JPH0914691A - 移動式空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体内に冷凍サイクル一式を収納する移動式
空気調和装置を小形軽量に構成する。 【構成】 本体１を仕切板１Ｂで区画し、各室２Ａ，２
Ｂに吸込口１ａ，１ｃ及び吹出口１ｂ，１ｄを設ける。
蒸発器３及び蒸発用送風機５並びに凝縮器４及び凝縮用
送風機６を設置する。これで、吹出口１ｂから冷風が、
吹出口１ｄから温風が吹き出される。蒸発器３及び凝縮
器４は冷凍サイクルの一部をなす伝熱管及びこの伝熱管
に接合された細線フィンからなる薄形の熱交換器を用い
るため、スペースは少なくて済む。本体１はキャスタ８
で移動可能となり、本体１を台車等に載置する必要はな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、移動可能に構成され
た空気調和装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１２は例えば特開昭６２−６９０２９
号公報に示された従来の移動式空気調和装置を示す縦断
面図である。図において、１は仕切板１Ａで蒸発器室２
Ａと凝縮器室２Ｂに仕切られた本体で、吸込口１ａ，１
ｃ及び排気口１ｄを有している。３は吸込口１ａに対応
して設けられた熱交換器からなる蒸発器、４は吸込口１
ｃに対応して設けられた熱交換器からなる凝縮器、５は
蒸発器３の上方に配置された蒸発用送風機で、ダクト５
ａを通じて吹出口５ｂが設けられている。６は凝縮器４
の上方に配置され排気口１ｄに対応する凝縮用送風機で
ある。

【０００３】ａ１，ａ２は吸込空気、ｂ１，ｂ２は吹出
空気、７は本体１が載置された台車で、キャスタ８を有
している。

【０００４】従来の移動式空気調和装置は上記のように
構成され、冷房時、両送風機５，６が運転されると、室
内空気は吸込口１ｃから吸い込まれ、凝縮器４により加
熱されて排気口１ｄから排出される。また、室内空気は
吸込口１ａから吸い込まれ、蒸発器３により冷却され、
冷風がダクト５ａを通じて吹出口５ｂから吹き出されて
室内を冷房する。暖房時は上記と逆の動作となり、排気
口１ｄから冷風が排出され、吹出口５ｂから温風が吹き
出されて室内を暖房する。

【０００５】本体１は台車７に載置されているため、キ
ャスタ８の転動により希望場所へ移動容易であり、工場
などの局所的な冷暖房に便利なものとなっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の移
動式空気調和装置では、本体１内に蒸発器３、凝縮器４
等の冷凍サイクルを収納して、通常の室内機と室外機を
一体化しているため、小形化が困難になるという問題点
がある。また、移動のための台車７が必要であるという
問題点がある。

【０００７】この発明は上記問題点を解消するためにな
されたもので、小形軽量に構成でき、台車も不要にでき
るとともに、使用上の便利さも向上できるようにした移
動式空気調和装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の第１発明に係
る移動式空気調和装置は、蒸発器室と凝縮器室とに区画
されそれぞれ吸込口及び吹出口を有する本体と、蒸発器
室に設置された蒸発用送風機と、凝縮器室に設置された
凝縮用送風機と、蒸発用送風機と蒸発器室の吹出口の間
に配置された蒸発器と、凝縮用送風機と凝縮器室の吹出
口の間に配置された凝縮器とを備え、蒸発器及び凝縮器
をそれぞれ冷凍サイクルの一部をなす伝熱管及びこの伝
熱管に接合された細線フィンからなる熱交換器で構成し
たものである。

【０００９】また、第２発明に係る移動式空気調和装置
は、第１発明のものにおいて、本体下部にキャスタを設
けたものである。

【００１０】また、第３発明に係る移動式空気調和装置
は、第１又は第２発明のものにおいて、蒸発器室の吹出
口又は凝縮器室の吹出口に伸縮自在のノズルを着脱可能
に装着したものである。

【００１１】また、第４発明に係る移動式空気調和装置
は、第１〜第３発明のものにおいて、蒸発器室の吹出口
と蒸発器の間、又は凝縮器室の吹出口と凝縮器の間に殺
虫剤を配置したものである。

【００１２】また、第５発明に係る移動式空気調和装置
は、第１〜第４発明のものにおいて、蒸発器又は凝縮器
を可撓管で配管して本体外に引出し可能に構成したもの
である。

【００１３】

【作用】この発明の第１発明においては、本体内に区画
された蒸発器室及び凝縮器室にそれぞれ設置された蒸発
器及び凝縮器を、それぞれ伝熱管と細線フィンからなる
熱交換器で構成したため、蒸発器及び凝縮器は薄形に形
成される。

【００１４】また、第２発明においては、本体下部にキ
ャスタを設けたため、本体は移動可能となる。

【００１５】また、第３発明においては、蒸発器室又は
凝縮器室の吹出口に伸縮自在のノズルを装着したため、
本体から離れた場所へ吹出口を移動させることが可能と
なる。

