JPH09138112A - 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置 - Google Patents

特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置

Info

Publication number
JPH09138112A
JPH09138112A JP7322994A JP32299495A JPH09138112A JP H09138112 A JPH09138112 A JP H09138112A JP 7322994 A JP7322994 A JP 7322994A JP 32299495 A JP32299495 A JP 32299495A JP H09138112 A JPH09138112 A JP H09138112A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backprojection
data packet
voxel
line
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7322994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3332310B2 (ja
Inventor
Hidekazu Hosoya
英一 細谷
Takeshi Ogura
武 小倉
Mamoru Nakanishi
衛 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP32299495A priority Critical patent/JP3332310B2/ja
Publication of JPH09138112A publication Critical patent/JPH09138112A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3332310B2 publication Critical patent/JP3332310B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆投影線の投票処理に要する記憶容量を小さ
くし、かつ処理時間を短縮する。 【解決手段】 3次元空間の所定の断面における逆投影
線の通過位置を算出し、複数枚の画像のうちの所定の画
像を基準画像とし、この基準画像の逆統制線に関する情
報を基準逆投影線情報記憶部(34)に記憶し、基準画
像以外の画像を参照画像とし、この参照画像の逆投影線
に関する情報を投票に係わる情報として投票情報記憶部
(32M)に記憶し、3次元空間の所定の断面において
上記基準画像の逆投影線と通過位置が同じ参照画像の逆
投影線の数をボーティング処理部(32)で計数し、こ
の計数値に基づいて基準画像の逆投影線に関する情報を
比較更新処理部(33)で更新し、制御部(35)の制
御により3次元空間の全ての断面について各処理を実行
した後、逆投影線についての情報を基準逆投影線情報記
憶部から読み出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元物体の形状
を表す特徴点の3次元情報を抽出する3次元情報抽出方
法及び抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3次元情報を抽出する技術としては、従
来、同一被写体を異なる視点からそれぞれの視線方向で
撮像した複数枚の2次元画像を用意し、これらの画像上
に現れた被写体の特徴点へ向かってそれぞれの視点から
直線をのばし、被写体が存在する3次元空間上を通過さ
せ、その3次元空間内のその直線が通過したボクセルに
それぞれ“1”を投票することによって、高い投票値を
得たボクセル位置(3次元空間内の座標)を被写体の特
徴点が存在する可能性のある位置として求める方法が知
られている。なお、同一被写体を異なる視点から撮像し
た複数枚の2次元画像上に現れた被写体の特徴点へ向か
って視点から延ばされた直線を“逆投影線”と呼ぶ。
【0003】図1は、そのような3次元情報抽出方法を
用いた従来の3次元情報入力装置の構成を示す図であ
る。従来の3次元情報入力装置は、画像入力部10と逆
投影線情報生成部20と3次元情報抽出装置30とによ
って構成されている。画像入力部10において、カメラ
110〜11R-1は、R個(Rは2以上の予め決めた整数)の
視点から同時に3次元物体OBを撮像するものであり、例
えばR=5 個のカメラが用意されている。撮像された複数
のアナログ画像は、それぞれA/D 変換部120〜12R-1で同
時にA/D 変換され、ディジタル画像として画像メモリ13
0〜13R-1に入力される。
【0004】画像メモリ部130〜13R-1から読み出された
複数の画像Ir(r=0,1,…,R-1)は、それぞれ特徴抽出部14
0〜14R-1に与えられ、画像上の特徴点(2次元特徴点と
呼ぶ)が同時に検出される。画像Ir中の特徴点数をFr
する。これら特徴点は、例えば物体上のエッジ、直線、
領域等である。特徴点が抽出された複数の画像は、画像
メモリ部150〜15R-1に入力される。逆投影線情報生成部
20は、画像入力部10で特徴点が抽出された入力画像
を用いて逆投影線を生成するものである。
【0005】図2は、3次元ボクセル空間VSでの逆投影
線Lとボーティング処理とを説明する図である。逆投影
線Lは各カメラ11r のレンズの中心(視点)から、その
カメラ11r によって撮像された2次元画像Ir上の各特徴
点Pfを通って延長され、3次元ボクセル空間VSを貫通す
る直線である。逆投影線情報生成部20において、画像
上の特徴点のワールド座標、視点のワールド座標等の逆
投影線Lに関する情報が求められる。“ボクセル”は、
単位3次元画素のことであり、“3次元ボクセル空間”
は、対象とする物体が存在する3次元空間を多数のボク
セルで分割し、この多数のボクセルで隙間なく埋められ
た空間のことである。なお、各ボクセルの座標を(X,Y,
Z) で表し、座標値X,Y,ZはそれぞれX=0,1,…,NX-
1、Y=0,1,…,NY-1、Z=0,1,…,NZ-1 で表されるように整
数値をとる。なお、NX,NY,NZは、それぞれボクセル空間
VSのX,Y,Z軸方向のボクセル数である。
【0006】3次元物体OB上の同一3次元特徴点が複数
のカメラで観測された場合、それら複数のカメラにより
形成された画像にはそれぞれ対応する2次元特徴点Pf
含まれており、それらの2次元特徴点からの逆投影線は
元の3次元空間の3次元特徴点の位置で交差する。従っ
て、その交差点を含むボクセルを通過する逆投影線の数
はそれらの逆投影線上の他のボクセルをそれぞれ通る逆
投影線数より大となる。図1の3次元情報抽出装置30
は、逆投影線情報生成部20が出力した逆投影線情報が
与えられ、画像上に現れた被写体の特徴点Pfに対応して
3次元特徴点が存在する可能性のある各逆投影線L上の
全ボクセルにそれぞれ1票を投票し、これによって、投
票数が極大となるボクセルの位置を対象とする物体の特
徴点の3次元位置として求め、出力するものである。即
ち、各ボクセルに対する投票数は、そのボクセルを通る
逆投影線の数を表している。
【0007】3次元情報抽出技術における第1の従来方
法では、3次元ボクセル空間VS内の全てのボクセル位置
に対応してボーティング値を記憶する記憶手段を持ち、
上述のようにそれぞれの逆投影線Lが通過する全てのボ
クセル位置にボーティング処理を行い、その後に、3次
元ボクセル空間内でボーティング値が極大値であるボク
セル位置を探し出し、それらの位置を、特徴点の3次元
位置として抽出する方法である。この第1の従来方法に
ついては、浜野輝夫等の“空間へのVotingによる3次元
環境情報抽出手法”信学論(D-II),J75-D-II,pp.342-35
0,1992-02. に記載されている。
【0008】つまり、上記第1の従来方法においては、
まず、3次元ボクセル空間上における全てのボクセル位
置に対応してそれぞれボーティング値を記憶する記憶手
段を用意し、全ての画像上の全ての2次元特徴点に対し
て、逆投影線情報生成部20で求められた情報に基づい
て、対象物体が存在する3次元ボクセル空間へそれぞれ
逆投影線を引く。それぞれの逆投影線上には、画像上に
現れた2次元特徴点に対応する実空間における3次元特
徴点が必ず存在するので、逆投影線が通過するどのボク
セル位置も3次元特徴点が存在する可能性があるといえ
る。そこで、逆投影線が通過する全てのボクセル位置に
対応する記憶手段の内容に1を加算する処理(ボーティ
ング処理)を実行する。このボーティング処理を全ての
逆投影線に対して実行した後に、3次元ボクセル空間内
でボーティング値が極大値となるボクセル位置を探し出
し、これらのボクセル位置を全て、特徴点の3次元座標
として出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この第1の従
来方法においては、1つの逆投影線L上に複数の極大値
が存在することがあり、この場合には、その極大値に対
応する全ての座標に3次元特徴点が存在していると判断
するので、そのうちの少なくとも1つは、図2に示すよ
うに“偽の3次元特徴点”Pf3d' であり、従って、第1
の従来方法では、偽の3次元特徴点が抽出される可能性
があるという問題がある。
【0010】そこで、この偽の特徴点が抽出されやすい
という問題を解決するために、3次元情報抽出技術に関
する第2の従来方法が提案されている(川戸慎二郎“2
回逆投影法による複数画像からの3次元情報の抽出”、
情処研資、CV-79-7、pp.43−50, 1992)。この第2の従
来方法は、全ての逆投影線が通過する全てのボクセル位
置に対するボーティング処理を、上記第1の方法と同様
に行った後に、逆投影線上には特徴点が1つのみ存在す
ることを利用した2回目のボーティング処理によって、
偽の特徴点の抽出を抑制するようにしたものである。
【0011】即ち、この第2の従来方法は、3次元ボク
セル空間上の全てのボクセル位置についてボーティング
値を記憶する記憶手段(第1の従来方法と同様の記憶手
段)を2組用意し(第1の記憶手段及び第2の記憶手段
とする)、全ての逆投影線上に対するボーティング処理
を第1の従来方法と同様に行う。その結果として第1の
記憶手段に得られる各ボクセル毎のボーティング値をK1
とする。全逆投影線を再度引き、その各逆投影線上のボ
クセルに対するボーティング値K1を第1の記憶手段から
読み出して最大であるボクセルの位置を探し、ボーティ
ング値K1が最大であるボクセルの位置を、2つ目のボー
ティング値記憶手段の対応する位置にボーティング処理
をする。
【0012】この最大値検索とボーティング処理とを、
全ての逆投影線に対して行った結果、各ボクセル位置に
記憶されているボーティング値をK2とする。最後に、各
ボクセルにおけるK2/K1 を求め、その値がある閾値以上
であるものを抽出し、その位置を特徴点の3次元座標と
して出力する。このようにすれば、各逆投影線上のそれ
ぞれのボクセルに対するボーティング値の中の最大値が
抽出され、従って、第2の従来方法では、偽の3次元特
徴点が抽出されない。
【0013】上記第1の従来方法は、3次元ボクセル空
間における全てのボクセル位置に対してボーティング値
を記憶するために、全てのボクセル位置に対応してボー
ティング値を記憶する記憶手段を用意する必要があり、
従って、膨大なハードウェアが必要であるという問題が
あり、また、偽の3次元特徴点が抽出されやすいという
問題もある。また、第1の従来方法では、全ての逆投影
線について3次元ボクセル空間へボーティング処理を行
った後に、ボーティング値が極大値であるボクセル位置
を求める際に、3次元ボクセル空間における極大値の探
索を行う必要があり、このために、処理時間が長くなる
という問題がある。更に、偽の特徴点が抽出されやすい
ため、3次元情報の抽出性能が低下するという問題点が
ある。
【0014】一方、上記第2の従来方法は、偽の3次元
特徴点が抽出されやすいという問題はないものの、3次
元ボクセル空間における全てのボクセル位置に対してボ
ーティング値を記憶する記憶手段を2つづつ用意する必
要があるので、第1の従来方法よりも更に多くのハード
ウェア量が必要であるという問題があり、また、逆投影
線を生成し、3次元ボクセル空間に対し行うボーティン
グ処理を、全ての特徴点に対して2回実行する必要があ
り、この場合も処理時間が長くなるという問題がある。
【0015】さらに、第1、第2の従来方法では、物体
OBの撮影時の誤差や量子化(ボクセル化)の誤差の影
響によって、または、3次元ボクセル空間の解像度を画
像の解像度よりも細かくすることによって、異なる画像
からの逆投影線が互いの特徴点に対応した同一のボクセ
ルにおいて交差しなくなる可能性があり、従って、3次
元情報の抽出性能が低下するという問題がある。
【0016】この同一の特徴点において交差しなくなる
という問題を解決するために、第3の従来方法が提案さ
れている。この第3の従来方法は、逆投影線を錐体型と
し、逆投影線に幅を持たせてボーティングする方法であ
り浜野輝夫等の“すい体型視線を用いた空間へのVoting
による3次元環境情報抽出手法”、信学論(D-II)、J7
6-D-II、No.1、pp.50-58に示されている。
【0017】この第3の従来方法では、まず、第1の方
法と同様に、3次元ボクセル空間における全てのボクセ
ル位置についてボーティング値を記憶する記憶手段を用
意し、全特徴点について、逆投影線情報生成部20で求
められた情報に基づいて、3次元ボクセル空間上へそれ
ぞれ逆投影線を引く。このときに、図3に示すように、
画像I上で特徴点Pfが存在する画素の輪郭を通るよう
に、錐体型の逆投影線Lを視点11から引き、その錐体
の中に含まれるボクセルにボーティング処理をする。全
ての逆投影線についてボーティング処理を実行した後、
錐体型の逆投影線が互いに交差する領域Aにおいて、そ
の重心位置(XW,YW,ZW)を算出し、この算出された重心位
置を、特徴点の3次元座標として出力する。
【0018】このように、第3の従来方法では、逆投影
線Lに幅を持たせているので、上記のように交差しなく
なる問題は回避されるが、そのために処理時間が大幅に
増大するという問題点がある。また、第1、第2、第3
の従来方法では、3次元ボクセル空間の解像度を、画像
の解像度よりも粗くする等の処理を行うと、基準画像の
逆投影線上で最大値が連続して同じ値になる場合が発生
するという問題点がある。
【0019】本発明の目的は、逆投影線のボーティング
処理に要するハードウェアの規模を縮小することがで
き、また、処理時間を短縮することができる3次元情報
抽出方法及び抽出装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による3
次元情報抽出装置は、撮像された複数枚の画像の予め決
めた少なくとも1枚を基準画像とし、その基準画像から
の各逆投影線を基準逆投影線とすると、それぞれの基準
逆投影線に対してその基準逆投影線に関する最大点情報
を記憶するための領域を有する基準逆投影線情報記憶手
段と、上記最大点情報はその基準逆投影線上の過去の投
票数の最大値とその最大値を与えたボクセルの位置を含
み、各上記基準逆投影線が通過するボクセルに対する他
の画像から通過する逆投影線の数を計数し、その計数値
に対応する投票数を得るボーティング手段と、上記ボー
ティング手段により求めた投票数を対応する上記基準逆
投影線情報記憶手段の領域の最大点情報の最大値と比較
し、それより大きければその投票数とそれを与えたボク
セルの位置を新しい最大点情報として上記対応する領域
の最大点情報を更新する比較更新処理手段と、3次元空
間内の各基準逆投影線上の全てのボクセルについての上
記投票数を得る処理と上記最大点情報を比較更新する処
理を繰り返させ、終了後に上記基準逆投影線情報記憶手
段のそれぞれの領域から最大値を与えたボクセルの位置
を物体上の特徴点の3次元情報として出力する制御手
段、とを含む。
【0021】請求項1の構成によれば、各基準逆投影線
に対応する記憶領域が必要なだけで、3次元ボクセル空
間の全ボクセルに対応して記憶領域を設ける必要がな
く、かつ各基準逆投影線上の全ボクセルについての投票
と比較更新が終了した時点で直ちに全基準逆投影線上の
最大投票数位置が得られ、処理量及び処理時間を削減す
ることができる。
【0022】請求項4の発明によれば、上記第1の観点
の装置において、上記ボーティング手段は、上記3次元
空間の1つの断面を埋める全ボクセルにそれぞれ対応し
た領域からなり、各ボクセルを通過する逆投影線数を投
票数として記憶する投票情報記憶手段と、上記通過位置
算出手段により算出された各通過位置のボクセルに対応
した領域に記憶している投票数を読み出し、その投票数
に1を加えた値を更新した投票数として再び同じ領域に
書き込む投票数更新手段を含み、上記制御手段は上記ボ
ーティング手段と上記比較更新処理手段による処理が各
断面について終了する毎に上記投票情報記憶手段の全領
域をクリアする手段を含む。
【0023】この構成によれば、3次元空間のボクセル
スライス上の全ボクセルに対応した記憶領域を有する投
票情報記憶手段が設けられ、各ボクセルスライス上のボ
クセルに対し全逆投影線により投票することによりボク
セルスライス毎のボーティングと比較更新処理が行われ
ることになり、処理量を削減できる。請求項5の発明に
よれば、上記第1の観点の装置において、それぞれの上
記逆投影線が通過する上記3次元空間の各断面での通過
位置を算出する通過位置算出手段が設けられ、上記基準
画像以外の画像を参照画像とし、それらの参照画像の逆
投影線を参照逆投影線とすると、上記ボーティング手段
は、各断面において上記通過位置算出手段が算出した全
参照逆投影線の通過位置情報を投票に係わる情報として
記憶する投票情報記憶手段と、各上記基準逆投影線の通
過位置に対応する上記参照逆投影線通過位置情報を上記
投票情報記憶手段から検索してその数を求め、その数か
ら上記基準逆投影線の通過位置のボクセルを通過する逆
投影線の数を得る参照逆投影線計数手段とを含む。
【0024】この構成によれば、投票情報記憶手段が設
けられ、全参照逆投影線のボクセルスライス上の通過ボ
クセル位置のみを記憶すればよいので、請求項4の場合
に比べて更に投票情報記憶手段の記憶容量を小さくでき
る。請求項7の発明では、投票情報記憶手段を連想メモ
リで構成し、検索を並列処理可能としているため処理時
間が短縮される。
【0025】請求項8の発明では、投票情報記憶手段と
して複数の画像に対応した複数の連想メモリを設け、並
列検索するため、ボーティング処理時間が短縮される。
請求項9の発明では、全参照逆投影線に対しそれぞれ設
けられた通過位置算出手段を並列に動作させることによ
り位置算出処理時間を短縮できる。請求項10の発明で
は、全基準逆投影線に対しそれぞれ設けられた通過位置
算出手段を並列に動作させることができ、位置算出処理
時間を短縮できる。
【0026】請求項12の発明では、基準逆投影線情報
記憶手段と投票情報記憶手段とをそれぞれ連想メモリで
構成し、通過位置算出手段と兼用しているため、構成が
簡単となる。請求項14の発明では、通過位置の近傍ボ
クセルについても投票数を計数するので、特徴点の検出
ミスを減らすことができる。
【0027】請求項16の発明では、同じ最大投票数が
連続して繰り返された場合、その繰り返し回数が基準逆
投影線情報記憶手段に設けた連続数フィールドに得られ
るので、それを使って特徴点の位置を修正することがで
きる。請求項18の発明では、基準逆投影線情報記憶手
段を構成する連想メモリの並列処理機能により、投票数
フィールド中の投票数と、それに対応する投票数最大値
との比較と、比較結果に基づく更新を全基準逆投影線に
ついて並列に実行できるので、構成が簡単になり、処理
時間も短縮される。
【0028】請求項19の発明によれば、請求項1の発
明において、上記3次元空間の断面の全ボクセルの配列
に対応して処理ブロックの配列が設けられ、配列された
上記処理ブロックは互いに隣接間で接続され、上記ボー
ティング手段はそれぞれの処理ブロックに設けられた第
1データパケット記憶部と計数部を含み、各処理ブロッ
クの上記第1データパケット記憶部は対応するボクセル
