JPH09151182A - ジベンゾフランジアミン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ジベンゾフランジアミン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体

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JPH09151182A
JPH09151182A JP31078995A JP31078995A JPH09151182A JP H09151182 A JPH09151182 A JP H09151182A JP 31078995 A JP31078995 A JP 31078995A JP 31078995 A JP31078995 A JP 31078995A JP H09151182 A JPH09151182 A JP H09151182A
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JP31078995A
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Hideo Nakamori
英雄 中森
Masanori Uchida
真紀 内田
Kazuya Hamazaki
一也 浜崎
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電荷輸送能力および安定性に優れた新規化合
物と、露光に対する耐久性と、耐磨耗性とを有する高感
度な電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 下記式(1) (式中、R,R,R,RおよびRは同一また
は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基またはアラルキル基を示す。前記アルキ
ル基、アルコキシ基、アリール基およびアラルキル基は
置換基を有してもよい。a,b,cおよびdは同一また
は異って0〜5の整数、eは0〜6の整数を示す。a〜
eが2以上のとき、各置換基は互いに異なっていてもよ
い。)で表されるジベンゾフランジアミン誘導体、およ
びこれを感光層中に含有する電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷輸送剤(正孔
輸送剤)として好適に用いられる新規なジベンゾフラン
ジアミン誘導体と、静電式複写機やレーザープリンタ等
の画像形成装置に用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電荷輸送剤としては、従来より、カルバ
ゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合
物、フェニレンジアミン系化合物、ベンジジン系化合物
等の種々の有機化合物が知られている。
【0003】これらの有機化合物を用いた電子写真感光
体、すなわち有機感光体としては、電荷輸送剤を電荷発
生剤とともに結着樹脂中に分散させた単層型感光体や、
電荷輸送剤を結着樹脂中に分散させた電荷輸送層と、電
荷発生剤を結着樹脂中に分散させた電荷発生層とを備え
た積層型感光体がある。これらの有機感光体は、無機半
導体材料を用いた無機感光体に比べて製造が容易である
とともに、電荷輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂等の感光
体材料の選択肢が多様であることから、機能設計の自由
度が高く、近年広く使用されている。
【0004】上記電荷輸送剤のうち代表的なものとして
は、例えば下記一般式(2) で表されるm−フェニレンジ
アミン誘導体があげられる。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、RA ,RB ,RC およびRD は同
一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基またはアリール基を示す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記m−フェニレンジ
アミン誘導体(2) は、優れた電荷輸送能力を有するが、
化学的な安定性が不十分であるという問題がある。特
に、m−フェニレンジアミン誘導体(2) は、光を照射す
ることによって反応性の高い一重項励起状態になり、光
化学反応を起こして劣化してしまう。その結果、電荷輸
送能力が低下するという問題が生じる。これは、電荷輸
送に係わるHOMO準位(Highest OccupiedMolecular
Orbital、最高被占準位)の電子が分子の中心骨格を構
成するベンゼン環の4位と6位の炭素原子に局在化し
て、この部分の化学的な反応性が高くなることが原因で
ある。
【0008】従って、上記m−フェニレンジアミン誘導
体(2) を電荷輸送剤として使用した電子写真感光体は、
帯電、露光、除電の工程を繰り返すことによって感度が
低下したり、帯電量が上昇したり、耐久性が不十分にな
るなどの問題が生じる。さらに、上記m−フェニレンジ
アミン誘導体(2) を電荷輸送剤として使用した場合に
は、感光層の耐磨耗性が不十分であるといった問題もあ
る。
【0009】そこで、本発明の目的は、電荷輸送能力に
優れるとともに、特に光を照射したときの化学的な安定
性にも優れた新規な化合物を提供することである。ま
た、本発明の他の目的は、高感度で、繰り返し露光した
ときの劣化が少なく、かつ耐磨耗性に優れた電子写真感
光体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR
5 は同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基を示す。
前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基およびアラ
ルキル基は置換基を有してもよい。a,b,cおよびd
は同一または異なって0〜5の整数、eは0〜6の整数
を示す。a〜eが2以上のとき、各置換基は互いに異な
っていてもよい。)で表されるジベンゾフランジアミン
誘導体は、分子の中心骨格に、共役系の大きいジベンゾ
フランを有するため、HOMO凖位の電子の存在範囲が
m−フェニレンジアミン誘導体(2) よりも大きくなるこ
とから、電荷の移動度が良好で、より優れた電荷輸送能
力を有するとともに、HOMO準位の電子の非局在化に
よって、m−フェニレンジアミン誘導体(2) における中