【００１６】また、第４発明においては、蒸発器室又は
凝縮器室の吹出口部分に殺虫剤を配置したため、吹出空
気に殺虫機能を付与することが可能となる。

【００１７】また、第５発明においては、蒸発器又は凝
縮器を可撓管で引出し可能にしたため、蒸発器又は凝縮
器を本体外部で使用することが可能となる。

【００１８】

【実施例】

実施例１．図１〜図６はこの発明の第１及び第２発明の
一実施例を示す図で、図１は平面断面図、図２は外観斜
視図、図３は縦断側面図、図４は図３のIV−IV線断面
図、図５は図４のＶ−Ｖ線断面図、図６は冷凍サイクル
図であり、従来装置と同様の部分は同一符号で示す（以
下の実施例も同じ）。

【００１９】図１〜図５において、１Ｂは仕切板、１ｂ
は吹出口であり、１１は仕切板１Ｂに設置されたモータ
で、蒸発用送風機５及び凝縮用送風機６に結合されてい
る。蒸発用送風機５と吹出口１ｂの間に蒸発器３が、凝
縮用送風機６と排気口１ｄの間に凝縮器４が配置されて
いる。蒸発器３及び凝縮器４は、例えば特開平６−３３
１２９０号公報に示されるように、冷凍サイクルに配管
１２ａ，１２ｂを介して挿入された複数本の伝熱管１３
と、この伝熱管１３に接合された細線フィン１４により
薄形に形成された熱交換器を構成している。

【００２０】１６は本体１の下部に設置された圧縮機で
ある。また、本体１の下面にはキャスタ８が装着されて
いる。なお、図示していないが、蒸発器３の下部にはド
レンを貯留するドレンパンが設けられており、吸込口１
ａ，１ｃ及び吹出口１ｂ，１ｄにはグリルを有してい
る。図６において、１７は絞りであり、圧縮機１６、凝
縮器４、絞り１７及び蒸発器３が直列に接続されてい
る。

【００２１】次に、この実施例の動作を説明する。本体
１はキャスタ８により所望の場所へ移動させて使用され
る。使用する際の電力には電池が用いられる。この装置
の基本的な動作は従来装置と同様であり、圧縮機１６が
運転されると、図６の冷凍サイクルが動作し、吸込空気
ａ２は凝縮器４で加熱されて吹出空気ｂ２となり、室内
に吹き出される。また、吸込空気ａ１は蒸発器３で冷却
されて吹出空気ｂ１となり、室内に吹き出される。

【００２２】このようにして、本体１は台車等に載置す
ることなく移動は容易であり、屋外でも使用が可能であ
る。蒸発器３及び凝縮器４は薄形に形成されているた
め、装置を小形軽量に構成することが可能である。

【００２３】実施例２．図７〜図９はこの発明の第３発
明の一実施例を示す図で、図７は縦断側面図、図８は状
態説明図で、図８（ａ）はノズル収納時、図８（ｂ）は
ノズル伸長時、図９は使用例を示す斜視図である。図７
及び図８において、２１は本体１に着脱自在に装着され
吹出口１ｄに連通する伸縮自在のノズル、２２は本体１
内に設けられノズル２１を収納する収納庫である。上記
以外は実施例１と同様である。

【００２４】普段は、図８（ａ）に示すようにノズル２
１は圧縮されて収納庫２２に収納されている。ノズル２
１の使用時は、収納庫２２からノズル２１を取り出して
図７に示すように装着する。ノズル２１は伸縮自在であ
るため、図８（ｂ）に示すように伸長して使用すること
が可能である。例えば、図９に示すようにテント２３内
にノズル２１の先端を挿入することにより、テント２３
内の空気調和が可能となる。更に、洗濯物や湿った靴な
ど、ぬれているものにノズル２１の先端を近づけること
で、それらを乾かすことが可能となる。なお、ノズル２
１は吹出口１ｂにも装着可能であることは明白である。

【００２５】実施例３．図１０はこの発明の第４発明の
一実施例を示す縦断側面図である。この実施例は吹出口
１ｄと凝縮器４の間に殺虫剤２５を配置したものであ
る。上記以外は実施例１と同様である。すなわち、吹出
口１ｄからの吹出空気ｂ２は殺虫剤２５を通っているた
め殺虫機能を有している。したがって、戸外で使用する
際、防虫に有用なものとなる。実施例２と併用すれば更
に望ましいものとなる。なお、吹出口１ｂと蒸発器３の
間に殺虫剤２５を配置すれば、吹出空気ｂ１に殺虫機能
を与えることが可能となる。

【００２６】実施例４．図１１はこの発明の第５発明の
一実施例を示す縦断側面図で、図１１（ａ）は凝縮器収
納時、図１１（ｂ）は凝縮器取出し時を示す。図におい
て、２７Ａ，２７Ｂは凝縮器４を冷凍サイクル内に接続
する可撓管、２８は本体１外に設置され水２９を貯留し
た水槽である。

