JPH09154867A - 血行促進装置 - Google Patents

血行促進装置

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JPH09154867A
JPH09154867A JP31662095A JP31662095A JPH09154867A JP H09154867 A JPH09154867 A JP H09154867A JP 31662095 A JP31662095 A JP 31662095A JP 31662095 A JP31662095 A JP 31662095A JP H09154867 A JPH09154867 A JP H09154867A
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JP
Japan
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heat exchanger
temperature
blood circulation
heating
circulation promoting
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Application number
JP31662095A
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English (en)
Inventor
Hideo Watanabe
日出男 渡辺
Yutaka Nakamura
裕 中村
Kimiaki Kimura
公昭 木村
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SAAMOBONITSUKU KK
Thermovonics Co Ltd
Original Assignee
SAAMOBONITSUKU KK
Thermovonics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不快感を伴ったり、頭痛がしたり、皮膚に火
傷を生じるような心配のない血行促進装置を提供する。 【解決手段】 人体の一部と直接または間接に接触する
第1熱交換器1と、その第1熱交換器1に密着した温冷
素子2と、その温冷素子2の前記第1熱交換器1とは反
対側に密着した第2熱交換器3と、前記温冷素子2への
電流の切り替えを行う制御部7とを備え、その制御部7
が、加温途中で前記温冷素子2への電流の切り替えを行
って血行促進を阻害する冷温保持を伴わないで加温を中
断する構成になっていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、身体の一部例えば足や
腕などを温熱効果により血行を促進する血行促進装置に
係り、特に温熱パターンが様々に設定でき、しかも設定
した幾つかの温熱パターンから任意に選択可能なペルチ
ェ素子を使用した血行促進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】身体の一部の血行を促進するため、従来
より温熱ヒータを利用した温熱器、あるいは空気酸化な
どの化学反応を利用した温熱器、温水を利用した温熱器
など各種の血行促進装置が提案され、実用化されてい
る。
【0003】これら血行促進装置は、温熱ヒータなどに
よって所定の温度に加温された加温部を直接または間接
的に、血行を促進しようとする部位(例えば足や腕な
ど)に当てがい、その部分を加温して血管を膨張するこ
とにより血液の流れを良くして、筋肉の疲れや痺れなど
を軽減する機能を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特別な治療
目的の場合は別として、従来の血行促進装置では、加温
部の温度が常に高温域に維持されているため、その加温
部を長時間にわたって足や腕などの身体の一部に当てが
っていると、不快感を伴ったり、頭が痛くなったり、あ
るいは甚だしいときには皮膚に軽度の火傷を生じるよう
な欠点を有している。
【0005】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、不快感を伴ったり、頭痛がしたり、皮膚に
