JPH0916255A - 機器の故障診断方法およびその装置 - Google Patents

機器の故障診断方法およびその装置

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JPH0916255A
JPH0916255A JP20684395A JP20684395A JPH0916255A JP H0916255 A JPH0916255 A JP H0916255A JP 20684395 A JP20684395 A JP 20684395A JP 20684395 A JP20684395 A JP 20684395A JP H0916255 A JPH0916255 A JP H0916255A
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JP
Japan
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failure
value
probability
phenomenon
diagnosis
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JP20684395A
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English (en)
Inventor
Haruhiro Hirano
晴洋 平野
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機器の故障診断を自動化し、かつ、故障箇所
の検出精度を高める。 【構成】 エンジンコントロールユニットからオフボー
ド故障診断機にシリアル通信によってデータを送信する
データ収集部5と、統計処理部6と、汎用ロジック部7
と、比較判定部8と、特殊ロジック部9と、自己チュー
ニング部10と、診断結果表示部11を設ける。そし
て、収集したデータをもとに、まず特殊ロジックによっ
て通常の故障コードチェックを行うとともに水温,電源
電圧のチェックを行い、その後、汎用ロジックによる故
障診断条件を実行する。また、バックグラウンド処理と
して過去故障データベースのデータによる標準値テーブ
ルAの自己チューニングを行う。そして、汎用ロジック
では、標準値テーブルAとマップBを用いて各故障現象
毎に各特徴量の確率を演算して全体確率を求め、全体確
率を比較して、全体確率が大きい故障現象を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御系の入出力データ
をシリアル通信によりテスター等に送信可能な機器の故
障診断に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンの故障診断に関連し
て、エンジンコントロールユニットから各種入出力デー
タをシリアル通信によりテスターに出力し、テスターに
よりエンジン回転数,充填効率等のエンジン制御状態に
関する特徴量を抽出し表示する方法が開発されている。
この方法によれば、サービスマンはテスターの表示を見
てエンジンの故障箇所を判断することが可能となる。し
かしながら、その判断は専らサービスマンの勘によるも
ので、直ちに故障診断の自動化につながるというもので
はなかった。
【0003】故障診断を自動化する技術としては、例え
ば特開平3−134951号公報記載のものが従来から
知られている。この公報記載の技術は、制御系の入出力
データから特徴量を抽出し、予め設定されている特徴量
の正常な分布範囲と比較することによって異常を判定
し、判定信号を出力するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エンジン制御系の入出
力データからエンジン制御状態の特徴量を抽出して故障
診断に利用するところまでは、既に開発が進んでおり、
更に、それを一歩進めて故障診断の自動化を実現すべく
技術開発に凌ぎが削られている。しかし、これまでの方
法では、故障であることは検出できても、故障内容およ
び故障箇所の特定は、一部簡単なもの以外、困難であっ
た。上記特開平3−134951号公報記載の技術の場
