JPH09158784A - 気体燃料噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気通路の内壁面に噴出通路を有するサイド
供給方式において、上記噴出通路から噴出する気体燃料
と吸入空気との混合を良好にし、燃焼効率を向上させ
る。 【構成】 吸気通路２の内壁面に噴出通路５を開口す
る。噴出通路５内に気体燃料を噴射する気体燃料噴射機
構１１を設ける。気体燃料噴射機構１１の噴射ノズル１
４と上記噴出通路５の出口の間に気体燃料に旋回流を付
与する旋回流発生素子１５を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はＬＰＧ等の気体燃料
を正圧でエンジンの吸気通路に噴出して供給する気体燃
料噴射装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＬＰＧ等を気化させた気体燃料を
エンジンの吸気通路内に噴出して供給する気体燃料噴射
装置として、図６に示すように、気体燃料の供給パイプ
１００を吸気通路１０２内へ突出させるとともにその先
端開口部１０１を吸気流に逆らう方向に向けて開口しそ
の先端開口部１０１の先部に傘部１０３を離間設置し
て、気体燃料と空気とを混合してエンジンへ供給するよ
うにしたものが実開昭５７−８４３５０号公報に開示さ
れている。

【０００３】また、図７に示すように、吸気通路２００
を形成する壁部２０１に、吸気通路２００に開口する噴
出通路２０２を分岐形成してその噴出通路２０２にフュ
ーエルデリバリパイプ２０３を設置するとともに該フュ
ーエルデリバリパイプ２０３内に気体燃料噴射機構２０
４を内蔵し、その気体燃料噴射機構２０４の噴射ノズル
２０５から気体燃料を噴射し、その気体燃料を上記噴出
通路２０２を通じて吸気通路２００へ供給するサイド供
給方式のものがある（例えば特開平４−１７９８４９号
公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記図６に示す従来構
造のものにおいては、気体燃料が吸入空気流により拡散
されて良好な混合が行われる反面、供給パイプ１００や
傘部１０３が吸気流に対して大きな障壁となって吸気効
率が悪くなる問題がある。

【０００５】また図７に示す従来構造のものにおいて
は、気体燃料噴射機構２０４から噴射された気体燃料は
細径でかつ長い噴出通路２０２により拡散が制御され、
噴出通路２０２の先端開口部から吸気通路２００内へ噴
出する際の拡散角度が大きくならない。そのため、気体
燃料と吸入空気との混合状態が不十分となり、エンジン
での燃焼効率が不十分になる問題がある。特に、上記の
噴出通路２０２の距離が長い場合においてその問題が顕
著に現れる。

【０００６】そこで本発明は、吸気効率が良好なサイド
供給方式において、気体燃料と吸入空気とを良好に混合
させる気体燃料噴射装置を提供することを目的とするも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段とその作用】上記の課題を
解決するために請求項１記載の第１の発明は、吸気通路
の内壁面に噴出通路を開口し、気体燃料噴射機構から噴
射された気体燃料を上記噴出通路を通じて吸気通路内へ
噴出させるものにおいて、上記気体燃料噴射機構（１
１）の噴射ノズル（１４）から噴出通路（５）の出口の
間に、噴射された気体燃料に旋回流を付与する旋回流発
生素子（１５）を設けたことを特徴とするものである。

【０００８】本発明においては、気体燃料噴射機構（１
１）の噴射ノズル（１４）から噴射された気体燃料は、
旋回流発生素子（１５）を通過することにより旋回流が
付与され、旋回しながら噴出通路（５）内を流通し、旋
回状態で吸気通路（２）内に噴出する。そのため、気体
燃料が噴出通路（５）から吸気通路（２）内に噴出する
際には、その旋回流によって拡散角度（θ）が大きい状
態で拡散し、吸入空気との混合が極めて良好に行われ
る。

【０００９】また、上記の噴出通路（５）の距離が長い
場合でも、その噴出通路（５）内を気体燃料が旋回状態
で流通し、その噴出通路（５）の出口から気体燃料が上
記のように拡散して吸気通路（２）内へ噴出するので、
吸入空気との混合が極めて良好に行われる。