火傷を生じるような心配のない血行促進装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、例えば足、腕、腰などの人体の一部を加
温することにより血行を促進する血行促進装置を対象と
するものである。
【0007】そして前記人体の一部と直接または間接に
接触する第1熱交換器と、その第1熱交換器に密着した
温冷素子と、その温冷素子の前記第1熱交換器とは反対
側に密着した第2熱交換器と、前記温冷素子への電流の
切り替えを行う制御部とを備え、その制御部が、加温途
中で前記温冷素子への電流の切り替えを行って血行促進
を阻害する冷温保持を伴わないで加温を中断する構成に
なっていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は前述のように、加温途中
で適当な間隔をおいて制御部の働きにより温冷素子への
電流を切り替えて加温を中断する構成になっているた
め、従来のように不快感を伴ったり、頭痛がしたり、皮
膚に火傷を生じるような心配がなくなる。また、この加
温の中断は血行促進を阻害する冷温保持を伴わないよう
に設定されているから、使用者が過剰な冷たさを感じた
り、あるいは血行促進を阻害されたりすることがなく、
安心して使用することができる。
【0009】次に本発明の具体例として足の裏を加温し
ながらマッサージする足用の血行促進装置について、図
とともに説明する。図1はその血行促進装置の概略構成
図、図2はその血行促進装置に使用する温冷素子の拡大
断面図、図3はその血行促進装置の制御部を説明するた
めのブロック図である。
【0010】図1に示すように、血行促進装置のほぼ中
央の上部には、例えばアルミニウムや銅合金などの熱伝
導性の良好な材料からなる第1熱交換器1が配置され、
それの上面は円弧状に突出し、第1熱交換器1の周囲の
複数個所が押圧力調整ネジ9を介してケース5に移動可
能に支持されている。
【0011】第1熱交換器1の下面には、ペルチェ素子
からなる温冷素子2ならびに例えばアルミニウムや銅合
金などの熱伝導性の良好な材料からなる第2熱交換器3
が一体に保持されている。第2熱交換器3は多数のフィ
ンを有し、このフィンの近傍にファン4が固定されてい
るが、第2熱交換器3が振動してもフィンはファン4に
当たらないように設計されている。図示していないが、
ケース5の例えば下面あるいは側面には空気取入口と排
気口とが、それぞれ開設されている。なお、前記温冷素
子2は機械的振動および水に対して十分な保護を必要と
するので、温冷素子2の周辺には機械的保護と防水のた
めの保護手段が施されている。
【0012】ケース5内には商用電源を直流の所定電圧
に変換する電源変換部6、制御部7、振動発生部12な
どが設けられている。この振動発生部12としては、具
体的にはモータに偏心カムを連結して振動を発生する手
段、バイブレータによって振動を発生する手段、電気音
響信号を機械的振動に変換する手段などが適用可能であ
る。この振動発生部12は振動伝達部材11を介して第
1熱交換器1と連結し、押圧調整ねじ9によってばね1
0の押圧力を調整することにより、第1熱交換器1の上
下の振幅及び圧力が適宜調整される。
【0013】なおこの図では、押圧調整ねじ9を明示す
るためにケース5より突出させたが、ケース5の一部に
凹部を形成し、その内側に押圧調整ねじ9を収納するこ
とにより、ケース5の上に乗せた足の裏が直接押圧調整
ねじ9に接触しないようにしてもよい。また、第1熱交
換器1の上面に合成樹脂あるいはゴムのコーテイングを
施して、足の裏にソフトタッチな感触を与えることもで
きる。
【0014】前記温冷素子2は図2に示すように、片面
にアルマイトの電気絶縁膜13を形成したアルミニウム
からなる第1金属基板14の電気絶縁膜13上には第1
電極15が形成され、片面にアルマイトの電気絶縁膜1
6を形成したアルミニウムからなる第2金属基板17の
電気絶縁膜16上には第2電極18が形成され、第1電
極15と第2電極18の間にP型半導体層19とN型半
導体層20とが多数並設されて、これら半導体層19,
20は前記電極15,18によって電気的に直列に接続
されている。
【0015】前記第1金属基板14が第1熱交換器1
に、第2金属基板17が第2熱交換器3に、それぞれ密
着している。この具体例では第1熱交換器1と第1金属
基板14、第2熱交換器3と第2金属基板17がそれぞ
れ別体となっているが、第1熱交換器1ならびに第2熱
