JPH09143449A - コネクタ用シール材 - Google Patents

コネクタ用シール材

Info

Publication number
JPH09143449A
JPH09143449A JP7301498A JP30149895A JPH09143449A JP H09143449 A JPH09143449 A JP H09143449A JP 7301498 A JP7301498 A JP 7301498A JP 30149895 A JP30149895 A JP 30149895A JP H09143449 A JPH09143449 A JP H09143449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
sealing material
weight
connector
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7301498A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Tai
井 進 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Valqua Industries Ltd, Nihon Valqua Kogyo KK filed Critical Nippon Valqua Industries Ltd
Priority to JP7301498A priority Critical patent/JPH09143449A/ja
Publication of JPH09143449A publication Critical patent/JPH09143449A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ゴムと、該ゴム100重量部に対して0.
1〜30重量部の量の繊維とを含有し、上記繊維の平均
繊維長が5μm〜0.9mmであり、平均繊維径が0.
2〜30μmであることを特徴とするコネクタ用シール
材。 【効果】加熱下においても熱劣化による亀裂が発生・生
長せず、しかも良好なシール性を長期間に亘り保持する
ことのできるコネクタ用シール材が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、コネクタ用シール材に関
し、さらに詳しくは、例えば、自動車エンジンルーム内
等の配線の接続部に好適に用い得るようなコネクタ用シ
ール材に関する。
【0002】
【従来の技術】コネクタは、電気配線の接続部に用いら
れ、例えば自動車のエンジンルーム内の電気配線の接続
部などに数多く使用されている。
【0003】特に自動車用のコネクタでは、雨水の浸透
あるいは路面からの水跳ね、潤滑油等の飛散などによ
り、コネクタ内のターミナルが腐食され、電気信号の授
受に悪影響が生ずる虞がある。
【0004】このため、このような用途に用いられるコ
ネクタでは、雌雄コネクタの嵌合部分、あるいはターミ
ナルに接続されている電線のコネクタ入口部分などに、
防水栓、Oリング、パッキン等のシール材を介在させ、
コネクタ内を外部から遮蔽するようにして、シール性を
保持している。
【0005】しかしながら、従来このような部分に用い
られるシール材には、エンジンルーム内の温度上昇によ
って熱劣化し、コネクタのカシメ部と当接する部分など
では亀裂が生じるという問題点があった。
【0006】このような問題点を解消するために本発明
者らが、ゴムの架橋密度を減少させ、あるいはホワイト
カーボンなどの補強剤を配合することにより得られるシ
ール材の引裂強さ(トラウザ型)を大きくして、シール
材の亀裂発生を防ぐことを試みたところ、シール材の引
裂強さを大きくすると圧縮永久歪率が大きくなり、ゴム
弾性を失いシール性が低下してしまうとの新たな問題点
が浮上した。
【0007】このような問題点を解決すべく鋭意研究し
たところ、ゴムと、このゴム量に対して特定量の繊維と
を含有し、この繊維の平均繊維長と、平均繊維径とがそ
れぞれ特定の範囲にあるコネクタ用シール材では、加熱
下においても熱劣化による亀裂が発生せず、しかも良好
なシール性を長期間に亘り保持することができることを
見出して本発明を完成するに至った。
【0008】なお、特開平3-177443号公報に
は、ゴム100重量部に対して、樹脂固形分濃度が0.
1〜30重量%であるレゾルシン/ホルマリン樹脂とス
ルホクロル化ポリα-オレフィンラテックスを含むRF
L液に浸漬して、短繊維に対して上記樹脂固形分を0.
