(2)本発明の小球体の製造方法 本発明の小球体は、次のような方法で製造することがで
きる。即ち、水可溶性リン酸塩と有機高分子化合物と水
とを含む滴下液を、リン酸とともに水不溶性塩を形成し
うる金属の水可溶性塩と水とを含む硬化液中に滴下し、
水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合物とを含有する
小球体を析出させる析出工程を含む方法により製造され
る。
【0021】前記析出工程においては、滴下液を硬化液
中に滴下することによって、有機高分子化合物の硬化と
水不溶性金属リン酸塩の生成が起こり、更に有機高分子
化合物の表面張力の作用により、水不溶性金属リン酸塩
と有機高分子化合物とを含む小球体が析出する。滴下液
を硬化液に滴下する場合は、目的とする小球体の大きさ
にもよるが、滴下粒子が微細粒となるように注射器等で
滴下するのが好ましい。
【0022】滴下液中における有機高分子化合物の濃度
は、好ましくは0.1〜4重量%、より好ましくは0.
2〜2重量%である。滴下液中に含まれる水可溶性リン
酸塩としては、リン酸水素二アンモニウム、 32P−リン
酸水素二アンモニウム、リン酸アンモニウム、32P−リ
ン酸アンモニウム、リン酸トリエチルアンモニウム、32
P−リン酸トリエチルアンモニウム等の有機アミン塩等
が例示でき、このうち、リン酸水素二アンモニウム、32
P−リン酸水素二アンモニウム、リン酸アンモニウム、
32P−リン酸アンモニウムが特に好ましい。滴下液中に
おける水可溶性リン酸塩の濃度は、好ましくは2〜10
重量%、より好ましくは3〜8重量%である。
【0023】硬化液中に含まれる、リン酸とともに水不
溶性塩を形成しうる金属の水可溶性塩としては、硝酸カ
ルシウム、酢酸カルシウム等の水可溶性カルシウム塩
や、硝酸ストロンチウム、硝酸ジルコニウム、硝酸バリ
ウム等が例示でき、このうち、硝酸カルシウムが特に好
ましい。この水可溶性塩中の金属が、滴下液の滴下によ
り供給されるリン酸とともに、本発明の小球体を構成す
る水不溶性金属リン酸塩を形成する。硬化液中における
水可溶性塩の濃度は、好ましくは4〜15重量%、より
好ましくは5〜10重量%である。また、硬化液は予め
pH9〜11程度に調整するのが好ましい。
【0024】硬化液中に析出した小球体は、ろ過等によ
って回収され、本発明の水不溶性金属リン酸塩と有機高
分子化合物とを含有する小球体として用いることができ
る。本発明においては、更に、前記析出工程で生成され
回収された水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合物と
を含有する小球体を焼成し、有機高分子化合物を除去す
ることもできる。この焼成を行うことにより、有機高分
子化合物が分解され、水不溶性金属リン酸塩を主成分と
し且つ有機高分子化合物を実質的に含有しない小球体を
得ることができる。焼成の条件としては、温度は900
〜1250℃程度であり、焼成時間は、小球体の量にも
よるが、おおよそ12〜72時間程度である。
【0025】このようにして得られる小球体を、更に必
要に応じて分級することにより、望む粒径分布を有する
小球体を得ることができる。尚、前述した本発明の小球
体に含有され得る炭酸カルシウム等の他の任意成分は、
例えば、滴下液又は硬化液中に予め含有させておく等の
方法により、小球体に含有させることができる。
【0026】(3)本発明の血管閉塞剤及び医薬用組成
物 本発明の小線源は、前述したように、生体適合性のある
素材からなり且つ血管内壁に傷をつけにくい小球状に加
工された小球体からなるものである。そのため、かかる
小線源を含有する本発明の組成物は、癌治療、特に深部
癌の治療の、体内放射線治療線源として有効に用いるこ
とができる。深部癌しては、具体的には膵癌、肝癌、胆
嚢癌、脾臓癌が挙げられる。また、本発明の小線源は、
放射線感受性が高いとされる子宮癌、乳癌、頭頚部癌等
にも適用される。
【0027】本発明の医薬用組成物には、上記小球体以
外に、通常の医薬用組成物で用いられる製剤化のための
任意成分を含有することができる。任意成分としては、
賦形剤、増量剤、結合剤、被覆剤、糖衣剤、安定剤、崩
壊剤、着色剤、滑沢剤、pH調製剤、可溶化剤、分散
剤、増粘剤、等張剤等が例示できる。
【0028】投与経路としては、経口投与、経直腸投与
等も考えられるが、注射による投与が最も好ましく、従
って、本発明の医薬用組成物は、剤型が注射剤であるの
が好ましい。注射による投与としては、皮下投与、腹腔
内投与、動脈投与、静脈投与等が例示できる。このう
ち、患部付近の動脈への動脈注射又は患部への直接投与
が最も好ましい。
【0029】本発明の医薬用組成物の好適な投与量は、
