JPH09159627A - X線評価装置 - Google Patents

X線評価装置

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JPH09159627A
JPH09159627A JP7322778A JP32277895A JPH09159627A JP H09159627 A JPH09159627 A JP H09159627A JP 7322778 A JP7322778 A JP 7322778A JP 32277895 A JP32277895 A JP 32277895A JP H09159627 A JPH09159627 A JP H09159627A
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ray
sample
rays
mirror
reflection
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JP7322778A
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English (en)
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Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分光後のX線の入射角の制約を受けることな
く試料に強度の強いX線を入射させてS/Nを向上さ
せ、試料のデータ解析精度を向上させる。 【解決手段】 X線源14からのX線を分光するX線分
光器18と、試料20を下向きに保持するマニピュレー
タ21と、超薄膜の重原子膜と軽原子膜とを交互に積層
させた多層膜構造の凹球面状反射面22aを有してX線
分光器18からのX線を試料20に対し入射させる入射
角可変自在なX線反射集光ミラー22と、試料から出射
されるX線及び電子線を検出する2次元検出器25と、
これらのX線源14とX線分光器18と試料20とマニ
ピュレータ21とX線反射集光ミラー22と2次元検出
器25とを内蔵した真空チャンバ12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、超高真空
中で成膜された試料の最上表面の原子・電子構造など
の、物質の表面構造の測定解析に適したX線を利用した
X線評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年にあっては、表面や界面に各種機能
を持たせたデバイス材料の研究・開発が盛んであり、材
料表面の組成ないしは構造分析等が重要となっている。
【0003】このような物質の表面原子・電子構造を評
価する手法として、電子線、X線、中性子線、イオン線
等をプローブとして用いたものが多数ある。例えば、電
子線によるものとしては、検出量を透過電子として原子
配列、欠陥構造、界面構造等を解析する透過顕微鏡(T
EM)とか、検出量を反射電子として表面原子構造等を
解析する反射顕微鏡(REM)等がある。また、X線に
よるものとしては、検出量を電子(エネルギースペクト
ル)としてバンド構造、状態密度分布、化学結合状態等
を解析する光電子分光法(XPS=X-ray Photoelect
ron Spectroscopy) とか、検出量をX線(回折、定在
波、吸収微細構造)及び蛍光X線(エネルギースペクト
ル)として結晶構造、局所的原子構造(原子間距離)を
解析するX線解析法又は拡張X線吸収微細構造法(EX
AFS=Extended X-ray Absorption Fine Struct
ure) 等がある。
【0004】これらのプローブの内、X線以外の電子
線、中性子線、イオン線等は、概して空気中で吸収・散
乱されやすい欠点を有する。このため、これらのX線以
外のものでは、真空中に試料を設置して評価するものが
多い。この点、X線は空気中でも吸収・散乱が殆どない
ものであり、有望といえる。もっとも、X線の内でも、
軟X線と称される数十Å以上のX線は、空気中では吸収
・散乱されやすいために、XPS法に採用されているよ
うに真空チャンバを使うことが多い。
【0005】ところで、これらの何れのプローブ光によ
る場合も、試料面にすれすれに光を入射させて表面最上
層の情報を得ようとする手法が各種研究・開発されてい
る。例えば、全反射蛍光X線分析法等がある。この内、
上記のように有望視されているX線を用いた表面分析法
としては、表面蛍光EXAFS法とか視斜角X線計測法
等がある。これらは、何れもX線を試料面に対してすれ
すれの低入射角で入射させて、試料表面の原子・電子構
造や、表面・界面粗さ、密度、膜厚等を評価しようとす
