JPH09154925A - 機能性メッシュシート、脱臭エレメントおよび脱臭装置 - Google Patents

機能性メッシュシート、脱臭エレメントおよび脱臭装置

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JPH09154925A
JPH09154925A JP7345720A JP34572095A JPH09154925A JP H09154925 A JPH09154925 A JP H09154925A JP 7345720 A JP7345720 A JP 7345720A JP 34572095 A JP34572095 A JP 34572095A JP H09154925 A JPH09154925 A JP H09154925A
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titanium oxide
functional
mesh sheet
sheet
deodorizing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材シートと機能性酸化チタンとを用いた材
料であって、脱臭エレメントとしたときに光が届きやす
く、従って良好な脱臭能が発揮され、嵩ばりも小さく、
製造コストも最小限に抑えられ、基材シートとして紙を
用いた場合であっても劣化を防止することが可能な機能
性メッシュシートを提供すること、さらには、それを用
いた脱臭エレメントと脱臭装置とを提供することを目的
とする。 【解決手段】 基材シート(1a)に多数の断続スリット(1
b)を設けた拡巾可能なメッシュシート(1) である。上記
基材シート(1a)には、X線粒径100nm以下の超微細酸
化チタン(t) またはその超微細酸化チタン(t) の表面を
金属または金属化合物で修飾した修飾超微細酸化チタン
(t')からなる機能性酸化チタン(T) を担持させる。この
機能性メッシュシートを拡巾状態で固定して脱臭エレメ
ントとなし、それと紫外線ランプとを組み込んで脱臭装
置となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性酸化チタン
が担持された拡巾可能なメッシュシートからなる機能性
メッシュシート、その機能性メッシュシートを用いた脱
臭エレメントおよび脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体雰囲気中の臭気成分、不純成分、塵
埃などを除去するフィルターとして、活性炭を不織布や
網体に包んだものを空調機に装備する脱臭フィルターが
従来より使用されている。
【0003】特開昭59−69125号公報には、空気
を清浄化するための一つの方法として、クレープまたは
エンボス加工した紙をロール状に巻き取ると共に、必要
に応じ巻き取りロールの紙と紙の間または紙中に脱臭剤
等の薬剤(活性炭、脱臭剤、芳香剤、乾燥剤等)を介在
させ、この巻き取りロールの一方の端面から他方の端面
に空気を通過させる間に清浄化を図る方法が開示されて
いる。
【0004】特開昭56−15828号公報、特開昭5
6−16097号公報、特開昭57−102221号公
報には、被処理気体中の臭気を除去するものとして、平
面状シート素材と波形シート素材の一方あるいは双方を
活性カーボン繊維混入紙で構成し、両シート素材を重層
してなる脱臭用エレメントが開示されている。
【0005】脱臭に関するものではないが、特開昭55
−159827号公報には、吸着剤(活性炭等)を含有
させた紙から製段加工され、多数の並行なガス通路を有
するハニカム構造体に水吸収剤(塩化リチウム等)を含
浸させた除湿体を内蔵した含湿ガスの除湿装置が開示さ
れている。
【0006】本出願人の出願にかかる実開昭62−11
4621号公報には、平面状シートと波形シートとを貼
り合せた段ボールを多層に積層して多数の並行な透孔を
有する積層物となすに際し、シート素材として非可燃紙
を使用すると共に、この非可燃紙にツバキ科植物の抽出
分または乾留分を添着させた気体処理用積層構造物が示
されている。
【0007】同じく本出願人の出願にかかる実開平4−
106624号公報には、平面状シートと波形シートと
をコルゲーターにより貼り合せてなる段ボールを多層に
積層して多数の並行な透孔を有するハニカム状の積層物
となし、この積層物の透孔を通して気体を通過させるこ
とにより気体処理を行うフィルターにおいて、前記のハ
ニカム状の積層物に、消臭有効成分としてセミカルバジ
ドを添着させた消臭フィルターが示されている。
【0008】上記とは全く別の観点に立つものとして、
近時、光触媒機能を有する超微細酸化チタンが、光脱臭
(タバコ臭、生活臭、体臭等)、大気浄化(NOx 、ト
リクロロエタン等)、汚れ分解(タバコのヤニ、油類
等)、抗菌(衛生陶器、タイル等)、水質の改善または
浄化に有効であることが報告されている。たとえば、
「電気化学および工業物理化学、68, No. 1, p. 9-13
(1995) 、社団法人電気化学協会発行」、「日経ビジネ
ス、1994年3月21日号、60〜61頁」を参照。
【0009】また、木材パルプを水に分散させてスラリ
ーとしたものに、予め水酸化アルミニウムで凝集させた