【００１０】請求項２記載の第２の発明は、上記請求項
１記載の気体燃料噴射機構（１１）がフューエルデリバ
リパイプ（８）内に内蔵されているものにおいて、フュ
ーエルデリバリパイプ（８）の先端に嵌合パイプ（９）
を一体形成し、該嵌合パイプ（９）を噴出通路（５）に
嵌合固着し、該嵌合パイプ（９）内に上記旋回流発生素
子（１５）を設置したものである。

【００１１】本発明においては、フューエルデリバリパ
イプ（８）の嵌合パイプ（９）を利用してこれに旋回流
発生素子（１５）を嵌合設置できる。そのため、気体燃
料噴射機構（１１）を内蔵したフューエルデリバリパイ
プ（８）を吸気管（３）に実装する以前において、気体
燃料の噴射テストを行う場合に、旋回流発生素子（１
５）を嵌合パイプ（９）内に設置して気体燃料の拡散状
態を確認することができる。

【００１２】請求項３記載の第３の発明は、上記請求項
１又は２記載の旋回流発生素子（１５）を、円形の基板
（１６）と、その上流側となる表面側の外周部に一体形
成した環状の突堤（１７）と、基板（１６）の表面側中
央部に一体形成した円錘状の分流突起（１８）と、上記
突堤（１７）と分流突起（１８）間の基板（１６）部に
おいて、周方向に傾斜して表裏に貫通形成した旋回流発
生路（２０）とで形成したものである。

【００１３】本発明においては、旋回流発生路（１５）
に向って高速で流れてきた気体燃料が、突堤（１７）の
内周面と分流突起（１８）とによって旋回流発生路（２
０）へ良好に分流され、各旋回流発生路（２０）を高速
で流通することによりその気体燃料に旋回流を付与する
ことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に図１乃至図５に示す本発明の
実施例について説明する。図１において、１はサージタ
ンク、２は吸気管３により形成された吸気通路で、その
上流側は上記サージタンク１に連通し、下流側はエンジ
ンの燃焼室４に連通している。

【００１５】５は上記吸気通路２より分岐した気体燃料
の噴出通路で、これに気体燃料噴射装置６が設けられて
いる。７は吸入空気開閉バルブである。上記気体燃料噴
射装置６について図２乃至図５により詳述する。

【００１６】８はフューエルデリバリパイプで、その先
端に上記噴出通路５に嵌合する嵌合パイプ９が一体に突
設されており、該嵌合パイプ９を、ゴム製等のインシュ
レータ１０を介して噴出通路５に気密的に嵌合固着して
吸気管３に具備されている。該フューエルデリバリパイ
プ８内には気体燃料噴射機構１１が内蔵されており、周
知のように電磁コイル１２を制御することによりボール
弁１３を開閉制御して、フューエルデリバリパイプ８の
燃料通路８ａ内に高圧で流入された気体燃料を噴射ノズ
ル１４から噴射するようになっている。

【００１７】上記噴射ノズル１４の出口端であってかつ
上記嵌合パイプ９の流通路９ａ内には、噴射ノズル１４
から噴射された気体燃料に旋回流を付与する旋回流発生
素子１５が嵌合設置され、接着剤や溶接などの適宜手段
により嵌合パイプ９に固着されている。

【００１８】上記旋回流発生素子１５を図３乃至図５に
より詳述する。該旋回流発生素子１５は、円形の基板部
１６を有し、その直径Ｄは、上記図２に示すフューエル
デリバリパイプ８における嵌合パイプ９の内面に一ぱい
に嵌合する径に設定されている。該基板部１６における
気体燃料の流通に対して上流側になる表面側の外周部に
は環状の突堤１７が一体形成され、また表面側中央部に
は円錘状の分流突起１８が一体形成され、該分流突起１
８の裾と上記突堤１７の内周面間には所定長Ｌの平面部
１９になっている。

【００１９】２０は旋回流発生路で、基板部１６におけ
る表面側の平面部１９から裏面２１に亘って、周方向に
傾斜した姿勢で貫通形成されている。該旋回流発生路２
０は、基板部１６の周方向に等間隔で５個形成されてい
る。

【００２０】そして、上記の旋回流発生素子１５は、図
２に示すように、その表面、すなわち突堤１７が有する
側を上記噴射ノズル１４側へ向けて上記嵌合パイプ９内
に設置されている。

