JPH09143697A - 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置

Info

Publication number
JPH09143697A
JPH09143697A JP30127695A JP30127695A JPH09143697A JP H09143697 A JPH09143697 A JP H09143697A JP 30127695 A JP30127695 A JP 30127695A JP 30127695 A JP30127695 A JP 30127695A JP H09143697 A JPH09143697 A JP H09143697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
crucibles
vapor deposition
vacuum
evaporation material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30127695A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Hirata
淳 平田
Kunio Matsui
邦雄 松井
Tomohiro Sugino
友洋 杉野
Akihiro Nomura
昭博 野村
Shiko Matsuda
至康 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP30127695A priority Critical patent/JPH09143697A/ja
Publication of JPH09143697A publication Critical patent/JPH09143697A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着膜の制御範囲を拡大するとともに、蒸着
膜が変化するまでの応答時間を短縮することができる真
空蒸着装置の成膜方法および装置を提供する。 【解決手段】 ルツボ10,11を垂直アクチュエータ
18,19および水平アクチュエータ14,15により
上下左右に移動させることにより、積極的かつ強制的に
蒸発材料12,13の蒸気密度分布および基板1下の蒸
発材料12,13の蒸気が混合する領域を変化させてい
るため、蒸発材料12,13の温度や蒸発量の変化など
の物理現象を介在させる必要がなく、蒸着膜が変化する
までの応答時間を短縮することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続して走行する
基板に蒸発材料を蒸着して被膜を成形する真空蒸着装置
の成膜方法および真空蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着(vacuum vapor deposition)
は、真空中で金属を加熱して蒸発させ、蒸発金属を基板
(被処理材)の表面に凝固させて被膜を作る成膜プロセ
スである。かかる成膜プロセスにおいて、蒸着用金属
(蒸発材料)を加熱するために電子ビームを用い、帯状
の連続して走行する基板に金属を蒸着させる連続真空蒸
着装置が従来から知られている。この連続真空蒸着装置
は、通常の湿式メッキでは扱えない窒化物、炭化物、酸
化物などの蒸着が可能であり、かつ付着速度が大きいな
どの長所を有している。
【0003】図6は従来の真空蒸着装置の全体構成図で
ある。図に示す真空蒸着装置は、入側と出側に設けられ
る真空シール装置、予備加熱室、成膜室などからなり、
大気圧でアンコイラーから巻き戻された鋼板などからな
るストリップ(基板1)を入側真空シール装置を通して
真空状態とし、予備加熱室で予備加熱した後、成膜室で
成膜し、成膜後に出側真空シール装置を通し真空状態を
解除して大気圧中に取り出し、リコイラーで巻き取るよ
うになっている。
【0004】成膜室は、電子ビーム2を放射する電子銃
3と、蒸発材料4を収容する複数のルツボ5と、それら
のルツボ5を内蔵し真空排気された真空チャンバー6と
からなり、その蒸発材料4の湯面に電子ビーム2を照射
して加熱、蒸発させて、真空チャンバー6内を連続して
走行する帯状の基板1に、蒸発材料4を蒸着して被膜
(以下、蒸着膜という)を成形している。なお、電子ビ
ーム2は、図示しない偏向磁極装置により発生する磁界
により、偏向されて蒸発材料4の湯面に照射されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した真空蒸着装置
において、蒸着膜の膜厚の分布や蒸着膜の合金部におけ
る蒸発材料の混合割合は、電子銃の出力を変えたり、電
子ビームの照射位置、照射時間などのパターンを変えた
りすることにより調節していた。しかし、このように電
子ビームを制御する真空蒸着装置の成膜方法では、電子
ビームの変更により、蒸発材料の温度が変化し、蒸発材
料の蒸発量が変化し、蒸発材料の蒸気密度が変化し、よ
うやく蒸着膜が変化する、という段階を踏まなければ、
蒸着膜の膜厚の分布や蒸着膜の合金部における蒸発材料
の混合割合を調節することができなかった。したがっ
て、電子ビームの変更から蒸着膜が変化するまでの応答
時間が長く、さらに、その時々の蒸発材料の蒸気密度分
布により蒸着膜の状態は変化するため、その時の成り行
きに任せるしかなく、蒸着膜を制御できる範囲が非常に
狭い、などの問題点があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために創案
