JPH09146174A - 透過型スクリーン用拡散板 - Google Patents

透過型スクリーン用拡散板

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JPH09146174A
JPH09146174A JP7300089A JP30008995A JPH09146174A JP H09146174 A JPH09146174 A JP H09146174A JP 7300089 A JP7300089 A JP 7300089A JP 30008995 A JP30008995 A JP 30008995A JP H09146174 A JPH09146174 A JP H09146174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シースルー現象がなく、優れた光拡散性を有
するとともに、高いコントラストを有する高品質の明る
い映像の得られる透過型スクリーン用拡散板を提供す
る。 【解決手段】 ネオジウム元素を0.05〜20重量%
含有する光選択機能性樹脂ビーズ1〜25重量%と、平
均粒子径3〜6μmのシリコーン樹脂ビーズを0.01
〜1重量%含有する透過型スクリーン用拡散板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
テレビ等の画面として用いられる透過型スクリーンに用
いられる光拡散板に関するものであり、さらに詳しく
は、シースルー現象jがなく、優れた光拡散性を有する
とともに、高いコントラストを有する高品質の明るい映
像を提供することができる透過型スクリーン用拡散板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビ等において使用
される透過型スクリーンにおいては、画面の明るさおよ
び均一性が得られるように、また斜め方向から観察した
場合でもある程度の明るい像が観察できるように、拡散
板を用いて投影光を拡散している。このような拡散板と
しては、拡散剤を混入した樹脂板や、このような樹脂板
にさらに表面にレンチキュラーレンズを形成したレンチ
キュラーレンズシート等の拡散板が使用されている。
【0003】このような拡散板に使用される拡散剤とし
ては、シリカ粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒
子、ガラスビーズ等の無機粒子、アクリル系樹脂ビー
ズ、スチレン系樹脂ビーズ等の樹脂ビーズ等が使用され
ていた。しかし、このような拡散剤を使用した拡散板で
は、拡散剤の添加量が少ない場合にはスクリーンの明る
さ(ゲイン:G0 )は高くなるものの、光源が透けて見
えるシースルー現象が発生する。一方、添加量が多くな
るとこのようなシースルー現象はなくなり、高い拡散性
が得られ視野角は広くなるものの、スクリーンゲインや
解像力が低下する。透過型スクリーンでは、高い全光線
透過率、曇価、光拡散性、コントラストとともに、シー
スルー現象のない優れた映像が得られることが要求され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような要求に対し
て、特開平1−172801号公報では、拡散剤として
シリコーン樹脂ビーズを用いることより、全光線透過率
を低下させることなく光拡散性を高める拡散板が提案さ
れている。しかしながら、メチリメタクリレート系樹脂
板等に、このようなシリコーン樹脂ビーズを添加して拡
散板とした場合には、両者の屈折率差によってスクリー
ンゲインの高い領域で微小な視野角変化に対して輝度変
化が大きくなり、シースルー現象が発生するという問題
点を有していた。このようなシリコーン樹脂ビーズによ
るシースルー現象を抑止するために、特開平1−269
902号公報には、シリコーン樹脂ビーズと架橋ポリマ
ービーズを併用することが提案されている。しかし、こ
のような拡散板においては、シースルー現象は抑止でき
るものの、黄色い着色が起こるとともに、コントラスト
が低く未だ十分に満足できるものではなかった。そこ
で、本発明の目的は、高い全光線透過率と優れた光拡散
性を有するとともに、シースルー現象がなく、高いコン
トラストを有する高品質の明るい映像が得られる透過型
スクリーン用拡散板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の有する問題点を鑑み、拡散板に添加する拡散剤に
ついて鋭意検討を行った結果、本発明に到達したもので
ある。すなわち、本発明の透過型スクリーン用拡散板