交換器3上に直接第1電極15ならびに第2電極18を
形成してもよい。また、金属基板14,17の代わりに
アルミナや窒化アルミニウムなど他の材質からなる基板
を用いることもできる。
【0016】図3は、この血行促進装置における制御部
7の概略構成図である。制御部7は主制御回路21と電
力制御回路22から構成され、主制御回路21にはコン
トロールパネル23、タイマー回路24、ヘッドフォー
ンの如き外部BS信号発生回路25などが接続される。
【0017】主制御回路21は各種の演算処理を行う演
算部26、図9に示すような各種の温度パターンを記憶
する温度パターン記憶部27、後述するCTまたは(な
らびに)STの温度域においてゆらぎを与えたいときに
機能する1/fゆらぎ発生回路28、タイマー回路24
と接続する時計部29、内部BS信号発生回路30(B
S:BODY SONIC)などから構成されている。
【0018】電力制御回路22は図示していないが、整
流・平滑回路、スイッチング回路などを備え、第1熱交
換器1に付設された温度センサ31ならびに温度フュー
ズ32と接続されている。
【0019】コントロールパネル23には、加温モード
時の快適温度域(COMFORTABLE TEMPERATURE )CTの温
度設定をするCT温度設定スイッチ33、心理的に不快
感をとり除くための刺激温度域(STIMULUS TEMPERATUR
E)STの温度設定をするST温度設定スイッチ34、
CT,STの設定温度を固定するFIXスイッチ35、
CT,STの間にゆらぎを与えたいときに操作する1/
fスイッチ36、後述の時間t1に対する時間t2の割
合(t2/t1)を設定するt2/t1スイッチ37、
時間t1ならびに時間t2を独立して設定する時間設定
スイッチ38、モード選択スイッチ39、電源スイッチ
40、電源が入っていることを表示するパイロットラン
プ41、液晶表示部42、振動によるマッサージを併用
する際に操作するBSスイッチ43、内部BS信号発生
回路30からの振動を利用する際にはINを、外部BS
信号発生回路25からの振動(例えばヘッドフォーンを
通して聞かれる音楽に合わせて、その音響信号を機械振
動に変換して得られた振動)を利用する際にはEXTを
押して振動パターンを選択する振動パターン選択スイッ
チ44などが設けられている。
【0020】前記液晶表示部42は設定時に温度や時間
を表示するとともに、動作が開始すれば設定モード、設
定温度、設定時間あるいは現在の時刻などが表示でき
る。また、この血行促進装置の取扱手順をガイダンスと
して簡単に表示することも可能である。
【0021】図1に示した血行促進装置の第1熱交換器
1の上に足を乗せ、電源スイッチ40(図3参照)をO
Nすることにより、温冷素子2に所定の電流が流れると
ともに、ファン4が回転する。そして温冷素子2のペル
チェ効果により第1熱交換器1側が加温され、第2熱交
換器3側が冷却されて(第2熱交換器3の冷却は前記フ
ァン4からの送風によって促進される)、第1熱交換器
1を通して足の裏が加温され、足が暖かくなり血管が膨
張して血行を促進することになる。
【0022】また、振動発生部12を駆動することによ
り、振動伝達部材11を介して第1熱交換器1と温冷素
子2と第2熱交換器3の一体物が振動し、そのため第1
熱交換器1を通して足の裏に心地好い振動が加えられ、
足の裏に集中しているツボを刺激し、血行の促進ととも
に疲労回復、ストレス解消などの働きがある。
【0023】第1熱交換器1によって長時間加温してい
ると足が暑くなり不快感を伴ったり、頭が痛くなったり
することがある。本発明ではその不快感をとり除くた
め、第1熱交換器1を間欠的に冷却し、加温による血行
の促進を阻害しない程度に足の裏に冷たい刺激を与える
ようになっている。第1熱交換器1を間欠的に冷却する
ためには温冷素子2への電流の流れを間欠的に逆にする
ことにより達成され、第2熱交換器3側が加温されるか
ら、ファン4からの送風によって第2熱交換器3の放熱
を促進している。
【0024】図1に示した足の血行促進装置を使用し
て、連続加温時間を5分間、温度降下時間を1分間、温
度上昇時間を3分間の条件で、被検者200人に体験し
てもらいながら快適温度域(以下、CTと略記する)と
心理的感覚的に不快感を取り除くための間欠時の温度域
(以下、STと略記する)を図3に示すCT温度設定ス
