JPH09155358A - 殺菌水、殺菌水の製造方法,製造装置、および殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装置 - Google Patents

殺菌水、殺菌水の製造方法,製造装置、および殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装置

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JPH09155358A
JPH09155358A JP8081916A JP8191696A JPH09155358A JP H09155358 A JPH09155358 A JP H09155358A JP 8081916 A JP8081916 A JP 8081916A JP 8191696 A JP8191696 A JP 8191696A JP H09155358 A JPH09155358 A JP H09155358A
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hypochlorous acid
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measuring
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JP8081916A
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English (en)
Inventor
Hideto Furumi
秀人 古味
Takeshi Goto
武 後藤
Toshiharu Nakakawara
俊治 中河原
Tomoyasu Taguchi
智康 田口
Yoichi Ozawa
洋一 小澤
Yoji Arata
洋治 荒田
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KINOUSUI KENKYUSHO KK
Original Assignee
KINOUSUI KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌性を確実に備えた電解水による殺菌水、
およびその殺菌水の製造方法を提供し、殺菌水の持つ殺
菌成分の定量測定を、殺菌水の製造あるいは採取に付随
して行うことができる測定装置を提供し、また、殺菌水
の持つ殺菌成分の定量測定を行うことができる殺菌水の
製造装置を提供する。 【解決手段】 殺菌水は、塩素を含む溶液を電気分解
し、電気分解により陽極側および陰極側に生成される電
解水を選択抽出し、これによって殺菌水を生成する。ま
た、殺菌水の製造装置は、選択性イオン交換膜16を挟
んで陽極13および陰極14を設け、塩素を含む溶液を
電解処理する電解槽15と、電解槽中の電解水の溶液を
選択抽出し殺菌水として取り出す抽出手段21と、選択
抽出した溶液の次亜塩素酸濃度を測定する測定手段27
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物を扱う実験室
等における種々の器具や作業者の手の滅菌や、病院等に
おける消毒、植物栽培等における消毒等の、医療、食品
工業、飲食業、獣医・畜産業、衛生を要する公共的な場
所や殺菌消毒を要する場所等で使用する殺菌剤として殺
菌性,抗菌性等の消毒効果を有する殺菌水、その製造方
法、製造装置、および、その消毒効果を定量的に評価す
るための次亜塩素酸濃度を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸留水や電解質溶液を電解すると、陽極
側には酸性の電解水が生成され、陰極側にはアルカリ性
の電解水が生成されることが知られている。一般に、ア
ルカリ性の電解水はアルカリ水,アルカリイオン水など
と呼ばれ、一方酸性の電解水は酸性水,強酸化水,強酸
性水,超酸化水などと呼ばれている。従来、この電解水
は殺菌性や抗菌性を備える場合があり、この殺菌性を利
用して殺菌水として使用する場合があることが知られて
いる。また、従来、溶液の殺菌性を定量的に測定するこ
とは行われておらず、定性的な測定が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られている電解水による殺菌水は、必ずしも殺菌性を有
しているわけではなく、殺菌性をほとんど有していない
場合もあり、殺菌性の信頼性が乏しいものとなってい
る。これは、電解水による殺菌性が電解水中のいかなる
成分に起因しているのか不明であり、また、殺菌性を備
えた電解水を生成するための生成条件も知られていない
ためである。
【0004】また、一般に、溶液中の特定成分について
定量測定を行うことは知られているものの、従来の電解
水による殺菌水では、殺菌性を呈する成分が不明である
ため定量測定による殺菌性の測定を行うことが困難であ
り、電解水の殺菌性の評価も単に定性的な評価に留ま
り、定量的に比較し評価を行うことが困難となってい
る。
【0005】また、殺菌性を呈する成分を推定し、推定
した成分について定量測定を行う場合であっても、殺菌
水のサンプルを採取した後、実験室等において公定法に
従って測定を行う必要があり、殺菌水の製造あるいは採
取に付随して定量的に測定する測定装置は知られていな
い。
【0006】そこで、本発明は従来の電解水による殺菌
水および殺菌水の殺菌成分の定量測定の問題点を解決
し、殺菌性を確実に備えた電解水による殺菌水、および
その殺菌水の製造方法を提供することを目的とし、ま
た、殺菌水の持つ殺菌成分の定量測定を、殺菌水の製造
あるいは採取に付随して行うことができる測定装置を提
供することを目的とし、また、殺菌水の持つ殺菌成分の
定量測定を行うことができる殺菌水の製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の出願人は、従来
不明であった電解水の殺菌性について検討した結果、該
殺菌性は主に電解水中に含まれる次亜塩素酸によること
を確認した。一般に、次亜塩素酸が殺菌剤として有効で
あることは知られているが、電解水に殺菌性と次亜塩素
酸濃度との相関関係は、本発明の出願人がはじめて確認
したものである。この事項により、本発明の出願人は、
塩素を含む溶液を電気分解することを生成条件とする殺
菌水を生成することによって、電解水中の次亜塩素酸の
存在を確実なものとし、電解水による殺菌水の殺菌性の
有効性を確実なものとした。ここで、塩素を含む溶液と
して、原水に塩素を含む場合はそのまま使用し、濃度が
低い場合はNaCl等を添加したものを用いる。また、
電解水は電解処理を行った水溶液である。
