JPH09164453A - アルミニウム合金の薄板連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

アルミニウム合金の薄板連続鋳造方法及び装置

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JPH09164453A
JPH09164453A JP32698795A JP32698795A JPH09164453A JP H09164453 A JPH09164453 A JP H09164453A JP 32698795 A JP32698795 A JP 32698795A JP 32698795 A JP32698795 A JP 32698795A JP H09164453 A JPH09164453 A JP H09164453A
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JP
Japan
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aluminum alloy
thin plate
drum
casting
pair
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JP32698795A
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Shugo Iwasaki
修吾 岩崎
Keiichi Yamamoto
恵一 山本
Hideaki Takatani
英明 高谷
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 互に反対方向に回転する一対の冷却ドラム
と、その両端面に摺接するサイド堰による双ドラム式連
続鋳造機を用い、熱延および冷延工程等を減らし、晶出
物の粒径が適切で、かつ、平滑な表面性状をもつアルミ
ニウム合金の薄板を製造可能な方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 Mn 2.1〜4.5wt%,Mg 0.
8〜1.5wt%,Si0.1〜0.4wt%を含有し残部
がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金の
溶湯を用いて双ドラム式連続鋳造機により薄板を鋳造す
る。その双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム1,1’と
して、その表面に表面粗さ20〜60μm Rmax の凹凸
を設けたものを使い鋳片表面の微細割れおよび内部溶湯
のしみ出しを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム缶の胴
材に適用して好適なアルミニウム合金圧延板とその製造
方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶胴用のアルミニウム合金として
はAl−Mn系の3004合金(JIS呼称)が用いら
れて来た。この合金は半連続鋳造法であるDC(Direct
Chill) 法によって溶湯から厚さ600mmの鋳塊をつく
り、これに熱間圧延、冷間圧延を施して厚さ1mm以下の
缶用薄板としていた。DC鋳造法では鋳造時の鋳塊厚が
600mmと厚いため、熱間圧延、冷間圧延に多くのエネ
ルギーを必要とし、コスト高を招いていた。
【0003】近年、厚さ3〜15mmの板を直接鋳造する
連続鋳造圧延法によるアルミニウム合金板の製造が報告
されているが、これらは純Al系の1100合金やAl
にMn,Zrを添加した耐熱性アルミニウム合金につい
てのものであり、缶用アルミニウム合金については依然
としてDC鋳造に依存している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにDC法に
より得られる鋳塊は厚さが600mmと厚いため、それを
薄板とする際には多くの圧延工程を必要とする。そこで
双ドラム式連続鋳造機を用い、厚さ1.5〜5.0mmの
薄板を直接鋳造して、熱延工程および冷延工程の一部を
省略し、コスト低減を図ることが考えられた。
【0005】しかしながら、例えば3004合金を双ド
ラム式連続鋳造機を用いて鋳造する場合、板材を缶加工
する際に工具への焼付きを防止する働きがある鋳片表面
晶出物が有効な大きさ(約2μm )に満たない。また鋳
片表面に微細割れや内部溶湯のしみ出しが生じ板材の品
質低下の原因となっていた。
【0006】本発明は、双ドラム式連続鋳造機を用いて
薄板を鋳造することによって熱延および冷延工程等を減
らし、かつ、晶出物の粒径が適切で、平滑な表面性状を
もつアルミニウム合金の薄板とその製造方法と装置を提
供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、連続鋳造により薄板を鋳造するアルミニウ
ム合金の組成をMn 2.1〜4.5%,Mg 0.8
〜1.5%,Si 0.1〜0.4%で残部がAlおよ