合も、正常時のデータ分布と比較するだけでは、複雑な
パターンからなる故障を精度良く検出することはできな
い。
【0005】本発明の目的は、機器の故障診断を自動化
し、かつ、故障箇所を精度良く検出できるようにするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、機器制御系の
入出力データに基づく機器の故障診断を自動化するもの
であり、その方法は、機器の各故障現象に対応して機器
制御状態を表す複数の特徴量の各故障現象毎の標準値を
記憶した標準値テーブルを予め作成し、機器の制御状態
において前記入出力データを収集し処理して制御状態に
おける複数の特徴量を抽出し、それら特徴量の制御状態
における抽出値と各故障現象毎の標準値テーブルによる
標準値とに基づいて故障現象の判定を行い、その故障現
象に対応した故障箇所を特定するというものである。こ
こで、標準値は、例えば各故障現象毎の複数の特徴量の
それぞれの標準的な平均値と標準偏差とし、各故障現象
間で複数の特徴量の少なくとも一つについての標準値を
相違させるものとする。
【0007】本発明の故障診断方法において、故障現象
の判定は、特定の故障現象が発生したときに複数の特徴
量が、制御状態における抽出値に当てはまる確率を、各
故障現象毎に抽出値と標準値とから演算し、各故障現象
毎の確率の演算値を比較して、該演算値が大きい故障現
象を以て、発生した故障と判定するのがよく、また、そ
の場合の確率の演算は、各故障現象毎に複数の特徴量の
個々について演算し、その各特徴量毎の確率値から全体
の確率を演算するものとするのがよい。さらに、各特徴
量毎の確率の演算は、規格化したマップを用いて行うの
がよい。
【0008】また、本発明の故障診断方法においては、
特定の故障現象について複数の特徴量の個々の確率を演
算する過程で、特定の特徴量の演算した確率値が敷居値
以下であったときは、当該故障現象について、それ以降
の演算を省略し、他の故障現象についての演算に移行す
るのが良い。また、特定の故障現象ついて演算した全体
の確率が敷居値以上であったときは、その故障現象を以
て実際に発生した故障と判定し、それ以降の他の故障現
象についての演算を省略するようにできる。
【0009】また、本発明の故障診断方法においては、
プリチェックとして特定のセンサ値の異常を検出し、そ
の結果、センサ値の異常が検出され、それだけで故障内
容が明らかになる場合は、以降の故障診断の手順を省く
ようにできる。
【0010】本発明の故障診断方法においては、診断結
果を表示してサービスマンにチェックを促すようにする
のがよく、その場合、表示されるものが不必要に多いと
繁雑となるので、全体の確率の演算値が大きい故障現象
を選択し、そのデータを診断結果として表示するのがよ
い。
【0011】本発明の故障診断方法においては、誤診断
を防止するため、全体の確率の演算値が敷居値以下の故
障現象についてはそのデータを診断結果の表示から除く
ようにするのがよく、また、全体の確率の演算値の内、
最大の演算値に対して所定割合以下の演算値を示す故障
現象については、そのデータを診断結果の表示から除く
ようにするのがよい。
【0012】本発明の故障診断方法においては、また、
診断結果をフィードバックすることにより診断精度を向
上させることができ、そのため、診断結果を過去故障デ
ータベースに登録するのがよい。そして、過去故障デー
タベースを集計して、複数の特徴量の各故障現象毎の標
準値を求め、それら標準値を記憶した仮の標準値テーブ
ルを作成して、その仮の標準値テーブルを用いて過去故
障データベースの各データにつき故障診断を行い、その
診断結果をそれまでの標準値テーブルによる診断結果と
比較して、故障診断の正解率が高い方を新たな標準値テ
ーブルとする自己チューニングを行うのがよい。
【0013】また、本発明の故障診断方法は、診断に要
する時間を短縮するため、特定のセンサ値との関連度合
により故障現象を予め複数のグループに分け、センサ値
に関連する特徴量の抽出値に基づいていずれかのグルー
プを選択し、その選択したグループの故障現象について
故障診断を実行するようにしてもよい。
【0014】また、本発明の故障診断に使用する装置
