JPH09145637A - 凹凸性欠陥の等級判定方法 - Google Patents

凹凸性欠陥の等級判定方法

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JPH09145637A
JPH09145637A JP7305940A JP30594095A JPH09145637A JP H09145637 A JPH09145637 A JP H09145637A JP 7305940 A JP7305940 A JP 7305940A JP 30594095 A JP30594095 A JP 30594095A JP H09145637 A JPH09145637 A JP H09145637A
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JP
Japan
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grindstone
defect
trace
area ratio
area
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JP7305940A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Uchida
洋之 内田
Seiji Ota
聖司 太田
Masami Suzuki
正巳 鈴木
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Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検査材の凹凸性欠陥の等級を定量的に判定す
ることのできる凹凸性欠陥の等級判定方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】砥石掛けによって研削処理された冷延鋼板
の表面を顕微鏡で撮影し(ステップS1)、次にその顕
微鏡写真の砥石痕部分を人手で着色し(ステップS
2)、次にそれをコンピュータを用いた画像処理により
着色部を抽出し(ステップS3)、次に着色部の面積率
を計算する(ステップS4)。こうして求めた砥石痕面
積率に基づいて欠陥等級を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板、アルミ板な
どの表面に生ずる凹凸性欠陥の等級を判定する凹凸性欠
陥の等級判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板、アルミ板などの製造工程におい
て、その品質管理あるいは品質保証を推進するために
は、これらの表面に発生する表面欠陥を検出することが
重要であり、例えば、冷延鋼板の製造プロセスにおいて
は、さまざまな連続工程を経て最終的に冷延コイルとい
う形で出荷されるまでのプロセスの中で、表面自動検査
装置による欠陥検出、あるいはオペレータによる目視検
査が行われ、製品表面は厳重に品質管理されている。
【0003】冷延鋼板の表面欠陥の一つに、鋼板表面の
わずかな凹凸不良によって発生する凹凸性欠陥がある
が、この種の欠陥には、人間の目視検査では検出不可能
なものが多いため、砥石を用いて鋼板の一部分を研削処
理し、欠陥を浮かび上がらせた後に目視検査を行う、い
わゆる砥石掛け検査によって検出がなされるのが普通で
ある。
【0004】目視では検出困難な凹凸性欠陥が研削処理
によって検出され易くなる理由は、凹凸性欠陥が凹型の
欠陥であるか凸型の欠陥であるかにより、砥石によって
研削された痕(以下、砥石痕と称する)の表面形状がそ
れぞれ相違し、さらに、これら欠陥部の砥石痕の光沢
が、健全部の光沢と相違するため、これら光沢の差によ
って判別され易くなるためである。
【0005】このような凹凸性欠陥は、製造プロセスに