び不可避的不純物とする。双ドラム式連続鋳造機での鋳
造において鋳片表面部の凝固時冷却速度は103 k/s 程
度となる。
【0008】これはDC法鋳片の100〜1000倍の
冷却速度であり、この結果同じ3004合金を鋳造した
場合、組織中の晶出物粒径はDC法鋳片で約2.0μm
であるのに対し双ドラム式連続鋳造機鋳片では約1.2
μm と微細になる。この晶出物は圧延板を缶成形加工す
る際、工具との焼付きを防止する働きがあるが、双ドラ
ム式連続鋳造機での鋳片の晶出物粒径1.2μm ではこ
の働きが有効に作用しない。
【0009】そこで晶出物の主な構成元素であるMnの
含有量を3004合金の約1%から2.1%以上に増加
して晶出物の体積を増やし粒径をDC鋳片中の晶出物並
(2.0μm )とすれば焼付きの防止が可能である。し
かし、5.0%を超えると鋳片中心付近の低冷却速度域
に直径100μm 以上の巨大金属間化合物が晶出し板材
の強度低下の原因となるためMn含有量を2.1%〜
4.5%とする必要がある。
【0010】添加元素のうちSiは晶出する金属間化合
物の構成元素となり、Siを添加しない場合晶出する金
属間化合物に比べ、晶出物の硬度を高める。この硬い晶
出物が板材の缶成形加工時の工具との焼付き防止の働き
を担う。またMgは母相中へ固溶する事により板材の強
度を高める働きがある。
【0011】しかしながらSi,Mgを過剰に添加する
とこれらの元素が結びついた化合物が晶出、あるいは析
出する。この化合物は非常に脆く板材の強度低下の原因
となるためMg,Siの含有量はそれぞれ1.5%,
0.4%以下とする事が望ましい。
【0012】一方、鋳片表面の微細割れおよび内部溶湯
のしみ出しは、ドラム表面粗さの影響によって生じる凝
固初期の結晶粒成長形態が原因となって生ずる。凝固
時、ドラム表面に発生する核の分布は、ドラム表面の凹
凸の分布に対応する。
【0013】ドラム表面粗さ(Rmax ,以下同じ)が2
0μm 以下の場合、ドラム表面の小さい凹凸は核発生に
ほとんど影響を与えず、局所的に発生した核が成長する
ため不均一凝固となり表面微細割れを生じる。一方、6
0μm 以上の粗さのドラム表面では、表面凸部にそれぞ
れ核が発生、成長するため均一凝固となる。
【0014】しかしながら凸部の数の密度が低いため、
核発生、成長した結晶粒は粗大に成長し結晶粒界に多く
の溶質元素が未凝固で集まる。この結晶粒のネットワー
クが凝固収縮すると粒界の未凝固溶質元素は絞り出され
鋳片表面のしみ出しとなる。ドラム表面粗さを20〜6
0μm とすれば表面凹凸は均一な凝固核発生に有効に作
用し、なおかつ、凸部の適当な数の密度によって結晶粒
も微細となり、未凝固溶質元素の粒界への濃化が弱まる
ので、凝固収縮時の内部溶湯しみ出しも生じない。
【0015】このように、本発明では、前記した合金組
成のアルミニウム合金を用いて双ドラム式連続鋳造機に
よりアルミニウム合金の薄板を連続鋳造する場合、ドラ
ム表面にRmax が20〜60μm の粗さの凹凸を設けた
冷却ドラムを用いて、鋳造される鋳片表面の微細割れお
よび内部溶湯のしみ出しを防止する。
【0016】また、鋳片に熱処理を施すと固溶Mnの析
出、およびオストワルド成長によって晶出物の粒径が増
大する。粒成長は熱処理温度が高い程著しく、600℃
で8時間の熱処理を施せば0.2〜0.5μm 粒径が増
大する。しかしこれ以上高温では液相の発生および板材
のクリープ変形が生じるため熱処理温度は600℃以下
に限定される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるアルミニウム
合金薄板の連続鋳造方法および連続鋳造装置の実施の形
態を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1に示す
ように双ドラム式連続鋳造機と同等の冷却能を有する板
状の鋳型を表1に示す種々の組成のアルミニウム合金の
溶湯中に浸漬させ急冷凝固鋳片を得た。鋳型表面粗さは
10μm 、浸漬温度は700℃、浸漬時間は約2秒とし
た。
【0018】
【表1】
【0019】これらの鋳片、および600℃で8時間の
熱処理を施した材料の鋳型接触側表層の晶出物粒径を表
1に示す。2.3%Mnでは晶出物粒径は目標である
2.0μm に達していないが、熱処理を施すことにより
目標値に達した。
【0020】次に表1NO.6の組成を有する材料につ
いて図2に示す双ドラム式連続鋳造機による鋳造試験を
行った。図2において、1,1’は冷却ドラム、2,
2’はサイド堰、3はアルミニウム合金の溶湯を供給す
るノズル、4は鋳造される鋳片を示している。ディンプ
ル打設により冷却ドラム1,1’の表面粗さを40μm
程度とし、鋳造量100kg、鋳造温度700℃、鋳造速
度60m/min で鋳造し、厚さ約2.6mmの鋳片を得た。
【0021】鋳造した鋳片を冷間圧延だけで0.4mm厚
の薄板とし、機械的特性を評価した。表1に示すよう
に、晶出物粒径は目標値を満足している。また表2に示
すように引張り強さ、耐力は従来のDC鋳造3004合