されたものである。すなわち、蒸着膜の制御範囲を拡大
するとともに、蒸着膜が変化するまでの応答時間を短縮
することができる真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸
着装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電子ビ
ームを放射する電子銃と、蒸発材料を収容する複数のル
ツボと、それらのルツボを内蔵し真空排気された真空チ
ャンバーとを備え、その蒸発材料の湯面に電子ビームを
照射して加熱、蒸発させて、真空チャンバー内を連続し
て走行する帯状の基板に、蒸発材料を蒸着して被膜を成
形する真空蒸着装置の成膜方法において、上記複数のル
ツボをそれぞれ上記基板に接近または離反させることに
より、蒸着膜の膜厚を調節する、ことを特徴とする真空
蒸着装置の成膜方法が提供される。
【0008】上述の本発明の方法によれば、ルツボ自身
をそれぞれ基板に接近または離反させることにより、強
制的に基板下の蒸発材料の蒸気密度分布を瞬時に変化さ
せて、蒸着膜の膜厚を調節することができるため、蒸着
膜が変化するまでの応答時間を短縮することができ、蒸
着膜の制御範囲を拡大することもできる。
【0009】また本発明によれば、電子ビームを放射す
る電子銃と、蒸発材料を収容する複数のルツボと、それ
らのルツボを内蔵し真空排気された真空チャンバーとを
備え、その蒸発材料の湯面に電子ビームを照射して加
熱、蒸発させて、真空チャンバー内を連続して走行する
帯状の基板に、蒸発材料を蒸着して被膜を成形する真空
蒸着装置の成膜方法において、上記複数のルツボ同志を
接近または離反させることにより、蒸着膜の合金部にお
ける蒸発材料の混合割合を調節する、ことを特徴とする
真空蒸着装置の成膜方法が提供される。
【0010】上述の本発明の方法によれば、ルツボ同志
を積極的に接近または離反させることにより、基板下の
蒸発材料の混合割合を瞬時に強制的に変化させて、蒸着
膜の合金部における蒸発材料の混合割合を調節すること
ができるため、蒸着膜が変化するまでの応答時間を短縮
することができ、蒸着膜の制御範囲を拡大することもで
きる。
【0011】さらに本発明によれば、電子ビームを放射
する電子銃と、蒸発材料を収容する複数のルツボと、そ
れらのルツボを内蔵し真空排気された真空チャンバーと
を備え、その蒸発材料の湯面に電子ビームを照射して加
熱、蒸発させて、真空チャンバー内を連続して走行する
帯状の基板に、蒸発材料を蒸着して被膜を成形する真空
蒸着装置において、上記複数のルツボのそれぞれに設け
られ上記基板の進行方向と平行に移動させる水平アクチ
ュエータと、その各水平アクチュエータおよび各ルツボ
を支持するルツボ支持台と、その各ルツボ支持台を昇降
させる昇降アクチュエータと、その各昇降アクチュエー
タおよび各水平アクチュエータを制御する制御装置と、
を有する、ことを特徴とする真空蒸着装置が提供され
る。
【0012】上述の本発明の装置によれば、水平アクチ
ュエータにより、複数のルツボ同志を接近または離反さ
せることができ、さらに、昇降アクチュエータにより複
数のルツボをそれぞれ基板に接近または離反させること
ができる。したがって、蒸着膜の合金部における蒸発材
料の混合割合を調節することができ、蒸着膜の膜厚を調
節することができ、さらに、蒸着膜の制御範囲が拡大さ
れ、蒸着膜が変化するまでの応答時間が短縮される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図1から図5を参照して説明する。なお、各図にお
いて従来と共通する部分には同一の符号を付して使用す
る。
【0014】本発明の真空蒸着装置の成膜方法および真
空蒸着装置は、図6に示した従来の真空蒸着装置とほぼ
同様の真空蒸着装置に適用されるものであり(説明は省
略する)、蒸着膜の膜厚を調節したり、蒸着膜の合金部
における蒸発材料の混合割合を調節するときに、ルツボ
5自身を移動させることにより、蒸着膜の制御範囲を拡
大し、蒸着膜が変化するまでの応答時間を短縮しようと
するものである。
【0015】図1は、本発明の真空蒸着装置を示す構成
図である。なお、本図は図6で説明した真空蒸着装置の
真空チャンバー6内のみを図示したものである。図に示
す成膜装置は、2つのルツボ10,11に収容された蒸
発材料12,13の湯面に電子ビーム2を照射して加
熱、蒸発させて、真空チャンバー内を連続して走行する
帯状の基板1に、蒸発材料12,13を蒸着して被膜を
成形するものであって、ルツボ10,11のそれぞれに
設けられ基板1の進行方向と平行に移動させる水平アク
チュエータ14,15と、その水平アクチュエータ1
4,15およびルツボ10,11を1セットずつ支持す
るルツボ支持台16,17と、そのルツボ支持台16,
17を昇降させる昇降アクチュエータ18,19と、水
平アクチュエータ14,15および昇降アクチュエータ
18,19をそれぞれ単独に制御することができる制御
装置と、を有するものである。なお、蒸発材料12,1
3の蒸気の広がりを一点鎖線で示している。
【0016】図に示すように、ルツボ10,11は基板
1の進行方向の上流側と下流側とに平行に設置されてお
り、例えば、その上流側のルツボ11には蒸発材料13
として密着性のよいアルミニウムが収容されており、下
流側のルツボ10には蒸発材料12として耐食性の高い
アルミマンガンが収容されている。したがって、図の三
角形斜線部ではアルミニウムとアルミマンガンの蒸気が
混合しており、基板1にはアルミニウムとアルミマンガ