心のベンゼン環のように化学的な反応性の高い部分がな
くなり、特に光照射時の化学的安定性に優れるという新
たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】また、本発明のジベンゾフランジアミン誘
導体(1) は、HOMO凖位の電子の非局在化によって電
子の分布が平面的になるため、このジベンゾフランジア
ミン誘導体(1) (電荷輸送剤)を電荷発生剤とともに感
光層中に含有させたときには、当該電荷発生剤との相互
作用、すなわち電荷発生剤で発生した電荷(特に正孔)
を引き抜く作用が強まる。さらに、本発明のジベンゾフ
ランジアミン誘導体(1) の中心骨格が、共役系が大き
く、かつ剛直なジベンゾフランであることから、かかる
誘導体(1) を電荷輸送剤として用いることにより、電荷
発生剤の電荷発生効率が高く、優れた感度を有するとと
もに、繰り返し露光したときの劣化が少なく、すなわち
露光に対する耐久性が大きく、かつ感光層の耐磨耗性に
も優れた電子写真感光体を得ることができる。
【0014】すなわち、本発明の電子写真感光体は、導
電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、
前記感光層が、上記一般式(1) で表されるジベンゾフラ
ンジアミン誘導体を含有することを特徴とする。さら
に、前記感光層が、少なくとも電荷発生剤と電子輸送剤
とを含有した単層型の感光層であるときは、感光体の感
度をさらに向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明のジベンゾフランジ
アミン誘導体(1) について詳細に説明する。置換基R1
〜R5 に相当するハロゲン原子としては、例えばフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等があげられる。アルキル基と
しては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の炭素数が1〜6
の基があげられる。アルコキシ基としては、例えばメト
キシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t
−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ
等の炭素数が1〜6の基があげられる。アリール基とし
ては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナ
ントリル等の基があげられる。アラルキル基としては、
例えばベンジル、ベンズヒドリル、フェネチル、トリチ
ル等の基があげられる。前記アルキル基にはハロゲン原
子等が置換してもよく、アルコキシ基、アリール基およ
びアラルキル基にはハロゲン原子、アルキル基等が置換
してもよい。なお、アルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基およびアラルキル基に置換してもよい置換基の数お
よびその置換位置については特に限定されない。
【0016】上記置換基R1 〜R5 の数を規定する符号
a〜eが2以上のとき、各置換基は互いに異なっていて
もよい。すなわち、例えば置換基R1 の数を示す符号a
が2のとき、ジベンゾフランジアミン誘導体(1) の窒素
原子に置換するフェニル基のうちの1つには、メチル基
とエチル基、n−プロピル基とフェニル基、t−ブチル
基と塩素等の、互いに異なる基が置換していてもよい。
【0017】本発明のジベンゾフランジアミン誘導体
(1) の具体例としては、例えば下記式(1-1) 〜(1-8) で
表される化合物があげられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】本発明のジベンゾフランジアミン誘導体
(1) の合成方法を、上記式(1-1) で表されるジベンゾフ
ランジアミン誘導体を例にとって説明する。 反応行程式(I) :
【0022】
【化7】
【0023】すなわち、ジベンゾフランジアミン誘導体
(1-1) は、上記反応行程式(I) に示されるように、出発
原料である3,7−ジベンゾフランジアミン(3) と3−
ヨードトルエンとを1:4(モル比)の割合で用い、こ
の出発原料を炭酸カリウム、銅等の触媒とともにニトロ
ベンゼン等の溶媒中に加えて攪拌し、窒素、アルゴン等
の不活性気体の雰囲気下で還流することによって得られ
る。
【0024】次に、本発明の電子写真感光体について詳
細に説明する。本発明の電子写真感光体は、前記一般式
(1) で表されるジベンゾフランジアミン誘導体の1種ま
たは2種以上を含有する感光層を、導電性基体上に設け
たものである。前記感光層には、いわゆる単層型感光層
と積層型感光層とがあるが、本発明はこのいずれにも適
用可能である。
【0025】単層型の感光層は、導電性基体上に単一の
感光層を設けたものであって、この感光層が、少なくと
も電荷発生剤とともに、電荷輸送剤としてジベンゾフラ
ンジアミン誘導体(1) を含有した結着樹脂からなる。単
層型の感光層を有する感光体、すなわち単層型感光体
は、正帯電および負帯電のいずれにも適用可能である
が、特に正帯電型で使用するのが好ましい。
【0026】本発明の単層型電子写真感光体は、従来の
単層型電子写真感光体に比べて感光体の残留電位が大き
く低下しており、感度が向上している。さらに、本発明
の単層型電子写真感光体の感光層に、さらに電子輸送剤
を含有させたときは、電荷発生剤と正孔輸送剤との電子
の授受が効率よく行われるようになり、感光体の感度が
より一層向上する。
【0027】積層型の感光層は、導電性基体上に少なく
とも電荷発生層および電荷輸送層をこの順に設けたもの
であって、前記電荷輸送層に、電荷輸送剤としての一般
式(1) で表されるジベンゾフランジアミン誘導体を含有
するものである。また、これとは逆に、導電性基体上に
電荷輸送層が形成され、その上に電荷発生層が形成され
ていてもよい。
【0028】本発明の積層型電子写真感光体は、従来の
積層型電子写真感光体に比べて残留電位が大きく低下し
ており、感度が向上している。また、感光体の感度をよ
り一層向上させることを目的として、ジベンゾフランジ
アミン誘導体(1) を電荷発生層にも含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生剤、電子
輸送剤および結着樹脂は、次のとおりである。 〔電荷発生剤〕電荷発生剤としては、例えば一般式(CG
1) :
【0029】
【化8】