を通過する全ての逆投影線のそれぞれの情報をそれぞれ
第1データパケットとして保持し、各逆投影線の上記情
報はその逆投影線が対応するボクセルを通過する位置の
ワールド座標とその逆投影線の方向ベクトルを含み、各
処理ブロックの上記計数部はその処理ブロックの上記第
1データパケット記憶部に書き込まれた全ての第1デー
タパケットの数を計数しその数に対応する投票数を生成
し、上記基準逆投影線情報記憶手段はそれぞれの処理ブ
ロックに、対応するボクセルを通過する基準逆投影線の
上記最大点情報を第2データパケットとして記憶する上
記領域を第2データパケット記憶部として有し、上記比
較更新処理手段は、それぞれの処理ブロックに設けられ
た第2データパケット更新部を有し、各処理ブロックの
上記第2データパケット更新部はその処理ブロックの上
記計数部が生成した投票数とその処理ブロックの上記第
2データパケット記憶部の最大値とを比較し、前者の方
が大きければその投票数とその処理ブロックに対応する
ボクセルの位置を新しい最大点情報としてそのブロック
の上記第2データパケット記憶部の内容を更新し、各上
記処理ブロックは更に、入力された第1データパケット
を上記第1データパケット記憶部に書き込み、第2デー
タパケットを上記第2データパケット記憶部に書き込む
データパケット受信部と、上記第2データパケット更新
部の動作後に上記第1データパケット記憶部内の全ての
第1データパケットの通過位置ワールド座標にそれぞれ
の方向ベクトルを加算して次の断面の通過位置ワールド
座標を生成し上記方向ベクトルと合わせて更新された第
1データパケットを生成する第1データパケット更新部
と、上記更新された第1データパケットを、その第1デ
ータパケットが係わる逆投影線が基準逆投影線の場合は
第2データパケットと併せてそれぞれそれらの通過位置
ワールド座標に対応する処理ブロックに転送するデータ
パケット転送部とを含み、上記制御手段はそれぞれの処
理ブロックの第1データパケット記憶部に、それぞれ対
応するボクセルを通過する逆投影線の初期通過位置ワー
ルド座標とその逆投影線の方向ベクトルを初期の第1デ
ータパケットとして与える初期データ入力手段と、それ
ぞれの処理ブロックの上記計数部と上記第2データパケ
ット更新部の動作を指示する命令制御部と、上記3次元
空間のそれぞれの断面について上記処理ブロックによる
処理を繰り返した後それぞれの処理ブロックの上記第2
データパケット記憶部から最大点情報を読みだして上記
物体の特徴点の3次元情報として出力する第2データパ
ケット読み出し部とを含む。
【0029】この構成によれば、各ボクセルスライス上
の逆投影線通過ボクセルに対応した全処理ブロックが並
列的に、ボーティング、比較更新、次の通過位置算出を
順次実行するので、高速処理が可能となる。請求項21
の発明では、基準画像からの基準逆投影線が3次元ボク
セル空間を発散するように通過するため、画像毎にデー
タパケットの水平方向と垂直方向の同時転送が可能とな
り、パイプライン処理による時間短縮が可能となる。
【0030】請求項23の発明による3次元情報抽出方
法は、以下のステップを含む: (a) 逆投影線が通過する上記3次元空間の選択した1つ
の断面での通過位置を算出し、(b) 撮像された上記複数
枚の画像の予め決めた少なくとも1枚を基準画像とし、
その基準画像からの各逆投影線を基準逆投影線とする
と、上記算出された通過位置に基づいて、各上記基準逆
投影線上のボクセルを通過する他の異なる画像からの逆
投影線を計数し、その計数値から対応する投票数を求
め、(c) 各上記基準逆投影線に対応して基準逆投影線情
報記憶手段に保持されている過去の最大値の投票数とそ
れを与えたボクセルの位置からなる最大点情報を参照て
上記ステップ(b) で求めた投票数と上記最大値とを比較
し、上記投票数が上記最大値より大きければその投票数
とそれを与えたボクセルの位置を新しい最大点情報とし
て上記基準逆投影線情報記憶手段に保持されてる対応す
る最大点情報を更新し、(d) 3次元空間内の各基準逆投
影線上の全てのボクセルについて上記ステップ(a),
(b), (c) の処理を繰り返し、終了後に上記基準逆投影
線情報記憶手段から最大値を与えたボクセルの位置を上
記物体上の特徴点の3次元情報として出力する。
【0031】
【発明の実施の形態及び実施例】図4はこの発明による
3次元情報抽出装置の動作原理を説明するために、視点
110〜11R-1から画像I0〜IR-1上のそれぞれの特徴点Pf
通り、ボクセル空間VS内のボクセルを通過する逆投影線
L00,L01,…,LR-1,0,LR-1,1を示している。ボクセル空間
VS内のボクセルの位置を表すボクセル座標(X,Y,Z) を規
定する座標軸X,Y,Zをボクセル空間VSの互いに交わ
る3辺に沿って図示するように定め、ワールド座標軸
x,y,zを簡単のためこれらボクセル座標軸X,Y,
Zと一致して定める。従ってこれらボクセル座標系の原
点Oも共通であるものとする。ボクセル座標(X,Y,Z) と
ワールド座標(x,y,z) の関係は、簡単のため例えば[x],
[y],[z] をそれぞれx,y,z以下の最大の整数とする
とX=[x],Y=[y],Z=[z] である。即ち、ワールド座標値
x,y,zのそれぞれの整数部をボクセル座標値X,
Y,Zとする。またボクセル空間はX=0,1,…,NX-1,Y=0,
1,…,NY-1,Z=0,1,…,NZ-1 とする。この発明では画像I0
〜IR-1の予め決めた少なくとも1枚の画像例えばI0を基
準画像Isと決め、他の画像を参照画像Irと決める。さら
に、基準画像Is上の上記特徴点Pfを通って投影される直
線L00,L01,…を特に基準逆投影線と呼びLsで表し、参照
画像Ir上の特徴点Pfを通って投影される直線Lr0,Lr1,…
を特に参照逆投影線と呼びLrで表す。
【0032】図5は、この発明による3次元情報抽出装
置30の原理的構成を示す。この発明による装置30は
逆投影線通過位置算出部31と、ボーティング処理部3
2と、比較更新処理部33と、基準逆投影線情報記憶部
34と、制御部35とを有している。逆投影線通過位置
算出部31は図1で説明した逆投影線情報生成部20か
らそれぞれの画像I0〜IR-1中の全特徴点(2次元特徴
点)の位置情報が与えられ、それらの特徴点を通る逆投
影線を求め、さらにそれらの逆投影線がボクセル空間VS
において通過するボクセルの位置座標(Xt,Yt,Zt)を計算
により求める。ボーティング処理部32は各基準逆投影
線上の各ボクセル位置(Xt,Yt,Zt)のボクセルに対する参
照画像Irからの逆投影線によるボーティングを行い、投
票数Vを計数する。比較更新処理部33は、各基準逆投
影線上の任意の順に選択した一連のボクセルについて、
ボーティング処理部32で計数された投票数Vがそれま
でに選択したボクセルの最大の投票数VMを基準逆投影線
情報記憶部34から読みだし、今回選択されているボク
セルの投票数Vと比較し、VM>Vであれば今回選択した
ボクセルの投票数Vとその位置(Xt,Yt,Zt)を新たな最大
投票数VMと最大点位置(XM,YM,ZM)として基準逆投影線情
報記憶部34内の対応する基準逆投影線についての情報
を書き換える。
【0033】このようにして1本の基準逆投影線(例え
ばL00 )上の全てのボクセルについて任意の順にボーテ
ィング処理と比較更新処理を終了すると基準逆投影線情
報記憶部34のその基準逆投影線L00 についての記憶領
域に最大の投票数VMと、その最大投票数VMが与えられた
ボクセルの位置(XM,YM,ZM)が得られる。この位置は1つ
の3次元特徴点の位置を表している。ほかの基準逆投影
線L01,…についても同様の処理を行うことによりそれぞ
れ最大投票数VMを与えるボクセルの位置(XM,YM,ZM) が
それぞれの3次元特徴点の位置として得られる。制御部
35は各部31、32、33におけるそれぞれの基準逆
投影線通過ボクセルに対する上述のような処理の順序と
繰り返しを制御し、全基準逆投影線についての処理の終
了後に基準逆投影線情報記憶部34から3次元特徴点の
位置を読み出して出力する。
【0034】図5の装置では、(a) 全基準逆投影線を1
本ずつ選択し、選択した基準逆投影線についてそれが通
過するボクセルの位置を求め、そのボクセルに対するボ
ーティング処理、及び比較更新処理を実行することを全
通過ボクセルに対し繰り返し、同様の処理を全基準逆投
影線に対し繰り返してもよい。(b) あるいはボクセル空
間VSの基準逆投影線が入射する面(図4ではX-Y 面)と
平行な面(即ちZ軸に垂直な面)でボクセル長ごとにボ
クセル空間VSをスライスして得られる各スライスStをボ
クセルスライスと定義すると、同一ボクセルスライス内
の全基準逆投影線が通過する全てのボクセルに対しボー
ティング処理と比較更新処理を実行し、同様の処理を全
てのボクセルスライスについて所望の順に繰り返しても
よい。前者(a) の場合、もし図5の装置で、1つの3次
元特徴点の位置が得られる毎に、その位置をこの装置か
ら出力すればよい場合は、基準逆投影線情報記憶部34
には少なくとも1本の基準逆投影線についての最大投票
数VMとそれを与えたボクセル位置(XM,YM,ZM)を記憶する
領域があればよい。
【0035】後者(b) の場合のように、ボクセルスライ
ス毎に全基準逆投影線が通過する全ボクセルに対するボ
ーティング処理を行う場合は、全基準逆投影線について
それまでに得られている最大投票値VMと、そのボクセル
位置(XM,YM,ZM)をそれぞれ保持しておく必要があるの
で、少なくとも全基準逆投影線の数Fsに対応するだけの
数のVMと(XM,YM,ZM)の組を記憶する領域を用意しておけ
ばよい。この場合は、(b-1) ボクセルスライスStの全基
準逆投影線が通過する全てのボクセルについてのボーテ
ィング処理と比較更新処理を、1つのボクセルごとに実
行する場合と、(b-2) それら全てのボクセルについてボ
ーティング処理を終了後にそれらのボーティング結果に
基づいて比較更新処理を全てのボクセルについて行う2
つの方法がある。後者(b-2) の場合は、各ボクセルスラ
イス毎に全ボーティング結果に対し比較更新処理が終了
するまでそのボーティング結果を保持するための投票情
報記憶部32M をボーティング処理部32に設けてもよ
い。
【0036】いずれの場合にせよ、従来技術で必要とさ
れるメモリの規模と比べて著しく少なくてすむ。しかも
基準逆投影線上のボクセルに対してのみボーティング処
理を行えばよいので従来に比べて処理量及び処理時間を
著しく削減できる。図6は図5の装置による3次元特徴
点抽出処理の手順を上記第2の方法(b) に従って示す。
ステップS1で、全基準逆投影線及び全参照逆投影線を、
入力された2次元特徴点データから求める。次にステッ
プS2で1枚のボクセルスライスStを選択し、そのボクセ
ルスライス内の全基準逆投影線が通過する全ボクセルを
選択する。ステップS3では、選択したボクセルに対する
参照逆投影線によるボーティングをそれぞれ行う。次に
ステップS4で、それぞれの基準逆投影線についてそれま
での最大投票数VMとステップS3で得られた投票数Vとを
比較し、V>VMであればステップS5で今回の投票数Vと
そのボクセル位置(Xt,Yt,Zt)を新たな最大投票数(単に
最大値と呼ぶ)VM及びそのボクセル位置(XM,YM,ZM)とし
て更新し、ステップS6に移る。ステップS4でV>VMでな
ければそのままステップS6に進む。ステップS6で全ボク
セルスライスについて処理が終了したか判定し、終了し
ていなければステップS2に戻り、再び他のボクセルスラ
イスを選択し、前述と同様の処理を繰り返す。図6にお
いて、基準逆投影線毎にボクセルの選択(ステップS
2)、ボーティング処理(ステップS3)、比較更新(ス
テップS4,S5 )を繰り返してもよいことは前述の通りで
ある。
【0037】図5及び6で説明したこの発明の原理を使
った各種実施例について以下に説明する。 第1実施例 図7は図5に示した本発明の原理に基づく第1の実施例
の3次元情報抽出装置の概略構成図である。図5で示し
た原理的構成と同様に逆投影線通過位置算出部31と、
ボーティング処理部32と、比較更新処理部33と基準
逆投影線情報記憶部34とを有している。制御部35は
これら各部31、32、33、34の動作及び処理手順
を制御するためのものである。この実施例では各ボクセ
ルスライスSt毎にボーティング処理と比較更新処理を行
うため、ボーティング処理部32内に1枚のボクセルス
ライスを構成するNX×NY個のボクセルにそれぞれ対応し
たNX×NY個のメモリ領域を有する投票情報記憶部32M
が設けられる。本実施例の3次元情報抽出装置は、図1
の逆投影線情報生成部20で求められた逆投影線情報が
与えられ、対象とする3次元物体上の特徴点の3次元座
標を抽出して出力するものである。施例の3次元情報抽
出装置の動作について説明する。
【0038】この第1実施例による本装置の全体の処理
は、図8に示すように3次元ボクセル空間VSをボクセル
の厚さでスライスしたボクセルスライスSt毎に実行され
る。以下、対象とするボクセルスライスStを図4に示す
ようにZ軸に垂直な場合を例として説明する。また、図
1の場合と同様に簡単化のためボクセル座標(X、Y、
Z)とワールド座標(x,y,z)の原点位置及び座標
系の整数単位長は互いに等しいものとする。またある逆
投影線が通過するボクセルとは、その逆投影線が入射す
る面を座標原点O側の側面として有するボクセルを指
し、通過位置とはそのボクセルを含むスライスに対する
逆投影線が入射する面上の入射点のワールド座標(x,
y,z)を指すものとする。あるボクセルスライスSt
ついて、全逆投影線Lの通過位置を算出する処理、全逆
投影線Lをボーティングする処理、基準画像Isの全基準
逆投影線Lsに関する最大点情報を比較更新する処理が行
われ、これらの処理を全てのボクセルスライスSt(t=1,
2,…,NZ-1 )に対して順次実行していく。以下、1枚の
ボクセルスライスStについて実行されるこれらの処理に
ついて説明する。
【0039】逆投影線通過位置算出部31では、従来例
と同様にして図1の逆投影線情報生成部20で求められ
た逆投影線情報が与えられ、対象とするボクセルスライ
スSt(Z=t,t=0,1,…,NZ-1) における全逆投影線Lのそれ
ぞれの通過位置のボクセル座標(Xt,Yt) を求めて、ボー
ティング処理部32のボーティング部32Aに順次与え
る。また、同時に求められた基準画像Isからの逆投影線
Lsの通過位置のボクセル座標(Xt,Yt) とボクセルスライ
スStの座標Z=t は、後述する基準逆投影線情報記憶部3
4へも出力する。以下、通過位置(x,y)を求める際
の算出方法の例を示す。
【0040】例えば、視点110 と画像I0上の1つの特徴
点Pfを結ぶ直線である逆投影線L0は、その画像I0の視点
110 のワールド座標(xc,yc,zc)と、画像I0上の特徴点Pf
のワールド座標(xf,yf,zf)から、次の直線の式 (x -xc)/(xf-xc)=(y -yc)/(yf-yc)=(z -zc)/(zf-zc) (1) により表すことができる。簡単のため各ボクセルを一辺
がワールド座標における長さ“1”の立方体であると
し、対象としている第t番ボクセルスライスStのワール
ド座標のz軸方向の位置を例えばzt=tとすると、次式 xt=(t-zc)(xf-xc)/(zf-zc)+xc yt=(t-zc)(yf-yc)/(zf-zc)+yc (2) より逆投影線L0がボクセルスライスStを通過する位置の
ワールド座標(xt,yt,zt)が得られる。前述と同様に任意
の実数a以下の最大の整数を[a]と表すとボクセルスラ
イスStで逆投影線が通過するボクセルのボクセル座標(X
t,Yt) はXt=[xt],Yt=[yt] により与えられる。即ち、ボ
クセル座標値Xt,Yt はワールド座標値xt,y t のそれぞれ
の整数部で与えられる。
【0041】この実施例では投票情報記憶部32Mは、
1枚のボクセルスライスSt上の全ボクセル(NX・NY個)に
それぞれ対応する記憶領域(NX・NYワード)を有し、ボク
セルスライスSt内の逆投影線が通過する各ボクセルに対
応する記憶領域にはそのボクセルを通過する逆投影線数
(即ち投票数)が記憶される。投票情報記憶部32M
は、例えば図8に模式的に示すように1枚のボクセルス
ライスStに対応して記憶領域が2次元配列状にアドレス
されたRAM などで構成される。また、投票情報記憶部3
2Mの内容は予め“0”に初期化されるものとする。
【0042】ボーティング部32Aは、全逆投影線に対
して、逆投影線通過位置算出部31で求められた各逆投
影線のボクセルスライスSt上の通過ボクセル位置(Xt,
Yt) が与えられる毎に、投票情報記憶部32M内のその
通過ボクセル位置に対応する領域に記憶されている値を
読み出し、その値に+1をして、再び投票情報記憶部3
2M内の同じ領域に書き込むことを全ての逆投影線につ
いて行うことにより、ボーティング処理を行うものであ
る。即ち、ボーティング処理部32は逆投影線数計数手
段を構成している。
【0043】基準逆投影線情報記憶部34のFs本の基準
逆投影線L00,L01,…にそれぞれ対応するアドレス0,1,
…,Fs-1 で指定される各領域は、対応する基準逆投影線
について前回までのボクセルスライスの処理により得ら
れている最大点座標(XM,YM,ZM)を格納するフィールド4
Aと、その最大投票数VMを格納するフィールド4Bと、
基準逆投影線の現スライスStの通過ボクセル座標(Xt,
Yt) を格納するフィールド4Cとを有している。現スラ
イスStに対する基準逆投影線Lsがそれぞれ通過するボク
セルの座標(Xt,Yt) は、それらのボクセルに対する投票
数Vを投票情報記憶部32Mから読み出すためのアドレ
スとして比較更新処理部33により使用される。基準逆
投影線情報記憶部34は基準逆投影線にそれぞれ対応す
るアドレスにより指定された領域の読み出し、書き込み
が可能な、例えばRAM により構成される。フィールド4
Bの最大投票数VMは装置全体の処理の開始時に予め
“0”に初期化される。
【0044】比較更新処理部33では、Z軸方向の位置
ZtのボクセルスライスStの処理において、基準画像の全
基準逆投影線Lsに対して、まず基準逆投影線情報記憶部
34のフィールド4Cに記憶されている基準逆投影線Ls
の各通過位置のボクセル座標(Xt,Yt) をアドレスとし
て、投票情報記憶部32Mの対応する領域に記憶されて
いる投票数Vを読み出し、次に読み出された投票数V
と、基準逆投影線情報記憶部34のフィールド4Bに記
憶されているその基準逆投影線Lsに関する過去のボクセ
ルスライスでの最大投票数VMとを比較し、V>VMであれ
ば、この投票数Vを新しい最大投票数VMとして、基準逆
投影線情報記憶部34のフィールド4B内のその基準逆
投影線についての最大投票数VMを書き換え、またそのと
きのボクセル座標(Xt,Yt,Zt)を最大得票ボクセル座標(X
M,YM,ZM)としてフィールド4Aの内容を更新する。最大
点の座標と最大値の組(XM,YM,ZM,VM) を最大点情報と呼
ぶ。投票情報記憶部32Mから読み出された投票数Vが
V≦VMであれば最大点情報の更新は行わない。
【0045】制御部35は各ボクセルスライスStについ
ての通過位置算出処理と、ボーティング処理と、比較更
新処理とを終了する毎に投票情報記憶部32Mの全内容
をクリアし、次のボクセルスライスSt+1についての全逆
投影線が通過するボクセル座標(Xt,Yt) の計算と、ボー
ティング処理及び比較更新処理を同様に実行させる。こ
のようにして全ボクセルスライスについて任意の順番に
順次処理を実行し、全てのボクセルスライスStの処理が
終了すると、基準逆投影線情報記憶部34のフィールド
4Aに記憶されている最大点座標(XM,YM,ZM)は、基準画
像の各基準逆投影線Ls上で異なる参照画像から通過する
基準逆投影線数が最も大きいボクセルの位置を示してい
る。従って、3次元空間上で特徴点が存在する可能性が
最も高い位置であり、制御部35はその記憶されている
最大点位置のボクセル座標(XM,YM,ZM)を特徴点の3次元
座標として読み出し、必要があればさらにZMから式(2)
を使ってワールド座標(x,y,z) に変換して出力する。た
だし、測定誤差やボクセル量子化誤差などの影響による
誤検出を防ぐため、記憶されている最大値VMに基づいて
閾値処理などを行うことにより、抽出精度を上げてもよ