【0008】また、殺菌水の製造を、塩素を含む溶液を
電気分解し、該電気分解により陽極側および陰極側に生
成される電解水を選択抽出し、該抽出電解水により殺菌
水を生成する製造方法により行い、これによって、殺菌
性を確実に備えた殺菌水を製造する。
【0009】また、電解水の殺菌性と次亜塩素酸の濃度
との測定関係に基づき、塩素を含む溶液の電気分解によ
り生成される電解水を生成し、該電解水を含んで生成さ
れる殺菌水中の次亜塩素酸濃度を測定し、この測定した
次亜塩素酸濃度により殺菌性の評価を行う。この評価方
法において、第1の測定では、電気分解により陽極側に
生成される酸性の電解水については、アルカリ性とする
ことによって電解水中の次亜塩素酸を次亜塩素酸イオン
に変え、この次亜塩素酸イオンの濃度を吸光度を測定す
ることによって、次亜塩素酸濃度を測定する。
【0010】また、第2の測定では、次亜塩素酸濃度の
測定を水素イオン活性度に対応した吸収極大を示す複数
の波長で吸光度を測定することによって、より信頼性の
高い測定を行う。例えば、電解酸性水の236nm付近
における吸光度とアルカリ化した電解酸性水の292n
m付近における吸光度とを測定し、両吸光度からそれぞ
れ次亜塩素酸濃度を求め、両者の次亜塩素酸濃度の値か
ら信頼性の高い測定を行う。また、次亜塩素酸濃度の測
定を電解水に発色剤を添加して比色法により測定するこ
ともできる。
【0011】さらに、本発明の殺菌水の製造装置は、選
択性イオン交換膜を挟んで陽極および陰極を設け、塩素
を含む溶液を電解処理する電解槽と、電解槽中の電解水
の溶液を選択抽出し殺菌水として取り出す抽出手段と、
選択抽出した溶液の次亜塩素酸濃度を測定する測定手段
とを備えることによって構成する。
【0012】この殺菌水の製造装置では、電解槽中に塩
素を含む溶液を注入し、陽極と陰極間に電圧を印加す
る。この電圧印加による電解処理により、電解槽中に次
亜塩素酸が存在する電解水が生成される。電解槽中にお
いて、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンは平衡状態にあ
り、両者の存在比率はpHに応じて変化する。選択性イ
オン交換膜を挟んで陽極側の電解水は酸性の酸性水とな
り、陰極側の電解水はアルカリ性のアルカリ水となる。
抽出手段は、この電解水を選択して抽出し、酸性水ある
いはアルカリ水を取り出す。さらに、本発明の殺菌水の
製造装置は抽出した電解水の次亜塩素酸濃度を測定する
測定手段を備え、この測定手段によって測定した次亜塩
素酸濃度により、殺菌水中の次亜塩素酸濃度を知ること
ができ、さらに、次亜塩素酸濃度と殺菌性の関係から殺
菌水の殺菌性を推測することができる。
【0013】本発明の殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装置
は、(a)測定セルと、(b)測定セルに、殺菌水と、
検量線作成のための標準溶液と、次亜塩素酸を含まない
ブランク水と、アルカリ性溶液あるいは発色剤とを選択
的に注入可能とする注入手段と、(c)測定セル中の溶
液の次亜塩素酸の吸光度を測定する分光光度計とを備え
ることより構成する。また、水素イオン活性度に対応し
た複数の波長で吸光度を測定する場合には、次亜塩素酸
濃度測定装置は(d)pH測定装置を備える。
【0014】この殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装置にお
ける測定は、例えば以下の手順で行うことができる。注
入手段により測定セルに標準溶液あるいはブランク水を
注入し、分光光度計により次亜塩素酸の吸光度を測定し
て検量線を作成する。次に、注入手段の操作によって測
定セル内に殺菌水とアルカリ性溶液あるいは発色剤を注
入して混合し、分光光度計により混合溶液中の次亜塩素
酸の吸光度を測定し、求めておいた検量線により次亜塩
素酸の濃度を算出する。
【0015】また、水素イオン活性度に対応した複数の
波長で吸光度を測定する場合には、酸性条件において短
い波長で電解水の吸光度を求め、水酸化ナトリウム溶液
等の添加によってアルカリ化したアルカリ性条件におい
て長い波長で電解水の吸光度を求め、両吸光度からそれ
ぞれ得られる次亜塩素酸濃度により殺菌水の次亜塩素酸
濃度を測定することもできる。酸性条件における短い測
定波長として例えば236nm付近の波長を用いること
ができ、また、アルカリ性条件における長い測定波長と
して例えば292nm付近の波長を用いることができ
る。また、注入手段をペリスタルティックポンプと混合
カラムとを備える構成とすることができ、これによっ
て、測定水を一定速度で流した状態で吸光度を測定する
ことができる。
【0016】本発明の出願人は、電解水と次亜塩素酸水
溶液の殺菌効果を比較することによって、電解処理によ
り得られる電解水による殺菌効果と、次亜塩素酸水溶液
による殺菌効果との間に相関関係があることをはじめて
見いだして確認し、これによって、塩素を含む溶液を電
気分解することを生成条件とすることによって、殺菌性
が確かな殺菌水を発明し、また、この殺菌水を製造する
製造方法を発明し、殺菌水の殺菌性を次亜塩素酸濃度に
より評価する評価方法を発明した。さらに、この次亜塩
素酸濃度と殺菌性との相関関係を基に、次亜塩素酸濃度
を測定する測定装置を備えることによって殺菌性の定量
測定を、殺菌水の製造あるいは採取に付随して行うこと
ができる測定装置を発明し、また、殺菌水の持つ殺菌性
の定量測定を行うことができる殺菌水の製造装置を発明
したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。はじめに、電解水特性次
亜塩素酸水溶液との殺菌効果の比較を行い、電解水の殺
菌効果と次亜塩素酸水溶液の殺菌効果との間に相関関係
が存在することを示す。
【0018】電解水と次亜塩素酸の殺菌効果を、以下の
実験方法により測定する。 (ステップ1);はじめに電解水を製造し、該電解水の
溶液中の次亜塩素酸濃度を公定法に従って定量する。 (ステップ2);次に、次亜塩素酸標準溶液を希釈し
て、電解水と同じ濃度の次亜塩素酸溶液を調整する。こ
こで、両者のpHについても緩衝溶液を加えることによ
って同一とする。また、この溶液についても次亜塩素酸
濃度を公定法によって定量して濃度を確認する。 (ステップ3);次亜塩素酸濃度を同一とした電解水と
次亜塩素酸溶液をそれぞれ一定量とり、一定量の菌液に
加える。 (ステップ4);電解水と次亜塩素酸溶液を加えた菌液
を一定時間培養した後、溶液の濁度を測定し、菌数を測
定する。
【0019】図1および図2は電解水により処理した溶
液の細菌数と次亜塩素酸溶液で処理した溶液の細菌数の
相関関係を示す図である。図1は使用菌として大腸菌を
用いた場合であり、黒い四角印は次亜塩素酸濃度が5.
