JPH09136637A - 車両制御システム - Google Patents

車両制御システム

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JPH09136637A
JPH09136637A JP7298063A JP29806395A JPH09136637A JP H09136637 A JPH09136637 A JP H09136637A JP 7298063 A JP7298063 A JP 7298063A JP 29806395 A JP29806395 A JP 29806395A JP H09136637 A JPH09136637 A JP H09136637A
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JP
Japan
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state
differential
control
vehicle
lock
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Application number
JP7298063A
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English (en)
Inventor
Tomokiyo Suzuki
智清 鈴木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Priority to US08/690,961 priority patent/US5897601A/en
Publication of JPH09136637A publication Critical patent/JPH09136637A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K23/00Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for
    • B60K23/04Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for differential gearing

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アンチロック制御の実行の適否を、運転者から
の指令に応じて車両のリヤデフをロック状態とフリー状
態とに切り換えるデフ制御との関係において正しく判定
する。 【解決手段】デフECU120を、運転者によって操作
されるデフロック切換スイッチ110からの信号と、車
両の状態を検出するL4検出スイッチ62等からの信号
と、リヤデフがロック状態にあることを検出するデフロ
ック検出スイッチ142からの信号とに基づき、アンチ
ロック制御の実行の適否を判定し、適当である場合には
アンチロックの実行を許可するが、不適当である場合に
はアンチロック制御の実行を禁止することを表す信号
を、アンチロック制御を実行するブレーキECU30に
供給するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における複数
の車輪の差動状態を制御する差動制御装置とその複数の
車輪の回転状態を制御する回転制御装置とを含む車両制
御システムに関するものであり、特に、回転制御の実行
の適否を差動制御の状態との関係において正しく判定す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平6−297975号公報には、差
動制御装置と回転制御装置との双方を備えた車両制御シ
ステムが記載されている。
【0003】差動制御装置は一般に、(a) 車両において
差動装置により互いに連結された複数の車輪の差動状態
を制御するアクチュエータと、(b) そのアクチュエータ
を介して複数の車輪の差動状態を制御するコントローラ
とを含むように構成される。
【0004】この差動制御装置の形式としては、差動装
置を少なくとも、複数の車輪の差動を実質的に完全に阻
止するロック状態と複数の車輪の差動を実質的に完全に
許容するフリー状態との2状態に制御可能に構成される
形式がある。さらに、運転者からの指令を入力する指令
入力手段を有し、運転者からその指令入力手段を介して
択一的に入力されるフリー状態移行指令とロック状態移
行指令とに応じて差動装置の差動状態を制御する形式も
ある。
【0005】これに対し、回転制御装置は一般に、(a)
車輪のスリップ関連量を検出するスリップ関連量検出手
段と、(b) その車輪の回転状態を制御するアクチュエー
タ(例えば、車輪のブレーキ圧を電気的に制御する液圧
制御装置)と、(c) スリップ関連量検出手段からの信号
に基づき、そのアクチュエータを介してその車輪の回転
状態を制御するコントローラとを含むように構成され
る。
【0006】前記公報には回転制御装置の一例としてア
ンチロック制御装置が記載されている。アンチロック制
御装置は、車両制動時に車輪がロックしないように車輪
の制動トルク(例えば、ブレーキ圧)を制御する装置で
ある。回転制御装置のその他の例としては、トラクショ
ン制御装置や制動力左右差制御装置がある。トラクショ
ン制御装置は、車両駆動時に駆動車輪がスピンしないよ
うに駆動車輪の駆動トルク(例えば、エンジン回転数,
ブレーキ圧)を制御する装置であり、制動力左右差制御
装置は、左右輪間で制動力を互いに異ならせることによ
って車両のヨーモーメントを制御して車両の挙動を制御
する装置である。
【0007】ところで、前後輪を有する車両の制動が前
後輪の差動が実質的に制限された状態で行われる場合に
は、前輪と後輪とでその回転状態を独立に制御すること
ができないため、前後輪双方について正常な回転制御を
実行することができない場合がある。また、左右輪を有
する車両の制動が左右輪の差動が実質的に制限された状
態で行われる場合には、左輪と右輪とでその回転状態を
独立に制御することができないため、上記の場合と同様
に、左右輪双方について正常な回転制御を実行すること
ができない場合がある。そして、特に、左右前輪と左右
後輪とを有する車両の制動が前後輪の差動も左右後輪の
差動も実質的に制限された状態で行われる場合には、車
両制動時に車両の安定性向上に大きく貢献し得る左右後
輪につき、例えば路面の摩擦係数が左右で異なるまたぎ
路上において、正常な回転制御を実行することが強く要
望される。
【0008】これに対し、前記公報には、前後輪につい
て差動制御とアンチロック制御とがそれぞれ並列的に実
行される場合に、異常なアンチロック制御が実行されな
いようにすることを目的とし、差動制御装置による差動
制限量の制御目標値を通常値より小さくし、左右輪の差
動がより許容される状態とした上でアンチロック制御を
通常通り実行する技術や、差動制御装置が故障して差動
制限量を減少させることが不可能となった場合には、ア
ンチロック制御を完全にまたは部分的に禁止する技術が
記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、本発明者は次の
ような形式の差動制御装置を開発した。それは、前記ア
クチュエータおよびコントローラと共に、運転者からの
指令を入力する指令入力手段と、車両の状態を検出する
車両状態検出手段とを含み、かつ、コントローラが、そ
れら指令入力手段および車両状態検出手段からの信号に
基づき、車両の状態が予め定められた条件を満たす場合
には、運転者からロック状態移行指令が発せられてもロ
ック状態への移行を自動的に禁止する形式の差動制御装
置である。例えば、車両が高速走行している場合には、
差動装置をロック状態とすると車両の旋回性能が低下す
るため、ロック状態への移行は低速走行に限って行うこ
とが望ましいが、高速走行中であるにもかかわらず運転
者が誤ってロック状態移行指令を発した場合には、ロッ
ク状態への移行を自動的に禁止することによって運転者
の操作ミスを是正し、車両の安全性を向上させるのであ
る。
【0010】この開発した差動制御装置においては、運
転者の指令と差動装置の実際の状態とが常に一致すると
は限らない。なぜなら、車両の状態が予め定められた条
件を満たす場合には、運転者からロック状態移行指令が
発せられるにもかかわらずそのロック状態への移行が禁
止されるからである。そのため、この開発した差動制御
装置を回転制御装置と共に使用する車両制御システムに
おいては、運転者からの指令のみに基づいて回転制御の
実行の適否を判定したのでは、差動装置が実際にはフリ
ー状態にあるために本来であれば回転制御の実行が適当
であると判定すべき場合にもかかわらず、回転制御の実
行が不適当であるとの誤った判定が行われる場合も生ず
る。
【0011】したがって、その開発した差動制御装置を
回転制御装置と共に使用する車両制御システムにおいて
は、差動装置の実際の状態を検出し、その結果に基づい
て回転制御の実行の適否を判定することが望ましく、差
動装置が実際にはフリー状態にある場合には、運転者の
指令にかかわらず回転制御の実行が適当であると判定す
ることが望ましい。
【0012】このように運転者の指令と差動装置の実際
の状態とが整合しない状態は他にも存在する。それは、
例えば、運転者からロック状態移行指令が出されたため
に差動装置に対してロック状態移行信号が出されたが、
差動装置が直ちにロック状態に移行することができずに
フリー状態にある過渡的な状態である。そして、この過
渡的な状態である場合には、差動装置が現在フリー状態
にあることが検出されてもその後にロック状態に移行す
ることが確実なのであるから、予め回転制御の実行が適
当ではないと判定することが望ましい。
【0013】このように過渡期の段階から回転制御の実
行が適当ではないと判定することが望ましいと考える理
由の一つを具体的に説明する。
【0014】例えば、車両制御システムとして次のよう
なものが考えられる。差動制御装置として、運転者がロ
ック状態移行指令を発したのに応じて差動装置をロック
状態に制御するように設計されたものを含み、かつ、回
転制御装置として、差動装置がロック状態にある場合に
は回転制御の実行が禁止されるように設計されたものを
含み、かつ、さらに、(a) 差動装置がロック状態にある
か否かを検出する差動状態検出手段と、(b) 差動装置が
ロック状態にあることが検出された場合に回転制御の実
行が不適当であると判定する回転制御実行適否判定手段
と、(c) 回転制御の実行が不適当であると判定された場
合に、回転制御が禁止されるという回転制御禁止情報を
運転者に報知する回転制御禁止情報報知手段とを含む車
両制御システムが考えられるのである。
【0015】この車両制御システムにおいては、ロック
状態移行指令の発令に迅速に応答して差動装置がロック
状態に移行する場合には、ロック状態移行指令の発令に
迅速に応答して車両制御システムから運転者に回転制御
禁止情報が報知される。しかし、ロック状態移行指令の
発令に迅速に応答して差動装置がロック状態に移行しな
い過渡期にある場合があり、この場合には、ロック状態
移行指令の発令に迅速に応答して運転者に回転制御禁止
情報が報知されず、差動装置がロック状態に移行するの
を待って、すなわち、ロック状態移行指令の発令から遅
れて報知されることになる。これに対し、運転者は、差
動装置が過渡期にあるか否かを問わず、ロック状態移行
指令の発令に迅速に応答して車両制御システムから回転
制御禁止情報が報知されれば、車両制御システムからの
情報を漏れなく認識することが容易となる。
【0016】したがって、過渡期の段階から回転制御の
実行が適当ではないと判定することが望ましい場合があ
るのである。
【0017】そして、差動装置が過渡期の段階にあるか
否かを正しく判定するためには、差動装置の実際の状態
を把握するのみならず、差動装置の目標の状態(近い将
来の状態)をも把握することが必要である。
【0018】それらの知見に基づき、請求項1ないし5
に係る第1ないし第5発明はいずれも、差動装置の実際
の状態と目標の状態との双方を把握することにより、回
転制御の実行の適否を差動制御の状態との関係において
正しく判定することを課題としてなされたものである。
【0019】
【第1発明の解決手段,作用および効果】第1発明は、
その課題を解決するために、差動制御装置であって、
(a) 運転者からの指令を入力する指令入力手段,(b) 車
両の状態を検出する車両状態検出手段,(c) 前記車両に
おいて差動装置により互いに連結された複数の車輪の差
動状態を制御するアクチュエータ,および(d) 前記指令
入力手段および車両状態検出手段からの信号に基づき、
前記アクチュエータを介して前記差動状態を制御するコ
ントローラを含む差動制御装置と、前記複数の車輪の回
転状態を制御する回転制御装置とを備えた車両制御シス
テムにおいて、 前記差動装置の差動状態を検出する
差動状態検出手段と、 その差動状態検出手段からの
信号と前記指令入力手段および車両状態検出手段からの
信号とに基づき、前記回転制御装置が前記複数の車輪の
回転状態を通常の規則に従って制御する通常回転制御を
実行することが適当であるか否かを判定する通常回転制
御実行適否判定手段とを設けたことを特徴とする。
【0020】指令入力手段からの信号は運転者の意思を
反映する信号であるのに対し、差動状態検出手段からの
信号は差動装置の実際の状態を反映する信号であり、ま
た、車両状態検出手段からの信号は、指令入力手段から
の信号と共同して、差動状態が制御されるべき目標の状
態を反映する信号である。ここに、差動状態の目標の状
態とは、差動装置が過渡期にない場合には、現実の状態
を意味し、過渡期にある場合には近い将来の状態を意味
する。
【0021】そのような知見に基づき、第1発明に係る
車両制御システムにおいては、指令入力手段からの信号
のみならず、差動状態検出手段からの信号および車両状
態検出手段からの信号にも基づき、差動装置の実際の状
態と目標の状態との関係を考慮し、通常回転制御の実行
の適否が差動制御の状態との関係において正しく判定さ
れる。
【0022】したがって、第1発明によれば、通常回転
制御の実行の適否を差動制御の状態との関係において正
しく判定することができるという効果が得られる。
【0023】以下、第1発明を補足説明する。 〔1〕「指令入力手段」は例えば、操作部材を有し、そ
の操作部材の操作状態に基づいて運転者の指令を表す物
理的動作を電気信号に変換する形式としたり、音声入力
器を有し、運転者の指令を表す音声を電気信号に変換す