い。
【0046】図9のA及びCは、各ボクセルスライスに
対し実行される上述の処理を、それぞれのボクセルスラ
イスに対し次々と実行して進めていく場合の、あるボク
セルスライスSt(Zt=5)における基準逆投影線情報記憶部
34の4本の基準逆投影線L0 0,L01,L02,L03 についての
比較更新処理前と比較更新処理後の内容を示し、図9B
は同じボクセルスライスSt(Zt=5)における投票情報記憶
部32Mのボーティング処理後の内容を示している。こ
の例ではボクセルスライスのサイズNX×NYは8×8の場
合を示しているがもちろん任意の大きさに対しても同様
に処理することができる。以下、図9A,B,Cにおけ
る処理の流れの例について説明する。
【0047】まず、ボクセルスライス(Zt=5)に対して逆
投影線通過位置算出部31で全逆投影線Lの通過ボクセ
ル位置を算出する。このとき、基準画像の基準逆投影線
(L01,L02,L03,L04) については、求められた通過ボクセ
ル位置(Xt,Yt) を図9Aに示す基準逆投影線情報記憶部
34内のフィールド4Cに書き込む。次に、ボーティン
グ部32Aは図9Bに示す投票情報記憶部32M内の全
逆投影線Lの通過ボクセル位置(Xt,Yt) に対応する領域
の値をそれぞれ読み出し、その値に+1処理をして、そ
の値を再び同じ領域に書き込む。これにより通過ボクセ
ル位置の逆投影線数が順次計数され、最終的な逆投影線
数、即ち投票数Vが投票情報記憶部32Mに書き込まれ
る。その結果が図9Bの状態である。
【0048】次に、基準逆投影線情報比較更新処理を行
う。例えば基準逆投影線L00 の過去の最大投票数VM=1と
し(図9A)、基準逆投影線L00 の通過ボクセル位置(X
t,Yt)=(2,2) に対応する投票情報記憶部32Mの値V=5
(図9B)とを比較すると、1<5であるので、基準逆
投影線L00 の過去の最大値をVM=5に更新し、そのときの
最大点ボクセル位置も(XM,YM,ZM)=(2,2,5)に更新する
(図9C)。基準画像の残りの基準逆投影線L01,L02,L
03 についても同様にして比較更新処理を行った結果、
基準逆投影線L02については更新され、L01,LD3について
は更新されずに前の値のまま保持され、図9Cの基準逆
投影線情報記憶部34のフィールド4A,4Bに示され
た値(XM,YM,ZM,VM) のようになる。
【0049】以上のボクセルスライスStに対し実行され
る処理を全てのボクセルスライスに対して実行したなら
ば、最終的に残った最大点位置のボクセル座標(XM,YM,Z
M)は、基準逆投影線上で参照画像から通過する逆投影線
数がもっとも大きいボクセルの位置であるから、その最
大点ボクセル座標(XM,YM,ZM)を特徴点の3次元座標とし
て出力する。
【0050】この第1実施例の3次元情報抽出装置によ
れば、投票情報記憶部32M及び基準逆投影線情報記憶
部34を通常のRAM で構成することが可能であり、ハー
ドウェア化に際して極めて低コストで実現することがで
きる。また、逆投影線通過位置算出処理、ボーティング
処理及び最大点情報の比較更新処理は、いずれも単純な
処理の繰り返しによるものであり、従ってパイプライン
処理に適しており、処理を高速化することができるとい
う利点がある。なお、図7において、基準逆投影線情報
記憶部34内に位置算出部31で計算した現在処理対象
となっているボクセルスライスStの基準逆投影線が通過
するボクセル座標(Xt,Yt) を格納するフィールド4Cを
設けたが、これら基準逆投影線通過ボクセル座標(Xt,
Yt) を記憶するメモリを位置算出部31または比較更新
処理部33に設けてもよい。また上述において、基準画
像として他の画像の1つを選び、同様の3次元特徴抽出
処理を再び行うことにより、3次元特徴点の確からしさ
を高めることができ、かつ、1つの基準画像で観察され
ていない3次元特徴点を検出することもできる。
【0051】第2実施例 図10は本発明の第2の実施例を示す3次元情報抽出装
置の概略構成図である。図中、34は基準逆投影線情報
記憶部、341〜34Dは基準逆投影線情報メモリであり、第
1の実施例と同様の構成部分には同一の符号を付して示
す。本実施例は、R枚の画像のうち基準画像として他の
画像を選んで第1実施例の処理を繰り返すかわりに、前
述の第1の実施例において、撮像されたR枚の画像のう
ちのD枚(D≧2)を同時に基準画像として用い、残り
のR−D枚を参照画像として用いる場合の例である。第
1実施例と比較した場合、基準逆投影線情報記憶部34
内に基準画像として用いる画像枚数Dに相当するだけの
基準逆投影線情報メモリ341〜34Dが設けられている点で
異なる。以下、本実施例の3次元情報抽出装置の動作に
ついて説明する。
【0052】全体の処理については、第1実施例と同
様、ボクセルスライスごとに実行される。また、同様に
各ボクセルスライスStの処理において、全逆投影線の通
過するボクセル位置を算出する処理、全参照逆投影線を
ボーティングする処理、基準画像(ここではD枚の画
像)の全基準逆投影線に関する最大点情報を比較更新す
る処理が行われ、これらの処理を全てのボクセルスライ
スSt(Zt=t,t=0,1,…,NZ-1)に対して順次実行していく。
ボクセルスライスStに対し実行されるこれらの処理にお
いて、図10の逆投影線通過位置算出部31、ボーティ
ング部32A及び投票情報記憶部32M、比較更新処理
部33、制御部35は、図7に示した第1の実施例と同
様の構成でよい。
【0053】基準逆投影線情報記憶部34は、図10に
示すように基準画像として用いる画像枚数Dに相当する
だけのメモリ341〜34Dを持つ。各メモリ341〜34Dは全基
準逆投影線のそれぞれについて図7の実施例と同様に最
大点ボクセル座標(XM,YM,ZM)を格納するフィールド4
A、最大得票数VMを格納するフィールド4B、現ボクセ
ルスライスStの通過ボクセル位置(Xt,Yt) を格納するフ
ィールド4Cを有している。
【0054】比較更新処理部33では、D枚の基準画像
のそれぞれについて全基準逆投影線に対して、図7の実
施例と同様の処理を行う。即ち、基準逆投影線情報メモ
リ34 1〜34Dに記憶されている基準逆投影線の通過位置の
ボクセル座標(Xt,Yt) に基づき、投票情報記憶部32M
の対応する領域から読み出した投票数Vと、記憶されて
いる最大投票数VMとを比較し、VM<Vであれば最大投票
数VMと最大点ボクセル座標(XM,YM,ZM)を更新する。この
処理を全ての基準画像に対して行う。
【0055】上記処理を全てのボクセルスライスStに対
して実行したならば、図7の第1実施例と同様に、メモ
リ341〜34D内に最終的に残った最大点ボクセル座標(XM,
YM,Z M)は、D枚の基準画像の基準逆投影線上で参照画像
から通過する逆投影線数が最も大きいボクセルの位置で
あるから、その最大点位置がボクセル座標(XM,YM,ZM)を
読み出して特徴点の3次元座標として出力する。このと
き、図7の第1実施例と同様に、測定誤差や量子化誤差
などの影響による誤検出を減らすため、記憶されている
最大値VMに基づいた閾値処理などを行うことにより、抽
出精度を上げることができる。また、本実施例では、基
準画像として視点の異なる複数枚の画像を用いるので、
各画像において得られた最大点ボクセル座標を統合化し
て特徴点の3次元座標を抽出することができる。統合化
する方法としては、D個のメモリ341〜34Dに得られた最
大点位置情報のうち、例えば座標の異なる全ての最大点
位置をそれぞれ異なる3次元特徴点の座標として抽出す
る方法や、座標の等しい最大点位置情報を1個の最大点
位置情報としてまとめる場合に、その最大点位置(X M,
YM,ZM)における所定閾値以上の最大得票数VMの抽出最大
位置が所定数以上存在したボクセル位置のみ特徴点の3
次元座標として抽出する方法など、種々の方法が容易に
考えられる。
【0056】このように、第2実施例では、入力された
複数基準画像からの基準逆投影線に対して、それぞれ最
大点情報を記憶し、比較更新処理することにより、基準
画像を1枚だけ使う場合に比べ、物体の形状による遮蔽
などの影響を低減することができ、実在する特徴点のう
ちの未検出特徴点の数を減らすことができる。また、基
準画像を1枚のみにした場合には、カメラレンズの中心
の位置ずれや量子化誤差による画像上特徴点の位置ずれ
のために生ずる逆投影線の位置ずれの影響を直接受け、
真の特徴点位置を検出できない場合が発生する恐れがあ
るが、基準画像を複数枚にした場合、最終的に得られる
複数基準画像に対する最大点情報を用いることにより、
真の特徴点位置の未検出を減らすことができる。
【0057】さらに、入力画像の中から基準画像を選ぶ
際、カメラ位置が互いに離れた画像を適切に選ぶことに
より、基準画像の枚数を少なくしても3次元座標の抽出
の精度を高くすることが可能である。以上説明したよう
に、第1及び第2実施例の3次元情報抽出装置によれ
ば、投票数を記憶するための手段として、3次元ボクセ
ル空間内の全ボクセルに対応した記憶領域を持つ必要が
なく、3次元空間の1つの断面上の全ボクセルに対応す
るだけの記憶領域があればよく、ハードウェア量を大幅
に削減することができる。
【0058】また、逆投影線数を計数する処理と逆投影
線情報を比較更新する処理を一連のボクセルスライスに
対する処理の中で行うことができ、しかも従来例のよう
に逆投影線数を計数した後、3次元空間上で極大値を求
めるといった複雑な処理を必要としないため、処理量を
大幅に低減することができる。また、第2実施例の3次
元情報抽出装置によれば、3次元物体の形状による遮蔽
などの影響を低減することができ、また特徴点の検出位
置精度を高めることができる。
【0059】第3実施例 図11、図12、図13A及びBは本発明の第3実施例
を示すもので、図11は3次元情報抽出装置の概略構成
図、図12は本装置が具備する処理ブロックアレイPBA
の1つの処理ブロックPBの概略構成図、図13A及びB
はデータパケットの例を示す図である。
【0060】前述の第1及び第2実施例では各基準逆投
影線上のボクセルに対しボクセルスライス毎にボーティ
ング処理を行い、投票数Vがその基準逆投影線上のボク
セルのそれまでの最大の得票数VMより大の場合は、記憶
部34内のその最大得票数VMとそのボクセル位置(XM,
YM,ZM)を今回の投票数Vと、そのボクセル位置(Xt,Yt,Z
t)で更新することを基準逆投影線上のすべてのボクセル
について繰り返し実行し、最終的に各基準逆投影線上の
最大投票数VMを得たボクセルの位置(XM,YM,ZM)を3次元
特徴点の位置として求めた。この基本的考えは同じであ
るが第3実施例では1枚のボクセルスライスのボクセル
配列に対応して処理ブロック配列を設け、ボクセルスラ
イス内の基準逆投影線が通過するボクセルに対応する処
理ブロックにおいてそのボクセルに対するボーティング
処理と比較更新処理を行い、その基準逆投影線が通過す
る次のボクセルスライスのボクセルに対応する処理ブロ
ックに処理結果を転送することを順次繰り返し実行する
ことによって最終的に最大得票数VMのボクセル位置を得
るように構成している。以下にその詳細を説明する。
【0061】本実施例の3次元情報抽出装置は、制御装
置35と処理ブロックアレイPBA から構成されている。
制御装置35は第1データパケット投入部351 と、第2
データパケット初期化部352 と、第1データパケット計
数命令制御部353 と、第2データパケット更新命令制御
部354 と、第1データパケット更新命令制御部355 と、
データパケット転送命令制御部356 と、第2データパケ
ット読み出し部357 とから構成されている。処理ブロッ
クアレイPBA は1ボクセルスライス内のNX×NY個のボク
セルに対してNX×NY個の処理ブロックPBを有している。
初期化部352 及び読み出し部357 は共通データパスCDB
により全処理ブロックPBに接続されており、命令制御部
353〜356は共通制御バスCCB を通して各処理ブロックPB
に接続されている。
【0062】各処理ブロックPBは図12に示すように、
データパケット受信部B36 と、第1データパケット計数
部B32Aと、第2データパケット更新部B33 と、第1デー
タパケット更新部B31 と、データパケット送出部B37
と、第1データパケット記憶部B32Mと、第2データパケ
ット記憶部B34 とからなる。本装置の全体の処理は、図
11に示すように3次元ボクセル空間VSをスライスした
断面であるボクセルスライスStごとにその配列順に実行
される。
【0063】2次元アレイ状に配列された処理ブロック
PBは、互いにデータ転送線DLで接続されている。その
PBアレイの接続形態は、基準逆投影線に関わる情報が8
隣接PBのいずれへでも移動することができるように、例
えば後述の図14に示すように8隣接のメッシュ結合と
されている 逆投影線に関わる情報であるデータパケットは、図13
A及びBに示すような構成の第1のデータパケットDP1
と第2のデータパケットDP2 とがある。第1のデータパ
ケットDP1 は、ある基準逆投影線があるボクセルスライ
スSt(Z=t) を通過する位置のワールド座標(xt,yt) と、
その通過位置座標と次のボクセルスライスでの通過位置
ワールド座標(xt+1,yt+1) との差分である方向ベクトル
(Δx,Δy)によって構成されている。第2のデータパケ
ットDP2 は、基準画像の全ての基準逆投影線に対応する
第1のデータパケットDP1 にそれぞれ付随して設けら
れ、基準逆投影線上で過去に計数された中で最大であっ
た投票数(最大値)VMと、その最大点位置のボクセル座
標(最大点座標)(XM,YM,ZM)によって構成されている。
また、基準画像としては前述の第1及び第2の実施例と
同様にR(R≧3) 枚の入力画像の中の任意の1枚又は複数
枚を予め決める。
【0064】第1データパケット記憶部B32Mは、使用す
る全画像に対応した領域0,1,…,R-1を有し、自又は隣接
処理ブロックPBから転送されてきた逆投影線に関する第
1データパケットDP1(xt,yt,Δx,Δy)をそれらの逆投影
線の投影元画像にそれぞれ対応する領域に記憶する。こ
の例では、例えば0番目の領域を基準画像からの逆投影
線に関わる第1データパケットに割り当て、他の参照画
像からの逆投影線に関わる第1データパケットを第1〜
R-1 番目の予め決めた領域にそれぞれ割り当てるものと
する。1つの特徴点に対応する1つの処理ブロックPBに
送られる第1データパケット数の最大値、即ち1ボクセ
ルを通過する逆投影線数は、3次元ボクセル空間の解像
度や入力画像の解像度等によっても変わるが、同一画像
の異なる特徴点からの2本以上の逆投影線が同じボクセ
ルを通過しないものとすれば、理想的には1つの処理ブ
ロックPBに送られる第1データパケットDP1 の数の最大
値は、画像枚数と同じR個なので、第1データパケット
記憶部B32Mの領域数は少なくとも使用画像数Rだけあれ
ばよい。第2データパケット記憶部B34 は、処理ブロッ
クPBに送られて来た基準逆投影線に関する第2データパ
ケットDP2 を記憶するもので、上記と同様に同一基準画
像の異なる特徴点から投影された2本以上の基準逆投影
線が同じボクセルを通過しないものとすれば、1つの処
理ブロックPBに送られる第2データパケット数の最大値
は、1個である。従って、第2データパケットDP1 を記
憶する領域は1個でよい。
【0065】次に図11、12の実施例による装置の動
作を説明する。 ステップS1:まず、第1データパケット投入部351 で
は、処理ブロックアレイPBA の初期化として、本装置に
全画像について入力された逆投影線に関わる情報、即ち
全逆投影線が最初に通過するボクセルスライスS0におけ
る初期通過位置ワールド座標(x 0,y0) と方向ベクトル
(Δx,Δy)からなる情報を前記第1データパケットDP
1として、通過ワールド座標(x0,y0) に対応するボクセ
ル座標(X0,Y0) の処理ブロックPBへ共通データ線CDB を
通して転送する。同一画像上の複数の異なる特徴点から
逆投影される直線は同一ボクセルを通らないので、同一
ボクセルを通る複数の逆投影線はそれぞれ異なる画像か
ら投影されたものである。1つ又は複数の第1データパ
ケットを受信した各処理ブロックPBはその第1データパ
ケットDP1 の関わる逆投影線が発祥した画像に対応する
記憶領域にそれぞれ受信した第1データパケット(x0,
y0,Δx,Δy) を書き込む。
【0066】ステップS2:次に、第2データパケット
初期化部352 では、全処理ブロックPBに対し、第2デー
タパケット記憶部B34 の初期化命令(クリア信号)CLを
与える。各処理ブロックPBは初期化命令CLに応答して第
2データパケット記憶部B34 の最大点情報(X M,YM,ZM,
VM) を、例えば全て0に初期化する。または、別の例と
して基準逆投影線が通過するボクセルに対応する処理ブ
ロックPBに第2データパケット初期化部352 から第2デ
ータパケットDP2 を転送してもよい。以上の初期化によ
り各基準逆投影線が通過するボクセルに対応する処理ブ
ロックPBには1つの第2データパケットDP2 と少なくと
も1つの第1データパケットDP1 が与えられ、参照逆投
影線のみが通過する各ボクセルに対応する処理ブロック
PBには少なくとも1つの第1データパケットDP1 が転送
される。処理ブロックPBはデータパケット受信部B36 で
受信した第1データパケットDP1 を全て第1データパケ
ット記憶部B32Mに格納し、受信した第2データパケット
DP2 を第2データパケット記憶部B34 に格納する。
【0067】ステップS3:処理ブロックアレイ初期化
の後、第1データパケット計数命令制御部353 は、全処
理ブロックPBに対し第1データパケットDP1 を計数する
命令を与える。各処理ブロックPBは計数命令に応答して
第1データパケット記憶部B32M内に存在する第1データ
パケット数をそれぞれ計数することにより、それらの処
理ブロックPBの位置を通過する逆投影線数(投票数)V
を計数する。即ち、図12に示す処理ブロックPBでは、
データパケット受信部B36 が第1データパケット記憶部
B32Mに書き込んだ全第1データパケットDP1 を第1デー
タパケット計数部B32Aにより計数する。
【0068】ステップS4:次に、第2データパケット
更新命令制御部354 は、全ての処理ブロックPBに対して
第2データパケットDP2 の比較更新処理の命令を与え
る。第1データパケット記憶部B32Mの第0領域に基準逆
投影線に関する第1データパケット(xt,yt,Δx,Δy) を
有する処理ブロックPBの第2データパケット更新部B33
は、第1データパケット計数部B32Aが計数した第1デー
タパケット数Vと、第2データパケット記憶部B34 に保
持されている最大得票数VMとを比較更新命令に応答して
比較し、計数した第1データパケット数Vの方が大きけ
れば第2データパケット記憶部B34 内の最大得票数VM
その計数値Vにより更新し、最大点座標(XM,YM,ZM)を第
1データパケット記憶部B32Mの第0領域に保持されてい
る基準逆投影線の通過座標(xt,yt) とボクセルスライス
の座標(Z=t) から求めたXM=[xt],YM=[yt],ZM=tにより更
新する。
【0069】ステップS5:第1データパケット更新命
令制御部355 は、全ての処理ブロックPBに対して第1デ
ータパケットDP1 の更新処理の命令を与える。第1デー
タパケット記憶部B32Mに逆投影線に関する第1データパ
ケットを有する処理ブロックPBの第1データパケット更
新部B31 は更新命令に応答して、第1データパケット記
憶部B32M内の各逆投影線の第1データパケットについ
て、データパケットの持つ通過位置ワールド座標(xt,
yt) と方向ベクトル(Δx,Δy)を基に、次の隣接した
ボクセルスライスSt+1(Z=t+1) に対する通過位置ワール
ド座標(xt+1,yt+1) を xt+1=xt+Δx, yt+1=yt+Δy (3) により求め、それによりそれぞれの領域の通過位置(xt,
yt) を更新する。この演算は例えば加算機を第1データ
パケット更新部B31 内に持つことにより容易に実現する
ことができる。
【0070】ステップS6:データパケット転送命令制
御部356 は、全ての処理ブロックPBに対して、使用画像
枚数Rと同じ回数だけデータパケット転送タイミング信