5μMの場合であり、白い四角印は次亜塩素酸濃度が1
1μMの場合である。次亜塩素酸濃度が5.5μMの場
合の相関関数f(x)はf(x)=0.9969383
x−0.03005212となり、相関係数は0.98
15854となり、次亜塩素酸濃度が11μMの場合の
相関関数f(x)はf(x)=0.9500263x+
0.04896977となり、相関係数は0.9943
391となる。
【0020】また、図2は使用菌として枯草菌を用いた
場合であり、黒い四角印は次亜塩素酸濃度が810μM
の場合であり、白い四角印は次亜塩素酸濃度が550μ
Mの場合である。次亜塩素酸濃度が810μMの場合の
相関関数f(x)はf(x)=1.051461x+
0.03270541となり、相関係数は0.9911
947となり、次亜塩素酸濃度が550μMの場合の相
関関数f(x)はf(x)=0.9477951x+
0.04308075となり、相関係数は0.9947
036となる。
【0021】前記実験結果より、大腸菌,枯草菌のいず
れの場合にも相関係数は0.99前後となり、電解水に
より処理した溶液の細菌数と次亜塩素酸溶液で処理した
溶液の細菌数の間に相関性があり、両者の殺菌効果の同
一性を確認することができる。本発明の実施の形態は、
この電解水の殺菌効果と次亜塩素酸水溶液の殺菌効果と
の間に相関関係を基にして、殺菌性がある電解水を生成
して殺菌水を生成する。
【0022】次に、本発明の殺菌水を製造するための構
成、殺菌水中の次亜塩素酸濃度を測定するための構成に
ついて、(a)苛性ソーダ添加法による次亜塩素酸濃度
の測定の場合、(b)比色法による次亜塩素酸濃度の測
定の場合について説明する。
【0023】(a)苛性ソーダ添加法による次亜塩素酸
濃度の測定の場合;以下、苛性ソーダ添加法によって次
亜塩素酸濃度を測定する2つの方法について、(a−
1)で第1の測定を説明し、(a−2)で第2の測定を
説明する。なお、図3,図4は本発明の殺菌水を製造し
次亜塩素酸濃度を苛性ソーダ添加法により測定する構成
例を説明するための図である。図3の構成図は溜め置き
式の構成であり、図4の構成図はフローセル式の構成で
ある。
【0024】(a−1)始めに、第1の測定について説
明する。図3に示す溜め置き式の構成において、破線の
矩形で示される部分Aは電解水による殺菌水を製造する
部分であり、破線の矩形で示される部分Bは殺菌水の次
亜塩素酸濃度を測定する部分である。
【0025】部分Aにおいて、電解槽15は選択性イオ
ン交換膜16を挟んで2室に分離され、各室には電極1
3および電極14が配設される。電極13および電極1
4には直流電圧源12が接続され、電極13は正の電圧
が印加されて陽極を構成し、電極14は負の電圧が印加
されて陰極を構成する。陽極側および陰極側からはそれ
ぞれ電解水を抽出可能に管が設置される。また、電解槽
15には、バルブ11を介して、例えば水道水等の塩素
を含有する溶液が注入する。なお、電解槽15に注入す
る原水に塩素が含まれる場合にはそのまま使用し、塩素
濃度が低い場合にはNaCl等を添加した溶液を用い
る。
【0026】また、部分Bにおいて、符号27は電解槽
15において生成される電解水の次亜塩素酸濃度を吸光
度により測定するための分光光度計であり、電解水およ
び測定のための溶液を混合するための測定セル28を備
えている。この分光光度計27は、通常の測定計器30
および測定計器30により得られたデータを処理するた
めのデータ処理手段31を備えている。
【0027】また、測定セル28には、各種バルブ2
1,22,23を介してブランク水、電解水、標準溶液
25、および苛性ソーダ水溶液26が注入可能である。
電解水は、四方バルブ21および四方バルブ22を介し
て測定セル28に注入される。標準溶液25は、四方バ
ルブ22を介して測定セル28に注入される。また、苛
性ソーダ水溶液26は、バルブ23を介して測定セル2
8に注入される。測定後の溶液は、測定セル28からバ
ルブ24を介して排水される。また、電解槽15からの
電解水は四方バルブ21およびバルブ20を介して取り
出すことができる。
【0028】次に、図4に示すフローセルによる密閉型
の構成について説明する。図4において、図3と同様
に、破線の矩形で示される部分Aは電解水による殺菌水
を製造する部分であり、破線の矩形で示される部分Bは
殺菌水の次亜塩素酸濃度を測定する部分である。部分A
の構成は図3と同様であるため、ここでは説明を省略す
る。
【0029】部分Bでは殺菌水の次亜塩素酸濃度の測定
をフローセルを用いて行う。部分Bにおいて、符号27
は、図3の構成と同様に電解槽15において生成される
電解水の次亜塩素酸濃度を吸光度により測定するための
分光光度計であるが、電解水および測定のための溶液を
混合するために、測定セル28に代えてフローセル29
を備える。分光光度計27は、測定計器30およびデー
タ処理手段31を備える。
【0030】また、フローセル29には、各種バルブ2
1,22およびペリスタルティックポンプ41,42、
混合カラム40を介してブランク水、電解水、標準溶液
25、および苛性ソーダ水溶液26が注入可能であり、
混合カラム40は電解水および溶液を混合するためにフ
ローセル29の直前に設けられるカラムである。ブラン
ク水は四方バルブ22およびペリスタルティックポンプ
41を介して混合カラム40に注入され、電解水は、四
