JPH09143669A - 熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロール - Google Patents
熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロールInfo
- Publication number
- JPH09143669A JPH09143669A JP7296618A JP29661895A JPH09143669A JP H09143669 A JPH09143669 A JP H09143669A JP 7296618 A JP7296618 A JP 7296618A JP 29661895 A JP29661895 A JP 29661895A JP H09143669 A JPH09143669 A JP H09143669A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- heat
- resistance
- heat treatment
- sprayed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱間での形状保持性に優れたハースロールを
提供する。 【解決手段】 酸化物系セラミックスの耐摩耗性，耐ビ
ルドアップ性および断熱性に優れた溶射皮膜を表層部に
２０〜５００μｍ溶射し、ロール中央部で厚盛りされた
ことを特徴とする熱間での形状保持性に優れた熱処理用
ロール、および表層部が高温耐摩耗性および耐ビルドア
ップ性を兼ね備えたサーメット系またはセラミックス系
溶射皮膜を有し、内部にロール中央部で厚盛りされた断
熱性に優れた酸化物系セラミックス溶射層を２０〜５０
０μｍ内在させたことを特徴とする、熱間での形状保持
性に優れた熱処理用ロール。
提供する。 【解決手段】 酸化物系セラミックスの耐摩耗性，耐ビ
ルドアップ性および断熱性に優れた溶射皮膜を表層部に
２０〜５００μｍ溶射し、ロール中央部で厚盛りされた
ことを特徴とする熱間での形状保持性に優れた熱処理用
ロール、および表層部が高温耐摩耗性および耐ビルドア
ップ性を兼ね備えたサーメット系またはセラミックス系
溶射皮膜を有し、内部にロール中央部で厚盛りされた断
熱性に優れた酸化物系セラミックス溶射層を２０〜５０
０μｍ内在させたことを特徴とする、熱間での形状保持
性に優れた熱処理用ロール。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は熱処理炉内に配置さ
れ鋼板を焼鈍し搬送するためのロールであって、特に断
熱特性に優れた皮膜をロール表層部に有する熱処理炉用
ロール（以下ハースロールという）に関するものであ
る。
れ鋼板を焼鈍し搬送するためのロールであって、特に断
熱特性に優れた皮膜をロール表層部に有する熱処理炉用
ロール（以下ハースロールという）に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】加熱域等の高温域で使用されるハースロ
ールは、炉温あるいはロール温度と板温との温度差が大
きく、鋼板と接触しているロール中央部は、板により冷
やされて収縮し鼓状すなわち凹状になる傾向が有り、い
わゆるサーマルクラウンを生ずる。そうするとロール巾
方向で径差が生じるため、ロールと板との速度差により
板が左右に寄るようになる。
ールは、炉温あるいはロール温度と板温との温度差が大
きく、鋼板と接触しているロール中央部は、板により冷
やされて収縮し鼓状すなわち凹状になる傾向が有り、い
わゆるサーマルクラウンを生ずる。そうするとロール巾
方向で径差が生じるため、ロールと板との速度差により
板が左右に寄るようになる。
【０００３】さらに、ロールの端に寄った側の板は、ロ
ールにより加熱されて端部に波打ち現象が表われ、いわ
ゆるヒートバックルと言われる筋状疵となり品質の低下
となる。この対策としてサーマルクラウンを見越して、
室温加工時にロール中央部が凸状になる様に若干のテー
パー加工をして、操業時にロールが凹状にならないよう
にする方法が知られている。
ールにより加熱されて端部に波打ち現象が表われ、いわ
ゆるヒートバックルと言われる筋状疵となり品質の低下
となる。この対策としてサーマルクラウンを見越して、
室温加工時にロール中央部が凸状になる様に若干のテー
パー加工をして、操業時にロールが凹状にならないよう
にする方法が知られている。
【０００４】しかし凸状テーパー加工には適正値があ
り、大きく取り過ぎると板が不均一に延びてしまうた
め、あまり大きく取ることが出来ない。そのため操業時
においては、板が左右に揺動するウォークがどうしても
発生しており、ヒートバックル防止のため通板速度を下
げて操業せざるを得ない。これが生産性向上の妨げの一
つの原因となっていた。
り、大きく取り過ぎると板が不均一に延びてしまうた
め、あまり大きく取ることが出来ない。そのため操業時
においては、板が左右に揺動するウォークがどうしても
発生しており、ヒートバックル防止のため通板速度を下
げて操業せざるを得ない。これが生産性向上の妨げの一
つの原因となっていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、凸状テーパ
ー加工を施されなくてもヒートバックルを発生しないロ
ールを提供することを目的とする。
ー加工を施されなくてもヒートバックルを発生しないロ
ールを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱域等の高
温域で使用されるハースロールに対して優れた断熱特性
を与え、特にロール中央部でロールが通板材により冷却
され収縮するのを防止することを課題とする。これによ
り板のウォークを無くし、ヒートバックルの発生を防止
し、現状の通板速度を上げた操業を可能とし生産性を向
上、板の品質も安定させるものである。
温域で使用されるハースロールに対して優れた断熱特性
を与え、特にロール中央部でロールが通板材により冷却
され収縮するのを防止することを課題とする。これによ
り板のウォークを無くし、ヒートバックルの発生を防止
し、現状の通板速度を上げた操業を可能とし生産性を向
上、板の品質も安定させるものである。
【０００７】本発明者等は、各種材料の断熱性について
調査したところ、加熱域等の高温域で使用されるハース
ロールに、断熱性に優れたセラミックス系材料を特にロ
ール表層部に厚く溶射することにより、操業時のロール
形状保持性が著しく改善されることを知った。
調査したところ、加熱域等の高温域で使用されるハース
ロールに、断熱性に優れたセラミックス系材料を特にロ
ール表層部に厚く溶射することにより、操業時のロール
形状保持性が著しく改善されることを知った。
【０００８】またロールに要求される耐熱性に関連する
高温耐摩耗性、耐ビルドアップ性、耐熱衝撃性に優れた
サーメットおよびセラミックス皮膜下に断熱性セラミッ
クスを溶射し、熱間でのロール形状保持性を特に改善す
るものである。
高温耐摩耗性、耐ビルドアップ性、耐熱衝撃性に優れた
サーメットおよびセラミックス皮膜下に断熱性セラミッ
クスを溶射し、熱間でのロール形状保持性を特に改善す
るものである。
【０００９】すなわち本発明の要旨とするところは下記
のとおりである。 （１）ロール本体の表面に耐熱性および断熱の目的で、
ＺｒＯ2 ，３Ａｌ2 Ｏ3・２ＳｉＯ2 ，Ａｌ2 Ｏ3 ・Ｍ
ｇＯ等の酸化物系セラミックスを、２０〜５００μｍロ
ール中央部で厚盛りすることを特徴とする、熱間でのロ
ール形状保持性に特に優れたハースロール。
のとおりである。 （１）ロール本体の表面に耐熱性および断熱の目的で、
ＺｒＯ2 ，３Ａｌ2 Ｏ3・２ＳｉＯ2 ，Ａｌ2 Ｏ3 ・Ｍ
ｇＯ等の酸化物系セラミックスを、２０〜５００μｍロ
ール中央部で厚盛りすることを特徴とする、熱間でのロ
ール形状保持性に特に優れたハースロール。
【００１０】（２）表層部にさらにサーメット系または
セラミックス系溶射皮膜を溶射することにより、高温耐
摩耗性および耐ビルドアップ性を兼ね備え、熱間でのロ
ール形状保持性に優れたハースロール。
セラミックス系溶射皮膜を溶射することにより、高温耐
摩耗性および耐ビルドアップ性を兼ね備え、熱間でのロ
ール形状保持性に優れたハースロール。
【００１１】
【発明の実施の形態】第１の発明においては、酸化物系
セラミックスをロール表面に溶射するが、セラミックス
としては熱遮断性に優れたＺｒＯ2 −Ｙ2 Ｏ3 系、Ａｌ
2 Ｏ3 系等を用いることが出来る。必要により硼化物、
炭化物等他のセラミックスの含有を妨げるものではな
い。
セラミックスをロール表面に溶射するが、セラミックス
としては熱遮断性に優れたＺｒＯ2 −Ｙ2 Ｏ3 系、Ａｌ
2 Ｏ3 系等を用いることが出来る。必要により硼化物、
炭化物等他のセラミックスの含有を妨げるものではな
い。
【００１２】そしてロール中央部での板の冷却を少なく
するため、中央部での厚盛りを前提として、前加工して
おく。あるいは厚盛りで凸状のクラウンをつけても良
い。この第１の発明の例を図１（ａ）に示す。１はロー
ル本体で、２は断熱性セラミックスである。セラミック
スは中央で厚盛りされている。
するため、中央部での厚盛りを前提として、前加工して
おく。あるいは厚盛りで凸状のクラウンをつけても良
い。この第１の発明の例を図１（ａ）に示す。１はロー
ル本体で、２は断熱性セラミックスである。セラミック
スは中央で厚盛りされている。
【００１３】皮膜厚さは熱遮断効果のある厚みが必要
で、最低２０μｍが必要である。また厚すぎると、使用
中の熱衝撃で熱歪による剥離を起こしやすくなるため、
５００μｍ以下とした。厚盛りする巾は、鋼板の巾と同
程度とすることが望ましい。厚盛り手段は溶射法が良
い。
で、最低２０μｍが必要である。また厚すぎると、使用
中の熱衝撃で熱歪による剥離を起こしやすくなるため、
５００μｍ以下とした。厚盛りする巾は、鋼板の巾と同
程度とすることが望ましい。厚盛り手段は溶射法が良
い。
【００１４】溶射法はセラミックス溶射であるため、プ
ラズマ法あるいは爆発溶射などが好ましい。また密着性
改善のため酸化物皮膜下にＭＣｒＡｌＹ合金や、これら
合金のサーメットを下地層として溶射する場合も本発明
に含むものである。さらに、酸化物皮膜上に各種封孔処
理を適用し、耐ビルドアップ性、耐摩耗性を改善する場
合も、本発明に含むものである。
ラズマ法あるいは爆発溶射などが好ましい。また密着性
改善のため酸化物皮膜下にＭＣｒＡｌＹ合金や、これら
合金のサーメットを下地層として溶射する場合も本発明
に含むものである。さらに、酸化物皮膜上に各種封孔処
理を適用し、耐ビルドアップ性、耐摩耗性を改善する場
合も、本発明に含むものである。
【００１５】第２の発明では、第１のセラミックス系断
熱溶射層の上に、サーメット系またはセラミックス系溶
射皮膜を付与し、高衝撃荷重に耐えるようにしており、
高荷重下の断熱性ロールとして適当なものである。また
サーメットとしては、下部と同系の酸化物を含むＭＣｒ
ＡｌＹ耐熱合金サーメット、あるいは表層部の耐摩耗
性、耐ビルドアップ性を改善するために、硼化物、Ｔａ
Ｃ、ＮｂＣ、Ｃｒ3 Ｃ2等の炭化物などを添加したサー
メットを使用しても良い。
熱溶射層の上に、サーメット系またはセラミックス系溶
射皮膜を付与し、高衝撃荷重に耐えるようにしており、
高荷重下の断熱性ロールとして適当なものである。また
サーメットとしては、下部と同系の酸化物を含むＭＣｒ
ＡｌＹ耐熱合金サーメット、あるいは表層部の耐摩耗
性、耐ビルドアップ性を改善するために、硼化物、Ｔａ
Ｃ、ＮｂＣ、Ｃｒ3 Ｃ2等の炭化物などを添加したサー
メットを使用しても良い。
【００１６】この場合の膜厚はロールの受ける衝撃力、
熱応力等を考慮し決定するが、厚すぎると断熱性を阻害
することになるので、多くは５００μｍ以下にすること
が望ましい。この第２発明の例を図１（ｂ）に示す。１
はロール本体、２は断熱性セラミックス、３は高衝撃荷
重に耐えるためのサーメット系又はセラミックス系の溶
射皮膜である。断熱溶射層の巾は、第１の発明と同じく
鋼板の巾程度が良い。
熱応力等を考慮し決定するが、厚すぎると断熱性を阻害
することになるので、多くは５００μｍ以下にすること
が望ましい。この第２発明の例を図１（ｂ）に示す。１
はロール本体、２は断熱性セラミックス、３は高衝撃荷
重に耐えるためのサーメット系又はセラミックス系の溶
射皮膜である。断熱溶射層の巾は、第１の発明と同じく
鋼板の巾程度が良い。
【００１７】断熱性セラミックス層の上にセラミックス
溶射を行う場合は、耐熱衝撃性、耐ビルドアップ性など
を考慮して選択する。２ＣａＯ・ＳｉＯ2 、部分安定化
ＺｒＯ2 、ＺｒＯ2 ・ＳｉＯ2 系などが用いられるが、
仕上げ層でもあり数十μｍ程度の膜厚で好結果が得られ
る。
溶射を行う場合は、耐熱衝撃性、耐ビルドアップ性など
を考慮して選択する。２ＣａＯ・ＳｉＯ2 、部分安定化
ＺｒＯ2 、ＺｒＯ2 ・ＳｉＯ2 系などが用いられるが、
仕上げ層でもあり数十μｍ程度の膜厚で好結果が得られ
る。
【００１８】
【実施例】本発明の実施例により、その効果について説
明する。表１は酸化物系セラミックスを溶射した場合
の、ロールの使用性能を示したもので、通板材のヒート
バックルの発生率が本発明ロールを使用した場合、高速
通板でもほぼ０％となっており、従来溶射ロールのごと
く、均一溶射したものや溶射皮膜のないロールに比べ大
きく向上していることが明らかである。
明する。表１は酸化物系セラミックスを溶射した場合
の、ロールの使用性能を示したもので、通板材のヒート
バックルの発生率が本発明ロールを使用した場合、高速
通板でもほぼ０％となっており、従来溶射ロールのごと
く、均一溶射したものや溶射皮膜のないロールに比べ大
きく向上していることが明らかである。