は、ネオジウム元素を0.05〜20重量%含有する光
選択機能性樹脂ビーズ1〜25重量%と、平均粒子径3
〜6μmのシリコーン樹脂ビーズを0.01〜1重量%
含有することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる光選択機能性
樹脂ビーズは、波長580nm付近の波長域で選択的に
光線を吸収し、スクリーンのコントラストを高めるとと
もに、防眩性や演色性を向上させるものであり、透明樹
脂中にネオジウム元素が含有されている樹脂ビーズが使
用される。透明樹脂としては、特に限定されるものでは
ないが、メチルメタクリレート系樹脂等の(メタ)アク
リル系樹脂が好ましい。透明樹脂中のネオジウム元素の
含有量は、0.05〜20重量%であり、好ましくは
0.1〜15重量%の範囲である。これは、ネオジウム
元素の含有量が0.05重量%未満では、十分にコント
ラストを高めることができず、20重量%を超えると光
選択機能性樹脂ビーズの生産性に劣るためである。
【0007】ネオジウム元素を含有する光選択機能性樹
脂ビーズとしては、透明樹脂中に酸化ネイジウム等の粉
末を均一に分散させたもの、透明樹脂にネオジウム化合
物が結合あるいは溶解した状態で含有されているもの等
が挙げられるが、ビーズの透明性や580nm付近での
光吸収の大きさ等の点から後者のような光選択機能性樹
脂ビーズが特に好ましい。後者のような光選択機能性樹
脂ビーズは、例えば、カルボン酸ネオジウムあるいはカ
ルボン酸ネオジウムとカルボン酸から得られた複塩と、
重合ポリマーが透明となり得る重合性モノマーとを懸濁
重合することによって製造できる。
【0008】使用されるカルボン酸ネオジウムとして
は、重合性を有するものでも、非重合性のもであっても
よい。重合性を有するカルボン酸ネオジウムとしては、
メタクリル酸ネオジウム、アクリル酸ネオジウム、α−
クロロアクリル酸ネオジウム、α−エチルメタクリル酸
ネオジウム、マレイン酸ネオジウム、フマール酸ネオジ
ウム、イタコン酸ネオジウム等が挙げられる。また、非
重合性のカルボン酸ネオジウムとしては、プロピオン
酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、n
−カプロン酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、α−
エチルヘキ酸、ラウリル酸、ステアリル酸等の飽和脂肪
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール
酸、安息香酸、フタール酸、コハク酸、マレイン酸、イ
タコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、ナフテン
酸等の不飽和脂肪酸、レプリン酸、アセチル酸等のオキ
ソカルボン酸、乳酸、グリコール酸エチルエーテル、グ
リコール酸ブチルエーテル等のヒドロキシカルボン酸、
ブチルアッシドフォスフェート、エチルアッシドフォス
フェート等の燐酸類、脂肪族、芳香族のスルホン酸等の
ネオジウム塩が挙げられる。これらカルボン酸ネオジウ
ムは、単独もしくは2種以上を併用して使用することが
でき、重合性のものと非重合性のものとを併用すること
もできる。
【0009】このようなカルボン酸ネオジウムは、重合
性モノマーに対して難溶性であるため、必要に応じてカ
ルボン酸と反応させて複塩として重合性モノマーに対す
る溶解性を付与する。このためのカルボン酸としては、
メタクリル酸、アクリル酸等の重合性不飽和カルボン
酸、プロピオン酸、イソ酪酸、n−酪酸、カプロン酸、
カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、ステ
アリン酸、オクタン酸、ナフテン酸等の脂肪族カルボン
酸等が挙げられる。これらカルボン酸は、単独または2
種以上を組み合わせて使用することができる。カルボン
酸の使用量は、カルボン酸ネオジウムとカルボン酸との
合計量を100重量%としたとき、10〜40重量%の
範囲とすることが好ましい。これは、カルボン酸の使用
量が40重量%を超えると光選択機能性樹脂ビーズ中の
ネオジウム元素の含有量が低下する傾向にあるととも
に、樹脂ビーズの機械的特性や熱的特性が低下する傾向
にあるためである。
【0010】さらに、カルボン酸ネオジウムの溶解性を
一層向上させるために、α−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、α−ヒドロキシエチルメタクリレート等の不飽和
アルコール、プロピルアルコール、シクロヘキシルアル
