JPH09143347A - 液晶ポリエステル樹脂混合物およびそれを用いた成形方法 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂混合物およびそれを用いた成形方法

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JPH09143347A
JPH09143347A JP30933695A JP30933695A JPH09143347A JP H09143347 A JPH09143347 A JP H09143347A JP 30933695 A JP30933695 A JP 30933695A JP 30933695 A JP30933695 A JP 30933695A JP H09143347 A JPH09143347 A JP H09143347A
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crystal polyester
polyester resin
molding
resin mixture
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Tadayasu Kobayashi
忠康 小林
Masaru Ota
勝 太田
Hideo Nomura
秀夫 野村
Satoshi Nagano
聡 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形加工時に樹脂混合物自身が安定的に可塑化
され、安定な成形加工を行うことができ、かつ機械物性
および熱安定性が優れた成形体を与える液晶ポリエステ
ル樹脂混合物およびこれを用いる成形方法を提供するこ
と。 【解決手段】液晶ポリエステル100重量部と充填材0
〜150重量部を主成分とする液晶ポリエステル樹脂組
成物100重量部および高級脂肪酸エステル0.001
〜5重量部が、下記の方法で測定した該液晶ポリエステ
ル樹脂組成物の流動温度未満において混合されてなるこ
とを特徴とする液晶ポリエステル樹脂混合物およびこれ
を用いる成形方法。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重
100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10
mmのノズルから押し出す時に、溶融粘度が48000
ポイズを示す温度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工時に液晶
ポリエステルが安定的に可塑化され、安定な成形加工を
行うことができ、かつ機械物性および熱安定性が優れた
成形体を与える液晶ポリエステル樹脂混合物および該液
晶ポリエステル樹脂混合物を用いる液晶ポリエステルの
成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、分子が剛直なため
溶融状態でも絡み合いを起こさず液晶状態を有するポリ
ドメインを形成し、低い剪断速度により分子鎖が流れ方
向に著しく配向する挙動を示し、一般に溶融液晶型(サ
ーモトロピック液晶)ポリマーと呼ばれている。液晶ポ
リエステルは、この特異的な挙動のため溶融流動性が極
めて優れ、構造によっては300℃以上の耐熱変形性を
有し、電子部品をはじめ、OA、AV部品、耐熱食器等
の用途の成形体に用いられている。
【0003】これらの成形体を得る成形方法としては、
射出成形、押出成形等のスクリューを利用した押出機を
用いることが一般的である。この際、液晶ポリエステル
は、しばしばその可塑化工程における不安定性が問題と
されることがあった。すなわち、可塑化時間が一定せず
不安定になり、射出成形においては、冷却時間内に可塑
化が終了しない場合が生じ、一定サイクルでの成形が行
えず、生産性の低下と同時に成形品の品質にも悪影響が
生じることがあった。
【0004】液晶ポリエステルの可塑化時間が不安定に
なる理由は明かではないが、原因の一つとして、液晶ポ
リエステル自身の溶融粘度の剪断速度、温度に対する依
存性が大きいこと、そのため液晶ポリエステルの粒子表
面のみが選択的に可塑化して、その融着が生じ易いこと
が挙げられる。
【0005】このような現象を抑制する手段として、特
開平5−125259号公報には、サーモトロピック液
晶ポリマーに対し、高級脂肪酸金属塩および高級脂肪酸
を配合してなる組成物を用いることが開示されている。
また、特開平5−125258号公報には、サーモトロ
ピック液晶ポリマー粒子と高級脂肪酸金属塩からなる粒
子混合物を用いることにより可塑化が安定して行えるこ
とが開示されている。
【0006】しかし、いずれの場合も耐熱性の高い液晶
ポリマーに対して高温下で分解を伴う高級脂肪酸もしく
はその金属塩を併用するため、液晶ポリマーの成形品を
得るにあたり、成形機内でのガスの発生が多くなるので
安定な成形作業が行い難くなり、かつ、得られた成形品
の熱安定性が低下することが懸念されるので、より高度
な実用性を目的とするには必ずしも十分なものではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決して、成形加工時に樹脂混合物自身が安定的に
可塑化され、安定な成形加工を行うことができ、かつ機
械物性および熱安定性が優れた成形体を与える液晶ポリ
エステル樹脂混合物および該液晶ポリエステル樹脂混合
物を用いる液晶ポリエステルの成形方法を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、液晶ポリエステ
ルまたは液晶ポリエステルと充填材を主成分とする液晶
ポリエステル樹脂組成物に、高級脂肪酸エステルを特定
量配合することにより上記目的を達成される液晶ポリエ
ステル樹脂混合物を得、該混合物を用いることにより成
形加工時に安定的に液晶ポリエステルを可塑化できるこ