る形式とすることができる。 〔2〕「車両の状態」には例えば、車両の走行状態(車
両の走行速度,走行加速度,車両が走行する路面の凹凸
状態,傾斜状態,乾湿状態等を含む)等が含まれる。 〔3〕「差動装置」の各種態様 左右前輪と左右後輪とがトランスファを介してエン
ジンに連結され、かつ、左右前輪と左右後輪とがそれぞ
れ各差動装置により連結される4輪駆動式車両について
の態様 (i) 左右前輪の差動状態を複数の状態に制御可能な差
動装置(フロントデフ) (ii) 左右後輪の差動状態を複数の状態に制御可能な差
動装置(リヤデフ) (iii) エンジンの駆動トルクを左右前輪と左右後輪との
いずれかのみに伝達する2輪駆動状態(2WD)と、左
右前輪と左右後輪との双方に伝達するとともに、前後輪
の差動を実質的に完全に阻止する4輪駆動状態(4W
D)とに切換えが可能な形式(パートタイム4WD方
式)であるトランスファ 左右前輪と左右後輪とがセンタデフを介してエンジ
ンに連結され、かつ、左右前輪と左右後輪とがそれぞれ
各差動装置により連結される4輪駆動式車両についての
態様 (i) 左右前輪の差動状態を複数の状態に制御可能な差
動装置(フロントデフ) (ii) 左右後輪の差動状態を複数の状態に制御可能な差
動装置(リヤデフ) (iii) エンジンの駆動トルクを左右前輪と左右後輪との
双方に伝達するとともに、前後輪の差動制限量を複数の
値に制御可能な差動制限装置(例えば、メカニカルロッ
ク,ビスカスカップリング,湿式多板クラッチ,トルセ
ン等)付きのセンタデフ 左右前輪と左右後輪とのいずれかのみがエンジンに
連結された2輪駆動式車両についての態様 駆動輪である左右輪の差動状態を複数の状態に制御可能
な差動装置(フロントデフまたはリヤデフ) 〔4〕「差動制御装置」によって制御される差動装置の
各種態様 4輪駆動式車両についての態様 (i) フロントデフとリヤデフとトランスファ(または
センタデフ)とのすべて (ii) フロントデフとリヤデフとトランスファ(または
センタデフ)とのいずれか (iii) フロントデフとリヤデフとの双方 なお、「差動制御装置」によって制御される差動装置を
フロントデフとリヤデフとの少なくとも一方に選んだ場
合には、それらのうち選ばれなかった差動装置とトラン
スファ(またはセンタデフ)とのそれぞれの差動状態を
前記「車両の状態」に含めて考えることができる。 2輪駆動式車両についての態様 駆動輪である左右輪の差動装置(フロントデフまたはリ
ヤデフ) 〔5〕「アクチュエータ」は例えば、差動装置によって
連結された複数の車輪のうちの一方の車輪と共に回転す
る回転部材と他方の車輪と共に回転する回転部材相互間
の係合・離脱状態や回転抵抗を磁気力または圧力に基づ
く力によって制御する形式とすることができる。 〔6〕また、「アクチュエータ」は例えば、差動装置
を、複数の車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック
状態と実質的に完全に許容するフリー状態との2状態に
段階的に切り換える形式としたり、複数の車輪の差動制
限量を3つ以上の値に段階的に変更する形式としたり、
複数の車輪の差動制限量を実質的に連続的に変更する形
式とすることができる。 〔7〕「回転制御装置」は例えば、アンチロック制御装
置,トラクション制御装置,制動力左右差制御装置等と
することができる。 〔8〕また、「回転制御装置」は、例えば車輪のブレー
キ圧を制御することによってその車輪の回転状態を制御
する形式の場合、左右輪の各ブレーキ圧を互いに独立に
制御する形式としたり、一律に制御する形式とすること
ができる。左右輪の各ブレーキ圧を一律に制御する形式
には例えば、ローセレクト制御がある。
〔9〕なお、「回転制御装置」が、左右輪の各ブレーキ
圧を一律に制御する形式を採用する場合には、その左右
輪の差動を完全に阻止しても何ら支障がないようにも見
える。しかし、左右輪間でブレーキ圧の高さが同じで
も、例えば路面の摩擦係数が左右で異なるまたぎ路で
は、左右輪間で車輪と路面との間に発生する車輪前後力
が異なり、ひいては、回転状態も異なる。そのため、た
とえ左右輪の各ブレーキ圧を一律に制御する形式を採用
する場合であっても、例えばまたぎ路上では、左右輪の
差動を完全に阻止しないことが、左右輪のうちの低μ側
車輪のスリップ率を低減させるために大切なのである。
【0024】
【第2発明の解決手段,作用および効果】第2発明は、
第1発明に係る車両制御システムであって、前記差動制
御装置が、前記差動装置を少なくとも、前記複数の車輪
の差動を実質的に完全に阻止するロック状態と複数の車
輪の差動を実質的に完全に許容するフリー状態との2状
態に制御可能であり、運転者から前記指令入力手段を介
して択一的に入力されるフリー状態移行指令とロック状
態移行指令とに応じて前記差動装置の差動状態を制御す
るとともに、前記車両の状態が予め定められた条件を満
たす場合には、運転者からロック状態移行指令が発せら
れてもロック状態への移行を禁止するものであり、か
つ、前記通常回転制御実行適否判定手段が、前記差動状
態検出手段,指令入力手段および車両状態検出手段から
の信号に基づき、運転者からロック状態移行指令が発せ
られたにもかかわらず前記差動装置がフリー状態にある
場合には、前記通常回転制御の実行が適当であると判定
するものであることを特徴とする。
【0025】したがって、第2発明に係る車両制御シス
テムにおいては、差動装置の実際の状態を把握して通常
回転制御の実行の適否を判定することが可能となるた
め、運転者からロック状態移行指令が発せられたにもか
かわらず差動装置がフリー状態にある場合には、通常回
転制御の実行が適当であると判定される。
【0026】その結果、第2発明によれば、運転者から
ロック状態移行指令が発せられたにもかかわらず差動装
置がフリー状態にある場合には、通常回転制御の実行が
適当であるとの正しい判定を行うことが可能になるとい
う効果が得られる。
【0027】
【第3発明の解決手段,作用および効果】第3発明は、
第1または第2発明に係る車両制御システムであって、
前記差動制御装置が、前記差動装置を少なくとも、前記
複数の車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック状態
と複数の車輪の差動を実質的に完全に許容するフリー状
態との2状態に制御可能であり、かつ、前記通常回転制
御実行適否判定手段が、前記差動状態検出手段,指令入
力手段および車両状態検出手段からの信号に基づき、前
記差動装置が現在フリー状態にあるがやがてロック状態
に移行する過渡期にある可能性がある場合には、前記通
常回転制御の実行が不適当であると判定するものである
ことを特徴とする。
【0028】したがって、第3発明に係る車両制御シス
テムにおいては、差動装置の実際の状態と目標の状態と
の関係を把握して通常回転制御の実行の適否を判定する
ことが可能となるため、差動装置が現在フリー状態にあ
るがやがてロック状態に移行する過渡期にある可能性が
ある場合には、通常回転制御の実行が不適当であると判
定される。
【0029】その結果、第3発明によれば、差動装置が
現在フリー状態にあるがやがてロック状態に移行する過
渡期にある可能性がある場合には、通常回転制御の実行
が不適当であるとの正しい判定を行うことが可能となる
という効果が得られる。
【0030】そして、例えば、その判定結果に応じて運
転者への情報提供を行う場合には、運転者からの発令と
それに対する車両制御システムからの応答とが遅れなく
行われることとなり、運転者への情報伝達の確実性が向
上するという効果が得られる。
【0031】
【第4発明の解決手段,作用および効果】第4発明は、
第1ないし第3発明に係る車両制御システムであって、
さらに、前記差動状態検出手段と信号線により接続さ
れ、差動状態検出手段からその信号線を経て供給された
信号をモニタするモニタを含み、かつ、前記通常回転制
御実行適否判定手段が、そのモニタからの信号と前記車
両状態検出手段および指令入力手段からの信号とに基づ
き、前記信号線に断線が発生した可能性がある場合に
は、前記通常回転制御の実行が不適当であると判定する
ものであることを特徴とする。
【0032】差動状態検出手段と通常回転制御実行適否
判定手段とは例えば、差動状態検出手段からの信号をモ
ニタするモニタを介して互いに接続される。通常回転制
御実行適否判定手段はモニタと信号線との直列回路を介
して差動状態検出手段と接続されることになるのであ
る。
【0033】ここに、差動状態検出手段とモニタとを互
いに接続する信号線は決して断線しないと仮定すれば、
モニタに入力される信号は真に差動装置の実際の状態を
表すものとなる。しかし、何らかの原因で信号線が断線
する場合があり、この場合には、モニタに入力される信
号が真に差動装置の実際の状態を表すものとはならな
い。そのため、通常回転制御実行適否判定手段が常に、
モニタに入力される信号が真に差動装置の実際の状態を
表すものと信じ、その信号に基づいて差動装置の実際の
状態を判定したのでは、例えば差動装置が実際にはロッ
ク状態にあるにもかかわらずフリー状態にあると誤って
判定されてしまう場合がある。この場合には、回転制御
の実行が適当であると判定されてしまい、本来実行され
るべきでない回転制御が実行されてしまう。したがっ
て、信号線に断線が発生した否かを判定し、発生したと
判定した場合には、回転制御の実行が不適当であると判
定し、回転制御の実行を禁止すべきである。
【0034】一方、モニタに入力される信号は、差動状
態検出手段からの信号の影響と信号線の断線の有無の影
響との双方を受けた信号となり、信号線に断線が発生し
た場合と発生しない場合とで異なる信号となる。また、
信号線に断線が発生しない場合にモニタに入力されるべ
き正規の信号は、車両状態検出手段および指令入力手段
からの信号に基づき、差動装置の目標の状態に対応する
信号として推定することができる。したがって、モニタ
に実際に入力された信号と正規の信号とを比較すれば、
信号線に断線が発生したか否かを判定することが可能と
なる。
【0035】このような知見に基づき、第4発明に係る
車両制御システムにおいては、モニタからの信号と車両
状態検出手段および指令入力手段からの信号とに基づ
き、信号線に断線が発生した可能性がある場合には、通
常回転制御の実行が不適当であると判定される。
【0036】したがって、第4発明によれば、信号線に
断線が発生した可能性の有無を判定可能となり、信号線
に断線が発生した可能性がある場合に通常回転制御の実
行が不適当であるとの正しい判定も可能となるという効
果が得られる。
【0037】
【第5発明の解決手段,作用および効果】第5発明は、
第1ないし第4発明のいずれかに係る車両制御システム
であって、さらに、前記通常回転制御実行適否判定手段
により通常回転制御の実行が不適当であると判定された
場合には、前記差動制御装置が通常の規則に従って前記
複数の車輪の差動状態を制御する通常差動制御と前記回
転制御装置による通常回転制御との少なくとも一方を禁
止する通常制御実行禁止手段を含むことを特徴とする。
【0038】第1ないし第4発明における通常回転制御
実行許否判定手段による判定結果は、差動制御装置と回
転制御装置との少なくとも一方に反映させることが効果
的である。そこで、第5発明に係る車両制御システムに
おいては、通常制御実行禁止手段が設けられ、通常回転
制御実行許否判定手段により通常回転制御の実行が不適
当であると判定された場合には、差動制御装置と回転制
御装置との少なくとも一方による通常制御の実行が禁止
される。これにより、通常回転制御の実行が不適当であ
ると判定された場合には、通常差動制御と通常回転制御
との並列的実行が禁止され、並列的実行を許可した場合
に生じる不都合が回避される。
【0039】したがって、第5発明によれば、第1ない
し第4発明における通常回転制御実行適否判定手段によ
る判定結果が車両制御に有効に利用され、通常差動制御
と通常回転制御との並列的実行による不都合が回避され
るという効果が得られる。
【0040】ただし、第1ないし第4発明における通常
回転制御実行適否判定手段による判定結果は、他の用途
に用いることも可能である。例えば、その判定結果を差
動制御装置と回転制御装置との制御に直接には反映させ
ないが、通常回転制御の実行が適当ではないことを視覚
的(光),聴覚的(音)または触覚的(振動)に運転者
に報知して運転者に注意を喚起させるために用いること
も可能である。
【0041】以下、第5発明を補足説明する。第5発明
において「通常差動制御と通常回転制御との少なくとも
一方を禁止する」態様には例えば、通常制御の実行を差
動制御装置と回転制御装置との双方について禁止する態
様や、差動制御装置と回転制御装置との一方については
許可し、他方については禁止し、かつ、通常制御の実行
を禁止された装置の作動全体を禁止する態様や、差動制
御装置と回転制御装置との一方については許可し、他方
については禁止し、かつ、通常制御の実行を禁止された
装置の作動を許可するが、通常制御をそのまま実行した
場合の不都合が軽減される向きに制御量が変更された代
替制御の実行を許可する態様がある。
【0042】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様のいくつかを特許請求の範囲と同じ表現形式で列
挙する。 (1) 請求項1ないし5のいずれかの車両制御システムで
あって、さらに、車両制動時に車輪がロックしないよう
に車輪のブレーキ圧を制御するアンチロック制御が可能
なアンチロック型ブレーキシステム(以下、「ABS」
と略記する)を含み、かつ、前記回転制御装置が、その
アンチロック制御を実行するアンチロック制御装置を含
むものである車両制御システム。 (2) 請求項5または実施態様(1) の車両制御システムで
あって、さらに、前記通常回転制御の実行が禁止されて
いることを運転者に報知する通常回転制御実行禁止報知
手段を含み、かつ、前記通常制御実行禁止手段が、前記
通常回転制御実行適否判定手段により通常回転制御の実
行が適当ではないと判定された場合には、通常回転制御
の実行を禁止するとともに、通常回転制御の実行が禁止
されていることを前記通常回転制御実行禁止報知手段を
介して運転者に報知するものである車両制御システム。
なお、ここに「通常回転制御実行禁止報知手段」の一例
が、ABSの作動が禁止されているときに点灯するAB
S作動禁止ランプである。 (3) 請求項1ないし5,実施態様(1) ,(2) のいずれか
の車両制御システムであって、前記車両が、各差動装置
により左右前輪と左右後輪とがそれぞれ連結されるとと