コール等の飽和脂肪族アルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の
多価アルコール等のアルコール類を上記カルボン酸と併
用することができる。この場合のアルコール類の使用量
は、カルボン酸との合計量で上記と同様に10〜40重
量%の範囲である。
【0011】重合ポリマーが透明となり得る重合性モノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン
等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとして
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アク
リル酸フェニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)
アクリル酸メタリル、(メタ)アクリル酸β−ナフチ
ル、(メタ)アクリル酸β−アミノエチル、(メタ)ア
クリル酸2−メトキシエチル、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
およびこれらのハロゲン置換(メタ)アクリレート等が
挙げられる。これら重合性モノマーは、単独または2種
以上を組み合わせて使用することができる。重合性モノ
マーとして、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート等の多官能アクリル酸エステルを使
用した場合には、架橋タイプの樹脂ビーズとすることも
できる。また、上記重合性モノマーには、得られる樹脂
ビーズの透明性を損なわない範囲で、共重合モノマーを
併用することができる。このような共重合モノマーとし
ては、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリルニト
リル等が挙げられる。
【0012】上記のようなカルボン酸ネオジウムおよび
カルボン酸を重合性モノマーに添加し、常温もしくは1
00℃以下の加温下で0.5〜5時間程度撹拌を行うこ
とによって、カルボン酸ネオジウムとカルボン酸との複
塩が生成され、重合性モノマー中に溶解された状態とな
る。これによって、カルボン酸ネオジウム、カルボン酸
および重合モノマーが均一に混合した重合性混合溶液が
得られる。得られた重合性混合溶液と重合開始剤とを水
相に懸濁させて、30〜90℃で1〜10時間程度懸濁
重合を行う。懸濁重合が完了後、常法によって得られた
重合粒子を脱水、水洗、乾燥させることによって、透明
で球状の光選択機能性樹脂ビーズを得ることができる。
必要に応じて、この光選択機能性樹脂ビーズを分級機を
用いて所望の粒径範囲に分級することもできる。
【0013】この場合、使用される重合開始剤として
は、α、α’−アゾビスイソブチルニトリル、α、α’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、α、
α’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレ
ロニトリル)等のアゾビス系の開始剤等が挙げられ、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。その使用量は、重合性混合溶液中の重合性成分10
0重量部に対して0.001〜1重量部の範囲である。
また、懸濁粒子の安定化のために、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、アルギン酸、ゼラチン等の保護コロイドを適宜
使用することもできる。
【0014】このような製造方法によって得られる光選
択機能性樹脂ビーズは、その原料モノマーの種類や配合
割合、重合条件等を変化させることによって、その形状
や屈折率等を適宜変更することができる。本発明におい
て、光選択機能性樹脂ビーズの粒子径は、特に限定され
るものではないが、平均粒子径で2〜30μmの範囲と
することが好ましい。平均粒子径が2μm未満では、散
乱光が発生しやすくなり拡散板が黄色く着色する傾向に
あり、逆に30μmを超えると拡散板の製造が困難とな
ったり、拡散板の機械的強度が低下したりする傾向にあ
るためである。
【0015】本発明に使用されるシリコーン樹脂ビーズ
は、光拡散剤として投射光を拡散してスクリーンの視野
角を拡大するものであり、これを構成するシリコーン樹
脂としては、特に限定されるものではないが、ケイ素原
子に有機基が直結したポリシロキサン結合を有する構