ンの合金膜が蒸着する。
【0017】上記水平アクチュエータ14,15の先端
は、それぞれルツボ10,11の側面に連結されてお
り、水平アクチュエータ14,15の本体は、上記ルツ
ボ支持台16,17上に固定されている。ルツボ10,
11は、水平アクチュエータ14,15の作動により基
板1の進行方向と平行にルツボ支持台16,17上を摺
動して移動する。この水平アクチュエータ14,15の
設置数は、その出力やルツボ10,11の重量などの諸
条件により、1つのルツボ10,11に対して1つでも
よいし、複数でもよい。
【0018】また上記昇降アクチュエータ18,19の
先端は、それぞれルツボ10,11の下面に連結されて
おり、昇降アクチュエータ18,19の本体は、図示し
ない支持台により、真空チャンバー内に固定されてい
る。この昇降アクチュエータ18,19の設置数は、そ
の出力やルツボ10,11と水平アクチュエータ14,
15の重量、ルツボ支持台16,17の大きさなどの諸
条件により、1つのルツボ支持台16,17に対して1
つでもよいし、複数でもよい。
【0019】上述した水平アクチュエータ14,15お
よび昇降アクチュエータ18,19は、パソコンなどの
制御装置によりそれぞれ単独に制御することができるよ
うになっている。なお、この制御装置は真空チャンバー
外に設置されている。
【0020】続いて、図2から図5に本発明の成膜装置
の作用について説明する。なお、図1に示すルツボ1
0,11の位置を基準とし、制御装置は省略する。図2
は、昇降アクチュエータ18,19のみを作動させて、
2つのルツボ10,11を共に上昇させ基板1に接近さ
せたときの図である。図示するようにルツボ10,11
を基板1に接近させると、基板1下の蒸発材料12,1
3の蒸気密度分布を瞬時に変化させることができ、膜厚
の厚い蒸着膜が成形できるとともに、その膜厚が変化す
るまでの応答時間を短縮することができる。また、図示
しないが、ルツボ10,11を基板1から離反させれば
薄い蒸着膜を成形することができる。このルツボ10,
11の接近および離反の距離を大きく変化させれば、蒸
着膜の制御範囲を拡大することもできる。なお、ルツボ
10,11の移動に伴い、電子ビーム2を偏向させる偏
向磁極装置(図示せず)も移動し、さらに電子銃から放
射される電子ビーム2の放射方向を変化させて、移動後
の蒸発材料12,13の湯面に電子ビーム2を照射して
いる。
【0021】図3は、ルツボ10,11と基板1の距離
と、蒸気の原子数密度を比較したグラフであり、横軸に
基板の中央からの距離を示し、縦軸にルツボと基板の距
離が350mmのときの基板の中央における原子数密度
(個/m3 )を1としたときの原子数密度比を示してい
る。このデータは、図2に示すように、昇降アクチュエ
ータ18,19のみを作動させて、2つのルツボ10,
11を共に上昇させ基板1に接近(または離反)させた
ときのものである。なお、電子銃の出力は80KWであ
り、ルツボの端部の温度は中央部に比べて約600℃高
くなっている。グラフを見て分かるように、ルツボ1
0,11と基板1の距離が350mm(実線)のときを
基準とすると、ルツボ10,11と基板1の距離を25
0mm(一点鎖線)に接近させると、その原子数密度は
約1.5倍になり、ルツボ10,11と基板1の距離を
450mm(破線)に離反させると、その原子数密度は
約0.6倍になっている。蒸着膜の膜厚は、蒸気密度分
布つまり原子数密度に比例して変化するため、ルツボ1
0,11を移動させて基板1との距離を変化させるだけ
で、蒸発材料12,13の温度や蒸発量の変化などの物
理現象を介在させることなく原子数密度を変化させるこ
とができるため、ルツボ10,11の移動から蒸着膜の
膜厚が変化するまでの応答時間を大幅に短縮することが
できる。しかも、グラフに示すように、ルツボ10,1
1を100mm上下させるだけで、蒸着膜の膜厚を約
0.6倍から約1.5倍にまで変化させることができ、
従来の電子ビーム2の制御に比較して、容易に蒸着膜の
膜厚を変化させることができるだけでなく、その制御範
囲をも拡大することができる。
【0022】次に、図4は、水平アクチュエータ14,
15のみを作動させてルツボ10,11同志を互いに接
近させたときの図である。図示するようにルツボ10,
11同志を互いに接近させると、基板1下の蒸発材料1
2,13の蒸気が混合する領域(図の三角形斜線部)を
瞬時に拡大することができ、蒸着膜の合金部を厚くする
ことができる。また、図示しないが、ルツボ10,11
同志を互いに離反させれば、蒸気が混合する領域が縮小
されて蒸着膜の合金部を薄くすることができる。このよ
うにルツボ10,11同志を互いに接近または離反させ
ることにより、基板1下の蒸発材料12,13の蒸気が
混合する領域(図の三角形斜線部)を強制的に変化させ
ることができ、蒸発材料12,13の温度や蒸発量の変
化などの物理現象を介在させる必要がなく、蒸着膜が変
化するまでの応答時間を短縮することができる。また、
このルツボ10,11の接近および離反の距離を大きく
変化させれば、蒸着膜の制御範囲を拡大することもでき
る。なお、ルツボ10,11の一方のみを、他方のルツ
ボ10,11に接近または離反させて蒸気が混合する領
域を変化させてもよい。
【0023】次に、図5は、一方の昇降アクチュエータ
19のみを作動させて、一方のルツボ11のみを上昇さ
せ基板1に接近させたときの図である。図示するように
ルツボ11のみを基板1に接近させると、基板1下の蒸
発材料13の蒸気密度分布を瞬時に変化させることがで