おいて、ロール表面に微小な異物が付着したり、あるい
はロール自体にわずかな凹凸性の変形が発生したりした
結果、これら異物やロール自体の変形が鋼板表面に転写
されて発生することが多い。そのため、ロール円周に相
当するピッチで周期的、あるいは連続的に欠陥が発生す
るため製品全体が不良品になることが多い。また、連続
工程で欠陥が発生した場合は、欠陥が発見されアクショ
ンがとられるまで不良品の製造が続くので大きな損失を
招くことがある。
【0006】このような凹凸性欠陥が発生すると、例え
ば、自動車外板用の冷延鋼板をプレス成型する時に、欠
陥部が、欠陥のない健全部より強い力で擦られたり、あ
るいは引き伸ばされたりするため、プレス成形後の成形
品の表面粗さが、欠陥部と健全部との間に差異を生じ、
その差異が、塗装後も表面に残ることがある。そこで、
表面性状に対する要求の厳しい冷延鋼板については、製
造プロセスにおいては軽度な表面欠陥でも見逃さないよ
うに厳重な品質管理が行われ、製品の出荷に際しては不
良品が出荷されないよう厳重な検査が行われるのが普通
である。
【0007】しかし、一方で、冷延鋼板でも用途によ
り、軽度の欠陥は問題とならない場合もある。そこで、
凹凸性欠陥の等級を的確に判定し、製品の用途に応じた
適正な検査基準によって不良品の選別を行う必要があ
る。従来、このような凹凸性欠陥の等級判定は、熟練し
た砥石かけ検査の検査員による目視判定により行われて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような熟
練者による凹凸性欠陥の等級判定は、人間の感覚に依存
するものであるため、検査員の個人差によって等級に差
が生じることや、同一検査員であっても種々の要因によ
り判定がばらつくことがある。そのため、検出すべき欠
陥の等級の判定の幅が広がり、安全をみて必要以上に厳
しい判定が行われることになり勝ちである。
【0009】このような事情から、凹凸性欠陥の等級を
自動的に判定する装置の開発が鋭意進められているが、
このような自動判定装置を開発するに当たり、被検査材
の欠陥部と健全部の凹凸の度合いを定量的に表す指標が
見いだせなかったため、凹凸性欠陥の等級を自動的に判
定する装置は、いまだ実用化されるに至っていない。本
発明は、上記の事情に鑑み、被検査材の凹凸性欠陥の等
級を定量的に判定することのできる凹凸性欠陥の等級判
定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の凹凸性欠陥の等級判定方法は、砥石を用いた研削
処理により被検査材表面上の所定の被検査領域内に形成
された砥石痕の面積を測定し、砥石痕の面積を上記被検
査領域の面積で除算して砥石痕面積率を求め、砥石痕面
積率に基づいて被検査材の凹凸性欠陥の等級を判定する
ことを特徴とする。
【0011】ここで、上記本発明の凹凸性欠陥の等級判
定方法において、砥石を用いた研削処理により被検査材
表面上の所定の被検査領域内に形成された砥石痕の面積
を測定するに当たり、被検査領域を、検出すべき欠陥の
大きさに応じた面積に区分された複数の区分領域毎に砥
石痕の面積を測定し、各区分領域毎の砥石痕の面積を各
区分領域の面積で除算して各区分領域毎の砥石痕面積率
を求め、各区分領域毎の砥石痕面積率から砥石痕面積率
の平均な値及びばらつきの程度を表す指標を求め、上記
各区分領域毎の砥石痕面積率を上記砥石痕面積率の平均
な値及びばらつきの程度を表す指標で正規化することに
より正規化砥石痕面積率を求め、上記砥石痕面積率に代
わり、正規化砥石痕面積率に基づいて被検査材の凹凸性
欠陥の等級を判定することが好ましい。
【0012】さらに、上記正規化砥石痕面積率をしきい
値処理することにより欠陥が存在する区分領域を抽出
し、抽出された各区分領域のうち、隣接する複数の区分
領域について、これら複数の区分領域を一つのブロック
とし、隣接する区分領域の存在しない独立した区分領域