症状、性別、年齢、体型により異なるが、大凡、成人一
人一日当たり、10mg〜10000mgを一回乃至数
回に分けて投与するのが好ましい。また、投与する組成
物の放射性同位元素の含有量は1×105pm〜1×
108dpm程度が好ましい。
【0030】本発明の医薬用組成物は生体物質ないしは
その近似体であるので安全性に優れている。本発明の組
成物を投与することにより、容易に術中照射をすること
と同じ効果の放射線治療を行うことができる。
【0031】また、本発明の医薬用組成物には、癌放射
線治療で用いられる各種の薬剤を含有させることができ
る。このような薬剤としては、リピオドールのような放
射線造影剤ないしは血管閉塞剤、シスプラチン、SMA
NCS、アドリアマイシン、アクチノマイシン、ネオカ
ルチノスタチン、フルオロウラシルとその誘導体等の抗
癌剤、ブロモウラシル等の放射線増感剤、エトポシド等
のアポトーシス誘導剤、ステロイドホルモン類、シクロ
フォスファミド等の免疫抑制剤、モルヒネ等の痛み止め
のための麻薬等が例示できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に例を挙げて発明の実施の形
態について説明するが、本発明がこれらの例のみに限定
を受けないことは言うまでもない。
【0033】<例1:小球体の製造例>コールドのリン
酸水素二アンモニウムと32P−リン酸水素二アンモニウ
ムとを混合して2重量%アルギン酸ナトリウム水溶液に
溶解し、50μCi/mlに放射線強度を調整した0.
1Mリン酸水素二アンモニウム2重量%アルギン酸ナト
リウム水溶液を調製し、これを滴下液とした。一方、硬
化液としてトリエチルアミンを加えてpHを9に調整し
た硝酸カルシウムの0.5M水溶液を用意し、これに前
記滴下液を注射器(注射針:33G)を用いて滴下し
て、小球体を析出させた。この小球体をろ過して回収し
た(小球体1)。
【0034】次いで、この小球体1を10℃/分の速度
で1250℃まで昇温し、1250℃で1時間保って焼
成し、アルギン酸を除去した。その後自然冷却して新た
な小球体を得た(小球体2)。この小球体2の放射性同
位元素の含有量をシンチレーションカウンターで測定し
たところ、一個当たり1499736.5±22045
9.7dpmであり、放射線治療用の体内等よ小線源と
して十分な線量であることが判明した。また、この小球
体2の形状は、直径の平均が400μmの球状であるこ
とが電子顕微鏡写真より明らかになった。(図1)
【0035】<例2:製剤例>例1で得られた小球体1
を用いて、表1に示す処方に従って注射剤を調製した。
即ち、表1の処方成分を混合分散し、アンプルに詰めて
密封した後、滅菌して注射剤とした。
【0036】
【表1】表1 ────────────────── 処方成分 処方割合 ────────────────── 注射用蒸留水 98.1重量% 塩化ナトリウム 0.9重量% 小球体1 1 重量% ──────────────────
【0037】<例3:製剤例>例1で得られた小球体2
を用いて、表2に示す処方に従って注射剤を作成した。
即ち、表2の処方成分を混合分散し、アンプルに詰めて
密封した後、滅菌して注射剤とした。
【0038】
【表2】表2 ──────────────────── 処方成分 処方割合 ──────────────────── 注射用蒸留水 98.1重量% 塩化ナトリウム 0.9重量% 小球体2 1 重量% ────────────────────
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0040】
【実施例1】 <貯留性試験>ラットを用いて投与した本発明の小線源
の貯留性を調べた。即ち、ウィスター系雄性ラット1群
5匹をペントバルビタールで麻酔した後、上腹部を正中
に切開した。次いで、本発明の小線源である前記小球体
2を腹腔内に21mg(28dpm/体重(mg))埋
め込んで閉腹した。これを一定時間ごとに屠殺し、各臓
器を取り出してホモジネートし、この放射線強度を液体
シンチレーションカウンターで測定した。
【0041】これを臓器重量で除し、単位重量当たりの
放射線強度を測定した。結果を表3に示す。これより、
本発明の小線源である小球体は、投与箇所である腹腔に
良く貯留し、他に放射性物質が移行していないことがわ
かる。従って、本発明の小線源を用いれば、正常臓器に
放射線の影響を与えず、患部のみに高線量の照射を行う
ことが可能であり、従って、効率よい放射線治療ができ
ることがわかる。
【0042】
【表3】
【0043】
【実施例2】 <抗腫瘍効果>イノウエ等の方法(J.Sur.Onc
ol.56、269−276、1994)に従ってBO