号を順次与える。各処理ブロックPBのデータパケット送
出部B37 は、与えられたR回のデータパケット転送タイ
ミング信号に同期して第1データパケット記憶部B32M内
のR個の領域0〜R-1 を順次読み出し、第1データパケ
ットDP1 があればその第1データパケットDP1 を、前記
第1データパケット更新部B31 で式(3) により求めた次
のにボクセルスライスSt+1における通過位置ワールド座
標(xt+1,yt+1) に対応するボクセル座標(Xt+1,Yt+1)=
([xt+1],[yt+1]) の処理ブロックPBに送出する。ただし
第0領域の第1データパケットについては、記憶領域B3
4 の第2データパケットDP2 を添付して送出する。デー
タパケットの送出先は、例えば8個の隣接した処理ブロ
ックPBと自処理ブロックPB中の何れか1つである。送出
先が自処理ブロックの場合はデータパケットの転送を行
わないでよい。
【0071】このように最初のボクセルスライスSt(t=
0) についての処理を終了すると、次にステップS3に
戻り、前述と同様に第2のボクセルスライスSt+1の処理
を開始する。即ち、第1データパケット計数命令制御部
353 は全処理ブロックPBに対し、第1データパケットDP
1 の数を計数させる命令を与え、それに応答して各処理
ブロックPBは隣接処理ブロックから転送されてきた第1
データパケットDP1 の数を計数し、ステップS4で第2
データパケット比較更新命令に応答して記憶部B34 内の
最大得票数VMと計数値Vを比較し、計数値Vが大きけれ
ば最大点情報(XM,YM,ZM,VM) を更新し、ステップS5で
更新命令に応答して記憶部B32M内の全ての領域の(xt,
yt) を対応する方向ベクトル(Δx,Δy) により式(3) を
使って更新し、ステップS6で更新データパケットを次
のボクセルスライスの逆投影線通過ボクセルに対応する
処理ブロックに転送する。同様にしてステップS3〜S
6を残りの全てのボクセルスライスについて順次実行す
る。
【0072】このように、あるボクセルスライス上のボ
クセル位置に割り当てられた処理ブロックPBでは、図1
2に示すように、データパケットDP1,DP2 を受信する処
理、データパケットDP1,DP2 を記憶する処理、第1デー
タパケットDP1 の数を計数する処理、第2データパケッ
トDP2 を比較更新する処理、第1データパケットDP1を
更新する処理、データパケットを転送する処理を行い、
これらの処理を全ての処理ブロックPBにおいて同時に実
行する。さらに、これらボクセルスライス上で行う処理
を全てのボクセルスライス(Z=0,1,…,NZ-1) に対して順
次実行していく。
【0073】全てのボクセルスライスにおける処理が終
了したら、最後に全ての第2データパケットDP2 を第2
データパケット読み出し部357 を経て出力する。このと
きの第2データパケットの情報は、基準画像からの逆投
影線上で通過する逆投影線の数がもっとも大きいボクセ
ル位置を示しており、これは、3次元空間上で特徴点が
存在する可能性がもっとも高い位置であるといえるか
ら、第2データパケットが持つ最大点座標(XM,YM,ZM)を
特徴点の3次元座標とみなして出力する。このとき、測
定誤差や量子化誤差等の影響による誤検出を減らすた
め、最大点情報が持つ最大値VMに基づいた閾値処理など
を行うことにより、抽出精度を上げることができる。
【0074】このように、本実施例の3次元情報抽出装
置によれば、ボクセルスライスに対応した2次元処理ブ
ロックアレイPBA を用いることにより、ボクセルスライ
ス上の各ボクセル位置で行う処理を全てのボクセル位置
で同時に実行可能になり、3次元情報の抽出処理を大幅
に高速化することができる。また、逆投影線を全てデー
タパケットに割り当てて、これらが2次元処理ブロック
アレイ上を自律分散的に移動しながら3次元ボクセル空
間へのボーティング処理と最大値比較更新処理とを行う
ことにより、処理時間が逆投影線数、即ち、入力画像上
の特徴点の数に全く依存しないので、処理時間を変えず
に任意の特徴点数の画像に対する3次元情報抽出処理が
可能である。さらに、複数の入力画像を基準画像とする
ことにより、基準画像を1枚のみにする場合に比べ、物
体の形状による遮蔽などの影響を低減し、真の特徴点の
未検出を防止できるという利点がある。
【0075】次に上述した処理ブロックアレイPBA 内の
処理ブロック間の接続例を示す。図14は隣接8ブロッ
クメッシュ結合の例を1つの処理ブロックPBとその隣接
8処理ブロックについて示す。各処理ブロックPB内はデ
ータパケット受信部B36とデータパケット送出部B37 の
みを示し、その他の構成要素は図を簡略化するため示し
ていない。また、制御信号用の共通制御バスCCB 及び制
御装置35と処理ブロックPB間の共通データバスCDB に
ついても図示しない。各処理ブロックPBは、使用されて
いるR枚の画像I0,I1,…,IR-1 の所定の順番に、同一画
像に係わる逆投影線についてのデータパケットを有する
全ての他の処理ブロックと同時に転送処理を行う。従っ
て各ボクセルスライスStの処理においてR回の転送サイ
クルが順次実行される。
【0076】各処理ブロックPBのデータパケット受信部
B36 は隣接する8つの処理ブロックのそれぞれのデータ
パケット送出部B37 に8本のデータ転送線DLR により接
続され、データパケット送出部B37 は隣接する8つの処
理ブロックのそれぞれのデータパケット受信部B36 に8
本のデータ転送線DLT により接続されている。この結合
によれば、転送すべき第1データパケット(基準逆投影
線に関するパケットの場合第2データパケットも添付さ
れる)の転送先処理ブロックは転送すべき第1データパ
ケットの更新されたデータxt+1,yt+1 からXt+1=[xt+1],
Yt+1=[yt+1] によって決まるので、8本のデータ線DLT
のうちの転送先に対応する1本の出力線にデータパケッ
トを出力すればよい。この隣接8ブロックメッシュ結合
によればデータパケットの転送制御は単純であり、必要
とする処理時間も短いが処理プロセサ間の接続が複雑に
なる欠点がある。
【0077】図15は隣接4ブロックメッシュ結合の例
を示す。この場合も各ボクセルスライスStの処理におけ
るデータパケット転送処理は対応画像の順に全処理ブロ
ックで同時に実行される。この例では、各処理ブロック
PBのデータパケット受信部B36 は4本のデータ転送線DL
R により水平方向及び垂直方向に隣接する4つの処理ブ
ロックのそれぞれのデータパケット送出部B37 と接続さ
れ、データパケット送出部B37 は4本のデータ転送線DL
T により水平方向及び垂直方向に隣接する4つの処理ブ
ロックのそれぞれのデータパケット受信部B36 に接続さ
れている。
【0078】各データパケット受信部B36 は宛先判定部
B36Aを有し、受信した第1データパケットDP1 中のデー
タ(xt,yt) が自処理ブロック宛か他処理ブロック宛かを
判別し、自処理ブロック宛であれば受信データパケット
DP1(及びDP2)を記憶部B32M、の現転送サイクルに対応
する領域(即ち画像に対応する領域)に書き込む。デー
タ(xt,yt) が他処理ブロック宛であればそのデータパケ
ットをデータパケット送出部B37 に送り、データパケッ
ト送出部B37 から宛先処理ブロックに対応するデータ線
の1つに送出する。従って、各処理ブロックは直接接続
されている上下左右の4つの処理ブロックのいずれに対
するデータパケットの転送においても1回の転送サイク
ルで転送が可能であるが、直接接続されていない斜め隣
の4つの処理ブロックのいずれにデータパケットを転送
する場合も、水平方向転送と垂直方向転送の2サイクル
を必要とする。従って図15の例ではどの画像に対応す
るデータパケットの転送に対しても2サイクルを割り当
てる。
【0079】ところで図16Aに示すように同じ視点1
1から延長され同じ画像I上の異なる特徴点Pfを通る全
ての逆投影線Lは、互いの間隔が広がるように放射され
る。従って、共通の視点11からボクセルスライスSt
垂直に延ばした垂線LPのボクセルスライスStとの交点を
P0とすると、図16Bに示すようにボクセルスライスSt
上でそれぞれの逆投影線Lが通過するボクセル位置(○
印で示す)に対し、それらの逆投影線が次のボクセルス
ライスSt+1で通過するボクセルの位置(●印で示す)は
交点P0を中心に全て互いに発散する方向に広がることか
ら、処理ブロックアレイPBA 上を転送される同一画像の
データパケットも図16Cに矢印で示すように互いに発
散する方向にのみ転送される。このため、処理ブロック
PBに存在するデータパケットを隣接した処理ブロックPB
へ転送する際に、例えば所定の画像順に従ってデータパ
ケットを順次転送し、またデータパケットの転送時には
全ての処理ブロックPBが同期して同じ画像についてのデ
ータパケットを転送してもデータパケットの衝突は生じ
ない。その際、画像順は常に一定である必要はなく、即
ち処理ブロックPB間では常に同じ時間には同じ画像の逆
投影線のデータパケットのみが転送されていればよい。
このように、ある1画像上の逆投影線のデータパケット
を全て同時に転送しても、データパケットが衝突するこ
とはなく、従って、衝突のない極めて効率的な処理ブロ
ックPB間の転送処理を実現することができる。
【0080】第4実施例 図17は上述のデータパケット転送をパイプライン方式
で実施する4隣接のメッシュ結合の処理ブロックアレイ
PBA の実施例を示す。図を簡略化するため、各処理ブロ
ックPB内には図12に示す第1データパケット記憶部B3
2Mの各画像に対応する記憶領域0からR-1 のみを示し、
領域0は第2データパケット記憶部B34も含むものとす
る。この実施例では、図12におけるデータパケット受
信部B36及びデータパケット送出部B37 のかわりに水平
入出力部3Hと垂直入出力部3Vが設けられ、それぞれ
水平データバスHDB 及び垂直データバスVDB に直列に接
続されている。本実施例では、データパケットを水平方
向へ転送するための水平転送手段を水平データバスHDB
と水平入出力部3Hによって構成し、データパケットを
垂直方向へ転送するため垂直転送手段を垂直データバス
VDB と垂直入出力部3Vによって構成する。水平データ
バスHDB は水平方向に隣接した全ての処理ブロックPBの
水平入出力部3H間を順次接続し、垂直データバスVDB
は垂直方向に隣接した全ての処理ブロックPBの垂直入出
力部3V間を順次接続している。
【0081】水平入出力部3Hは処理ブロックPBの記憶
部B32M内にある第1データパケットDP1 中の更新された
データ(xt+1,yt+1) に対応する転送先処理ブロックが自
分以外の処理ブロックの場合は、その転送先処理ブロッ
クが自処理ブロックを含む列の右側であるか左側である
かにより、その第1データパケットDP1 を右側又は左側
に転送する水平データバスHDB に出力する。また、右又
は左に隣接する処理ブロックから受信した第1データパ
ケットを記憶部B32Mに書き込む。同様に、垂直入出力部
3Vは処理ブロックPBの記憶部B32M内にある第1データ
パケットDP1 中の更新されたデータ(xt+1,yt+1) に対応
する転送先処理ブロックが自分以外の処理ブロックの場
合は、その転送先処理ブロックが自処理ブロックを含む
行の上側であるか下側であるかにより、その第1データ
パケットDP1 を上側又は下側に転送する垂直データバス
VDB に出力する。また、上又は下に隣接する処理ブロッ
クから受信した第1データパケットを記憶部B32Mに書き
込む。
【0082】上述において、水平転送と垂直転送の順を
逆にしても同様に行うことができる。この図17の実施
例においても、各ボクセルスライスStに対する比較更新
処理の後に行うデータパケットの転送は、R枚の画像に
それぞれ対応して所定の順に、同一画像についての第1
データパケットを有するすべての処理ブロックPBで同時
に行われる。この実施例では特に、画像I0〜IR-1の所定
の順に従って、全処理ブロックPBの水平出力部3Hがあ
る画像(Ik)の逆投影線についての第1データパケットD
P1を領域kから水平方向に転送するサイクル間に、全
処理ブロックPBの垂直入出力部3Vは、水平入出力部3
Hが前サイクルで受信して書き込んだデータパケットの
領域(例えばk-1)に現在ある第1データパケットの宛先
が自処理ブロック以外であればその第1データパケット
を垂直方向に転送する。同様に全処理ブロックの水平出
入力部3Hが記憶部B32Mの次の領域(例えばk+1)の第1
データパケットを水平方向に転送するサイクルの間に垂
直入出力部3Vは領域kの第1データパケットを垂直方
向に転送する。各、水平、垂直入出力部3H,3Vは転
送しようとする領域の第1データパケットの更新された
データ(xt+1,yt+1)が示す宛先が自分以外の処理ブロッ
クであれば転送を実行し、自分宛であれば転送を行わな
い。また、各水平、垂直入出力部3H,3Vは受信した
第1データパケットを現在処理対象になっている領域に
書き込む。
【0083】例えば図17の中央の処理ブロックPB22
記憶部B32Mの領域kに書き込まれている更新された第1
データパケットDP1の更新データ(xt+1,yt+1)が表す
転送宛先が右上の隣接処理ブロックPB13の位置(1,3) で
あるとする。全処理プロセサの水平入出力部3Hと垂直
入出力部3Vがそれぞれ記憶部B32Mの領域kとk-1 を選
択している状態で、それらの領域内に第1データパケッ
トが存在し、それらの転送宛先が自分以外の処理ブロッ
クであれば領域k,k-1の第1データパケットをそれぞれ
水平データパス3H,垂直データパス3Vに同じ動作サ
イクルで送出する。これによって処理ブロックPB22の記
憶部B32Mの領域Kの第1データパケットDP1は水平デ
ータパスHDB を通って右側の処理ブロックPB23の水平入
出力部3Hに転送され、その処理ブロックPB23の記憶部
B32Mの領域Kに書き込まれる。次の動作サイクルで全処
理ブロックPBの水平出入力部3Hと垂直入出力部3Vは
記憶部B32Mの領域k+1 とkをそれぞれ選択し、そこにあ
る第1データパケットの宛先が自分以外の処理ブロック
であれば、それぞれそれらの第1データパケットを水平
データパスHDB 及び垂直データパスVDB に送出する。こ
れにより、処理ブロックPB23の記憶部B32Mの領域kにあ
る第1データパケットはその宛先が(1,3) なので垂直入
出力部3Vから垂直データパスVDB を通って処理ブロッ
クPB13の垂直入出力部3Vに転送され、その処理ブロッ
クPB13の記憶部B32Mの領域kに書き込まれる。
【0084】このように、図17の実施例では各処理ブ
ロックから隣接処理ブロックへのデータパケットの各転
送処理は、水平方向転送と垂直方向転送の2サイクルが
割り当てられる。もし転送すべき第1データパケットの
宛先が左右、上下のいずれかに隣接した処理ブロックで
あれば2サイクルのうちの一方のサイクルで転送が行わ
れる。もし転送すべき第1データパケットの宛先が斜め
に隣接した処理ブロックであれば2サイクルで転送が行
われる。いずれの場合も、この実施例では水平方向転送
のサイクルと垂直方向転送へサイクルが同時に実行され
るので、記憶部B32Mの全領域0〜R-1内のデータパケッ
トに対する転送処理に要する時間は(R+1)サイクルであ
る。
【0085】このような水平方向転送と垂直方向転送の
並列処理と図11、12、17の構成を適用した三次元
情報抽出装置の4枚の画像を使った場合の3次元特徴抽
出動作をパイプライン処理で実行するタイムチャートを
図18に示す。行AにボクセルスライスSt,St+,… がそ
れぞれ処理される区間を示している。行Bは処理タイミ
ングを示している。行C及びDはそれぞれ水平及び垂直
方向からの受信処理を表し、行H及びIはそれぞれ水平
及び垂直方向への送出処理を表している。4つずつ連続
して配列されたボックス内の数字0、1、2、3は処理
対象である記憶部B32M内の領域番号を表し、従ってそれ
らの領域に書き込まれている逆投影線情報が属する4枚
の画像の番号に対応している。行Eは第1データパケッ
トの計数処理タイミングを示し、行Fは第2データパケ
ットの更新処理タイミングを示し、行Gは第1データパ
ケットの更新処理タイミングを示している。
【0086】各スライス処理区間の最初のサイクル#1
で処理ブロックPBの記憶部B32Mの第0領域を水平入出力
部3Hが選択し、読み出した第1データパケットの宛先
が自分以外の処理ブロックであればその宛先に従って右
方向又は左方向の水平データパスHDB に送出する(行
H)。その送出された第1データパケットは右または左
隣の処理ブロックの水平入出力部3Hで同時に受信され
(行C)、記憶部B32Mの同じ領域0に書き込まれる。次
のサイクル#2で各処理ブロックPBの水平及び垂直入出
力部3H及び3Vはそれぞれ記憶部B32Mの領域1及び領
域0を選択し、それぞれの第1データパケットを読みだ
し、それらが他の処理ブロック宛のものであればそれぞ
れ水平及び垂直データバスHDB 及びVDB を通して同時に
右または左及び上又は下に隣接処理ブロックの水平及び
垂直入出力部3H,3Vに送信し(行H、I)、それら
を受信した隣接処理ブロックの水平及び垂直入出力部に
受信した2つの第1データパケットをそれぞれ領域1及
び領域0に書き込む(行C、D)。
【0087】次にサイクル#3で各処理ブロック部PBの
水平及び垂直入出力部3H,3Vはそれぞれ記憶部B32M
の領域2及び1を選択しそれぞれの第1データパケット
を送信し(行H、I)、それと共に隣接処理ブロックか
ら受信したそれぞれの第1データパケットと対応する領
域2及び1に書き込む(行C、D)。同様にサイクル#
4で記憶部B32Mの領域3及び2の第1データパケットを
それぞれ水平及び垂直隣接処理ブロックに転送すると共
に(行H、I)、水平及び垂直隣接処理プロセサからそ
れぞれ受信した第1データパケットを領域3及び2に書
き込み(行C、D)、サイクル#5では垂直入出力部3
Vにより領域3の第1データパケットを垂直隣接処理ブ
ロックに転送すると共に(行D)、垂直隣接処理ブロッ
クから受信した第1データブロックを領域3に書き込む
(行I)。以上によりパケット転送モードTMが終了し、
次に計数/更新モードC/U に入る。
【0088】計数/更新モードC/U ではまず、それぞれ
の処理ブロックの第1データパケット計数部B32A(図1
2)に対し記憶部B32M内の第1データパケットの数を計
数させる。次に計数結果Vと第2データパケット記憶部
B34 (図17では記憶部B32Mの領域0に付加されている
ものとして説明している)に保持されている最大得票数
VMと比較し、それより大であれば第2データパケット記
憶部B34 内の第2データパケット(XM,YM,ZM,VM) を更新
し(行F)、次に第1データパケット記憶部B32M内の領
域0〜R-1 の全第1データパケットを式(3)により更新
する(行G)。以上でボクセルスライスStに対する処理
を終了し、以下、ボクセルスライスSt+1,St+2,…につい
て上述と同様の転送モードTM及び計数・更新モードC/U
を繰り返し実行する。
【0089】このように、図17の実施例によれば、水
平転送と垂直転送をパイプライン処理することが可能に
なるため、処理ブロックアレイを4隣接のメッシュ結合
とした場合でも、処理ブロックアレイを直接8隣接のメ
ッシュ結合にした場合と同等の処理時間で全データパケ
ットの処理ブロックPB間の転送が可能になる。従って、
8隣接のメッシュ結合の場合に比べて極めて少ない接続
配線数で効率的な処理ブロックPB間の転送を実現するこ
とができる。
【0090】以上説明したように、図11、12の3次
元情報抽出装置によれば、3次元空間のあるボクセルス
ライス上の1個の座標点で実行されるボーティング処理
と、最大点情報比較更新処理とを処理ブロックアレイPB
A 上の1個の処理ブロックに割り当てることができるの
で、これらの処理をあるボクセルスライス上の全ての座
標点で同時に実行可能になり、処理時間を大幅に削減す
ることができる。また、各断面ごとに前記ボーティング
処理と最大点情報比較更新処理を一度に行うことができ
るので、従来のように3次元空間へのボーティングの
後、再び3次元空間上で極大値を求めるような複雑な処
理を行う必要がなく、処理量が小さくなり、処理時間の