造、ケイ素原子に有機基が直結し、残りの結合が酸素と
直結しており、ケイ素原子と酸素が繰り返すシロキサン
結合をなす構造の常温またはそれ以上の温度で個体状の
ものが好ましい。このようなシリコーン樹脂からなるシ
リコーン樹脂ビーズは、ガラスのような無機的性質と有
機基による有機的な特性を持つ中間的な特性を示す。特
に好ましくは、図1に示したように、シロキサン結合が
三次元的に伸びた網目構造を有し、ケイ素原子に1個の
有機基Rが結合した構造のシリコーン樹脂であり、シリ
コーン樹脂ビーズとして拡散板を構成する透明樹脂や重
合性モノマーへの分散性に優れたものである。ケイ素原
子に直結した有機基としては、本発明の拡散板を構成す
る透明樹脂やモノマーに対して親和力を有するものであ
り、例えば、メチル基、エチル基、プロプル基、ブチル
基等のアルカン基、カルボキシル基、カルボニル基、エ
ステル基、エーテル基等が挙げられ、中でもメチル基が
好ましい。
【0016】このようなシリコーン樹脂ビーズは、例え
ば、官能基を3個有する加水分解性シランを原料とし
て、加水分解と重縮合反応によって、図1に示したよう
な三次元網目構造を有するシリコーン樹脂ビーズを製造
することができる。この加水分解および縮重合反応の工
程において、用いられる加水分解性シランの官能基の種
類、有機基の種類、加水分解触媒の種類や添加量、その
他の製造条件等によって、シリコーン樹脂ビーズの粒
径、形状、屈折率等を変化させることができ、これらを
制御することによって所望のシリコーン樹脂ビーズを製
造することができる。本発明において、シリコーン樹脂
ビーズの粒径は、平均粒径で3〜6μmであることが必
要であり、好ましくは4〜5μmの範囲である。これ
は、平均粒径が3μm未満であると、スクリーンゲイン
の高い領域で微小視野角変化に対して輝度変化が大きく
なり、シースルー現象の発生が顕著になるためであり、
逆に6μmを超えると光拡散性が低下するためである。
【0017】本発明の透過型スクリーン用拡散板は、上
記のような光選択機能性樹脂ビーズを1〜25重量%
と、シリコーン樹脂ビーズを0.01〜1重量%含有す
るものであり、微量のシリコーン樹脂ビーズの添加によ
ってスクリーンに光拡散性を付与するとともに、光選択
機能性樹脂ビーズによってスクリーンのシースルー現象
の発生を抑止するとともに、コントラストを向上させる
ことができる。光選択性樹脂ビーズの含有量が1重量%
未満であると、スクリーンにシースルー現象が発生しや
すくなるとともに、スクリーンのコントラストが低下す
るためであり、逆に25重量%を超えると拡散板の製造
が困難となったり、拡散板の機械的強度が低下するため
であり、好ましくは2〜15重量%の範囲であり、さら
に好ましくは3〜10重量%の範囲である。また、シリ
コーン樹脂ビーズの含有量が0.01重量%未満である
と、スクリーンに十分な光拡散性を付与することができ
なくなり視野角が狭くなるためであり、逆に1重量%を
超えるとスクリーンのゲインが著しく低下するためであ
り、好ましくは0.01〜0.7重量%の範囲であり、
さらに好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲であ
る。
【0018】本発明の透過型スクリーン用拡散板は、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩
化ビニール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂等の透明樹脂から構成される。中でも、メチルメ
タクリレートを主成分とするメタクリル系樹脂が好まし
い。その厚さは、スクリーンのサイズによっても異なる
が、通常は5mm以下程度の厚さであり、解像度の向上
などを考慮すると3mm以下であることが好ましい。ま
た、本発明において、透過型スクリーン用拡散板は、光
選択機能性樹脂ビーズとシリコーン樹脂ビーズとを含有
させた単板状の拡散板として使用することもできるが、
板状体の表面にレンチキュラーレンズ等のレンズパター
ンを形成をした拡散性レンズシートとして使用すること
もできる。形成されるレンズパターンとしては、例え
ば、片面あるいは両面にレンチキュラーレンズを形成し
たレンチキュラーレンズシート、片面にフレネルレンズ
を形成したフレネルレンズシート、片面にレンチキュラ
ーレンズを他面にフレネルレンズを形成したもの等が挙
げられる。
【0019】本発明の透過型スクリーン用拡散板は、透
明樹脂ペレットに光選択機能性樹脂ビーズとシリコーン
樹脂ビーズを添加、分散させて、押出成形、射出成形、
カレンダー成形等の成形法によって所望の形状に成形す