イッチ33ならびにST温度設定スイッチ34で調整し
てもらい、その結果を図4にまとめて示した。同図の横
軸にSTならびにCTの温度を、縦軸に快感温度と感じ
る人数の割合を最高値を1として示した。心地好さは被
検者の身体の状況などによっても変わるものであるが、
図4の結果から明らかなように、CTを36〜44℃、
好ましくは38〜42℃、STを21〜29℃、好まし
くは23〜27℃に設定すると、大多数の被検者が不快
感を伴わない心地好い温度であることが分かる。
【0025】STが21℃未満ではむしろ冷たさを感じ
て血行を促進する点からも好ましくなく、一方、29℃
を超えると大多数の被検者が冷たさを感じないで不快感
が残ってしまう。またCTが36℃未満では暖かさが不
十分で血行促進の効果が発揮できず、一方、44℃を超
えると大多数の被検者が熱すぎると感じ、皮膚の弱い者
では低温皮膚火傷を生じる心配がある。
【0026】図5は、皮膚火傷が生じる皮膚表面温度
(縦軸)と接触時間(横軸)との関係を示す特性図であ
る。この図から明らかなように皮膚表面温度が45℃以
上になると長時間接触していると皮膚火傷が生じること
があるから、安全性を考慮してCTの上限は44℃に止
めておく必要がある。
【0027】このような理由からCTは36〜44℃、
好ましくは38〜42℃、STは21〜29℃、好まし
くは23〜27℃にそれぞれ規制する必要がある。
【0028】次にCTからSTに降下するときに要する
降温時間をt1、STからCTに上昇するときに要する
昇温時間をt2とし、図1に示した血行促進装置を使用
して、被検者50人に降温時間t1ならびに昇温時間t
2の快い時間幅を図3に示す時間設定スイッチ38で設
定してもらい、その割合R(=t2/t1)を求めた。
なお、CTならびにSTは図4の結果よりCT=40
℃、ST=25℃とし、加温時間は5分間としてテスト
を行い、その結果を図6にまとめて示した。
【0029】この図から明らかなように、多くの被検者
が好むR値(=t2/t1)は1.5〜20、好ましく
は2〜15、さらに好ましくは3〜7である。一般に人
体は温度変化に晒されるとき、温度が降下するときと上
昇するときを比較すると、温度が降下するときには不快
感や不安を感じ易く、温度が上昇するときにはリラック
ス感や幸福感を感じる傾向にあることからも、t1をt
2よりも小さくしてR値(=t2/t1)の下限値を
1.5に止めておく必要がある。一方、R値が20を超
えると相対的に降温時間t1が極めて短くなり、冷たい
という刺激感がなくなり、かえって不快感を覚えること
になる。このような理由から、R値(=t2/t1)は
1.5〜20の範囲に規制する必要がある。
【0030】CTからSTへの温度上昇時の温度変化に
ついて調査した結果、次のようなことが判明した。すな
わち、皮膚に接触する部分(本具体例では第1熱交換器
1)の温度の上昇変化について、単調に直線的に上昇す
る直線パターンと、CTとSTのほぼ中間温度(TTと
略記する)を境にして、STからTTまでの上昇割合は
最初大きくTTに近づくに従って小さくなるようにし
て、TTからCTまでの上昇割合は最初小さくCTに近
づくに従って大きくするS字パターンとを作成した。
【0031】具体的にはSTを25℃、CTを40℃、
t1を1分間、t2を4分間(すなわちR値を4)に設
定し、前記直線パターンでは4分間かけて25℃から4
0℃までリニアに昇温させた。一方、S字パターンでは
前記TTを16℃〔(40−25)/2≒16〕に設定
して、昇温速度をS字状に変化させた。この両方の上昇
パターンを20人の被検者に試みたところ、90%に相
当する18人がS字パターンの方が好ましいことが分か
った。
【0032】以上の各種テストより総合的にみて最も不
快感を低減し、血行を効果的に促進しながらリラックス
感も得られる温度モードを図7に示す。同図に示すよう
に1サイクル中のt1はt2よりも十分に短くし、しか
も直線的に温度を降下させ、一方、昇温時にはS字パタ
ーンで温度上昇させるモードが好適である。図7におい
て温熱刺激時間(t2とt1の間)の温度パターンがフ
ラットになっているが、実際には供給電流のON/OF
F制御を行なっているため若干温度の変動がある。ま
た、積極的に温度を狭い幅で上下に振ることもできる。
【0033】図8は、t1ならびにt2時の具体的な電
流波形例を示す図である。同図に示すようにCTを保持
している間は温冷素子2に一定の周期で(+)のパルス
電流が流されているが、CTからSTへ温度を降下させ
る際には温冷素子2へのパルス電流の向きを逆にして短
時間に直線的に温度降下させ、足の裏に冷たい感じを瞬
間的に与え、その刺激により不快感を取り除く。
【0034】STからCTへ温度を上昇させる際には、
また元の電流方向に戻し、最初、電流値を約半分にし
て、1パルス当たりの電流を流す時間を長くして立ち上
げる。
【0035】そして温度がTT付近に達すると、電流値
は同じで電流を流す時間を短くし、次にTTからCTに
かけては電流値を上げるとともに電流を流す時間も長く
する。
【0036】このようにしてCTに達すると、また一定
の周期で電流を流してCTを一定に保持する。
【0037】例えば温熱刺激をする間、図8では一定の
パルス電流を流しているが、電流値を少なくして、連続
して通電することもできる。これはt2の時間について
も、同様なことがいえる。
【0038】図9はSTからCTへの昇温モード例を示
す図で、図8に示すパルス電流の電流値または(ならび
に)1パルス当たりの電流を流す時間を適宜調整するこ
とにより、同図に示すようにモード,モード,モー
ドが設定される。本具体例の血行促進装置ではこれら
各種昇温モードが予め制御部7の温度パターン記憶部2
7に登録されており、装置利用者は図3のコントロール
パネル23上にあるモード選択スイッチ39に付してあ
る〜のスイッチによって自分の好みの昇温モードを
選択することができる。
【0039】この血行促進装置においては、長時間加温
モードにしておくと不快感を覚えるため、その不快感を
解消する手段として間欠的に冷たい刺激を身体の一部に
与えるわけであるが、その冷却時間が余り長いと冷たさ
が残り、血行の促進を阻害することになるから、冷却時
間は短いほど好ましい。
【0040】図10の(a)は温冷素子における第2熱
交換器3の熱容量が小さい場合(第1熱交換器1の熱容
量に対して第2熱交換器3の熱容量の比率が例えば0.
7程度)を示し、同図(b)は逆に第2熱交換器3の熱
容量が大きい場合(第1熱交換器1の熱容量に対して第
2熱交換器3の熱容量の比率が例えば1.5程度)を示
している。例えば加温モード時の第1熱交換器1の温度
が42℃(CT:42℃)、外気温度が25℃、第2熱
交換器3の温度が20℃とする。
【0041】この加温モードが終了して第1熱交換器1
の温度を降下させるため、加温モード時に流した電流と
は逆の電流を温冷素子に流すことになる。すると、温冷
素子に投入した電力と素子を貫通して流れ込んだ第1熱
交換器1の熱容量によって蓄えられたエネルギーが第2
熱交換器3に流れ込み、第1熱交換器1の温度は低下
し、第2熱交換器3が上昇する。第2熱交換器3の付近
に設けられているファン4により、強制的に空冷される
ので第2熱交換器3の温度は飽和するが、同図(b)の
場合は第2熱交換器3の熱容量が大きいため、飽和温度
に達するのに時間を要する。すなわち、同図(b)の場
合は第2熱交換器3の温度の上昇が遅くなる分、温冷素
子の半導体の両端にかかる温度差が小さくなるので、熱
移送効率が良くなり、その結果として第1熱交換器1の
温度低下が促進される。
【0042】本発明者らこのような考えに基づいて、
1.4×1.4×1.6(高さ)mmの半導体チップ1
42個をセラミック基板間に取付け、25℃での内部抵
抗が約1.5Ωの素子群を2セット製作して、第1熱交
換器1ならびに第2熱交換器3をアルミニウムで構成
し、第1熱交換器1の大きさを一定にして第2熱交換器
3の大きさを調整することにより第1熱交換器1の熱容
量Q1に対する第2熱交換器3の熱容量Q2の比率〔Q
2/Q1〕を種々変えた装置を製作した。
【0043】そして2セットの温冷素子に対して、直径
68mmで定格12Vの軸流ファン4を5Vで動作さ
せ、リレー接点を用いて、温度降下時には2セットの温
冷素子を電気的に並列に接続し、温度上昇時には2セッ
トの温冷素子を電気的に直列に接続して、第1熱交換器
1の温度(CT:42℃)が25℃になるまでの時間を
測定した。
【0044】このテストの結果、Q2/Q1を1〜1
5、好ましくは1.5〜10の範囲に規制すると、冷却
時間を効果的に短縮できることを解明した。Q2/Q1
が1未満であると、冷却時間の短縮化が図れず前述のt
2/t1を1.5以上にすることが難しく、一方、Q2