は、機器制御系の入出力データを収集するデータ収集部
と、収集された入出力データを統計処理して機器制御状
態を表す複数の特徴量を抽出する統計処理部と、特定の
故障現象が発生したときに複数の特徴量が制御状態にお
ける特徴量の抽出値に当てはまる確率を演算する確率演
算部と、各故障現象毎の確率の演算結果を比較して故障
判定を行う比較判定部と、故障判定の結果を表示する表
示部とから成るものである。
【0015】
【作用】標準値テーブルは、機器制御状態を表す複数の
特徴量(例えば、エンジンの場合には、エンジン回転
数,エンジン回転数変動,充填効率,空燃比フィードバ
ック値等)が各故障現象に対応してどういった値をとる
かを実験等により求めて、各故障現象毎にそれら特徴量
の標準値(例えば、平均値および標準偏差)を記憶した
ものであって、その標準値は各故障現象によって複数の
特徴量の少なくとも一つについて相違し、機器制御系の
制御状態における入出力データから抽出した各特徴量の
値をこの標準値テーブルのテーブル値と比較することに
より、故障現象が判定されて、故障箇所が特定される。
そして、その故障現象の判定は、制御状態における複数
の特徴量の抽出値に対して、特定の故障現象が発生した
ときに各特徴量がそれら抽出値に当てはまる確率を各故
障現象毎に抽出値と標準値とから演算することで行われ
る。そして、その演算はマップを用いて行うことができ
る。また、その確率の演算は、各故障現象毎に複数の特
徴量の個々について行われ、それら各特徴量毎の確率値
から各故障現象毎に全体の確率が演算されるものであっ
て、この全体の確率の演算値が比較され、演算値の大き
い故障現象を以て故障と判定される。
【0016】ここで、特定の故障現象についての個々の
特徴量の確率を演算する過程で、特定の特徴量の確率値
が敷居値以下で、その故障現象の可能性が極めて低いと
いうときは、その故障現象についてはそれ以降の演算を
省略することができ、それにより、全体の演算時間を短
縮できる。また、また、特定の故障現象について全体の
確率が敷居値以上で、この故障現象の可能性が極めて高
いというときは、その故障現象を以て実際に発生した故
障と判定し、それ以降の他の故障現象についての演算を
省略することができ、それにより、やはり全体の演算時
間を短縮できる。
【0017】また、特定のセンサ値を異常と検出し、そ
れで故障内容が明らかである場合には、以降の故障診断
の手順を省くようにでき、それにより、無駄な演算を防
止できる。
【0018】また、診断結果を表示するについては、全
体の確率の演算値が大きい故障現象を選択して表示する
ことにより、表示が不必要に繁雑にならず、サービスマ
ンによるチェックが容易となる。
【0019】また、全体の確率の演算値が敷居値以下で
あるとか、最大の演算値に対して所定割合以下であるな
ど、可能性の低い故障現象については表示から除くこと
で、それらのデータが混じることにより生じ得る誤診断
を防止できる。
【0020】また、診断結果を過去故障データベースに
登録しフィードバックすることにより、診断精度を向上
させることができる。このフィードバックは、診断結果
を登録した過去故障データベースを集計して新たに仮の
標準値テーブルを作成し、そのテーブルを用いて過去故
障データベースの各データにつき故障診断を行い、診断
結果をそれまでのテーブルによる診断結果と比較して、
正解率が高い方を新たな標準値テーブルとする自己チュ
ーニングによって可能である。
【0021】また、診断時間の短縮のためにはグループ
別に確率演算を行う方法が有効である。すなわち、特定
のセンサ値との関連度合により故障現象を予め複数のグ
ループに分け、センサ値に関連する特徴量の抽出値に基
づいていずれかのグループを選択し、その選択したグル
ープの故障現象について故障診断を実行するようにで
き、それにより診断時間を短縮できる。
【0022】また、本発明の故障診断装置は、データ収
集部において機器制御系の入出力データを収集し、統計
処理部において収集された入出力データを統計処理して
機器制御状態を表す複数の特徴量を抽出し、確率演算部
において特定の故障現象が発生したときに複数の特徴量
が制御状態における特徴量の抽出値に当てはまる確率を