大幅な短縮をはかることができる。さらに、ある断面を
通過する全ての逆投影線に対する処理を同時に実行可能
になるので、処理時間は逆投影線数、即ち入力画像上の
特徴点に依存せず、処理時間を変えずに任意の特徴点数
に対応することができる。
【0091】また、1画像上の逆投影線に関わる情報を
全て同時に転送しても、処理ブロック間の転送時に逆投
影線に関わる情報が衝突することがないので、全ての処
理ブロックにおいて同一画像の逆投影線に関わる情報を
同時に転送させることにより、衝突のない効率的な処理
ブロック間の転送を実現することができる。また、図1
7の3次元情報抽出装置によれば、上記の効果に加え、
逆投影線に関わる情報を、例えば8隣接の処理ブロック
へ転送する際に、水平転送と垂直転送の処理をパイプラ
イン化することにより、処理ブロック間の接続配線量の
少ない4隣接メッシュ結合とした場合でも、8隣接メッ
シュ結合の場合と同等の時間で処理することが可能であ
り、4隣接メッシュ結合の処理ブロックアレイによる効
率的な処理ブロック間の転送を実現することができる。
【0092】第5実施例 図19は、本発明の第5の実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図である。この第5実施例は図7の
実施例の変形であり、図7の構成と異なる点は図7にお
ける投票情報記憶部32M がボクセルスライスの全NX×NY
ボクセルに対応して投票数を記憶する領域を有している
のに対し、図19における投票情報記憶部32Mが各ボク
セルスライス処理時に全参照逆投影線が通過するボクセ
ル位置のみを記憶する領域を有している点と、図7の基
準逆投影線最大点情報記憶部34の各基準逆投影線L0j
に対応する記憶領域j(j=0,1,…,Fs-1) にそのボクセル
スライスでの得票数Vを記憶するフィールド4Dを追加
したことである。動作において異なる点は、図7におい
てはボクセルスライス上の逆投影線が通過するボクセル
に対応する投票情報記憶部32M中のそれぞれの領域の
内容に“1”を加算したのに対し、図19では各ボクセ
ルスライスの処理において記憶部32M に書き込んだ全参
照逆投影線の通過ボクセル座標から各基準逆投影線の通
過ボクセル座標と一致するものを検索し、一致が検出さ
れた数をその基準逆投影線の通過ボクセルに対する参照
逆投影線による投票数Vとすることと、その投票数Vを
基準逆投影線に対応してフィールド4Dに記憶すること
である。
【0093】通過位置算出部31は、図1に示す逆投影
線情報生成部20で求めた逆投影線情報を入力し、対象
とするボクセルスライスSt(Z=t,t=0,1,…,NZ-1) におい
て全逆投影線の通過ボクセル座標(Xt,Yt) を求め、この
求められたボクセル座標(Xt,Yt) のうちで、基準画像か
らの基準逆投影線Lsが通過する通過ボクセル座標を、基
準逆投影線情報記憶部34のフィールド4Aに書き込
み、上記求められた通過ボクセル座標(Xt,Yt) のうち
で、参照画像からの参照逆投影線Lrが通過するボクセル
座標を、投票情報記憶部32M へ出力する。
【0094】基準逆投影線情報記憶部34は、ボクセル
スライスStにおける基準逆投影線通過ボクセル座標(Xt,
Yt) と、最大点座標(XM,YM,ZM)と、最大得票数VMと、計
数値Vとを、各基準逆投影線Lsについて記憶するメモリ
であり、RAM 等によって構成されている。記憶部34に
おける通過ボクセル座標(Xt,Yt) の数は少なくとも基準
逆投影線Lsの数Fsある。
【0095】また、投票情報記憶部32M は、参照逆投影
線Lrが通過するボクセルスライスSt上の全ての通過ボク
セル座標(Xt,Yt) を記憶し、例えば、RAM によって構成
されている。ボーティング部32A は、基準逆投影線情報
記憶部34に記憶されている基準逆投影線の通過ボクセ
ル座標(Xt,Yt) を順次読み出し、この読み出した各通過
ボクセル座標と同じ投票情報記憶部32M に記憶されてい
る参照逆投影線通過ボクセル座標(Xt,Yt) を検索し、そ
の数を計数する(即ちボーティングする)。それぞれの
基準逆投影線通過ボクセル座標について計数したこれら
の値(即ち投票数)を、基準逆投影線情報記憶部34の
フィールド4Dに、計数値(投票数)Vとして基準逆投
影線通過ボクセル座標と対応してそれぞれ記憶する。
【0096】その後、比較更新処理部33は、各基準逆
投影線通過ボクセル座標について基準逆投影線情報記憶
部34に今回記憶した計数値Vと過去の最大値VMとを比
較し、V>VMであれば、計数値Vを最大値VMとしてフィ
ールド4Bに書き込むことによって、最大値VMを更新
し、またそのときのボクセル座標(Xt,Yt) とボクセルス
ライスの座標Z=t とを、最大点座標(XM,YM,ZM)としてフ
ィールド4Aに書き込むことによって、最大点座標(XM,
YM,ZM)を更新する。V≦VMであれば、最大点情報(XM,
YM,ZM,VM) の更新を行わない。なお、ボーティング処理
部32において記憶部34内の各基準逆投影線通過ボク
セル座標についてのボーティング処理を行って投票数V
を得る毎に、比較更新処理部33でその投票数Vと最大
値VMとを比較し、更新処理を行うことをそれぞれの基準
逆投影線通過ボクセル座標について順次繰り返し実行す
るように構成する場合は、基準逆投影線情報記憶部34
に投票数Vを格納するフィールド4Dを設ける必要はな
い。
【0097】上述の一連の通過位置算出処理、ボーティ
ング処理、比較更新処理はボクセル空間VSの全ボクセル
スライスについて予め決めた順に実行する。全てのボク
セルスライスについて上記一連の処理が終了したら、制
御部35は基準逆投影線情報記憶部34に記憶されてい
る最大点座標(XM,YM,ZM)を、特徴点の3次元座標と見な
して出力する。つまり、基準逆投影線情報記憶部34に
記憶されている最大点座標(XM,YM,ZM)は、基準逆投影線
Ls上で、異なる参照画像から通過する参照逆投影線数が
もっとも大きいボクセルの位置を示しており、3次元ボ
クセル空間VS上で特徴点が存在する可能性がもっとも高
い位置であると考えられるので、その記憶されている最
大点座標を、特徴点の3次元座標とみなして出力する。
なお、この場合、測定誤差や量子化誤差等の影響による
誤検出を防ぐために、記憶されている最大値VMに基づい
て閾値処理を行うことによって、抽出精度を上げるよう
にしてもよい。
【0098】このように、図19の3次元情報抽出装置
によれば、記憶手段32M,34として逆投影線に対応する
領域のみを有していればよく、3次元ボクセル空間上の
全量子化点(ボクセル)に対応した記憶領域を設ける必
要が無くなる。従って、従来例よりも、ハードウェア量
が大幅に少ない。また、投票情報記憶部32M は図7の実
施例で用いたボクセルスライス上のNX×NY個のボクセル
に対応する領域を有する投票情報記憶部32M よりも必要
とするメモリ容量が更に少なくてすむ。また、ボクセル
スライス毎に、ボーティング処理と最大点情報の比較更
新処理とを実行することによって、従来の第1の方法に
おけるようなボーティングの後に3次元空間上で極大値
を求めるという複雑な処理を行う必要がない。従って、
処理にかかる時間が短縮される。さらに、ボクセルスラ
イス毎に、ボーティング処理と最大点情報比較更新の処
理とを行うことによって、従来の第2に方法におけるよ
うな2回ボーティング処理を行う必要が無く、全ての逆
投影線に対してボーティング処理を1回実行するだけで
足り、この意味からも、処理時間が短縮される。
【0099】第6実施例 上述の図19の実施例においては、各基準逆投影線の通
過ボクセル座標での得票数Vとしては、そのボクセルを
通過する参照逆投影線の数を求めたが、そのボクセルが
真の3次元特徴点の位置であっても、本来そのボクセル
を通過すべき参照逆投影線が物体空間のボクセル化によ
る量子化誤差や、逆投影線を規定する画像上の2次元特
徴点の位置の測定誤差及び視点の位置の測定誤差のた
め、そのボクセル(中心ボクセルと呼ぶことにする)を
通過せず、その近傍のボクセルを通過する場合が生じ
る。このような場合、その中心ボクセルで計数される投
票数Vは理論値より小さくなり、場合によっては特徴点
として抽出されないこともある。
【0100】図20の実施例はこのような問題を解決す
るため、基準逆投影線通過ボクセルの近傍を通過する参
照逆投影線も投票数として計数するように構成したもの
である。この実施例の3次元情報抽出装置は基本的には
図19の実施例と同じであるが、ボーティング処理部3
2の機能が図19の3次元情報抽出装置におけるボーテ
ィング処理部32の機能をより高められており、ボーテ
ィング部32A は、通過座標検索部32aと、近傍座標検
索部32bと投票値算出部32cとで構成されている。
【0101】通過座標検索部32aは、投票情報記憶部
32M の中で、着目している基準逆投影線の通過ボクセル
座標(Xt,Yt) と同じ通過ボクセル座標を持つものを検索
する。これによって検索された参照逆投影線通過ボクセ
ル座標の数のみを計数して投票数Vを得るようにしたの
が図19の場合であるが、図20の実施例では以下に述
べるように、更に近傍ボクセルを通る参照逆投影線の数
も考慮して投票数Vを決める。近傍座標検索部32b
は、基準逆投影線通過ボクセル座標(Xt,Yt) の近傍のボ
クセル座標についても、その近傍のボクセル座標を通過
する参照逆投影線の数を計数するものである。図21の
A,B及びCは、図20において、近傍座標検索処理に
おける近傍の範囲の例をそれぞれ示す図である。近傍の
ボクセル座標の範囲は、例えば図21Aの場合、左右上
下に隣接する座標(Xt-1,Yt),(Xt+1,Yt),(X t,Yt-1),(Xt,
Yt+1) である。図21Bの場合は左右上下に隣接する座
標(Xt-1,Yt),(Xt+1,Yt),(Xt,Yt-1),(Xt,Yt+1) の範囲
と、斜め四方に隣接する座標(Xt-1,Yt-1),(Xt+1,Yt-1),
(Xt-1,Yt+1),(Xt+1,Yt+1) の範囲とを、ボクセルスライ
スをZ軸方向に順次進めるにつれ交互に適用する範囲で
ある。また、図21Cの場合は、通過ボクセル座標(Xt,
Yt) に隣接する8つのボクセル座標の範囲である。これ
ら以外にも所望の範囲を決めてもよい。
【0102】投票値算出部32cは、通過座標検索部3
2aによる検索と、近傍座標検索部32bによる検索と
で得られた逆投影線数に基づいて、通過座標(Xt,Yt) に
おける投票数を算出するものである。投票数算出部32
cで投票値を算出する場合、例えば、通過ボクセル座標
(中心ボクセル座標)とその近傍の座標で得られた計数
値を単純に加算して投票値Vを求めるようにしてもよ
く、また、それらの計数を重み付け加算した値を、投票
値Vとして求めるようにしてもよい。例えば図21A,
21B,21Cに示すように、通過ボクセル座標(Xt,
Yt) の近傍の座標で得られた計数値はそのままとし、通
過ボクセル座標(Xt,Yt) で得られた計数値は例えば2倍
して、これら重み付け計数値を加算し、全体の投票値V
として求めるようにしてもよい。
【0103】このように、基準逆投影線Lsの通過ボクセ
ル座標(Xt,Yt) と全く同じ座標(Xt,Yt) を参照逆投影線
Lrが通過した場合だけ検出する(投票する)のではな
く、ボクセルスライスSt上で、基準逆投影線Lsの通過ボ
クセル座標(Xt,Yt) の近傍の座標を通過する参照逆投影
線Lrについても計数する(投票する)ことによって、基
準逆投影線Lsに所望の太さを持たせたことと等価にな
り、これによって、ボクセル量子化誤差や位置測定誤差
等によって逆投影線が交差しなくなる問題を改善するこ
とができる。
【0104】また、この場合、通過ボクセル座標(Xt,
Yt) かその近傍の座標かというような座標の違いに応じ
て計数値に重みを付けることによって全体の投票値Vを
求めれば、ボクセルスライス上での二次的なフィルタの
効果が得られるので、抽出性能をより向上させることが
可能になる。 第7実施例 図22は、図20の実施例の変形実施例を示す。投票情
報記憶部32M 中の参照逆投影線通過ボクセル座標から各
基準逆投影線の通過ボクセル座標と同じものを計数する
ことにより投票数を得ることは図20の実施例と同様で
ある。また、基準逆投影線通過ボクセルの近傍を通る参
照逆投影線も計数可能とされている。この実施例ではボ
ーティング処理を簡単な構成で行えるよう、投票情報記
憶部32Mを、並列検索機能を有する連想メモリCAM(c
ontent-addressable memory)で構成することを特徴と
している。
【0105】CAMは例えばIEEEのCOMPUTER, 1994年11
月、pp.12-16に紹介されているように、CAMに記憶さ
れている全ワードデータ中から所望のビット列と同じビ
ット列を含むワードを並列的に検索することが可能であ
り、検索したワードに対応してそれぞれヒットフラグH
Fを出力する機能を有している。更に、CAMはヒット
フラグHFの論理和をシングルヒットフラグSHとして
出力する機能を有しており、従って記憶しているワード
データ中の1つのワードでも検索された場合はシングル
ヒットフラグSH=“1”を出力する。
【0106】図22の実施例では、投票情報記憶部32M
は、R-1 枚の参照画像に対応してR-1 個のCAM32CMを
有し、各CAM32CMはそのメモリ部32MPに、対応する参
照画像からの参照逆投影線が通過するボクセルスライス
St上のボクセル座標(Xt,Yt)が通過位置算出部31によ
り書き込まれている。各CAM32CMは比較パターンを保
持する比較パターンレジスタ32D と、比較パターンの比
較をビット毎に選択的にマスクするマスクレジスタ32E
を有しており、それぞれ共通の比較パターンとマスクパ
ターンが設定され、比較パターンのマスクされてないビ
ットの配列と同じビット配列を記憶部32MP内の通過ボク
セル座標から並列的に同時に検索する。それぞれのCA
M32CMのヒットフラグ論理和部32F は出力レジスタ32G
に与えられ、その内容はボーティング処理部32の投票
値算出部32Cに与えられる。ボーティング処理部32
の通過座標検索部32aは基準逆投影線情報記憶部34
からの通過ボクセル座標(Xt,Yt) を比較パターンとして
比較パターンレジスタ32Dに設定し、近傍座標検索部3
2bは、この例では座標値Xt,Yt のそれぞれの最下位ビ
ットをマスクするマスクパターンを予めマスクレジスタ
32E に設定する。
【0107】図23は近傍座標検索部32bにより座標
値Xt,Yt の全8ビットと対応してビット列"11101110"が
マスクパターンとしてマスクレジスタ32E に設定された
場合に指定されるハッチングで示す通過ボクセルとその
近傍の3つのボクセルを示す。比較パターンとしての座
標値Xt,Yt の最下位ビットはマスクパターンによりマス
クされるので、座標値Xt,Yt の最下位ビットがそれぞれ
(0,0),(0,1),(1,0),(1,1) の場合で指定される3つの近
傍ボクセルの組は図に示すように4種類ある。
【0108】理解を容易にするため、通過ボクセル座標
(Xt,Yt) の各座標値Xt,Yt は上述のようにそれぞれ4ビ
ットで表されているものとする。また、マスクレジスタ
32Eにはマスクパターンとして"11101110"が設定されて
いるものとする。従ってこの場合、通過ボクセルにおけ
る座標値Xt,Yt を示すそれぞれ4ビットのそれぞれの最
下位1ビットがマスクされ、残りのそれぞれ3ビットが
検索データとしてCAM32CMの記憶部32MPに与えられる
ことになる。
【0109】まず、通過座標検索部32aは、基準逆投
影線情報記憶部34から1本の基準逆投影線Lsの通過ボ
クセル座標(Xt,Yt) を読み出して比較パターンXtYtとし
て比較パターンレジスタ32D に設定し、座標(Xt,Yt) と
その近傍の各座標について、参照逆投影線Lrの全てにつ
いて検索を行う。図22は記憶部34から選択した基準
逆投影線の通過座標(Xt,Yt) が(1011,0110) の場合を示
している。近傍座標検索部32bにより設定されたマス
クレジスタ32E からのマスクパターンにより、この座標
値Xt,Yt のそれぞれの最下位1ビットがマスクされる。
この各最下位1ビットがマスクされた座標値で与えられ
る座標(101*,011*) について、R-1 個の全CAM32CMの
メモリ部32MPに対し同時に検索が行われる(*は0また
は1)。
【0110】即ち、通過座標が(101*,011*) である全て
の参照逆投影線Lrが、並列検索を1回行うだけで全て検
出される。この検索された参照逆投影線に対応してヒッ
トフラグHFが立ち、その全ヒットフラグHFをカウン
トすることによって参照逆投影線数を計数することがで
きるが、この実施例では各参照画像に対応するCAM32
CM毎のヒットフラグ論理和を論理和部32F からシングル
ヒットフラグSHとして出力してレジスタ32G に設定
し、投票値算出部32cはレジスタ32G 内のシングルヒ
ットフラグSH=1を表す“1”のビット数を計数して
投票数Vを得る。
【0111】このように、CAMの並列検索機能を用い
ることによって、通過ボクセル座標(Xt,Yt) とその近傍
のボクセル座標について、検索を1回行うだけで、それ
らを通る全参照逆投影線を検出できるので、処理時間を
ほとんど増加させずに基準逆投影線に幅を持たせたと同
じ効果の投票処理を行うことが可能になる。また、通過
ボクセル座標に対してマスクするビットは、必ずしも最
下位ビットのみではなく、最下位から複数ビットをマス
クして検索するようにしてもよい。このようにすること
によって、近傍の対象としてさらに幅広い範囲を設定す
ることができ、誤差等によって基準逆投影線と単一ボク
セル上で交差しない参照逆投影線を、より多く有効な投
票として計数対象にすることができる。このときに、近
傍の対象範囲を広げてもCAMの並列検査機能によっ
て、検索を1回行えば足りるので、処理時間の大幅な増
加を防止することができる。
【0112】即ち、それぞれの票としての参照逆投影線
通過座標を記憶する記憶手段として、1本の逆投影線に
関する情報に1ワードを割り当てた連想メモリ(CAM)
を設ければ、このCAMが持つ並列検索機能を利用する
ことができ、また、基準画像の1本の基準逆投影線Ls
対して、その通過ボクセルとその周囲のある範囲内にあ
る複数のボクセルとを通過する全ての参照画像の逆投影
線を、1回の検索のみで検出することができるので、ボ
ーティング処理における検索の処理時間を短縮すること
が可能である。
【0113】また、図20の実施例で説明した重み付き
投票処理をすることも可能である。例えば図23に示す
ように基準逆投影線LSが通過するボクセル(ハッチング
ボクセル)には重み係数2を与え、近傍ボクセルには重
み係数1を与えるものとする。この場合は2回の検索を
行う。1回目はマスクパターンとして“11111111”をマ
スクレジスタ32E に設定し検索を行うことによって基準
逆投影線LSの通過するボクセル座標(Xt,Yt) を通過する
参照逆投影線の通過ボクセル座標を有しているCAMの
記憶部32MPのシングルヒットフラグSHをレジスタ32G
に出力させ、その数を計数する。それらによって得られ
た計数値をV1とする。2回目はマスクパターンとして前
述と同様に“11101110”をマスクレジスタ32E に設定
し、前述と同様にシングルヒットフラグSHの数を計数
し、その値をV2とする。2V1+V2を投票数Vとして得る。
【0114】第8実施例 図24は、本発明の第8の実施例を示すブロック図であ
る。この3次元情報抽出装置は、基本的には図19の実
施例と同じであるが、図19の通過位置算出部31とし
て、通過位置算出制御部311と通過位置算出処理部3
12、313とが設けられている点が異なる。通過位置
算出制御部311と通過位置算出処理部312、313
とで構成される。通過位置算出部31は、各逆投影線に
対応して1つの通過位置算出処理手段を形成しており、
全ての画像の全ての逆投影線について、上記通過位置算
出処理を全て並列に実行させる。通過位置算出処理部3
12、313は、それぞれ基準逆投影線Ls及び参照逆投
影線Lrと同じ数だけ設けられ、通過位置算出制御部31
1からの制御によって、全て並列に通過位置算出処理が
実行される。
【0115】図25のA及びBは、図24において、基
準逆投影線情報記憶部34と投票情報記憶部32M の構成