もに、エンジンの駆動トルクを左右前輪と左右後輪とに
それぞれ分配するトランスファを備えており、かつ、そ
のトランスファが、運転者からの指令に応じて、少なく
とも、エンジンの駆動トルクを高速ギヤ比で左右前輪と
左右後輪とにそれぞれ分配するとともに、前後輪の差動
を実質的に完全に阻止する高速4輪駆動状態H4と高速
ギヤ比で左右後輪または左右前輪のみに分配する高速2
輪駆動状態H2との少なくとも一方と、低速ギヤ比で左
右前輪と左右後輪とにそれぞれ分配するとともに、前後
輪の差動を実質的に完全に阻止する低速4輪駆動状態L
4とに切換えが可能であり、かつ、前記差動制御装置
が、左右前輪と左右後輪との少なくとも一方の差動装置
を制御対象とするものである車両制御システム。 (4) 実施態様(3) の車両制御システムであって、前記差
動制御装置が、前記指令入力手段として、前記差動装置
をフリー状態からロック状態に切り換えるために運転者
によりONに操作されるデフロック切換スイッチを備
え、かつ、前記車両状態検出手段として、前記車両の走
行速度である車速を検出する車速センサと、前記トラン
スファが低速4輪駆動状態L4にあることを検出したと
きにONとなるL4検出スイッチとを備えるものである
車両制御システム。 (5) 実施態様(4) の車両制御システムであって、前記差
動制御装置のコントローラが、前記デフロック切換スイ
ッチがONであり、かつ、前記L4検出スイッチがOF
Fのときには、前記差動装置がロック状態に移行するこ
とを禁止する自動ロック禁止を行い、差動装置をフリー
状態に維持するものである車両制御システム。 (6) 実施態様(4) または(5) の車両制御システムであっ
て、前記差動制御装置のコントローラが、直前の状態
が、前記デフロック切換スイッチがOFFの状態であ
り、かつ、現在の状態が、デフロック切換スイッチがO
Nであり、かつ、前記L4検出スイッチがONであり、
かつ、前記車速が設定値以上の高速状態HIである状態
であるときには、前記差動装置がロック状態に移行する
ことを禁止する自動ロック禁止を行い、差動装置をフリ
ー状態に維持するものである車両制御システム。 (7) 実施態様(4) ないし(6) のいずれかの車両制御シス
テムであって、さらに、前記デフロック検出スイッチと
信号線を経て接続され、それに入力される信号の電圧を
モニタするモニタを備え、かつ、前記通常回転制御実行
適否判定手段が、前記デフロック切換スイッチからの信
号と前記L4検出スイッチからの信号と前記車速センサ
からの信号と前記モニタからの信号とに基づき、前記差
動制御装置が運転者からロック状態移行指令が発せられ
たにもかかわらずその移行を禁止した自動ロック禁止の
場合と、前記差動装置が現在フリー状態にあるがやがて
ロック状態に移行する過渡期にある可能性がある場合
と、前記信号線に断線が発生した可能性がある場合との
いずれであるかを判定する判定部を含むものである車両
制御システム。以下、本実施態様を補足説明する。 〔1〕本実施態様においては、差動装置がフリー状態に
ある場合にはデフロック検出スイッチがOFFとなって
電気の流れが遮断され、また、信号線に断線が発生した
場合にも電気の流れが遮断されるため、差動装置がフリ
ー状態にあることと信号線に断線が発生したこととは、
モニタにとっては等価的な事象として把握されることに
なる。そのため、モニタからの信号のみでは、差動装置
が実際に過渡期にある場合に過渡期にあると断定するこ
とはできず、また、信号線に実際に断線が発生した場合
に断線が発生したと断定することはできない。 〔2〕ただし、過渡期にある可能性があると判定した
り、断線が発生した可能性があると判定することが可能
であり、また、他の情報を利用することを許せば、過渡
期にある場合と断線が発生した場合とを区別することも
可能となる。 (8) 実施態様(7) の車両制御システムであって、前記モ
ニタによるモニタ電圧が、前記デフロック検出スイッチ
がONであり、かつ、前記信号線に断線が発生しない場
合には、設定値より低い低電圧状態LOとなり、デフロ
ック検出スイッチがOFFであるか、または、前記信号
線に断線が発生した場合には、設定値以上の高電圧状態
HIとなるものである車両制御システム。 (9) 実施態様(7) または(8) の車両制御システムであっ
て、前記判定部が、前記デフロック切換スイッチがON
であり、かつ、前記L4検出スイッチがOFFである場
合には、前記自動ロック禁止の場合であると判定するも
のである車両制御システム。 (10)実施態様(7) ないし(9) のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、直前の状態が、前記デフ
ロック切換スイッチがOFFの状態であり、かつ、現在
の状態が、デフロック切換スイッチがONであり、か
つ、前記L4検出スイッチがONであり、かつ、前記車
速が高速状態HIである状態である場合には、前記自動
ロック禁止の場合であると判定するものである車両制御
システム。 (11)実施態様(7) ないし(10)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、直前の状態が、前記デフ
ロック切換スイッチがONであり、かつ、前記L4検出
スイッチがOFFの状態であり、かつ、現在の状態が、
デフロック切換スイッチがONであり、かつ、前記L4
検出スイッチがONであり、かつ、前記車速が高速状態
HIである状態である場合には、前記自動ロック禁止の
場合であると判定するものである車両制御システム。 (12)実施態様(8) ないし(11)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、前記デフロック切換スイ
ッチがONであり、かつ、前記L4検出スイッチがON
であり、かつ、前記車速が低速状態LOであり、かつ、
前記モニタ電圧が高電圧状態HIである場合には、前記
差動装置がフリー状態からロック状態に移行する過渡期
にある可能性があると判定するものである車両制御シス
テム。 (13)実施態様(8) ないし(12)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、前記デフロック切換スイ
ッチがONであり、かつ、前記L4検出スイッチがON
であり、かつ、前記車速が低速状態LOであり、かつ、
前記モニタ電圧が高電圧状態HIである場合には、前記
信号線に断線が発生した可能性があると判定するもので
ある車両制御システム。 (14)実施態様(8) ないし(13)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、直前の状態が、前記デフ
ロック切換スイッチがONであり、かつ、前記L4検出
スイッチがONであり、かつ、前記車速が低速状態LO
の状態であり、かつ、現在の状態が、デフロック切換ス
イッチがONであり、かつ、L4検出スイッチがONで
あり、かつ、車速が高速状態HIの状態であり、かつ、
前記モニタ電圧が高電圧状態HIである場合には、前記
差動装置がフリー状態からロック状態に移行する過渡期
にある可能性があると判定するものである車両制御シス
テム。 (15)実施態様(8) ないし(14)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記判定部が、直前の状態が、前記デフ
ロック切換スイッチがONであり、かつ、前記L4検出
スイッチがONであり、かつ、前記車速が低速状態LO
の状態であり、かつ、現在の状態が、デフロック切換ス
イッチがONであり、かつ、L4検出スイッチがONで
あり、かつ、車速が高速状態HIの状態であり、かつ、
前記モニタ電圧が高電圧状態HIである場合には、前記
信号線に断線が発生した可能性があると判定するもので
ある車両制御システム。 (16)請求項1ないし5,実施態様(1) ないし(15)のいず
れかの車両制御システムであって、さらに、前記通常回
転制御実行適否手段により通常回転制御の実行が不適当
であると判定された場合には、そのことを運転者に視覚
的,聴覚的または触覚的に報知する通常回転制御不適当
報知手段を含む車両制御システム。 (17)請求項5,実施態様(1) ないし(16)のいずれかの車
両制御システムであって、前記通常制御実行禁止手段
が、前記通常回転制御実行適否判定手段により通常回転
制御の実行が不適当であると判定された場合には、前記
差動制御装置による通常制御を許可する一方、前記回転
制御装置による通常制御を禁止するものである車両制御
システム。なお、差動制御装置の制御対象が左右前輪と
左右後輪とのうちのいずれか一方である4輪車両におい
て、通常回転制御の実行が適当ではないと判定された場
合に、左右前輪と左右後輪との双方についての回転制御
を一律に禁止する態様とすることも、差動制御装置の制
御対象の左右輪についてのみ回転制御を個別に禁止し、
制御対象でない左右輪については回転制御を個別に許可
する態様とすることができる。 (18)請求項5,実施態様(1) ないし(16)のいずれかの車
両制御システムであって、前記通常制御実行禁止手段
が、前記通常回転制御実行適否判定手段により通常回転
制御の実行が不適当であると判定された場合には、前記
差動制御装置による通常制御を禁止する一方、前記回転
制御装置による通常制御を許可するものである車両制御
システム。 (19)請求項5,実施態様(1) ないし(16)のいずれかの車
両制御システムであって、前記通常制御実行禁止手段
が、前記通常回転制御実行適否判定手段により通常回転
制御の実行が不適当であると判定された場合には、前記
差動制御装置に通常制御に代えて、通常制御におけるよ
り差動制限量が減少するように前記差動装置の差動状態
を制御する代替制御を実行させる一方、前記回転制御装
置による通常制御を許可するものである車両制御システ
ム。 (20)請求項5,実施態様(1) ないし(16)のいずれかの車
両制御システムであって、前記通常制御実行禁止手段
が、前記通常回転制御実行適否判定手段により通常回転
制御の実行が不適当であると判定された場合には、前記
差動制御装置による通常制御を許可する一方、前記回転
制御装置に通常制御に代えて、その通常制御におけるよ
り回転トルクの時間的変化パターンの変化が軽減される
ように回転トルクを制御する代替制御を実行させるもの
である車両制御システム。 (21)請求項1ないし5,実施態様(1) ないし(20)のいず
れかの車両制御システムであって、さらに、(a) 電源
と、(b) その電源によって点灯されるランプと、(c) 入
力された駆動信号に基づき、そのランプを点灯状態と消
灯状態とに切り換えるランプスイッチと、(d) 前記指令
入力手段,差動状態検出手段および車両状態検出手段か
らの信号に基づき、前記運転者からの指令と前記差動装
置の実際の状態とが整合しない場合には、前記ランプス
イッチを介して前記ランプを点滅させるランプ駆動部で
あって、運転者からロック状態移行指令が発せられたに
もかかわらずその移行が前記差動制御装置によって禁止
されたために運転者からの指令と差動装置の実際の状態
とが整合しない自動ロック禁止の場合と、前記差動装置
がやがてロック状態に移行する過渡期にある可能性があ
るために運転者からの指令と差動装置の実際の状態とが
整合しない場合とで、ランプに流れる電力信号の状態を
変更するランプ駆動部とを含み、かつ、そのランプ駆動
部が前記通常回転制御実行適否判定手段を構成する車両
制御システム。なお、ここに「電源」の一例が、車両に
搭載される直流電源、すなわち、バッテリであり、ま
た、「ランプ」の一例が、差動装置がロック状態にある
ときに点灯し、フリー状態にあるときに消灯するデフロ
ックランプであり、「ランプスイッチ」の一例が、入力
信号に基づいてON状態とOFF状態とに択一的に切り
換わるトランジスタである。 (22)実施態様(21)の車両制御システムであって、前記ラ
ンプ駆動部が、前記自動ロック禁止の場合と、前記過渡
期にある可能性がある場合とで、前記ランプが点滅する
時間間隔を変更することによってそのランプを流れる電
力信号の状態を変更する点滅パターン変更型である車両
制御システム。 (23)実施態様(21)の車両制御システムであって、前記ラ
ンプ駆動部が、前記自動ロック禁止の場合と、前記過渡
期にある可能性がある場合とで、前記ランプが点灯する
際の電圧の高さを変更することによってそのランプを流
れる電力信号の状態を変更する電圧変更型である車両制
御システム。 (24)請求項1ないし5,実施態様(1) ないし(20)のいず
れかの車両制御システムであって、さらに、(a) 電源
と、(b) その電源によって点灯されるランプと、(c) 前
記電源にそのランプと直列に、かつ、ランプより下流側
に接続された前記差動状態検出手段としてのデフロック
検出スイッチであって、前記差動装置がロック状態にあ
るときにON、フリー状態にあるときにOFFとなるも
のと、(d) それらランプとデフロック検出スイッチとを
接続する主信号線から分岐した副信号線に接続され、デ
フロック検出スイッチと主信号線のうちデフロック検出
スイッチと副信号線とをつなぐ部分と副信号線とから成
る直列回路の電圧をモニタするモニタと、(e) 前記副信
号線に前記モニタより下流側に接続され、入力された駆
動信号に基づき、前記ランプを点灯状態と消灯状態とに
切り換えるランプスイッチと、(f) 前記指令入力手段,
モニタおよび車両状態検出手段からの信号に基づき、前
記運転者からの指令と前記モニタ電圧とが整合しない場
合には、前記ランプスイッチを介して前記ランプを点滅
させるランプ駆動部であって、運転者からロック状態移
行指令が発せられたにもかかわらずその移行が前記差動
制御装置によって禁止されたために運転者からの指令と
モニタ電圧とが整合しない自動ロック禁止の場合と、前
記差動装置がやがてロック状態に移行する過渡期にある
かまたは前記信号線に断線が発生したために運転者から
の指令とモニタ電圧とが整合しない場合とで、ランプに
流れる電力信号の状態を前記ランプスイッチを介して変
更するランプ駆動部とを含み、かつ、そのランプ駆動部
が前記通常回転制御実行適否判定手段の一部を構成する
車両制御システム。 (25)実施態様(24)の車両制御システムであって、前記ラ
ンプ駆動部が、前記自動ロック禁止の場合と、前記過渡
期にあるかまたは断線が発生した場合とで、前記ランプ
が点滅する時間間隔を変更することによってそのランプ
を流れる電力信号の状態を変更する点滅パターン変更型
である車両制御システム。 (26)実施態様(24)の車両制御システムであって、前記ラ
ンプ駆動部が、前記自動ロック禁止の場合と、前記過渡