演算し、比較判定部において各故障現象毎の確率の演算
結果を比較して故障判定を行い、表示部において故障判
定の結果を表示する。
【0023】次に、本願発明をエンジンの故障診断の場
合について、図1,図2および図3により説明する。図
1は基本ブロック図、図2は診断部分のフローチャー
ト、図3はエンジン形式別各故障毎の標準値テーブルを
示す。
【0024】エンジン故障診断の基本ブロック図は図1
のとおりであり、エンジンコントロールユニットの内部
RAM情報収集手段であるデータ収集部と、前記RAM
情報に関連する特徴量の標準的な値(平均値、標準偏
差)を記憶したテーブル(テーブルA)と、収集したR
AM情報を処理してエンジン制御状態の特徴量を抽出
し、テーブルAから確率演算によりどの故障かを診断す
る診断部から構成される。また、その動作は、図2のフ
ローチャートのとおりであって、まず、エンジンコント
ロールユニットの内部RAM情報をデータ収集部で収集
する。次に、診断部が、RAM情報から特徴量を抽出
し、テーブルAを使って、その特徴量が各故障毎にどれ
ほど当てはまるかを確率的に演算する。そして、全ての
故障について演算が終了した時点で、図3に示すように
テーブルAに演算値を書き込み、演算結果を比較して、
演算値が大きいものから順に表示(出力)する。
【0025】上記故障診断のロジックの原理を次に説明
する。
【0026】図4は各センサー値の正規分布を示す。こ
こで、nA1,nA2,nA3,nA4は各センサー値
の平均値、σA1,σA2,σA3,σA4は各センサ
ー値の標準偏差である。特定の故障(故障A)が発生し
た場合のセンサー値がA1,A2,A3,A4である場
合に、各センサー値がそれぞれA1,A2,A3,A4
以上に離れた値をとる確率をそれぞれPA1,PA2,
PA3,PA4としたとき、四つのセンサー値がそれぞ
れ独立であると仮定すると、故障Aが発生したときに四
つのセンサーで同時に(A1,A2,A3,A4)の値
をとり得る確率:PAは、 PA≦PA1×PA2×PA3×PA4 と考えることができる。そして、故障Aの発生確率をQ
Aとすれば、故障Aが発生して測定点A(A1,A2,
A3,A4)をとる確率:Pは、 P=QA×PA =QA×PA1×PA2×PA3×PA4 となる。そこで、四つのセンサー値が(A1,A2,A
3,A4)であるときに、各故障毎の標準値(平均値、
標準偏差)を設定したテーブル(テーブルA)と、確率
演算を規格化した確率値テーブルマップとを使って、各
故障毎の確率を求め、それら確率の大小によって、どの
故障が発生しているかを類推する。
【0027】このロジックの具体例をエンジン故障診断
の場合について次に説明する。
【0028】図5はエンジン(V型エンジン)の故障診
断において、上記センサー値に相当する各特徴量が回転
数,充填効率,回転数変動,右バンク側O2センサー値
(A/F)および左バンク側O2センサー値(A/F)
の五つの場合の故障診断ロジックを説明するものであ
る。上段は故障Aの場合の各特徴量の値(A1,A2,
A3,A4,A5)を、また下段は故障Bの場合の各特
徴量の値(A1,A2,A3,A4,A5)をそれぞれ
正規分布上に示すものである。ここで、各特徴量の抽出
値が(A1,A2,A3,A4,A5)であった場合
に、故障Aが起きたとしたときに各特徴量がこの(A
1,A2,A3,A4,A5)に当てはまる確率:PA
は、 PA=PA1×PA2×PA3×PA4×PA5 であり、故障Bが起きたとしたときに各特徴量がこの
(A1,A2,A3,A4,A5)に当てはまる確率:
PBは、 PB=PB1×PB2×PB3×PB4×PB5 であって、このように、各故障であった場合に特徴量が
(A1,A2,A3,A4,A5)に当てはまる確率を
各故障毎にマップで演算して比較する。そして、その結
果が、 QB・PB>QA・PA>QC・PC>QD・PD… であると、 QB=QA=QC=QD と仮定すれば、 PB>PA>PC>PD… となり、故障Bである可能性が大きいとする。
【0029】ところで、V6エンジンの故障現象には、
例えば、 (A)右バンクの1気筒のみ点火なし(点火1気筒無
R) (B)左バンクの1気筒のみ点火なし(点火1気筒無
