JPH09149946A - 使い捨て衛生マスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使い捨てマスクの耳掛け部どうしの絡み合い
を防止する。 【解決手段】 着用者の口許などに対する覆い部２と耳
掛け部３とからなる不織布製の使い捨てマスク１におい
て、覆い部２の側端部分６と耳掛け部３の基端部分７と
が重なり合って接合し、連結部１０を形成する。連結部
１０の外面は、繊維形態を失い、平滑面を成す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、不織布製の使い捨て
衛生マスクに関し、さらに詳しくは、病院における医
師、看護婦、食品等の製造工場における作業者が着用す
るのに好適な使い捨て衛生マスクに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、使い捨て衛生マスクとして、１枚
の伸縮性の発泡ウレタンシートや不織布を打ち抜いて口
許や鼻孔周辺を覆うための覆い部と、耳掛け部とを一体
的に形成したものや、口許を覆うカップ状のプラスチッ
ク成形品の左右両側に耳掛け部としてゴム紐を取りつけ
たもの等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のマスク
では、これを着用しようとするときに耳掛け部が垂れ下
がり、互いに絡み合うことがある。そのようになったマ
スクは、耳掛け部の絡み合いをほぐさなければならず、
着用に手間がかかる。また、この種マスクの生産現場で
は、絡み合った耳掛け部を予めほぐさなければ、マスク
を包装することができない場合がある。さらにはまた、
ウレタンシートや不織布を使用したマスクは、重ね合わ
せたときにマスクどうしが密着してそれらを個々に識別
することができず、マスクを一枚ずつ手にとることが難
しい場合がある。

【０００４】そこで、この発明は、使い捨てマスクにお
いて、耳掛け部を垂れ下がりにくくすると同時に、重ね
たマスクどうしが密着しないようにすることを課題にし
ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明では、着用者の少なくとも口許に対する覆
い部と、該覆い部の対向側から延びる耳掛け部とからな
る不織布製の使い捨てマスクを前提にしている。

【０００６】かかる前提において、前記覆い部と耳掛け
部とが熱可塑性合成繊維からなる不織布によってそれぞ
れ別体につくられ、前記覆い部の側端部分と前記耳掛け
部の基端部分とが重なり合って接合するとともに、その
重なり合った部位の外面において前記熱可塑性合成繊維
が溶融し、その繊維形態を失って平滑面を形成している
ことが、この発明の特徴である。。

【０００７】

【実施例】添付の図面を参照して、この発明にかかる使
い捨てマスクの詳細を説明すると、以下のとおりであ
る。

【０００８】図１に斜視図で示すマスク１は、着用者の
口許や鼻孔周辺を覆うことが可能な形状と大きさを有す
る覆い部２と、不織布の当該部位にスリットを設けるこ
とで形成された耳に掛けるための孔５を有する左右一対
の耳掛け部３とで構成され、覆い部２の側端部分６と耳
掛け部３の基端部分７とが基端部分７を内側にして重な
り合い、互いに接合して連結部１０を形成している。覆
い部２は、その左右を構成するそれぞれのシート部材２
Ａ，２Ｂがマスク１の中央において上下方向に延びる接
合部位４で一体になっている。

【０００９】覆い部２と耳掛け部３とは、それぞれ熱可
塑性合成繊維を含む柔軟な不織布、好ましくは該繊維を
６０重量％以上含む不織布で構成されている。これらの
連結部１０では、重なり合う不織布が加熱・加圧される
ことにより溶融して一体化した状態にある。この状態で
は、側端部分６と基端部分７の殆どの合成繊維がその形
態を失ってフィルム状となり、残余の不織布部分よりも
高い剛性を有する。また、側端部分６の外面は、繊維が
溶融して平滑な面を形成している。

【００１０】覆い部２では、不織布製のシート部材２
Ａ，２Ｂが加熱・加圧されることによりフィルム化して
接合部位４を形成している。接合部位４の剛性は、覆い
部２や耳掛け部３の不織布部分よりも高く、また連結部
１０の剛性よりも高い場合と、低い場合とがある。

【００１１】このように構成したマスク１は、図示のよ
うに、剛性の高い連結部１０の存在によって上下方向に
延びた状態を保つことができる。それに伴い、柔軟な不
織布でできた耳掛け部３は、少なくとも連結部１０の近
傍で上下方向に延び、たとい垂れ下がることがあって
も、それは仮想線で図示のように該部３の側端部分１３
に限られる。従って、このマスク１では左右の耳掛け部
３の絡み合いを効果的に防止することができる。なお、
覆い部２は、接合部位４と連結部１０とによって、上下
方向に延びた状態を維持することができる。

【００１２】一般に、不織布製マスクは、それを重ね合
わせるとマスクどうしの間で不織布の構成繊維が絡み合
い、マスクを１枚ずつ識別してそれを手にとることが困
難になる場合がある。しかしながら、このマスク１で
は、少なくとも連結部１０の外面で不織布が溶融して平
滑面を成しているから、重ねたマスク１が、ここでは絡
み合うことがなく、１枚ずつを容易に識別することがで
きる。また、このマスク１では、連結部１０を形成する
際に、側端部分６と基端部分７とを熱溶着すると同時に
側端部分６の外面を溶融して平滑面にすることが可能で
あり、そうすることによって従来技術のマスクに見られ
た問題を一挙に解決することができる。ただし、側端部
分６と基端部分７とを溶着することなく、ホットメルト
型接着剤で接合してこの発明を実施することも可能であ
る。

【００１３】

【発明の効果】この発明にかかるマスクでは、覆い部と
耳掛け部とが重なり合う連結部の剛性が高く、かつ、連
結部の外面が平滑であるから、両側の耳掛け部は絡み合
うことがなく、着用や包装が容易である。また、マスク
どうしが重なり合っても１枚ずつを容易に識別すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】マスクの斜視図。

【符号の説明】

１ マスク ２ 覆い部 ３ 耳掛け部 ６ 側端部分 ７ 基端部分 １０ 連結部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】着用者の少なくとも口許に対する覆い部
   と、該覆い部の対向側から延びる耳掛け部とからなる不
   織布製の使い捨て衛生マスクであって、 前記覆い部と耳掛け部とが熱可塑性合成繊維からなる不
   織布によってそれぞれ別体につくられ、前記覆い部の側
   端部分と前記耳掛け部の基端部分とが重なり合って接合
   するとともに、その重なり合った部位の外面において前
   記熱可塑性合成繊維が溶融し、その繊維形態を失って平
   滑面を形成していることを特徴とする前記マスク。
2. 【請求項２】重なり合う前記側端部分と基端部分とが、
   互いに溶着することによって接合している請求項１記載
   のマスク。