についてはその区分領域一つを一つのブロックとし、そ
れぞれのブロック毎に、下記式で表わされる欠陥評価指
標Dを求め、その欠陥評価指標Dに基づいて被検査材の
凹凸性欠陥の等級を判定することも好ましい態様であ
る。
【0013】D=w2 ・Σ{w1 ・k(i,j)} ここで、ブロックを構成する抽出された各区分領域毎の
砥石痕面積率をk(i,j)とし、各砥石痕面積率k
(i,j)に応じて定まる重みをw1 とし、上記検出す
べき欠陥の大きさに応じて定まる重みをw2 とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。本発明者らは、凹凸性欠陥の等級判定方法
を開発するに当たり、砥石掛けを行った後の鋼板の表面
性状について詳細な調査を行った結果、熟練者の目視判
定による欠陥等級と、砥石痕面積率、即ち、所定の被検
査領域内の砥石痕の面積を被検査領域の面積で除算した
ものとの間に高い相関があることを見いだした。
【0015】また、凸型の欠陥では、砥石痕面積率が大
きいほど欠陥が明瞭に観察されるために重欠陥と判定さ
れ、砥石痕面積率が小さいほどぼやけて観察されるため
に軽欠陥と判定されること、また、凹型の欠陥では、砥
石痕面積率が小さいほど重欠陥と判定され、砥石痕面積
率が大きいほど軽欠陥と判定されることなどがわかっ
た。
【0016】これらの知見に基づき、種々研究の結果、
次の実施形態に示す凹凸性欠陥の等級判定方法を開発す
るに至った。本実施形態では、冷延鋼板に発生する押し
込み痕と呼ばれる凹凸性欠陥の等級判定について説明す
る。図1は、砥石痕面積率を測定する手順を示す流れ図
である。
【0017】図1に示すように、砥石掛けによって研削
処理された冷延鋼板の表面を顕微鏡で撮影し(ステップ
S1)、次にその顕微鏡写真の砥石痕部分を人手で着色
し(ステップS2)、次にそれをコンピュータを用いた
画像処理により着色部を抽出し(ステップS3)、次に
着色部の面積率を計算する(ステップS4)。面積率
は、欠陥のほぼ中央付近の縦3.3mm×横2.5mm
の大きさの領域について測定する。
【0018】こうして求めた砥石痕面積率に基づいて凹
凸性欠陥の等級を判定する。着色された部分と非着色部
分とは画像処理によって容易に識別できるために、面積
率計算を高速、かつ高精度で行うことができる。なお、
この実施形態では、顕微鏡写真を撮影した後、画像処理
を行っているが、顕微鏡にカメラを取り付け、カメラで
撮像した画像信号を直接、コンピュータに入力し、画像
処理過程で砥石痕部分と非磁石痕部分とを識別するよう
にしてもよい。
【0019】図2は、砥石痕面積率を求めるために用い
た前記顕微鏡写真をスケッチした模式図の一例を示す。
図2のうち、縦線を施された部分が砥石痕21の部分で
あり、白抜きの部分が非砥石痕部分22である。このよ
うな、砥石痕の部分と非砥石痕部分から成るパターンの
うちの対象とする測定領域内の砥石痕部分の面積が測定
され、その面積が測定領域の面積で除算されて砥石痕面
積率が求められる。
【0020】このようにして砥石痕面積率を求めた同一
の被検査材の欠陥について、熟練者による目視判定が行
われ、凸型欠陥では軽欠陥から重欠陥までを等級Aから
等級Fまでの6段階評価により判定し、凹型欠陥では軽
欠陥から重欠陥までを等級A’から等級E’までの5段
階評価により判定した結果を図3に示す。図3は、本実
施形態による砥石痕面積率と、従来の目視判定による等
級判定結果との関係を示すグラフである。
【0021】判定の結果は、図3に示すように、等級A
から等級Eまでの5段階の凸型欠陥と、等級A’から等
級C’までの3段階の凹型欠陥とが検出され、従来の目
視判定による等級判定結果と砥石痕面積率との間には強
い相関があることが認められる。そこで砥石痕面積率に
より、従来の定性的な等級判定に代わる定量的な等級判
定を行うことができる。砥石痕面積率による等級判定で