L) (C)全気筒に点火ずれ(点火全気筒ずれ) (D)吸気経路に漏れ(吸気漏れ) (E)アイドル流量が小(吸気量小) (F)アイドル流量が大(吸気量大) (G)アイドル流量が極大(吸気量極大) (H)吸気経路に詰まり(吸気詰まり) (I)全気筒の燃料極小(燃料全気筒極小) (J)スロットルバルブに異常(TVO異常) (K)エアフローメータに異常(AFM異常) (L)右バンクあるいは左バンクの1気筒のみ燃料なし
(燃料1気筒無R,L) (M)右バンクあるいは左バンクの1気筒のみ燃料大
(燃料1気筒大R,L) (N)右バンクあるいは左バンクの1気筒のみ燃料小
(燃料1気筒小R,L) (O)右バンクあるいは左バンクの3気筒燃料なし(燃
料3気筒無R,L) (P)全気筒の燃料小(燃料全気筒小) (Q)全気筒の燃料大(燃料全気筒大) (R)全気筒の燃料極大(燃料全気極大) 等があり、これら各故障現象毎に、五つの特徴量(回転
数,充填効率,回転数変動,右バンク側空燃比フィード
バック値および左バンク側空燃比フィードバック値の分
布パターンが異なる。図6は、V6エンジン車両におけ
るエンジンの正常時および各故障現象毎の5特徴量分布
パターンの一例を示している。図6の(A)〜(R)は
上記各故障現象に対応する。また、(L)〜(O)にお
いて実線は右バンク(R)の場合、点線は左バンク
(L)の場合を示す。
【0030】
【実施例】以下、V6エンジン車両のエンジン故障診断
をオフボード故障診断機で行う場合の実施例を図7〜図
12によって説明する。図7は全体接続図、図8は診断
処理のブロック図、図9は診断条件判定(プリチェッ
ク)および汎用ロジックを含む全体フローチャート、図
10は自己チューニングのフローチャート、図11は汎
用ロジック(確率演算処理)のフローチャートである。
【0031】この実施例は、V6エンジン車両1におい
て、完全暖機後の無負荷アイドリング状態で、エンジン
コントロールユニット2から故障診断用ダイアグノーシ
スコネクタ3を通し、オフボード故障診断機4にシリア
ル通信によってデータを送信するものであって(図7参
照)、処理手段は、シリアル通信をコントロールしデー
タを収集するデータ収集部5と、通信によって得たデー
タを統計処理して五つのエンジン状態を表す特徴量(エ
ンジン回転数NE,エンジン回転数変動NEV、充填効
率CE,右バンクの空燃フィードバック補正値すなわち
2センサー値に応じた処理値CFBR、左バンクの空
燃比フィードバック補正値すなわちO2センサー値に応
じた処理値CFBL)を抽出する統計処理部6と、抽出
した各特徴量について、マップB(確率値テーブルマッ
プ)による演算のための正規化処理を行い、標準値テー
ブルAとマップBを使って各故障毎の確率演算処理を行
う汎用ロジック部7と、確率演算結果を比較する比較判
定部8と、通信データによりプリチェックとして診断条
件を判定する特殊ロジック部9と、過去の故障データ
(特徴量)を記憶する過去故障データベースCと標準値
テーブルAとから標準値テーブルAの自己チューニング
を行う自己チューニング部10と、診断結果を表示する
診断結果表示部11とで構成されている(図8参照)。
そして、その処理動作は次の通りである。
【0032】全体の動作は図9に示すとおりで、起動す
ると、ステップS101でシリアル通信によりエンジン
コントロールユニット2からデータを収集し、特殊ロジ
ック用データとして各種センサー値を受信し、ステップ
S102で、O2センサーとか回転センサー等のセンサ
ー系の断線,ショート等の異常がないか否かの通常の故
障コードチェックを行い、また、水温および電源電圧が
所定範囲にあるか否かのチェックを行う。そして、その
結果を見て、汎用ロジックにより故障診断を行う条件が
整っていない(診断条件未達)かどうかをステップS1
03で判断し、診断条件未達というときは、ステップS
104でワーニング表示をし、処理を終わる。次の場合
は誤診断防止のため汎用ロジックを行わない。 1.故障コード(例えばセンサー等の断線チェックコー
ド)があり、各特徴量が正確だと期待できない場合。 2.水温値が敷居値H1以下、H2以上の場合(標準値
は例えば水温90±10度)。 3.電源電圧の異常時。
