JPH09143625A - シャドウマスク用Fe−Ni系合金素材 - Google Patents

シャドウマスク用Fe−Ni系合金素材

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JPH09143625A
JPH09143625A JP7329442A JP32944295A JPH09143625A JP H09143625 A JPH09143625 A JP H09143625A JP 7329442 A JP7329442 A JP 7329442A JP 32944295 A JP32944295 A JP 32944295A JP H09143625 A JPH09143625 A JP H09143625A
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Toshiyuki Ono
俊之 小野
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Nikko Kinzoku KK
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C19/00Alloys based on nickel or cobalt
    • C22C19/03Alloys based on nickel or cobalt based on nickel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/08Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing nickel
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング時のスジムラの発生を抑制しうる
シャドウマスク用Fe−Ni系合金素材の提供。 【解決手段】 Niを30〜55wt%含有し、残部が
Mn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−Ni系合
金において、Mn含有量を1.0wt%以下、不可避的
不純物としてSi含有量を0.05wt%以下且つP含
有量を0.01wt%以下に規制し、エッチング直前の
合金素材で、断面におけるミクロ偏析域のNiの成分濃
度差が3%以下、Niの偏析と同じ位置の、Siの成分
濃度差:0.02%以下、Mnの成分濃度差:0.1w
t%以下、Pの成分濃度差:0.002wt%以下とす
る。Ni偏析部のNiの成分濃度差と、同時に存在する
Si、Mn、Pの成分濃度差の規制によりスジムラを抑
制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細エッチングに
より加工されるシャドウマスク用素材に係り、特に微細
エッチング加工により形成した電子線の透過孔の壁面に
おけるスジムラの発生を抑制した、Niを30〜55w
t%含有するシャドウマスク用Fe−Ni系合金素材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーブラウン管用のシャドウマ
スクは、色純度の観点から低熱膨張係数の「36合金」
と呼ばれるFe−Ni系合金が使用されている。一般に
シャドウマスクはエッチングによって電子線の透過孔を
加工するが、このようにしてエッチング加工されたFe
−Ni系合金シャドウマスクは、従来から使用されてい
る軟鋼製のシャドウマスクに比較して、表面から目視で
見える、電子線の透過孔の壁面におけるスジムラと称す
る欠陥を生じやすいことがわかった。このスジムラにつ
いては、Fe−Ni系合金の場合、ニッケルの成分偏析
であり、ニッケル偏析部と母材部とでエッチング性に差
があり、その結果として孔形状が悪くなっていることが
判明している(特開昭60−56053号)。透過孔は
通常、片側の表面に例えば直径80μmの真円状開口部
を多数有し、もう一方の表面の相対する位置に例えば直
径180μmの真円状の開口部を有するレジストマスク
を形成した後、塩化第二鉄水溶液をスプレー状に吹付け
ることにより形成される。
【0003】ニッケルの偏析部は、図2に示すように、
塩化第2鉄水溶液またはナイタールと称されている硝酸
5%アルコール液で合金素材の断面をエッチングした時
に見える線状のスジ部1(縞状組織と称されている)で
ある。ニッケルの偏析部が長く伸びているのは圧延され
た結果である。この偏析部と母材部との境界はX線強度
の急激なステップ状の上昇から明確に把握することがで
きる。
【0004】スジムラの発生の程度は、シャドウマスク
の直径の小さな孔側を表にして裏側から斜めに光を通し
て観察することにより確認することができる。
【0005】このスジムラの発生防止対策としては、N
i偏析域の母材のNi成分に対する偏析率、すなわち
{(偏析域の成分濃度−平均成分濃度)/(平均成分濃
度)}×100の値が小さいとスジムラの発生が抑制さ
れることから、当該偏析率を10%以下、単位体積中の
偏析部を5容積%以下、エッチング直前の偏析部の1つ
の長さを30mm以下とすることが提唱されている(前
記特開昭60−56053号)。また、エッチング穿孔
時のムラ発生の防止を目的として、エッチング直前の合
金板の表面のSiの成分偏析率を10%以下にすること
も提案されている(特開平4−74850号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シャド
ウマスクの電子線の透過孔の間隔が微細になるにつれ
て、従来になかった細いスジムラが発生し、これに対し