は、凸型欠陥の場合は、砥石痕面積率が健全部より高い
ほど重欠陥であると等級判定し、また、凹型欠陥の場合
は、砥石痕面積率が健全部より低いほど重欠陥であると
判定する。
【0022】次に、正規化砥石痕面積率による等級判定
方法について説明する。判定すべき被検査領域表面を、
検出したい欠陥の大きさよりも小さい面積の区分領域に
区分し、各区分領域の二次元座標系上の位置を番地i,
jを用いて表す。この各区分領域毎に砥石痕の面積を測
定し、砥石痕面積率x(i,j)を求める。
【0023】次いで、健全部における砥石痕面積率の平
均M及び標準偏差σを求め、(1)式に従って砥石痕面
積率x(i,j)を正規化し、正規化砥石痕面積率を求
める。 k(i,j)={x(i,j)−M}/σ ・・・・・(1) (1)式は、健全部を基準とするために砥石痕面積率x
(i,j)と平均Mとの差を求め、さらに、それを標準
偏差σで除算することにより、砥石痕面積率x(i,
j)を正規化するための計算式である。
【0024】ここで、区分領域の大きさが最小欠陥の大
きさと等しいと、砥石掛けの状態によって突発的に異常
な値の砥石痕面積率が算出される場合があり、その場
合、それがノイズによるものか欠陥によるものかの判別
がつきにくい。そこで、そのような異常値の発生を防ぐ
ため、区分領域の大きさを、検出したい最小欠陥の面積
の1/2よりも小さくすることが望ましい。
【0025】(1)式によって得られた正規化砥石痕面
積率k(i,j)のうち、所定の第1のしきい値以上の
ものを凸型欠陥と判定し、所定の第2のしきい値以下の
ものを凹型欠陥と判定する。正規化砥石痕面積率を用い
て欠陥の等級を判定すると、被検査材の表面粗さ、砥石
の粒度、砥石の押し付け力、砥石掛け回数などのような
砥石掛け条件が変わっても、欠陥の等級を正しく判定で
きる。
【0026】図7は、このような砥石掛け条件による影
響を補正する本願の第2の発明を説明するものであり、
砥石痕の面積率を一定の大きさで区分けした区分領域に
おいて測定し、その測定値の度数分布を示すものであ
る。図に示すように、例えば条件Aの砥石掛けは、条件
Bの砥石掛けに比較して、砥石を強く掛けているため
に、砥石痕の平均面積率が例えば40%で、条件Bの2
0%よりも大きくなっている。
【0027】また、その掛け具合についてもばらついた
掛け方をしているために、砥石痕の面積率のばらつきは
標準偏差にして例えば5%になり、条件Bの2%よりも
大きくなっているとする。このような砥石掛けの状態に
おいては、例えば同じ等級Bの凸欠陥であっても、欠陥
部の砥石痕の平均面積率は、健全部に比較して、条件A
では10%大きくなったとすると、条件Bでは例えば4
%程度しか大きくならず、条件Aよりも増加量が小さく
なる。増加量が小さくなる理由は砥石の掛け方が弱いた
めである。このため、砥石掛けの状態が異なると、同じ
等級の欠陥であっても健全部の砥石痕面積率からの砥石
痕面積率の差では等級を判定できない場合がある。
【0028】本発明者等は、人間の目視判定ではこのよ
うな砥石掛け条件の差も考慮しながら等級判定を行って
いることを知見して、健全部の砥石掛け状態を基準とし
てその相対的な差を求め、さらに砥石掛け状態のばらつ
きを補正するために標準偏差との比率を求めて正規化砥
石痕面積率により欠陥の等級が判定できることを見いだ
した。第(1)式によれば、図7に示した凸欠陥は、条
件Aの砥石掛けではk(i,j)=10/5=2、条件
Bの砥石掛けでも正規化砥石痕面積率は、k(i,j)
=4/2=2となり、同じ等級の欠陥として評価でき
る。
【0029】また、図7では凸欠陥を例にして説明した
が、凹欠陥では、欠陥を示す度数分布が健全部の平均値
よりも小さい側に表れることとなり、補正した砥石痕の
面積率k(i,j)が負の値となって計算される。次い
で、第3発明について説明する。凸型欠陥の場合は、正
規化砥石痕面積率k(i,j)が所定の第1のしきい値