/Q1が15を超えると温冷素子の重量、体積ならびに
コストが増すことになり好ましくない。よってQ2/Q
1は、1〜15の範囲に規制する必要がある。
【0045】本発明の具体例では、第1熱交換器1とし
て体積が約55.7cm3 、Q1が33.1cal/
℃、第2熱交換器3として体積が約79.0cm3 、Q
2が46.9cal/℃で、Q2/Q1が約1.4とな
る。この血行促進装置を無負荷の状態において前述の条
件で駆動すると、t1は1分50秒間、t2は4分間で
あった。
【0046】バロック音楽が1/fのゆらぎを有してい
ることはよく知られていることであるが、このような音
楽の音程の高低に合わせて第1熱交換器1のCTまたは
STの設定温度に対して1/fのゆらぎを与えるため、
1/fゆらぎ発生回路28に予めパターン化して記憶し
ておき、1/fスイッチ36をONすることにより、温
度にゆらぎを与えてリラックスすることができる。
【0047】血行促進装置を使用する前に、使用者が比
較的静かな動きをしたいたか否かにより、体温に差が出
る。また人によって足の裏の温度が比較的低い人とそう
でない人がある。そのため、第1熱交換器1にある温度
センサ31で使用者の足の温度をまず検出して、それに
基づいて適切なCT、STを自動的に選択するように構
成すれば、より好ましい結果が得られる。
【0048】図11は血行促進装置の変形例を示す図、
図12ならびに図13はその血行促進装置に用いられる
押圧部材の斜視図ならびに側面図である。
【0049】通常、熱電変換装置の両側に付設される熱
交換器間は、熱電変換素子(ペルチェ素子)を介して金
属製のボルトで締結される。このとき金属ボルトのみで
あると、温度差がついている両熱交換器の間を熱的に短
絡するように作用するので、熱伝導性の低い材料で作製
したワッシャーが使用される。
【0050】しかしこの方法では、金属ボルトの線膨張
係数が半導体などの材料の線膨張係数と大きく異なるた
め、本発明のような血行促進装置のように温度の上下変
動が頻繁に繰り返される装置では、素子や各接合部に圧
縮/引っ張りの力が作用して、熱電変換素子などに対し
て悪い影響を与える。
【0051】この変形例は、この点を配慮したものであ
る。図11に示すように第1熱交換器1の下面に温冷素
子2、第2熱交換器3が配置され、これら3者は相互に
押圧部材50によって弾性的に密着されている。この押
圧部材50はワイヤ状または比較的幅の狭いリボン状の
もので、それのほぼ中央部に図12ならびに図13に示
すように、内側に向けてかつ上側に向けて湾曲した湾曲
部51が設けられている。この湾曲部51の両端から立
ち上がり部52、52が延びて、さらに立ち上がり部5
2の先端部はほぼ水平に折れ曲がって係止部53となっ
ている。
【0052】一方、第1熱交換器1の下面にはフック部
54が設けられており、このフック部54に前記押圧部
材50の係止部53を強制的に挿入することにより、押
圧部材50の湾曲部51で第2熱交換器3を第1熱交換
器1側に押圧して、第1熱交換器1−温冷素子2−第2
熱交換器3の密着状態を保持している。なお、図示して
いないが、第1熱交換器1と温冷素子2の間ならびに温
冷素子2と第2熱交換器3の間には、熱伝導性の良いグ
リース(例えば酸化亜鉛などの微細なフィラーを分散し
たシリコーングリースなど)が介在されている。また、
第1熱交換器1と温冷素子2の間ならびに温冷素子2と
第2熱交換器3の間は、横滑りしない構造になってい
る。
【0053】このような構造にすれば、装置の使用に伴
って温度の上下変動が繰り返されても第1熱交換器1−
温冷素子2−第2熱交換器3間での線膨張係数の差に基
づく応力の発生が前記押圧部材50で有効に吸収され、
温冷素子2への悪影響が解消される。
【0054】この押圧部材50は1つまたは複数使用す
ることができ、この例のようにワイヤ状や幅の狭いリボ
ン状の押圧部材50を使用すれば、ファン4による送風
効果を実質的に阻害することはない。
【0055】血行促進装置を使用しているときに、音響
ノイズも極めて低レベルにできるので、電源スイッチの
切り忘れの心配がある。そのため、一定時間(適宜に設
定可能)経過後に、自動的に電源が切れるタイマーを内
蔵することもできる。また、足乗せ部が移動可能になっ
ている場合、足を乗せると足乗せ部が下に移動するの
で、その移動で電源スイッチが入るようにすれば、足を