【0033】一方、診断条件が整っているときは、ステ
ップS105へ進んで汎用ロジック用データを受信し、
統計処理して、五つのエンジン状態を表す特徴量(エン
ジン回転数NE,エンジン回転数変動NEV、充填効率
CE,右バンクの空燃比フィードバック補正値CFB
R、左バンクの空燃フィードバック補正値CFBL)を
抽出する。そして、ステップS106で汎用診断ロジッ
ク(図11のルーチン)を実行し、ステップS107で
診断結果を表示する。そして、ステップS108で、上
記診断結果の表示にある故障現象が実際に起きているか
否かをサービスマンがチェックして、該当故障現象が実
際には起きていなければ、実際に起きている故障現象を
ステップS109で入力する。そして、それら診断結果
を自己チューニング用のデータとしてステップS110
で過去故障データベースの記録に追加する。
【0034】また、バックグラウンド処理として、新た
な故障データが追記された過去故障データベースのデー
タを標準値テーブルAにフィードバックする処理(自己
チューニング)を実行する。すなわち、図10のフロー
チャートにより、ステップS201において、過去故障
データベースを集計して故障現象毎の平均値と標準偏差
を求め仮の標準値テーブルA’を作成する。そして、正
解率演算のためステップS202で過去故障データベー
スのデータ(NE、NE変動、CE、CFBR、CFB
L)を各故障現象毎に読みだし、ステップ203で、過
去故障データベースの全データについて上記標準値テー
ブルA’を使って汎用診断ロジック(図11のルーチ
ン)を実行し、S204で、診断結果と、想定した故障
現象とがどの程度一致したかという正解率QA’を演算
して、それをそれまでの標準値テーブルAを使ったとき
の診断結果と比較し、ステップS205で全過去故障デ
ータについての演算が終了したか否かを判定して、全部
終了するまでステップS202〜S204の処理を繰り
返す。そして、全部終了したら、ステップS206で標
準値テーブルAの場合の正解率QAと標準値テーブル
A’の場合の正解率QA’を比較して、標準値テーブル
A’の場合の方が正解率が高ければ、そのテーブルA’
を新たに標準値テーブルAとする。
【0035】図11のフローチャートによる汎用ロジッ
ク(確率演算処理)では、まず、ステップS301でテ
ーブルAより各特徴量毎の平均値と標準偏差を読み込
む。そして、ステップS302で、特定の特徴量(回転
数NE)についてマップBをつかうための正規化を行
い、マップBの検索により、特定の故障現象(故障A)
のNEの確率PA1を演算する。そして、ステップS3
03で確率PA1が敷居値Kより小さいか否かを見て、
確率PA1が敷居値Kより小さければ、当該故障現象の
可能性が極めて低いということで、演算時間短縮のため
その故障現象についてのそれ以降の演算を省略する。一
方、故障AのNEの確率PA1が敷居値Kより小さくな
ければ、以下、NE変動、CE、CFBR、CFBLに
ついてステップS304およびステップS305、ステ
ップS306およびステップS307、ステップS30
8およびステップS309、ステップS310およびス
テップS311で同様の処理を行い、その後、ステップ
S312で五つの特徴量の確率値(PA1,PA2,P
A3,PA4、PA5)から故障Aの全体確率PAを求
め、それをテーブルAへ書き込む。そして、ステップS
313でPAが敷居値Lより大きいか否かを判定して、
PAが敷居値Lより大きいというときは、その故障現象
(故障A)の可能性が極めて高いということで、ステッ
プS314でその故障Aを答えとし、演算時間短縮のた
め他の故障現象についての演算を省略する。一方、PA
が敷居値Lより大きくなければ、ステップS315で全
故障現象についての演算が終了したか否かを判定し、他
の故障現象についてステップS301〜ステップS31
3で同様の処理を行って、全故障の演算が終了したらス
テップS316へ進む。そして、ステップS316では
テーブルAに書き込まれた各故障の全体確率を比較し、
全体確率が大きいものを選択し演算結果として出力す
る。また、全体確率が敷居値M以下のものや、最大の全
体確率に対して所定割合(N%)以下のものは演算結果
の出力から除く。
【0036】表1は、汎用ロジック用および診断条件判
定用の特徴量抽出項目を示す。
【表1】
【0037】ところで、V6エンジンの場合の故障現象
は、例えば次の表2のように分類することができ、例え
ば、CFBRとCFBLの絶対値の和を切り分け変数
(G)として、それと敷居値(KG)との大小により、
空燃比に異常が見られる故障現象のグループ(グループ
A)と、そうでない故障現象のグループ(グループB)
の二つのグループに分けることができる。そこで、故障
現象をこのようにグループの特色を表す切り分け変数G
により切り分けてグループ化し、変数Gを演算していず
れかのグループを選択し、選択したグループの故障現象
のみ診断を実行するようにした実施例も可能である。こ
の場合、診断時間を短縮できるため、特徴量や故障形態
が多い場合の対処法となり得る。
【表2】
【0038】図12はこの場合の実施例の汎用ロジック
のフローチャートである。この実施例の汎用ロジックで
は、まずステップS401で故障現象グループの切り分
け変数Gを演算し、グループS402で変数Gと敷居値
KGとを比較して故障現象グループを選択する。そし
て、選択したグループに属する故障現象のみについてス
テップS404〜ステップS418の処理を実行する。
ステップS404〜ステップS418の処理は、先に説
明した図11のステップS301〜ステップS316と
同様である。よって、詳細な説明を省略する。
【0039】以上、本発明をV6エンジン車両のエンジ
ン故障診断に適用した実施例を説明したが、本発明は勿
論これに限定されるものではなく、他の各種機器の故障
診断に対しても適用できるものである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、各故障毎の特徴量の標
準値を予めテーブルに記憶しておき、受信した制御デー
タより得られる特徴量の値を標準値に基づいて評価する
ことにより、機器の故障診断を自動的に行うことがで
き、かつ、故障箇所を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基本ブロック図である。
【図2】本発明に係る診断部分のフローチャートであ
る。
【図3】本発明に係るエンジン形式別各故障毎の標準値
テーブルである。
【図4】本発明に係る故障診断ロジックを説明する各セ
ンサー値の分布図である。
【図5】本発明に係る故障診断ロジックをエンジンの場
合について説明する説明図である。
【図6】本発明に係るエンジンの各故障現象毎の特徴量
分布パターンの説明図である。
【図7】本発明の実施例の全体接続図である。
【図8】本発明の実施例のブロック図である。
【図9】本発明の実施例の全体フローチャートである。
【図10】本発明の実施例の自己チューニングのフロー
チャートである。
【図11】本発明の実施例の汎用ロジックのフローチャ
ートである。
【図12】本発明の他の実施例の汎用ロジックのフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 V6エンジン車両 2 エンジンコントロールユニット 4 オフボード故障診断機 5 データ収集部 6 統計処理部 7 汎用ロジック部 8 比較判定部 9 特殊ロジック部 10 自己チューニング部 11 診断結果表示部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器制御系の入出力データに基づいて機
    器の故障診断を行う方法であって、前記機器の各故障現
    象に対応して機器制御状態を表す複数の特徴量の各故障
    現象毎の標準値を記憶した標準値テーブルを予め作成
    し、前記機器の制御状態において前記入出力データを収
    集し処理して制御状態における前記複数の特徴量を抽出
    し、前記特徴量の制御状態における抽出値と各故障現象
    毎の標準値テーブルによる標準値とに基づいて故障現象
    の判定を行い、その故障現象に対応した故障箇所を特定
    することを特徴とする機器の故障診断方法。
  2. 【請求項2】 前記標準値は、各故障現象毎の前記複数
    の特徴量のそれぞれの標準的な平均値と標準偏差とし、
    各故障現象間で前記複数の特徴量の少なくとも一つにつ
    いての前記標準値を相違させた請求項1記載の機器の故
    障診断方法。
  3. 【請求項3】 前記故障現象の判定は、特定の故障現象
    が発生したときに前記複数の特徴量が前記制御状態にお
    ける抽出値に当てはまる確率を、各故障現象毎に前記抽
    出値と前記標準値とから演算し、各故障現象毎の前記確
    率の演算値を比較して、該演算値が大きい故障現象を以
    て発生した故障と判定するものとした請求項1または2
    記載の機器の故障診断方法。
  4. 【請求項4】 前記確率の演算は、各故障現象毎に前記
    複数の特徴量の個々について演算し、その各特徴量毎の
    確率値から全体の確率を演算するものとした請求項3記
    載の機器の故障診断方法。
  5. 【請求項5】 各特徴量毎の前記確率の演算は、規格化
    したマップを用いて行うものとした請求項4記載の機器
    の故障診断方法。
  6. 【請求項6】 特定の故障現象について前記複数の特徴
    量の個々の確率を演算する過程で、特定の特徴量の演算
    した確率値が敷居値以下であったときは、当該故障現象
    について、それ以降の演算を省略し、他の故障現象につ
    いての演算に移行する請求項4または5記載の機器の故
    障診断方法。
  7. 【請求項7】 特定の故障現象ついて演算した全体の確
    率が敷居値以上であったときは、その故障現象を以て実
    際に発生した故障と判定し、それ以降の他の故障現象に
    ついての演算を省略する請求項4,5または6記載の機
    器の故障診断方法。
  8. 【請求項8】 特定のセンサ値の異常を検出し、その結
    果により故障診断可能かどうかを判定する請求項1記載
    の機器の故障診断方法。
  9. 【請求項9】 前記全体の確率の演算値が大きい故障現
    象を選択し、そのデータを診断結果として表示する請求
    項4記載の機器の故障診断方法。
  10. 【請求項10】 前記全体の確率の演算値が敷居値以下
    の故障現象についてはそのデータを診断結果の表示から
    除く請求項4記載の機器の故障診断方法。
  11. 【請求項11】 前記全体の確率の演算値の内、最大の
    演算値に対して所定割合以下の演算値を示す故障現象に
    ついては、そのデータを診断結果の表示から除く請求項
    4記載の機器の故障診断方法。
  12. 【請求項12】 診断結果を過去故障データベースに登
    録する請求項1記載の機器の故障診断方法。
  13. 【請求項13】 前記過去故障データベースを集計し、
    前記複数の特徴量の各故障現象毎の標準値を求めて、そ
    れら標準値を記憶した仮の標準値テーブルを作成し、そ
    の仮の標準値テーブルを用いて前記過去故障データベー
    スの各データにつき故障診断を行い、その診断結果をそ
    れまでの標準値テーブルによる診断結果と比較して、故
    障診断の正解率が高い方を新たな標準値テーブルとする
    請求項12記載の機器の故障診断方法。
  14. 【請求項14】 特定のセンサ値との関連度合により故
    障現象を予め複数のグループに分けて、前記センサ値に
    関連する特徴量の抽出値に基づきいずれかのグループを
    選択して、その選択したグループの故障現象について故
    障診断を実行する請求項3記載の機器の故障診断方法。
  15. 【請求項15】 機器制御系の入出力データを収集する
    データ収集部と、収集された前記入出力データを統計処
    理して機器制御状態を表す複数の特徴量を抽出する統計
    処理部と、特定の故障現象が発生したときに前記複数の
    特徴量が制御状態における前記特徴量の抽出値に当ては
    まる確率を演算する確率演算部と、各故障現象毎の確率
    の演算結果を比較して故障判定を行う比較判定部と、故
    障判定の結果を表示する表示部とから成る機器の故障診
    断装置。
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