期にあるかまたは断線が発生した場合とで、前記ランプ
が点灯する際の電圧の高さを変更することによってその
ランプを流れる電力信号の状態を変更する電圧変更型で
ある車両制御システム。 (27)実施態様(21)ないし(26)のいずれかの車両制御シス
テムであって、前記通常回転制御実行適否判定手段が、
前記ランプを流れる電力信号に基づき、通常回転制御の
実行の適否を判定する制御適否判定部を含み、その制御
適否判定部と前記ランプ駆動部とで共同して通常回転制
御実行適否判定手段を構成する車両制御システム。 (28)実施態様(21)ないし(27)の車両制御システムであっ
て、前記電源を接地させる主信号線の途中に前記ランプ
と前記デフロック検出スイッチとが電源から接地点に向
かってそれらの順に接続されており、その主信号線のう
ちのランプの接続点とデフロック検出スイッチの接続点
との間の部分に第1副信号線の一端が接続され、その第
1副信号線の途中に前記ランプスイッチが設けられ、そ
のランプスイッチの駆動信号入力端子が前記ランプ駆動
部の出力端子に接続され、前記第1副信号線の他端が接
地させられ、その第1副信号線のうち前記主信号線の接
続点とランプスイッチの接続点との間の部分にモニタ用
信号線の一端が接続され、そのモニタ用信号線の他端に
前記モニタの入力端子が接続され、そのモニタの出力端
子が前記ランプ駆動部の入力端子に接続されている車両
制御システム。 (29)実施態様(28)の車両制御システムであって、前記主
信号線のうち前記第1副信号線の接続点と前記デフロッ
ク検出スイッチの接続点との間の部分に第2副信号線の
一端が接続され、その第2副信号線の他端が前記制御適
否判定部の入力端子に接続され、その制御適否判定部が
その第2副信号線からの信号に基づいて通常回転制御の
実行の適否を判定するものである車両制御システム。 (30)実施態様(28)の車両制御システムであって、前記主
信号線のうち前記ランプの接続点と前記第1副信号線の
接続点との間の部分に第2副信号線の一端が接続され、
その第2副信号線の他端が前記制御適否判定部の入力端
子に接続され、その制御適否判定部がその第2副信号線
からの信号に基づいて通常回転制御の実行の適否を判定
するものである車両制御システム。 (31)差動制御装置であって、(a) 運転者からの指令を入
力する指令入力手段と、(b) 車両の状態を検出する車両
状態検出手段と、(c) 前記車両において差動装置により
互いに連結された複数の車輪の差動状態を制御するアク
チュエータと、(d) 前記指令入力手段および車両状態検
出手段からの信号に基づき、前記アクチュエータを介し
て前記複数の車輪の差動状態を制御するコントローラと
を含むものと、前記複数の車輪の回転状態を制御する回
転制御装置とを含む車両制御システムにおいて、前記差
動装置の差動状態を検出する差動状態検出手段と、その
差動状態検出手段からの信号と前記指令入力手段および
車両状態検出手段からの信号とに基づき、前記回転制御
装置が前記複数の車輪の回転状態を通常の規則に従って
制御する通常回転制御を実行することが不適当である場
合には、前記差動制御装置が通常の規則に従って前記複
数の車輪の差動状態を制御する通常差動制御と前記回転
制御装置による通常回転制御との少なくとも一方を禁止
する通常制御実行禁止手段とを設けたことを特徴とする
車両制御システム。 (32)実施態様(31)の車両制御システムであって、前記差
動制御装置が、前記差動装置を少なくとも、前記複数の
車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック状態と複数
の車輪の差動を実質的に完全に許容するフリー状態との
2状態に制御可能であり、運転者から前記指令入力手段
を介して択一的に入力されるフリー状態移行指令とロッ
ク状態移行指令とに応じて前記差動装置の差動状態を制
御するとともに、前記車両の状態が予め定められた条件
を満たす場合には、運転者からロック状態移行指令が発
せられてもロック状態への移行を禁止するものであり、
かつ、さらに、前記差動状態検出手段,指令入力手段お
よび車両状態検出手段からの信号に基づき、運転者から
ロック状態移行指令が発せられたにもかかわらず前記差
動装置がフリー状態にある場合には、前記通常回転制御
の実行を許可するものである車両制御システム。 (33)実施態様(31)または(32)の車両制御システムであっ
て、前記差動制御装置が、前記差動装置を少なくとも、
前記複数の車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック
状態と複数の車輪の差動を実質的に完全に許容するフリ
ー状態との2状態に制御可能であり、かつ、前記通常制
御実行禁止手段が、前記差動状態検出手段,指令入力手
段および車両状態検出手段からの信号に基づき、前記差
動装置が現在フリー状態にあるがやがてロック状態に移
行する過渡期にある可能性がある場合には、前記通常回
転制御の実行を禁止するものである車両制御システム。 (34)実施態様(31)ないし(33)のいずれかの車両制御シス
テムであって、さらに、前記差動状態検出手段と信号線
により接続され、差動状態検出手段から信号線を経て供
給された信号をモニタするモニタを含み、かつ、前記通
常制御実行禁止手段が、そのモニタからの信号と前記車
両状態検出手段および指令入力手段からの信号とに基づ
き、前記信号線に断線が発生した可能性がある場合に
は、前記通常回転制御の実行を禁止するものである車両
制御システム。 (35)差動制御装置であって、(a) 運転者からの指令を入
力する指令入力手段と、(b) 車両の状態を検出する車両
状態検出手段と、(c) 前記車両において差動装置により
互いに連結された複数の車輪の差動状態を制御するアク
チュエータと、(d) 前記指令入力手段および車両状態検
出手段からの信号に基づき、前記アクチュエータを介し
て前記複数の車輪の差動状態を少なくとも、前記複数の
車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック状態と複数
の車輪の差動を実質的に完全に許容するフリー状態との
2状態に制御するコントローラであって、運転者から前
記指令入力手段を介して択一的に入力されるフリー状態
移行指令とロック状態移行指令とに応じて前記差動装置
の差動状態を制御するとともに、前記車両の状態が予め
定められた条件を満たす場合にのみ、運転者からロック
状態移行指令が発せられてもロック状態への移行を禁止
するコントローラとを含むものと、前記複数の車輪の回
転状態を制御する回転制御装置とを含む車両制御システ
ムにおいて、前記差動装置の差動状態を検出する差動状
態検出手段と、その差動状態検出手段と信号線により接
続され、差動状態検出手段から信号線を経て供給された
信号をモニタするモニタと、そのモニタからの信号と前
記車両状態検出手段および指令入力手段からの信号とに
基づき、前記差動装置が現在フリー状態にあるがやがて
ロック状態に移行する過渡期にある可能性がある場合と
前記信号線に断線が発生した可能性がある場合との少な
くとも一方である場合には、前記通常回転制御の実行が
不適当であると判定する通常回転制御実行適否判定手段
とを設けたことを特徴とする車両制御システム。 (36)(a) 運転者からの指令を入力する指令入力手段,
(b) 車両の状態を検出する車両状態検出手段,(c) 前記
車両において差動装置により互いに連結された複数の車
輪の差動状態を制御するアクチュエータ,および(d) 前
記指令入力手段および車両状態検出手段からの信号に基
づき、前記アクチュエータを介して前記複数の車輪の差
動状態を制御するコントローラであって、前記車両の状
態が予め定められた条件を満たす場合には、運転者から
差動装置に対してロック状態移行指令が発せられてもロ
ック状態への移行を禁止するコントローラを含む差動制
御装置において、前記差動装置の差動状態を検出する差
動状態検出手段と、その差動状態検出手段からの信号と
前記指令入力手段および車両状態検出手段からの信号と
に基づき、差動制御の状態を判定する差動制御状態判定
手段とを設けたことを特徴とする差動制御装置。指令入
力手段からの信号にのみ基づいて差動制御の状態を判定
したのでは、自動ロック禁止の場合に誤った判定が行わ
れ、また、差動状態検出手段からの信号にのみ基づいて
差動制御の状態を判定したのでは、差動装置が現在フリ
ー状態にあるがやがてロック状態に移行する過渡期にあ
る場合や信号線に断線が発生した場合に誤った判定が行
われ、これらの問題を解決するため、本実施態様におい
ては、差動状態検出手段からの信号と指令入力手段から
の信号と車両状態検出手段からの信号とに基づき、差動
装置の実際の状態と目標の状態とをそれぞれ考慮するこ
とにより、差動制御の状態を正しく把握する。 (37)実施態様(36)の差動制御装置であって、前記差動制
御状態判定手段が、差動制御の状態が、運転者からロッ
ク状態移行指令が発せられたにもかかわらず前記差動装
置がフリー状態にある自動ロック禁止の場合であるか否
かを判定するものである差動制御装置。 (38)実施態様(36)または(37)の差動制御装置であって、
前記差動制御状態判定手段が、差動制御の状態が、前記
差動装置が現在フリー状態にあるがやがてロック状態に
移行する過渡期にある可能性がある場合であるか否かを
判定するものである差動制御装置。 (39)実施態様(36)ないし(38)のいずれかの差動制御装置
であって、さらに、前記差動状態検出手段と信号線によ
り接続され、差動状態検出手段からその信号線を経て供
給された信号をモニタを含み、かつ、前記差動制御状態
判定手段が、そのモニタからの信号と前記指令入力手段
および車両状態検出手段からの信号とに基づき、差動制
御の状態が、前記信号線に断線が発生した可能性がある
場合であるか否かを判定するものである差動制御装置。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態である車両制御システムを図面に基づいて詳細に
説明する。
【0044】車両制御システムは回転制御装置の一例と
してアンチロック制御装置を備えている。図1において
符号10はブレーキ操作部材としてのブレーキペダルを
示している。ブレーキペダル10はブースタ11を介し
てマスタシリンダ12に連携させられている。マスタシ
リンダ12は互いに独立した2個の加圧室が互いに直列
に並んだタンデム型であり、ブレーキペダル10の操作
力に応じた高さの液圧を各加圧室に機械的に発生させ
る。
【0045】アンチロック型ブレーキシステムは、4輪
車両に搭載されており、各輪毎に、各輪のブレーキをそ
れぞれ作動させるブレーキシリンダ20を備えている。
各輪のブレーキは、各輪と共に回転するブレーキディス
ク(回転体の一例)の両面に一対のブレーキパッド(ブ
レーキ摩擦材の一例)を押し付けることによって各輪の
回転を抑制するディスクブレーキであり、そのブレーキ
パッドをブレーキディスクに押し付けるピストンを作動
させるためにブレーキシリンダ20が設けられている。
ブレーキシリンダ20は液圧制御装置24を介してマス
タシリンダ12に接続されている。
【0046】液圧制御装置24は、変圧状態として少な
くとも、ブレーキシリンダ20をマスタシリンダ12に
連通させる増圧状態とブレーキシリンダ20を図示しな
いリザーバに連通させる減圧状態との2状態を含む複数
の制御状態に切換え可能に設計されている。ただし、液
圧制御装置24は、本実施形態においては、ソレノイド
を有し、そのソレノイドに発生する磁気力に基づき、増
圧状態と減圧状態とブレーキシリンダ20をマスタシリ
ンダ12にもリザーバにも連通させない保持状態との3
状態に切換え可能に設計されている。
【0047】なお、液圧制御装置24は例えば、各ブレ
ーキシリンダ20毎に、増圧状態と減圧状態と保持状態
とに切換えが可能な3位置弁を1個備えた構成とした
り、また、増圧状態と保持状態とに切換えが可能な2位
置弁と減圧状態と保持状態とに切換えが可能な2位置弁
とを組み合わせた構成とすることができる。また、ハウ
ジングにピストンを気密かつ摺動可能に嵌合することに
よって制御圧室を形成し、そのピストンを電気的エネル
ギを機械的エネルギに変換する駆動源によって作動させ
て制御圧室の液圧の高さを制御し、その液圧を各輪のブ
レーキシリンダ20に伝達する構成とすることもでき
る。なお、この構成を採用する際、駆動源に例えば、モ
ータ,ピエゾ素子等を用いることができる。
【0048】液圧制御装置24は、通常ブレーキ状態で
は、増圧状態とされ、各ブレーキシリンダ20にブレー
キ操作力に応じた高さの液圧を発生させ、これに対し、
アンチロック制御状態では、減圧状態と保持状態と増圧
状態とに切り換えられ、各ブレーキシリンダ20の液圧
を増減させる。
【0049】アンチロック制御装置はブレーキECU
(電子制御ユニット,Electronic Control Unit )
30を備えている。ブレーキECU30は、図2に示す
ように、ブレーキコントローラ32を備えている。ブレ
ーキコントローラ32は、CPU34,ROM36およ
びRAM38を含むコンピュータ39を主体として構成
されている。
【0050】ブレーキECU30の入力側には、各輪の
回転速度である車輪速度VW を検出する車輪速度センサ
40と、ブレーキペダル10の踏込みを検出するブレー
キスイッチ42が接続されている。一方、出力側には、
前記液圧制御装置24が接続され、さらに、ABS作動
禁止ランプ44も接続されている。ABS作動禁止ラン
プ44は、点灯している状態でアンチロック型ブレーキ
システム(ABS)の作動が禁止されていることを運転
者に示し、消灯している状態でABSの作動が許可され
ていることを運転者に示すものである。
【0051】ROM36には、各種制御プログラムが予
め記憶されている。それら各種制御プログラムをCPU
34がRAM38を利用しつつ実行することにより、液
圧制御装置24が電気的に制御され、各輪に対してアン
チロック制御が実行される。
【0052】車両制御システムはまた、運転者の意思に
応じてリヤデファレンシャルをロック状態とフリー状態
との2状態に切り換えるリヤデフ制御を行う形式の差動
制御装置を備えている。
【0053】車両は4WDであり、図3に示すように、
左右前輪50はフロントデファレンシャル52(以下、
「フロントデフ」と略称する)により互いに連結され、
一方、左右後輪54はリヤデファレンシャル56(以
下、「リヤデフ」と略称する)により互いに連結されて
いる。また、この車両においては、図示しないエンジン
にトランスミッション58が接続されている。フロント
デフ52およびリヤデフ56はいずれも、トランスファ