てはこれまでの穿孔技術での防止効果は満足できるもの
ではなく、改善が望まれていた。
【0007】このようなことから、本発明が課題とした
のは、上述したような細いスジムラを含めてエッチング
時のスジムラの発生を抑制しうるシャドウマスク用Fe
−Ni系合金素材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく種々の検討を行ったところ、次のような新
しい知見を得ることができた。即ち、スジに見えるの
は、電子線の透過孔の壁面にエッチング性が変化したた
めの局部的な段差が生じたためで、この局部的な段差
は、Niの偏析部のNiの成分濃度差に依存し、Niの
成分濃度差が小さい場合には発生しにくくなる傾向にあ
り、加えてNiの成分濃度差が小さいにもかかわらずス
ジムラが見える場合があり、その原因がNiの偏析部に
同時にSi、Mn及びPの成分濃度差がある場合である
ことを究明した。
【0009】詳しくは、微細な電子線の透過孔の壁面に
おけるスジムラの発生に影響するのは、これまで考慮さ
れたような偏析率ではなく、偏析部における成分濃度差
であり、スジムラの発生を抑制するには、Niの偏析部
のNiの成分濃度差以外に、同時に存在するSi、Mn
及びPの少なくとも1種の成分濃度差を一定の値以下に
する必要があり、さらに、スジムラの発生の程度はS
i、Mn及びPの成分濃度差は、Niの成分濃度差によ
って変化することを見出したのである。Si、Mn及び
Pの存在状態は、Niと化合物を形成しているのか、あ
るいは合金素地に固溶しているのかは明らかではない
が、いずれにしても、これらの成分濃度差がNiの成分
濃度差で生じるエッチング性の差を加速させることを見
出したのである。
【0010】ここで言うNiの成分濃度差とは、図1に
示すように、塩化第2鉄水溶液またはナイタールと称さ
れている硝酸5%アルコール液で合金素材の断面をエッ
チングした時に見える線状のスジ部(縞状組織と称され
ている)を厚さ方向に測定したNi濃度変化曲線(X線
による分析(EPMA)のX線強度変化曲線)の隣接す
る山部(Ni濃度が高い)と谷部(Ni濃度が低い)の
差の最大値であり、そしてSi、Mn及びPの成分濃度
差はその山部と谷部に相当する位置の濃度差である。
【0011】この知見に基づいて、本発明は、(1)N
iを30〜55wt%含有し、そして残部がMn、Fe
及び不可避的不純物から成るFe−Ni系合金におい
て、Mn含有量を1.0wt%以下とし、そして不可避
的不純物としてSiの含有量を0.05wt%以下且つ
Pの含有量を0.01wt%以下に規制すると共に、エ
ッチング直前の合金素材で、断面におけるミクロ偏析域
のNiの成分濃度差が3%以下、Niの偏析と同じ位置
のSiの成分濃度差が0.02%以下であり、より好ま
しくは、同じ位置のSiとNiの成分濃度差が下記の数
式1、すなわち
【数5】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金素材を提供する。
【0012】本発明はまた、(2)Niを30〜55w
t%含有し、そして残部がMn、Fe及び不可避的不純
物から成るFe−Ni系合金において、Mn含有量を
1.0wt%以下とし、そして不可避的不純物としてS
iの含有量を0.05wt%以下且つPの含有量を0.
01wt%以下に規制すると共に、エッチング直前の合
金素材で、断面におけるミクロ偏析域のNiの成分濃度
差が3%以下、Niの偏析と同じ位置のMnの成分濃度
差が0.1%以下であり、より好ましくは同じ位置のM
nとNiの成分濃度差が下記の数式6、すなわち
【数6】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金素材を提供する。
【0013】本発明は更に、(3)Niを30〜55w
t%含有し、そして残部がMn、Fe及び不可避的不純
物から成るFe−Ni系合金において、Mn含有量を
1.0wt%以下、そして不可避的不純物であるSiの
含有量を0.05wt%以下且つPの含有量を0.01
wt%以下に規制すると共に、エッチング直前の合金素
材で、断面におけるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が
3%以下、Niの偏析と同じ位置のPの成分濃度差が
0.002%以下であり、より好ましくは且つ同じ位置
のPとNiの成分濃度差が下記の数式7、すなわち
【数7】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金素材を提供する。
【0014】Ni並びにSi、Mn及びPを総合的に考
慮して、本発明は、(4)Niを30〜55wt%含有
し、残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe
−Ni系合金において、Mn含有量を1.0wt%以
下、そして不可避的不純物であるSiの含有量を0.0
5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、Ni
の偏析と同じ位置のSiの成分濃度差が0.02%以
下、Mnの成分濃度差が0.1%以下、Pの成分濃度差
が0.002%以下であり、同じ位置のSi、Mn、
P、及びNiの成分濃度差が下記の数式8、すなわち
【数8】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金素材を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】上述のように、本願発明は、低熱
膨張特性を有するシャドウマスク用Fe−30〜55w