【００２１】以上のようであるから、フューエルデリバ
リパイプ８内の燃料通路８ａに高圧の気体燃料が流入さ
れている状態において、ボール弁１３が開作動すると、
気体燃料は噴射ノズル１４から噴射される。そして、そ
の気体燃料は、旋回流発生素子１５における突堤１７と
分流突起１８の存在により各旋回流発生路２０へ誘導さ
れてその旋回流発生路２０内を流通し、嵌合パイプ９の
流通路９ａ内に噴出される。

【００２２】この旋回流発生路２０を気体燃料が高速で
流通することにより、その気体燃料流に旋回流が付与さ
れ、その気体燃料は図１及び図２の矢印Ａに示すように
流通路９ａ及び噴出通路５の壁面に沿って旋回しながら
流通する。そして、この気体燃料が高速で旋回しつつ吸
気通路２に達すると、その旋回流によってその気体燃料
は吸気通路２内へ、拡散角度θ（図１参照）が大きい拡
散状態で噴出し、吸気通路２内を流通する吸入空気と混
合する。そのため、吸入空気に対する気体燃料の混合が
極めて良好に行われる。

【００２３】また、上記の噴出通路５の距離が長い場合
でも、気体燃料は旋回状態を維持して噴出通路５の出口
まで送られるため、その噴出通路５の出口から吸気通路
２内へ上記と同様な拡散状態で噴出される。このとき、
気体燃料は、噴出通路５等の壁面への付着による液だれ
現象が生じない特性を有するので、上記のように長い噴
出通路５内を旋回させて流通させても何ら支障は生じな
い。

【００２４】尚、上記実施例においては旋回流発生素子
１５を噴射ノズル１４の出口端であってかつ嵌合パイプ
９内に設置したが、これに限らず、噴出通路５内の所望
の位置に設置してもよい。

【００２５】また、上記旋回流発生路２０は所望数設け
るもので、上記のように５個に限定するものではない。

【００２６】

【発明の効果】以上のようであるから、請求項１記載の
発明によれば、吸気効率が良好なサイド供給方式におい
て、気体燃料を吸入空気と極めて良好に混合させること
ができ、燃焼効率とエンジンの安定性を向上させること
ができる。特に、噴出通路の距離が長い場合において有
効である。

【００２７】請求項２記載の発明によれば、更に、旋回
流発生素子による気体燃料の拡散状態を、吸気管に実装
する以前にテストして確認することができる。請求項３
記載の発明によれば、更に、旋回流発生素子を簡易な構
造で安価に形成することができ、更に従来のサイド供給
方式に対して設計変更を行うことなく安易かつ安価に設
置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す側断面図。

【図２】本発明の要部拡大断面図。

【図３】本発明の旋回流発生素子の表面図。

【図４】図３のＸ−Ｘ線における右半面を断面とし、左
半面を側面とした図。

【図５】本発明の旋回流発生素子の裏面図。

【図６】従来構造を示す側断面図。

【図７】従来構造の他の例を示す側断面図。

【符号の説明】

２ 吸気通路 ５ 噴出通路 ６ 気体燃料噴射装置 ８ フューエルデリバリパイプ ９ 嵌合パイプ １１ 気体燃料噴射機構 １４ 噴射ノズル １５ 旋回流発生素子 １６ 基板部 １７ 突堤 １８ 分流突起 ２０ 旋回流発生路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気通路の内壁面に噴出通路を開口し、
   気体燃料噴射機構から噴射された気体燃料を上記噴出通
   路を通じて吸気通路内へ噴出させるものにおいて、 上記気体燃料噴射機構の噴射ノズルから噴出通路の出口
   の間に、噴射された気体燃料に旋回流を付与する旋回流
   発生素子を設けたことを特徴とする気体燃料噴射装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の気体燃料噴射機構がフュ
   ーエルデリバリパイプ内に内蔵されているものにおい
   て、フューエルデリバリパイプの先端に嵌合パイプを一
   体形成し、該嵌合パイプを噴出通路に嵌合固着し、該嵌
   合パイプ内に上記旋回流発生素子を設置した気体燃料噴
   射装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の旋回流発生素子
   を、円形の基板と、その上流側となる表面側の外周部に
   一体形成した環状の突堤と、基板の表面側中央部に一体
   形成した円錘状の分流突起と、上記突堤と分流突起間の
   基板部において、周方向に傾斜して表裏に貫通形成した
   旋回流発生路とで形成した気体燃料噴射装置。