P投与によって誘発されたハムスターの胆嚢癌を取り出
し、2×2mmの細片を作り、シリアン・ゴールデン・
ハムスター(3匹)の大腿部皮下に移植して3週間後
に、腫瘍が直径1cmの大きさになっているのを確認
し、小球体2の20mgを生理食塩水に分散させて癌中
に直接投与した。18日後に腫瘍の大きさを計測したと
ころ、30%縮小していた。また、腫瘍を取り出して観
察したところ、内部のほとんどが壊死していることがわ
かった。これにより、本発明の小線源の癌を抑制する作
用が明らかとなった。
【0044】
【発明の効果】本発明の小線源は、生体適合性のある素
材からなり、且つ血管内壁に傷をつけにくい小球状に加
工された小球体から構成されるため、安全性の高い体内
放射線治療線源として有効に用いることができる。すな
わち、高い安全性を保ちつつ患部に容易に投与すること
ができ、且つ患部から他の部位への漏出もないため、正
常臓器に影響を与えずに患部のみに高線量の照射をする
ことが可能であり、術中照射と同じ効果の放射線治療
を、患部の内部から効率よく行うことができる。
【0045】よって、かかる小線源を含有する本発明の
医薬用組成物は、有効な癌の放射線治療、特に膵癌や肝
癌等の深部癌に対する放射線治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態中、例1で得られる小球
体2の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性金属リン酸塩を含有する平均粒
    径0.01〜10mmの小球体からなり、且つ放射性同
    位元素を含有する小線源。
  2. 【請求項2】 前記小球体が、水不溶性金属リン酸塩と
    有機高分子化合物とを含有する、請求項1記載の小線
    源。
  3. 【請求項3】 前記有機高分子化合物が、アルギン酸ナ
    トリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カ
    ルボキシデキストランナトリウム、カラギーナン、ペク
    チンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項2
    記載の小線源。
  4. 【請求項4】 水可溶性リン酸塩と有機高分子化合物と
    水とを含む滴下液を、リン酸とともに水不溶性塩を形成
    しうる金属の水可溶性塩と水とを含む硬化液中に滴下
    し、水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合物とを含有
    する小球体を析出させることにより得られる、請求項1
    〜3のいずれかに記載の小線源。
  5. 【請求項5】 前記小球体が、水不溶性金属リン酸塩を
    主成分とし、有機高分子化合物を実質的に含まないもの
    である、請求項1記載の小線源。
  6. 【請求項6】 水可溶性リン酸塩と有機高分子化合物と
    水とを含む滴下液を、リン酸とともに水不溶性塩を形成
    しうる金属の水可溶性塩と水とを含む硬化液中に滴下
    し、析出する水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合物
    とを含有する小球体を、焼成して有機高分子化合物を除
    去することにより得られる、請求項5記載の小線源。
  7. 【請求項7】 前記水不溶性金属リン酸塩がヒドロキシ
    アパタイト又はリン酸三カルシウムである、請求項1記
    載の小線源。
  8. 【請求項8】 前記水不溶性金属リン酸塩が、32Pを放
    射性同位元素として含むものである、請求項1記載の小
    線源。
  9. 【請求項9】 癌治療に用いられる、請求項1記載の小
    線源。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の小線
    源を含有する医薬用組成物。
  11. 【請求項11】 剤型が注射剤である請求項10記載の
    組成物。
  12. 【請求項12】 水可溶性リン酸塩と有機高分子化合物
    と水とを含む滴下液を、リン酸とともに水不溶性塩を形
    成しうる金属の水可溶性塩と水とを含む硬化液中に滴下
    し、水不溶性金属リン酸塩と有機高分子化合物とを含有
    する小球体を析出させる析出工程を含む、請求項1記載
    の小線源の製造方法。
JP7327565A 1995-12-15 1995-12-15 小線源及びそれを含有する医薬用組成物 Pending JPH09166697A (ja)

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