足乗せ部から外すことにより電源スイッチが自動的に切
れ、電源スイッチの切れ忘れがなくなる。
【0056】またこの血行促進装置は軽量にできるか
ら、移動に便利なようにハンドルあるいはキャスターな
どを付設することも可能である。
【0057】複数の人が共用する場合、身体の一部を接
触させる個所に布製あるいは紙製などのカバーが着脱可
能にセットできるようにするとよい。さらに身体の一部
を接触させる個所に突起部を設けて、ツボを刺激する構
造にするとマッサージ効果がさらに助長される。
【0058】本発明の血行促進装置は前述の足裏のマッ
サージ器の他に足乗せ台、自動車や電車など車載用足乗
せ台、飛行機用あるいは船舶用足乗せ台、家庭用リクラ
イニング椅子、足温器などに適用可能で、また、足だけ
でなく、例えば腕、腰、肩など他の部位の血行促進にも
適用できる。
【0059】
【発明の効果】本発明は前述のように、加温途中で適当
な間隔をおいて制御部の働きにより温冷素子への電流の
切り替えて加温を中断する構成になっているため、従来
のように不快感を伴ったり、頭痛がしたり、皮膚に火傷
を生じるような心配がなくなる。また、この加温の中断
は血行促進を阻害する冷温保持を伴わないように設定さ
れているから、使用者が過剰な冷たさを感じたり、ある
いは血行促進を阻害されたりすることがなく、安心して
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係る血行促進装置の概略構成
図である。
【図2】その血行促進装置に使用する温冷素子の拡大断
面図である。
【図3】その血行促進装置の制御部を説明するためのブ
ロック図である。
【図4】その血行促進装置におけるSTならびにCTの
領域を設定するためのテストデータを示す図ある。
【図5】皮膚火傷を生じる皮膚表面温度と接触時間との
関係を示す図である。
【図6】その血行促進装置におけるR値を設定するため
のテストデータを示す図である。
【図7】その血行促進装置における温度変化モードの一
例を示す温度特性図である。
【図8】その血行促進装置における駆動パルスの一例を
示す波形図である。
【図9】その血行促進装置における昇温モード例を示す
パターン図である。
【図10】第1熱交換器と第2熱交換器の熱容量比を説
明するための図である。
【図11】本発明の他の具体例に係る血行促進装置の要
部断面図である。
【図12】その血行促進装置に用いられる押圧部材の斜
視図である。
【図13】その押圧部材の側面図である。
【符号の説明】 1 第1熱交換器 2 温冷素子 3 第2熱交換器 4 ファン 5 ケース 6 電源変換部 7 制御部 9 押圧力調節ネジ 10 ばね 12 振動発生部 21 主制御回路 22 電力制御回路 23 コントロールパネル 24 タイマー回路 25 外部BS回路 26 演算部 27 温度パターン記憶部 28 1/fゆらぎ発生回路 29 時計部 30 BS信号発生回路 33 CT温度設定スイッチ 34 ST温度設定スイッチ 35 FIXスイッチ 36 1/fスイッチ 37 t2/t1スイッチ 38 時間設定スイッチ 39 モード選択スイッチ 42 液晶表示部 43 BSスイッチ 44 振動パターン選択スイッチ 50 押圧部材 51 湾曲部 53 係止部 54 フック部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の一部を加温することにより血行を
    促進する血行促進装置において、 前記人体の一部と直接または間接に接触する第1熱交換
    器と、その第1熱交換器に密着した温冷素子と、その温
    冷素子の前記第1熱交換器とは反対側に密着した第2熱
    交換器と、前記温冷素子への電流の切り替えを行う制御
    部とを備え、 その制御部が、加温途中で前記温冷素子への電流の切り
    替えを行って血行促進を阻害する冷温保持を伴わないで
    加温を中断する構成になっていることを特徴とする血行
    促進装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記加温時の第
    1熱交換器の温度が36〜44℃、加温中断時の第1熱
    交換器の温度が21〜29℃の範囲に規制されているこ
    とを特徴とする血行促進装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、前記加
    温中断のための温度降下時間をt1、温度降下後の温度
    上昇時間をt2としたとき、両者の時間比t2/t1が
    1.5〜20の範囲に規制されていることを特徴とする
    血行促進装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または3記載において、前記第
    1熱交換器の熱容量をQ1、第2熱交換器の熱容量をQ
    2としたとき、両者の熱容量比Q2/Q1が1〜15の
    範囲に規制されていることを特徴とする血行促進装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載において、前記加
    温時の第1熱交換器の温度ならびに加温中断時の第1熱
    交換器の温度が任意に調整できる温度調整手段が設けら
    れていることを特徴とする血行促進装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または3記載において、前記温
    度降下時間t1ならびに温度上昇時間t2が任意に調整
    できる時間調整手段が設けられていることを特徴とする
    血行促進装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載において、前記加温中断後
    の第1熱交換器の温度上昇モードを複数種類記憶させて
    おく温度パターン記憶部と、その温度パターン記憶部に
    記憶されている温度上昇モードから任意のモードを選択
    するモード選択手段とが設けられていることを特徴とす
    る血行促進装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載において、前記第1熱交換
    器と温冷素子と第2熱交換器とが一体に連結され、この
    一体物が支持部材に対して一定の圧力で移動可能に支持
    されていることを特徴とする血行促進装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載において、前記第1熱交換
    器と温冷素子と第2熱交換器とが一体に連結され、この
    一体物が振動発生部によって振動するように構成されて
    いることを特徴とする血行促進装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載において、少なくとも前
    記加温温度に対して1/fのゆらぎを与える1/fゆら
    ぎ発生手段が設けられていることを特徴とする血行促進
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載において、前記第1熱交
    換器と温冷素子と第2熱交換器とが互いに弾性的に密着
    するための弾性押圧部材が設けられていることを特徴と
    する血行促進装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載において、前記第1熱交
    換器が足を乗せる部分を構成していることを特徴とする
    血行促進装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014200498A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 日立マクセル株式会社 美容器具
JP2016123492A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日立マクセル株式会社 刺激付与装置
JP2016137063A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 日立マクセル株式会社 温熱付与装置
CN111197829A (zh) * 2018-11-20 2020-05-26 Lg电子株式会社 包括热电模块的落脚器
JP2021512682A (ja) * 2018-01-31 2021-05-20 エンブル・ラブス・インコーポレイテッドEmbr Labs Inc. ウェアラブルデバイスにおける熱負荷を放散する方法及びシステム

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