ることができる。また、透明樹脂としてポリメチルメタ
クリレート等のアクリル系樹脂を用いる場合には、アク
リレートの部分重合体に光選択機能性樹脂ビーズとシリ
コーン樹脂ビーズを添加し、成形型に注入して重合を行
うセルキャスト法によって成形することもできる。拡散
性レンズシートとして使用する場合には、上記のような
方法で成形した板状体に加熱プレス法等によってレンズ
パターンを転写することもできる。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。光選択機能性樹脂ビーズの製造 メタクリル酸ネオジウム34重量%、メタクリル酸メチ
ル42重量%、ラウリル酸15重量%、プロピレングリ
コール9重量%を撹拌下65℃に加温して約2時間かけ
て溶解させて重合性混合溶液を得た。次いで、撹拌機、
窒素ガス導入口の付いたオートクレーブ容器に、上記重
合性混合溶液を100重量部、アゾビスイソブチルニト
リル0.5重量部、ポリビニルアルコール3重量部、水
800重量部を投入し、高速で撹拌しながら窒素ガスで
置換した。その後、75℃で4時間の重合を行い、次い
で90℃で1時間の重合を行った。重合終了後、脱水、
水洗、乾燥を行い、透明の球状樹脂ビーズを得た。得ら
れた樹脂ビーズを、風力ミクロセパレーターを用いて分
級して、平均粒子径5μmと20μmの2種の光選択機
能性樹脂ビーズを製造した。なお、得られた光選択機能
性樹脂ビーズの樹脂中のネオジウム元素の含有率は12
重量%であった。
【0021】スクリーンゲインの測定 拡散板の一方の表面を一定の照度で照らし、反対側の面
での輝度を測定して、その照度を輝度との比を、スクリ
ーンゲインとした。コントラスト、シースルー、光拡散性の評価 拡散板を45インチのプロジェクションテレビ(三菱電
機製45P−B2−B)に取り付け、プロジェクション
テレビから3m離れた位置から観察し、目視にて次の基
準により評価した。 コントラスト ○:コントラストが良い。 ×:コントラストが悪い。 シースルー ○:シースルー現象が観察されない。 ×:シースルー現象の発生が観察される。 光拡散性 ○:視野角が広い。 ×:視野角が狭い。
【0022】実施例1 メチルメタクリレートの部分重合体(重合率20%)と
共重合モノマーとの混合液100重量部に、重合触媒と
してα,α’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)0.04重量部、ジオクチルスルホサクシネー
ト・ナトリウム塩0.005重量部を添加した。次い
で、上記製造例で得られた平均粒子径5μmのネオジウ
ム含有メタクリル樹脂ビーズ6重量%と、平均粒径4.
5μmのシリコーン樹脂ビーズ(東芝シリコーン社製ト
スパール145、ケイ素原子にメチル基が直結したポリ
シロキサン結合を有する構造)0.2重量%を添加、混
合して、脱気した。その後、予め板厚が3mmとなるよ
うに設定された強化ガラスと軟質塩化ビニル製ガスケッ
トで構成された鋳型内に注入し、70度の温水中に80
分間浸漬し、さらに130℃の空気浴中で80分間放置
して重合を完結させ、鋳型から取出して拡散板を得た。
得られた拡散板のスクリーンゲインを測定し、その結果
を表1に示した。また、透過型スクリーン用拡散板とし
て用いた際のコントラスト、シースルーおよび光拡散性
を評価して、その結果を表1に示した。
【0023】実施例2 メチルメタクリレートの部分重合体(重合率20%)と
共重合モノマーとの混合液100重量部に、重合触媒と
してα,α’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)0.04重量部、ジオクチルスルホサクシネー
ト・ナトリウム塩0.005重量部を添加した。次い
で、上記製造例で得られた平均粒子径20μmのネオジ
ウム含有メタクリル樹脂ビーズ5重量%と、平均粒径
4.5μmのシリコーン樹脂ビーズ(東芝シリコーン社
製トスパール145、ケイ素原子にメチル基が直結した
ポリシロキサン結合を有する構造)0.15重量%を添
加、混合して、脱気した。その後、予め板厚が3mmと
なるように設定された強化ガラスと軟質塩化ビニル製ガ
スケットで構成された鋳型内に注入し、70度の温水中
に80分間浸漬し、さらに130℃の空気浴中で80分
間放置して重合を完結させ、鋳型から取出して拡散板を
得た。得られた拡散板のスクリーンゲインを測定し、そ
の結果を表1に示した。また、透過型スクリーン用拡散
板として用いた際のコントラスト、シースルーおよび光
拡散性を評価して、その結果を表1に示した。