方バルブ21、四方バルブ22およびペリスタルティッ
クポンプ41を介して混合カラム40に注入される。標
準溶液25は、四方バルブ22およびペリスタルティッ
クポンプ41を介して混合カラム40に注入される。ま
た、苛性ソーダ水溶液26は、ペリスタルティックポン
プ42を介して混合カラム40に注入される。測定後の
溶液は、フローセル29からバルブ24を介して排水さ
れる。また、電解槽15からの電解水は四方バルブ20
を介して取り出すことができる。なお、前記構成図3,
4において、四方バルブに示す番号は、接続された管の
方向を表し、以下、該番号の組み合わせ(例えば、1−
2,2−3等)により四方バルブの開放および閉鎖を表
すことにする。
【0031】なお、図3,4中のpH電極32,pHメ
ータ33,およびフィルタ34は第2の測定に係わる構
成であるため、第2の測定において説明しここでの説明
は省略する。
【0032】次に、苛性ソーダ添加法による次亜塩素酸
濃度の第1の測定の測定手順について、図3に示す構成
例を例として説明する。苛性ソーダ添加法による次亜塩
素酸濃度の第1の測定は、測定溶液中の次亜塩素酸を次
亜塩素酸イオンに代え、この次亜塩素酸イオンの濃度の
吸光度を単一波長で測定して次亜塩素酸の濃度を測定す
る測定方法である。次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンは、
以下で示されるような平衡状態にあり、
【0033】
【数1】 水溶液中では、pHに応じて次亜塩素酸と次亜塩素酸イ
オンの存在比率が定まっている。次亜塩素酸と次亜塩素
酸イオンは共に殺菌効果を有しているが、一般に次亜塩
素酸は次亜塩素酸イオンより大きな殺菌効果を備えてい
る。前記式(2)に示すように、酸性領域では次亜塩素
酸の存在比率が高いため、殺菌力は主に次亜塩素酸によ
るものと考えられる。例えば、pHを9.4以上となる
よう調整することによって、次亜塩素酸の相対存在率は
1/100以下となる。したがって、電解酸性水はpH
値の低いときに大きな殺菌力を持つことになる。
【0034】また、吸光度により濃度測定を行う場合に
は、次亜塩素酸イオンの状態で測定する必要があるた
め、第1の測定において酸性の電解水の次亜塩素酸濃度
を求める場合には、次亜塩素酸をアルカリ化して次亜塩
素酸イオンに代えた後、この次亜塩素酸イオンの濃度を
測定することによって次亜塩素酸の濃度を求める。この
次亜塩素酸の濃度測定として、苛性ソーダ添加法による
次亜塩素酸濃度の測定を行う。なお、苛性ソーダ水溶液
(水酸化ナトリウム水溶液)に代えて水酸化カリウムに
よりアルカリ性に変化させて測定することもできる。
【0035】はじめに、四方バルブ22において1−4
を開放して次亜塩素酸を含まないブランク水側(図3で
は水道水としている)とし、ブランク水を測定セル28
内に少量注入し、その後四方バルブ22を閉じる。分光
光度計27は測定セル28内のブランク水について、前
記と同様に次亜塩素酸イオンの吸光度を測定し、測定後
のブランク水はバルブ24から排水する。また、四方バ
ルブ22において3−4を開放して標準溶液側とし、標
準溶液25を測定セル28内に少量注入し、その後四方
バルブ22を閉じる。分光光度計27は測定セル28内
の標準溶液について、次亜塩素酸イオンの吸光度を測定
する波長である292nmの光によって吸光度を測定す
る。測定した標準溶液はバルブ24から排水する。
【0036】次亜塩素酸イオンの濃度と吸光度との関係
は図5に示す関係にあり、一定の波長による吸光度につ
いて見ると、濃度と吸光度とは一対一の関係にある。そ
こで、2つの既知の濃度の吸光度を基に図6に示す2点
検量線を作成すると、吸光度から濃度を求めることがで
きる。そこで、前記した標準溶液とブランク水により求
めた吸光度を基にして2点検量線を作成しておく。ここ
で、標準溶液は、例えばある一定濃度の次亜塩素酸イオ
ンを含む溶液とし、ブランク水は次亜塩素酸および次亜
塩素酸イオンの濃度がほぼ0の溶液である。この2点検
量線の作成は、図3中のデータ処理手段31において行
うことができる。
【0037】次に、バルブ11を開けてブランク水(水
道水)を電解槽15に注ぎ、直流電圧を所定時間印加し
て電解処理を行い電解水を生成する。四方バルブ21の
1−4および四方バルブ22の2−4を開けて、酸性水
を測定セル28に少量入れる。続いて、バルブ23を開
けて苛性ソーダ水溶液26を測定セル28に少量入れ、
攪拌する。これによって、酸性水中の次亜塩素酸は次亜
塩素酸イオンに変わる。分光光度計27により測定セル
28中の溶液の吸光度を求め、データ処理手段31によ
り求めておいた2点検量線を基にして次亜塩素酸の濃度
を求める。測定後は、バルブ24を開けて溶液を排水す
る。
【0038】これによって、電解槽中の酸性水の次亜塩
素酸濃度を測定することができる。また、同様にして電
解槽中のアルカリ水についても次亜塩素酸濃度を測定す
ることができる。このとき、アルカリ水中の次亜塩素酸
がほぼ次亜塩素酸イオンである場合には、苛性ソーダ水
溶液によるアルカリ化の工程を省略することができる。
【0039】また、図4に示すペリスタルティックポン
プを用いた構成において、苛性ソーダ添加法により次亜
塩素酸濃度を測定する手順もほぼ前記の測定手順と同様
であり、ブランク水、電解水、標準溶液、および苛性ソ
ーダ水溶液の液層をペリスタルティックポンプ41,4