60を介してそのトランスミッション58に接続されて
いる。
【0054】トランスファ60は、エンジンの駆動トル
クをフロントデフ52とリヤデフ54とに分配して伝達
する。具体的には、トランスファ60は、エンジンの駆
動トルクを高速ギヤ比でリヤデフ56にのみ伝達する高
速2輪駆動状態(以下、「H2状態」という)と、高速
ギヤ比でフロントデフ52とリヤデフ56とにそれぞれ
伝達するとともに、前後輪50,54の差動を実質的に
完全に阻止する高速4輪駆動状態(以下、「H4状態」
という)と、低速ギヤ比でフロントデフ52とリヤデフ
56とにそれぞれ伝達するとともに、前後輪50,54
の差動を実質的に完全に阻止する低速4輪駆動状態(以
下、「L4状態」という)とに切換えが可能である。そ
の切換えは、運転者によって操作される図示しないトラ
ンスファ切換レバーに機械的に連動して行われる。
【0055】トランスファ60が現在L4状態にあるか
否かがL4検出スイッチ62により検出される。L4検
出スイッチ62は、トランスファ60がL4状態にある
ときにONし(接点が閉じ)、H2状態またはH4状態
にあるときにOFFする(接点が開く)ように設計され
ている。
【0056】リヤデフ56の構造が図4に詳細に示され
ている。リヤデフ56は、中空のハウジング70を有
し、そのハウジング70内にデフケース72が左右後輪
54と同軸に、かつ、自転可能に保持されている。その
デフケース72内において、各後輪54と共に回転する
各車軸74と共に回転する一対のギヤ76が対向させら
れている。デフケース72にはピン78が位置固定に装
着されており、そのピン78に一対のギヤ80が対向す
る姿勢で、かつ、自転可能に支持されている。それら一
対のギヤ80は、前記一対のギヤ76にそれの両側から
挟む姿勢でかみ合わされている。デフケース72にはそ
れと同軸にリングギヤ82が固定され、そのリングギヤ
82にリヤドライブシャフト84のピニオン86がかみ
合わされている。リヤドライブシャフト84はリヤプロ
ペラシャフト85(図4参照)を介して前記トランスフ
ァ60に連結されている。
【0057】左右の車軸74の一方とデフケース72と
の双方に及んでドッグクラッチ87が設けられている。
ドッグクラッチ87は、一方の車軸74に設けられた係
合部88と、デフケース72に設けられた係合部90と
を備えている。ただし、係合部88は、その一方の車軸
74に軸方向移動可能かつ相対回転不能に取り付けられ
た移動部材92に設けられていて、相手方の係合部90
との相対変位が可能となっている。図示の状態は一対の
係合部88,90が離間した状態であって、デフケース
72と一方の車軸74との相対回転が許容される。この
状態は、左右後輪54の差動が実質的に完全に許容され
るフリー状態である。これに対し、一対の係合部88,
90が接近してかみ合わされた状態では、デフケース7
2と一方の車軸74との相対回転が阻止され、これによ
り、左右後輪54の差動が実質的に完全に阻止される。
すなわち、この状態はロック状態なのである。
【0058】上記移動部材92の位置はデフアクチュエ
ータ94によって制御される。デフアクチュエータ94
は、駆動源としてのモータ96と、そのモータ96の回
転運動を駆動部材としてのプランジャ98の直線運動に
変換する運動変換機構100と、プランジャ98の直線
運動を移動部材92に伝達する運動伝達部材102とを
含むように構成されている。それら運動伝達部材102
とプランジャ98とはピン104により軸方向の相対変
位が不能とされている。すなわち、本実施形態において
は、リヤデフ56のみ、すなわち、左右後輪54の差動
状態のみが差動制御装置の制御対象とされているのであ
る。
【0059】以上、差動制御装置の機構部を説明した
が、次に、その機構部を用いた制御の内容を説明する。
【0060】差動制御装置は、基本的には、運転者から
の指令に従ってリヤデフ56をロック状態とフリー状態
とに切り換える。ただし、リヤデフ56をロック状態に
切り換えることが車両の安全確保にとって望ましくない
場合には、運転者からのロック状態移行指令を無視し、
ロック状態への移行を自動的に禁止する。
【0061】この自動ロック禁止を行う必要があるか否
かの判定は、運転者からの指令と車両の状態とに基づい
て行われる。そのため、差動制御装置には、図2に示す
ように、運転者からの指令を入力するためにデフロック
切換スイッチ110が設けられている。デフロック切換
スイッチ110は、運転者がリヤデフ56をロック状態
に切り換えることを指令する場合にはONに、フリー状
態に切り換えることを指令する場合にはOFFに操作さ
れる。すなわち、本実施形態においては、デフロック切
換スイッチ110が指令入力手段の一例なのである。さ
らに、差動制御装置には、同図に示すように、車両の状
態を検出するために前記L4検出スイッチ62と車速セ
ンサ112とがそれぞれ設けられている。車速センサ1
12は、車両の走行速度である車速を検出する。すなわ
ち、本実施形態においては、L4検出スイッチ62と車
速センサ112とがそれぞれ、車両状態検出手段の一例
なるのである。
【0062】この自動ロック禁止の内容を図5に示す表
を用いて具体的に説明する。なお、同図には、上段と下
段とにそれぞれ表が示されているが、下段の表は上段の
表の一部を拡大して示すものである。また、図において
「切換スイッチ」は、デフロック切換スイッチ110を
意味する。
【0063】第1の制御状態(図において「」で示
す。他の制御状態についても同じ) 入力条件として、運転者がロック状態への移行を希望せ
ず、デフロック切換スイッチ110がOFFである条件
が成立する場合には、第1の制御状態が選択され、ト
ランスファ60がH2状態にあるかH4状態にあるかL
4状態にあるかを問わず、リヤデフ56のフリー状態が
実現される。
【0064】第2の制御状態 入力条件として、運転者がロック状態への移行を希望
し、デフロック切換スイッチ110がONとされ、か
つ、トランスファ60がH2状態またはH4状態にある
条件が成立する場合には、第2の制御状態が選択さ
れ、リヤデフ56はロック状態への移行が自動的に禁止
されてリヤデフ56がフリー状態に維持される。トラン
スファ60がH2状態またはH4状態にある場合には、
車両が比較的高速で走行する可能性が高く、そのような
高速走行中にリヤデフ56をロック状態とすると、車両
の旋回し易さが低下するから、自動的にロック状態への
移行を禁止するのである。
【0065】第3,第4および第5の制御状態 入力条件として、運転者がロック状態への移行を希望
し、デフロック切換スイッチ110がONとされ、か
つ、トランスファ60がL4状態にある条件が成立する
場合には、原則として、リヤデフ56がロック状態とさ
れる。
【0066】具体的には、入力条件として、車速が低速
状態LO(例えば、車速が設定値(8km/h)未満の
状態)にあり、かつ、運転者がロック状態への移行を希
望し、デフロック切換スイッチ110がONとされた条
件が成立する場合には、第5の制御状態が選択され、
運転者の意思に従ってリヤデフ56がロック状態に切り
換えられる。なお、ここに「低速状態LO」には、現在
のみならず過去も低速状態LOにあった場合も、過去は
高速状態HIにあったが現在は低速状態LOにある場合
も含まれる。
【0067】これに対し、入力条件として、車速が高速
状態HI(例えば、車速が設定値(8km/h)以上の
状態)にあり、かつ、運転者がロック状態への移行を希
望し、デフロック切換スイッチ110がONとされた条
件が成立する場合には、第3の制御状態が選択され、
運転者の意思に反してリヤデフ56がロック状態に移行
することが禁止される。すなわち、リヤデフ56がフリ
ー状態に維持されるのである。
【0068】ただし、入力条件として、直前の制御状態
として第5の制御状態が実現されており、かつ、その
ときから車速が増加して高速状態HIに移行した条件が
成立した場合には、第4の制御状態が選択され、車速
が高速状態HIにあるにもかかわらず、運転者の意思に
従ってリヤデフ56がロック状態とされる。
【0069】差動制御装置は、図2に示すように、デフ
ECU120を備えている。デフECU120の入力側
には、前記デフロック切換スイッチ110とL4検出ス
イッチ62と車速センサ112とがそれぞれ接続され、
一方、出力側には、前記デフアクチュエータ94が接続
されている。
【0070】デフECU120は、デフコントローラ1
22を備えており、デフコントローラ122は、CPU
124,ROM126およびRAM186を含むコンピ
ュータ130を主体として構成されている。ROM12
6には、図6にフローチャートで表されているデフアク
チュエータ駆動ルーチンが予め記憶されており、そのル
ーチンをCPU124がRAM128を使用しつつ実行
することにより、上記のリヤデフ制御が実現される。
【0071】本ルーチンにおいては、まず、ステップS
1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについて
も同じ)において、デフロック切換スイッチ110,L
4検出スイッチ62および車速センサ112からそれぞ
れ信号が入力され、さらに、差動制御装置の直前の制御
状態(第1〜第5の制御状態〜のいずれか)を表す
信号も入力される。
【0072】次に、S2において、それら入力された各
種信号に基づき、図5に表で示す選択規則に従い、第1
〜第5の制御状態〜の中から今回実現すべき制御状
態が選択され、続いて、S3において、選択された制御
状態が実現されるようにデフアクチュエータ94が駆動
される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了し、その
後、一定の条件が成立する毎に(例えば、一定時間が経
過する毎に)本ルーチンの実行が繰り返される。
【0073】差動制御装置はさらに、図2に示すよう
に、デフロックランプ134を備えている。差動制御装
置はデフロックランプ134を、リヤデフ56がロック
状態にあるときに点灯し続け、フリー状態にあるときに
消灯し続けるように制御する。
【0074】デフロックランプ134は、車両に搭載さ
れた直流電源であるバッテリ136から延びて接地する
主信号線140の途中に接続されている。その主信号線
140のうちデフロックランプ134の接続点より下流
側にデフロック検出スイッチ142が接続されている。
【0075】デフロック検出スイッチ142は、図4に
示すように、プランジャ98の変位位置がリヤデフ56
がロック状態にあるときの位置にあることを機械的に検
出することによってリヤデフ56がロック状態にあるこ
とを検出する。図示の状態では、移動部材92に一体的
に形成された突起が、デフロック検出スイッチ142に
おいて接点を開閉するために変位する変位子に係合して
いないため、接点が開き、OFFとなる。これに対し、
プランジャ98が前進し、すなわち、図において左方に
移動し、移動部材92の突起がデフロック検出スイッチ
142の変位子に係合すると、接点が閉じ、ONとな
る。すなわち、本実施形態においては、デフロック検出
スイッチ142が差動状態検出手段の一例なのである。
【0076】なお、リヤデフ56がロック状態にあるか
否かの検出は、その他の形式で行うことも可能であり、
例えば、リヤデフ56の状態に応じて受光状態が変化す
る発光器と受光器との組合せにより光学的に行うこと
や、左右後輪54間での回転速度差が実質的に0である
ことを検出することによって間接に行うことも可能であ
る。
【0077】したがって、リヤデフ56がロック状態に
あり、デフロック検出スイッチ142がONであれば、
図2に示すように、バッテリ136からの電流がデフロ
ックランプ134に流れてデフロックランプ134が点
灯する。これにより、運転者はリヤデフ56が現在ロッ
ク状態にあることを知ることができる。これに対し、リ
ヤデフ56がフリー状態にあり、デフロック検出スイッ
チ142がOFFであれば、バッテリ136からの電流
がデフロックランプ134に流れず、デフロックランプ
134が消灯する。これにより、運転者はリヤデフ56
が現在フリー状態にあることを知ることができる。
【0078】上述のように、差動制御装置は、運転者の
指令に応じてリヤデフ56の状態を制御することを基本
とするが、リヤデフ56の状態を運転者の指令に従って
忠実には制御しない場合もある。そこで、本実施形態に
おいては、リヤデフ56の状態と運転者の指令とが整合
しない場合には、そのことをデフロックランプ134を
点滅させることによって運転者に知らせる。
【0079】具体的には、第2の制御状態と第3の制
御状態には、運転者のロック状態移行指令に反してリ
ヤデフ56をフリー状態に維持するから、デフロックラ
ンプ134を点滅させる。
【0080】リヤデフ56の状態と運転者の指令とが整
合しない場合は他にもある。例えば、リヤデフ56が現
在フリー状態にあるがやがてロック状態に移行する過渡
期にある場合である。
【0081】車両停止中に運転者がロック状態移行指令
を出したためにデフECU120がデフアクチュエータ
94にロック状態移行信号を供給した場合、ドッグクラ
ッチ87における一対の係合部88,90がうまくかみ
合わないと、リヤデフ56がフリー状態に維持される。
車両が走り出してドッグクラッチ87の位相が変化して
ドッグクラッチ87がうまくかみ合うに至れば、リヤデ
フ56がロック状態に移行する。したがって、現在はロ
ック状態への移行を待っている待機状態にあり、車両が
走り出せばリヤデフ56がロック状態に移行することが
明らかである。そこで、本実施形態においては、運転者
がロック状態移行指令を発してもリヤデフ56が最終的
にロック状態に移行しない場合にも、デフロックランプ
134が点滅させられる。
【0082】デフロックランプ134を点滅させる構成
として次のようなものが採用されている。
【0083】図2に示すように、前記主信号線140の
うちデフロックランプ134の接続点より下流側であ
り、かつ、デフロック検出スイッチ142の接続点より
上流側である部分に第1副信号線146が接続され、こ
の第1副信号線146に前記デフECU120の外部端
子が接続されている。デフECU120は、ランプスイ
ッチとしてのトランジスタ148を備えており、そのト
ランジスタ148により第1副信号線146がデフコン
トローラ122の出力側に接続されている。
【0084】上述のように、トランジスタ148が接続
された第1副信号線146が主信号線140においてデ
フロック検出スイッチ142より上流側において分岐さ
せられている。したがって、デフロック検出スイッチ1