き、蒸発材料13の蒸着膜の膜厚を厚くした蒸着膜が成
形できる。また、図示しないが、一方のルツボ11のみ
を基板1から離反させれば、蒸発材料13の蒸着膜の膜
厚を薄くした蒸着膜を成形することができる。さらに、
図示する状態で、水平アクチュエータ14,15の一方
または両方を作動させて、ルツボ10,11同志を接近
または離反させることにより、基板1下の蒸発材料1
2,13の蒸気が混合する領域(図の三角形斜線部)を
変化させることもできる。なお、他方の昇降アクチュエ
ータ18のみを作動させて、他方のルツボ10のみを上
昇させ基板1に接近または離反させるようにしてもよい
のは言うまでもない。このようにルツボ10,11の一
方または両方を基板1に接近または離反させることによ
り、所望の蒸発材料12,13の蒸着膜の膜厚を容易に
変化させて基板1に蒸着膜を成形することができるた
め、蒸着膜の制御範囲を大幅に拡大することができる。
【0024】上述したように、本発明の真空蒸着装置の
成膜方法および装置では、ルツボ10,11を上下左右
に移動させることにより、積極的かつ強制的に蒸発材料
12,13の蒸気密度分布および基板1下の蒸発材料1
2,13の蒸気が混合する領域を変化させているため、
蒸発材料12,13の温度や蒸発量の変化などの物理現
象を介在させる必要がなく、蒸着膜が変化するまでの応
答時間を短縮することができるとともに、蒸着膜の制御
範囲を大幅に拡大することができる。
【0025】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更でき
ることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】上述したように、本発明の真空蒸着装置
の成膜方法および装置によれば、昇降アクチュエータに
よりルツボ自身を基板に接近または離反させることによ
り、強制的に基板下の蒸発材料の蒸気密度分布を瞬時に
変化させているため、蒸発材料の温度や蒸発量の変化な
どの物理現象を介在させる必要がなく、ルツボの移動か
ら蒸着膜の膜厚が変化するまでの応答時間を大幅に短縮
することができる。さらに、ルツボの移動する距離を大
きくすれば、蒸着膜の膜厚の制御範囲を大幅に拡大する
ことができる。また、水平アクチュエータによりルツボ
同志を接近または離反させることにより、基板下の蒸発
材料の蒸気が混合する領域を変化させ、所望の蒸発材料
の蒸着膜の合金部における混合割合を容易に変化させて
基板に蒸着膜を成形することができるため、蒸着膜の制
御範囲を大幅に拡大することができる。さらに、蒸発材
料の温度や蒸発量の変化などの物理現象の介在が消滅す
るため、蒸着膜の合金部における蒸発材料の混合割合が
変化するまでの応答時間を短縮することができる、など
の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着装置を示す構成図である。
【図2】昇降アクチュエータのみを作動させて、2つの
ルツボを共に上昇させ基板に接近させたときの図であ
る。
【図3】ルツボと基板の距離と、蒸気の原子数密度を比
較したグラフである。
【図4】水平アクチュエータのみを作動させてルツボ同
志を互いに接近させたときの図である。
【図5】一方の昇降アクチュエータのみを作動させて、
一方のルツボのみを上昇させ基板に接近させたときの図
である。
【図6】従来の真空蒸着装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電子ビーム 3 電子銃 4 蒸発材料 5 ルツボ 6 真空チャンバー 10,11 ルツボ 12,13 蒸発材料 14,15 水平アクチュエータ 16,17 ルツボ支持台 18,19 昇降アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 昭博 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重業株式会社技術研究所内 (72)発明者 松田 至康 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重業株式会社横浜エンジニアリン グセンター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを放射する電子銃と、蒸発材
    料を収容する複数のルツボと、それらのルツボを内蔵し
    真空排気された真空チャンバーとを備え、その蒸発材料
    の湯面に電子ビームを照射して加熱、蒸発させて、真空
    チャンバー内を連続して走行する帯状の基板に、蒸発材
    料を蒸着して被膜を成形する真空蒸着装置の成膜方法に
    おいて、 上記複数のルツボをそれぞれ上記基板に接近または離反
    させることにより、蒸着膜の膜厚を調節する、ことを特
    徴とする真空蒸着装置の成膜方法。
  2. 【請求項2】 電子ビームを放射する電子銃と、蒸発材
    料を収容する複数のルツボと、それらのルツボを内蔵し
    真空排気された真空チャンバーとを備え、その蒸発材料
    の湯面に電子ビームを照射して加熱、蒸発させて、真空
    チャンバー内を連続して走行する帯状の基板に、蒸発材
    料を蒸着して被膜を成形する真空蒸着装置の成膜方法に
    おいて、 上記複数のルツボ同志を接近または離反させることによ
    り、蒸着膜の合金部における蒸発材料の混合割合を調節
    する、ことを特徴とする真空蒸着装置の成膜方法。
  3. 【請求項3】 電子ビームを放射する電子銃と、蒸発材