以上の区分領域がひとかたまりとなって存在する場合、
そのかたまりを一つのブロックと見なし、そのブロック
の等級判定を行う。凹型欠陥の場合は、所定の第2のし
きい値以下の区分領域について同様の処理を行えばよ
い。
【0030】先ず、凸型欠陥の場合について詳しく説明
する。最初に、全区分領域の中から、前述の正規化砥石
痕面積率k(i,j)が所定の第1のしきい値以上の区
分領域、即ち凸型欠陥が存在する区分領域を抽出する。
次に、抽出された各区分領域のうち、隣接する複数の区
分領域がひとかたまりとなって存在するものについて、
これら複数の区分領域を一つのブロックとする。
【0031】ひとかたまりとなって存在する区分領域を
見つけるには、抽出された区分領域に隣接している各区
分領域が、上記抽出された区分領域であるか否かを調べ
ればよい。例えば、隣接する上下左右方向(4連結近
傍)、あるいは、隣接する上下左右方向及び斜方向(8
連結近傍)のいずれかの区分領域が所定の第1のしきい
値以上の時は同じかたまりと見なし、第1のしきい値未
満の時は同じかたまりではないとして、順次、抽出され
た区分領域について同様の処理を続ければよい。
【0032】このようにして上記処理が終了したら、そ
れぞれのブロックを構成する抽出された区分領域につい
ての正規化砥石痕面積率k(i,j)の総和を求めれ
ば、砥石痕の面積率が健全部と比較して差があり、か
つ、ひとかたまりとなっている区分領域のみを凸型欠陥
として抽出することができる。凹型欠陥の場合は、所定
の第2のしきい値以下の区分領域を抽出し、次いで、抽
出された各区分領域のうち、ひとかたまりとなっている
ものを一つのブロックとし、凸型欠陥の場合と同様、そ
れぞれのブロックを構成する抽出された区分領域につい
て正規化砥石痕面積率の総和を求めればよい。
【0033】ところで、上記総和では、凸型欠陥の場合
と凹型欠陥の場合とでしきい値が異なるなど、欠陥の発
生原因、欠陥の種類、被検査材の種類、砥石掛け処理の
状態などに応じて等級判定方法を変える必要がある。そ
こで、欠陥の種類その他種々の条件に関係なく、常に一
定の基準で評価することができるように、次に示すよう
な欠陥評価指標を設定する。
【0034】即ち、上記の処理終了後それぞれのブロッ
クを構成する抽出された各区分領域毎の砥石痕面積率を
k(i,j)とし、各砥石痕面積率k(i,j)に応じ
て定まる重みをw1 とし、検出すべき欠陥の大きさに応
じて定まる重みをw2 とした時、式 D=w2 ・Σ{w1 ・k(i,j)} ・・・・・(2) によって表される欠陥評価指標Dを求め、欠陥評価指標
Dに基づいて被検査材の凹凸性欠陥の等級を判定する。
【0035】このような欠陥評価指標Dを求めるのは、
欠陥の種類によっては、砥石痕面積率k(i,j)の値
と欠陥等級との間に正比例関係が成り立たず、砥石痕面
積率k(i,j)の値の増加に応じて加速度的に欠陥等
級が上昇するものがあり、また、欠陥によっては、欠陥
の大きさと欠陥等級とが比例しない場合があるからであ
る。
【0036】しかし、上記(2)式により求めた欠陥評
価指標Dを用いれば、凸型欠陥の場合、小さくても明瞭
に観察される欠陥は、砥石痕面積率が健全部よりも著し
く大きいため欠陥評価指標Dが大きくなり、大きくても
ぼやけて観察される欠陥は、砥石痕面積率が健全部より
僅かに大きいだけであるため欠陥評価指標Dが小さくな
る。即ち、目視による等級判定で重欠陥と判定されるも
のほど欠陥評価指標Dが大きくなり、目視による等級判
定で軽欠陥と判定されるものほど欠陥評価指標Dが小さ
くなる。
【0037】一方、凹型欠陥の場合は、欠陥評価指標D
が負の値となり、欠陥評価指標Dが小さいほど重欠陥で
あり、欠陥評価指標Dが大きいほど軽欠陥であることを
表す。
【0038】
【実施例】測定対象は冷延鋼板に発生した、目視判定に
より軽欠陥から重欠陥までを等級Aから等級Fまでの6
段階評価により判定された凸型欠陥であり、砥石痕面積