2により行う点、およびペリスタルティックポンプ42
はバルブ23の代って苛性ソーダ水溶液の注入の開閉を
行う点で異なる。このペリスタルティックポンプによる
液送と、混合カラム40における溶液の混合によって、
測定水を溜めることなく一定速度で流れる状態での吸光
度の測定を行うことができる。
【0040】(a−2)次に、第2の測定について説明
する。一般に電解酸性水を製造するための原水である水
道水中には、紫外吸収性成分が含まれていることがあ
り、前記(a−1)に示した第1の測定のように単一の
波長によって測定を行う場合には誤差を含むおそれがあ
る。次亜塩素酸は、酸性条件(pH4程度以下のpH
値)では236nmに吸収極大を持ち、アルカリ性条件
(pH10程度以上のpH値)では292nmに吸収極
大を持つUVスペクトルを有している。図7は、次亜塩
素酸の測定波長に対する吸光度を示すUVスペクトルで
ある。図7において、例えば、pH4.1の酸性条件下
の次亜塩素酸は236nmの波長において吸光度にピー
クを持ち、pH9.9のアルカリ性条件下の次亜塩素酸
は292nmの波長において吸光度にピークを持つ。な
お、図8は、製造装置によって生成した電解酸性水の測
定波長に対する吸光度を示すUVスペクトルであり、次
亜塩素酸濃度とほぼ同じ特性を示している。
【0041】そこで、第2の測定は次亜塩素酸濃度の測
定を水素イオン活性度に対応した吸収極大を示す複数の
波長で吸光度を測定することによって、より信頼性の高
い測定を行う測定であり、電解酸性水の236nmにお
ける吸光度(図8中の点P)とアルカリ化した電解酸性
水の292nmにおける吸光度(図8中の点Q)とを測
定し、両吸光度からそれぞれ次亜塩素酸濃度を求め、両
者の次亜塩素酸濃度の値から信頼性の高い測定を行う。
【0042】図3,図4において、第2の測定の構成
は、部分B中に測定セル28内あるいは混合カラム40
とフローセル29との間に設置したpH電極32と、該
pH電極32からの測定信号を入力してpH値を求める
pHメータ33を備え、また、分光光度計27中にフィ
ルタ34を備えており、その他の構成については第1の
測定の構成とほぼ共通である。pH電極32は測定セル
28あるいはフローセル29に供給される電解酸性水の
水素イオン活性度を測定するための電極であり、pHメ
ータ33により測定が行われる。pHメータ33は求め
たpH値をデータ処理手段31に送信する。また、フィ
ルタ34は分光光度計27における分光波長を設定する
ためのフィルタであって、異なる波長特性のフィルタを
持ち該フィルタを交換して分光波長の変更を行うことが
できる。例えば、電解酸性水の吸光度を求めるための2
36nmのフィルタとアルカリ化した電解酸性水の吸光
度を求めるための292nmのフィルタを交換可能に備
える。
【0043】次に、苛性ソーダ添加法による次亜塩素酸
濃度の第2の測定の測定手順について図3の構成例を用
いて説明する。はじめに、次亜塩素酸濃度の測定を行う
ための2点検量線の作成を行う。なお、この作成手順は
(a−1)と同様であるためここでは説明を省略する。
バルブ11を開けてブランク水(水道水)を電解槽15
に注ぎ、直流電圧を所定時間印加して電解処理を行い電
解水を生成する。四方バルブ21,22を通して電解酸
性水を測定セル28に少量入れる。このとき、pH電極
32は電解酸性水と接触し、pHメータ33は電解酸性
水のpH値を求めてデータ処理手段31に送信する。
【0044】分光光度計27はフィルタ34から236
nmのフィルタを選択して測定セル28中の溶液の23
6nmにおける吸光度を求める。データ処理手段31
は、求めておいた2点検量線を基にして次亜塩素酸濃度
を求め、pH値とともに格納する。これによって、酸性
条件(pH4以下)における236nmでの吸光度(図
8中の点P)を求めることができる。
【0045】次に、バルブ23を開いて苛性ソーダ水溶
液(水酸化ナトリウム溶液)26を測定セル28に一定
量注入し攪拌する。これによって、電解酸性水をアルカ
リ化する。なお、電解酸性水と混合する苛性ソーダ水溶
液(水酸化ナトリウム溶液)の濃度は、電解酸性水のp
H値を10程度以上とするに十分な濃度であればよい。
このとき、pH電極32,pHメータ33は電解酸性水
のpH値を求めてデータ処理手段31に送信する。
【0046】分光光度計27はフィルタ34から292
nmのフィルタを選択して測定セル28中の溶液の29
2nmにおける吸光度を求める。データ処理手段31
は、求めておいた2点検量線を基にして次亜塩素酸濃度
を求め、pH値とともに格納する。これによって、アル
カリ性条件(pH10以上)における292nmでの吸
光度(図8中の点Q)を求めることができる。測定後
は、バルブ24を開いて溶液を排水する。
【0047】データ処理手段31は、236nmで求め
た次亜塩素酸濃度と292nmで求めた次亜塩素酸濃度
とを比較し、両濃度が許容範囲内で一致している場合に
はその測定値を電解酸性水の次亜塩素酸濃度として出力
する。この測定値は、原水中に含まれる紫外吸収性成分
による影響等が許容範囲であって、十分な信頼性が保証
される。一方、両次亜塩素酸濃度が許容範囲を越えて一
致しない場合には、アラーム信号等を出力する。この場
合には、原水中に紫外吸収性成分等の含有や製造装置の
異常が予想される。
【0048】また、図4に示すペリスタルティックポン
プを用いた構成による測定手順は、図3の構成による測