    料を収容する複数のルツボと、それらのルツボを内蔵し
    真空排気された真空チャンバーとを備え、その蒸発材料
    の湯面に電子ビームを照射して加熱、蒸発させて、真空
    チャンバー内を連続して走行する帯状の基板に、蒸発材
    料を蒸着して被膜を成形する真空蒸着装置において、 上記複数のルツボのそれぞれに設けられ上記基板の進行
    方向と平行に移動させる水平アクチュエータと、その各
    水平アクチュエータおよび各ルツボを支持するルツボ支
    持台と、その各ルツボ支持台を昇降させる昇降アクチュ
    エータと、その各昇降アクチュエータおよび各水平アク
    チュエータを制御する制御装置と、を有する、ことを特
    徴とする真空蒸着装置。
JP30127695A 1995-11-20 1995-11-20 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置 Pending JPH09143697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30127695A JPH09143697A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30127695A JPH09143697A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09143697A true JPH09143697A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17894879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30127695A Pending JPH09143697A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09143697A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006134908A1 (ja) * 2005-06-15 2006-12-21 Ulvac, Inc. 有機蒸着装置及び有機蒸着方法
EP1916726A2 (en) * 2006-10-27 2008-04-30 Samsung SDI Co., Ltd. Mask and deposition apparatus using the same
US20080264342A1 (en) * 2007-04-26 2008-10-30 Sony Corporation Deposition apparatus
JP2011047051A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh 化学量論的組成勾配層及び層構造の製造方法及び装置
KR101023271B1 (ko) * 2003-05-28 2011-03-18 독키 가부시키가이샤 증착장치
US8034182B2 (en) * 2003-04-25 2011-10-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Apparatus for forming a film and an electroluminescence device
WO2013140863A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 株式会社アツミテック 多元系のナノ粒子膜形成装置及びこれを用いたナノ粒子膜形成方法
JP2013209702A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nitto Denko Corp 蒸着装置及び蒸着方法
CN113913757A (zh) * 2021-10-12 2022-01-11 东莞旭和光电科技有限公司 一种电子枪蒸发镀膜机

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8399362B2 (en) 2003-04-25 2013-03-19 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Apparatus for forming a film and an electroluminescence device
US8778809B2 (en) 2003-04-25 2014-07-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Apparatus for forming a film and an electroluminescence device
US8034182B2 (en) * 2003-04-25 2011-10-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Apparatus for forming a film and an electroluminescence device
KR101023271B1 (ko) * 2003-05-28 2011-03-18 독키 가부시키가이샤 증착장치
WO2006134908A1 (ja) * 2005-06-15 2006-12-21 Ulvac, Inc. 有機蒸着装置及び有機蒸着方法
