JPH09126923A - 半導体圧力センサ - Google Patents

半導体圧力センサ

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Publication number
JPH09126923A
JPH09126923A JP28702495A JP28702495A JPH09126923A JP H09126923 A JPH09126923 A JP H09126923A JP 28702495 A JP28702495 A JP 28702495A JP 28702495 A JP28702495 A JP 28702495A JP H09126923 A JPH09126923 A JP H09126923A
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JP
Japan
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fixing member
supporting member
fixing
pressure sensor
semiconductor pressure
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Pending
Application number
JP28702495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Aoki
賢一 青木
Yukio Takahashi
幸夫 高橋
Tamio Ishihara
民雄 石原
Tomoyuki Hida
朋之 飛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゼロ点のシフトが小さく、温度影響,静圧影響
の優れた、安価で信頼性の高い半導体圧力センサを提供
する。 【解決手段】センサ基板1と貫通孔7を有した支持部材
2を陽極接合し、中央部に突起9bを形成した丸形の固
定部9aを設けた固定部材9と接合層8を介して低温で
接合した半導体圧力センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体圧力センサに
係り、特にゼロ点温度特性に優れ、温度ヒステリシスが
小さく、低感度出力時にもS/N比の良い安定した信号
が得られるようにした半導体圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平3−324226 号公報に開示されるよ
うに、従来から知られている半導体圧力センサは、その
両面にかかる圧力差に応動するダイアフラムを使用して
いる。このダイアフラムは、その一方の表面に配置され
た応力センサを持つ単結晶半導体基板からなるセンサ基
板で構成される。そして、この目的に広く使用される応
力センサはピエゾ抵抗特性を示し、これによって応力セ
ンサの抵抗はセンサ基板内の応力が変化する時、センサ
によって経験される応力と共に変化する。また、ダイア
フラムを形成するために、センサ基板の他方の表面内に
円形空洞が形成される。そして、センサ基板の他方の表
面に支持部材あるいは固定部材を接合している。
【0003】通常、円形の薄肉ダイアフラムを有する正
方形の単結晶半導体基板からなるセンサ基板が使用され
ている。これは、このような正方形のセンサ基板の多く
は、結晶ウエハの切断もしくはスライスで容易に得られ
ることによる。また、チップを支持部材に接合する場合
には、センサ基板と熱膨張係数の等しい材料を用いてい
るが、この支持部材もウエハに穴を開け、半導体(シリ
コン)ウエハと接着した後に切断して得ていることによ
る。そして、接着部分は肉厚部全体を支持部材と接合し
ている。さらに、支持部材を固定するために支持部材と
同じ形状あるいはそれ以上面積の固定部をもった固定部
材を接合する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体圧力セン
サでは、固定部材と支持部材との接合領域の形状がダイ
アフラムの形状と対称性を持たない。さらに、固定部材
においては、固定部が支持部材と同じ形状の四角形とな
り、その角部ではその材料加工度によって熱膨張係数の
不均一が生じる。これにより、半導体圧力センサの雰囲
気温度が変化した際に、ダイアフラムに熱歪が発生す
る。また、応力自身が発熱するための温度不均一が、セ
ンサ自身のオフセット電圧を変化させる。さらに、静圧
(ダイアフラムの両面で共通の圧力)が変化する際に、
ゼロシフトという内容の誤ったあるいは偽りの信号を発
生させる。そして、このゼロシフト現象のために、高精
度が要求される差圧力の測定では電気信号の補償が必要
となってしまう。