t%Ni系合金素材のNi偏析部のNiの成分濃度差
と、同時に存在するSi、Mn、Pの成分濃度差を規制
することによって、エッチング時に発生するスジムラを
抑制することを骨子としたものであるが、以下、本発明
における各構成要件の限定理由を説明する。
【0016】(A)素材のMn含有量 Mnは、その含有量が1.0wt%を超えると熱膨張特
性が大きく損なわれることから上限を1.0wt%、好
ましくは0.35wt%とした。
【0017】(B)素材のSi含有量 Siは、その含有量が0.05wt%を超えるとエッチ
ング性が大きく損なわれることから上限を0.05wt
%、好ましくは0.035wt%とした。
【0018】(C)素材のP含有量 Pは、その含有量が0.01wt%を超えるとエッチン
グ性が大きく損なわれることから上限を0.01wt
%、好ましくは0.005wt%とした。
【0019】(D)ミクロ偏析部における成分濃度差 ミクロ偏析部における成分濃度差は、電子線の透過孔の
壁面に局部的な段差を生じさせ、スジムラを起こす。こ
れを防止するためには、ミクロ偏析域のNiの成分濃度
差が3%wt以下、好ましくは2%wt以下であること
が必要である。加えて、Niの偏析部に同時に、Si、
Mn、Pの成分濃度差が存在するとスジムラ発生を加速
させる。ただし、成分濃度差の上限は、各元素によって
影響度合いが異なり、Niの成分濃度差によっても変化
する。多数の実験の結果、それらの上限はそれぞれ以下
のように設定するとよいことが判明した。Si、Mn及
びPの2元素が共存する場合にはそれら元素各々を下記
の通り規制する。3元素が共存する場合にはスジムラ発
生の程度を加速させるので、別途規制することが好まし
い。
【0020】ここで言うNiの成分濃度差とは、図1に
示すように、塩化第2鉄水溶液またはナイタールと称さ
れている硝酸5%アルコール液で合金素材の断面をエッ
チングした時に見える線上のスジ部(縞状組織と称され
ている)を厚さ方向に測定したNi濃度変化曲線(X線
による分析(EPMA)のX線強度変化曲線)の隣接す
る山部(Ni濃度が高い)と谷部(Ni濃度が低い)の
差の最大値であり、Si、Mn及びPの成分濃度差はそ
の同じ位置での山部と谷部に相当する位置の濃度差であ
る。 Siの成分濃度差:0.02wt%以下、 Mnの成分濃度差:0.1wt%以下、 Pの成分濃度差:0.002wt%以下、
【0021】
【数9】
【0022】こうした成分制御は、溶解原料として工業
的に生産されている一般の低C、低P純鉄および純ニッ
ケルを用い、フェロマンガンの添加量でMnの含有量を
調整し、溶解方法としては真空溶解もしくは大気溶解と
炉外精錬の組み合わせ、不純物濃度を下げるために脱
炭、脱硫、脱燐処理等を行うことにより得られる。
【0023】更に、前記特開昭60−56053号に記
載されたように、Ni偏析域の母材のNi成分に対する
偏析率、すなわち{(偏析域の成分濃度−平均成分濃
度)/(平均成分濃度)}×100の値が小さいとスジ
ムラの発生が抑制されることから、当該偏析率を10%
以下、単位体積中の偏析部を5容積%以下、エッチング
直前の偏析部の1つの長さを30mm以下とすることが
好ましい。こうした条件を満たすための製造手段として
は、インゴット製造時の偏析防止、具体的には鋳造時の
電磁攪拌、軽圧下鋳造などにより行うことができる。
【0024】
【実施例】次いで、本発明の実施例を比較例と対比しな
がら説明する。まず、真空溶解法により表1に示す化学
成分組成のFe−36%Ni合金鋳塊を得た。溶解原料
は、工業的に生産されている一般の低C、低P純鉄およ
び純ニッケルを用い、フェロマンガンの添加量でMnの
含有量を調整した。溶解方法としては真空溶解以外に大
気溶解と炉外精錬の組み合わせでもよく、不純物濃度を
下げるために脱炭、脱硫、脱燐処理を行った方が好まし
い。
【0025】続いて、鍛造と熱間圧延を施し、更に冷間
圧延と焼鈍を繰り返すことによって0.13mm厚さの
合金帯を製造した。なお、この時、成分濃度差を変化さ
せるために鍛造前の加熱は、温度が1150〜1350
℃の範囲で、保持時間が5〜30時間の範囲で調整し
た。
【0026】ここで、得られた合金帯のうち、試料N
o.1〜8は本発明の要件を満たす実施例であり、そし
て試料No.9〜15は比較例である。
【0027】次に、これら合金帯のスジムラの発生の程
度を比較するため周知のフォトリソグラフィー技術を適
用して、片側の表面に直径80μmの真円状開口部を多
数有し、もう一方の表面の相対する位置に直径180μ
mの真円状の開口部を有するレジストマスクを形成した
後、塩化第二鉄水溶液をスプレー状に吹付け、透過孔を
形成し、シャドウマスクを作製した。そして、シャドウ
マスクの直径の小さな孔側を表にして裏側から斜めに光
を通し、スジムラの発生の程度を観察した。
【0028】さらに、合金板の長手両端と中央の3ケ所
について圧延直角断面を塩化第二鉄水溶液でエッチング
し、観察された線状のスジ部(縞状組織)の強い部分を
各断面から10ケ所選び、その部分の板厚方向の濃度変
化曲線から、各成分の濃度差を求めた。(濃度差の求め
方は図1に示している)実施例及び比較例におけるこれ
らの結果をまとめて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示した結果から、本発明のいかなる
要件を満たす試料No.1〜8はスジムラの発生がなか
った。
【0031】これに対して、試料No.9はNi濃度差
が3%を超えるためSiやMnの成分濃度差が小さくて
もNi成分濃度差とSiやMnの成分濃度差の関係が満
たされないために、スジムラが発生している。また、試
料No.10〜14はNiの成分濃度差が小さいにも係