EP1916726A2 (en) * 2006-10-27 2008-04-30 Samsung SDI Co., Ltd. Mask and deposition apparatus using the same
EP1916726A3 (en) * 2006-10-27 2008-06-11 Samsung SDI Co., Ltd. Mask and deposition apparatus using the same
US20080264342A1 (en) * 2007-04-26 2008-10-30 Sony Corporation Deposition apparatus
JP2011047051A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh 化学量論的組成勾配層及び層構造の製造方法及び装置
WO2013140863A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 株式会社アツミテック 多元系のナノ粒子膜形成装置及びこれを用いたナノ粒子膜形成方法
JP2013194312A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Atsumi Tec:Kk 多元系のナノ粒子膜形成装置及びこれを用いたナノ粒子膜形成方法
CN104204281A (zh) * 2012-03-22 2014-12-10 株式会社渥美精机 多元系的纳米粒子膜形成装置及使用该装置的纳米粒子膜形成方法
JP2013209702A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nitto Denko Corp 蒸着装置及び蒸着方法
CN113913757A (zh) * 2021-10-12 2022-01-11 东莞旭和光电科技有限公司 一种电子枪蒸发镀膜机
CN113913757B (zh) * 2021-10-12 2023-09-29 东莞旭和光电科技有限公司 一种电子枪蒸发镀膜机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tudose et al. Chemical and physical methods for multifunctional nanostructured interface fabrication
US7541070B2 (en) Method of vapor-depositing strip-shaped substrates with a transparent barrier layer made of aluminum oxide
JPH09143697A (ja) 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置
KR20090122247A (ko) 기재를 코팅하는 방법 및 금속 합금 진공 증착 장치
US20130011440A1 (en) Method and device for depositing thin layers, especially for the production of multiple layers, nanolayers, nanostructures and nanocomposites
CN1155735C (zh) 涂布多孔涂层的方法和设备以及电解电容器的阴极膜
EP0010971B1 (en) Deposition process
JP3407281B2 (ja) 連続真空蒸着装置
JPH09143696A (ja) 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置
JPH08158045A (ja) 真空蒸着装置のルツボ温度制御方法
JP3371454B2 (ja) 連続真空蒸着装置
US5449535A (en) Light controlled vapor deposition
JPH09143678A (ja) 真空蒸着装置の成膜方法および真空蒸着装置
JP3482969B2 (ja) 連続真空蒸着装置
Schiller et al. Deposition by electron beam evaporation with rates of up to 50 μm s− 1
JPH09143726A (ja) 連続真空蒸着装置
JPH09143673A (ja) 真空蒸着装置
JPH06235061A (ja) 連続真空蒸着装置
Zhang et al. In situ lateral patterning of thin films of various materials deposited by physical vapor deposition
JPH0673543A (ja) 連続真空蒸着装置
RU2276206C2 (ru) Способ легирования металлов в пленках
JPH09143695A (ja) 移動式蒸発源を有する連続真空蒸着装置
JP2890686B2 (ja) レーザ・スパッタリング装置
EP4012067B1 (en) Vacuum coating device
JPH062137A (ja) 蒸着めっき方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050822

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050826

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02