定手順と同様であるため説明を省略する。この第2の測
定によれば、原水中に紫外吸収性成分による測定妨害や
製造装置の故障等の診断を確実に行うことができ、ま
た、単一波長での測定と比較して信頼性の高い測定値を
得ることができる。
【0049】なお、第2の測定において、2点検量線が
既知である場合には、図3,4中の標準溶液25の構成
を省略することができる。
【0050】次に、比色法による次亜塩素酸濃度の測定
の場合について説明する。 (b)比色法による次亜塩素酸濃度の測定の場合;図
9,図10は本発明の殺菌水を製造し、次亜塩素酸濃度
を比色法により測定するフローセル式の構成例で説明す
るための図である。比色法としてオルトトリジン比色法
とジエチル−p−フェニレンジアミン比色法があり、図
9の構成図はオルトトリジン比色法による場合であり、
図10の構成図はジエチル−p−フェニレンジアミン比
色法による場合である。なお、ここでは、フローセル式
の構成例についてのみ示しているが、溜め置き式の構成
についても前記図3と同様に構成することができる。
【0051】図9を用いて、オルトトリジン比色法によ
る次亜塩素酸の濃度測定をフローセルによる密閉型で行
う構成について説明する。図9において、図3と同様
に、破線の矩形で示される部分Aは電解水による殺菌水
を製造する部分であり、破線の矩形で示される部分Bは
殺菌水の次亜塩素酸濃度を測定する部分である。部分A
の構成は図3と同様であるため、ここでは説明を省略す
る。
【0052】部分Bでは殺菌水の次亜塩素酸濃度の測定
をオルトトリジン比色法によって、フローセルを用いて
行う。部分Bにおいて、符号27は、図3の構成と同様
に電解槽15において生成される電解水の次亜塩素酸濃
度を吸光度により測定するための分光光度計でありフロ
ーセル29を備え、また測定計器30およびデータ処理
手段31を備える。
【0053】また、フローセル29には、各種バルブ2
1,22およびペリスタルティックポンプ41,42、
混合カラム40を介してブランク水、電解水、標準溶液
25、発色剤としてのオルトトリジン溶液44および酸
性緩衝液45が注入可能であり、混合カラム40は電解
水および溶液を混合するためにフローセル29の直前に
設けられるカラムである。ブランク水(水道水)は四方
バルブ22およびペリスタルティックポンプ41を介し
てフローセル29に注入され、電解水は、四方バルブ2
1、四方バルブ22およびペリスタルティックポンプ4
1を介してフローセル29に注入される。標準溶液25
は、四方バルブ22およびペリスタルティックポンプ4
1を介して混合カラム40に注入される。また、発色剤
のオルトトリジン溶液44はペリスタルティックポンプ
42を介して混合カラム40に注入され、酸性緩衝液4
5はペリスタルティックポンプ43を介して混合カラム
40に注入される。測定後の溶液は、フローセル29か
らバルブ24を介して排水される。また、電解槽15か
らの電解水は四方バルブ20を介して取り出すことがで
きる。
【0054】また、図10に示すジエチル−p−フェニ
レンジアミン比色法により次亜塩素酸の濃度測定をフロ
ーセルによる密閉型で行う構成である。図10に示す構
成は、図9の構成とほぼ同様であり、発色剤として硫酸
ジエチル−p−フェニレンジアンモニウムの微酸性溶液
46を用い、酸性緩衝液45に代えてリン酸塩緩衝液4
7を用いる点で異なる。
【0055】なお、前記構成図9,10において、四方
バルブに示す番号は、接続された管の方向を表し、以
下、該番号の組み合わせ(例えば、1−2,2−3等)
により四方バルブの開放および閉鎖を表すことにする。
【0056】次に、オルトトリジン比色法による次亜塩
素酸濃度の測定手順について、図9に示す構成例を例と
して説明する。オルトトリジン比色法は、測定水にオル
トトリジン溶液を添加し、次亜塩素酸の塩素と結合して
生成される黄色ホロキノンの吸光度を測定するものであ
り、次亜塩素酸の塩素を発色剤に結合させて発色させ、
この発色量を分光光度計で測定する。
【0057】はじめに、四方バルブ22において1−4
を開放して次亜塩素酸を含まないブランク水側(図中で
は水道水としている)とし、ブランク水をフローセル2
9内に少量注入し、その後四方バルブ22を閉じる。分
光光度計27はフローセル29内のブランク水につい
て、前記と同様に黄色ホロキノンの吸光度を測定し、測
定後のブランク水はバルブ24から排水する。
【0058】また、四方バルブ22において3−4を開
放して標準溶液側とし、標準溶液25をペリスタルティ
ックポンプ41を介して混合カラム40に注入し、その
後四方バルブ22を閉じる。ここで、標準溶液は、クロ
ム酸カリウムと二クロム酸カリウムを一定量リン酸塩緩
衝液に混ぜたものである。分光光度計27はフローセル
29内の標準溶液について、440nmの吸光度を測定
する。測定した標準溶液はバルブ24から排水する。
【0059】前記測定データを基にして、前記図5,図
6で示した手法と同様にして2点検量線を作成する。こ
の2点検量線の作成は、図中のデータ処理手段31にお
いて行うことができる。
【0060】次に、バルブ11を開けてブランク水(水
道水)を電解槽15に注ぎ、直流電圧を所定時間印加し
て電解処理を行い電解水を生成する。四方バルブ21の
1−4あるいは2−4を開け、続いて四方バルブ22の
2−4を開けて、ペリスタルティックポンプ41を介し