【0030】で表される無金属フタロシアニン、一般式
(CG2) :
【0031】
【化9】
【0032】で表されるチタニルフタロシアニン、一般
式(CG3) :
【0033】
【化10】
【0034】(式中、R20A およびR20B は同一または
異なって、炭素数が18以下の置換または未置換のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカノイル
基またはアラルキル基を示す。)で表されるペリレン顔
料、一般式(CG4) :
【0035】
【化11】
【0036】(式中、Qは基(Q-1) 〜(Q-8) :
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】を示し、Cp1 およびCp2 は同一または
異なって、基(Cp-1)〜(Cp-11) :
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】を示す。)で表されるビスアゾ顔料などが
あげられる。上記基(Q-1) 〜(Q-8) における置換基およ
び置換基の数を示す符号は、それぞれ次のとおりであ
る。R21は水素原子、アルキル基、アリール基または複
素環式基を示す。ωは0または1である。
【0043】R22A 、R22B 、R22C 、R22D およびR
22E は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキ
ル基を示す。R23は水素原子、塩素原子または水酸基を
有してもよいエチル基を示す。上記基(Cp-1)〜(Cp-9)に
おける置換基は次のとおりである。
【0044】R30は、アミノ基を有するアシル基を示
す。R31は、ベンゼン環と縮合して芳香族環、多環式炭
化水素または複素環を形成するのに必要な原子団を示
す。R32は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基を示
す。R33は、アルキレン基またはアリーレン基を示す。
【0045】R34は、アルキル基、アリール基、アラル
キル基または複素環式基を示す。R35は、アルキレン
基、アリーレン基、または上記一般式(Cp-7)〜(Cp-10)
中の2つの窒素原子とともに複素環を形成するのに必要
な原子団を表す。R36a は、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アル
コキシカルボニル基またはアミノ基を有するアシル基を
示す。
【0046】R36b は、アルキル基またはアリール基を
示す。上記R30〜R35、R36a およびR36b で例示した
置換基は、さらにハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、ア
ミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、アリール基、カルボニル基、カルボキシル基等
の置換基を有してもよい。
【0047】上記例示の電荷発生剤において、アルキ
ル、アルコキシ基、アリール基およびアラルキル基とし
ては、前述したのと同様な基があげられる。炭素数18
以下の置換または未置換のアルキル基は、前述した炭素
数1〜6のアルキル基に加えて、オクチル、ノニル、デ
シル、ドデシル、トリデシル、ペンタデシル、オクタデ
シル等を含む基である。シクロアルキル基としては、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の
炭素数3〜8の基があげられる。アルカノイル基として
は、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、ペンタノイル、ヘキサノイル等の基があげられる。
アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、2−ブ
テニル、3−ブテニル、1−メチルアリル、2−ペンテ
ニル、2−ヘキセニル基等の炭素数が2〜6の基があげ
られ、さらにアリール基を有していてもよい。アルキレ
ン基としては、例えばエチレン、トリメチレン、プロピ
レン、テトラメチレン等の基があげられる。アリーレン
基としては、例えばフェニレン、ナフチレン、フェナン
トリレン等の基があげられる。
【0048】アミノ基を有するアシル基としては、例え
ばカルバモイル、グリシル、カルバゾイル、スルファモ
イル、オキサモイル、スクシンアモイル、アロファノイ
ル、ヒダントイル、アントラニロイル、フタルアモイル
等の基があげられる。複素環式基としては、例えばチエ
ニル、フリル、ピラニル、ピロリル、ピロリジニル、イ
ミダゾリル、2H−イミダゾリル、ピラゾリル、トリア
ゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、
オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピペリジ
ニル、ピペリジノ、3−モルホリニル、モルホリノ等の
基があげられる。これらの基は、芳香族環と縮合してい
てもよい。
【0049】前記R31とベンゼン環との縮合により形成
される芳香族環としては、例えばナフタレン、アントラ
セン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ナフタセン
等が挙げられる。また、多環式炭化水素としては、例え
ばカルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾフラン
等が挙げられる。複素環としては、例えばベンゾフラ
ン、ベンゾチオフェン、インドール、インドリン、カル
バゾール、クロメン、ベンゾピラン、キサンテン、キノ
リン、フェナントリジン、アクリジン、ベンゾイミダゾ
ール、インダゾール、キノキサリン、キナゾリン、シン
ノリン、フタラジン、チアントレン、フェノキサチイ
ン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン等が
あげられる。
【0050】前記R35において、2つの窒素原子ととも
に形成される芳香族性複素環式基としては、例えばベン
ゾイミダゾール、ベンゾ〔f〕ベンゾイミダゾール、ジ
ベンゾ〔e,g〕ベンゾイミダゾール、ベンゾピリミジ
ン等の基があげられる。これらの基は前記と同様な置換
基を有してもよい。また、上記電荷発生剤の他にも、下
記一般式(CG5) 〜(CG12)で表すように、ジチオケトピロ
ロピロール顔料(CG5) 、無金属ナフタロシアニン顔料(C
G6) 、金属ナフタロシアニン顔料(CG7) 、スクアライン