【0005】本発明の目的は、静圧変化時の応力,温度
変化時の応力を緩和させ、さらに、ゼロシフト量の少な
いしかも高感度で高精度な差圧力測定を行うことが可能
で、信頼性の高い半導体圧力センサを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は固定部材にセンサ基板の径と同じかそれ以
下の径の丸形の固定部を設け、固定部の中央には支持部
材との位置合せあるいは接合のための突起を形成する。
貫通孔を有する支持部材はダイアフラムを形成したセン
サ基板に陽極接合する。また、圧力センサを大量に形成
できるよう、センサ基板、支持部材には、それぞれ複数
個の感歪ゲージ素子、貫通孔を設けウエハ状態に形成し
ておく。固定部材と支持部材の接合には、低融点ガラス
等により容易に複数個のセンサを一括して接合できるよ
うにする。
【0007】本発明による半導体圧力センサでは、固定
部材に丸形の固定部を設けるので、固定部材の形成が容
易となる。また、丸形の固定部であるので材料の加工度
の不均一、すなわち、熱膨張係数の不均一が固定部には
発生しない。さらに固定部材に突起を設けるので支持部
材との位置合せが容易となる。固定部材と支持部材の接
合には、低融点ガラス等により容易に複数個のセンサを
一括して接合できるので、作業時間が削減でき作業性が
向上する。さらに、支持部材の接合部分の面積の縮小化
ならびに対称性,熱膨張係数が均一となることにより、
温度や静圧の変化に起因する応力の変化が、ダイアフラ
ム上の応力センサへ与える影響が少なくなり、これによ
って温度や静圧の変化に起因するゼロシフト信号は最小
となる。また、センサ基板は支持部材と陽極接合される
ので接合部の信頼性が向上する。さらに、センサ基板、
支持部材をウエハ状態に形成することで一度に大量の圧
力センサが形成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。
【0009】図1は本発明の半導体圧力センサの実施例
を示す断面図である。
【0010】1は感歪ゲージ素子4を形成したセンサ基
板、2は後に圧力等入口となる貫通孔7を有した支持部
材である。また、8は固定部材9との接合層となる。固
定部材9は貫通孔9cを有し固定部9bにより支持部材
2を保持する。突起9aは貫通孔7の内部に配置されて
いる。
【0011】センサ基板1の表面にはダイアフラム3の
周辺に感歪ゲージ素子4を4個配設して、ダイアフラム
3にかかる応力を感知するようにしている。この感歪ゲ
ージ素子4は例えば、イオン打込や熱拡散により、不純
物をドーピングして形成する。また、この感歪ゲージ素
子4はピエゾ抵抗特性を示し、その抵抗はセンサが経験
する応力によって変化する。さらに、感歪ゲージ素子4
を配設した表面と反対側の面内には円形または多角形の
空洞5を形成している。
【0012】一方、支持部材2はその中央部付近に円形
の圧力導入口7を有しており、感歪ゲージ素子4を配設
した表面の反対側の面に接続している。ここで、センサ
基板1は圧力センサとしての特性を維持するために、支
持部材2によって保持される。支持部材2には圧力セン
サ自身の特性に影響を与えないように、センサ基板1と
同じか、または近似した熱膨張係数を持つ材料で、なお
かつ、センサ基板1と電気的絶縁を保つために絶縁材料
を用いる。これらのセンサ基板1と、支持部材2を所定
の位置に会わせ、陽極接合を行う。接合されたセンサ基
板1と支持部材2は機械的に強固に接合されるので、信
頼性が向上する効果を持つ。
【0013】また、固定部材9には、接合層8を介して
支持部材2と接合される接合面として固定部9aを形成
する。ここで、固定部9aの形状はセンサ基板1の径と
同じかそれ以下の径の丸形とする。丸形とすることで、
固定部材9の形成は容易となり加工性が向上し、固定部
9a内の加工度を均一にできるので熱膨張係数のばらつ
きを生じない。固定部9aの中央部には、支持部材2の
貫通孔7の内部に配置される突起9bを設ける。突起9
bは貫通孔7をガイドとして支持部材2と固定部材9の
位置を確定する。これにより支持部材2と固定部材9の
位置ずれが無くなり後の組立工程での作業性,歩留りが
高くなる。支持部材2と同様に固定部材9、また、接合
層8の材料にはセンサ基板1と同じか、または近似した
熱膨張係数を持つ材料を用いるので、温度変化による材
料の歪をセンサ基板1に与えない。さらに、固定部9a
の径を小径化することで接合歪を最小に抑えることがで
きる。
【0014】次に、図2により第二の実施例について説
明する。
【0015】図1の実施例と同様に、1は感歪ゲージ素
子4を形成したセンサ基板、2は後に圧力等入口となる
貫通孔7を有した第一の支持部材である。6もまた、後
に圧力等入口となる貫通孔6aを有した第二の支持部材