酸化チタンゾルを添加して抄紙に供することも報告され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のう
ち、光触媒機能を有する超微細酸化チタンは、光エネル
ギーにより活性化され、多くの有機有害物質や悪臭物質
を酸化分解する働きがあるので、その脱臭フィルターへ
の応用が考えられる。
【0011】そこで本発明者らは、超微細酸化チタンを
抄紙工程において添加することにより紙に含有させると
共に、その含有紙をロール状に巻き取るか、その含有紙
から段ボールを作製して多段に積み重ね、ついで所定の
厚みにカットして、空調機等の脱臭エレメントに適用す
ることにつき種々の検討を行ったが、そのような脱臭エ
レメントは次のような解決課題を有していた。
【0012】すなわち、この脱臭エレメントは、(イ)
所定の厚みを有するため、空調機等に組み込んだとき
に、紫外線ランプからの光が脱臭エレメントの目の中に
充分には届かず、光触媒機能による脱臭が期待するほど
には達成できないこと、(ロ)所定の厚みを有するため
嵩ばり、それだけ空調機等の奥行きが大になること、
(ハ)脱臭エレメント製造までの工程が長くなるので、
製造コストの抑制に限界があること、(ニ)紙に含有さ
れた超微細酸化チタンが、悪臭物質のみならず、支持体
であるパルプそのものまで短期間のうちに酸化分解して
しまい、紙の劣化が著しいこと、などの解決すべき課題
が残っていた。
【0013】このうち上記(ニ)の紙の劣化の問題につ
いては、予め水酸化アルミニウムで凝集させた酸化チタ
ンゾルを用いることや、吸着固定能の小さな無機質填料
と超微細酸化チタンとを凝集剤で強制的に共凝集させた
ものについても試験を行ってみたが、劣化がある程度改
善されるにとどまった。
【0014】本発明は、このような背景下において、基
材シートと機能性酸化チタンとを用いた材料であって、
脱臭エレメントとしたときに光が届きやすく、従って良
好な脱臭能が発揮され、嵩ばりも小さく、製造コストも
最小限に抑えられ、基材シートとして紙を用いた場合で
あっても劣化を防止することが可能な機能性メッシュシ
ートを提供することを目的とするものである。また、そ
の機能性メッシュシートを用いた脱臭エレメントと脱臭
装置とを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性メッシュ
シートは、基材シート(1a)に多数の断続スリット(1b)を
設けた拡巾可能なメッシュシート(1) であって、前記基
材シート(1a)には、X線粒径100nm以下の超微細酸化
チタン(t) またはその超微細酸化チタン(t) の表面を金
属または金属化合物で修飾した修飾超微細酸化チタン
(t')からなる機能性酸化チタン(T) が担持されているこ
とを特徴とするものである。この場合、拡巾可能なメッ
シュシート(1) が、基材シート(1a)に多数の断続スリッ
ト(1b)を並列に、かつ隣接する断続スリット(1b)のスリ
ット位置が互いにずれるように設けた形状を有するもの
であることが特に好ましい。
【0016】本発明の脱臭エレメントは、上記の機能性
メッシュシートを拡巾状態で固定したものである。
【0017】本発明の脱臭装置は、上記の脱臭エレメン
トと紫外線ランプとを組み込んだものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】〈機能性メッシュシート〉本発明において
用いるメッシュシート(1) は、基材シート(1a)に多数の
断続スリット(1b)を設けた拡巾可能なメッシュシートで
ある。拡巾を容易にするため、基材シート(1a)に多数の
断続スリット(1b)を並列に、かつ隣接する断続スリット
(1b)のスリット位置が互いにずれるように設けた形状を
有するようにすることが望ましい。
【0020】基材シート(1a)としては、紙、不織布、樹
脂層または金属箔の少なくとも一つでできた単層または
複層のシートが用いられ、特に紙が重要である。複層の
シートの例は、紙/紙、紙/樹脂層、紙/金属箔、樹脂
層/樹脂層、金属箔/樹脂層などである。
【0021】そして、上記の基材シート(1a)には、X線
粒径100nm以下の超微細酸化チタン(t) またはその超
微細酸化チタン(t) の表面を金属または金属化合物で修
飾した修飾超微細酸化チタン(t')からなる機能性酸化チ
タン(T) が担持される。担持量は適宜に定められる。な
お基材シート(1a)には、他の薬剤や調湿剤を担持させる
こともできる。
【0022】機能性酸化チタン(T) の担持は、基材シー
ト(1a)に対する内添(シート製造時の内部添加)、コー
ティング(塗布、スプレー、ディッピング等)などによ
り行われる。コーティングの場合には、そのコーティン
グ方法によっては、基材シート(1a)に断続スリット(1b)
を設けてから、あるいはさらには拡巾を行ってから、コ
ーティングを行うこともできる。
【0023】ここで超微細酸化チタン(t) としては、X
線粒径(Scherrerの式により算出)が100nm以下のも
のが用いられる。X線粒径の好ましい範囲は2〜50n
m、特に好ましい範囲は3〜30nmである。このような
超微細の酸化チタンは、一般に光触媒機能を有する。超
微細酸化チタン(t) の結晶形はアナタース形とすること
が多いが、ルチル形であっても差し支えない。超微細酸
化チタン(t) は粉体またはゾルの形態で入手でき、通常
は粉体で用いるが(このときのBET比表面積は150
m2/g以上、殊に180m2/g以上、さらには200m2/g以
上であることが好ましい)、ゾルであってもよい。
【0024】上記の超微細酸化チタン(t) は、そのまま
で本発明の目的に使用することができるが、その表面を
金属または金属化合物で修飾して修飾超微細酸化チタン
(t')としたものが、脱臭性能が一段と高まるので、本発
明の目的にはより好適である。ここで修飾剤としての金
属または金属化合物としては、金、銀、銅、白金、亜
鉛、ケイ素、鉄などの金属や、これらの金属の酸化物や
水酸化物があげられる。特に好ましい修飾剤は酸化亜鉛
(または酸化亜鉛と酸化ケイ素)である。修飾は、種々
の方法により行うことができ、たとえば特開平6−19
9524号公報に記載の方法を採用することができる。
酸化亜鉛で修飾する場合の一例をあげると、超微細酸化
チタン(t) の分散液と、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛
などの亜鉛の塩と、アルカリ物質の水溶液とを混合し、
ついで中和して析出させ、必要に応じて洗浄した後、乾
燥する。
【0025】修飾超微細酸化チタン(t')における超微細
酸化チタン(t) と、修飾剤である金属または金属化合物
との重量比は、通常は65:35〜99:1、好ましく
は70:30〜98:2、さらに好ましくは75:25
〜97:3の範囲から選ばれる。修飾剤の割合がこの範
囲より少ないときは修飾による脱臭効果の向上が少な
く、一方修飾剤の割合が余りに多いときはかえって脱臭
効果が小さくなる。
【0026】機能性酸化チタン(T) が担持された基材シ
ート(1a)は、抄紙物(紙)であることが特に望ましいの
で、以下においては、この抄紙物についてさらに詳しい
説明を行うこととする。
【0027】この抄紙物は、機能性酸化チタン(T) と、
その機能性酸化チタン(T) を担持するための無機質系填
料(F) と、抄紙能を有する有機繊維質材料(P) とを必須
の構成成分とする抄紙物(つまり紙)からなる。
【0028】無機質系填料(F) は、機能性酸化チタン
(T) を担持するためのものであるが、一般の無機質填料
は機能性酸化チタン(T) を吸着固定する能力に大きな差
があるので、セピオライト、シリカゲル、ベントナイ
ト、ゼオライト、硫酸マグネシウム、アスベストおよび
活性炭よりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる
(特にセピオライトが重要である)ことが望ましい。そ
のような特定の填料を用いると、紙中の機能性酸化チタ
ン(T) の含有量を大幅に向上させることができる。この
無機質系填料(F) は、粉体状、微粉に近い繊維状、ウイ
スカー状のいずれであってもよい。
【0029】上記無機質系填料(F) の機能性酸化チタン
(T) の吸着固定能は、両者を水中で混合したときの凝集
速度や凝集状態で確認することができる。また、抄紙後
の紙を高倍率(1000〜3000倍程度)で顕微鏡観
察することによっても確認することができる。ここで言
う固定能は、填料そのものに機能性酸化チタン(T) を吸
着固定する能力があるということで、定着剤や凝集剤で
強制的に固定したものは、経時的に酸化チタンの脱落等
が発生し、好ましい結果が得られない傾向がある。
【0030】なお、水酸化アルミニウム、カオリン、炭
酸カルシウム、タルクなどの無機質は、機能性酸化チタ
ン(T) の吸着固定能力が小さいので、これらを併用する
ことは差し支えないが、上記の無機質系填料(F) の代替
の意味はほとんど有しない。
【0031】抄紙能を有する有機繊維質材料(P) として
は、通常のパルプが好適に用いられるが、抄紙能を有す
る限りにおいて他の有機繊維質を用いることもできる。
【0032】抄紙にあたっては、上述の機能性酸化チタ
ン(T) 、無機質系填料(F) 、および有機繊維質材料(P)
と共に、他の補強繊維、たとえばガラス繊維、セラミッ
クス繊維、合成繊維などを加えてもよい。また、有機質
または無機質のバインダーを適当量添加してもよい。そ
のほか、通常の抄紙に際して添加される種々の助剤ない
し添加剤を添加することもできる。
【0033】抄紙後の抄紙物全体に占める機能性酸化チ
タン(T) と無機質系填料(F) との合計量は、5〜90重
量%、殊に10〜70重量%、なかんずく20〜60重
量%とすることが好ましい。無機質系填料(F) に対する
機能性酸化チタン(T) の重量比は、0.02〜20、特に
0.1〜10、なかんずく 0.5〜5とすることが好まし
い。機能性酸化チタン(T) の過少は脱臭効果の不足を招
き、その許容限度を越える過多は紙強度の低下を招く。
無機質系填料(F) が余りに少ないときは機能性酸化チタ
ン(T) の必要量を吸着固定させることが難しく、余りに
多いときは相対的に機能性酸化チタン(T) の割合が小さ
くなるので、その分だけ脱臭効果等が不足するようにな
る。
【0034】抄紙物全体に占める有機繊維質材料(P) の
割合は、5〜90重量%、殊に10〜60重量%、なか
んずく10〜40重量%とすることが好ましい。有機繊
維質材料(P) の過少は紙強度の不足を招き、その過多は
機能性酸化チタン(T) および無機質系填料(F) の割合の
相対的な低下を招き、脱臭効果が不足するようになる。
【0035】抄紙は、上述の機能性酸化チタン(T) 、無
機質系填料(F) 、および有機繊維質材料(P) (必要に応
じ、さらに補強繊維、バインダー、助剤、添加剤、他の
脱臭用薬剤などを併用することもある)を、水に分散さ
せた状態で常法に従って湿式抄紙することにより達成さ
れる。
【0036】〈脱臭エレメントおよび脱臭装置〉上述の
メッシュシート(1) からなる機能性メッシュシートを拡
巾状態で固定すれば、脱臭エレメントが得られる。拡巾
状態を固定するため、適当な枠体を用いたり、ラフな目
の網体や孔あき薄板を当てがうことができる。機能性メ
ッシュシートは、1枚のみならず、2枚以上を重ねる用
い方をすることもできる。
【0037】本発明の脱臭装置は、この脱臭エレメント
と紫外線ランプとを組み込んだものである。脱臭装置と
は、脱臭専用の脱臭機のほか、空調機、空気清浄機、集
塵機、除湿機、送・排風機などを指す。紫外線ランプ
は、拡巾したメッシュシート(1) の拡巾方向の一辺側
で、斜傾した地の低い方に設けるのが通常である。
【0038】〈作用〉基材シート(1a)には上述のように
断続スリット(1b)が設けられているので、メッシュシー
ト(1) は拡巾可能となり、その拡巾によって、切り込み
で挟まれた地の部分が斜傾し、基材シート(1a)は平面か
ら変化してわずかな立体形状となる。拡巾の程度を大き
くするほど、斜傾の角度(立ち上がり角度)が増加し、
目の大きさも大きくなる。しかも地の部分の斜傾は一方
向に揃うので、紫外線ランプの設置個所を選ぶことによ
り(特に、拡巾したメッシュシート(1) の拡巾方向の一
辺側で、斜傾した地の低い方に設けることにより)、基
材シート(1a)の全面に光が当たるようになるのみなら
ず、拡巾したメッシュシート(1) からの光の漏れを防ぐ
ことができる。加えて、拡巾したメッシュシート(1)
は、嵩ばらない上、圧損が小さいという利点もある。
【0039】基材シート(1a)に担持した機能性酸化チタ
ン(T) は、光の照射下においてすぐれた酸化作用を発揮
し、それに接触する悪臭や有機物質をすみやかに分解す
る。このときの脱臭効果は顕著であり、また通常の吸着
系の脱臭剤では除去しがたい硫化水素やアンモニアのよ
うな悪臭成分も効果的に除去することができる。そして
本発明の脱臭エレメントを脱臭に用いながら光照射する
か、脱臭に用いたのち光照射すれば、脱臭能力が回復す
るので、繰り返し再使用することができる。
【0040】機能性酸化チタン(T) が修飾超微細酸化チ
タン(t')であるときの酸化亜鉛などの修飾剤は、臭気成
分を一旦吸着捕捉し、超微細酸化チタン(t) による臭気
成分の酸化分解を助ける役割を果たすものと考えられ
る。そのため、修飾剤の修飾量が適切である限り、超微
細酸化チタン(t) よりも修飾超微細酸化チタン(t')の方
が一段と脱臭効率が増す。
【0041】機能性酸化チタン(T) が担持された基材シ
ート(1a)として、機能性酸化チタン(T) と、その機能性
酸化チタン(T) を担持するための無機質系填料(F) と、
抄紙能を有する有機繊維質材料(P) とを必須の構成成分
とする抄紙物を用いたときは、無機質系填料(F) は機能
性酸化チタン(T) を有効に吸着固定する役割を果たす。
そして無機質系填料(F) に吸着固定された機能性酸化チ
タン(T) は、光の照射下においてすぐれた酸化作用を発
揮し、機能性酸化チタン(T) に接触する悪臭や有機物質
を分解する。この場合、機能性酸化チタン(T) は無機質
系填料(F) に吸着固定した状態で紙中に存在するので、
パルプなどの有機繊維質材料(P) に対する機能性酸化チ
タン(T) の接触部分は僅少であり、光照射がなされて
も、有機物である有機繊維質材料(P) が存在しているに
かかわらず抄紙物の劣化が極めて小さい。またこの抄紙
物は、それを構成する各成分の種類や量を選ぶことによ
り、難燃性ないし不燃性とすることもできる。
【0042】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0043】実施例1 図1は本発明の機能性メッシュシートの一例を示した平
面図である。図2は機能性メッシュシートを拡巾状態で
固定した脱臭エレメントの斜視図である。図3は図2の
脱臭エレメントの横断方向の部分切断断面図である。図
4は図2の脱臭エレメントを組み込んだ脱臭装置の模式
図である。
【0044】〈基材シート(1a)〉修飾超微細酸化チタン
(t')(機能性酸化チタン(T) の一例)として石原産業株
式会社製の光触媒用酸化チタン「ST−31」(結晶
形:アナタース、110℃乾燥品のTiO2 含量:81
重量%、ZnO含量:14重量%、X線粒径:7nm、B
ET比表面積:260m2/g)30部、無機質系填料(F)
としてセピオライト7部と粒径10数μm の活性炭20
部、有機繊維質材料(P) としてパルプ20部を用い、さ
らに補強繊維としてセラミックス繊維8部、バインダー
としてアルミナゾル5部、ラテックスエマルジョン6部
および有機繊維状バインダー4部を用い、常法に従って
湿式抄紙を行った。これにより、機能性酸化チタン(T)
が担持された基材シート(1a)が得られた。坪量は171
g/m2、厚みは0.29mm、密度は0.59g/cm3 、引張強度は
2.7kg/15mm であった。なおこの紙(基材シート(1a))
をライターの火にさらしたところ、不燃性であって焦げ
を生ずることもなく、単に厚みが減少するだけであっ
た。
【0045】〈機能性メッシュシート〉上記で得た基材
シート(1a)を走行させながら、回転刃を用いて多数の断
続スリット(1b)を、並列にかつ隣接する断続スリット(1
b)のスリット位置が互いにずれるように形成していっ
た。これにより拡巾可能なメッシュシート(1) からなる
機能性メッシュシートが得られた。隣接する断続スリッ
ト(1b)の間隔は2mm、一条の断続スリット(1b)における
一単位のスリットの長さは12mm、その一単位のスリッ
ト同士の間の間隔(スリットを設けていない個所の長
さ)は3mmとした。また、隣接する断続スリット(1b)の
スリットの位置関係は、図1のように相補関係になるよ
うにした。
【0046】〈脱臭エレメントおよび脱臭装置〉上記で
得たメッシュシート(1) からなる機能性メッシュシート
を所定の長さに巾方向にカットした後、巾方向に 1.2倍
に拡巾した状態で4周辺を枠体(2) で固定して図2〜3
の脱臭エレメント(3) となした(この際、片面または両
面に目の粗い網体などを当てて補強することもでき
る)。ついで家庭用の空気清浄機を改良したものに、こ
の脱臭エレメント(3) と紫外線ランプ(4) とを組み込ん
で、図4の脱臭装置となした。
【0047】図3のように、紫外線は白抜き矢印の方向
から照射されるので、脱臭エレメント(3) の片面のほぼ
全面に紫外線が当たり、しかも紫外線は前方(図3では
下方)に漏れない。そして実際に使用したときの脱臭効
果は、極めて好ましいものであった。
【0048】〈脱臭試験その1/静的試験〉上記で得た
メッシュシート(1) を100mm×100mmの大きさに裁
断し、樋状に湾曲させた状態で、4Wの紫外線ランプ
(ブラックライト)(4) を覆うようにランプから若干離
して固定した。このようにメッシュシート(1) をセット
した紫外線ランプ(4) を悪臭成分(アンモニア、アセト
アルデヒド、酢酸、トリメチルアミン、メチルメルカプ
タン、硫化水素、スチレン)と共に容積5リットルの撹
拌機付きガラス容器内に密封し、一定温度(35〜37
℃)で所定時間放置してから、残留ガス濃度を検知管に
て測定した。
【0049】試験結果を表1〜7に示す。繰り返し回数
nは5とし(0ppm の結果が3回連続して得られたとき
は3回で打ち切り)、最大値および最小値を除いて平均
し、平均値とした。除去率は、空試験のそれぞれの時間
(1hr、3hr、5hr)に対応するデータに対するもので
ある。
【0050】
【表1】 アンモニア 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 420, 400, 360, 440, 320 393 - 3hr 480, 400, 280, 460, 380 413 - 5hr 380, 400, 300, 380, 400 387 - UV照射なし 1hr 60, 140, 140, 140, 140 140 64.4 3hr 80, 50, 70, 50, 40 57 86.2 5hr 80, 40, 45, 50, 40 45 88.4 UV照射あり 1hr 100, 100, 80, 100, 110 100 74.6 3hr 10, 0, 10, 5, 5 7 98.3 5hr 2, 1, 1, 1, 1 1 99.7
【0051】
【表2】 アセトアルデヒド 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 450, 750, 375, 375, 500 442 - 3hr 325, 500, 300, 275, 325 317 - 5hr 200, 625, 250, 275, 425 317 - UV照射なし 1hr 75, 125, 60, 100, 125 100 77.4 3hr 25, 70, 70, 125, 50 63 80.1 5hr 70, 88, 50, 50, 25 57 82.0 UV照射あり 1hr 3, 12, 7, 2, 5 5 98.9 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100
【0052】
【表3】 酢酸 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 280, 280, 250, 300, 250 270 - 3hr 400, 330, 300, 310, 390 343 - 5hr 460, 370, 340, 390, 300 367 - UV照射なし 1hr 10, 10, 10, 10, 10 10 96.3 3hr 5, 3, 2, 2, 5 3 99.1 5hr 3, 2, 2, 2, 4 2 99.5 UV照射あり 1hr 4, 3, 2, 2, 2 2 99.3 3hr 2, 2, 1, 2, 2 2 99.4 5hr 2, 1, 1, 1, 1 1 99.7
【0053】
【表4】 トリメチルアミン 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 300, 270, 340, 260, 270 280 - 3hr 280, 260, 280, 410, 270 277 - 5hr 300, 230, 340, 280, 260 280 - UV照射なし 1hr 25, 30, 40, 35, 35 33 88.2 3hr 35, 30, 30, 30, 35 32 88.4 5hr 30, 25, 30, 30, 35 30 89.3 UV照射あり 1hr 20, 10, 10, 5, 10 10 96.4 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100
【0054】
【表5】 メチルメルカプタン 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 200, 290, 250, 220, 230 233 - 3hr 240, 200, 520, 260, 340 280 - 5hr 280, 190, 500, 450, 200 310 - UV照射なし 1hr 6, 7, 5, 4, 2 5 97.9 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100 UV照射あり 1hr 1, 1, 2, 1, 1 1 99.6 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100
【0055】
【表6】 硫化水素 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 300, 420, 330, 300, 210 310 - 3hr 420, 300, 380, 230, 350 343 - 5hr 290, 240, 320, 250, 360 287 - UV照射なし 1hr 0, 0, 0 0 100 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100 UV照射あり 1hr 0, 0, 0 0 100 3hr 0, 0, 0 0 100 5hr 0, 0, 0 0 100
【0056】
【表7】 スチレン 時間 データ(ppm) 平均値(ppm) 除去率(%) 空試験 1hr 440, 580, 640, 560, 400 527 - 3hr 440, 620, 510, 600, 600 570 - 5hr 400, 400, 400, 500, 440 413 - UV照射なし 1hr 10, 10, 10, 10, 10 10 98.1 3hr 5, 5, 0, 0, 5 3 99.5 5hr 0, 0, 0 0 100 UV照射あり 1hr 18, 18, 18, 15, 20 18 96.6 3hr 5, 5, 5, 5, 5 5 99.1 5hr 0, 0, 0 0 100
【0057】表1〜7から、本発明の機能性メッシュシ
ートを用いた脱臭エレメントは、紫外線を照射しなくて
も悪臭成分の除去性がすぐれているが、紫外線照射を行
うことによりさらに悪臭成分の除去性が向上することが
わかる。
【0058】〈脱臭試験その2/繰り返し試験〉上記で
得たメッシュシート(1) を100mm×100mmの大きさ
に裁断し、樋状に湾曲させた状態で、4Wの紫外線ラン
プ(ブラックライト)(4) を覆うようにランプから若干
離して固定した。このようにメッシュシート(1) をセッ
トした紫外線ランプ(4) を悪臭成分(アンモニア、アセ
トアルデヒド、酢酸、トリメチルアミン、メチルメルカ
プタン、硫化水素、スチレン)と共に容積5リットルの
撹拌機付きガラス容器内に密封し、一定温度(35〜3
7℃)で2時間後に濃度測定を行ってから悪臭ガスのパ
ージを行い、以下、一定温度(35〜37℃)で、2時
間ごとに悪臭ガスの注入→濃度測定→悪臭ガスのパージ
の操作を繰り返して、脱臭性能の劣化の有無を調べた。
残留ガス濃度は、検知管にて測定した。
【0059】試験結果を表8〜14および図5〜11に
示す。除去率は空試験に対するものである。空試験では
紫外線照射を行っていない。表10においては3回目、
6回目および8回目のデータは記載を省略してあるが、
図7にはそれらに対応する6時間目、12時間目および
16時間目のデータも示してある。
【0060】
【表8】 アンモニア データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 440 360 400 323 387 330 UV照射なし 37 137 200 137 187 207 (除去率%) 91.6 61.9 50.0 57.6 51.7 37.3 UV照射あり 7 8 7 11 8 6 (除去率%) 98.4 97.8 98.3 96.6 97.9 98.2
【0061】
【表9】 アセトアルデヒド データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 275 340 277 242 280 273 UV照射なし 37 330 193 183 297 283 (除去率%) 86.5 2.9 30.3 24.4 0.0 0.0 UV照射あり 0 0 1 0 1 0 (除去率%) 100 100 99.6 100 99.6 100
【0062】
【表10】 酢酸 データ(ppm) 1回目 2回目 4回目 5回目 7回目 9回目 空試験 383 380 283 330 203 277 UV照射なし 5 7 19 46 39 65 (除去率%) 98.7 98.2 93.3 86.1 80.8 76.5 UV照射あり 3 6 4 8 10 20 (除去率%) 99.2 98.4 98.6 97.6 95.1 92.8
【0063】
【表11】 トリメチルアミン データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 277 330 277 320 290 300 UV照射なし 20 63 120 177 190 200 (除去率%) 92.8 80.9 56.7 44.7 34.5 33.3 UV照射あり 1 12 33 43 82 110 (除去率%) 99.6 96.4 88.1 86.6 71.7 63.3
【0064】
【表12】 メチルメルカプタン データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 270 303 260 197 253 280 UV照射なし 0 13 20 18 31 51 (除去率%) 100 95.7 92.3 90.9 87.7 81.8 UV照射あり 0 5 11 11 17 27 (除去率%) 100 98.3 95.8 94.4 93.3 90.4
【0065】
【表13】 硫化水素 データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 290 317 283 300 343 310 UV照射なし 0 0 0 0 0 0 (除去率%) 100 100 100 100 100 100 UV照射あり 0 0 0 0 0 0 (除去率%) 100 100 100 100 100 100
【0066】
【表14】 スチレン データ(ppm) 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 空試験 593 510 567 633 470 543 UV照射なし 2 6 260 320 420 503 (除去率%) 99.7 98.8 54.1 49.4 10.6 7.4 UV照射あり 5 6 66 280 297 343 (除去率%) 99.2 98.8 88.4 55.8 36.8 36.8
【0067】表8〜14および図5〜11から、本発明
の機能性メッシュシートを用いた脱臭エレメントは、繰
り返し使用したときの悪臭成分の除去性もすぐれてお
り、従って、一度設置すれば長期にわたって使用できる
ことがわかる。
【0068】実施例2 超微細酸化チタン(t) (機能性酸化チタン(T) の一例)
として石原産業株式会社製の光触媒用酸化チタン「ST
−01」(結晶形:アナタース、110℃乾燥品のTi
2 含量:95重量%、X線粒径:7nm、BET比表面
積:320m2/g)30部、無機質系填料(F) としてセピ
オライト7部と粒径10数μm の活性炭20部、有機繊
維質材料(P) としてパルプ20部を用い、さらに補強繊
維としてセラミックス繊維8部、バインダーとしてアル
ミナゾル5部、ラテックスエマルジョン6部および有機
繊維状バインダー4部を用い、常法に従って湿式抄紙を
行った。これにより、坪量170g/m2、厚み0.28mm、密
度0.61g/cm3 、引張強度 2.8kg/15mm の酸化チタン含有
紙が得られた。なおこの紙(基材シート(1a))をライタ
ーの火にさらしたところ、不燃性であって焦げを生ずる
こともなく、単に厚みが減少するだけであった。
【0069】この基材シート(1a)から実施例1と同様に
して機能性メッシュシート(1) を作製し、脱臭エレメン
ト(3) となしてから、家庭用の空気清浄機を改良したも
のにこの脱臭エレメント(3) と紫外線ランプ(4) とを組
み込んで脱臭装置となした。これを実際に使用したとき
の脱臭効果は、実施例1に準ずるものであった。
【0070】実施例3〜6 無機質系填料(F) として、セピオライト25部(実施例
3)、ベントナイト20部(実施例4)、硫酸マグネシ
ウム10部とセピオライト10部(実施例5)、セピオ
ライト4部とアスベスト16部(実施例6)を用いたほ
かは実施例1を繰り返して機能性メッシュシート(1) を
得、さらには脱臭エレメント(3) を作製した。これらの
場合も良好な脱臭効果が得られた。
【0071】実施例7〜9 修飾超微細酸化チタン(t')(機能性酸化チタン(T) の一
例)として石原産業株式会社製の光触媒用酸化チタン
「ST−31」(結晶形:アナタース、110℃乾燥品
のTiO2 含量:81重量%、ZnO含量:14重量
%、X線粒径:7nm、BET比表面積:260m2/g)3
0部、無機質系填料(F) としてセピオライト5部と粒径
10数μm の活性炭20部、バインダーとしてのアルミ
ナゾル10部、ラテックスエマルジョン30部および有
機繊維状バインダー5部を水300部に投入して混合
し、固形分濃度25重量%のコーティング液を調製し
た。
【0072】このコーティング液を、坪量75g/m2のク
ラフト紙(実施例7)、ポリエステル/ポリエチレンか
らなる厚み100μm のラミネートフィルム(実施例
8)、ポリエチレン被覆アルミニウム箔(実施例9)に
コーティングしてから乾燥し、厚み約5μm のコーティ
ング層を形成した。
【0073】これを基材シート(1a)として用い、実施例
1と同様にして機能性メッシュシート(1) を作製し、脱
臭エレメント(3) となしてから、家庭用の空気清浄機を