とを見出し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、液晶ポリエステル1
00重量部と充填材0〜150重量部を主成分とする液
晶ポリエステル樹脂組成物100重量部および高級脂肪
酸エステル0.001〜5重量部が、下記の方法で測定
した概液晶ポリエステル樹脂組成物の流動温度未満にお
いて混合されてなることを特徴とする液晶ポリエステル
樹脂混合物およびこれを用いることを特徴とする液晶ポ
リエステルの成形方法に関する。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重
100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10
mmのノズルから押し出す時に、溶融粘度が48000
ポイズを示す温度である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用される液晶ポリエス
テルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリ
エステルであり、(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジ
オールと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせか
らなるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸
からなるもの、(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオ
ールとの組み合わせからなるもの、(4)ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシ
カルボン酸を反応させたもの、等が挙げられ、400℃
以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。な
お、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよ
び芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエ
ステル形成性誘導体が使用されることもある。
【0011】該液晶ポリエステルの繰り返し構造単位と
しては下記のものを例示することができるが、これらに
限定されるものではない。
【0012】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰
り返し構造単位:
【化2】
【0013】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構
造単位:
【化3】 芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、前記A1 式で表さ
れる繰り返し構造単位を少なくとも30モル%含むもの
である。
【0017】具体的には繰り返し構造単位の組み合わせ
が下式(a)〜(f)のものが好ましい。 (a):(A1 )、(B1 )または(B1 )と(B2
の混合物、(C1 )。 (b):(A1 )、(A2 )。 (c):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、A1 の一部をA2 で置きかえたもの。 (d):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、B1 の一部をB3 で置きかえたもの。 (e):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、C1 の一部をC3 で置きかえたもの。 (f):(b)の構造単位の組み合わせたものにB1
1 の構造単位を加えたもの。 基本的な構造となる(a)、(b)の液晶ポリエステル
については、それぞれ、例えば特公昭47−47870
号公報、特公昭63−3888号公報等に記載されてい
る。
【0018】本発明においては液晶ポリエステルに必要
に応じて充填材を添加する。充填材を添加する場合は、
液晶ポリエステル100重量部に対して充填材を150
重量部以下、好ましくは液晶ポリエステル100重量部
に対して充填材を20〜100重量部添加する。充填材
の配合割合が150重量部よりも多い場合は、組成物の
溶融粘度が高くなり、造粒性および成形性が低下し、該
液晶ポリエステル樹脂組成物にフッ素樹脂を固体状態で
加えても、成形加工時の可塑化を安定化する効果は小さ
くなる。本発明に用いられる液晶ポリエステル樹脂組成
物はリン化合物等との混合を容易にするため、ペレット
等の粒子形状、チップあるいは粉末状であることが好ま
しい。
【0019】本発明で用いられる充填材とは、ガラス繊
維、シリカアルミナ繊維、ウォラストナイト、炭素繊
維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウム
ウィスカー、酸化チタンウィスカー等の繊維状あるいは
針状の補強材;炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、
マイカ、クレイ、ガラスビーズなどの無機充填材等が挙
げられ、その一種または二種以上を用いることができ
る。
【0020】本発明で用いられる高級脂肪酸エステルの
原料となる高級脂肪酸は、炭素数10以上のものであ
る。高級脂肪酸の例としては、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、モンタン酸等が挙
げられる。この中で特にステアリン酸、モンタン酸が好
ましい。また、エステルの原料となるアルコールとして
は、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、グリ