を示す図である。基準逆投影線情報記憶部34は、図2
5Aに示すように、各基準逆投影線に対応する領域j(j=
0,1,…,Fs-1)にボクセルスライスSt(Z=t) を基準逆投影
線が通過するワールド座標(xt,yt) と、その通過座標と
次のボクセルスライスでの通過ワールド座標(x
t+1,yt+1) との差分である方向ベクトル(Δx,Δy) のフ
ィールド4C1,4C2 で構成した通過位置フィールド4C、基
準逆投影線上で過去に計数された最大の参照逆投影線数
(最大値)VMとその最大点位置のボクセル座標(XM,YM,Z
M)のフィールド4B,4A で構成した最大点情報フィールド
4AB 、ボーティング処理部32で求めた上記基準逆投影
線と同じ通過ボクセル座標を持つ参照逆投影線の計数値
Vを格納する投票数フィールド4Dで構成されている。
【0116】投票情報記憶部32M は、図25Bに示すよ
うに、上記と同様の参照逆投影線通過ワールド座標(xt,
yt) と、方向ベクトル(Δx,Δy) のフィールド2A,2
Bを有する通過位置フィールド2ABで構成されてい
る。次に、通過位置算出処理部312、313の動作に
ついて説明する。まず、図1の逆投影線情報生成部20
で求められた逆投影線情報に基づいて、基準逆投影線及
び参照逆投影線が最初に通過するボクセルスライスSt(t
=0) における初期通過ワールド座標(x0,y0) と方向ベク
トル(Δx,Δy) とを全て求め、それぞれ基準逆投影線情
報記憶部34と投票情報記憶部32M とに初期値として書
き込む。このときに、基準逆投影線情報記憶部34の最
大値VMとして、例えば全て1を代入しておく。それ以降
のボクセルスライスSt(t≧1)での処理では、通過ワール
ド座標(xt,yt) と方向ベクトル(Δx,Δy) とに基づい
て、隣接した次のボクセルスライスSt+1(Z=t+1) の通過
ワールド座標(xt+1,yt+1) を、前述した次の式(3)の加
算演算によって求めることができる。
【0117】 xt+1=xt+Δx, yt+1=yt+Δy (3) それぞれの逆投影線に対応した全ての通過位置算出処理
部312、313が、式(3)の加算演算を同時に実行すること
によって、全ての基準逆投影線と参照逆投影線の通過位
置(ワールド座標)を並列に算出できる。また各ボクセ
ルスライスStにおける通過位置(xt,yt) のボクセル座標
(Xt,Yt) はXt=[xt],Yt=[yt]、即ちxt及びytの整数部と
してそれぞれ求めることができる。
【0118】次に、記憶部34、32Mの初期化以降の
3次元特徴点抽出装置の動作について説明する。通過位
置算出処理部312、313による記憶部34、32Mの初期
化後、ボーティング部32A は基準逆投影線情報記憶部3
4からFs個のうちの最初の基準逆投影線通過ワールド座
標(xt,yt) を読み出し、それらの座標値の整数部を通過
ボクセル座標値Xst,Yst として得る。更に投票情報記憶
部32M からR-1 枚の参照画像の参照逆投影線通過ワール
ド座標(xt,yt) を順次読み出し、それぞれボクセル座標
(X rt,Yrt) に変換して(Xst,Yst)=(Xrt,Yrt) であるかを
判定し、等しければ記憶部34の対応する投票数フィー
ルド4Dの内容V(初期値は0)を+1する(投票す
る)。全参照逆投影線についてボーティング処理が終了
すると次の基準逆投影線通過ワールド座標を記憶部34
から読み出して同様のボーティング処理を繰り返す。以
下同様にして全Fs個の基準逆投影線についてボーティン
グ処理が終了すると、比較更新処理部33は記憶部34
のフィールド4Dに得られたそれぞれの基準逆投影線に
ついての投票数Vを対応する最大値VMと比較し、Vが大
きければ前述の実施例と同様にフィールド4Aの最大点
情報(XM,YM,ZM,VM) を(XSt,YSt,Z t,V)により更新する。
以下同様の比較更新処理を全ての基準逆投影線について
実行する。これによりボクセルスライスStの処理が終了
し、次のボクセルスライスSt+1についての処理に移る。
ボクセルスライスSt+1の処理において通過位置算出処理
部312、313は、再び式(3)により全逆投影線の通過ワー
ルド座標(xt+1,yt+1) をそれぞれ求め、記憶部34、3
2Mのフィールド4C1、2Aを書き換える。以下同様に
ボーティング処理部32でボーティング処理を行い、比
較更新処理部33で比較更新を行い、この一連の処理を
全ボクセルスライスStについて終了するまで繰り返し実
行する。
【0119】図24の実施例によれば、通過位置算出処
理部312、313を逆投影線毎に設けることによって、全て
の逆投影線に対して並列に通過位置算出処理を実行する
ことができ、このボクセルスライスを通過する逆投影線
の通過位置算出処理を全ての逆投影線回数だけ繰り返す
必要が無くなり、従って、処理時間を大幅に削減でき
る。
【0120】第9実施例 図26は、本発明の第9実施例である3次元情報抽出装
置を示す図である。前述のCAM は並列検索機能のみなら
ず、並列加算機能をも有している。この図26の実施例
は、図24に示した基準逆投影線情報記憶部34と通過
位置算出処理部312 の組と、投票情報記憶部32M と通過
位置算出処理部313 の組を、それぞれCAM (連想メモ
リ)34CM、32CMで構成したものである。CAM 34CM、32CM
のいずれも、1つの逆投影線に関する情報の記憶領域に
1ワードを割り当てる。
【0121】つまり、この実施例では、基準逆投影線Ls
に関する情報を記憶する手段と、投票に関する情報を記
憶する手段とは、各逆投影線に対応した情報に1ワード
を割り当てた連想メモリを有する手段であり、逆投影線
の通過位置を並列に算出する手段は、連想メモリが持つ
並列加算処理機能によって、通過位置算出処理を全ての
画像の全ての逆投影線において全て並列に実行する手段
として実現されている。
【0122】基準逆投影線情報記憶用CAM 34CMは、図2
5Aに示すと同様に基準逆投影線の通過ワールド座標(x
t,yt) と方向ベクトル(Δx,Δy)とを記憶する通過位置
フィールド4Cと、最大値VMと最大点座標(XM,YM,ZM)と
を記憶する最大点位置フィールド4AB と、計数値を格納
する計数値フィールド4Dとで構成されている。また、
投票情報記憶用CAM 32CMは、図26Bに示すと同様に参
照逆投影線の通過ワールド座標(xt,yt) と、方向ベクト
ル(Δx,Δy)とを記憶する通過位置フィールド2AB で構
成されている。基準逆投影線情報記憶用CAM 34CMと投票
情報記憶用CAM 32CMはそれらが有している並列加算処理
機能をそれぞれ通過位置算出処理部312、313として使
い、前記式(3) の加算演算を、全ての逆投影線に対して
同時に並列に実行する。CAM における並列加算処理の方
法自体については公知であるので詳細は省略する。この
構成によれば、逆投影線数と同じ数の通過位置算出処理
部を記憶部34、32CMと別体に設けず、また特別な並列
処理プロセッサ等の装置を使わないで、CAM が持つ並列
加算処理機能のみを使用し、全ての逆投影線に対する通
過位置算出処理を全て並列に実行できるので、図24の
実施例に比べてハードウェア量を少なくすることができ
る。
【0123】第10実施例 図27は、本発明の第10実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図である。前述してきた各種実施例
では、基準逆投影線に対する現ボクセルスライスでの投
票数Vが過去のスライスでの最大値VMより大の場合に最
大点情報(XM,YM,ZM,VM) を更新したが、もし投票数Vが
過去の最大値VMと等しいことが複数のボクセルスライス
に渡って連続して生じた場合、3次元特徴点の位置とし
て常にその連続する最大値VMの最初の位置を検出するこ
とになるので好ましくない。この点を改善したのがこの
実施例である。
【0124】この実施例は、基本的には図19の実施例
と同じであるが、図19における比較更新処理部33は
最大点情報更新処理部33aと連続数更新処理部33b
により構成され、基準逆投影線情報記憶部34内に、更
に最大値連続数CMを格納するフィールド4Eが設けられ
た点が、図19の実施例とは異なる。従って通過位置算
出部31とボーティング処理部32の説明は省略する。
【0125】最大点情報更新処理部33aは、投票数V
と最大値VMとを比較し、V>VMの場合、投票数Vを新し
い最大投票数VMとして基準逆投影線情報記憶部34のフ
ィールド4Bの最大値VMを書き換え、そのときのボクセ
ル座標(Xt,Yt) とボクセルスライスの座標Zt=tとを最大
点座標としてフィールド4Aの最大点座標(XM,YM,ZM)を
書き換えることにより更新する。またこのときに、連続
数更新処理部33bが最大点位置の連続数CMのフィール
ド4Eに“1”を書き込む(初期化する)。V=VMの場
合は、連続数更新処理部33bは記憶部34のフィール
ド4E内の連続数CMの値に“1”を加算する。この場合
は、最大点情報更新処理部33aは、最大値VMと最大点
座標(XM,YM,ZM)との更新を行わない。V<VMの場合、い
ずれの更新処理も行わない。
【0126】全ボクセルスライスについての上述のよう
な処理が終了すると、制御部35は3次元特徴点を求め
るため各基準逆投影線に関する情報(XM,YM,ZM)と連続数
CMを読み出す。連続数CMに基づいて最大点位置のボクセ
ル座標(XM,YM,ZM)を補正し、出力すればよい。この補正
方法としては、例えば最大値VMが連続した場合に、その
連続幅(ボクセル数)CMのZ軸方向中央のワールド座標
値tm=zm=ZM+CM/2を求め、それを対応する基準逆投影線
を表す式(2) に代入してワールド座標(xm,ym)を求め
る。必要であればこれをボクセル座標(XM,YM,ZM)に変換
する。
【0127】上述のように、基準逆投影線Lsに関する情
報に、逆投影線上で投票数の最大値VMが連続した場合で
も、最大点位置における最大値VMの連続数CMを得ること
が簡単な処理でできるので、その中央のボクセル位置を
求めることができる。従って、3次元情報の抽出性能を
向上させることが可能になり、しかも、基準逆投影線情
報記憶部34に、最大点位置での最大値連続数CMを記憶
するフィールド4Eを付加するだけでよく、ハードウェ
ア量は全体に比べてごく僅かである。また、処理時間は
最大点位置での最大値連続数CMの更新処理が加わるのみ
で、ほとんど増加しない。
【0128】なお、上述ではVM<Vを満足する場合に最大
点情報(XM,YM,ZM.VM) の更新を行ったが、VM≦V を満足
する場合に更新を行ってもよい。その場合、以下でも説
明するように、連続する同じ値の最大値VMの最後のボク
セル位置が最大位置(XM,YM,Z M)として得られる。従って
その位置から過去にCM/2だけ遡った位置を3次元特徴点
の位置として求めればよい。
【0129】第11実施例 ところで、図27の実施例では図28A中に領域28a で
示すように基準逆投影線Lsに対し同じ値の最大値VMがZ
軸方向に例えば3回続いた場合はCM=3としてその長さが
検出されるので、その中央位置zm=ZM+1.5 を3次元特徴
点のワールド座標のz軸方向の位置と判断することによ
り3次元特徴点の抽出位置の精度を高める場合を示し
た。しかし、図28A中に領域28b で示すように、同一
基準逆投影線Ls上の領域28a とは異なる位置に同じ値の
最大投票数VMの連続ボクセルが生じる場合がある。この
場合、図27の実施例では領域28b で最大点情報(XM,
YM,ZM,VM) は更新されず、領域28a の位置ZMでの最大点
情報は保持されるが、最大値VMの連続数CMは図28Bに
示すように領域28b で更に歩進され、CM=5となってしま
う。従って、この処理結果から領域28a における最大値
VMの連続数をCM=5と判定し、その中間点zm=ZM+5/2 を3
次元特徴点のz軸座標値と判定してしまうことになり、
3次元特徴点の抽出位置精度は改善されない。領域28b
が長くなるとむしろ精度は低下する。この点を改善した
のが図29の実施例である。
【0130】図29の実施例は、基本的には図27の実
施例と同様の構成を有するが、基準逆投影線情報記憶部
34に更に投票数の連続数CCを記憶するフィールド4F
と、直前のボクセルスライスSt-1での投票数VPを記憶す
るフィールド4Gが設けられた点が、図28の実施例と
異なる。前述と同様にボクセルスライスStでのボーティ
ング処理が終了すると、最大点情報更新処理部33a
は、最大値VMと投票数Vとを比較し、V≧VM の場合、最
大点情報更新処理部33aは投票数Vを新しい最大値VM
としてフィールド4Bの最大値VMを更新し、また、その
ときのボクセル座標(Xt,Yt) とボクセルスライスの座標
Z=t とを最大点座標(XM,YM,ZM)としてフィールド4Aの
最大点座標を更新する。V<VMであれば更新を行わない。
一方、連続数更新処理部33bは、基準逆投影線情報記
憶部34に記憶している同じ基準逆投影線Ls上の前回の
ボクセルスライスSt-1での投票数VPと今回の投票数Vと
を比較し、VP=Vであれば投票数の連続数CCに“1”を加
算し、VP<VであればCCを“1”に初期化し、VP>Vの場合
は、VM>VPであればCCを“1”に初期化し、VM=VPであれ
ばCCを連続数CMとして記憶部34のフィールド4Eに書
き込んでからフィールド4FのCCを“1”に初期化す
る。最後に今回の投票数VをVPとしてフィールド4Gを
更新し、ボクセルスライスStに対する処理を終え、次の
ボクセルスライスSt+1の処理に移る。
【0131】全ボクセルスライスに対するボーティング
処理が終了すると、制御部35は基準逆投影線に関する
最大点位置(XM,YM,ZM)と連続数CMを記憶部34から読み
出し、図27の場合と同様に、最大点位置のボクセル座
標(XM,YM,ZM)を最大連続数CMに基づいて補正すればよ
い。ただしこの実施例では最大値VMが連続する領域が基
準逆投影線上に1つしかない場合は、得られた最大点位
置(XM,YM,ZM)はその最大値連続領域の最後のボクセルの
位置であり、同じ値の最大値VMが連続する領域が2つ以
上ある場合は、最後の最大値連続領域の最後のボクセル
位置が得られた最大点位置(XM,YM,ZM)である。補正方法
としては、図27で示したように、例えば最大値VMが連
続した場合に、その連続したボクセルの中央の位置を特
徴点として求める。
【0132】以上の動作により同一基準逆投影線LS上に
図28Aで示したような投票数Vの極大となるボクセル
領域が28a,28bと2つあり、これらの領域の最大
値VMが互いに異なっていれば図26の場合と同様に大き
い方の最大値VMを与えた最大点位置(XM,YM,ZM)とその連
続数CMが正しく得られる。また2つの領域28a,28
bの最大値VMが等しい場合には、この実施例では2番目
の最大値連続領域28bについての最大点位置(XM,YM,Z
M)とその連続数CMが得られる。
【0133】第12実施例 上述した図29の実施例では最大点情報(XM,YM,ZM,VM)
の更新をVM≦Vとなる場合に行うため、同じ最大値VM
連続する場合(V=VM)、その連続領域内でボクセル毎に更
新を行い、その結果その領域の最後のボクセルでの最大
点情報が記憶部34に保持されることになるが、次の図
30に示す構成にしてVM<Vとなる場合に更新を行えば
図27と同様に最大値連続領域の最初のボクセルでの最
大点情報(XM,YM,ZM,VM) を保持することができる。この
実施例の構成は図29とほとんど同じであるが、異なっ
ている点は図29における基準逆投影線情報記憶部34
内に更に最大点情報更新を示すフラグFをたてるフィー
ルド4Hを設けた点である。
【0134】この実施例においてはボクセルスライスSt
におけるボーティング処理後、最大情報更新部33aに
おいて各基準逆投影線上の過去の最大値VMと今回の投票
数Vを比較し、VM<Vであればその位置(Xt,Yt,Zt)とそ
の投票数Vで記憶部34の最大点情報(XM,YM,ZM,VM) を
更新するとともに更新フラグフィールド4HにF=1 を設
定する。連続数更新処理部33bは記憶部34のフィー
ルド4Gに保持されている前回の投票数VPと今回の投票
数Vを比較し、VP<Vであれば連続数CCを“1”に初期
化し、VP=V であれば記憶部34のフィールド4Fの連
続数CCに“1”を加算し、VP>Vの場合はVM=VP でかつ
F=1 であればそのときの連続数CCを最大連続数CMとして
記憶部34のフィールド4Eに書き込んでからCC
“1”に初期化するとともに更新フラグをF=0 に初期化
し、VM=VP でかつF=0 であればCCを“1”に初期化す
る。ボクセルスライスStに対する以上の処理の後、記憶
部34のフィールド4GのVPを今回の投票数Vで書き換
えて次のボクセルスライスSt+1の処理に移る。
【0135】この実施例によれば同じ基準逆投影線上の
異なる位置に同じ値の最大値VMが連続する領域が2つ以
上存在した場合、最初の領域の最初のボクセル位置にお
ける最大点情報(XM,YM,ZM,VM) とその最大値VMの連続数
CMが得られる。図27、29、30の実施例において、
直前ボクセルスライスSt-1の投票値VPと現ボクセルスラ
イスStの投票数Vとを用いて加算等の演算処理を行い、
その結果を投票数とすることにより、基準逆投影線Ls
沿ってフィルタリングの効果を得るようにしてもよい。
またこの場合、現ボクセルスライスStに対し、直前ボク
セルスライスSt-11枚だけでなく、複数の過去のボクセ
ルスライスにおける投票数Vをそれぞれ保持しておき、
それらを用いてフィルタリングの効果が得られるような
演算を実行した結果を投票数とするようにしてもよく、
基準逆投影線Ls上でより効果的なフィルタリングを実現
し、最大値VMが連続して同じ値になることを抑制するよ
うにしてもよい。
【0136】上記のように、基準逆投影線に関する情報
に最大点位置の投票数VMの連続数CMを付加することが可
能になり、基準逆投影線上で最大値VMが連続した場合で
もその中央のボクセル位置を求めることができるので、
単純な処理を付加するだけで3次元情報の抽出精度を向
上させることが可能になる。この場合、基準逆投影線情
報記憶部34に、投票数Vの連続数CC、最大点位置での
最大値連続数CM、前ボクセルスライスの投票値VPの各記
憶フィールドを付加するだけでよく、ハードウェア量の
増加は全体と比べ僅かである。
【0137】第13実施例 図31は、本発明の第13実施例である3次元情報抽出
装置を示す図である。この実施例の基本構成は図26の
実施例と同じであり、基準逆投影線情報記憶手段として
CAM 34CMを用い、投票情報記憶手段としてCAM 32CMを用
いるが、この実施例ではCAM 34CM、32CMにより逆投影線
の通過位置の算出を行うのみならず、CAM 32CMにより基
準逆投影線通過位置と同じ位置を通過する全ての参照逆
投影線を並列検索で検出することを特徴としている。ボ
ーティング部32Aは、図22と同様に通過位置指定部
32aと、マスクビット指定部32bと、投票数算出部
32cとを有しており、参照逆投影線情報用CAM 34CMは
記憶部32MPと通過位置算出部313と、比較パターンレ
ジスタ32D とマスクレジスタ32E を有している。
【0138】ボーティング部32Aのマスクビット指定
部32bは基準逆投影線通過ワールド座標値xt,yt に対
し、それぞれ整数部以外をマスクするよう予め決めた複
数の下位ビット位置にそれそれ“0”を有し、整数部の
全ビット位置にそれぞれ“1”を有するマスクパターン
をマスクレジスタ32E に設定する。通過位置指定部32
aは記憶部34から読み出した各基準逆投影線通過ワー
ルド座標の座標値xt,y t を比較パターンレジスタ32D に
設定する。従ってCAM 32CMは比較パターンレジスタ32D
に設定された座標値xt,yt の整数部と一致する整数部を
有する参照逆投影線通過ワールド座標(xt,yt) の検索を
記憶部32MPに対し並列に実行し、図22で説明したよう
に検出した座標(xt,yt) に対応してヒットフラグHFを出
力する。投票数算出部32cは出力された全ヒットフラ
グHFを計数して投票数Vを得る。図31の例ではCAM 32
CMの記憶部32MPには全参照画像についての全参照逆投影
線のボクセルスライスStに対する通過ワールド座標(xt,