て酸性水あるいはアルカリ水を混合カラム40に注入す
る。同時に、ペリスタルティックポンプ42を介して発
色剤としてオルトトリジン溶液を混合カラム40に注入
し、また、ペリスタルティックポンプ43を介して酸性
緩衝液45を混合カラム40に注入する。オルトトリジ
ン溶液は、二塩化3,3’−ジメチルベンジジンニウム
(オルトトリジン二塩酸塩)を水に溶かし、塩酸を加え
たものであり、酸性緩衝液は塩酸やリン酸を用いてpH
を1.3以下とするものである。
【0061】混合カラム40中で、オルトトリジンは次
亜塩素酸の塩素と結合して黄色ホロキノンに変化する。
分光光度計27はフローセル29において、440nm
の吸光度を測定することによって混合カラム40で生成
された黄色ホロキノンの濃度を測定し、データ処理手段
31は求めておいた2点検量線を基にして次亜塩素酸の
濃度を求める。測定後は、バルブ24を開けて溶液を排
水する。これによって、電解槽中の電解水(酸性水およ
びアルカリ水)の次亜塩素酸濃度を測定することができ
る。
【0062】次に、ジエチル−p−フェニレンジアミン
比色法による次亜塩素酸濃度の測定手順について、図9
に示す構成例を例として説明する。ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン比色法は、測定水に硫酸ジエチル−p−
フェニレンジアンモニウムの微酸性溶液を添加し、ジエ
チル−p−フェニレンジアミンの酸化により生成される
N,N−ジエチル−セミキノンジイミン吸光度を測定す
るものであり、発色剤を酸化させて発色させ、この発色
量を分光光度計で測定する。
【0063】ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法
は、前記したオルトトリジン比色法と発色剤と緩衝液お
よび標準溶液が異なり、また、吸光度を測定する波長が
異なるのみで、その他の手順は同様である。そこで、こ
こでは、共通する手順については説明を省略する。
【0064】ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法
において、発色剤は硫酸N,N−ジエチル−p−フェニ
レンジアンモニウムの微酸性溶液を用い、緩衝液はpH
が6.5のリン酸塩緩衝液を用い、また、標準溶液は1
−(p6メチルベンゼンスルホンアミド)−7−(1,
2−トリルアゾ)−8−ナフトール−3,6ジスルホン
酸二ナトリウムを一定量水に溶かしたものを用いる。ま
た、吸光度を測定する波長は513nmまたは、543
nmを用いる。これによって、電解槽中の電解水(酸性
水およびアルカリ水)の次亜塩素酸濃度を測定すること
ができる。
【0065】また、通常、標準溶液は電解水よりも高濃
度であるため、検量線の作成のために標準溶液を測定セ
ルやフローセルに注入した直後に電解水の測定を行う
と、セル内に残留した標準溶液によって測定結果に誤差
が生じるため、電解水により数回共洗いを行う。
【0066】例えば、図3の構成では、四方バルブ22
を2−4としておき、四方バルブ21を1−4あるいは
2−4として、電解水を分光光度計27内の測定セル2
9に導入して満たし、その後バルブ24を開いてセル内
の溶液を排水する工程を数回繰り返すことにより行うこ
とができる。また、図4に示すフローセルでは、四方バ
ルブ22を1−4としてブランク水を一定時間流すこと
によって、行うことができる。
【0067】次に、図11を用いて本発明の他の実施の
形態について説明する。製造した電解酸性水中の次亜塩
素酸濃度が十分に高い場合には、そのまま使用せず原水
(水道水等)に少量混合して使用することもできる。こ
の混合後の溶液中の次亜塩素酸濃度は、次亜塩素酸濃度
の測定系を別個に用意したり、あるいは1つの測定系を
切り換えて測定することができる。
【0068】図11は、1つの測定系を切り換えて測定
する場合の構成を示している。図11は図3の構成例に
適用した場合であり、電解酸性水と原水とを混合する部
分Cを備えている。なお、この構成は、図4に示す測定
系の構成に適用することもできる。
【0069】図11中の部分Cは、原水(水道水)を制
御するバルブ51と電解酸性水を制御するバルブ52と
を備え、両バルブを開くことによって混合した電解酸性
水を生成することができる。混合した電解酸性水は、バ
ルブ53およびバルブ54を介して部分B中に注入する
ことができる。なお、混合した電解酸性水の次亜塩素酸
濃度の測定は、前記と同様であるためここでは説明を省
略する。
【0070】また、この生成した電解酸性水に原水を混
合する方法では、電解酸性水の使用量を減少させること
ができるため、電解槽への原水の注入を停止することも
できる。この場合には、ある濃度に調整した食塩水のパ
ッケージ等によりあらかじめ作成した溶液を電解槽に注
入することもできる。この方法によれば、電解する溶液
の組成が一定となるため、常に一定濃度の次亜塩素酸を
含む電解酸性水を製造することができる。また、原水と
電解酸性水の混合比を常に一定とすることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
殺菌性を確実に備えた電解水による殺菌成分、およびそ
の殺菌水の製造方法を提供することができ、また、殺菌
水の持つ殺菌成分の定量測定を、殺菌水の製造あるいは
採取に付随して行うことができる測定装置を提供するこ