【0024】実施例3 メチルメタクリレートの部分重合体(重合率20%)と
共重合モノマーとの混合液100重量部に、重合触媒と
してα,α’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)0.04重量部、ジオクチルスルホサクシネー
ト・ナトリウム塩0.005重量部を添加した。次い
で、上記製造例で得られた平均粒子径20μmのネオジ
ウム含有メタクリル樹脂ビーズ5重量%と、平均粒径5
μmのシリコーン樹脂ビーズ(東レ社製トレフィルR9
35、ケイ素原子にメチル基が直結したポリシロキサン
結合を有する構造)0.16重量%を添加、混合して、
脱気した。その後、予め板厚が3mmとなるように設定
された強化ガラスと軟質塩化ビニル製ガスケットで構成
された鋳型内に注入し、70度の温水中に80分間浸漬
し、さらに130℃の空気浴中で80分間放置して重合
を完結させ、鋳型から取出して拡散板を得た。得られた
拡散板のスクリーンゲインを測定し、その結果を表1に
示した。また、透過型スクリーン用拡散板として用いた
際のコントラスト、シースルーおよび光拡散性を評価し
て、その結果を表1に示した。
【0025】比較例1〜5 ネイジウム含有メタクリル樹脂の配合量、シリコーン樹
脂ビーズの平均粒子径および配合量を表1に示した通り
とした以外は、実施例1と同様にして拡散板を得た。得
られた拡散板のスクリーンゲインを測定し、その結果を
表1に示した。また、透過型スクリーン用拡散板として
用いた際のコントラスト、シースルーおよび光拡散性を
評価して、その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、本発明の透過型
スクリーン用拡散板を用いた実施例1〜3では、いずれ
もシースルー現象がなく、コントラストおよび光拡散性
に優れた明るい画像のものであった。これに対して、ネ
オジウム含有メタクリル樹脂ビーズを含まない比較例1
では、光拡散性には優れているものの、シースルー現象
が発生し、コントラストも劣るものであった。また、ネ
オジウム含有メタクリル樹脂ビーズの含有量の少ない比
較例1では、シースルー現象はなく、光拡散性には優れ
ているものの、コントラストに劣るものであった。シリ
コーン樹脂ビーズの平均粒子径が大きい比較例3では、
シースルー現象はなく、コントラストにも優れているも
のの、光拡散性に劣り視野角の狭いものであった。シリ
コーン樹脂ビーズの平均粒子径の小さい比較例4では、
コントラストおよび光拡散性には優れているものの、シ
ースルー現象の発生が見られた。シリコーン樹脂ビーズ
の含有量の多い比較例5では、シースルー現象がなく、
コントラストおよび光拡散性に優れているものの、スク
リーンゲインが極端に低下し、非常に暗い映像しか得ら
れなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の透過型スクリーン用拡散板は、
特定の光選択機能性樹脂ビーズとシリコーン樹脂ビーズ
とを併用することによって、シースルー現象がなく、優
れた光拡散性を有するとともに、高いコントラストを有
する高品質の明るい映像の得られるプロジェクションテ
レビ等の画面として用いられる透過型スクリーンを提供
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適なシリコーン樹脂の分子構造を示
すモデル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネオジウム元素を0.05〜20重量%
    含有する光選択機能性樹脂ビーズ1〜25重量%と、平
    均粒子径3〜6μmのシリコーン樹脂ビーズを0.01
    〜1重量%含有することを特徴とする透過型スクリーン
    用拡散板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002544018A (ja) * 1999-05-13 2002-12-24 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 眼用レンズの製造方法
KR100429098B1 (ko) * 1998-12-09 2004-04-29 가부시키가이샤 도모에가와 세이시쇼 필러 렌즈 및 그 제조방법
CN107850829A (zh) * 2015-06-15 2018-03-27 Jxtg能源株式会社 透明屏幕及具备该透明屏幕的影像投影***

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