【００１９】これは、ロールの形状保持性が改善された
ためにほかならない。またサーメット溶射あるいはセラ
ミックス溶射を表層に施工した場合には、サンプルの耐
熱衝撃特性、ヒートバックル疵発生率ともに優れている
（繰返し焼入れ可能回数が多い）ことがわかる。
ためにほかならない。またサーメット溶射あるいはセラ
ミックス溶射を表層に施工した場合には、サンプルの耐
熱衝撃特性、ヒートバックル疵発生率ともに優れている
（繰返し焼入れ可能回数が多い）ことがわかる。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【発明の効果】本発明は、加熱の高温域で使用されるハ
ースロールに対して優れた断熱特性を与え、特にロール
中央部でロールが通板材により冷却され収縮するのを防
止する。これにより板のウォークを無くし、ヒートバッ
クルの発生を防止し、現状の通板速度を上げた操業を可
能とし生産性を向上、板の品質も安定させる。
ースロールに対して優れた断熱特性を与え、特にロール
中央部でロールが通板材により冷却され収縮するのを防
止する。これにより板のウォークを無くし、ヒートバッ
クルの発生を防止し、現状の通板速度を上げた操業を可
能とし生産性を向上、板の品質も安定させる。
【図１】（ａ），（ｂ）は本発明の実施例を示す説明図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 泰造 北九州市戸畑区飛幡町１番１号 新日本製 鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 津田 拓也 東海市東海町５−３ 日鉄ハード株式会社 名古屋製造所内
Claims (2)
- 【請求項１】 酸化物系セラミックスの耐摩耗性，耐ビ
ルドアップ性および断熱性に優れた溶射皮膜を表層部に
２０〜５００μｍ溶射しロール中央部で厚盛りされたこ
とを特徴とする熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロ
ール。 - 【請求項２】 表層部が高温耐摩耗性および耐ビルドア
ップ性を兼ね備えたサーメット系またはセラミックス系
溶射皮膜を有し、内部にロール中央部で厚盛りされた断
熱性に優れた酸化物系セラミックス溶射層を２０〜５０
０μｍ内在させたことを特徴とする熱間での形状保持性
に優れた熱処理用ロール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7296618A JPH09143669A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7296618A JPH09143669A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09143669A true JPH09143669A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=17835885
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7296618A Withdrawn JPH09143669A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 熱間での形状保持性に優れた熱処理用ロール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09143669A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4519387B2 (ja) * | 1999-11-09 | 2010-08-04 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 耐ビルドアップ性に優れた溶射被覆用サーメット粉末と溶射被覆ロール |
-
1995
- 1995-11-15 JP JP7296618A patent/JPH09143669A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4519387B2 (ja) * | 1999-11-09 | 2010-08-04 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 耐ビルドアップ性に優れた溶射被覆用サーメット粉末と溶射被覆ロール |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030204 |