1〜20重量%の範囲で付着させた短繊維3〜90重量
部を含有する短繊維含有ゴム組成物が記載されている。
また、その発明の詳細な説明の欄には、上記短繊維の繊
維長は、通常、1〜30mmの範囲であり、その直径
は、アスペクト比にて50〜500の範囲である旨記載
されている。また、このような短繊維含有ゴム組成物
は、モジュラス、引裂強度、硬度等の物性の改善された
短繊維-ゴム複合体を与えるので、例えば、タイヤ、ベ
ルト、ホース等、種々の製品の製造に好適に使用される
旨記載されている。
【0009】また、実開平5-62877号公報には、
ゴムの内部に補強繊維を軸方向に配向させて充填し、軸
方向の強度を直交する方向よりも大となるように強度に
異方性を持たせると共に、軸方向と直交方向には弾力性
を保持している、防水コネクタのシール用ゴム部品が開
示されている。
【0010】しかしながらこれらの公報には、コネクタ
用シール材として、どのような繊維長等の形状を有する
繊維と、ゴムとをどのような量で用いれば、加熱下にお
いても熱劣化による亀裂が発生・生長せず、しかも良好
なシール性を長期間に亘り保持することができるコネク
タ用シール材を得ることができるかという点について
は、何等教示されていない。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、加熱下におい
ても熱劣化による亀裂が発生・生長せず、しかも良好な
シール性を長期間に亘り保持することのできるコネクタ
用シール材を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係るコネクタ用シール材は、ゴ
ムと、該ゴム100重量部に対して0.1〜30重量部
の量の繊維とを含有し、上記繊維の平均繊維長が5μm
〜0.9mm、好ましくは10μm〜500μm、特に
好ましくは52〜420μmであり、平均繊維径が0.
2〜30μmであることを特徴としている。
【0013】本発明の好ましい態様においては、上記繊
維の200メッシュ通過分は95%以上である。また、
上記ゴムは、シリコーンゴムまたはNBRであることが
好ましく、特に好ましくはシリコーンゴムであることが
望ましい。
【0014】このような本発明に係るコネクタ用シール
材では、加熱下(例:80℃,16時間)においても熱
劣化による亀裂が発生・生長せず、しかも良好なシール
性を長期間に亘り保持することができる。このようなコ
ネクタ用シール材は、特に自動車の配線接続部等に好適
に用いられる。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るコネクタ用シ
ール材について、具体的に説明する。[コネクタ用シール材] 本発明に係るコネクタ用シール
材は、ゴムと、該ゴム100重量部に対して0.1〜3
0重量部、好ましくは5〜10重量部の量の繊維とを含
有し、上記繊維の平均繊維長が5μm〜0.9mm、好
ましくは10μm〜500μm、特に好ましくは52〜
420μmであり、平均繊維径(直径)が0.2〜30
μm、好ましくは10〜20μmである。コネクタ用シ
ール材中におけるこの繊維の含有量がゴム100重量部
に対して0.1重量部未満では、充分に引裂強さに優れ
たコネクタ用シール材が得られず、また30重量部を超
えると、コネクタ用シール材の引裂強さがそれ以上あま
り向上することなく、圧縮永久歪率が大きくなってしま
う。また、上記繊維の平均繊維長が5μm未満では、充
分に引裂強さが向上しなくなる傾向があり、また0.9
mmを超えると、コネクタ用シール材から繊維がはみ出
す傾向がある。また、平均繊維径が0.2μm未満で
は、充分に引裂強さが向上しなくなる傾向があり、30
μmを超えると、逆に亀裂生長しやすくなる傾向があ
る。
【0016】本発明の好ましい態様においては、上記繊
維の200メッシュ通過分が95%以上である。 [ゴム]このような本発明に係るコネクタ用シール材で
は、上記ゴムとしては、特に限定されることなく種々の
ものを用いることができ、アクリル系ゴム、フッ素系ゴ
ム、エチレン-プロピレン系ゴム、シリコーン系ゴム、
ウレタン系ゴム、ジエン系ゴムの水素化物、多硫化ゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリ
ン系ゴム(ヒドリン系ゴム)等が挙げられる。
【0017】アクリル系ゴムとしては、具体的には、例
えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とし、このアクリル酸ア
ルキルエステルと、コモノマーのアクリル酸2-クロロ
エチル、2-クロロビニルエーテル、アクリロニトリル
等との共重合体が挙げられる。
【0018】フッ素系ゴムとしては、さらに具体的に
は、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム、フルオロシリコ
ーン系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴ
ム、フルオロホスファゼン系ゴム、テトラフルオロエチ
レン-パーフルオロビニルエーテル系ゴムなどが挙げら
れる。
【0019】エチレン-プロピレン系ゴムとしては、具
体的には、例えば、エチレンとプロピレンとの共重合体
(EPM)、エチレンとプロピレンと架橋用ジエンモノ
マー(例:エチリデンノルボルネン)との三元共重合体
(EPDM)などが挙げられる。
【0020】シリコーン系ゴムとしては、具体的には、
例えば、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチル
ビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリ
コーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FV
MQ)などが挙げられる。
【0021】ウレタン系ゴムとしては、具体的には、例
えば、エステル系、エーテル系、カプロラクトン系、カ
ーボネート系などのポリオールと、芳香族系、脂肪族
系、脂環族系などのイソシアネートと、低分子量ポリオ
ール、低分子量ポリアミンなどの鎖延長剤との組合わせ
からなる、熱可塑性および熱硬化性ウレタンゴムなどが
挙げられる。
【0022】ジエン系ゴムとしては、具体的には、例え
ば、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(I
IR)、天然ゴムなどを挙げることができる。これらの
ゴム特にジエン系ゴムでは、分子中の二重結合の全部ま
たは一部が水素添加され、水素化ニトリルゴム(HNB
R)等のような水素化ゴム(水添化ゴム)として用いら
れる。またこのジエン系ゴムは、カルボキシル基などを
有する変性剤にて変性されていてもよい。
【0023】これらの各種ゴムは、1種または2種以上
適宜組合わせて用いることができる。このようなゴムの
内では、シリコーンゴムまたはニトリルゴム(NBR)
が好ましく、特にシリコーンゴムが好ましい。 [繊維]繊維としては、上記性状(繊維長、繊維径な
ど)のものである限り無機系あるいは有機系の何れであ
ってもよく、具体的には、例えば、PAN系炭素繊維
(ポリアクリロニトリル系炭素繊維)、ガラス繊維、ガ
ラスパウダー、石綿、チタン酸カリウムウィスカー、ウ
ォラストナイト、ゾノライト、ホウ酸アルミウニウムウ
ィスカー、セピオライト、アラミド繊維、ナイロン繊
維、セルロースパウダーなどが挙げられる。これらの内
では、上記性状のセルロースパウダーが好ましい。
【0024】なお、このセルロースパウダーは、例え
ば、パルプ材を酸加水分解した後、濾過水洗し、次いで
脱水乾燥した後、粉砕して得られる。このようなセルロ
ースパウダーは、例えば、日本製紙(株)よりKCフロ
ックW−50(S)、W−50、W−100、W−20
0、W−250、W−300、W−400等の商品名で
市販されている。
【0025】[コネクタ用シール材の製造]本発明に係
るコネクタ用シール材を製造するには、従来より公知の
方法を適宜採用することができ、上記コネクタ用シール
材を構成する各成分、すなわち、ゴムと、上記繊維と、
必要に応じて用いられる後述するような架橋剤、共架橋
剤、架橋助剤、補強剤(上記繊維を除く。)、加工助
剤、老化防止剤、スコーチ防止剤等のゴム薬品、充填材
などとを配合し、必要により混練して、ゴム組成物を調
製し、次いで、このゴム組成物を加熱、加圧下に所望の
形状に成形すればよい。
【0026】以下、まずゴム組成物の調製方法について
詳説する。ゴム組成物の調製 本発明においては、例えば、上記のような方法でゴム組
成物を調製するが、この際用いられる上記各成分の添加
混合順序は特に限定されず、任意の順序で各成分を配合
し混練りしてもよい。
【0027】本発明においては、上記ゴム組成物の調製
の際にはオープンロール、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、押出機などを用いることができる。ゴム薬品等 本発明で用いられるゴム組成物には、上述したように、
必要に応じて架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、補強剤(上
記寸法形状等を有する繊維を除く)、加工助剤、老化防
止剤、スコーチ防止剤等のゴム薬品、充填材などが含有
される。
【0028】本発明で必要に応じて用いられる上記架橋
剤としては、硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤、共架橋
剤など通常ゴムに使用される架橋剤が挙げられる。これ
らは、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
【0029】硫黄系架橋剤としては、具体的には粉末硫
黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫
黄、塩化硫黄などを挙げることができる。この硫黄系架
橋剤は、ゴム100重量部に対して、通常、0.3〜3
重量部、好ましくは0.5〜1重量部の量で用いられ
る。
【0030】過酸化物系架橋剤としては、具体的に、1,
3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、tert-ブチルヒドロパーオキシド、1,4-ビス(tert-
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチ
ルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、2,5-ジメチル-2,5- ビス(tert-ブチルパー
オキシ)ヘキサン、tert-ブチルクミルパーオキシド、
2,5-ジメチル-2,5-tert--ブチルパーオキシヘキシン-
3、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロドデカ
ン、2,2-ビス(tert-ブチルパーオキシ)オクタン、1,1
-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシ
クロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルパーオ
キシ)バレレート、tert-ブチルパーオキシベンゾエー
ト、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、過酸化亜鉛などが挙げられる。この過酸化物系加硫
剤は、ゴム100重量部に対して、通常、5〜20重量
部、好ましくは5〜10重量部の量で用いられる。
【0031】共架橋剤としては、具体的にトリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、3 クロロ 2 ヒドロキシプロピル
メタクリレート、ジンクメタクリレート、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ダイマー2,
4 トルエンジイソシアネート、トリアリルトリメリテー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデートなど
を挙げることができる。
【0032】このような共架橋剤は、ゴム100重量部
に対して、通常、5〜20重量部、好ましくは5〜10
重量部の量で用いられる。なお、このような架橋剤(硫
黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤、共架橋剤など)は、熱
可塑性ウレタンゴムなどの架橋しないタイプのゴムでは
特に必要ではない。
【0033】混練に際しては、架橋剤とともに、本発明
の目的を損なわない範囲で、下記のようなゴム薬品を添
加してもよい。このようなゴム薬品としては、上記架橋
剤の他に、加硫促進剤、補強剤(上記繊維を除く)、可
塑剤、加工助剤、老化防止剤、スコーチ防止剤などを挙
げることができる。
【0034】加硫促進剤としては、グアニジン系化合
物、チアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物、
チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物など
を挙げることができる。
【0035】このような加硫促進剤は、ゴム100重量
部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは
0.25〜1.5重量部の量で用いることができる。上
記繊維を除くゴム補強剤は充填剤としての機能も果たす
が、このようなゴム補強剤(充填剤)としては、カーボ
ンブラック、シリカ、クレー、ケイ酸塩、アルミナ、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸などを挙げ
ることができる。
【0036】このようなゴム補強剤(上記繊維を除く)
は、ゴム100重量部に対して、通常、40〜60重量
部の量で用いることができる。可塑剤としては、プロセ
ス油、DOP(ジオクチルフタレート)、ジ(2−エチ
ルヘキシル)フタレート、DOS(ジオクチルセバケー
ト)、植物油、ファクチスなどを挙げることができる。
【0037】このような可塑剤は、ゴム100重量部に
対して、通常、10〜20重量部の量で用いることがで
きる。加工助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸、ポ
リエチレングリコールなどを挙げることができる。
【0038】加工助剤は、ゴム100重量部に対して、
通常、1〜5重量部の量で用いることができる。老化防
止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノー
ル、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミ
ン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ
ン)、2 メルカプトベンゾイミダゾール、特殊ワックス
などを挙げることができる。
【0039】老化防止剤は、ゴム100重量部に対し
て、通常、0.5〜4重量部程度の量で用いることがで
きる。本発明で用いられるゴム組成物は、上記のような
成分の外に、必要に応じて二硫化モリブデンを含有して
いてもよい。二硫化モリブデンが、ゴム組成物中に含有
されるときは、ゴム100重量部に対して60重量部以
下の量で、好ましくは50重量部以下の量で含有(配
合)される。ゴム組成物が二硫化モリブデンを60重量
部以下の量で含有することによって、該ゴム組成物から
得られるコネクタ用シール材は、機械的強度が向上され
るとともに、耐摩耗性が向上される傾向にある。二硫化
モリブデンは60重量部以上の量で配合されたゴム組成
物から得られるコネクタ用シール材は、ゴム弾性率が低
下して、加工性も低下する傾向にある。
【0040】[コネクタ用シール材およびその製造]
発明に係るコネクタ用シール材は、上記のようなゴム組
成物を成形してなる。
【0041】このようなコネクタ用シール材は、上記の
ようなゴムと、上記のような繊維と、必要に応じて配合
される上述したようなゴム薬品などとを一緒にして混練
してゴム組成物を調製した後、このゴム組成物を加圧下
に加熱成形して製造される。
【0042】混練は、前述したように通常のゴム混練装
置を用いて行うことができる。このような混練は、20
〜120℃、好ましくは50〜80℃の温度下で、5〜
30分、好ましくは10〜20分行われる。
【0043】次に、上記のようにして得られる混練物
を、加熱下に成形すると、コネクタ用シール材が得られ
る。成形(架橋,加硫を含む)は、具体的には、上記混
練物を所望形状の金型に充填し、140〜230℃、好
ましくは150〜180℃で、3〜60分間、好ましく
は10〜30分間加熱して行われる。
【0044】このようにして得られた本発明に係るコネ
クタ用シール材の形状、寸法等は、特に限定されず、円
板状、ドーナツ状、円筒状、周面にリング状凸部が1個
または複数個形成された円筒状など、その用途に応じて
適宜形態を採ることができ、またこれらのシール材の断
面は中実であってもよく、中空であってもよい。
【0045】このようにして得られた本発明に係るコネ
クタ用シール材では、加熱下(例:80℃,16時間)
においても熱劣化による亀裂が発生せず、しかも良好な
シール性を長期間に亘り保持することができる。このよ
うなコネクタ用シール材は、自動車用の配線接続部にお
けるコネクタ用シール材等として好適に用いられる。
【0046】上述したように本発明に係るコネクタ用シ
ール材には、ゴムと上記したような形状の繊維(例:セ
ルロースパウダー)とが特定量で含まれており、加熱下
においても熱劣化による亀裂が発生、生長せず、しかも
良好なシール性を長期間に亘り保持することができる。
【0047】これに対して、もしコネクタ用シール材製
造用の繊維材として、本発明で用いられる繊維のような
特定形状を有していないもの[例:平均粒子直径が16
μmで粒子状のホワイトカーボン(ケイ酸)]を用いる
と、引裂強さは大きいが、圧縮永久歪が大きく(換言す
ればゴム弾性に劣り)、シール性に乏しいコネクタ用シ
ール材が得られてしまう。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るコネクタ用シール材では、
ゴムと上記したような形状の繊維(例:セルロースパウ
ダー)とが特定量で含まれているため、加熱下において
も熱劣化による亀裂の発生・生長が抑制され、しかも良
好なシール性が長期間に亘り保持される。
【0049】
【実施例】以下、本発明に係るコネクタ用シール材につ
いて、実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本
発明は、かかる実施例により何等限定されるものではな
い。
【0050】なお、以下の実施例における各種試験方法
は以下の通り。 (1)亀裂試験:亀裂試験では、図2あるいは図3に示
すようなコネクタ用シール材(コネクタ栓)を作製し
た。このコネクタ用シール材を図1に示すようにターミ
ナル(端子)に装着させて、80℃、16時間の熱老化
試験を行い、コネクタ用シール材(全試料数10個中)
の亀裂数を調べた。
【0051】
【実施例1】下記表1に示すように、ゴム成分のNBR
[ニトリル含量28%,商品名:「ペルブナン(Perbuna
n)2845NT」,バイエル(株)製]:100重量部
と、SRFカーボンブラック(SRF:Semi Reinforcing F
urnace,中補強性)[平均粒子径:58〜94μm]
(商品名:シーストGSO 東海カーボン社製):45
重量部と、酸化亜鉛:5重量部と、ステアリン酸:1重
量部と、老化防止剤の2-メルカプトベンゾイミダゾー
ル:1.5重量部および2,2,4−トリメチル-1,
2-ジハイドロキノリン重合体:2重量部と、可塑剤の
ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート:10重量部およ
びプロセスオイル:10重量部と、補強剤のセルロース
パウダー[平均繊維長:74〜105μm,平均繊維直
径:9.7μm,200メッシュ通過分が95%以上]
(商品名:KCフロックW−200,日本製紙(株)
製):0.1重量部と、加硫剤の硫黄:1重量部と、加
硫促進剤のテトラメチルチウラムジスルフィド:0.2
5重量部およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリ
ルスルフェンアミド:1.5重量部と、を混練機(オー
プンロール)を用いて各配合成分が均一分散されるよう
に70℃の温度で1時間混練して、ゴム組成物を調製し
た。
【0052】次いで、このゴム組成物を160℃の温度
で、圧力760mmHgの加圧下に14分間加熱するこ
とにより加圧、加硫成形して、縦150mm×横190
mm×高さ2mmの試験片を作製した。
【0053】この試験片を用いて、各種物性値(JIS
K 6301準拠)を測定した。この試験片の硬さ(J
IS A Hs)は53であり、引張強さは15.8MP
aであり、伸びは720%であり、100%引張応力は
1.1MPaであり、引裂強さ(JIS K 6301
B形 準拠)は35.9kN/mであり、引裂強さ(J
IS K 6252 準拠,トラウザ形)は9.2kN/
mであり、圧縮永久歪率(100℃,22時間)は28
%であった。
【0054】また前記方法による亀裂試験(80℃,1
6時間)の結果、亀裂個数(全試料数10個中)は0個
(なし)であった。ゴム組成物の配合組成を併せて表1
に示し、試験片の物性測定結果を表3に示す。
【0055】
【実施例2〜6】実施例1において、ゴム組成物中のセ
ルロースパウダーの配合量をそれぞれ1重量部(実施例
2)、5重量部(実施例3)、10重量部(実施例
4)、20重量部(実施例5)、30重量部(実施例
6)に変えた以外は、実施例1と同様にして、それぞれ
試験片を作製し、実施例1と同様に各種物性を測定し
た。
【0056】ゴム組成物の配合組成を表1に示し、試験
片の物性測定結果を表3に示す。
【0057】
【比較例1】実施例1において、ゴム組成物調製時にセ
ルロースパウダーを配合しなかった以外は、実施例1と
同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種物性
を測定した。
【0058】ゴム組成物の配合組成を表2に示し、試験
片の物性測定結果を表4に示す。
【0059】
【比較例2】実施例1において、ゴム組成物調製時にS
RFカーボンブラックの配合量を50重量部に変え、加
硫促進剤のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルス
ルフェンアミドの配合量を2.5重量部に変え、またセ
ルロースパウダーを配合しなかった以外は、実施例1と
同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種物性
を測定した。
【0060】ゴム組成物の配合組成を表2に示し、試験
片の物性測定結果を表4に示す。
【0061】
【比較例3】実施例1において、ゴム組成物調製時に加
硫促進剤のテトラメチルチウラムジスルフィドの配合量
を0.1重量部に変え、またセルロースパウダーを配合
しなかった以外は、実施例1と同様にして試験片を作製
し、実施例1と同様に各種物性を測定した。
【0062】ゴム組成物の配合組成を表2に示し、試験
片の物性測定結果を表4に示す。
【0063】
【比較例4】実施例1において、SRFカーボンブラッ
クの配合量を50重量部に変え、またセルロースパウダ
ー0.1重量部に代えてホワイトカーボン(平均粒子径
16μm,粒状)を5重量部の量で配合した以外は、実
施例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に
各種物性を測定した。
【0064】ゴム組成物の配合組成を表2に示し、試験
片の物性測定結果を表4に示す。
【0065】
【比較例5】実施例1において、SRFカーボンブラッ
クの配合量を40重量部に変え、またセルロースパウダ
ー0.1重量部に代えてホワイトカーボンを2重量部の
量で配合した以外は、実施例1と同様にして試験片を作
製し、実施例1と同様に各種物性を測定した。
【0066】ゴム組成物の配合組成を表2に示し、試験
片の物性測定結果を表4に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】上記表によれば、以下のことが分かる。す
なわち、ゴム(NBR)と、該ゴム100重量部に対し
て0.1〜30重量部の量の繊維(セルロースパウダ
ー)とを含有し、上記繊維の平均繊維長が5μm〜0.
9mmであり、平均繊維径が0.2〜30μmであるコ
ネクタ用シール材(実施例1〜6)では、このような性
状の繊維が配合されていないコネクタ用シール材(比較
例1、2)と比較して、引裂強さ(トラウザ形)は大き
く、しかもコネクタ用シール材(コネクタ栓)の亀裂個
数は著しく少なくなっていることが分かる。
【0072】また、加硫促進剤量を減らすことにより、
コネクタ用シール材中のゴムの架橋密度を低下させ(比
較例1、3)、あるいはホワイトカーボン等の補強剤を
用いる(比較例4、5)と、引裂強さは大きくなるが、
圧縮永久歪も大きくなってしまい、本願実施例に比して
シール性が低下していることが分かる。
【0073】なお、コネクタ用シール材のゴム弾性の指
標である圧縮永久歪率について見ると、上記繊維の平均
繊維長が5μm〜0.9mmであり、平均繊維径が0.
2〜30μmであるセルロースパウダーを用いたコネク
タ用シール材(実施例1〜6)では、このセルロースパ
ウダーが配合されていないコネクタ用シール材(比較例
1)とほぼ同様の圧縮永久歪率を示し、このような性状
の繊維をコネクタ用シール材中に含有することによるゴ
ム弾性の低下は見られない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るコネクタ用シール材の熱
老化試験を行うに際して、該コネクタ用シール材をター
ミナル(端子)に装着させた状態を示す説明図である。
【図2】図2は、熱老化試験で用いた本発明に係るコネ
クタ用シール材の縦断面図である。
【図3】図3は、図2に示す本発明に係るコネクタ用シ
ール材の上面図である。
【符号の説明】
1,11・・・・コネクタ用シール材 2,5・・・・ターミナル(端子)のかしめ部 3・・・・電線 12・・・・コネクタ用シール材上端面 13・・・・コネクタ用シール材底面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムと、該ゴム100重量部に対して0.
    1〜30重量部の量の繊維とを含有し、上記繊維の平均
    繊維長が5μm〜0.9mmであり、平均繊維径が0.
    2〜30μmであることを特徴とするコネクタ用シール
    材。
  2. 【請求項2】上記繊維の平均繊維長が10〜500μm
    であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用シ
    ール材。
  3. 【請求項3】上記繊維の200メッシュ通過分が95%
    以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    コネクタ用シール材。
  4. 【請求項4】上記ゴムが、シリコーンゴムまたはNBR
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    コネクタ用シール材。
JP7301498A 1995-11-20 1995-11-20 コネクタ用シール材 Withdrawn JPH09143449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7301498A JPH09143449A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 コネクタ用シール材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7301498A JPH09143449A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 コネクタ用シール材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09143449A true JPH09143449A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17897645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7301498A Withdrawn JPH09143449A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 コネクタ用シール材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09143449A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335981A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Showa Rubber Co Ltd イオン交換膜電解槽用のガスケット
JP2010168540A (ja) * 2008-12-01 2010-08-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd サイドウォール補強層又はサイドウォール用ゴム組成物及びタイヤ
JP5700729B1 (ja) * 2013-12-25 2015-04-15 日本デルファイ・オートモーティブ・システムズ株式会社 防水コネクタ
CN112898647A (zh) * 2020-12-14 2021-06-04 安徽恒荣高分子科技有限公司 一种耐油耐老化橡胶油缸堵头及其加工方法
CN113493577A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 中国石油化工股份有限公司 一种基于丁腈橡胶和顺丁橡胶的硫化组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用
CN113493578A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 中国石油化工股份有限公司 一种基于三元乙丙橡胶和丁腈橡胶的橡胶组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335981A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Showa Rubber Co Ltd イオン交換膜電解槽用のガスケット
JP4689005B2 (ja) * 2000-05-29 2011-05-25 昭和ホールディングス株式会社 イオン交換膜電解槽用のガスケット
JP2010168540A (ja) * 2008-12-01 2010-08-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd サイドウォール補強層又はサイドウォール用ゴム組成物及びタイヤ
JP5700729B1 (ja) * 2013-12-25 2015-04-15 日本デルファイ・オートモーティブ・システムズ株式会社 防水コネクタ
CN113493577A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 中国石油化工股份有限公司 一种基于丁腈橡胶和顺丁橡胶的硫化组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用
CN113493578A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 中国石油化工股份有限公司 一种基于三元乙丙橡胶和丁腈橡胶的橡胶组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用
CN113493577B (zh) * 2020-03-18 2023-03-14 中国石油化工股份有限公司 一种基于丁腈橡胶和顺丁橡胶的硫化组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用
CN113493578B (zh) * 2020-03-18 2023-03-14 中国石油化工股份有限公司 一种基于三元乙丙橡胶和丁腈橡胶的橡胶组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用
CN112898647A (zh) * 2020-12-14 2021-06-04 安徽恒荣高分子科技有限公司 一种耐油耐老化橡胶油缸堵头及其加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5171787A (en) Silicone-based composite rubber composition and uses thereof
KR100273903B1 (ko) 우수한 가공성 및 숙성 특성을 갖는 에틸렌 엘라스토머 화합물
CN103383077B (zh) 一种高度密封的led灯
KR20240070486A (ko) 에어 인테이크 호스용 열가소성 탄성체 조성물 및 자동차용 에어 인테이크 호스
US5279874A (en) Ethylene-propylene rubber compositions
JPH09143449A (ja) コネクタ用シール材
US20230015419A1 (en) Reduced graphene oxide nitrile rubber and method for preparing tooth-scar-free tooth block
CN113652031A (zh) 一种低压缩永久形变耐低温epdm密封条及其制备方法和应用
JP5154748B2 (ja) 連続有機過酸化物架橋ゴム成形体への加工法およびその架橋ゴム成形体
CN113912954A (zh) 高耐候性三元乙丙橡胶复合材料及其制备方法和应用
JP4799763B2 (ja) 冷凍機用シール
KR102153181B1 (ko) 내열성이 향상된 자동차의 서스펜션 부시용 고무 조성물 및 이를 이용한 자동차의 서스펜션 부시용 고무
JP3985547B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び成形品
CN109608776B (zh) 一种tpv材料建筑密封条及其制备方法
KR100330917B1 (ko) 고무 블렌드 조성물
KR101190733B1 (ko) 셀룰로오스 분말 충전 웨더스트립 조성물
JP2006282887A (ja) 液圧シリンダ用シール部品
KR20100102479A (ko) 웨더스트립 조성물
WO2021124816A1 (ja) ゴム組成物および加硫成形品
JP2006057003A (ja) 耐熱性ゴム組成物
CN110819049A (zh) 一种高强度aem与fkm并用胶料的制备方法
KR101230058B1 (ko) 신축성 및 내구성이 향상된 산기관 멤브레인 제조방법 및 이로 제조된 고효율 산기관 멤브레인
KR101776413B1 (ko) 나노 산화 아연 충전 웨더스트립 고무 조성물 및 이를 이용한 자동차용 웨더스트립
KR20100119980A (ko) 아연분말 충전 웨더스트립 및 글래스런 조성물
JPWO2019188339A1 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた混練機表面への粘着性の低減方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030204