JPH09165299A - 気相成長方法及び気相成長装置 - Google Patents

気相成長方法及び気相成長装置

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JPH09165299A
JPH09165299A JP7328492A JP32849295A JPH09165299A JP H09165299 A JPH09165299 A JP H09165299A JP 7328492 A JP7328492 A JP 7328492A JP 32849295 A JP32849295 A JP 32849295A JP H09165299 A JPH09165299 A JP H09165299A
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gas
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JP7328492A
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Hiroshi Nishino
弘師 西野
Satoshi Murakami
聡 村上
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相成長方法及び気相成長装置に関し、長期
使用に耐えられ、且つ、安定したAsのp型ドーピング
を可能にする気相成長方法及び気相成長装置を提供す
る。 【解決手段】 V族元素を含む不純物原料を用いてV族
元素をアクセプタとしてドーピングすることによってH
gを構成元素として含むp型II−VI族化合物半導体
をエピタキシャル成長させる際に、各原料ガス7,8,
9を複数のガス導入口を介して供給すると共に、II族
元素とV元素とを少なくともガス導入口の直前まで混合
しない様にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気相成長方法及び気
相成長装置に関するものであり、特に、水銀(Hg)を
構成元素として含むII−VI族化合物半導体成長層に
p型不純物としてAs等のV族元素をドープするための
気相成長方法及び気相成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、10μm帯近傍の赤外線を検知す
る赤外線検知素子としては、Cd比が0.2近傍のHg
CdTeを用いたpn接合ダイオードが用いられてお
り、このHgCdTe結晶の成長方法としてはTeリッ
チの融液を用いた液相エピタキシャル成長法が多く用い
られていた。
【0003】この場合、HgCdTeをp型にするため
にはHg空格子を用いるのが一般的であったが、最近
は、MOVPE法(有機金属気相成長法)を用いて、成
長ガス雰囲気にAs等の不純物ガスを導入して、導電型
決定不純物によって、p型HgCdTeを成長させるこ
とが試みられている。
【0004】ここで、図8を参照して、従来のMOVP
E装置及び成長方法を説明する。 図8参照 まず、縦型反応室31内に設けた基台32上にCdTe
等の半導体基板33を載置し、この縦型反応室31にガ
ス導入口34、配管35を介して、Hg供給系36、C
d供給系37、Te供給系38、及び、As供給系39
を接続する。
【0005】この内、Hg供給系36は、液体Hg51
を収容した容器50、液体Hg51をバブリングするた
めの水素ガスを供給するマスフローコントローラ(MF
C)52、及び、気化したHgガスを搬送するための水
素ガスを流量を調整しながら供給するMFC53からな
ると共に、これらの系においてHgが凝結するのを防止
するために、Hg凝結防止用ヒータ保温部54を設け
る。
【0006】また、Cd供給系37は、DMCd(ジメ
チルカドミウム)41を収容した容器40、DMCd4
1をバブリングするための水素ガスを供給するMFC4
3、気化したDMCdガスの圧力を圧力計45で監視し
てその圧力を調整する圧力制御用バルブ46、DMCd
ガスを搬送するための水素ガスを流量を調整しながら供
給するMFC44、Cd供給系37の配管内部をパージ
するために排気系(vent)に切り替える弁47、D
MCdガスを用いないで成長させる場合、例えば、Hg
Teを成長させる場合に、全体の流量のバランスを調節
するための水素ガスを供給するMFC49からなる。
【0007】また、Te供給系38及びAs供給系39
の構成も、Cd供給系37の構成と実質的に同等であ
り、Cd供給系37におけるDMCd41を、夫々DI
PTe(ジイソプロピルテルル)及びTDMA−As
(トリスジメチルアミノアルシン)に置き換えたもので
ある。
【0008】これらのHg供給系36、Cd供給系3
7、Te供給系38、及び、As供給系39から、所定
比率のガスをガス導入口34を介して縦型反応室31に
供給してCdTe等の半導体基板33上にp型HgCd
Te層をエピタキシャル成長させていた。
【0009】しかし、この図8の気相成長装置の場合に
は、ガス導入口34が一つしかないため、HgCdTe
等の混晶成長させる場合、組成の均一なHgCdTe層
を得ることが困難であり、それを解決するために、図9
及び図10に示すようなガス導入口を複数個にした気相
成長装置が提案されている。
【0010】図9参照 図9に示す気相成長装置(特開平5−13473号公報
参照)は、ガス導入口34を複数個(図においては、4
個であるが、4個に限られるものではない)設け、各ガ
ス導入口34に個別の配管35を接続し、各配管35の
各々にHg供給系36、Cd供給系37、及び、Te供
給系38を接続したものである。なお、図においては、
不純物ドーピングを考慮していないので、As供給源は
示していない。
【0011】この場合、Hg供給系36は、それ自体が
ガス導入口34の個数に応じた個数に分割されており、
また、Cd供給系37及びTe供給系38は、夫々ガス
導入口34の個数に応じた個数MFC55,57を介し
て配管35に接続され、且つ、Cd供給系37及びTe
供給系38は、コンダクタンス調整バルブ56,58を
介して排気系(vent)に接続されている。
【0012】この様にガス導入口34を分散することに
よって、HgCdTeエピタキシャル層の面内の組成を
均一にすることができる。
【0013】図10参照 また、図10に示す気相成長装置(特開平4−2873
12号公報参照)は、横型反応室59を用いた場合の構
成であり、Hg供給系36、Cd供給系37、及び、T
e供給系38からのガスは、原料ガス別に対応すると共
に、MFC55,57の個数に対応する複数の開口部を
有するノズル60,61,62を介して横型反応室59
に供給するものであり、その他の構成は図9の構成と実
質的に同等である。
【0014】この場合も、原料ガスをノズル60,6
1,62により分散することによって、HgCdTeエ
ピタキシャル層の面内の組成を均一にすることができ
る。
【0015】この図9及び図10に示す気相成長装置を
用いてp型不純物としてのAsをドーピングする場合、
As供給系をどの様に組み合わせるかについては、具体
的提案がなされていなかった。
【0016】一方、MOVPE法によってAsドープの
p型HgCdTe層を成長させる場合、Cd源とAs源
とがDMCd−AsH3 の形で供給された場合、半導体
基板表面でCd−Asに分解し、Cd−Asの形でHg
CdTe層中に取り込まれるので、AsがHgCdTe
層のTeサイトを優先的に置換して安定したp型結晶が
得られることが報告されている(必要ならば、N.R.
Taskar,I.B.Bhat,K.K.Para
t,S.K.Ghandhi,Journalof C
rystal Growth,vol.110,199
1,pp.692〜696参照)。
【0017】そこで、本発明者等は、AsをCd−As
複合体の形で供給することによって安定したp型結晶を
得るために、CdとAsとをガス導入口34に送り込む
前に混合することを試みた。
【0018】図11(a)参照 図11(a)に示す成長装置の基本構成は、図10に示
す横型反応室を用いた気相成長装置と同じであり、図1
0の気相成長装置におけるCd供給系37をCd−As
供給系63に置き換えたものである。
【0019】図11(b)参照 このCd−As供給系63は、図8に示したCd供給系
37にAs源を付加したものである。即ち、TDMA−
As66を収容した容器65、TDMA−As66をバ
ブリングするための水素ガスを供給するMFC64を付
加し、気化したTDMA−Asガスを搬送する配管を、
気化したDMCdガスを搬送する配管に接続したもので
ある。
【0020】この様な構成を採用することによって、A
sによるTeサイトの置換を確実に行うことができ、且
つ、配管、MFC、弁、或いは、圧力制御用バルブ等の
配管系の一部を省略することができ、気相成長装置の構
成が簡便となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な気相
成長装置においては、成長を繰り返すことによって、D
MCdとTDMA−Asとが、横型反応室59へ至る前
の配管部、即ち、Cd−As供給系63内の配管部で反
応を起こして、その反応生成物が配管内等に付着し、例
えば、2回の結晶成長を行うことにより配管部の詰ま
り、或いは、圧力制御用バルブ及びMFCの故障を引き
起こすため、長期使用に耐えられないと言う欠点があ
る。
【0022】したがって、本発明は、長期使用に耐えら
れ、且つ、安定したAsのp型ドーピングを可能にする
気相成長方法及び気相成長装置を提供することを目的と
する。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、気相成長法において、V族元素を含む
不純物原料を用いてV族元素をアクセプタとしてドーピ
ングすることによってHgを構成元素として含むp型I
I−VI族化合物半導体をエピタキシャル成長させる際
に、各原料ガス7,8,9を複数のガス導入口を介して
供給すると共に、II族元素とV族元素とを少なくとも
ガス導入口の直前まで混合しない様にしたことを特徴と
する。
【0024】この様に、II族元素とV族元素とを少な
くともガス導入口の直前まで混合しない様にすることに
よって、配管等がII族元素とV族元素との反応生成物
によって詰まったり、或いは、圧力制御用バルブ及びM
FCが故障したりしなくなる。なお、本発明において、
ガス導入口の直前とは、II族元素ガスとV族元素ガス
との混合による反応生成物が配管系等に悪影響を与えな
い程度の位置を意味する。
【0025】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、II−VI族化合物半導体成長用の原料、及び、不
純物としてのV族元素原料を、全て同時に供給して常に
混晶の成長を進行させることを特徴とする。
【0026】各原料ガス7,8,9を間欠供給ではな
く、同時に連続して供給することによって、組成が均一
なHgを構成元素として含むII−VI族化合物半導体
エピタキシャル層を成長させることができる。
【0027】(3)また、本発明は、上記(2)におい
て、II−VI族化合物半導体がHgCdTeであり、
HgCdTe成長用の原料として、金属水銀、ジメチル
カドミウム、及び、ジエチルテルル或いはジイソプロピ
ルテルルの一方を用いると共に、V族元素原料として有
機砒素化合物を用いることを特徴とする。
【0028】II−VI族化合物半導体としてHgCd
Teを成長させる場合、金属水銀、ジメチルカドミウム
(DMCd)、及び、ジエチルテルル(DETe)或い
はジイソプロピルテルル(DIPTe)の一方を用いる
ことにより、結晶性の良好なHgCdTe層を得ること
ができる。
【0029】(4)また、本発明は、V族元素を含む不
純物原料を用いてV族元素をアクセプタとしてドーピン
グすることによってHgを構成元素として含むp型II
−VI族化合物半導体をエピタキシャル成長させる気相
成長装置において、各原料ガス7,8,9を供給するガ
ス導入口を複数個設けると共に、II族元素とV族元素
とを少なくともガス導入口の直前まで混合しない様に配
管を設けたことを特徴とする。
【0030】(5)また、本発明は、上記(4)におい
て、複数のガス導入口が、複数の開口部を有し、且つ、
各原料ガス7,8,9毎に対応する複数のノズル4,
5,6からなることを特徴とする。
【0031】この様に、ガス導入口を複数の開口部を有
するノズル4,5,6によって構成し、且つ、この複数
のノズル4,5,6を夫々各原料ガス7,8,9毎に対
応させた横型反応装置によって、反応室1の上流の配管
系において不所望な反応を起こすことがなく、均一性の
優れた結晶を得ることができるものであり、後述する、
図2乃至図4に示す気相成長装置に対応する。
【0032】(6)また、本発明は、上記(4)におい
て、複数のガス導入口の夫々に配管が接続され、各配管
の一つに全ての原料ガス供給系7,8,9を夫々接続
し、全ての原料ガスが混合された状態でガス導入口に供
給することを特徴とする。
【0033】この様な複数のガス導入口を有する縦型反
応装置によっても、ガス導入口近傍より上流で不所望な
反応を起こすことがなく、均一性の優れた結晶を得るこ
とができるものであり、後述する、図5乃至図7に示す
気相成長装置に対応する。
【0034】(7)また、本発明は、上記(5)または
(6)において、V族元素原料とVI族元素原料を合流
させてV族−VI族元素供給系を構成し、このV族−V
I族元素供給系から複数の流量制御器を介してV族元素
原料とVI族元素原料をガス導入口に供給することを特
徴とする。
【0035】この様に、V族元素とVI族元素とは問題
となる反応生成物を生じないので、V族元素原料とVI
族元素原料を合流させてV族−VI族元素供給系を構成
することにより、圧力計、圧力制御用バルブ、流量制御
器、及び、配管の一部を省略し、装置の構成を大幅に簡
素化することができ、且つ、II族元素は別個に供給す
るので配管の詰まり等の問題も生じないものであり、後
述する、図2及び図5に示す気相成長装置に対応する。
【0036】(8)また、本発明は、上記(5)または
(6)において、V族元素原料に対して別個の圧力制御
器を設けて別個のV族元素供給系を設け、このV族元素
供給系とVI族元素供給系を合流させたのち、複数の流
量制御器を介してV族元素原料及びVI族元素原料をガ
ス導入口に供給することを特徴とする。
【0037】この様に、複数の流量制御器の上流でV族
元素原料とVI族元素原料を合流させることによって、
流量制御器、及び、配管の一部を省略し、装置の構成を
簡素化することができるものであり、後述する、図3及
び図6に示す気相成長装置に対応する。
【0038】(9)また、本発明は、上記(5)または
(6)において、V族元素原料に対して別個の圧力制御
器を設けて別個のV族元素供給系を設け、このV族元素
供給系を他の原料供給系とは別個に複数の流量制御器を
介してガス導入口に供給することを特徴とする。
【0039】この様に各原料ガスを別個に供給すること
により、配管の詰まり、或いは、圧力制御用バルブ及び
MFCの故障等を防止することができるものであり、後
述する、図4及び図7に示す気相成長装置に対応する。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態の気相
成長装置及び気相成長方法を図2を参照して説明する。 図2(a)参照 図2(a)は本発明の第1の実施の形態である横型反応
室を用いた気相成長装置の概略的構成図であり、装置自
体の構成は図11(a)に示した従来の気相成長装置と
同じであるが、ノズル61に接続する原料ガス供給系と
してDMCdを原料ガスとするCd供給系37を用い、
また、不純物元素としてのAsをVI族元素のTeと合
流させてTe−As供給系70を構成し、このTe−A
s供給系70をノズル62に接続した点で相違するもの
である。
【0041】また、横型反応室59の周囲には、横型反
応室59、配管、及び、ノズル60〜62等の反応系の
内壁に付着した反応生成物を蒸発させる、反応系ベーキ
ング用ヒータ69を設けておく。
【0042】図2(b)参照 この場合のTe−As供給系70の配管構成等も、図1
1(b)に示したCd−As供給系63の構成と同様で
あり、Te供給系38を構成するDIPTe71を収容
した容器41と圧力制御用バルブ46との間に、容器6
5に収容されたTDMA−As66の気化成分を供給す
る配管を接続した構成になっている。
【0043】次に、HgCdTe層の気相成長方法を説
明すると、まず、横型反応室59内の基台32上に載置
した半導体基板33の基板温度を350〜450℃、好
適には390℃とし、Cd供給系37からノズル61へ
DMCdを0.5×10-2〜2.0×10-2モル%、好
適には1.0×10-2モル%になるように、また、Te
−As供給系70からノズル62へDIPTe71を
0.5×10-2〜2.0×10-1モル%、好適には8.
0×10-2モル%になるように供給する。
【0044】この時の各種ガスを含む総供給量が400
0〜8000sccm/分、好適には6000sccm
/分になるようにH2 ガスを供給し、横型反応室59内
部の圧力を50〜800Torr、好適には150To
rrとした状態で、2時間の成長を行い、3μmのCd
Teバッファ層を堆積させる。
【0045】なお、この場合の半導体基板33として
は、成長層の平坦性に優れる(111)B面から2°オ
フしたCdZnTe基板を用い、また、TDMA−As
66は供給しないので、MFC49及び弁48を介して
2 ガスを供給して総供給量のバランスを調整する。
【0046】次いで、半導体基板33の基板温度を32
0〜400℃、好適には360℃とし、Hg供給系36
からノズル60へHgを0.5〜4.0モル%、好適に
は2.0モル%になるように、Cd供給系37からノズ
ル61へDMCdを0.5×10-2〜1.0×10-1
ル%、好適には5.0×10-2モル%になるように、ま
た、Te−As供給系70からノズル62へDIPTe
71及びTDMA−As66を夫々0.5×10-1
2.0×10-1モル%、好適には1.0×10-1モル%
及び1.0×10-3〜1.0×10-1モル%、好適には
1.0×10-2モル%になるように供給する。
【0047】この時の各種ガスを含む総供給量が400
0〜10000sccm/分、好適には8000scc
m/分になるようにH2 ガスを供給し、横型反応室59
内部の圧力を300〜800Torr、好適には760
Torrとした状態で、2時間の成長を行い、6μmの
Hg0.78Cd0.22Teエピタキシャル層を成長させる。
【0048】次いで、Hg雰囲気中で、200〜300
℃、好適には250℃で、24時間のアニールを行い、
Hg0.78Cd0.22Teエピタキシャル層においてアクセ
プタとなるHg空格子濃度を低減させる。
【0049】この様にして成長させたHg0.78Cd0.22
Teエピタキシャル層のHall測定を行ってキャリア
濃度を評価すると、1×1016cm-3のp型を示し、S
IMS(Secondary Ion Mass Sp
ectrometric)によっても略同程度のAsが
Hg0.78Cd0.22Teエピタキシャル層から検出され
た。
【0050】また、対照実験として行った、Asをドー
プしない場合の、Hg0.78Cd0.22Teエピタキシャル
層のキャリア濃度は、〜1014cm-3のn型であったの
で、成長過程でドープされたAs原子がアクセプタとし
て作用し、p型Hg0.78Cd 0.22Teエピタキシャル層
が得られたものと考えられる。
【0051】この場合には、DIPTe71とTDMA
−As66は、配管系に悪影響を及ぼす反応生成物を発
生させないので、圧力制御用バルブ46やMFC55等
の部品に異常は発生しなかった。
【0052】また、DMCdとTDMA−As66との
反応生成物は、ノズル61,62近傍でしか発生しない
ので、成長終了後に反応系ベーキング用ヒータ69によ
って周囲を800℃程度に加熱し、Cd−As反応生成
物を蒸発させることによって反応系への悪影響を除くこ
とが可能になる。
【0053】この第1の実施の形態においては、従来の
気相成長装置と同様に、複数のガス導入口、即ち、複数
の開口部を有する複数のノズル60〜62を用いている
ので、エピタキシャル層の組成の均一化を図ることがで
きると共に、Cd−As反応生成物による配管の詰ま
り、或いは、圧力制御用バルブ46及びMFC55の故
障を回避することができる。
【0054】また、As供給系専用の圧力計45、圧力
制御用バルブ46、弁47,48、MFC44,49、
コンダクタンス調整バルブ、及び、MFCを省略するこ
とができるので、気相成長装置の構成を大幅に簡素化す
ることができる。
【0055】次に、図3を参照して、本願発明の第2の
実施の形態を説明する。 図3参照 この第2の実施の形態は、Te供給系38とAs供給系
39とをMFC55近傍の上流で合流させたものであ
り、その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、ま
た、As供給系39自体の構成は図8に示した従来のA
s供給系と同様である。
【0056】この第2の実施の形態においても、DMC
dとTDMA−Asとの反応生成物は、ノズル61,6
2近傍でしか発生しないので、成長終了後に反応系ベー
キング用ヒータ69によって周囲を800℃程度に加熱
し、Cd−As反応生成物を蒸発させることによって反
応系への悪影響を除くことが可能になる。
【0057】なお、この第2の実施の形態の場合には、
As供給系専用の圧力計45、圧力制御用バルブ46、
弁47,48、及び、MFC44,49を必要とするの
で、第1の実施の形態よりも構成が大きくなるが、コン
ダクタンス調整バルブ、及び、MFCを省略することが
できるので、気相成長装置の構成をある程度簡素化する
ことができ、また、TDMA−Asを制御性良く供給す
ることができる。
【0058】次に、図4を参照して、本願発明の第3の
実施の形態を説明する。 図4参照 この第3の実施の形態は、Te供給系38とAs供給系
39とをノズル62近傍の上流で合流させたものであ
り、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
【0059】この第3の実施の形態においても、DMC
dとTDMA−Asとの反応生成物は、ノズル61,6
2近傍でしか発生しないので、成長終了後に反応系ベー
キング用ヒータ69によって周囲を800℃程度に加熱
し、Cd−As反応生成物を蒸発させることによって反
応系への悪影響を除くことが可能になる。
【0060】なお、この第3の実施の形態の場合には、
As供給系専用の圧力計45、圧力制御用バルブ46、
弁47,48、MFC44,49、コンダクタンス調整
バルブ68、及び、MFC67を必要とするが、DIP
TeとTDMA−Asは配管系に悪影響を及ぼす反応生
成物を発生させないので、As供給系専用のノズルを省
略することができ、また、DIPTe及びTDMA−A
sを独立して制御性良く供給することができる。
【0061】次に、図5を参照して、本願発明の第4の
実施の形態を説明する。図5は本発明の第4の実施の形
態である縦型反応室を用いた気相成長装置の概略的構成
図であり、装置自体の構成は図9に示した従来の複数ノ
ズル型気相成長装置と同じであるが、Te供給系38を
本発明の第1の実施の形態と同様のTe−As供給系7
0に置き換えたものである。
【0062】また、縦型反応室31の周囲には、縦型反
応室31、配管35、及び、ガス導入口34等の反応系
の内壁に付着した反応生成物を蒸発させる、反応系ベー
キング用ヒータ69を設けておく。
【0063】この場合にも、第1の実施の形態と同様
に、DIPTeとTDMA−Asは、配管系に悪影響を
及ぼす反応生成物を発生させないので、圧力制御用バル
ブやMFC55等の部品に異常は発生しなかった。
【0064】また、DMCdとTDMA−Asとの反応
生成物は、ガス導入口34、或いは、その近傍の配管3
5でしか発生しないので、成長終了後に反応系ベーキン
グ用ヒータ69によって周囲を800℃程度に加熱し、
Cd−As反応生成物を蒸発させることによって反応系
への悪影響を除くことが可能になる。
【0065】この第4の実施の形態においても、As供
給系専用の圧力計45、圧力制御用バルブ46、弁4
7,48、MFC44,49、コンダクタンス調整バル
ブ、及び、MFCを省略することができるので、縦型の
気相成長装置の構成を大幅に簡素化することができる。
【0066】次に、図6を参照して、本願発明の第5の
実施の形態を説明する。 図6参照 この第5の実施の形態は、第2の実施の形態に対応する
ものであり、Te供給系38とAs供給系39とをMF
C55近傍の上流で合流させたもので、その他の構成は
第4の実施の形態と同様であり、また、As供給系39
自体の構成は図8に示した従来のAs供給系と同様であ
る。
【0067】この第5の実施の形態においても、DMC
dとTDMA−Asとの反応生成物は、ガス導入口3
4、或いは、その近傍の配管35でしか発生しないの
で、成長終了後に反応系ベーキング用ヒータ69によっ
て周囲を800℃程度に加熱し、Cd−As反応生成物
を蒸発させることによって反応系への悪影響を除くこと
が可能になる。
【0068】なお、この第5の実施の形態の場合には、
As供給系専用の圧力計45、圧力制御用バルブ46、
弁47,48、及び、MFC44,49を必要とするの
で、第4の実施の形態よりも構成が大きくなるが、コン
ダクタンス調整バルブ、及び、MFCを省略することが
できるので、縦型の気相成長装置の構成をある程度簡素
化することができ、また、TDMA−Asを制御性良く
供給することができる。
【0069】次に、図7を参照して、本願発明の第6の
実施の形態を説明する。 図7参照 この第6の実施の形態は、Hg供給系36、Cd供給系
37、Te供給系38、及び、As供給系39の全てを
独立に設けたものであり、その他の構成は第4の実施の
形態と同様である。
【0070】この第6の実施の形態においては、Cd供
給系37及びAs供給系39を下流側に設けることによ
って、DMCdとTDMA−As66との反応生成物
は、ガス導入口34、或いは、その近傍の配管35でし
か発生しないので、成長終了後に反応系ベーキング用ヒ
ータ69によって周囲を800℃程度に加熱し、Cd−
As反応生成物を蒸発させることによって反応系への悪
影響を除くことが可能になる。
【0071】なお、この第6の実施の形態の場合には、
As供給系専用の圧力計45、圧力制御用バルブ46、
弁47,48、MFC44,49、コンダクタンス調整
バルブ68、及び、MFC67を必要とするが、DIP
Te及びTDMA−Asを独立して制御性良く供給する
ことができる。
【0072】なお、上記の第1の実施の形態において
は、p型HgCdTe層の成長工程しか説明していない
が、In等のIII 族元素、或いは、I(沃素)等のVII
族元素等のn型不純物供給系を設けて、不純物ガスを切
り替えることによって、p型HgCdTe層に引き続い
てn型HgCdTe層を成長させ、エピタキシャルpn
接合によって赤外線検知素子を形成しても良いものであ
る。
【0073】また、上記第1の実施の形態の説明におい
ては、Te源としてDIPTeを用いているが、DET
e(ジエチルテルル)を用いても良いものである。
【0074】また、上記の各実施の形態においては、H
gCdTeの成長工程として説明しているが、HgCd
Teに限られるものではなく、本発明は、HgZnT
e、HgMnTe、或いは、HgCdTeとの混晶等の
Hg空格子がキャリア濃度に影響を与えるHgを構成元
素として含むII−VI族化合物半導体を対象とするも
のである。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、組成の均一なHg構成
元素として含むp型II−VI族化合物半導体を成長さ
せる際に、複数のガス導入口を設けると共に、II族元
素とV族元素の合流点をガス導入口近傍、或いは、その
下流に設定したので、気相成長装置の故障頻度を低減す
ることができ、且つ、安定なV族元素のドーピングが可
能になるので、赤外線検知素子等の半導体デバイスの性
能向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の説明図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態の説明図である。
【図8】従来の気相成長装置の概略的構成図である。
【図9】従来の複数ノズル型気相成長装置の概略的構成
図である。
【図10】従来の原料別ノズル型気相成長装置の概略的
構成図である。
【図11】従来の不純物ドープ法の説明図である。
【符号の説明】
1 反応室 2 基台 3 半導体基板 4 ノズル 5 ノズル 6 ノズル 7 Hg供給系 8 II族元素供給系 9 V族−VI族元素供給系 10 MFC 11 MFC 12 Hg凝結防止用ヒータ保温部 31 縦型反応室 32 基台 33 半導体基板 34 ガス導入口 35 配管 36 Hg供給系 37 Cd供給系 38 Te供給系 39 As供給系 40 MFC 41 容器 42 DMCd 43 MFC 44 MFC 45 圧力計 46 圧力制御用バルブ 47 弁 48 弁 49 MFC 50 容器 51 Hg 52 MFC 53 MFC 54 Hg凝結防止用ヒータ保温部 55 MFC 56 コンダクタンス調整バルブ 57 MFC 58 コンダクタンス調整バルブ 59 横型反応室 60 ノズル 61 ノズル 62 ノズル 63 Cd−As供給系 64 MFC 65 容器 66 TDMA−As 67 MFC 68 コンダクタンス調整バルブ 69 反応系ベーキング用ヒータ 70 Te−As供給系 71 DIPTe

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V族元素を含む不純物原料を用いてV族
    元素をアクセプタとしてドーピングすることによってH
    gを構成元素として含むp型II−VI族化合物半導体
    をエピタキシャル成長させる際に、各原料ガスを複数の
    ガス導入口を介して供給すると共に、II族元素とV族
    元素とを少なくとも前記ガス導入口の直前まで混合しな
    い様にしたことを特徴とする気相成長方法。
  2. 【請求項2】 上記II−VI族化合物半導体成長用の
    原料、及び、上記アクセプタとしてのV族元素原料を、
    全て同時に供給して常に混晶の成長を進行させることを
    特徴とする請求項1記載の気相成長方法。
  3. 【請求項3】 上記II−VI族化合物半導体がHgC
    dTeであり、HgCdTe成長用の原料として、金属
    水銀、ジメチルカドミウム、及び、ジエチルテルル或い
    はジイソプロピルテルルの一方を用いると共に、上記V
    族元素原料として有機砒素化合物を用いることを特徴と
    する請求項2記載の気相成長方法。
  4. 【請求項4】 V族元素を含む不純物原料を用いてV族
    元素をアクセプタとしてドーピングすることによってH
    gを構成元素として含むp型II−VI族化合物半導体
    をエピタキシャル成長させる気相成長装置において、各
    原料ガスを供給するガス導入口を複数個設けると共に、
    II族元素とV族元素とを少なくとも前記ガス導入口の
    直前まで混合しない様に配管を設けたことを特徴とする
    気相成長装置。
  5. 【請求項5】 上記複数のガス導入口が、複数の開口部
    を有し、且つ、上記各原料ガス毎に対応する複数のノズ
    ルからなることを特徴とする請求項4記載の気相成長装
    置。
  6. 【請求項6】 上記複数のガス導入口の夫々に配管が接
    続され、前記各配管の一つに全ての原料ガス供給系を夫
    々接続し、全ての原料ガスが混合された状態で前記ガス
    導入口に供給することを特徴とする請求項4記載の気相
    成長装置。
  7. 【請求項7】 上記V族元素原料とVI族元素原料を合
    流させてV族−VI族元素供給系を構成し、前記V族−
    VI族元素供給系から複数の流量制御器を介してV族元
    素原料とVI族元素原料を上記ガス導入口に供給するこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の気相成長装置。
  8. 【請求項8】 上記V族元素原料に対して別個の圧力制
    御器を設けて別個のV族元素供給系を設け、前記V族元
    素供給系とVI族元素供給系を合流させたのち、複数の
    流量制御器を介してV族元素原料及びVI族元素原料を
    上記ガス導入口に供給することを特徴とする請求項5ま
    たは6記載の気相成長装置。
  9. 【請求項9】 上記V族元素原料に対して別個の圧力制
    御器を設けて別個のV族元素供給系を設け、前記V族元
    素供給系を他の原料供給系とは別個に複数の流量制御器
    を介して上記ガス導入口に供給することを特徴とする請
    求項5または6記載の気相成長装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251946A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Nuflare Technology Inc 気相成長装置及び気相成長方法
JP2012009500A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Denso Corp 半導体製造装置

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