るものである。この場合、従来にあっては、主として数
Å以下の波長の硬X線を用いるものとされている。
【0006】また、上記の評価に使用される従来のX線
検出器は、PC(プロポーショナルカウンタ)、SC
(シンチレーションカウンタ)、SSD(半導体検出
器)、イオンチャンバ等の大きなものであり、かつ、1
次元であり2次元の空間分解能を持たないため、面分析
も不可能なものである。
【0007】このような従来の状況を考慮した場合、試
料の最表面の原子・電子構造といった表面構造、特に、
成膜中の表面構造を測定し解析する上では、成膜中の粒
子による吸収・散乱の殆どないX線、特に、軟X線をプ
ローブとして用いる評価方式が好ましいといえる。
【0008】しかし、より良好なる評価を行うには、成
膜中の粒子によるX線、特に軟X線の吸収・散乱が極力
少ないことが望まれる。また、物質の表面構造をより広
範な計測法で評価できる汎用性を持ち得ることが要望さ
れるが、従来方式にあってはこのような点まで言及され
ていないものである。
【0009】そこで、物質の表面構造を広範な計測法で
計測し得るようにしたX線評価装置が、例えば、特開平
6−160312号公報により開示されている。図2は
同公報中に示されるX線評価装置を示し、X線源1と、
このX線源1からのX線を分光するX線分光器2と、試
料3を下向きに保持するマニピュレータ4と、X線分光
器2からのX線を試料3に対して入射させる入射角可変
自在なX線全反射ミラー5と、試料3から出射されるX
線及び電子線を検出する2次元検出器6とを真空チャン
バ7内に内蔵し、X線を真空中で取扱うように構成され
ている。8はX線分光器2が内蔵された分光チャンバ
で、ベリリウム窓8a,8bを有する。9はX線全反射
ミラー5の回転軸である。また、X線分光器2として
は、例えば、チャンネルカットモノクロメータが用いら
れている。このチャンネルカットモノクロメータはチャ
ンネルカットした結晶、例えば、Si(111)結晶を
(+,+)配置させて連動するようにしたものであり、
X線を4個の分光用結晶で4回反射させることにより分
光するものである。
【0010】このような構成によれば、X線を真空中で
取扱うため、X線、特に軟X線であっても、吸収・散乱
の少ないものとなる。また、X線を用いるため、試料3
に対する成膜中であってもその粒子による散乱・吸収等
の影響の少ないものとなる。また、試料3を動かさずX
線全反射ミラー5側を動かすことにより試料3に対する
入射光路、即ち、入射角の可変調整を行うので、調整が
簡便にして精度のよいものとなる。また、X線全反射ミ
ラー5は図3に示すように入射角αがカットオフの臨界
角θC より大きい場合には、波長λ〔Å〕の入射X線中
に含まれる2次高調波を反射させずにカットオフするこ
とができる。反射材料の比重をρ、その反射材料の原子
番号をZ、原子量をAとして臨界角θC を数式で表す
と、 θC〔mrad〕=2.32λ・√(ρZ/A)〔Å〕 で示される。即ち、X線分光器2の分光結晶で単色化し
た入射X線中の2次高調波を除去することができる。も
ちろん、X線全反射ミラー5の反射面は平面性がよく変
形がないことが条件となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、分光結晶で
単色化させたX線は、空間的分布特性を有し、分光後に
広がる。図2に例示したX線分光器2ではチャンネルカ
ットした結晶を(+,+)配置させて連動するようにし
4回反射させているので、通常の1回又は2回の反射に
よる場合よりもX線の広がりは原理上狭くなる。しか
し、現実には、Si単結晶(111)面を用いているの
で、その強度分布特性の半値幅は図4に示すように1mm
位ある。通常は、このままでは広がりすぎており使用で
きないので、図5に示すように、スリット10を用いて
X線の一部をカットして(絞って)利用するようにして
いる。しかし、スリット10を用いるとX線にロスを生
じてしまい、好ましくない。元々、実験室で用いるロー
タターゲット等のX線発生源1からのX線は放射光(S
OR)に比べて強度が弱い上に、分光結晶で分光した特
定波長のX線以外のX線強度は弱い性質を有しているの
で、ロスの生ずるスリット10を用いる方式は好ましく
ない。
【0012】この点、前述した特開平6−160312
号公報によれば、X線全反射ミラー5を凹面鏡形状とす
ることにより、分光されたX線を集光でき、試料3に入
射させるX線強度を向上させ得ることが示唆されてい
る。
【0013】ところが、単にX線全反射ミラー5の形状
を凹面鏡形状としただけでは、このX線全反射ミラー5
に対するX線の入射角αを大きくとることができず(数
度以内)、光路を大きく曲げたいような場合に制約を受