わらずSi、Mn、Pのいずれかの成分濃度差が本発明
の要件を満たさないゆえにスジムラが発生している。ま
た、試料No.15はNiおよびSi、Mn、Pの成分
濃度差は本発明の要件を満たしているが、Ni成分濃度
差とSi、Mn、Pの成分濃度差の合計の関係が満たさ
れないためにわずかにスジムラが発生している。
【0032】つまり、上記結果からは、Niと同時に存
在するSi、Mn、Pの成分濃度差を規定することによ
って、スジムラの発生を確実になくすことが可能となっ
たことが確認できる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、シャドウマスク用Fe−Ni系合金素材の微細エッ
チング時のスジムラ発生を抑制することができ、高精度
シャドウマスクの品質向上に寄与し、電子線の透過孔の
間隔がより狭いシャドウマスク用素材の提供が可能とな
るなど、産業上非常に有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成分濃度差の規定を説明する模式図である。
【図2】エッチングした後のNi偏析部を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 偏析部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物としてSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のSiの成分濃度差が0.02
    %以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe−
    Ni系合金素材。
  2. 【請求項2】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物としてSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のSiの成分濃度差が0.02
    %以下であり、且つ同じ位置のSiとNiの成分濃度差
    が下記の数式1、すなわち 【数1】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
    ク用Fe−Ni系合金素材。
  3. 【請求項3】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物としてSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のMnの成分濃度差が0.1%
    以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe−N
    i系合金素材。
  4. 【請求項4】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物としてSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のMnの成分濃度差が0.1%
    以下であり、且つ同じ位置のMnとNiの成分濃度差が
    下記の数式2、すなわち 【数2】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
    ク用Fe−Ni系合金素材。
  5. 【請求項5】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物であるSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のPの成分濃度差が0.002
    %以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe−
    Ni系合金素材。
  6. 【請求項6】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物であるSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置のPの成分濃度差が0.002
    %以下であり、且つ同じ位置のPとNiの成分濃度差が
    下記の数式3、すなわち 【数3】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
    ク用Fe−Ni系合金素材。
  7. 【請求項7】 Niを30〜55wt%含有し、そして
    残部がMn、Fe及び不可避的不純物から成るFe−N
    i系合金において、Mn含有量を1.0wt%以下と
    し、そして不可避的不純物であるSiの含有量を0.0
    5wt%以下且つPの含有量を0.01wt%以下に規
    制すると共に、エッチング直前の合金素材で、断面にお
    けるミクロ偏析域のNiの成分濃度差が3%以下、そし
    てNiの偏析と同じ位置の、Siの成分濃度差が0.0
    2%以下、Mnの成分濃度差が0.1%以下そしてPの
    成分濃度差が0.002%以下であり、且つ同じ位置の
    Si、Mn、P及びNiの成分濃度差が下記の数式4、
    すなわち 【数4】 で表される範囲内にあることを特徴とするシャドウマス
    ク用Fe−Ni系合金素材。
JP7329442A 1995-11-27 1995-11-27 シャドウマスク用Fe−Ni系合金素材 Withdrawn JPH09143625A (ja)

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