yt) が書き込まれている場合であり、全座標数に対応
し、それぞれ同時に出力され得るヒットフラグHFを計数
するには全座標に対応したヒットフラグ出力端子を走査
する必要があり、参照逆投影線の数が極端に大きいと計
数処理時間が無視できない程度に長くなる。そこで、参
照画像に付与されている番号に対応する記憶領域をCAM
32CM内にそれぞれ規定し、各参照画像に関する全参照逆
投影線の通過ワールド座標を対応する記憶領域に書き込
むものとする。CAM は各記憶領域内でヒットフラグHFが
1つでも立っていればシングルヒットフラグSHを出力す
ることができる。また、同一参照画像から同じボクセル
を通過する参照逆投影線の数は0本か1本がふつうであ
り、多くても2本である。従ってシングルヒットフラグ
SHを計数することによりヒットフラグが1つでも立って
いる記憶領域の数をカウントでき、指定されたボクセル
を少なくともその数だけ参照逆投影線が通過していると
判定できる。この構成によれば最大参照画像数R-1 だけ
のシングルヒットフラグ出力端子を走査して出力フラグ
数を計数すればよいので必要とする計数時間を著しく短
縮できる。その他の処理は図26の実施例と同じなので
説明を省略する。
【0139】図31の実施例によれば、CAM が持つ並列
検索機能を用いて、基準逆投影線Lsと通過位置が同じ参
照逆投影線Lrを、全ての逆投影線に対して並列に検索す
るので、各基準逆投影線について全ての参照逆投影線の
数と同じ回数だけ検索処理を繰り返す必要がなくなり、
従って、ボーティング処理における検索処理時間を短縮
することができる。
【0140】第14実施例 図32は、本発明の第14実施例を示すブロック図であ
り、図31の実施例において図22と同様に全R-1 枚の
参照画像に対応してR-1 個のCAM 32CM1〜32CMR -1を設け
たものである。ただし図を簡略化するため図32におけ
る比較パターンレジスタ32D 、マスクレジスタ32E 、論
理和部32F 、出力レジスタ32G は図示していない。ま
た、ボーティング処理部32Aの通過位置指定部32
a、マスクビット指定部32b、投票数算出部32cも
図示していない。前述のように、各CAM 32CM1〜32CMR-1
はその記憶部32MP中の全ワード中少なくとも1ワードに
ヒットフラグHFが立っている場合にシングルヒットフラ
グSHを出力する。従って、それぞれの参照画像に対応す
るCAM 32CM1,32CM2,…,32CMR-1のうちの1つにおいて、
少なくとも1つの参照逆投影線通過ワールド座標(xt,
yt)に対し、ヒットフラグHFが立っている場合、その参
照画像に対応するCAM はシングルヒットフラグSH=
“1” を出力するので、全ての参照画像枚数分のシン
グルヒットフラグSHをカウントするだけでよい。このよ
うにした場合、参照画像枚数をR-1 にすると、R-1 ビッ
トのアドレスを入力するデコーダや、またはカウンタ等
によって、ボーティング処理部32Aを容易に実現でき
る。
【0141】このときに、同じ参照画像に対するCAM 内
で複数の参照逆投影線のヒットフラグHFが立つ場合も1
つとして数えられてしまうが、投票数Vの最大値VMが画
像枚数R-1 までに制限されるだけで、ボーティング処理
自体は実行可能である。図32の3次元情報抽出装置に
よれば、参照逆投影線Lrの通過ワールド座標を記憶する
CAM を、参照画像毎に独立して設けたので、3次元情報
抽出装置のボーティング処理における並列検索処理を、
それぞれの参照画像に対応するCAM 32CM 1〜32CMR-1で同
時に実行できると共に、図31で説明した検索によって
検出された参照逆投影線通過ワールド座標(xt,yt) の数
を計数する処理を、R-1 個(画像枚数Rは普通3〜5程
度である)のCAM のわずかR-1 個のシングルヒットフラ
グ出力端子のフラグを計数するだけで実現できるので、
ボーティング処理時間をさらに短縮することができる。
【0142】第15実施例 図33は、本発明の第15実施例である3次元情報抽出
装置を示す図である。この実施例は図32の実施例にお
いて図26、31、32の基準逆投影線情報記憶用のCA
M 34CMが有する並列処理機能を用いることによって、ボ
ーティング処理部32で得られた投票数Vと基準逆投影
線Ls上の最大値VMとを比較する処理と、その比較結果に
基づいて最大点情報を更新する処理とを、基準画像の全
ての逆投影線に対して並列に実行するようにしたもので
あり、その並列比較更新処理をCAM 34CM内に各基準逆投
影線に対応して比較更新処理部331 として示してある。
従って、この実施例では図32におけるような専用の比
較更新処理部33は設けていない。
【0143】この実施例においては、ボーティング処理
部32では記憶部34内の各基準逆投影線の通過ワール
ド座標(xt,yt) で指定されるボクセルに対するボーティ
ングが終了する毎に、その投票数Vを図25Aに示すフ
ィールド4Dに書き込むことを全基準逆投影線について
行い、その後CAM 34CM内で比較更新処理部331 により全
基準逆投影線について並列にV>VMであるか否かの判定を
行い、V>VMであればVを新しいVMとしてフィールド4B
を書き換えるとともに、最大点座標フィールド4Aを今
回のワールド座標(xt,yt,t) から求めたボクセル座標(X
M,YM,ZM)により更新し、V>VMでなければ更新を行わな
い。この処理により全基準逆投影線についての比較更新
処理が並列的に達成される。
【0144】この実施例によれば、CAM が持つ並列処理
機能を用いることによって、特別な比較器等のハードウ
ェアを用いずに、ボーティング処理部で計数された投票
数Vの大きさに基づいて、基準逆投影線Lsに関する情報
を更新する処理を、全ての基準逆投影線Lsについて並列
に実行できる。従って、処理時間を短縮できるととも
に、ハードウェア量を小さくすることが可能である。
【0145】前述してきたこの発明による各種実施例の
3次元情報抽出装置において、基準画像として複数枚の
画像を使用するようにしてもよい。このようにすれば、
物体の遮蔽等による影響が低減し、真の特徴点の未検出
を防ぐことが可能となる。つまり、1つの基準画像から
みたときに3次元上の2つの特徴点が重なっていた場
合、基準画像を1枚のみ使用したのではその2つの特徴
点を区別できないが、基準画像を2枚以上使用すると、
その角度が異なるので、その2つの特徴点を区別でき
る。
【0146】なお、図20、32及び33の実施例にお
いて、使用しているCAM の代わりに、通常のメモリ(例
えばRAM )を使用するようにしてもよい。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、逆
投影線の計数処理に要する記憶手段としては基準逆投影
線の数に対応する記憶領域あるいは一枚のボクセルスラ
イス上の全ボクセル数に対応する記憶領域があればよ
く、3次元ボクセル空間の全ボクセルに対応するメモリ
領域を設ける必要がない。また、各基準逆投影線上のボ
クセルについてのみ投票処理をすればよいので処理時間
を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の3次元情報入力装置の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】3次元ボクセル空間での逆投影線Lとボーティ
ング処理を説明するための図。
【図3】第3の従来方法における錐体の逆投影によるボ
ーティングを説明するための図。
【図4】本発明におけるボクセル空間に対する逆投影線
を説明するための図。
【図5】本発明の3次元情報抽出装置の原理的構成を示
すブロック図。
【図6】図5の装置による3次元情報抽出手順を示すフ
ローチャート。
【図7】本発明の第1実施例を示す3次元情報抽出装置
の概略構成図。
【図8】ボクセルスライスと投票情報記憶部32Mとの
対応関係を示す説明図。
【図9】Aは基準逆投影線情報記憶部34に格納された
最大点座標データと通過座標データの例を示す図、Bは
Aのデータに基づいて投票情報記憶部32M上にボーテ
ィング処理を行った場合の投票数の分布の例を示す図、
CはBの投票結果に基づいてAのデータを更新した後の
基準逆投影線情報記憶部34の内容を示す図。
【図10】本発明の第2実施例を示す3次元情報抽出装
置の概略構成図。
【図11】本発明の第3実施例を示す3次元情報抽出装
置の概略構成図。
【図12】図11の装置における各処理ブロックの概略
構成を示すブロック図。
【図13】Aは第1データパケットの構成例を示す図、
Bは第2データパケットの構成例を示す図。
【図14】8隣接メッシュ結合された処理ブロックアレ
イの一部を示す図。
【図15】4隣接メッシュ結合された処理ブロックアレ
イの一部を示す図。
【図16】Aは3次元ボクセル空間での基準逆投影線が
通過するボクセル位置を示す図、Bはボクセルスライス
位置の移動に伴う通過ボクセルの移動を示す図、Cは通
過ボクセル位置の移動に伴う処理ブロックアレイ上のデ
ータパケットの移動を示す図。
【図17】本発明の第4の実施例を示す処理ブロックの
結合構成図。
【図18】図17の装置によるパイプライン動作を説明
するためのタイムチャート。
【図19】本発明の第5実施例である3次元情報抽出装
置を示すブロック図。
【図20】本発明の第6実施例である3次元情報抽出装
置を示すブロック図。
【図21】Aは図20の実施例において、通過ボクセル
と近傍ボクセルの例を示す図、Bは図20の実施例にお
いて、通過ボクセルと近傍ボクセルの他の例を示す図、
Cは図20の実施例において、通過ボクセルと近傍ボク
セルの更に他の例を示す図。
【図22】本発明の第7実施例である3次元情報抽出装
置を示すブロック図。
【図23】図22の実施例における近傍ボクセルの例を
示す図。
【図24】本発明の第8実施例である3次元情報抽出装
置を示すブロック図。
【図25】Aは図24における基準逆投影線情報記憶部
34に格納されるデータの構成を示す図、Bは図24に
おける投票情報記憶部32Mに格納されるデータの構成
を示す図。
【図26】本発明の第9実施例である3次元情報抽出装
置を示すブロック図。
【図27】本発明の第10実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
【図28】Aは同一基準逆投影線上の異なる位置に同じ
値の最大値VMが生じる例を示す図、BはAの場合の連続
数CMの変化を示す図。
【図29】本発明の第11実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
【図30】本発明の第12実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
【図31】本発明の第13実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
【図32】本発明の第14実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
【図33】本発明の第15実施例である3次元情報抽出
装置を示すブロック図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−259440 (32)優先日 平7(1995)9月12日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体を異なる視角から撮像した複数枚の
    画像上の特徴点を所定間隔で断面を規定する複数のボク
    セルにより分割された予め決めた大きさの3次元空間へ
    逆投影し、逆投影線の集中する3次元位置を求めること
    により上記物体上の特徴点の3次元情報を抽出する3次
    元情報抽出装置であり、 (a) 撮像された上記複数枚の画像の予め決めた少なくと
    も1枚を基準画像とし、その基準画像からの各逆投影線
    を基準逆投影線とすると、それぞれの基準逆投影線に対
    してその基準逆投影線に関する最大点情報を記憶するた
    めの領域を有する基準逆投影線情報記憶手段と、上記最
    大点情報はその基準逆投影線上の過去の投票数の最大値
    とその最大値を与えたボクセルの位置を含み、 (b) 各上記基準逆投影線が通過するボクセルに対する他
    の画像から通過する逆投影線の数を計数し、その計数値
    に対応する投票数を得るボーティング手段と、 (c) 上記ボーティング手段により求めた投票数を対応す
    る上記基準逆投影線情報記憶手段の領域の最大点情報の
    最大値と比較し、それより大きければその投票数とそれ
    を与えたボクセルの位置を新しい最大点情報として上記
    対応する領域の最大点情報を更新する比較更新処理手段
    と、 (d) 上記3次元空間内の各基準逆投影線上の全てのボク
    セルについての上記投票数を得る処理と上記最大点情報
    を比較更新する処理を繰り返させ、終了後に上記基準逆
    投影線情報記憶手段のそれぞれの領域から最大値を与え
    たボクセルの位置を上記物体上の特徴点の3次元情報と
    して出力する制御手段、とを含む特徴点の3次元情報抽
    出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の3次元情報抽出装置は更に、
    それぞれの上記逆投影線が通過する上記3次元空間の各
    断面での通過位置を算出する通過位置算出手段が設けら
    れ、上記ボーティング手段は算出された上記通過位置に
    対応するボクセルを通過する他の画像からの逆投影線を
    計数する手段である。
  3. 【請求項3】 請求項1の3次元情報抽出装置におい
    て、上記比較更新手段は上記投票数が上記最大値と等し
    い場合も上記最大点情報を更新する手段である。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の3次元情報抽出装置に
    おいて、上記ボーティング手段は、上記3次元空間の1
    つの断面を埋める全ボクセルにそれぞれ対応した領域か
    らなり、各ボクセルを通過する逆投影線数を投票数とし
    て記憶する投票情報記憶手段と、上記通過位置算出手段
    により算出された各通過位置のボクセルに対応した領域
    に記憶している投票数を読み出し、その投票数に1を加
    えた値を更新した投票数として再び同じ領域に書き込む
    投票数更新手段を含み、上記制御手段は上記ボーティン
    グ手段と上記比較更新処理手段による処理が各断面につ
    いて終了する毎に上記投票情報記憶手段の全領域をクリ
    アする手段を含む。
  5. 【請求項5】 請求項2の3次元情報抽出装置におい
    て、上記基準画像以外の画像を参照画像とし、それらの
    参照画像の逆投影線を参照逆投影線とすると、上記ボー
    ティング手段は、各断面において上記通過位置算出手段
    が算出した全参照逆投影線の通過位置情報を投票に係わ
    る情報として記憶する投票情報記憶手段と、各上記基準
    逆投影線の通過位置に対応する上記参照逆投影線通過位
    置情報を上記投票情報記憶手段から検索してその数を求
    め、その数から上記基準逆投影線の通過位置のボクセル
    を通過する逆投影線の数を得る参照逆投影線計数手段と
    を含む。
  6. 【請求項6】 請求項5の3次元情報抽出装置におい
    て、上記投票情報記憶手段は上記参照逆投影線の通過位
    置の情報として全参照逆投影線の通過位置に対応するボ
    クセルの座標を記憶しており、上記参照逆投影線計数手
    段は各基準逆投影線の通過位置に対応するボクセルの座
    標と同じ座標を上記投票情報記憶手段から検索してその
    数を計数する手段である。
  7. 【請求項7】 請求項6の3次元情報抽出装置におい
    て、上記投票情報記憶手段は連想メモリにより構成さ
    れ、上記参照逆投影線計数手段による検索は上記投票情
    報記憶手段内の全参照逆投影線の通過位置と対応する全
    座標に対し上記連想メモリの有する並列処理機能により
    並列に実行する。
  8. 【請求項8】 請求項5の3次元情報抽出装置におい
    て、上記投票情報記憶手段は、それぞれの上記参照画像
    に対応して設けられそれぞれの上記参照画像からの参照
    逆投影線の通過位置情報を記憶する複数の連想メモリを
    含み、上記逆投影線計数手段は上記複数の連想メモリに
    対し並列に検索を行い、その検出出力を計数する手段で
    ある。
  9. 【請求項9】 請求項5の3次元情報抽出装置におい
    て、上記逆投影線通過位置算出手段は、それぞれの参照
    逆投影線に対して1つずつ設けられた参照逆投影線通過
    位置算出処理手段を有し、全ての参照画像の全ての参照
    逆投影線について、上記参照逆投影線通過位置算出処理
    手段を並列に実行させる手段を含む。
  10. 【請求項10】 請求項5又は9の3次元情報抽出装置
    において、上記逆投影線通過位置算出手段はそれぞれの
    基準逆投影線に対して1つずつ設けられた基準逆投影線
    通過位置算出処理手段を有し、全ての基準画像の全ての
    基準逆投影線について、上記基準逆投影線通過位置算出
    処理手段を並列に実行させる手段を含む。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10の3次元情報抽出装
    置において、各逆投影線の上記通過位置情報はその逆投
    影線の通過位置のワールド座標と方向ベクトルを含み、
    上記逆投影線通過位置算出手段は上記3次元空間の各断
    面に対する上記最大点情報の比較更新後に上記断面での
    上記通過位置のワールド座標に上記方向ベクトルを加算
    して次の断面の通過位置のワールド座標を求める手段で
    ある。
  12. 【請求項12】 請求項9又は10の3次元情報抽出装
    置において、上記基準逆投影線情報記憶手段及び上記投
    票情報記憶手段のそれぞれは、1つの逆投影線に関する
    情報に1ワードが割り当てられた連想メモリを有し、上
    記通過位置算出処理を並列に実行させる手段は上記連想
    メモリが有している並列加算機能により上記通過位置算
    出処理を全ての画像の全ての逆投影線について並列に実
    行させる手段である。
  13. 【請求項13】 請求項12の3次元情報抽出装置にお
    いて、上記逆投影線計数手段は、上記投票情報記憶手段
    の上記連想メモリが有する並列検索機能により、通過位
    置が同じ逆投影線を全ての参照逆投影線に対して並列に
    検索し、検出された逆投影線の数を計数する手段であ
    る。
  14. 【請求項14】 請求項5の3次元情報抽出装置におい
    て、上記逆投影線数計数手段は上記基準逆投影線の通過
    するボクセルとその周囲の所定範囲内のボクセルを通過
    する全ての参照逆投影線の数を計数し、その計数値を上
    記投票数として得る手段である。
  15. 【請求項15】 請求項14の3次元情報抽出装置にお
    いて、上記投票情報記憶手段は、1つの逆投影線に関す
    る情報に1ワードが割り当てられた連想メモリを有し、
    上記逆投影線計数手段は、上記連想メモリの有するビッ
    トマスク並列検索機能により上記基準逆投影線の通過位
    置に対し所望のビットをマスクして並列検索を行うこと
    により上記基準逆投影線が通過するボクセルとその周囲
    の所定範囲内のボクセルを通過する全ての参照逆投影線
    の数を検出し、計数する手段である。
  16. 【請求項16】 請求項5の3次元情報抽出装置におい
    て、上記基準逆投影線情報記憶手段は、各上記基準逆投
    影線に対応して最大値の連続回数を記録する連続数記憶
    フィールドを有し、上記比較更新処理手段は上記基準逆
    投影線情報記憶手段から読みだした上記最大点情報の最
    大値が上記投票数と一致する場合、上記連続数フィール
    ドの内容をインクリメントする手段を有し、上記制御手
    段は上記3次元空間の全段面についての処理が終了する
    と上記最大値連続フィールドから読みだした連続数に基