とができ、また、殺菌水の持つ殺菌成分の定量測定を行
うことができる殺菌水の製造装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解水により処理した溶液の細菌数と次亜塩素
酸溶液で処理した溶液の細菌数の相関関係を大腸菌の場
合で示した図である。
【図2】電解水により処理した溶液の細菌数と次亜塩素
酸溶液で処理した溶液の細菌数の相関関係を枯草菌の場
合で示した図である。
【図3】本発明の殺菌水を製造し、次亜塩素酸濃度を苛
性ソーダ添加法により測定する溜め置き式の構成例を説
明するための図である。
【図4】本発明の殺菌水を製造し、次亜塩素酸濃度を苛
性ソーダ添加法により測定するフローセル式の構成例を
説明するための図である。
【図5】次亜塩素酸イオンの濃度と吸光度との関係を示
す図である。
【図6】吸光度と濃度の2点検量線を示す図である。
【図7】次亜塩素酸の吸光度の波長特性を示すグラフで
ある。
【図8】電解酸性水の吸光度の波長特性を示すグラフで
ある。
【図9】本発明の殺菌水を製造し、次亜塩素酸濃度をオ
ルトトリジン比色法により測定するフローセル式の構成
例で説明するための図である。
【図10】本発明の殺菌水を製造し、次亜塩素酸濃度を
ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法により測定す
るフローセル式の構成例で説明するための図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を説明するためのブ
ロック図である。
【符号の説明】
A 電解水による殺菌水を製造する部分 B 殺菌水の次亜塩素酸濃度を測定する部分 11,20,23,24 バルブ 21,22 四方バルブ 12 直流電圧源 13,14 電極 15 電解槽 16 選択性イオン交換膜 25 標準溶液 26 苛性ソーダ水溶液 27 分光光度計 28 測定セル 29 フローセル 30 測定計器 31 データ処理部 32 pH電極 33 pHメータ 34 フィルタ 40 混合カラム 41,42,43 ペリスタルティックポンプ 44,46 発色剤 45,47 緩衝液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 21/77 G01N 21/77 B 33/18 33/18 C (72)発明者 田口 智康 茨城県つくば市千現2丁目1番6 株式会 社機能水研究所内 (72)発明者 小澤 洋一 茨城県つくば市千現2丁目1番6 株式会 社機能水研究所内 (72)発明者 荒田 洋治 茨城県つくば市千現2丁目1番6 株式会 社機能水研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素を含む溶液の電気分解により生成さ
    れる電解水を含有する殺菌水。
  2. 【請求項2】 塩素を含む溶液を電気分解し、該電気分
    解により陽極側および陰極側に生成される電解水を選択
    抽出し、該抽出電解水により殺菌水を生成する殺菌水の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記抽出電解水を希釈して殺菌水を生成
    することを特徴とする請求項2記載の殺菌水の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 塩素を含む溶液の電気分解により生成さ
    れる電解水を含有する殺菌水中の次亜塩素酸濃度を測定
    し、該次亜塩素酸濃度により殺菌性を評価する殺菌水の
    評価方法。
  5. 【請求項5】 酸性の電解水については、アルカリ性と
    して次亜塩素酸を次亜塩素酸イオンに変え、該次亜塩素
    酸イオンの吸光度を測定することにより次亜塩素酸濃度
    を測定することを特徴とする請求項4記載の殺菌水の評
    価方法。
  6. 【請求項6】 酸性の電解水中の次亜塩素酸イオンの吸
    光度と、アルカリ化した電解水中の次亜塩素酸イオンの
    吸光度とを測定し、両吸光度の比較により次亜塩素酸濃
    度を測定することを特徴とする請求項4記載の殺菌水の
    評価方法。
  7. 【請求項7】 選択性イオン交換膜を挟んで陽極および
    陰極を設け、塩素を含む溶液を電解処理するための電解
    槽と、前記電解槽中の電解水の溶液を選択抽出し殺菌水
    として取り出す抽出手段と、前記選択抽出した溶液の次
    亜塩素酸濃度を測定する測定手段とを備えたことを特徴
    とする殺菌水製造装置。
  8. 【請求項8】 測定セルと、前記測定セルに、殺菌水
    と、検量線作成のための標準溶液と、次亜塩素酸を含ま
    ないブランク水と、アルカリ性溶液あるいは発色剤とを
    選択的に注入可能とする注入手段と、前記測定セル中の
    溶液の次亜塩素酸の吸光度を測定する分光光度計とを備
    えたことを特徴とする殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装
    置。
  9. 【請求項9】 前記注入手段は、ペリスタルティックポ
    ンプと混合カラムとを備えることを特徴とする請求項8
    記載の殺菌水の次亜塩素酸濃度測定装置。
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