率を測定する区分領域の大きさを0.25mm×0.2
5mmに設定して砥石痕面積率x(i,j)を測定し
た。また、欠陥が発生していない健全部についても同じ
条件で砥石痕面積率を測定し、次いで、(1)式に従い
正規化砥石痕面積率k(i,j)を求めた。第1のしき
い値を1.0とし、砥石痕面積率k(i,j)が第1の
しきい値以上である欠陥が存在する区分領域を抽出し、
(2)式に従って欠陥評価指標Dを求めた。欠陥評価指
標Dを計算する際の重みw2 は、欠陥の面積に応じて、
φ2mm以上の欠陥ではw2 =1、φ2mm未満の欠陥
ではw2=1.4に設定している。また、重みw1 は、
本実施形態では全てw1 =1に設定している。
【0039】例えば、図4は、目視判定で等級Cの凸型
欠陥と判定された欠陥部における正規化砥石痕面積率、
及び、健全部における正規化砥石痕面積率をそれぞれ示
す図である。図4(a)には、目視判定で欠陥等級Cと
判定された凸型欠陥41を含む被検査領域40内の各区
分領域毎の正規化砥石痕面積率k(i,j)が示されて
いる。各区分領域毎の正規化砥石痕面積率の値は四角柱
の高さで示され、四角柱の上面に斜線の施された四角柱
は上記第1のしきい値未満の区分領域であることを表
し、四角柱の上面が白抜きである四角柱は上記第1のし
きい値以上の区分領域であることを表している。
【0040】図4(a)では、一点鎖線で囲んだ部分4
1が検出されるので、凸型欠陥と判定できる。一方、図
4(b)は、健全部における各区分領域毎の正規化砥石
痕面積率が示されているが、二点鎖線で囲んだ部分は砥
石掛けのムラによる凹凸42であるにもかかわらず、し
きい値が妥当でないために欠陥として誤判定される恐れ
がある。しかし、欠陥評価指標Dを求めることにより、
図4(a)の凸型欠陥41では、D=92.2が得ら
れ、後述の図5により等級Cの欠陥と判定される。ま
た、図4(b)の凸型欠陥42ではD=13.4が得ら
れるので、後述の図5に示すように、軽欠陥AのD値5
0よりも小さいので凸型欠陥として誤判定されることは
ない。
【0041】図5は、凸型欠陥について求めた欠陥評価
指標Dと目視判定による欠陥等級との関係を示すグラフ
である。各データは、欠陥の大きさを直径2mm以上、
2mm未満に層別してプロットされているが、欠陥の大
きさに関係なく、欠陥評価指標Dと目視判定による欠陥
等級とはよい相関を示しており、このように、欠陥評価
指標Dを用いることにより、砥石掛けの条件や、欠陥の
大きさによらない定量的な欠陥等級の判定ができる。
【0042】凹型欠陥についても、冷延鋼板に発生し
た、目視判定により軽欠陥から重欠陥までを等級A’か
ら等級E’までの5段階評価により判定された欠陥につ
いて、第2のしきい値を−1.4とし、砥石痕面積率K
(i,j)が第2のしきい値以下である欠陥が存在する
区分領域を抽出し、(2)式に従って欠陥評価指標Dを
求めた。
【0043】図6は、本実施形態により凹型欠陥につい
て求めた欠陥評価指標Dと目視判定による欠陥等級との
関係を示すグラフである。図6に示すように、凹型欠陥
についても、欠陥評価指標Dと目視判定による欠陥等級
にはよい相関が見られる。このように欠陥評価指標Dを
求めることにより、凹凸性欠陥の欠陥等級をより的確に
判定することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の凹凸性欠
陥の等級判定方法によれば、従来、定性的に評価される
ほかなかった凹凸性欠陥の欠陥等級を、砥石痕面積率に
よって定量的に判定することができるため、検査員によ
る人為的な判定ミスを防止することができる。
【0045】また、従来不明確であった、有害欠陥であ
るか無害欠陥であるかの判定を砥石痕面積率によって明
確に行うことができるため、必要以上に厳しい欠陥検査
を実施することがなくなり、製品の歩留りを向上させる
ことができる。さらに、従来、熟練者に依存するほかな
かった凹凸性欠陥の等級判定作業を自動化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥石痕面積率を測定する手順を示す流れ図であ
る。
【図2】砥石痕面積率を求めるために用いた前記顕微鏡
写真をスケッチした模式図の一例である。
【図3】本実施形態による砥石痕面積率と、従来の目視
判定による等級判定結果との関係を示すグラフである。
【図4】目視判定で等級Cの凸型欠陥と判定された欠陥
部における正規化砥石痕面積率、及び、健全部における
正規化砥石痕面積率をそれぞれ示す図である。
【図5】凸型欠陥について求めた欠陥評価指標Dと目視
判定による欠陥等級との関係を示すグラフである。
【図6】凹型欠陥について求めた欠陥評価指標Dと目視
判定による欠陥等級との関係を示すグラフである。
【図7】砥石掛け条件による影響を補正する本願の第2
の発明を説明するための図である。
【符号の説明】
21 砥石痕 22 非砥石痕 40 被検査領域 42 凹凸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石を用いた研削処理により被検査材表
    面上の所定の被検査領域内に形成された砥石痕の面積を
    測定し、 該砥石痕の面積を前記被検査領域の面積で除算して砥石
    痕面積率を求め、 該砥石痕面積率に基づいて被検査材の凹凸性欠陥の等級
    を判定することを特徴とする凹凸性欠陥の等級判定方
    法。
  2. 【請求項2】 砥石を用いた研削処理により被検査材表
    面上の所定の被検査領域内に形成された砥石痕の面積を
    測定するに当たり、該被検査領域を、検出すべき欠陥の
    大きさに応じた面積に区分された複数の区分領域毎に砥
    石痕の面積を測定し、 該各区分領域毎の砥石痕の面積を該各区分領域の面積で
    除算して該各区分領域毎の砥石痕面積率を求め、 該各区分領域毎の砥石痕面積率から砥石痕面積率の平均
    な値及びばらつきの程度を表す指標を求め、 前記各区分領域毎の砥石痕面積率を前記砥石痕面積率の
    平均な値及びばらつきの程度を表す指標で正規化するこ
    とにより正規化砥石痕面積率を求め、 前記砥石痕面積率に代わり、該正規化砥石痕面積率に基
    づいて被検査材の凹凸性欠陥の等級を判定することを特
    徴とする請求項1記載の凹凸性欠陥の等級判定方法。
  3. 【請求項3】 前記正規化砥石痕面積率をしきい値処理
    することにより欠陥が存在する区分領域を抽出し、 該抽出された各区分領域のうち、隣接する複数の区分領
    域について、これら複数の区分領域を一つのブロックと
    し、 隣接する区分領域の存在しない独立した区分領域につい
    ては該区分領域一つを一つのブロックとし、それぞれの
    ブロック毎に、下記式で表わされる欠陥評価指標Dを求
    め、該欠陥評価指標Dに基づいて被検査材の凹凸性欠陥
    の等級を判定することを特徴とする請求項2記載の凹凸
    性欠陥の等級判定方法。 D=w2 ・Σ{w1 ・k(i,j)} ここで、ブロックを構成する抽出された各区分領域の番
    地をi,jとし、該各区分領域毎の砥石痕面積率をk
    (i,j)とし、該各砥石痕面積率k(i,j)に応じ
    て定まる重みをw1 とし、前記検出すべき欠陥の大きさ
    に応じて定まる重みをw2 とした。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292066A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Daikin Ind Ltd 状態診断装置、状態診断プログラムおよび状態診断システム。
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