改良したものにこの脱臭エレメント(3) と紫外線ランプ
(4) とを組み込んで脱臭装置となした。これを実際に使
用したときの脱臭効果は、実施例1に準ずるものであっ
た。
【0074】
【発明の効果】基材シート(1a)に担持した機能性酸化チ
タン(T) (微細酸化チタン(t) または修飾超微細酸化チ
タン(t')、特に後者)は、光の照射下においてすぐれた
酸化作用を発揮し、それに接触する悪臭や有機物質をす
みやかに分解するという性質を有する。このときの脱臭
効果は顕著であり、また通常の吸着系の脱臭剤では除去
しがたい硫化水素やアンモニアのような悪臭成分も効果
的に除去することができる。
【0075】本発明の機能性メッシュシートを用いた脱
臭エレメントおよび脱臭装置にあっては、エレメントの
全面に紫外線が届き、従って良好な脱臭能が発揮され
る。しかも光の漏れを防ぐことができる。またこの脱臭
エレメントは、嵩張りが小さい上、圧損が小さく、製造
コストも最小限に抑えられるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性メッシュシートの一例を示した
平面図である。
【図2】機能性メッシュシートを拡巾状態で固定した脱
臭エレメントの斜視図である。
【図3】図2の脱臭エレメントの横断方向の部分切断断
面図である。
【図4】図2の脱臭エレメントを組み込んだ脱臭装置の
模式図である。
【図5】繰り返し試験におけるアンモニアの除去率を示
したグラフである。
【図6】繰り返し試験におけるアセトアルデヒドの除去
率を示したグラフである。
【図7】繰り返し試験における酢酸の除去率を示したグ
ラフである。
【図8】繰り返し試験におけるトリメチルアミンの除去
率を示したグラフである。
【図9】繰り返し試験におけるメチルメルカプタンの除
去率を示したグラフである。
【図10】繰り返し試験における硫化水素の除去率を示
したグラフである。
【図11】繰り返し試験におけるスチレンの除去率を示
したグラフである。
【符号の説明】
(1) …メッシュシート、(1a)…基材シート、(1b)…断続
スリット、(2) …枠体、(3) …脱臭エレメント、(4) …
紫外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/02 B01D 53/36 ZABH

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート(1a)に多数の断続スリット(1b)
    を設けた拡巾可能なメッシュシート(1) であって、前記
    基材シート(1a)には、X線粒径100nm以下の超微細酸
    化チタン(t) またはその超微細酸化チタン(t) の表面を
    金属または金属化合物で修飾した修飾超微細酸化チタン
    (t')からなる機能性酸化チタン(T) が担持されているこ
    とを特徴とする機能性メッシュシート。
  2. 【請求項2】拡巾可能なメッシュシート(1) が、基材シ
    ート(1a)に多数の断続スリット(1b)を並列に、かつ隣接
    する断続スリット(1b)のスリット位置が互いにずれるよ
    うに設けた形状を有するものである請求項1記載の機能
    性メッシュシート。
  3. 【請求項3】基材シート(1a)が、紙、不織布、樹脂層ま
    たは金属箔の少なくとも一つでできた単層または複層の
    シートである請求項1記載の機能性メッシュシート。
  4. 【請求項4】機能性酸化チタン(T) が担持された基材シ
    ート(1a)が、機能性酸化チタン(T)と、その機能性酸化
    チタン(T) を担持するための無機質系填料(F) と、抄紙
    能を有する有機繊維質材料(P) とを必須の構成成分とす
    る抄紙物からなることを特徴とする請求項1記載の機能
    性メッシュシート。
  5. 【請求項5】抄紙物全体に占める機能性酸化チタン(T)
    と無機質系填料(F) との合計量が5〜90重量%であ
    り、無機質系填料(F) に対する機能性酸化チタン(T) の
    重量比が0.02〜20であり、有機繊維質材料(P) の割合
    が5〜90重量%である請求項4記載の機能性メッシュ
    シート。
  6. 【請求項6】無機質系填料(F) が、セピオライト、シリ
    カゲル、ベントナイト、ゼオライト、硫酸マグネシウ
    ム、アスベストおよび活性炭よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の無機質系填料である請求項4または5記
    載の機能性メッシュシート。
  7. 【請求項7】修飾超微細酸化チタン(t')における超微細
    酸化チタン(t) と、修飾剤である金属または金属化合物
    との重量比が、65:35〜99:1である請求項1記
    載の機能性メッシュシート。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか一つに記載の
    機能性メッシュシートを拡巾状態で固定した脱臭エレメ
    ント。
  9. 【請求項9】請求項8の脱臭エレメントと紫外線ランプ
    とを組み込んだ脱臭装置。
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