セリン、ソルビタン、プロピレングリコール、ペンタエ
リスリトール、ポリオキシエチレンビスフェノールA等
が挙げられる。この中でグリセリン、ソルビタンが好ま
しい。本発明で用いられる高級脂肪酸エステルの融点
は、30℃以上であることが好ましく、融点50℃以上
であることがさらに好ましい。融点が30℃未満の高級
脂肪酸エステルを用いると成形前に液晶ポリエステル樹
脂混合物を予備乾燥した時に高級脂肪酸エステルの一部
が揮発し、目的とする成形加工時の可塑化を安定化する
効果が低減される。本発明に用いられる高級脂肪酸エス
テルは液晶ポリエステル樹脂組成物との混合を容易にす
るため、粉末または粒子形状であることが好ましい。
【0021】また、高級脂肪酸エステルの粒径として
は、平均粒径100μm未満のものが好ましく、粒径5
0μm未満のものがさらに好ましい。粒径が100μm
以上の場合は、成形加工時に可塑化を安定させる効果が
不十分となり好ましくない。
【0022】本発明の液晶ポリエステル樹脂混合物にお
いて、高級脂肪酸エステルの配合割合は液晶ポリエステ
ル100重量部、または液晶ポリエステルおよび充填材
の合計100重量部に対し、0.001〜5重量部であ
り、特に好ましい配合割合は0.003〜1重量部であ
る。高級脂肪酸エステルの配合割合が5重量部よりも多
い場合は、成形加工時にリン化合物の分解に起因するガ
スが発生し、成形品にふくれが生じ易くなるとともに該
成形品からの発生ガスが多くなるため好ましくない。ま
た、高級脂肪酸エステルの配合割合が0.001重量部
未満の場合も、目的とする成形加工時の可塑化の安定化
効果が不十分となり好ましくない。
【0023】本発明の液晶ポリエステル樹脂混合物にお
いて、高級脂肪酸、1Aまたは2A族に属する金属の酸
化物、過酸化物、複酸化物、炭酸化物から選ばれた少な
くとも1種以上の化合物、高級脂肪酸金属塩、リン化合
物、フッ素樹脂、フルオロカーボン系界面活性剤等の外
部滑剤効果を有するものを高級脂肪酸エステルとともに
液晶ポリエステル樹脂組成物に対して混合することも可
能である。なお、本発明で用いられる液晶ポリエステル
樹脂組成物または本発明の液晶ポリエステル樹脂混合物
に対して、本発明の目的を損なわない範囲で染料、顔料
などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;
帯電防止剤;界面活性剤などの通常の添加剤を1種以上
添加することができる。また、少量の熱可塑性樹脂、例
えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスル
フィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテルおよびその変性物、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド等
や、少量の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の、一種または二種以上
を添加することもできる。
【0024】本発明の液晶ポリエステル樹脂混合物は、
液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルと充填材を主
成分とする液晶ポリエステル樹脂組成物と、高級脂肪酸
エステルとの混合物を該液晶ポリエステルの流動温度未
満で混合する限りは、その配合手段は特に限定されな
い。例えば、液晶ポリエステル樹脂組成物の粒子および
高級脂肪酸エステルとの混合物の粉末または粒子を固体
状態のまま室温あるいは加温雰囲気中、ヘンシェルミキ
サー、タンブラー等を用いて混合して得ることができ
る。
【0025】また、液晶ポリエステルまたは液晶ポリエ
ステルと充填材を主成分とする液晶ポリエステル樹脂組
成物を得るための配合手段は特に限定されない。液晶ポ
リエステルおよび充填材、必要に応じて離型改良剤、熱
安定剤類、着色材等をヘンシェルミキサー、タンブラー
等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練するこ
とが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中の各種物性の測定および試験は次の方法で行った。 (1)射出成形時の計量性:連続50ショットの平均計
量時間、およびその標準偏差を算出した。 (2)引張物性:ASTM4号引張ダンベルを成形し、
ASTM D638に準拠して測定した。
【0027】(3)成形品から発生する低沸点ガスの相
対量:JIS1(1/2)号ダンベル(厚み0.8m
m)を成形し、得られた成形品を長さ5mm、幅5m
m、厚み0.8mmのチップに切削した。このチップ4
gを精秤し、蒸留水で洗浄後、真空乾燥した25ccの
バイアル瓶に入れ、ポリテトラフルオロエチレンからな
るパッキングでシール後、120℃に設定した熱風乾燥
機の中で20時間加熱し、成形品からガスを発生させ
た。このバイアル瓶を、(株)島津製作所製ヘッドスペ
ースガスクロマトグラフ(GC−15A/HSS−3
A)に装着し120℃に保ちながら、充填材としてDB
−WAX(J&WSCIENTIFIC社製)を用いた
15m長のカラムに注入し、注入と同時にカラム温度を
80℃から2℃/分で昇温させ、保持時間25分までの
ガスの総量をディテクターで検出した。ディテクターと
してはFID型を用い、キャリアガスにはヘリウムを用
いた。
【0028】このガスの相対量は、各種ガスの総面積で
表示され、この値で成形品から発生するガスの相対量を
比較した。バイアル瓶にサンプルを入れなかった場合、
すなわち空瓶での測定値は3000であり、この値が大
きいほど成形品からの低沸点ガスの発生が多いことを表
す。また、保持時間25分までに検出されるガスは、ガ
スクロマトグラフィー質量分析から、芳香族炭化水素、
脂肪族炭化水素、酢酸、フェノール類等であることを確
認した。