ける。観点を変えると、X線全反射ミラー5はあくまで
も全反射により2次高調波をカットすることが主目的で
あり、例えば、数百Å以下の波長の軟X線を用いた場合
に、入射角を大きくとると、反射率が低下してしまい、
試料に入射させるX線強度の低下も避けられない。
【0014】そこで、本発明は、分光後のX線の入射角
の制約を受けることなく試料に強度の強いX線を入射さ
せてS/Nを向上させ、試料のデータ解析精度が向上す
るX線評価装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のX線評価
装置では、X線源と、このX線源からのX線を分光する
X線分光器と、試料を下向きに保持するマニピュレータ
と、超薄膜の重原子膜と軽原子膜とを交互に積層させた
多層膜構造の凹球面状反射面を有して前記X線分光器か
らのX線を前記試料に対し入射させる入射角可変自在な
X線反射集光ミラーと、前記試料から出射されるX線及
び電子線を検出する2次元検出器と、これらのX線源と
X線分光器と試料とマニピュレータとX線反射集光ミラ
ーと2次元検出器とを内蔵した真空チャンバとを備えて
いる。
【0016】従って、超薄膜の重原子膜と軽原子膜とを
交互に積層させた多層膜構造の凹球面状反射面を有する
X線反射集光ミラーは、X線分光器により分光されて単
色化されたX線を回折現象によって試料に向けて集光さ
せるので、X線反射集光ミラーに対するX線の入射角を
大きくとることができる。よって、試料に強度の強いX
線を入射させることができ、S/Nが向上し、試料のデ
ータ解析精度が向上する。
【0017】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
X線評価装置に加えて、X線分光器とX線反射集光ミラ
ーとの間の光路上にX線全反射ミラーを有している。従
って、X線全反射ミラーによって2次高調波がカットさ
れる。
【0018】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載のX線評価装置において、X線反射集光ミラーにお
ける凹球面状反射面の集光焦点が試料の回転中心に設定
されている。従って、最も強度の強い状態でX線が試料
に入射される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1に基
づいて説明する。まず、真空排気装置11に連通されて
内部が高真空状態とされる真空チャンバ12が設けられ
ている。この真空チャンバ12は厚さ0.1mmのベリリ
ウム窓13a,13bにより仕切られたX線源14の領
域と、分光領域とを連設したもので、分光領域を形成す
る分光チャンバ15中にはスリット(目的によっては、
ピンホールでもよい)16とともに分光器17が内蔵さ
れ、分光器17内にはX線分光器となるチャンネルカッ
トモノクロメータ18が内蔵されている。
【0020】また、前記分光器17と前記ベリリウム窓
13bとの間には、前記分光チャンバ15中において前
記X線源14からのX線の進路を殆ど変化させることな
く全反射させるように全反射面19aが配置されたX線
全反射ミラー19が設けられている。ちなみに、全反射
面19aに対するX線の入射角は数mradであるので、図
面上は直線(全反射面19aに一体平行)で示されてい
る。このX線全反射ミラー19はX線の入射光軸上に回
転中心を有し、この回転中心を中心としてステッピング
モータ(図示せず)により任意に回転させ得る構造とさ
れている。これにより、全反射面19aに対するX線の
入射角が調整自在とされている。
【0021】本来の真空チャンバ12内では、測定対象
となる試料20が回転可能なマニピュレータ21により
下向きに保持されているとともに、前記チャンネルカッ
トモノクロメータ18で分光され、かつ、全反射ミラー
19により全反射されてベリリウム窓13bを通して出
射するX線を前記試料20表面に向けて集光状態で低入
射角で入射させるX線反射集光ミラー22が設けられて
いる。このX線反射集光ミラー22は、重原子層と軽原
子層とを超薄膜なる膜厚の周期で交互に積層させること
により多層膜構造に形成された凹球面状反射面22aを
有する。凹球面状形状は、例えば、加熱オイル中でわん
曲させて加工することにより形成される。このX線反射
集光ミラー22の集光焦点は試料20の回転中心に設定
されているとともに、X線反射集光ミラー22は回転軸
23を中心に回動自在とされ、試料20に対する入射角
を0.0001°単位で可変し得るように設定されてい
る。
【0022】また、X線反射集光ミラー22・試料20
間の光路上には試料20に対する入射X線強度を計測す
るための小型のイオンチャンバ24が介在されている。
さらに、前記試料20からの出射側光路上には2次元検
出器25が配設されている。加えて、本実施の形態では
成膜中の分析を可能とするため、前記試料20の下方に
位置させて成膜装置であるKセル26が設けられてい
る。27はそのシャッタである。
【0023】ここで、各部について説明する。まず、X
線源14は主として実験室用に多用されるロータターゲ
ットを用いるのがよいが、プラズマX線源やレーザX線
源と称されるものでもよく、さらには、封入管タイプの
ものでもよい。もっとも、簡便性、使いやすさを考える
と、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ag
(銀)、Al(アルミニウム)等をターゲットとし、電
子線を照射することにより発生する白色X線を用いるロ
ータターゲットがよい。本実施の形態では、例えばMo
をターゲットとするロータターゲットとされている。
【0024】真空チャンバ12内の真空度は10~6Tor
r 以上、好ましくは10~9Torr 以上の高真空、より好
ましくは10~10Torr以上の超高真空がよい。一方、分
光チャンバ15内の真空度は10~4Torr 以上とされて
いる。
【0025】X線分光器となるチャンネルカットモノク
ロメータ18はチャンネルカットした結晶、ここでは、
Si(111)結晶を(+,+)配置させて連動するよ
うにしたものであり、スリット16により制限されたX
線を4個の分光用結晶で4回反射させることにより分光
するものである。分光用結晶としては、Si(111)
に限らず、Ge(440)等であってもよい。
【0026】X線全反射ミラー19はX線を全反射させ
るものであり、表面凹凸が15Å以下であることが望ま
しい。材料としては、カーボン,BN,SiC等が用い
られる。本実施の形態では、例えばカーボン製とされて
いる。
【0027】X線反射集光ミラー22の凹球面状反射面
22aを形成する重原子層と軽原子層との多層膜構造に
関して、重原子としては、Au,Ag,Pd(鉛)、
W,Mo,Ru(ルテニウム)等を用いることができ、
軽原子としては、カーボン、Si等が用いられ、これら
の膜厚は用いるX線波長に応じて選択される。このよう
な多層膜は現に市販されており、また、軟X線用多層膜
に関しては、例えば、文献「軟X線用多層膜の形成とそ
の利用」(山本正樹、応用物理 第62巻 第7号(1
993)抜冊)中にも紹介されている。本実施の形態で
は、例えばWによる重原子層と、Siによる軽原子層と
を例えば80Å膜厚の周期で交互に積層させることによ
り多層膜構造の凹球面状反射面22aが形成されてい
る。
【0028】2次元検出器25はPSD(半導***置検
出素子)とマイクロチャンネルプレート(MCP)との
アセンブリよりなるもので、例えば、浜松ホトニクス株
式会社製のPIAS−TI等のように、直径70nm、長
さ50nm程度の小型のものである。この2次元検出器2
5は可動部がなく、かつ、ガス放出がないため、高真空
中での使用が可能なものである。
【0029】このような構成において、例えば、試料2
0をKセル26を用いて成膜した後、X線源14からの
X線をこの試料20表面にすれすれなる低入射角(10
度以下)で入射させ、反射XANES、反射EXAFS
を測定する場合を考える。
【0030】まず、X線源14から出射された白色X線
はスリット16で制限された後、チャンネルカットモノ
クロメータ18の4個の結晶で4回反射されることによ
り分光される。分光されたX線はX線全反射ミラー19
で全反射されることで2次高調波がカットされ、X線反
射集光ミラー22の凹球面状反射面22aに入射する。
そこで、多層膜構造の凹球面状反射面22aにより回折
現象を利用して回折反射されながら集光状態となって、
試料20表面に低入射角で入射する。この際、X線反射
集光ミラー22は回動し得るものであり、試料20への
入射角は調整可能である。
【0031】このX線反射集光ミラー22により回折反
射されて試料20表面へ入射するX線の強度はイオンチ
ャンバ24により計測される。試料20表面へ入射した
X線は、その一部が吸収されるが、散乱・反射される大
半は、2次元検出器25に入る。この際、図中には示さ
ないが、成膜後は試料20直下へ別の2次元検出器を配
設することで、試料20から出射される2次電子を検出
し、EXAFSのデータをとるようにした。
【0032】具体的に、Kセル26を用いて膜厚約40
0ÅのAl膜をSiウエハ上に成膜した試料20を用意
し、チャンネルカットモノクロメータ18により1.5
keVに分光したX線をX線反射集光ミラー22を用い
ずに試料20に照射したところ、試料20の回転中心位
置でのビーム幅(半値幅)は0.8mmとなったが、X線