顔料(CG8) 、トリスアゾ顔料(CG9)、インジゴ顔料(CG1
0)、アズレニウム顔料(CG11)、シアニン顔料(CG12)等の
電荷発生剤があげられる。
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】上記一般式(CG5) 〜(CG12)における置換基
は、それぞれ次のとおりである。R25A 、R25B 、R
25C 、R25D 、R25E 、R25F 、R25G 、R25H 、R
25J、R25K 、R25L 、R25M 、R25N およびR25P
同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基またはアルコキシ基を示す。R26A およびR26B
同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基またはアリール基を示す。
【0056】R27A 、R27B 、R27C 、R27D 、R27E
およびR27F は同一または異なって、水素原子、アルキ
ル基またはアリール基を示す。Mはチタン原子またはバ
ナジウム原子を、Zは酸素原子または硫黄原子をそれぞ
れ示す。Cp3 、Cp4 およびCp5 は同一または異な
って、上記基(Cp-1)〜(Cp-11)で表される基を示す。
【0057】本発明においては、上記例示の電荷発生剤
のほかに、例えばセレン、セレン−テルル、アモルファ
スシリコン、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、ト
リフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系
顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などの従
来公知の電荷発生剤が使用できる。上記例示の電荷発生
剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、一種また
は二種以上を混合して用いることができる。
【0058】上記例示の電荷発生剤のうち、特に好適な
電荷発生剤としては、X型無金属フタロシアニン、オキ
ソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、
ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料などがあげられる。フ
タロシアニン系顔料は、700nm以上の波長領域に感
度を有するデジタル光学系の画像形成装置に好適に使用
される。一方、ペリレン系顔料およびビスアゾ系顔料
は、可視領域に感度を有するアナログ光学系の画像形成
装置に好適に使用される。 〔電子輸送剤〕電子輸送剤としては、例えば下記の一般
式(ET1) 〜(ET14)で表される化合物があげられる。
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】上記一般式(ET1) 〜(ET14)における置換基
および置換基の数を示す符号は、それぞれ次のとおりで
ある。R70A 、R70B 、R70C およびR70D は同一また
は異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、アラルキル基、シクロアルキル基またはアミ
ノ基を示す。但し、R70A 〜R70D のうち2つは同一の
基とする。前記例示の基のうち、水素原子以外の置換基
はさらに置換基を有してもよい。
【0064】R71A 、R71B およびR71C は同一または
異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基、アリールオキシ基またはアラルキル基を示
す。これらの基のうち、ハロゲン原子以外の置換基はさ
らに置換基を有してもよい。γ、δおよびεは同一また
は異なって、0〜5の整数である。R72、R73A 、R
73B およびR74は同一または異なって、アルキル基を示
す。Γは1〜4の整数、αは0〜4の整数である。
【0065】Δは1または2である。R75A およびR
75B は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキルオ
キシカルボニル基、水酸基、ニトロ基またはシアノ基を
示す。Qは酸素原子、基:=N−CNまたは基:=C
(CN)2 を示す。
【0066】R76は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいア
リール基を示す。R77A およびR77B は同一または異な
って、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基また
はN−アルキルカルバモイル基を示す。前記例示の基の
うち、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル
基およびN−アルキルカルバモイル基はさらに置換基を
有してもよい。ΘおよびΛは同一または異なって1〜3
の整数である。
【0067】R78A およびR78B は同一または異なっ
て、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置
換基を有してもよいアルキル基または置換基を有しても
よいアルコキシカルボニル基を示す。ΘおよびΛは同一
または異なって1〜3の整数である。R79A およびR
79B は同一または異なって、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環式基を示す。
【0068】R80はアミノ基、ジアルキルアミノ基、ア
ルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を示す。R81
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基ま
たはアラルキル基を示す。これらの基はさらに置換基を
有してもよい。なお、上記電子輸送剤において、符号
α、γ、δ、ε、ω、Γ、ΘまたはΛが2以上のとき、
もしくは符号Δが2のとき、その符号に係る置換基は互
いに異なっていてもよい。
【0069】上記例示の電子輸送剤において、ハロゲン
原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、
アリール基、アラルキル基および複素環式基としては、
前述と同様な基があげられる。また、上記基に置換して
もよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アラルキル基等があげられ
る。
【0070】また、上記例示の電子輸送剤の他に、例え
ばベンゾキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン
系化合物、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、クロルアニル、ブロモアニル、2,4,7−ト
リニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−ト
リニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロ
アントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキ
ノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マ
レイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子吸引性材料
や、これら電子吸引性材料を高分子化したもの等の従来
公知の電子輸送物質が使用できる。 〔結着樹脂〕正孔輸送剤、電荷発生剤、電子輸送剤等の
成分を分散させるための結着樹脂としては、従来より感
光層に使用されている種々の樹脂を使用できる。このよ
うな樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重
合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド
樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリ
コーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さら
にエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の
光硬化性樹脂等があげられ、これらは、単独でまたは2
種以上を混合して用いられる。上記例示の結着樹脂のう
ち、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−
アクリル系共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ポ
リカーボネート、ポリアリレート等がより好適に用いら
れる。
【0071】なお、本発明の電子写真感光体には、前記
一般式(1) で表されるジベンゾフランジアミン誘導体と
ともに、下記の一般式(HT1) 〜(HT9) で表される正孔輸
送剤を併用してもよい。
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】上記一般式(HT1) 〜(HT9) における置換基
は、それぞれ次のとおりである。R45A 、R45B 、R
47A 、R47B 、R47C 、R48A 、R48B 、R48C 、R
48D、R49A 、R49B 、R49C 、R49D 、R49E 、R
51A 、R51B 、R51C 、R52A、R52B 、R52C 、R
53A 、R53B 、R53C 、R53D 、R55A 、R55B 、R
55CおよびR55D は同一または異なって、水素原子、ハ
ロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基または置
換基を有してもよいアルコキシ基を示す。
【0077】R46A 、R46B 、R46C およびR46D は同
一または異なって、水素原子、置換基を有してもよいア
ルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示
す。R50は水素原子またはアルキル基を示す。R54A
54B 、R54C 、R54D 、R54E 、R54F は同一または
異なって、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基
を示す。これらの基は置換基を有してもよい。θは1〜
10の整数であって、λ、μ、ξ、π、σおよびφは同
一または異なって1または2である。
【0078】基Aは次式:
【0079】
【化28】
【0080】で表される基(A1)、(A2)または(A3)を示
す。なお、上記正孔輸送剤において、符号λ、μ、ξ、
π、σまたはφが2のとき、その符号に係る置換基は互
いに異なっていてもよい。上記例示の正孔輸送剤におい
て、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびア
リール基としては、前述と同様な基があげられる。ま
た、上記基に置換してもよい置換基としては、前述と同
様である。
【0081】また、上記例示の正孔輸送剤の他に、例え
ば2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、
9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等の
スチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバ
ゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル
−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等の
ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニ
ルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール
系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化
合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合
物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含
窒素環式化合物、縮合多環式化合物等の従来公知の正孔
輸送物質が使用できる。
【0082】次に、本発明の電子写真感光体の製造方法
について説明する。単層型の電子写真感光体を得るに
は、本発明のジベンゾフランジアミン誘導体(1) を、電
荷発生剤、結着樹脂等とともに適当な溶剤に溶解または
分散し、こうして得られた塗布液を、塗布等の手段によ
って導電性基体上に塗布し、乾燥させればよい。また、