    づいて上記最大点情報の上記3次元座標を修正して上記
    3次元情報として出力する手段を含む。
  17. 【請求項17】 請求項16の3次元情報抽出装置にお
    いて、上記比較更新処理手段は、最大値の連続が新たに
    開始するとそれを検出し、いずれか一方の連続回数とそ
    れに対応する最大点情報を保持する手段を含む。
  18. 【請求項18】 請求項12の3次元情報抽出装置にお
    いて、上記基準逆投影線情報記憶手段には各上記基準逆
    投影線に対応して上記投票数を格納する投票数フィール
    ドが設けられており、上記比較更新処理手段は、上記基
    準逆投影線情報記憶手段を構成する上記連想メモリの並
    列処理機能により上記投票数フィールド中のそれぞれの
    上記基準逆投影線の通過位置に対して求めた上記投票数
    と対応する最大値との比較と、比較結果に基づく上記最
    大点情報の更新を並列に実行する手段である。
  19. 【請求項19】 請求項1の3次元情報抽出装置におい
    て、上記断面の全ボクセルの配列に対応して処理ブロッ
    クの配列が設けられ、配列された上記処理ブロックは互
    いに隣接間で接続され、 上記ボーティング手段はそれぞれの処理ブロックに設け
    られた第1データパケット記憶部と計数部を含み、各処
    理ブロックの上記第1データパケット記憶部は対応する
    ボクセルを通過する全ての逆投影線のそれぞれの情報を
    それぞれ第1データパケットとして保持し、各逆投影線
    の上記情報はその逆投影線が対応するボクセルを通過す
    る位置のワールド座標とその逆投影線の方向ベクトルを
    含み、各処理ブロックの上記計数部はその処理ブロック
    の上記第1データパケット記憶部に書き込まれた全ての
    第1データパケットの数を計数しその数に対応する投票
    数を生成し、 上記基準逆投影線情報記憶手段はそれぞれの処理ブロッ
    クに、対応するボクセルを通過する基準逆投影線の上記
    最大点情報を第2データパケットとして記憶する上記領
    域を第2データパケット記憶部として有し、 上記比較更新処理手段は、それぞれの処理ブロックに設
    けられた第2データパケット更新部を有し、各処理ブロ
    ックの上記第2データパケット更新部はその処理ブロッ
    クの上記計数部が生成した投票数とその処理ブロックの
    上記第2データパケット記憶部の最大値とを比較し、前
    者の方が大きければその投票数とその処理ブロックに対
    応するボクセルの位置を新しい最大点情報としてそのブ
    ロックの上記第2データパケット記憶部の内容を更新
    し、 各上記処理ブロックは更に、入力された第1データパケ
    ットを上記第1データパケット記憶部に書き込み、第2
    データパケットを上記第2データパケット記憶部に書き
    込むデータパケット受信部と、上記第2データパケット
    更新部の動作後に上記第1データパケット記憶部内の全
    ての第1データパケットの通過位置ワールド座標にそれ
    ぞれの方向ベクトルを加算して次の断面の通過位置ワー
    ルド座標を生成し上記方向ベクトルと合わせて更新され
    た第1データパケットを生成する第1データパケット更
    新部と、上記更新された第1データパケットを、その第
    1データパケットが係わる逆投影線が基準逆投影線の場
    合は第2データパケットと併せてそれぞれそれらの通過
    位置ワールド座標に対応する処理ブロックに転送するデ
    ータパケット転送部とを含み、 上記制御手段はそれぞれの処理ブロックの第1データパ
    ケット記憶部に、それぞれ対応するボクセルを通過する
    逆投影線の初期通過位置ワールド座標とその逆投影線の
    方向ベクトルを初期の第1データパケットとして与える
    初期データ入力手段と、それぞれの処理ブロックの上記
    計数部と上記第2データパケット更新部の動作を指示す
    る命令制御部と、上記3次元空間のそれぞれの断面につ
    いて上記処理ブロックによる処理を繰り返した後それぞ
    れの処理ブロックの上記第2データパケット記憶部から
    最大点情報を読みだして上記物体の特徴点の3次元情報
    として出力する第2データパケット読み出し部とを含
    む。
  20. 【請求項20】 請求項19の3次元情報抽出装置にお
    いて、上記制御手段の上記転送制御部は、全処理ブロッ
    クに対し、上記複数の画像の逆投影線についての上記第
    1データパケットをそれぞれ同じ画像について同じ転送
    サイクルで複数の転送サイクルに渡って順次転送させる
    手段である。
  21. 【請求項21】 請求項20の3次元情報抽出装置にお
    いて、各上記処理ブロックにおいて上記第1データパケ
    ット記憶部は上記複数の画像に対応してそれぞれの逆投
    影線に関する上記第1データパケットを格納するための
    予め割り当てた領域を有し、上記データパケット受信部
    と上記データパケット転送部は水平入出力部と垂直入出
    力部を構成し、配列されたそれぞれの処理ブロックの各
    行の処理ブロックはそれぞれの水平入出力部を介して接
    続され、各列の処理ブロックはそれぞれ垂直入出力部を
    介して接続され、全ての上記処理ブロックの上記第1デ
    ータパケット記憶部は上記第1データパケットの各転送
    サイクルにおいて上記水平入出力部と上記垂直入出力部
    の一方が上記複数の領域の1つを選択して第1データパ
    ケットを転送するときに、他方が前記一方の前回に選択
    した領域を選択して第1データパケットを転送する。
  22. 【請求項22】 請求項1、2、4、5、6、9、1
    4、19、20または21のいずれかの3次元情報抽出
    装置において、上記基準画像は複数設けられている。
  23. 【請求項23】 物体を異なる視角から撮像した複数枚
    の画像上の特徴点を所定間隔で断面を規定する複数のボ
    クセルにより分割された予め決めた大きさの3次元空間
    へ逆投影し、逆投影線の集中する3次元位置を求めるこ
    とにより上記物体上の特徴点の3次元情報を抽出する3
    次元情報抽出方法において、以下のステップを含む: (a) 逆投影線が通過する上記3次元空間の選択した1つ
    の断面での通過位置を算出し、 (b) 撮像された上記複数枚の画像の予め決めた少なくと
    も1枚を基準画像とし、その基準画像からの各逆投影線
    を基準逆投影線とすると、上記算出された通過位置に基
    づいて、各上記基準逆投影線上のボクセルを通過する他
    の異なる画像からの逆投影線を計数し、その計数値から
    対応する投票数を求め、 (c) 各上記基準逆投影線に対応して基準逆投影線情報記
    憶手段に保持されている過去の最大値の投票数とそれを
    与えたボクセルの位置からなる最大点情報を参照て上記
    ステップ(b) で求めた投票数と上記最大値とを比較し、
    上記投票数が上記最大値より大きければその投票数とそ
    れを与えたボクセルの位置を新しい最大点情報として上
    記基準逆投影線情報記憶手段に保持されてる対応する最
    大点情報を更新し、 (d) 上記3次元空間内の各基準逆投影線上の全てのボク
    セルについて上記ステップ(a), (b), (c) の処理を繰り
    返し、終了後に上記基準逆投影線情報記憶手段から最大
    値を与えたボクセルの位置を上記物体上の特徴点の3次
    元情報として出力する。
  24. 【請求項24】 請求項23の3次元情報抽出方法にお
    いて、上記ステップ(d)は、各上記基準逆投影線につい
    てその基準逆投影線上の全てのボクセルで上記ステップ
    (a), (b), (c) の処理を繰り返すことを他の全ての基準
    逆投影線について繰り返すことにより全ての逆投影線に
    ついての処理を終了する。
  25. 【請求項25】 請求項23の3次元情報抽出方法にお
    いて、上記ステップ(d)は上記3次元空間の各断面にお
    いて全ての上記基準逆投影線について上記ステップ(a),
    (b), (c) を繰り返すことを全ての断面について繰り返
    すことにより全ての逆投影線についての処理を終了す
    る。
  26. 【請求項26】 請求項25の3次元情報抽出方法にお
    いて、上記3次元空間の1つの断面を埋める全ボクセル
    にそれぞれ対応した領域を有する投票数記憶手段が設け
    られ得ており、上記ステップ(b) は上記ステップ(a) で
    算出された各基準逆投影線の通過位置のボクセルに対応
    する上記投票数記憶手段の領域の内容に1を加算するこ
    とによりその領域内に投票数を生成する処理を含み、上
    記ステップ(c) は各上記基準逆投影線の通過位置のボク
    セルに対応する上記投票数記憶手段の領域から読み出し
    た投票数と上記最大値を比較する処理を含み、上記ステ
    ップ(d) は上記ステップ(c) の比較更新処理が各断面に
    ついて終了する毎に上記投票数記憶手段の全領域をクリ
    アする処理を含む。
  27. 【請求項27】 請求項25の3次元情報抽出方法にお
    いて、上記基準画像以外の画像を参照画像とし、それら
    の参照画像の逆投影線を参照逆投影線とし、各断面にお
    いて算出された全参照逆投影線の通過位置情報を投票に
    係わる情報として記憶する投票情報記憶手段が設けられ
    ており、上記ステップ(b) は、各上記基準逆投影線の通
    過位置に対応する上記参照逆投影線通過位置情報を上記
    投票情報記憶手段から検索してその数を求め、その数か
    ら上記基準逆投影線に対応する上記投票数を得る処理を
    含む。
  28. 【請求項28】 請求項23の3次元情報抽出方法にお
    いて、上記3次元空間の1つの断面の全ボクセルの配列
    に対応した処理ブロックの配列が設けられ、各処理ブロ
    ックは対応するボクセルを通過するそれぞれの逆投影線
    の通過位置と方向ベクトルを第1データパケットとして
    格納する第1データパケット記憶部と、そのボクセルを
    通過する基準逆投影線の最大点情報を第2データパケッ
    トとして格納し上記基準逆投影線情報記憶手段の一部を
    構成する第2データパケット記憶部が設けられており、 上記ステップ(a) は各処理ブロックにおいて、(a-1) 上
    記第1データパケット記憶部内のそれぞれの第1データ
    パケットの通過位置にそれぞれの方向ベクトルを加算し
    て次の断面における通過位置を有する更新された第1デ
    ータパケットとし、(a-2) 上記更新された第1データパ
    ケットをそれぞれの通過位置が表す処理ブロック宛に、
    その第1データパケットが基準逆投影線についてのもの
    であれば上記第2データパケットを添付して送出すると
    共に、他の処理ブロックから受信した自処理ブロック宛
    の第1データパケット及び第2データパケットをそれぞ
    れ上記第1及び第2データパケット記憶部に格納し、 上記ステップ(b) は各処理ブロックにおいて上記第1デ
    ータパケット記憶部内の全ての第1データパケットの数
    を計数してそれをその処理ブロックに対応したボクセル
    に対する投票数として求め、 上記ステップ(c) は上記ステップ(b) で得た上記投票数
    と上記第2データパケット記憶部内の第2データパケッ
    ト中の過去の最大値と比較し、前者が大きければ上記投
    票数と上記第1データパケット記憶部中の基準逆投影線
    に対応する第1データパケット中の通過位置とにより上
    記第2データパケットを更新する。
  29. 【請求項29】 請求項28の3次元情報抽出方法にお
    いて、各上記処理ブロックの第1データパケット記憶部
    は上記複数の画像に対応して予め割り当てられた記憶領
    域を有し、各処理ブロックは水平入出力部と垂直入出力
    部を有し、各行の処理ブロックはそれぞれ水平入出力部
    を介して順次接続されており、各列の処理ブロックは垂
    直入出力部を介して順次接続されており、 上記ステップ(a-2) は各処理ブロックにおいて、(a-2-
    1) 上記水平入出力部と垂直入出力部の一方が上記第1
    データパケット記憶部の1つの記憶領域を選択してその
    第1データパケットを水平方向に送出し、水平方向の他
    処理ブロックから受信した第1データパケットをその記
    憶領域に書き込む間に、(a-1-2) 他方は上記一方が前回
    選択した記憶領域を選択してその第1データパケットを
    垂直方向に送出し、垂直方向の他処理ブロックから受信
    した第1データパケットをその領域に書き込み、上記ス
    テップ(a-1-1) と(a-1-2) を並列にそれぞれの記憶領域
    について実行する処理を含む。
JP32299495A 1994-12-13 1995-12-12 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置 Expired - Fee Related JP3332310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32299495A JP3332310B2 (ja) 1994-12-13 1995-12-12 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-309007 1994-12-13
JP30900794 1994-12-13
JP5019795 1995-03-09
JP19255095 1995-07-05
JP7-192550 1995-07-05
JP7-259440 1995-09-12
JP7-50197 1995-09-12
JP25944095 1995-09-12
JP32299495A JP3332310B2 (ja) 1994-12-13 1995-12-12 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09138112A true JPH09138112A (ja) 1997-05-27
JP3332310B2 JP3332310B2 (ja) 2002-10-07

Family

ID=27522845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32299495A Expired - Fee Related JP3332310B2 (ja) 1994-12-13 1995-12-12 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3332310B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002311523A (ja) * 2001-04-19 2002-10-23 Shimadzu Corp 3次元光学カメラ
CN113613994A (zh) * 2019-04-09 2021-11-05 株式会社Ihi 形状导出装置及卸货装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002311523A (ja) * 2001-04-19 2002-10-23 Shimadzu Corp 3次元光学カメラ
CN113613994A (zh) * 2019-04-09 2021-11-05 株式会社Ihi 形状导出装置及卸货装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3332310B2 (ja) 2002-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10621446B2 (en) Handling perspective magnification in optical flow processing
US11775430B1 (en) Memory access for multiple circuit components
US6219061B1 (en) Method for rendering mini blocks of a volume data set
CN104881666B (zh) 一种基于fpga的实时二值图像连通域标记实现方法
EP0795164B1 (en) Image construction
US5173947A (en) Conformal image processing apparatus and method
US5557711A (en) Apparatus and method for volume rendering
US20020025075A1 (en) System for matching stereo image in real time
US5724493A (en) Method and apparatus for extracting 3D information of feature points
WO1997005575A1 (en) Method and apparatus for span sorting rendering system
GB2298111A (en) Improvements relating to computer 3d rendering systems
JP2003517649A (ja) 機械視覚システムにおける画像データ等の論理的に近接したデータサンプル用データ処理システム
JPH03241480A (ja) 並列多角形/画素描出用エンジン
CN112799599A (zh) 一种数据存储方法、计算核、芯片和电子设备
US7203878B2 (en) System and method for performing predictable signature analysis in the presence of multiple data streams
CN110651475B (zh) 用于致密光学流的阶层式数据组织
CN115797543A (zh) 单个图像逆向渲染
JPH09138112A (ja) 特徴点の3次元情報抽出方法及び抽出装置
US20030058247A1 (en) Initializing a series of video routers that employ source-synchronous signaling
US20030052886A1 (en) Transferring a digital video stream through a series of hardware modules
EP0670560A2 (en) A method for sorting polygon data and a video game machine employing the same
CN111191309A (zh) 适用于bim轻量化的实时遮挡剔除方法、装置和设备
US5926181A (en) Method and apparatus for identifying and eliminating three-dimensional objects visually obstructed from a planar surface
CA2272985A1 (en) Image synthesis system
US20230419587A1 (en) Multi-chip based ray tracing device and method using frame partitioning

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070726

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130726

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees