JPH09164813A - 方向性傾斜溝を備えた空気入りタイヤ - Google Patents
方向性傾斜溝を備えた空気入りタイヤInfo
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- JPH09164813A JPH09164813A JP7326037A JP32603795A JPH09164813A JP H09164813 A JPH09164813 A JP H09164813A JP 7326037 A JP7326037 A JP 7326037A JP 32603795 A JP32603795 A JP 32603795A JP H09164813 A JPH09164813 A JP H09164813A
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- B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
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- B60C11/0327—Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern
- B60C11/033—Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern by the void or net-to-gross ratios of the patterns
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- B60C2011/0337—Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
- B60C2011/0386—Continuous ribs
- B60C2011/0388—Continuous ribs provided at the equatorial plane
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 騒音を低く押さえ、しかも、ウエット路面で
の操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性の優れた、
乗用車用空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 パターン・センターに設けられた中央周
方向リブ１と、該中央周方向リブの左右に設けられた一
対の中央周方向溝２と、左右に周方向に対して傾斜して
Ｖ字状に延びる方向性傾斜溝３とを備え、アスペクト・
レシオが５０％以下、溝幅が３．５乃至９ｍｍで、該中
央周方向溝２から周方向に対して３０乃至６０度の角度
で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッド両側部で周方
向に対して８０乃至９０度で両端に開口し、該方向性傾
斜溝によってトレッド両側部に形成されたショルダー・
ブロックに、周方向に対して８０乃至９０度で延びる、
２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダー横溝５を備え、ト
レッドの周長に対する、模様の周方向長さ（ピッチ）の
比が１．５乃至３％で、トレッド・パターンのネガティ
ブ率が３０乃至３５％で、矩形率が６５乃至１００％で
ある。
の操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性の優れた、
乗用車用空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 パターン・センターに設けられた中央周
方向リブ１と、該中央周方向リブの左右に設けられた一
対の中央周方向溝２と、左右に周方向に対して傾斜して
Ｖ字状に延びる方向性傾斜溝３とを備え、アスペクト・
レシオが５０％以下、溝幅が３．５乃至９ｍｍで、該中
央周方向溝２から周方向に対して３０乃至６０度の角度
で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッド両側部で周方
向に対して８０乃至９０度で両端に開口し、該方向性傾
斜溝によってトレッド両側部に形成されたショルダー・
ブロックに、周方向に対して８０乃至９０度で延びる、
２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダー横溝５を備え、ト
レッドの周長に対する、模様の周方向長さ（ピッチ）の
比が１．５乃至３％で、トレッド・パターンのネガティ
ブ率が３０乃至３５％で、矩形率が６５乃至１００％で
ある。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車用空気入りタイヤ
に関するもので、特に、パターン・センターに設けられ
た中央周方向リブと、該中央周方向リブの左右に設けら
れた一対の中央周方向溝と、該中央周方向溝から左右
に、周方向に対して傾斜してＶ字状に延びる、周方向に
間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜溝とを備えた
方向性トレッド・パターンを有する、アスペクト・レシ
オが５０以下の空気入りタイヤに関するものである。
に関するもので、特に、パターン・センターに設けられ
た中央周方向リブと、該中央周方向リブの左右に設けら
れた一対の中央周方向溝と、該中央周方向溝から左右
に、周方向に対して傾斜してＶ字状に延びる、周方向に
間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜溝とを備えた
方向性トレッド・パターンを有する、アスペクト・レシ
オが５０以下の空気入りタイヤに関するものである。
【０００２】本明細書において、「周方向リブ」とは、
周方向に連続して延びるリブを意味し、「周方向溝」と
は、周方向に連続して延びる溝を意味し、「方向性傾斜
溝」とは、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、
タイヤの正転時に、該溝の傾斜して延びる部分のタイヤ
赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に
接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が
指定されている、いわゆる方向性トレッド・パターンが
形成される溝を意味し、「アスペクト・レシオ」とは、
偏平率とも言われ、タイヤの断面幅ＳＷに対するタイヤ
の断面高さＳＨの比であり、「矩形率」とは、タイヤの
接地形状を現す指標の１つであって、タイヤを正規リム
に正規内圧でリム組みし、正規荷重を静的に負荷したと
きの、タイヤ接地面の中央部の周方向長さをＬC 、中央
部から左右に８０％（片側４０％）の位置の周方向長さ
をＬL およびＬR としたときに、（ＬL ＋ＬR ）／２Ｌ
C で算出される値が矩形率であり、「ネガティブ率」と
は、見かけのトレッド接地面積全体のうち、溝などがあ
って実際には接地していない部分の面積が占める割合を
意味する。
周方向に連続して延びるリブを意味し、「周方向溝」と
は、周方向に連続して延びる溝を意味し、「方向性傾斜
溝」とは、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、
タイヤの正転時に、該溝の傾斜して延びる部分のタイヤ
赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に
接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が
指定されている、いわゆる方向性トレッド・パターンが
形成される溝を意味し、「アスペクト・レシオ」とは、
偏平率とも言われ、タイヤの断面幅ＳＷに対するタイヤ
の断面高さＳＨの比であり、「矩形率」とは、タイヤの
接地形状を現す指標の１つであって、タイヤを正規リム
に正規内圧でリム組みし、正規荷重を静的に負荷したと
きの、タイヤ接地面の中央部の周方向長さをＬC 、中央
部から左右に８０％（片側４０％）の位置の周方向長さ
をＬL およびＬR としたときに、（ＬL ＋ＬR ）／２Ｌ
C で算出される値が矩形率であり、「ネガティブ率」と
は、見かけのトレッド接地面積全体のうち、溝などがあ
って実際には接地していない部分の面積が占める割合を
意味する。
【０００３】
【従来の技術】トレッドにＶ字状主溝を備えた上記のよ
うな従来のタイヤでは、タイヤ回転軸方向にラグ成分が
存在するので、その出現頻度を常用される車速と車両の
遮音特性を考慮して配置しておかないと、耳障りなタイ
ヤの騒音（パターン・ノイズ）が発生しやすい。また、
アスペクト・レシオが５０％以上のタイヤでは、接地長
さより接地幅のほうが大きいので、Ｖ字状主溝を備えた
上記のような従来のタイヤでは、ウエット路面でのタイ
ヤ接地中心付近の水の排水性能が不足することがある。
上記のような従来のタイヤでウエット路面での操縦安定
性やハイドロ・プレーニング特性を高めるためには、溝
本数や溝幅を増やしてネガティブ比率（トレッド接地面
の面積に対する溝表面の面積の割合）を増加させるこ
と、特に、方向性傾斜溝のネガティブ比率を高めること
が効果的であって、頻繁に採用される設計手法である。
しかしながら、この手法で設計されたウエット性能に優
れた方向性トレッド・パターンを備えた空気入りタイヤ
では、タイヤの騒音（パターン・ノイズ）が大きくなっ
たり、耐偏摩耗性能が低下しやすい。逆に、上記のよう
な従来のタイヤでタイヤの騒音（パターン・ノイズ）を
低く押さえ、耐偏摩耗性能を確保しようとすると、ウエ
ット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性
を高めることが困難であった。
うな従来のタイヤでは、タイヤ回転軸方向にラグ成分が
存在するので、その出現頻度を常用される車速と車両の
遮音特性を考慮して配置しておかないと、耳障りなタイ
ヤの騒音（パターン・ノイズ）が発生しやすい。また、
アスペクト・レシオが５０％以上のタイヤでは、接地長
さより接地幅のほうが大きいので、Ｖ字状主溝を備えた
上記のような従来のタイヤでは、ウエット路面でのタイ
ヤ接地中心付近の水の排水性能が不足することがある。
上記のような従来のタイヤでウエット路面での操縦安定
性やハイドロ・プレーニング特性を高めるためには、溝
本数や溝幅を増やしてネガティブ比率（トレッド接地面
の面積に対する溝表面の面積の割合）を増加させるこ
と、特に、方向性傾斜溝のネガティブ比率を高めること
が効果的であって、頻繁に採用される設計手法である。
しかしながら、この手法で設計されたウエット性能に優
れた方向性トレッド・パターンを備えた空気入りタイヤ
では、タイヤの騒音（パターン・ノイズ）が大きくなっ
たり、耐偏摩耗性能が低下しやすい。逆に、上記のよう
な従来のタイヤでタイヤの騒音（パターン・ノイズ）を
低く押さえ、耐偏摩耗性能を確保しようとすると、ウエ
ット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性
を高めることが困難であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、タイ
ヤの騒音（パターン・ノイズ）を低く押さえ、しかも、
ウエット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニング
特性に優れた、乗用車用空気入りタイヤを提供すること
である。
ヤの騒音（パターン・ノイズ）を低く押さえ、しかも、
ウエット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニング
特性に優れた、乗用車用空気入りタイヤを提供すること
である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の空気入りタイヤは、パターン・センター
に設けられた中央周方向リブと、該中央周方向リブの左
右に設けられた一対の中央周方向溝と、該中央周方向溝
から左右に周方向に対して傾斜してＶ字状に延びる、周
方向に間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜溝とを
備えた方向性トレッド・パターンを有する、アスペクト
・レシオが５０％以下の空気入りタイヤにおいて、
（１）該方向性傾斜溝の、溝が延びる方向に対し直角方
向に測定した溝幅が３．５乃至９ｍｍで、（２）該方向
性傾斜溝は、該中央周方向溝から周方向に対して３０乃
至６０度の角度で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッ
ド両側部で傾斜角度を変えて周方向に対して８０乃至９
０度で延びてトレッド両端に開口し、（３）該方向性傾
斜溝によってトレッド両側部に形成されたショルダー・
ブロックに、周方向に対して８０乃至９０度で延びる、
２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダー横溝を備え、
（４）トレッドの周長に対する、トレッド・パターンを
構成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が
１．５乃至３％で、（５）トレッド・パターンのネガテ
ィブ率が３０乃至３５％で、矩形率が６５乃至１００％
であることを特徴とするトレッド・パターンを備えた空
気入りタイヤである。
めに、本発明の空気入りタイヤは、パターン・センター
に設けられた中央周方向リブと、該中央周方向リブの左
右に設けられた一対の中央周方向溝と、該中央周方向溝
から左右に周方向に対して傾斜してＶ字状に延びる、周
方向に間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜溝とを
備えた方向性トレッド・パターンを有する、アスペクト
・レシオが５０％以下の空気入りタイヤにおいて、
（１）該方向性傾斜溝の、溝が延びる方向に対し直角方
向に測定した溝幅が３．５乃至９ｍｍで、（２）該方向
性傾斜溝は、該中央周方向溝から周方向に対して３０乃
至６０度の角度で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッ
ド両側部で傾斜角度を変えて周方向に対して８０乃至９
０度で延びてトレッド両端に開口し、（３）該方向性傾
斜溝によってトレッド両側部に形成されたショルダー・
ブロックに、周方向に対して８０乃至９０度で延びる、
２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダー横溝を備え、
（４）トレッドの周長に対する、トレッド・パターンを
構成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が
１．５乃至３％で、（５）トレッド・パターンのネガテ
ィブ率が３０乃至３５％で、矩形率が６５乃至１００％
であることを特徴とするトレッド・パターンを備えた空
気入りタイヤである。
【０００６】アスペクト・レシオが５０以下の、いわゆ
る超偏平空気入りタイヤでは、操縦安定性能と騒音（パ
ターン・ノイズ）を低く押さえた居住性を高度に両立す
ることが求められていて、基本的には、上記のようなＶ
字状に延びる、周方向に間隔を置いて設けられた多数の
方向性傾斜溝を備えた方向性トレッド・パターンが適し
ている。
る超偏平空気入りタイヤでは、操縦安定性能と騒音（パ
ターン・ノイズ）を低く押さえた居住性を高度に両立す
ることが求められていて、基本的には、上記のようなＶ
字状に延びる、周方向に間隔を置いて設けられた多数の
方向性傾斜溝を備えた方向性トレッド・パターンが適し
ている。
【０００７】本発明の乗用車用空気入りタイヤでは、ト
レッド・パターンのネガティブ率が３０乃至３５％であ
るが、ネガティブ率が３０％より小さくなると溝の体積
が絶対的に不足し、溝の配置をどのように工夫しても排
水能力が不足し、一方、ネガティブ率が３５％より大き
くなると接地するゴム・ブロックの体積が不足し、コー
ナリング時に加わる横方向の力に抗するだけのブロック
剛性が確保できないからである。本発明の乗用車用空気
入りタイヤでは、上記のように、矩形率が６５乃至１０
０％であるが、矩形率が６５％より小さくなるとセンタ
ー部とショルダー部の周長差が過大となり、引きずりに
よる偏摩耗（ヒール・アンド・トー摩耗）が発生しやす
くなり、一方矩形率が１００％より大きくなるとトレッ
ドのショルダー部の接地圧が大きくなり過ぎて、偏摩耗
（ヒール・アンド・トー摩耗）が発生しやすくなる。
レッド・パターンのネガティブ率が３０乃至３５％であ
るが、ネガティブ率が３０％より小さくなると溝の体積
が絶対的に不足し、溝の配置をどのように工夫しても排
水能力が不足し、一方、ネガティブ率が３５％より大き
くなると接地するゴム・ブロックの体積が不足し、コー
ナリング時に加わる横方向の力に抗するだけのブロック
剛性が確保できないからである。本発明の乗用車用空気
入りタイヤでは、上記のように、矩形率が６５乃至１０
０％であるが、矩形率が６５％より小さくなるとセンタ
ー部とショルダー部の周長差が過大となり、引きずりに
よる偏摩耗（ヒール・アンド・トー摩耗）が発生しやす
くなり、一方矩形率が１００％より大きくなるとトレッ
ドのショルダー部の接地圧が大きくなり過ぎて、偏摩耗
（ヒール・アンド・トー摩耗）が発生しやすくなる。
【０００８】本発明の乗用車用空気入りタイヤでは、上
記のように、トレッドの周長に対する、トレッド・パタ
ーンを構成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）
の比が１．５乃至３％であるが、この値が１．５％より
小さくなると、トレッド・パターンを構成する最小単位
の模様の個数（いわゆるピッチ個数）がトレッド周上で
およそ１３０個程度以上となり、ショルダー部のゴム・
ブロックの体積が小さくなり過ぎて、ブロック剛性が不
足する。一方この値が３％より大きくなると、トレッド
・パターンを構成する最小単位の模様の個数（いわゆる
ピッチ個数）がトレッド周上でおよそ７０個程度以下と
なるので、車内騒音が目立ちやすい、速度６０ｋｍ／ｈ
近辺で、３００乃至４００Ｈｚの周波数で騒音の１次ピ
ークを持つことになる。この帯域は車両の遮音材で遮音
しにくい帯域である。本発明の空気入りタイヤでは、ト
レッドの周長に対する、トレッド・パターンを構成する
最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が１．５乃
至３％であるので、ブロック剛性が確保されるととも
に、騒音の１次ピークが高周波側に移行し、車両の遮音
材で遮音しやすい帯域となり、また、タイヤ騒音がエン
ジン音などの他の高周波騒音にまぎれて目立たなくな
る。
記のように、トレッドの周長に対する、トレッド・パタ
ーンを構成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）
の比が１．５乃至３％であるが、この値が１．５％より
小さくなると、トレッド・パターンを構成する最小単位
の模様の個数（いわゆるピッチ個数）がトレッド周上で
およそ１３０個程度以上となり、ショルダー部のゴム・
ブロックの体積が小さくなり過ぎて、ブロック剛性が不
足する。一方この値が３％より大きくなると、トレッド
・パターンを構成する最小単位の模様の個数（いわゆる
ピッチ個数）がトレッド周上でおよそ７０個程度以下と
なるので、車内騒音が目立ちやすい、速度６０ｋｍ／ｈ
近辺で、３００乃至４００Ｈｚの周波数で騒音の１次ピ
ークを持つことになる。この帯域は車両の遮音材で遮音
しにくい帯域である。本発明の空気入りタイヤでは、ト
レッドの周長に対する、トレッド・パターンを構成する
最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が１．５乃
至３％であるので、ブロック剛性が確保されるととも
に、騒音の１次ピークが高周波側に移行し、車両の遮音
材で遮音しやすい帯域となり、また、タイヤ騒音がエン
ジン音などの他の高周波騒音にまぎれて目立たなくな
る。
【０００９】本発明の乗用車用空気入りタイヤでは、上
記のように、方向性傾斜溝の、溝が延びる方向に対し直
角方向に測定した溝幅が３．５乃至９ｍｍであるが、方
向性傾斜溝の溝幅が３．５ｍｍより小さいと、ウエット
路面上を走行したときに排水するための溝断面積が不足
し、ウエット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニ
ング特性が低下し、一方方向性傾斜溝の溝幅が９ｍｍよ
り大きいと、Ｖ字溝によって形成されるブロックが接地
するときに路面に衝突して発生する騒音が大きくなる。
記のように、方向性傾斜溝の、溝が延びる方向に対し直
角方向に測定した溝幅が３．５乃至９ｍｍであるが、方
向性傾斜溝の溝幅が３．５ｍｍより小さいと、ウエット
路面上を走行したときに排水するための溝断面積が不足
し、ウエット路面での操縦安定性やハイドロ・プレーニ
ング特性が低下し、一方方向性傾斜溝の溝幅が９ｍｍよ
り大きいと、Ｖ字溝によって形成されるブロックが接地
するときに路面に衝突して発生する騒音が大きくなる。
【００１０】本発明の乗用車用空気入りタイヤでは、上
記のように、方向性傾斜溝は、中央周方向溝から周方向
に対して３０乃至６０度の角度で傾斜して左右にＶ字状
に延び、トレッド両側部で傾斜角度を変えて周方向に対
して８０乃至９０度で延びてトレッド両端に開口してい
る。方向性傾斜溝が周方向に対してＶ字状に延びる角度
が３０度より小さな角度であると、幅方向のラグ成分が
ほぼ同時に入力され、耳障りな騒音が発生し、一方この
角度が６０度より大きくなると、Ｖ字溝によって形成さ
れるブロック剛性が不足する。
記のように、方向性傾斜溝は、中央周方向溝から周方向
に対して３０乃至６０度の角度で傾斜して左右にＶ字状
に延び、トレッド両側部で傾斜角度を変えて周方向に対
して８０乃至９０度で延びてトレッド両端に開口してい
る。方向性傾斜溝が周方向に対してＶ字状に延びる角度
が３０度より小さな角度であると、幅方向のラグ成分が
ほぼ同時に入力され、耳障りな騒音が発生し、一方この
角度が６０度より大きくなると、Ｖ字溝によって形成さ
れるブロック剛性が不足する。
【００１１】本発明の乗用車用空気入りタイヤでは、方
向性傾斜溝によってトレッド両側部に形成されたショル
ダー・ブロックに、２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダ
ー横溝を備えている。このショルダー横溝を備えること
によって、ショルダー・ブロックが路面となじみよく接
地し、溝幅が２ｍｍ乃至５ｍｍであるので不必要な騒音
を発生せず、ブロックが接地するときに路面に衝突して
発生する騒音が小さくなる。
向性傾斜溝によってトレッド両側部に形成されたショル
ダー・ブロックに、２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅のショルダ
ー横溝を備えている。このショルダー横溝を備えること
によって、ショルダー・ブロックが路面となじみよく接
地し、溝幅が２ｍｍ乃至５ｍｍであるので不必要な騒音
を発生せず、ブロックが接地するときに路面に衝突して
発生する騒音が小さくなる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う実施例の乗用
車用空気入りタイヤおよび従来例の乗用車用空気入りタ
イヤについて図面を参照して説明する。タイヤ・サイズ
は、いずれも２４５／４０ＺＲ１８である。
車用空気入りタイヤおよび従来例の乗用車用空気入りタ
イヤについて図面を参照して説明する。タイヤ・サイズ
は、いずれも２４５／４０ＺＲ１８である。
【００１３】図１は本発明に従う実施例の乗用車用空気
入りタイヤのトレッド・パターンであって、実施例１の
空気入りタイヤは、パターン・センターに設けられた中
央周方向リブ１と、この中央周方向リブ１の左右に設け
られた一対の中央周方向溝２と、この一対の中央周方向
溝２から左右に周方向に対して傾斜してＶ字状に延び
る、周方向に間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜
溝３とを備えた方向性トレッド・パターンを有する、ア
スペクト・レシオが４０％の乗用車用空気入りタイヤで
ある。方向性傾斜溝３の、溝が延びる方向に対し直角方
向に測定した溝幅が４ｍｍであって、方向性傾斜溝３
は、中央周方向溝２から周方向に対して４０乃至６０度
の角度で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッド両側部
で傾斜角度を変えて周方向に対して８０乃至９０度で延
びてトレッド両端に開口している。方向性傾斜溝３によ
ってトレッド両側部に形成されたショルダー・ブロック
４に、２ｍｍの溝幅のショルダー横溝５が備えられてい
る。トレッドの周長に対する、トレッド・パターンを構
成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が２
％で、トレッド・パターンのネガティブ率が３３％で、
矩形率が７５％である。
入りタイヤのトレッド・パターンであって、実施例１の
空気入りタイヤは、パターン・センターに設けられた中
央周方向リブ１と、この中央周方向リブ１の左右に設け
られた一対の中央周方向溝２と、この一対の中央周方向
溝２から左右に周方向に対して傾斜してＶ字状に延び
る、周方向に間隔を置いて設けられた多数の方向性傾斜
溝３とを備えた方向性トレッド・パターンを有する、ア
スペクト・レシオが４０％の乗用車用空気入りタイヤで
ある。方向性傾斜溝３の、溝が延びる方向に対し直角方
向に測定した溝幅が４ｍｍであって、方向性傾斜溝３
は、中央周方向溝２から周方向に対して４０乃至６０度
の角度で傾斜して左右にＶ字状に延び、トレッド両側部
で傾斜角度を変えて周方向に対して８０乃至９０度で延
びてトレッド両端に開口している。方向性傾斜溝３によ
ってトレッド両側部に形成されたショルダー・ブロック
４に、２ｍｍの溝幅のショルダー横溝５が備えられてい
る。トレッドの周長に対する、トレッド・パターンを構
成する最小単位の模様の周方向長さ（ピッチ）の比が２
％で、トレッド・パターンのネガティブ率が３３％で、
矩形率が７５％である。
【００１４】図２は従来例の乗用車用空気入りタイヤの
トレッド・パターンであって、従来例の空気入りタイヤ
は、方向性傾斜溝３の溝幅が７ｍｍであること、中央周
方向リブ１の左右に一対の中央周方向溝２が設けられて
いないこと、方向性傾斜溝３は、中央周方向溝２からで
なく中央周方向リブ１から周方向に対して５７乃至７５
度の角度で傾斜して左右にＶ字状に延びていること、シ
ョルダー・ブロック４に設けられたショルダー横溝５の
溝幅が４ｍｍであること、およびトレッドの周長に対す
る、トレッド・パターンを構成する最小単位の模様の周
方向長さ（ピッチ）の比が３．３％であることを除き、
上記実施例のタイヤとほぼ同じである。
トレッド・パターンであって、従来例の空気入りタイヤ
は、方向性傾斜溝３の溝幅が７ｍｍであること、中央周
方向リブ１の左右に一対の中央周方向溝２が設けられて
いないこと、方向性傾斜溝３は、中央周方向溝２からで
なく中央周方向リブ１から周方向に対して５７乃至７５
度の角度で傾斜して左右にＶ字状に延びていること、シ
ョルダー・ブロック４に設けられたショルダー横溝５の
溝幅が４ｍｍであること、およびトレッドの周長に対す
る、トレッド・パターンを構成する最小単位の模様の周
方向長さ（ピッチ）の比が３．３％であることを除き、
上記実施例のタイヤとほぼ同じである。
【００１５】図１に示す上記本発明に従う実施例の乗用
車用空気入りタイヤと図２に示す上記従来例の乗用車用
空気入りタイヤについて、ハイドロ・プレーニング特性
およびタイヤ騒音の評価試験を実施した。ハイドロ・プ
レーニング特性のテストは、水深１０ｍｍのウエット路
面走行時のハイドロ・プレーニングの発生限界速度であ
り、タイヤ騒音のテストは、６０ｋｍ／ｈの速度で走行
中のタイヤ騒音を、ドライバーの右耳（左ハンドル車）
付近に設置したマイクロフォンで測定した結果である。
車用空気入りタイヤと図２に示す上記従来例の乗用車用
空気入りタイヤについて、ハイドロ・プレーニング特性
およびタイヤ騒音の評価試験を実施した。ハイドロ・プ
レーニング特性のテストは、水深１０ｍｍのウエット路
面走行時のハイドロ・プレーニングの発生限界速度であ
り、タイヤ騒音のテストは、６０ｋｍ／ｈの速度で走行
中のタイヤ騒音を、ドライバーの右耳（左ハンドル車）
付近に設置したマイクロフォンで測定した結果である。
【００１６】ハイドロ・プレーニング特性の評価結果
は、上記従来例のタイヤのハイドロ・プレーニングの発
生限界速度を１００とすると、上記実施例のタイヤの発
生限界速度は１１０であった。タイヤ騒音の評価試験結
果を図３に示す。横軸は周波数（Ｈｚ）、縦軸は騒音の
音圧レベル（ｄＢ）で、実線が上記従来例のタイヤの測
定結果で、点線が上記実施例のタイヤの測定結果であ
る。上記従来例のタイヤは４００Ｈｚ近辺の周波数で騒
音の１次ピークを持っているが、上記実施例のタイヤで
はこの１次ピークが極めて小さくなっていることが分か
る。
は、上記従来例のタイヤのハイドロ・プレーニングの発
生限界速度を１００とすると、上記実施例のタイヤの発
生限界速度は１１０であった。タイヤ騒音の評価試験結
果を図３に示す。横軸は周波数（Ｈｚ）、縦軸は騒音の
音圧レベル（ｄＢ）で、実線が上記従来例のタイヤの測
定結果で、点線が上記実施例のタイヤの測定結果であ
る。上記従来例のタイヤは４００Ｈｚ近辺の周波数で騒
音の１次ピークを持っているが、上記実施例のタイヤで
はこの１次ピークが極めて小さくなっていることが分か
る。
【００１７】
【発明の効果】本発明によって、タイヤの騒音（パター
ン・ノイズ）を低く押さえ、しかも、ウエット路面での
操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性に優れた、乗
用車用空気入りタイヤを提供することが可能となった。
ン・ノイズ）を低く押さえ、しかも、ウエット路面での
操縦安定性やハイドロ・プレーニング特性に優れた、乗
用車用空気入りタイヤを提供することが可能となった。
【図１】本発明による空気入りタイヤのトレッド・パタ
ーン図である。
ーン図である。
【図２】従来の典型的な空気入りタイヤのトレッド・パ
ターン図である。
ターン図である。
【図３】タイヤ騒音の評価試験結果を示すグラフであ
る。
る。
１ 中央周方向リブ ２ 中央周方向溝 ３ Ｖ字状に延びる方向性傾斜溝 ４ ショルダー・ブロック ５ ショルダー横溝
Claims (1)
- 【請求項１】 パターン・センターに設けられた中央周
方向リブと、該中央周方向リブの左右に設けられた一対
の中央周方向溝と、該中央周方向溝から左右に周方向に
対して傾斜してＶ字状に延びる、周方向に間隔を置いて
設けられた多数の方向性傾斜溝とを備えた方向性トレッ
ド・パターンを有する、アスペクト・レシオが５０％以
下の空気入りタイヤにおいて、（１）該方向性傾斜溝の
溝が延びる方向に対し直角方向に測定した溝幅が３．５
乃至９ｍｍで、（２）該方向性傾斜溝は、該中央周方向
溝から周方向に対して３０乃至６０度の角度で傾斜して
左右にＶ字状に延び、トレッド両側部で傾斜角度を変え
て周方向に対して８０乃至９０度で延びてトレッド両端
に開口し、（３）該方向性傾斜溝によってトレッド両側
部に形成されたショルダー・ブロックに、周方向に対し
て８０乃至９０度で延びる、２ｍｍ乃至５ｍｍの溝幅の
ショルダー横溝を備え、（４）トレッドの周長に対す
る、トレッド・パターンを構成する最小単位の模様の周
方向長さ（ピッチ）の比が１．５乃至３％で、（５）ト
レッド・パターンのネガティブ率が３０乃至３５％で、
矩形率が６５乃至１００％であることを特徴とするトレ
ッド・パターンを備えた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7326037A JPH09164813A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 方向性傾斜溝を備えた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7326037A JPH09164813A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 方向性傾斜溝を備えた空気入りタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09164813A true JPH09164813A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18183403
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7326037A Pending JPH09164813A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 方向性傾斜溝を備えた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09164813A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105109280A (zh) * | 2015-09-11 | 2015-12-02 | 厦门正新橡胶工业有限公司 | 一种全地形车充气轮胎 |
| CN114126897A (zh) * | 2019-07-26 | 2022-03-01 | 米其林集团总公司 | 包括胎面的轮胎 |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP7326037A patent/JPH09164813A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105109280A (zh) * | 2015-09-11 | 2015-12-02 | 厦门正新橡胶工业有限公司 | 一种全地形车充气轮胎 |
| CN114126897A (zh) * | 2019-07-26 | 2022-03-01 | 米其林集团总公司 | 包括胎面的轮胎 |
| CN114126897B (zh) * | 2019-07-26 | 2023-11-03 | 米其林集团总公司 | 包括胎面的轮胎 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040304 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040309 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040706 |