前記塗布液中には、前述の、ジベンゾフランジアミン誘
導体(1) 以外の正孔輸送剤や、前記例示の電子輸送剤な
どを含有してもよい。
【0083】単層型の感光体において、電荷発生剤は、
結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好
ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよく、
正孔輸送剤は、結着樹脂100重量部に対して5〜50
0重量部、好ましくは25〜200重量部の割合で配合
すればよい。さらに電子輸送剤を配合するときは、その
配合量を結着樹脂100重量部に対して5〜100重量
部、好ましくは10〜80重量部の割合とするのが適当
である。単層型の感光層の厚さは5〜100μm、好ま
しくは10〜50μmである。
【0084】積層型の電子写真感光体を得るには、まず
導電性基体上に、蒸着または塗布等の手段によって電荷
発生剤を含有する電荷発生層を形成し、次いでこの電荷
発生層上に、本発明のジベンゾフランジアミン誘導体
(1) と結着樹脂とを含有する塗布液を塗布等の手段によ
って塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成すればよい。
積層型感光体においては、電荷発生層を構成する電荷発
生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用することができ
るが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜
1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合
で配合するのが適当である。電荷発生層に正孔輸送剤を
含有させる場合は、正孔輸送剤を結着樹脂100重量部
に対して10〜500重量部、好ましくは50〜200
重量部で配合するのが適当である。
【0085】電荷輸送層を構成する電子輸送剤と結着樹
脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しな
い範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射
により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるよう
に、本発明のジベンゾフランジアミン誘導体(1) を含む
電荷輸送剤を、結着樹脂100重量部に対して10〜5
00重量部、好ましくは25〜100樹脂の割合で配合
するのが適当である。電荷輸送層に電子輸送剤を含有さ
せる場合は、電子輸送剤を結着樹脂100重量部に対し
て5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部で
配合するのが適当である。積層型の感光層の厚さは、電
荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜
3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ま
しくは5〜50μm程度である。
【0086】単層型感光体にあっては、導電性基体と感
光層との間に、また積層型感光体にあっては、導電性基
体と電荷発生層との間、導電性基体と電荷輸送層との間
または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性
を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。
また、感光体の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
【0087】単層型および積層型の各感光層には、電子
写真特性に悪影響を与えない範囲で、それ自体公知の種
々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重
項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化
剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定
剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合すること
ができる。 また、感光層の感度を向上させるために、
例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0088】本発明の感光体に使用される導電性基体と
しては、導電性を有する種々の材料を使用することがで
き、例えばアルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バ
ナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、
ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真
鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートさ
れたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化ス
ズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられ
る。
【0089】導電性基体はシート状、ドラム状等のいず
れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、ある
いは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導
電性基体は、使用に際して、十分な機械的強度を有する
ものが好ましい。本発明における感光層は、前記した各
成分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布
液を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0090】すなわち、前記例示の電荷発生剤、電荷輸
送剤、結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方
法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペ
イントシェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散