42がOFFであっても、デフコントローラ122がト
ランジスタ148をONすれば、バッテリ136からの
電流がデフロックランプ134に流れてデフロックラン
プ134が点灯する。なお、デフロック検出スイッチ1
42がONであるが主信号線140に位置P2またはP
3 において(主信号線140のうち第1副信号線146
との接続点とデフロック検出スイッチ142の接続点と
の間の部分において)断線が発生した場合でも、トラン
ジスタ148がONとなれば、バッテリ136からの電
流がデフロックランプ134に流れてデフロックランプ
134が点灯する。
【0085】デフECU120はさらに、モニタ150
を備えている。モニタ150は主に、デフロック検出ス
イッチ142がONであるかOFFであるかを検出する
ために使用される。そのため、モニタ150は、第1副
信号線146の途中に接続され、そこにおける電圧をモ
ニタする。デフロック検出スイッチ142がONであれ
ばバッテリ136からの電流がデフECU120の側に
流入しないから、モニタ150によるモニタ電圧は設定
値より低い低電圧状態LOの場合(グランド電圧GND
にほぼ等しい場合)となる。これに対し、デフロック検
出スイッチ142がOFFであればバッテリ136から
の電流がデフECU120の側に流入するから、モニタ
電圧が設定値以上である高電圧状態HIの場合(バッテ
リ電圧(+B)にほぼ等しい場合)となる。したがっ
て、モニタ電圧が低電圧状態LOであるか高電圧状態H
Iであるかの情報はデフロック検出スイッチ142がO
NであるかOFFであるかを反映したものとなる。
【0086】したがって、第2の制御状態または第3
の制御状態では、ドッグクラッチ87が作用位置で固
着する等の異常がない正常な場合である限り、ドッグク
ラッチ87が非作用位置にあり、リヤデフ56がフリー
状態にあり、デフロック検出スイッチ142がOFFで
あるから、モニタ電圧が高電圧状態HIとなる。
【0087】また、第4の制御状態または第5の制御
状態では、ドッグクラッチ87が素早くかみ合ってリ
ヤデフ56がロック状態に移行すれば、デフロック検出
スイッチ142がONとなり、モニタ電圧が低電圧状態
LOとなる。これに対し、ドッグクラッチ87が素早く
かみ合わずにリヤデフ56がフリー状態に維持される過
渡期にあると、デフロック検出スイッチ142がOFF
となり、モニタ電圧が高電圧状態HIとなる。
【0088】したがって、デフロック切換スイッチ11
0がONであるときにモニタ電圧が高電圧状態HIであ
るか否かを判定し、高電圧状態HIである場合には、デ
フロック検出スイッチ142がOFFであり、リヤデフ
56が現在フリー状態にあるから、第2の制御状態
(ただし、正常な場合),第3の制御状態(ただし、
正常な場合),第4の制御状態(ただし、過渡期にあ
る場合)または第5の制御状態(ただし、過渡期にあ
る場合)のいずれかに該当すると判定することができ
る。
【0089】しかし、モニタ電圧が高電圧状態HIであ
る場合に必ずデフロック検出スイッチ142がOFFで
あるとは限らない。デフロック検出スイッチ142がO
Nであっても、主信号線140に位置P2 またはP3
おいて断線が発生すると、バッテリ136からの電流が
デフECU120の側に流入し、モニタ電圧が高電圧状
態HIとなってしまうからである。
【0090】そこで、本実施形態においては、第4の制
御状態または第5の制御状態では、デフアクチュエ
ータ94にリヤデフ56をロック状態に移行させるため
の信号が出力されているのであるから、それにもかかわ
らずモニタ電圧が高電圧状態HIである場合には、リヤ
デフ56が現在フリー状態にあるのはロック状態に移行
するのを待っている過渡期の場合であるか、または、位
置P2 またはP3 に断線が発生した場合であると判定さ
れる。
【0091】そして、本実施形態においては、デフロッ
ク切換スイッチ110がONであるときにモニタ電圧が
高電圧状態HIとなれば、デフロックランプ134が点
滅させられるから、結局、図5に示すように、第2の制
御状態または第3の制御状態が選択されている自動
ロック禁止の場合には、デフロックランプ134が点滅
させられ、さらに、第4の制御状態または第5の制御
状態が選択されている場合であって過渡期にあるかま
たは断線が発生した場合にも、デフロックランプ134
が点滅させられる。
【0092】なお、自動ロック禁止の場合と過渡期にあ
る場合とはいずれも、実際上リヤデフ56の状態と運転
者の指令とが整合しない場合の一例であると考えること
ができ、また、断線が発生した場合は、みかけ上リヤデ
フ56の状態と運転者の指令とが整合しない場合の一例
であると考えることができる。
【0093】以上の知見に基づき、本発明者は本発明に
先立ち、デフロックランプ134の駆動制御技術として
次のものを開発した。
【0094】すなわち、デフロックランプ134および
トランジスタ148を次の3つの駆動パターンで駆動す
るのである。ここに、第1の駆動パターンは、トランジ
スタ148をONし続けてデフロックランプ134を点
灯し続ける連続点灯パターンである。第2の駆動パター
ンは、トランジスタ148をOFFし続けてデフロック
ランプ134を消灯し続ける連続消灯パターンである。
第3の駆動パターンは、トランジスタ148を0.5秒
間ONした後に0.5秒間OFFすることを繰り返して
デフロックランプ134を0.5秒間点灯した後に0.
5秒間消灯することを繰り返してデフロックランプ13
4を点滅させる点滅パターンである。そして、それらの
中から、デフロックランプ134およびトランジスタ1
48が今回実現すべき駆動パターンを選択する。
【0095】駆動パターンの選択は図7に表で示す選択
規則に従って行われる。
【0096】第1の制御状態が選択される場合、すな
わち、デフロック切換スイッチ110(図において「切
換SW」で表す)がOFFの場合には、モニタ電圧が高
電圧状態HIにあるか低電圧状態LOにあるかを問わ
ず、駆動パターンとして、トランジスタ148をOFF
し続ける連続OFFパターンが選択される。この場合、
正常であれば、デフロック検出スイッチ142がOFF
でモニタ電圧が高電圧状態HIであるから、デフロック
ランプ134が消灯し続ける。これにより、運転者はリ
ヤデフ56がフリー状態にあることを知る。
【0097】なお、デフアクチュエータ94,ドッグク
ラッチ87等が作用状態で固着してしまい、デフロック
切換スイッチ110がOFFでも、デフロック検出スイ
ッチ142がONでモニタ電圧が低電圧状態LOとなる
異常な状態が考えられ、このような異常な状態では、デ
フロック検出スイッチ142がONであるから、トラン
ジスタ148がOFFでもデフロックランプ134が点
灯し続ける。これにより、運転者はリヤデフ56がロッ
ク状態にあることを知る。
【0098】第2の制御状態が選択される場合、すな
わち、デフロック切換スイッチ110がONであり、か
つ、トランスファ60がL4状態になく、L4検出スイ
ッチ62(図において「L4SW」で表す)がOFFの
場合には、正常であれば、デフロック検出スイッチ14
2がOFFでモニタ電圧が高電圧状態HIであるから、
駆動パターンとして、トランジスタ148を0.5秒間
ONし、0.5秒間OFFすることを繰り返すON・O
FFパターンが選択される。
【0099】このON・OFFパターンが実行されれ
ば、デフロックランプ134が点滅させられる。これに
より、運転者はデフロック切換スイッチ110がONで
あるにもかかわらずデフロック検出スイッチ142がO
FFの状態、すなわち、自分が発した指令とリヤデフ5
6の状態とが整合しない状態にあることを知る。
【0100】なお、モニタ電圧が低電圧状態LOとなる
異常な状態では、トランジスタ148をOFFし続ける
が、デフロック検出スイッチ142がONであるため、
デフロックランプ134が点灯し続ける。
【0101】第3の制御状態が選択される場合、すな
わち、直前の制御状態が第1の制御状態または第2の
制御状態(リヤデフ56がフリー状態)であり、か
つ、現在の状態が、デフロック切換スイッチ110がO
Nであり、かつ、L4検出スイッチ62もONであり、
かつ、車速が高速状態HIの状態である場合と、第1の
制御状態または第2の制御状態から移行した第3の
制御状態が継続している場合には、正常であれば、デ
フロック検出スイッチ142がOFFでモニタ電圧が高
電圧状態HIであるから、駆動パターンとしてON・O
FFパターンが選択される。このON・OFFパターン
により、デフロックランプ134が点滅させられ、運転
者は自分が発した指令とリヤデフ56の状態とが整合し
ない状態にあることを知る。
【0102】なお、モニタ電圧が低電圧状態LOとなる
異常な状態では、トランジスタ148をOFFし続ける
が、デフロック検出スイッチ142がONであるため、
デフロックランプ134が点灯し続ける。
【0103】第4の制御状態が選択される場合、すな
わち、直前の制御状態が第5の制御状態(リヤデフ5
6がロック状態)であり、かつ、現在の状態が、デフロ
ック切換スイッチ110がONであり、かつ、L4検出
スイッチ62もONであり、かつ、車速が高速状態HI
の状態である場合と、第5の制御状態から移行した第
4の制御状態が継続している場合には、正常であれ
ば、デフロック検出スイッチ142はONでモニタ電圧
が低電圧状態LOであるから、駆動パターンとして、ト
ランジスタ148をOFFし続ける連続OFFパターン
が選択される。この連続OFFパターンにより、デフロ
ックランプ134が点灯し続け、運転者はリヤデフ56
がロック状態にあることを知る。
【0104】これに対し、ドッグクラッチ87のかみ合
い遅れまたは主信号線140に位置P2 またはP3 にお
いて断線が発生した異常な状態では、モニタ電圧が高電
圧状態HIとなり、駆動パターンとしてON・OFFパ
ターンが選択される。このON・OFFパターンによ
り、デフロックランプ134が点滅させられ、運転者は
自分が発した指令とリヤデフ56の状態とが整合しない
かまたは断線が発生した状態(すなわち、運転者の指令
とモニタ電圧とが整合しない状態)にあることを知る。
【0105】第5の制御状態が選択される場合、すな
わち、デフロック切換スイッチ110がONであり、か
つ、L4検出スイッチ62もONであり、かつ、車速が
低速状態LOである場合には、正常であれば、デフロッ
ク検出スイッチ142はONでモニタ電圧が低電圧状態
LOであるから、駆動パターンとして連続OFFパター
ンが選択される。この連続OFFパターンにより、デフ
ロックランプ134が点灯し続け、運転者はリヤデフ5
6がロック状態にあることを知る。
【0106】これに対し、かみ合い遅れまたは断線が発
生した異常な状態では、モニタ電圧が高電圧状態HIと
なり、駆動パターンとしてON・OFFパターンが選択
される。このON・OFFパターンにより、デフロック
ランプ134が点滅させられ、運転者は自分が発した指
令とリヤデフ56の状態とが整合しないかまたは断線が
発生した状態(すなわち、運転者の指令とモニタ電圧と
が整合しない状態)にあることを知る。
【0107】ところで、アンチロック制御が左右後輪5
4に対して行われる場合、トランスファ60がL4状態
にあるために前後輪50,54間に回転速度差が発生す
ることが許容されず、かつ、リヤデフ56がロック状態
にあるために左右後輪54間に回転速度差が発生するこ
とが許容されない場合には、そのアンチロック制御が正
常に実行されないおそれがある。
【0108】そこで、本実施形態においては、図5に示
すように、第1の制御状態,第2の制御状態または
第3の制御状態、すなわち、リヤデフ56がフリー状
態にある状態では、リヤデフ制御とアンチロック制御と
の並列的実行が適当であると判定され、アンチロック制
御の実行が許可される。一方、第4の制御状態または
第5の制御状態、すなわち、トランスファ60がL4
状態にあり、かつ、リヤデフ56がロック状態にある状
態では、リヤデフ制御とアンチロック制御との並列的実
行が不適当であると判定され、アンチロック制御の実行
が禁止される。なお、本実施形態においては、その並列
的実行が不適当であると判定された場合でも、リヤデフ
制御は通常通り実行される。
【0109】さらに、本実施形態においては、リヤデフ
56の制御状態に応じてデフロックランプ134の点灯
・消灯状態が変化することに着目し、デフロックランプ
134の点灯・消灯状態に応じて変化する信号がブレー
キECU30に供給され、ブレーキECU30がその入
力信号に基づいてアンチロック制御の実行の許否を判定
する。そのため、図2に示すように、主信号線140の
うち、第1副信号線146との接続点とデフロック検出
スイッチ142の接続点との間の部分の途中に第2副信
号線150の一端が接続され、その第2副信号線150
の他端がブレーキECU30の外部端子に接続されてい
る。これにより、デフロックランプ134の点灯・消灯
状態に応じて変化する信号がブレーキコントローラ32
に入力される。
【0110】前記開発したデフロックランプ駆動技術で
は、リヤデフ56が運転者の意思に従ってフリー状態に
あればデフロックランプ134が消灯し続けられ、運転
者の意思に従ってロック状態にあればデフロックランプ
134が点灯し続けられる。したがって、デフロックラ
ンプ134の点灯・消灯状態に応じて変化する信号を利
用すれば、デフロックランプ134が消灯し続けられる
場合には、リヤデフ56がフリー状態にあるからアンチ
ロック制御の実行を許可すべきと判定することができ、
また、デフロックランプ134が点灯し続けられる場合
には、リヤデフ56がロック状態にあるからアンチロッ
ク制御の実行を禁止すべきと判定することができる。
【0111】しかしながら、この駆動技術では、第2の
制御状態または第3の制御状態が選択されている自
動ロック禁止の場合にも、第4の制御状態または第5
の制御状態でリヤデフ56が過渡期にあるかまたは主
信号線140に位置P2 またはP3 において断線が発生
した場合にも、デフロックランプ134が同じパターン
で点滅させられる。
【0112】そのため、ブレーキECU30は、デフロ
ックランプ134の点灯・消灯状態に応じて変化する信
号に基づき、自動ロック禁止の場合と過渡期にあるかま
たは断線が発生した場合とを区別することができない。
【0113】その結果、デフロックランプ134からブ
レーキECU30への入力信号の電圧である入力電圧と
アンチロック制御の許否判定結果との関係が図8に示す
ものとなる。
【0114】すなわち、その入力電圧が連続して設定値
以上の高電圧状態HIとなる高電圧連続時間THIが0.
7秒以上の場合にはアンチロック制御を許可する判定を
行い、連続して設定値より低い低電圧状態LOとなる低
電圧連続時間TLOが0.2秒以上の場合にはアンチロッ
ク制御を禁止する判定を行う判定規則を採用した場合に
は、デフロック切換スイッチ110がOFFでリヤデフ
56がフリー状態にあるときには、入力電圧が同図にお
いて上から1段目に示す時間的変化パターンを示し、ア
ンチロック制御を許可する判定がなされる。これに対
し、リヤデフ56がロック状態にあるときには、入力電
圧が同図において上から3段目に示す時間的変化パター
ンを示し、アンチロック制御を禁止する判定がなされ
る。また、自動ロック禁止のときと、過渡期にあるかま
たは断線が発生したときとにはいずれも、入力電圧が同
図において上から2段目に示す時間的変化パターンを示
し、アンチロック制御を禁止する判定がなされる。
【0115】ここに、自動ロック禁止の場合は本来、ア
ンチロック制御を実行することが望ましいから、この判
定規則を採用する場合には、本来実行すべきアンチロッ
ク制御が禁止されてしまう。
【0116】上記の判定規則に対し、入力電圧の高電圧
連続時間THIが0.2秒以上の場合にはアンチロック制
御を許可する判定を行い、低電圧連続時間TLOが0.7
秒以上の場合にはアンチロック制御を禁止する判定を行
う判定規則を採用した場合には、デフロック切換スイッ
チ110がOFFでリヤデフ56がフリー状態にあると
きと、リヤデフ56がロック状態にあるときとについて
は、上記の判定規則を採用した場合と同じ判定結果が得
られるが、自動ロック禁止のときと過渡期にあるかまた
は断線が発生したときとについては異なり、それらの場
合にはいずれも、アンチロック制御を許可する判定がな
される。
【0117】ここに、過渡期にあるかまたは断線が発生
した場合は本来、アンチロック制御を禁止することが望
ましいから、この判定規則を採用する場合には、本来禁
止すべきアンチロック制御が実行されてしまう。
【0118】すなわち、自動ロック禁止の場合と過渡期
にあるかまたは断線が発生した場合とでデフロックラン
プ134が同じパターンで点滅させられるため、デフロ
ックランプ134の点灯・消灯状態に応じて変化する入
力電圧に基づいてアンチロック制御の許否を判定するこ
とには問題があるのである。
【0119】そこで、本実施形態においては、信号線の
数等、ハード的な構成要素を全く変更することなく、ソ
フト的な構成要素のみを変更して自動ロック禁止の場合
と過渡期にあるかまたは断線が発生した場合とを判別可
能とするため、デフECU120のROM126には、
デフロックランプ駆動ルーチンとして図9にフローチャ
ートで表されるものが予め記憶されている。
【0120】本ルーチンにおいては、まず、S11にお
いて、デフロック切換スイッチ110,L4検出スイッ
チ62,車速センサ112およびデフロック検出スイッ
チ142(正確には、モニタ150)からそれぞれ信号
が入力され、さらに、直前の制御状態の種類を表す信号
も入力される。
【0121】次に、S12において、それら入力信号に
基づき、今回実現すべきデフロックランプ134の駆動
パターンすなわちトランジスタ148の駆動パターンが
決定される。
【0122】駆動パターンの選択は図10に表で示す選
択規則に従って行われる。なお、この選択は図7に示す
ものと共通する部分が多いため、異なる部分についての
み詳細に説明する。
【0123】第2の制御状態の場合と第3の制御状態
の場合、すなわち、自動ロック禁止の場合には、普通
(デフアクチュエータ94等の固着は稀にしか発生しな
い)、モニタ電圧が高電圧状態HIとなるから、駆動パ
ターンとして、トランジスタ148を0.2秒間ON
し、1.1秒間OFFすることを繰り返す第1のON・
OFFパターンが選択される。
【0124】また、第4の制御状態または第5の制御
状態でかみ合い遅れまたは断線が発生した場合には、
モニタ電圧が高電圧状態HIとなるから、駆動パターン
として、トランジスタ148を0.7秒間ONし、0.
3秒間OFFすることを繰り返す第2のON・OFFパ
ターンが選択される。
【0125】したがって、デフロックランプ134は、
図10および図11に示すように、第1の制御状態の
場合(ただし、正常な場合)には、消灯し続け、また、
第2の制御状態の場合(ただし、正常な場合)と第3
の制御状態の場合(ただし、正常な場合)とにはいず
れも、0.2秒間点灯して1.1秒間消灯することを繰
り返す第1の点滅が行われる。また、デフロックランプ
134は、第4の制御状態の場合(ただし、異常な場
合)と第5の制御状態の場合(ただし、異常な場合)
とにはいずれも、0.7秒間点灯して0.3秒間消灯す
ることを繰り返す第2の点滅が行われ、また、第1の制
御状態の場合(ただし、異常な場合)と第2の制御状
態の場合(ただし、異常な場合)と第3の制御状態
の場合(ただし、異常な場合)と第4の制御状態の場
合(ただし、正常な場合)と第5の制御状態の場合
(ただし、正常な場合)とにはいずれも、点灯し続け
る。
【0126】このように、自動ロック禁止の場合には、
デフロックランプ134が0.2秒間点灯して1.1秒
間消灯することを繰り返す第1の点滅が行われるのに対
し、第4の制御状態または第5の制御状態で過渡期
にあるかまたは断線が発生した場合には、0.7秒間点
灯して0.3秒間消灯することを繰り返す第2の点滅が
行われる。すなわち、自動ロック禁止の場合と過渡期に
あるかまたは断線が発生した場合とでデフロックランプ
134の点滅の時間的変化パターンが互いに異なってい
るのである。
【0127】さらに、本実施形態においては、デフロッ
クランプ134の一回の連続消灯時間が0.5秒以上で
ある場合にはアンチロック制御を許可する判定を行い、
0.3秒以下である場合にはアンチロック制御を禁止す
る判定を行う判定規則が採用されている。したがって、
本実施形態においては、自動ロック禁止の場合にはアン
チロック制御が許可され、過渡期にあるかまたは断線が
発生した場合にはアンチロック制御が禁止されることと
なり、アンチロック制御が無意味に禁止されることも無
駄なアンチロック制御が行われることも回避される。以
下、そのアンチロック制御の許否判定を具体的に説明す
る。
【0128】アンチロック制御の許否判定を行うため
に、ブレーキECU30のROM36に、図12にフロ
ーチャートで表されている制御許否判定ルーチンと、図
13にフローチャートで表されているABS作動禁止ラ
ンプ駆動ルーチンと、図14にフローチャートで表され
ているアンチロック制御ルーチンとがそれぞれ予め記憶
されている。
【0129】図12の制御許否判定ルーチンにおいて
は、まず、S42において、入力電圧の一回の低電圧連
続時間TLOの現在値と一回の高電圧連続時間THIの現在
値とがいずれも、0に初期化される。ここに、低電圧連
続時間TLOとは、入力電圧がグランド電圧である低電圧
状態LOであり続ける時間を意味し、高電圧連続時間T
HIとは、入力電圧がバッテリ電圧である高電圧状態HI
であり続ける時間を意味する。
【0130】なお、いずれの信号線にも断線がない正常
な状態であれば、トランジスタ148がONとなってデ
フロックランプ134が点灯すれば入力電圧が低電圧状
態LOとなり、また、トランジスタ148がOFFとな
ってデフロックランプ134が消灯すれば入力電圧が高
電圧状態HIとなるから、低電圧連続時間TLOは、デフ
ロックランプ134の連続点灯時間を意味し、高電圧連
続時間THIは、デフロックランプ134の連続消灯時間
を意味することになる。
【0131】続いて、S43において、入力電圧が低電
圧状態LOであるか否かが判定される。今回は低電圧状
態LOであると仮定すると、判定がYESとなり、S4
4以下のステップに移行する。S44においては、高電
圧連続時間THIが0に初期化される。このステップは今
回の実行においては何ら意味を持たない。しかし、入力
電圧が低電圧状態LOから高電圧状態HIに移行してS
48以下のステップが実行される場合に意味を持ち、高
電圧状態HIの移行直前には必ず高電圧連続時間THI
0であることを保証するのである。
【0132】その後、S45において、低電圧連続時間
LOが一定増分ΔT(本ルーチンの実行周期に等しい)
だけ増加させられ、S46において、低電圧連続時間T
LOの現在値が0.3秒を超えたか否かが判定される。今
回は超えないと仮定すれば、判定がNOとなり、S43
に戻る。その後、S43〜S46が何回も実行されたた
めに低電圧連続時間TLOが0.3秒を超えれば、S46
の判定がYESとなり、S47において、ABS作動禁
止フラグがONされる。ABS作動禁止フラグはRAM
38に設けられており、ONでABSの作動が禁止され
ている状態にあることを示し、OFFで許可されている
ことを示す。なお、ABS作動禁止フラグは、コンピュ
ータ39の電源投入に伴ってOFFに初期化される。
【0133】したがって、このS47の今回の実行によ
り、入力電圧が図15において上から3段目に示す時間
的変化パターンまたは4段目に示す時間的変化パターン
を示す場合には、アンチロック制御を禁止する判定がな
されることになる。ここに、入力電圧が上から3段目の
時間的変化パターンを示す場合とは、第4の制御状態
または第5の制御状態で過渡期にあるかまたは断線が
発生した場合であるから、結局、過渡期にあるかまたは
断線が発生した場合にアンチロック制御が禁止されるこ
ととなる。
【0134】これに対し、入力電圧が高電圧状態HIで
ある場合には、図12のS43の判定がNOとなり、S
48以下のステップが実行される。S48においては、
前記S44におけると同様に、低電圧連続時間TLOの現
在値が0に初期化され、次に、S49において、高電圧
連続時間THIが一定増分ΔTだけ増加させられ、S50
において、高電圧連続時間THIの現在値が0.5秒を超
えたか否かが判定される。今回は超えないと仮定すれ
ば、判定がNOとなり、S43に戻る。その後、S4
3,S48〜S50が何回も実行されたために高電圧連
続時間THIが0.5秒を超えれば、S50の判定がYE
Sとなり、S51において、ABS作動禁止フラグがO
FFされる。
【0135】このS51の今回の実行により、入力電圧
が図15において上から1段目に示す時間的変化パター
ンまたは2段目に示す時間的変化パターンを示す場合に
は、アンチロック制御を許可する判定がなされることに
なる。ここに、入力電圧が上から2段目の時間的変化パ
ターンを示す場合とは、自動ロック禁止の場合であるか
ら、結局、自動ロック禁止の場合にアンチロック制御が
許可されることとなる。
【0136】図13のABS作動禁止ランプ駆動ルーチ
ンにおいては、まず、S61において、RAM38から
ABS作動禁止フラグが読み込まれ、次に、S62にお
いて、そのABS作動禁止フラグがONであるか否かが
判定される。今回はOFFであると仮定すれば、判定が
NOとなり、S63において、ABS作動禁止ランプ4
4が消灯されるが、今回はABS作動禁止フラグがON
であると仮定すれば、S62の判定がYESとなり、S
64において、ABS作動禁止ランプ44が点灯され
る。これにより運転者はアンチロック制御が禁止されて
いることを知る。
【0137】図14のアンチロック制御ルーチンにおい
ては、まず、S81において、RAM38からABS作
動禁止フラグが読み込まれ、次に、S82において、そ
のABS作動禁止フラグがONであるか否かが判定され
る。今回はOFFであると仮定すれば、判定がNOとな
り、S83において、予め設定されたアンチロック制御
開始条件が成立すればアンチロック制御が通常通り実行
されるが、今回はABS作動禁止フラグがONであると
仮定すれば、S82の判定がYESとなり、S84にお
いて、予め設定されたアンチロック制御開始条件が成立
してもアンチロック制御が実行されない。
【0138】ここで、第4の制御状態または第5の制
御状態でアンチロック制御の許否判定がどのように行
われるかを、図16および図17に基づいて具体的に説
明する。
【0139】第4の制御状態または第5の制御状態
でのアンチロック制御の許否判定は、リヤデフ56がロ
ック状態にあってデフロック検出スイッチ142がON
であるか否か、断線が発生したか否か、断線が発生しな
い場合にリヤデフ56がロック状態移行への過渡期にあ
るか否か、および断線が発生した場合にその位置がどこ
であるかによって異なる。
【0140】そこで、図16には、第4の制御状態ま
たは第5の制御状態でリヤデフ56がフリー状態にあ
って(過渡期にあって)デフロック検出スイッチ142
がOFFの状態につき、断線が発生しない場合と発生し
た場合とがそれぞれ示されている。一方、図17には、
第4の制御状態または第5の制御状態でリヤデフ5
6がロック状態にあってデフロック検出スイッチ142
がONの状態につき、断線が発生しない場合と発生した
場合とがそれぞれ示されている。
【0141】なお、図16には、右欄に第4の制御状態
または第5の制御状態の説明がデフロック切換スイ
ッチ110がONの場合として示されており、左欄に
は、デフロック切換スイッチ110がOFFの場合が参
考として示されている。また、図17には、左欄に第4
の制御状態または第5の制御状態の説明がデフロッ
ク切換スイッチ110がONの場合として示されてお
り、右欄には、デフロック切換スイッチ110がOFF
の場合が参考として示されている。
【0142】まず、第4の制御状態または第5の制御
状態でリヤデフ56がフリー状態にあって(過渡期に
あって)デフロック検出スイッチ142がOFFの状態
を図16に基づいて説明する。
【0143】まず、断線が発生しない場合を説明する。
この場合には、デフロック検出スイッチ142がOFF
でモニタ電圧が高電圧状態HIとなり、かつ、今回は第
4の制御状態または第5の制御状態が選択されてい
ると仮定されている。そのため、デフロックランプ13
4の一回の連続点灯時間が0.7秒となり、ブレーキE
CU30への入力電圧の一回の低電圧連続時間TLO
0.7秒となり、0.3秒以上という条件が成立するた
め、アンチロック制御が禁止される。
【0144】次に、断線が発生した場合を説明する。
【0145】位置P1 で断線が発生した場合には、主信
号線140が第1副信号線146との接続点より上流側
で、かつ、第2副信号線150との接続点より上流側で
断線する。そのため、バッテリ136とブレーキECU
30とが遮断され、ブレーキECU30への入力電圧は
低電圧状態LOであり続け、0.3秒以上低電圧状態L
Oであるという条件が成立するため、アンチロック制御
が禁止される。
【0146】位置P2 で断線が発生した場合には、主信
号線140が第1副信号線146との接続点より下流側
で、かつ、第2副信号線150との接続点より上流側で
断線する。そのため、モニタ電圧の一回の低電圧連続時
間TLOが0.7秒以上となり、デフロックランプ134
が点滅させられる。しかし、第1副信号線146とブレ
ーキECU30とが遮断されているため、ブレーキEC
U30への入力電圧は低電圧状態LOであり続けるが、
0.3秒以上低電圧状態LOであるという条件が成立す
るため、アンチロック制御が禁止される。