【0029】実施例1〜4、比較例1〜3 繰り返し構造単位が前記のA1 、B1 、B2 、C1 から
なり、A1 :B1 :B 2 :C1 のモル比が60:15:
5:20であり前記で定義された流動温度が323℃で
ある液晶ポリエステルとミルドガラスファイバー(セン
トラル硝子(株)製EFH75−01)を表1に示す組
成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄
工(株)製PCM−30型)を用いて、シリンダー温度
340℃で造粒し、液晶ポリエステル樹脂組成物を得
た。得られた液晶ポリエステル樹脂組成物は、高級脂肪
酸エステル(ステアリン酸モノジグリセライド)ととも
に表1に示す割合でタンブラーを用いて室温で混合し、
液晶ポリエステル樹脂混合物を得た。
【0030】これらの液晶ポリエステル樹脂混合物を表
1に示す温度で3時間乾燥後、射出成形機(日精樹脂工
業(株)製PS40E5ASE)を用いて、シリンダー
温度350℃、金型温度130℃でJIS1(1/2)
号ダンベルを成形し、連続50ショットの計量時間を測
定し、その安定性を評価した。また、得られたダンベル
片から引張物性、発生ガス量を測定した。同様にして高
級脂肪酸エステルを含まない液晶ポリエステル樹脂組成
物(比較例1)について、計量時間の安定性、引張物
性、発生ガス量を測定した。結果を表1に示す。
【0031】高級脂肪酸エステルを液晶ポリエステル樹
脂組成物と混合したもの(実施例1〜4)は、高級脂肪
酸エステルを含まない組成物(比較例1)に比べ、ショ
ット間の計量時間の変動が少なく、計量時間自身も短く
なり、安定的に可塑化されているとともに、優れた機械
物性を有し、成形品からの発生ガスも低いレベルである
ことがわかる。また、高級脂肪酸エステルを液晶ポリエ
ステル樹脂組成物に対し、0.0005重量部混合した
もの(比較例2)は、成形加工時に安定的に可塑化する
効果が不十分であった。一方、高級脂肪酸エステルを液
晶ポリエステル樹脂組成物に対し10重量部混合したも
の(比較例3)は、成形品に変色がみられるとともに引
張物性の大幅な低下がみられ、成形品からの発生ガス量
が著しく多かった。
【0032】比較例4 高級脂肪酸エステルをミルドガラスファイバーとともに
予め液晶ポリエステルと混合して二軸押出し機で造粒す
る以外は、実施例1と同様な方法で実験を行った。結果
を表1に示す。高級脂肪酸エステルを予め液晶ポリエス
テル樹脂に溶融状態で練り込んだもの(比較例4)は、
計量時間の絶対値、ショット間の変動ともに大きく成形
加工時の可塑化が不安定であった。
【0033】実施例5〜7 高級脂肪酸エステルとして表2に示すNo.2〜No.
4を用いる以外は、実施例1と同様な方法で実験を行っ
た。結果を表1に示す。No.2〜No.4の高級脂肪
酸エステルを液晶ポリエステル樹脂組成物に混合したも
の(実施例5〜7)も、ステアリン酸モノジグリセライ
ドを混合したものと同様にその計量時間はショット間の
変動が少なく、計量時間自身も短くなり、安定的に可塑
化されているとともに優れた機械物性を有し、成形品か
らの発生ガスも低いレベルであることがわかる。
【0034】比較例5 高級脂肪酸エステルの代わりに高級脂肪酸であるステア
リン酸を用いる以外は、実施例1と同様な方法で実験を
行った。結果を表1に示す。ステアリン酸を混合した液
晶ポリエステル樹脂混合物(比較例5)は、150℃で
予備乾燥を行った後の成形において、計量時間の絶対
値、ショット間の変動ともに大きく成形加工時の可塑化
が不安定であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂混合物
は、成形加工時に液晶ポリエステルが安定的に可塑化さ
れ、安定な成形加工を行うことができ、かつ機械物性お
よび熱安定性が優れた成形体を与える液晶ポリエステル
樹脂混合物である。該液晶ポリエステル樹脂混合物を用
いる液晶ポリエステルの成形方法は射出成形、押出成形
等のスクリューを利用した押出機を用いて行う成形にお
いて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 聡 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶ポリエステル100重量部と充填材0
    〜150重量部を主成分とする液晶ポリエステル樹脂組
    成物100重量部および高級脂肪酸エステル0.001
    〜5重量部が、下記の方法で測定した該液晶ポリエステ
    ル樹脂組成物の流動温度未満において混合されてなるこ
    とを特徴とする液晶ポリエステル樹脂混合物。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重
    100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10
    mmのノズルから押し出す時に、溶融粘度が48000
    ポイズを示す温度である。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステルが下記A1 式で表される
    繰り返し構造単位を少なくとも30モル%含むものであ
    る請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂混合物。 【化1】
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の液晶ポリエステル
    樹脂混合物を用いることを特徴とする液晶ポリエステル
    の成形方法。
JP30933695A 1995-03-21 1995-11-28 液晶ポリエステル樹脂混合物およびそれを用いた成形方法 Pending JPH09143347A (ja)

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