混合して塗布液を調製し、これを公知の手段により塗
布、乾燥すればよい。塗布液をつくるための溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン
等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0091】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0092】
【実施例】ジベンゾフランジアミン誘導体の合成 合成例1 N,N,N’,N’−テトラ(m−トリル)−3,7−
ジベンゾフランジアミン(1-1) の合成 出発原料として3,7−ジベンゾフランジアミン(3)
9.91gと3−ヨードトルエン43.6gとを用い
た。この出発原料を、炭酸カリウム27.6gおよび銅
粉2gとともにニトロベンゼン300mL中に加え、強
く攪拌しながら、窒素雰囲気下で24時間還流して反応
させた。反応中に生成した水分をニトロベンゼンと共沸
させて除去し、反応液を冷却した後、無機物をろ別し、
水蒸気蒸留によってニトロベンゼンを留去した。こうし
て得られた残さをシクロヘキサンに溶解し、シリカゲル
クロマトグラフィーにて分離精製した後、シクロヘキサ
ンを留去して白色沈澱を得た。この白色沈澱をn−ヘキ
サンから再結晶して、前記式(1-1) で表される化合物
9.77g(収率35%)を得た。
【0093】化合物(1-1) の元素分析結果は次のとおり
である。 計算値(%) C:85.99 H:6.13 N:5.02 実測値(%) C:85.89 H:6.09 N:5.01 合成例2 N,N’−ジ(m−トリル)−N,N’−ジ(4’−エ
チル−4−ビフェニリル)−3,7−ジベンゾフランジ
アミン(1-3) の合成 3,7−ジベンゾフランジアミン(3) および塩化アセチ
ルとを1:2(モル比)の割合で反応させて3,7−ジ
ベンゾフランジアミンのジアセチル化物を得た後、この
ジアセチル化物と3−ヨードトルエンとを1:2(モル
比)の割合で反応させ、さらに脱アセチル化した。次い
で、得られたN,N’−ジ(m−トリル)−3,7−ジ
ベンゾフランジアミンと4−エチル−4’−ヨードビフ
ェニルとを1:2(モル比)の割合で反応させて、前記
式(1-3) で表される化合物を得た。
【0094】化合物(1-3) の元素分析結果は次のとおり
である。 計算値(%) C:87.76 H:6.28 N:3.79 実測値(%) C:87.73 H:6.24 N:3.77 合成例3 N,N,N’,N’−テトラ(m−トリル)−1−メチ
ル−3,7−ジベンゾフランジアミン(1-4) の合成 3,7−ジベンゾフランジアミン(3) に代えて、1−メ
チル−3,7−ジベンゾフランジアミンを用いたほかは
合成例1と同様にして、前記式(1-4) で表される化合物
を得た。
【0095】化合物(1-4) の元素分析結果は次のとおり
である。 計算値(%) C:85.82 H:6.50 N:4.89 実測値(%) C:85.80 H:6.50 N:4.86 合成例4 N,N’−ジ(m−トリル)−N,N’−ジ(2,4−
キシリル)−3,7−ジベンゾフランジアミン(1-7) の
合成 4−エチル−4’−ヨードビフェニルに代えて、4−ヨ
ード−1,3−キシレンを用いたほかは合成例2と同様
にして、前記式(1-7) で表される化合物を得た。
【0096】化合物(1-7) の元素分析結果は次のとおり
である。 計算値(%) C:85.67 H:6.85 N:4.76 実測値(%) C:85.65 H:6.83 N:4.73電子写真感光体の製造 以下の実施例および比較例において、電荷発生剤には、
前記式(CG1) で表されるメタルフリーフタロシアニン、
前記式(CG2) で表されるチタニルフタロシアニン、式(C
G3-1) :
【0097】
【化29】
【0098】で表されるペリレン顔料、式(CG4-1) 、(C
G4-2) および(CG4-3) :
【0099】
【化30】
【0100】で表されるビスアゾ顔料のいずれかを使用
した。正孔輸送剤には、合成例1〜4で得られた本発明
のジベンゾフランジアミン誘導体と、式(2-1) :
【0101】
【化31】
【0102】で表されるフェニレンジアミン誘導体を使
用した。電子輸送剤には、式(ET-1):
【0103】
【化32】
【0104】で表されるジフェノキノン誘導体を使用し
た。また、実施例および比較例で得られた電子写真感光
体について以下の試験を行い、感光体の感度および耐久
性を評価した。 (初期電気特性試験)ジェンテック(GENTEC)社製のド
ラム感度試験機を用いて各実施例および比較例で得られ
た電子写真感光体の表面に印加電圧を加え、その表面を
±700±20Vに帯電させた後、表面電位Vo (V)
を測定した。次いで、この感光体に光を1.5秒間照射
して露光させ、上記表面電位が1/2になるのに要した
時間を測定し、半減露光量E1/2 (μJ/cm2 )を求
めた。また、露光開始から0.5秒経過後の感光体の表
面電位(残留電位)Vr (V)を測定した。なお、半減
露光量E1/2 および残留電位Vr の値が小さいほど、電
子写真感光体の感度が優れていることを示す。
【0105】光照射の条件は、デジタル光源用電子写真
感光体とアナログ光源用電子写真感光体とによって異な
る。デジタル光源用の場合には、バンドパスフィルター
を用いて波長780nm(反値幅20nm)に単色化し
た光(ハロゲンランプ、光強度:8μJ/cm2 )を照
射した。一方、アナログ光源用の場合には、ハロゲンラ
ンプの白色光(光強度:8ルックス)を照射した。ま
た、印加電圧の大きさは、単層型電子写真感光体では+
700±20V、積層型電子写真感光体では−700±
20Vである。 (繰り返し特性試験)各実施例および比較例で得られた
電子写真感光体を用いて2万回の画像形成を行った後、
上記初期電気特性試験と同様の方法にて、表面電位Vo
および残留電位Vr を測定した。次いで、それぞれの初
期値との差ΔVo (V)およびΔVr(V)を求め、繰
り返し露光した後の電気特性を評価した。なお、ΔVo
およびΔVr の値が小さいほど、露光を繰り返しても劣
化が少なく、電気特性が安定していることを示す。
【0106】画像形成に用いた装置は、デジタル光源用
感光体の場合には、レーザービームプリンタ(三田工業
(株)製の型番TC−650)である。一方、アナログ
光源用感光体の場合には、静電式複写機(三田工業
(株)製の型番DC2556)を用いた。 (磨耗量の測定)各実施例および比較例で得られた電子
写真感光体を用い、上記繰り返し特性試験と同様の方法
で2万回の画像形成を行った後、感光層の磨耗量(μ
m)を測定した。なお、磨耗量が少ないほど、感光体の
耐久性が優れていることを示す。 実施例1〜8、比較例1〜2(デジタル光源用単層型電
子写真感光体) 電荷発生剤5重量部、正孔輸送剤100重量部および結
着樹脂(ポリカーボネート)100重量部を、溶媒(テ
トラヒドロフラン)800重量部とともにボールミルに
て50時間混合分散させて、単層型感光層用の塗布液を
作製した。次いで、この塗布液を導電性基材(アルミニ
ウム素管)上にディップコート法にて塗布し、110℃
で30分間熱風乾燥して、膜厚25μmの感光層を有す
る単層型電子写真感光体を製造した。
【0107】上記実施例および比較例で使用した電荷発
生剤および正孔輸送剤の種類と、電気特性試験の結果と
を表1に示す。なお、以下の表においては、電荷発生剤
および正孔輸送剤の種類を化学式の番号で示す。
【0108】
【表1】
【0109】実施例9〜20、比較例3〜6(アナログ
光源用単層型電子写真感光体) 電荷発生剤が異なるほかは、実施例1〜8または比較例
1〜2と同様にして単層型電子写真感光体を製造した。
使用した電荷発生剤および正孔輸送剤の種類と各種試験
の結果とを表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】実施例21〜28(デジタル光源用単層型
電子写真感光体) 電荷発生剤5重量部、正孔輸送剤100重量部および結
着樹脂(ポリカーボネート)100重量部に加えて、さ
らに電子輸送剤30重量部を配合したほかは、実施例1
〜8と同様にして単層型電子写真感光体を製造した。使
用した電荷発生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種類
と各種試験の結果とを表3に示す。なお、以下の表にお
いては、電子輸送剤をその化学式の番号で示す。
【0112】
【表3】
【0113】実施例29〜40(アナログ光源用単層型
電子写真感光体) 電荷発生剤が異なるほかは、実施例21〜24と同様に
して単層型電子写真感光体を製造した。使用した電荷発
生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種類と各種試験の
結果とを表4に示す。
【0114】
【表4】
【0115】実施例41〜48、比較例7〜8(デジタ
ル光源用積層型電子写真感光体) 電荷発生剤2.5重量部および結着樹脂(ポリビニルブ
チラール)1重量部を、溶媒(テトラヒドロフラン)1
5重量部とともにボールミルにて混合分散させて、電荷
発生層用の塗布液を作製した。次いで、この塗布液を導
電性基材(アルミニウム素管)上にディップコート法に
て塗布し、110℃で30分間熱風乾燥して、膜厚0.
5μmの電荷発生層を形成した。
【0116】次に、正孔輸送剤1重量部および結着樹脂
(ポリカーボネート)1重量部を、溶媒(テトラヒドロ
フラン)10重量部とともにボールミルにて混合分散さ
せて、電荷輸送層用の塗布液を作製した。次いで、この
塗布液を上記電荷発生層上にディップコート法にて塗布
し、110℃で30分間熱風乾燥して、膜厚20μmの
電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光体を製造し
た。
【0117】上記実施例および比較例で使用した電荷発
生剤および正孔輸送剤の種類と各種試験の結果とを表5
に示す。
【0118】
【表5】
【0119】実施例49〜60、比較例9〜12(アナ
ログ光源用積層型電子写真感光体) 電荷発生剤が異なるほかは、実施例41〜48または比
較例7〜8と同様にして積層型電子写真感光体を製造し
た。使用した電荷発生剤および正孔輸送剤の種類と各種
試験の結果とを表6に示す。
【0120】
【表6】
【0121】表1〜6から明らかなように、本発明のジ
ベンゾフランジアミン誘導体(1) を用いた実施例1〜6
0の電子写真感光体は、従来のフェニレンジアミン誘導
体を用いた比較例の電子写真感光体に比べて、感度が優
れており、露光を繰り返しても劣化が少なく、安定した
電気特性を有している。さらに、耐磨耗性にも優れてい
る。
【0122】また、表3〜4から明らかなように、ジベ
ンゾフランジアミン誘導体(1) と電子輸送剤とを併用し
た実施例21〜40の電子写真感光体は、他の実施例よ
りも、感度および電気特性の安定性に優れている。
【0123】
【発明の効果】本発明のジベンゾフランジアミン誘導体
(1) は、高い電荷輸送能を有するとともに、安定性にも
優れている。従って、本発明のジベンゾフランジアミン
誘導体(1) は、例えば電子写真感光体、太陽電池、エレ
クトロルミネッセンス素子等における電荷輸送剤、とり
わけ正孔輸送剤として好適に使用できる。
【0124】また、本発明の電子写真感光体は、従来の
感光体に比べて感度特性に優れているとともに、露光を
繰り返したときの安定性に優れ、かつ耐磨耗性にも優れ
ている。さらに、電子輸送剤を併用した場合は、より優
れた感度特性を示す。従って、本発明の電子写真感光体
は、静電式複写機やレーザービームプリンタ等の各種画
像形成装置の高速化、高性能化に寄与するという特有の
作用効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は同一また
    は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、アリール基またはアラルキル基を示す。前記アルキ
    ル基、アルコキシ基、アリール基およびアラルキル基は
    置換基を有してもよい。a,b,cおよびdは同一また
    は異なって0〜5の整数、eは0〜6の整数を示す。a
    〜eが2以上のとき、各置換基は互いに異なっていても
    よい。)で表されることを特徴とするジベンゾフランジ
    アミン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に感光層を設けた電子写真感
    光体であって、前記感光層が、請求項1記載の一般式
    (1) で表されるジベンゾフランジアミン誘導体を含有す
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記感光層が、さらに少なくとも電荷発生
    剤と電子輸送剤とを含有した単層型の感光層である請求
    項2記載の電子写真感光体。
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