【００２７】普段は、図１１（ａ）に示すように凝縮器
４は本体１内の所定位置に設定され、可撓管２７Ａ，２
７Ｂも本体１内に収納されている。使用時は吹出口１ｄ
のグリルを取り外し、図１１（ｂ）に示すように凝縮器
４を本体１の外部へ引き出し、水槽２８の水２９を浸漬
する。これで、水２９を加温することが可能となる。な
お、同様に蒸発器３を可撓管２７Ａ，２７Ｂで引き出す
ようにして、水２９を冷却することも可能である。

【００２８】なお、実施例１〜実施例４のすべての機能
を持つ空気調和装置を構成してもよいことは明白であ
る。これで、実用上優れた機能を備えた装置とすること
が可能となる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したとおりこの発明の第１発明
では、本体内に区画された蒸発器室及び凝縮器室にそれ
ぞれ設置された蒸発器及び凝縮器を、それぞれ伝熱管と
細線フィンからなる熱交換器で構成したので、蒸発器及
び凝縮器は薄形に形成され、装置を小形軽量に構成する
ことができる効果がある。

【００３０】また、第２発明では、本体下部にキャスタ
を設けたので、本体は移動可能となり、本体を台車に載
置して移動する必要をなくすことができる効果がある。

【００３１】また、第３発明では、蒸発器室又は凝縮器
室の吹出口に、伸縮自在のノズルを装着したので、本体
から離れた場所へ吹出口を移動させることが可能とな
り、局所の空気調和をすることができる効果がある。

【００３２】また、第４発明では、蒸発器室又は凝縮器
室の吹出口部分に殺虫剤を配置したので、吹出空気に殺
虫機能を付与することが可能となり、戸外で使用する
際、防虫に有用なものとすることができる効果がある。

【００３３】また、第５発明では、蒸発器又は凝縮器を
可撓管で引出し可能にしたので、蒸発器又は凝縮器を本
体外部で使用することが可能となり、水槽内の水を加温
又は冷却することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施例１を示す平面断面図。

【図２】 この発明の実施例１を示す外観斜視図。

【図３】 図２の縦断側面図。

【図４】 図３のIV−IV線断面図。

【図５】 図４のＶ−Ｖ線断面図。

【図６】 この発明の実施例１を示す冷凍サイクル図。

【図７】 この発明の実施例２を示す縦断側面図。

【図８】 図７の状態説明図で、（ａ）はノズル収納
時、（ｂ）はノズル伸長時。

【図９】 図７の使用例を示す斜視図。

【図１０】 この発明の実施例３を示す縦断側面図。

【図１１】 この発明の実施例４を示す縦断面図で、
（ａ）は凝縮器収納時、（ｂ）は凝縮器取出し時。

【図１２】 従来の移動式空気調和装置を示す縦断面
図。

【符号の説明】

１ 本体、１Ｂ 仕切板、１ａ 吸込口、１ｂ 吹出
口、１ｃ 吸込口、１ｄ吹出口、３ 蒸発器、４ 凝縮
器、５ 蒸発用送風機、６ 凝縮用送風機、８キャス
タ、１３ 伝熱管、１４ 細線フィン、２１ ノズル、
２５ 殺虫剤、２７Ａ，２７Ｂ 可撓管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 厚志 静岡市小鹿三丁目18番１号 三菱電機エン ジニアリング株式会社名古屋事業所静岡支 所内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸発器室と凝縮器室とに区画されそれぞ
   れ吸込口及び吹出口を有する本体と、上記蒸発器室に設
   置された蒸発用送風機と、上記凝縮器室に設置された凝
   縮用送風機と、上記蒸発用送風機と上記蒸発器室の吹出
   口の間に配置された蒸発器と、上記凝縮用送風機と上記
   凝縮器室の吹出口の間に配置された凝縮器とを備え、上
   記蒸発器及び凝縮器をそれぞれ冷凍サイクルの一部をな
   す伝熱管及びこの伝熱管に接合された細線フィンからな
   る熱交換器で構成してなる移動式空気調和装置。
2. 【請求項２】 本体下部にキャスタを設けたことを特徴
   とする請求項１記載の移動式空気調和装置。
3. 【請求項３】 蒸発器室の吹出口又は凝縮器室の吹出口
   に伸縮自在のノズルを着脱可能に装着したことを特徴と
   する請求項１又は請求項２記載の移動式空気調和装置。
4. 【請求項４】 蒸発器室の吹出口と蒸発器の間又は凝縮
   器室の吹出口と凝縮器の間に殺虫剤を配置したことを特
   徴とする請求項１〜請求項３のいずれかに記載の移動式
   空気調和装置。
5. 【請求項５】 蒸発器又は凝縮器を可撓管で配管して本
   体外に引出し可能に構成したことを特徴とする請求項１
   〜請求項４のいずれかに記載の移動式空気調和装置。