反射集光ミラー22を用いた場合には試料20の回転中
心位置でのビーム幅(半値幅)を0.15mmに絞ること
ができた。
【0033】この結果、X線反射集光ミラー22を用い
ない場合にはS/Nが低く、試料20からのX線反射デ
ータからはAl膜のデータを解析できなかったが、X線
反射集光ミラー22を用いた場合には、その一例とし
て、 Al膜密度;2.5±0.1〔g/cm〕 表面粗さ;12±1〔Å〕 界面粗さ; 7±1〔Å〕 膜厚;390±6〔Å〕 の如き解析データが得られたものである。
【0034】このように、本実施の形態によれば、分光
後のX線を多層膜構造の凹球面状反射面22aを有する
X線反射集光ミラー22を用いて試料20の回転中心位
置に集光させているので、実験室レベルのX線源14か
ら長波長のX線を試料20に照射させる場合であっても
強い反射強度を得ることができ、S/Nが向上するの
で、試料20のデータ解析の精度が向上する。特に、多
層膜構造の凹球面状反射面22aによる回折現象を利用
して回折反射させているので、この凹球面状反射面22
aに対するX線の入射角αが大きくても(0°から約1
80°)発散することなく試料20側に集光させること
ができ、十分な強度を持って試料20に入射させること
ができる。また、多層膜構造の凹球面状反射面22aだ
けでは2次高調波をカットすることはできないが、X線
全反射ミラー10が併用されているので、2次高調波が
カットされたX線を試料20に照射させることができ
る。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、X線分光
器により分光されて単色化されたX線を、超薄膜の重原
子膜と軽原子膜とを交互に積層させた多層膜構造の凹球
面状反射面を有するX線反射集光ミラーでの回折現象に
よって試料に向けて集光させるようにしたので、X線反
射集光ミラーに対するX線の入射角を大きくとることが
でき、よって、試料に強度の強いX線を入射させること
ができ、試料から得られるデータのS/Nを向上させ、
試料のデータ解析精度を向上させることができる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、X線分光器
とX線反射集光ミラーとの間の光路上にX線全反射ミラ
ーを有しているので、X線全反射ミラーによって2次高
調波をカットして試料にX線を集光照射させることがで
きる。
【0037】請求項3記載の発明によれば、X線反射集
光ミラーにおける凹球面状反射面の集光焦点を試料の回
転中心に設定したので、最も強度の強い状態でX線を試
料に集光照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は装置全
体の概略正面図、(b)はX線反射集光ミラーを拡大し
て示す概略正面図である。
【図2】従来例を示す概略正面図である。
【図3】X線全反射ミラーを示す概略正面図である。
【図4】ビームの強度分布を示す特性図である。
【図5】ビーム径を絞るスリットの作用を示す縦断正面
図である。
【符号の説明】
12 真空チャンバ 14 X線源 18 X線分光器 19 X線全反射ミラー 20 試料 21 マニピュレータ 22 X線反射集光ミラー 22a 凹球面状反射面 25 2次元検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と、このX線源からのX線を分光
    するX線分光器と、試料を下向きに保持するマニピュレ
    ータと、超薄膜の重原子膜と軽原子膜とを交互に積層さ
    せた多層膜構造の凹球面状反射面を有して前記X線分光
    器からのX線を前記試料に対し入射させる入射角可変自
    在なX線反射集光ミラーと、前記試料から出射されるX
    線及び電子線を検出する2次元検出器と、これらのX線
    源とX線分光器と試料とマニピュレータとX線反射集光
    ミラーと2次元検出器とを内蔵した真空チャンバとを備
    えることを特徴とするX線評価装置。
  2. 【請求項2】 X線分光器とX線反射集光ミラーとの間
    の光路上にX線全反射ミラーを有することを特徴とする
    請求項1記載のX線評価装置。
  3. 【請求項3】 X線反射集光ミラーにおける凹球面状反
    射面の集光焦点が試料の回転中心に設定されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載のX線評価装置。
JP7322778A 1995-12-12 1995-12-12 X線評価装置 Pending JPH09159627A (ja)

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