【0147】位置P3 で断線が発生した場合には、モニ
タ電圧の一回の低電圧連続時間TLOが0.7秒以上とな
り、デフロックランプ134が点滅させられる。また、
この場合には、第1副信号線146が主信号線140の
一部を経て第2副信号線150と導通するため、ブレー
キECU30への入力電圧の一回の低電圧連続時間T LO
が0.7秒以上となり、0.3秒以上低電圧状態LOで
あるという条件が成立するため、アンチロック制御が禁
止される。
【0148】位置P4 で断線が発生した場合には、デフ
ECU120から見れば、断線なしの場合と等価である
ため、デフロックランプ134の一回の連続点灯時間が
0.7秒となり、ブレーキECU30への入力電圧の一
回の低電圧連続時間TLOが0.7秒となる。バッテリ1
36とブレーキECU30とは遮断されているため、ブ
レーキECU30への入力電圧は低電圧状態LOであり
続け、0.3秒以上低電圧状態LOであるという条件が
成立するため、アンチロック制御が禁止される。
【0149】位置P5 で断線が発生した場合には、デフ
ロックランプ134とトランジスタ148とが遮断され
るため、デフロックランプ134が消灯し続けられる。
また、バッテリ136とブレーキECU30とが導通す
るため、入力電圧の一回の高電圧連続時間THIが0.5
秒以上となり、アンチロック制御が許可される。
【0150】次に、第4の制御状態または第5の制御
状態でリヤデフ56がロック状態にあってデフロック
検出スイッチ142がONの状態を図17に基づいて説
明する。
【0151】まず、断線が発生しない場合を説明する。
この場合には、デフロックランプ134が点灯し続け、
ブレーキECU30への入力電圧の一回の低電圧連続時
間T LOが0.7秒となり、0.3秒以上という条件が成
立するため、アンチロック制御が禁止される。
【0152】次に、断線が発生した場合を説明する。
【0153】位置P1 で断線が発生した場合には、主信
号線140が第1副信号線146との接続点より上流側
で、かつ、第2副信号線150との接続点より上流側で
断線する。そのため、バッテリ136とブレーキECU
30とが遮断され、ブレーキECU30への入力電圧は
低電圧状態LOであり続け、0.3秒以上低電圧状態L
Oであるという条件が成立するため、アンチロック制御
が禁止される。
【0154】位置P2 で断線が発生した場合には、主信
号線140が第1副信号線146との接続点より下流側
で、かつ、第2副信号線150との接続点より上流側で
断線する。そのため、モニタ電圧の一回の低電圧連続時
間TLOが0.7秒以上となり、デフロックランプ134
が点滅させられる。しかし、第1副信号線146とブレ
ーキECU30とが遮断されているため、ブレーキEC
U30への入力電圧は低電圧状態LOであり続けるが、
0.3秒以上低電圧状態LOであるという条件が成立す
るため、アンチロック制御が禁止される。
【0155】位置P3 で断線が発生した場合には、モニ
タ電圧の一回の低電圧連続時間TLOが0.7秒以上とな
り、デフロックランプ134が点滅させられる。また、
この場合には、第1副信号線146が主信号線140の
一部を経て第2副信号線150と導通するため、ブレー
キECU30への入力電圧の一回の低電圧連続時間T LO
が0.7秒以上となり、0.3秒以上低電圧状態LOで
あるという条件が成立するため、アンチロック制御が禁
止される。
【0156】位置P4 で断線が発生した場合には、デフ
ECU120から見れば、断線なしの場合と等価である
ため、デフロックランプ134の一回の連続点灯時間が
0.7秒となり、ブレーキECU30への入力電圧の一
回の低電圧連続時間TLOが0.7秒となる。バッテリ1
36とブレーキECU30とは遮断されているため、ブ
レーキECU30への入力電圧は低電圧状態LOであり
続け、0.3秒以上低電圧状態LOであるという条件が
成立するため、アンチロック制御が禁止される。
【0157】位置P5 で断線が発生した場合には、デフ
ロックランプ134とトランジスタ148とが遮断され
るため、デフロックランプ134が点灯し続けられる。
また、バッテリ136とブレーキECU30とが導通す
るため、入力電圧の一回の低電圧連続時間THIが0.3
秒以上となり、アンチロック制御が禁止される。
【0158】以上の説明から明らかなように、図11,
図16および図17に示すように、第2の制御状態と
第3の制御状態と第4の制御状態(ただし、過渡期
にあるかまたは位置P3 において断線が発生した場合)
と第5の制御状態(ただし、過渡期にあるかまたは位
置P3 において断線が発生した場合)とにはいずれも、
ブレーキECU30への入力電圧がON状態とOFF状
態とを交互に繰り返されることとなるが、第2の制御状
態および第3の制御状態と、第4の制御状態(た
だし、過渡期にあるかまたは位置P3 において断線が発
生した場合)および第5の制御状態(ただし、過渡期
にあるかまたは位置P3 において断線が発生した場合)
とで、ON/OFFの間隔が互いに異ならせられてお
り、区別可能とされている。そのため、第2の制御状態
および第3の制御状態では、予定通り、アンチロッ
ク制御が許可され、これに対し、第4の制御状態(た
だし、過渡期にあるかまたは位置P3 において断線が発
生した場合)および第5の制御状態(ただし、過渡期
にあるかまたは位置P3 において断線が発生した場合)
では、予定通り、アンチロック制御が禁止されることと
なる。
【0159】したがって、本実施形態によれば、アンチ
ロック制御の許否判定がリヤデフ制御との関係において
適正に行われ、必要なアンチロック制御が実行されない
ことも不要なアンチロック制御が実行されてしまうこと
もなくなるという効果が得られる。
【0160】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、デフECU120のうち、図9のデフロ
ックランプ駆動ルーチンを実行する部分と、図10の選
択規則を記憶して読み出す部分と、ブレーキECU30
のうち、図12の制御許否判定ルーチンを実行する部分
とが、各請求項の発明における「通常回転制御実行適否
判定手段」の一例を構成しているのである。また、ブレ
ーキECU30のうち、図14のS84を実行する部分
が、請求項5の発明における「通常制御実行禁止手段」
の一例を構成しているのである。
【0161】なお付言すれば、本実施形態においては、
リヤデフ56が過渡期にある場合と主信号線140に位
置P3 において断線がある場合とを区別することなく、
それらの場合の少なくとも一方に該当すれば、アンチロ
ック制御が一律に禁止されるようになっている。これ
は、アンチロック制御の許否判定のためには、それら2
つの場合をあえて区別する必要がないからである。ただ
し、区別する必要がある場合には、以下の形態で本発明
を実施することが可能である。
【0162】例えば、車両の一回の連続走行時間が設定
値以上であって、ドッグクラッチ87のかみ合い遅れが
発生することはないと予想される時期に、モニタ電圧が
高電圧状態HIである場合には、主信号線140に位置
3 において断線があると判定することができる。
【0163】また、主信号線140に位置P3 において
断線が発生したか否かを判定する手段を別に設け、その
別の判定手段が主信号線140に位置P3 において断線
が発生しないと判定した時期に、モニタ電圧が高電圧状
態HIである場合には、リヤデフ56が過渡期にあると
判定することができる。
【0164】以上、本発明の実施形態を図面に基づいて
具体的に説明したが、この他にも特許請求の範囲を逸脱
することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改
良を施した形態で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である車両制御システムであ
ってアンチロック制御装置と差動制御装置とを含むもの
のうちのアンチロック制御装置とそのアンチロック制御
装置によって作動させられるアンチロック型ブレーキシ
ステムを示す系統図である。
【図2】上記アンチロック制御装置と差動制御装置との
それぞれの電気的な構成を示すとともに、両者の接続関
係を示す電気回路図である。
【図3】その差動制御装置の電気的な構成を示すブロッ
ク図であるとともに、その差動制御装置が搭載される車
両を示す平面図である。
【図4】図3におけるリヤデフ56の構造の詳細を示す
正面断面図である。
【図5】上記差動制御装置による制御の内容と共に、デ
フの状態とアンチロック制御の許否との関係を表形式で
説明する図である。
【図6】その差動制御装置において実行されるデフアク
チュエータ駆動ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明者が本発明に先立って提案した、前記差
動制御装置においてトランジスタおよびデフロックラン
プの駆動パターンが選択される規則を表形式で説明する
図である。
【図8】図7の選択規則を採用する場合に生じる問題を
表形式で説明する図である。
【図9】前記差動制御装置におけるデフロックランプ駆
動ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図7の選択規則を採用する場合に生じる問題
を解決する選択規則を表形式で説明する図である。
【図11】前記差動制御装置による制御の内容と共に、
デフの状態とアンチロック制御の許否との関係を表形式
で説明する図である。
【図12】前記アンチロック制御装置における制御許否
判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】そのアンチロック制御装置におけるABS作
動禁止ランプ駆動ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図14】そのアンチロック制御装置におけるアンチロ
ック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図7の選択規則を採用する場合に生じる問題
が図10の選択規則を採用することによって解決される
ことを表形式で説明する図である。
【図16】本実施形態におけるアンチロック制御の許否
判定の内容と断線の有無および断線位置との関係を表形
式で説明する図である。
【図17】本実施形態におけるアンチロック制御の許否
判定の内容と断線の有無および断線位置との関係を表形
式で説明する図である。
【符号の説明】
30 ブレーキECU 62 L4検出スイッチ 94 デフアクチュエータ 110 デフロック切換スイッチ 112 車速センサ 120 デフECU 134 デフロックランプ 142 デフロック検出スイッチ 148 トランジスタ 150 モニタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 運転者からの指令を入力する指令入力
    手段,(b) 車両の状態を検出する車両状態検出手段,
    (c) 前記車両において差動装置により互いに連結された
    複数の車輪の差動状態を制御するアクチュエータ,およ
    び(d) 前記指令入力手段および車両状態検出手段からの
    信号に基づき、前記アクチュエータを介して前記複数の
    車輪の差動状態を制御するコントローラを含む差動制御
    装置と、 前記複数の車輪の回転状態を制御する回転制御装置とを
    含む車両制御システムにおいて、 前記差動装置の差動状態を検出する差動状態検出手段
    と、 その差動状態検出手段からの信号と前記指令入力手段お
    よび車両状態検出手段からの信号とに基づき、前記回転
    制御装置が前記複数の車輪の回転状態を通常の規則に従
    って制御する通常回転制御を実行することが適当である
    か否かを判定する通常回転制御実行適否判定手段とを設
    けたことを特徴とする車両制御システム。
  2. 【請求項2】請求項1の車両制御システムであって、前
    記差動制御装置が、前記差動装置を少なくとも、前記複
    数の車輪の差動を実質的に完全に阻止するロック状態と
    複数の車輪の差動を実質的に完全に許容するフリー状態
    との2状態に制御可能であり、運転者から前記指令入力
    手段を介して択一的に入力されるフリー状態移行指令と
    ロック状態移行指令とに応じて前記差動装置の差動状態
    を制御するとともに、前記車両の状態が予め定められた
    条件を満たす場合には、運転者からロック状態移行指令
    が発せられてもロック状態への移行を禁止するものであ
    り、かつ、前記通常回転制御実行適否判定手段が、前記
    差動状態検出手段,指令入力手段および車両状態検出手
    段からの信号に基づき、運転者からロック状態移行指令
    が発せられたにもかかわらず前記差動装置がフリー状態
    にある場合には、前記通常回転制御の実行が適当である
    と判定するものである車両制御システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2の車両制御システムであ
    って、前記差動制御装置が、前記差動装置を少なくと
    も、前記複数の車輪の差動を実質的に完全に阻止するロ
    ック状態と複数の車輪の差動を実質的に完全に許容する
    フリー状態との2状態に制御可能であり、かつ、前記通
    常回転制御実行適否判定手段が、前記差動状態検出手
    段,指令入力手段および車両状態検出手段からの信号に
    基づき、前記差動装置が現在フリー状態にあるがやがて
    ロック状態に移行する過渡期にある可能性がある場合に
    は、前記通常回転制御の実行が不適当であると判定する
    ものである車両制御システム。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかの車両制御シ
    ステムであって、さらに、前記差動状態検出手段と信号
    線により接続され、差動状態検出手段からその信号線を
    経て供給された信号をモニタするモニタを含み、かつ、
    前記通常回転制御実行適否判定手段が、そのモニタから
    の信号と前記車両状態検出手段および指令入力手段から
    の信号とに基づき、前記信号線に断線が発生した可能性
    がある場合には、前記通常回転制御の実行が不適当であ
    ると判定するものである車両制御システム。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかの車両制御シ
    ステムであって、さらに、前記通常回転制御実行適否判
    定手段により前記通常回転制御の実行が不適当であると
    判定された場合には、前記差動制御装置が通常の規則に
    従って前記複数の車輪の差動状態を制御する通常差動制
    御と前記回転制御装置による通常回転制御との少なくと
    も一方を禁止する通常制御実行禁止手段を含む車両制御
    システム。
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