金板材より高い。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明により、Mn 2.1〜4.5wt
%,Mg 0.8〜1.5wt%,Si0.1〜0.4wt
%を含有し残部がAlと不可避的に含まれる不純物から
なるアルミニウム合金を用い、好ましくは表面粗さが2
0〜60μm Rmax の凹凸を設けた冷却ドラムをもつ双
ドラム式連続鋳造機を用いて、最終板厚に近い厚さの、
缶用材に用いて好適なアルミニウム合金の薄板の鋳造が
可能となる。
【0024】これにより600mmあるDC鋳造を缶用板
材とするために必要であったプロセスのうち、均一化焼
鈍、面研削、熱間圧延および冷間圧延工程の一部を省略
する事が出来る。また、双ドラム式連続鋳造機鋳片表面
はDC鋳片表面に見られる肌荒れがなく、ほぼ平滑な表
面性状を有する。このため面研削を必要とせず、歩留り
が良い。このように設備の簡略化による省エネルギー化
および歩留りの向上により生産コストの大幅な低減が可
能である。
【0025】この板材を素材としたアルミニウム缶は従
来の3004材に比べ約20%高い引張り強さおよび耐
力を有するため、缶の薄肉化が可能である。更にこの板
材の強度向上に貢献している組織中の晶出物は600℃
まで熱的に安定であるため耐熱材料としても使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋳造方法に用いる鋳片を得るため
の鋳型浸漬試験装置の断面図。
【図2】双ドラム式連続鋳造機の概念図。
【符号の説明】
1,1’ 冷却ドラム 2,2’ サイド堰 3 ノズル 4 鋳片
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、鋳片に熱処理を施すと固溶Mnの析
出、およびオストワルド成長によって晶出物の粒径が増
大する。粒成長は熱処理温度が高い程著しく、600℃
で8時間の熱処理を施せば2.02.8μm 粒径が
増大する。しかしこれ以上高温では液相の発生および板
材のクリープ変形が生じるため熱処理温度は600℃以
下に限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 21/00 C22C 21/00 L

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn 2.1〜4.5wt%,Mg 0.
    8〜1.5wt%,Si 0.1〜0.4wt%を含有し残
    部がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金
    の溶湯を、互に反対方向に回転する一対の冷却ドラムと
    同ドラムの両端面に摺接するサイド堰で画成された空間
    に注湯して連続的に薄板を鋳造することを特徴とするア
    ルミニウム合金の薄板連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 互に反対方向に回転する一対の冷却ドラ
    ムと同ドラムの両端面に摺接する一対のサイド堰から構
    成され、Mn 2.1〜4.5wt%,Mg0.8〜1.
    5wt%,Si 0.1〜0.4wt%を含有し残部がAl
    及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金の薄板を
    連続鋳造する装置であって、前記冷却ドラムの表面に表
    面粗さ20〜60μm Rmax の凹凸を設けたことを特徴
    とするアルミニウム合金の薄板連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 Mn 2.1〜4.5wt%,Mg 0.
    8〜1.5wt%,Si 0.1〜0.4wt%を含有し、
    残部がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合
    金の溶湯を、互いに反対方向に回転する一対の冷却ドラ
    ムと同ドラムの両端面に摺接するサイド堰で画成された
    空間に注湯して連続的に薄板を鋳造し、次いで同薄板を
    冷間圧延して製造されたことを特徴とするアルミニウム
    合金圧延板。
  4. 【請求項4】 クレーム3記載の薄板を580〜600
    ℃で熱処理した後、冷間圧延して製造されたことを特徴
    とするアルミニウム合金圧延板。
  5. 【請求項5】 クレーム3又は4記載のアルミニウム合
    金圧延板であって、鋳造後又は熱処理後の鋳片に含まれ
    るMnを主成分とする晶出物の平均粒径が0.2〜0.
    5μm であることを特徴とするアルミニウム合金圧延
    板。
JP32698795A 1995-12-15 1995-12-15 アルミニウム合金の薄板連続鋳造方法及び装置 Withdrawn JPH09164453A (ja)

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Effective date: 20030304