である。また、8は固定部材9との接合層となる。固定
部材9は貫通孔9cを有し固定部9bにより第二の支持
部材6を保持する。突起9aは貫通孔6aの内部に配置
されている。
【0016】センサ基板1の表面には、ダイアフラム3
の周辺に感歪ゲージ素子4を4個配設して、ダイアフラ
ム3にかかる応力を感知するようにしている。この感歪
ゲージ素子4は例えば、イオン打込や熱拡散により、不
純物をドーピングして形成する。また、この感歪ゲージ
素子4はピエゾ抵抗特性を示し、その抵抗はセンサが経
験する応力によって変化する。さらに、感歪ゲージ素子
4を配設した表面と反対側の面内には、円形または多角
形の空洞5を形成している。
【0017】一方、第一の支持部材2と第二の支持部材
6はその中央部付近に円形の圧力導入口7,6aをそれ
ぞれ有しており、感歪ゲージ素子4を配設した表面の反
対側の面に接続している。ここで、センサ基板1は圧力
センサとしての特性を維持するために、第一の支持部材
2と第二の支持部材6によって保持される。第一の支持
部材2には圧力センサ自身の特性に影響を与えないよう
に、センサ基板1と同じか、または、近似した熱膨張係
数を持つ材料で、なおかつ、センサ基板1と電気的絶縁
を保つために絶縁材料を用いる。第二の支持部材6には
センサ基板1と同じ材料を用いる。これらのセンサ基板
1と、第一の支持部材2と第二の支持部材6を所定の位
置に合わせ、陽極接合を行う。接合されたセンサ基板1
と第一の支持部材2と第二の支持部材6は機械的に強固
に接合されるので、信頼性が向上する効果を持つ。ま
た、センサ基板1と第一の支持部材2とのヤング率の差
を、第二の支持部材6を接合することによりキャンセル
することができるのでセンサのゼロ点の静圧影響を最小
にすることができる。
【0018】また、固定部材9には、接合層8を介して
支持部材2と接合される接合面として固定部9aを形成
する。ここで、固定部9aの形状はセンサ基板1の径と
同じかそれ以下の径の丸形とする。丸形とすることで、
固定部材9の形成は容易となり加工性が向上し、固定部
9a内の加工度を均一にできるので熱膨張係数のばらつ
きを生じない。固定部9aの中央部には、支持部材2の
貫通孔7の内部に配置される突起9bを設ける。突起9
bは貫通孔7をガイドとして支持部材2と固定部材9の
位置を確定する。これにより支持部材2と固定部材9の
位置ずれが無くなり後の組立工程での作業性,歩留りが
高くなる。支持部材2と同様に固定部材9、また、接合
層8の材料にはセンサ基板1と同じか、または近似した
熱膨張係数を持つ材料を用いるので、温度変化による材
料の歪をセンサ基板1に与えない。さらに、固定部9a
の径を小径化することで接合歪を最小に抑えることがで
きる。
【0019】図3,図4により第三,第四の実施例につ
いて説明する。
【0020】図3,図4の実施例共に、図1,図2の実
施例とセンサチップの構成は同じで、1はセンサ基板、
2は第一の支持部材である。6は第二の支持部材であ
る。ここで、9は固定部材であるが、貫通孔9cを有す
る突起9aはその突起9aの側面で支持部材2あるいは
第二の支持部材6を、接合層8を介して固定する構成を
とる。
【0021】接合層8に関して考慮した場合、例えば、
接合層8を低融点ガラス等のガラス材にした場合は図
1,図2の実施例のような構成をとると、センサ基板1
の表面(感歪ゲージ素子4の形成された面)と裏面に加
えられる圧力差が裏面側が大きいとき、接合層8には引
張応力が加わる。一般に、ガラス材は引張応力が加わっ
たときに破壊が起きる。このため、図1,図2の実施例
のような構成をとる場合には接合層8と固定部9aとの
接合面積を、センサ基板1の表面と裏面に加えられる圧
力差に対して十分な強度を持つ様に選択しておく必要が
ある。ただしこの場合、接合面積と圧力差の関係を十分
に把握しておけばまったく問題は無い。図3,図4の実
施例の様に、固定部材9の突起9aの側面に接合層8を
設ける構成のとき、センサ基板1の表面と裏面に加えら
れる圧力差により接合層8には剪断応力が加わる。一般
に、ガラス材は引張応力に対しては弱いが、剪断応力や
圧縮応力に対しては十分な強度を持つ。このため、図
3,図4の実施例の様に固定部材9の突起9aの側面に
接合層8を設ければ、より信頼性の高い半導体圧力セン
サが得られる。
【0022】次に、上記のように構成した、センサ基板
1,支持部材2,第二の支持部材6をウエハ状態に形成
した場合の実施例について図5,図6,図7,図8によ
り説明する。
【0023】11は感歪ゲージ素子4を複数個形成した
ウエハ、22は貫通孔7を複数個形成したウエハ、66
は貫通孔6aを複数個形成したウエハである。これらを
エッチング、陽極接合という工程を取りセンサを製作す
る。センサ基板1がウエハ状態になることで、センサ基
板1のウエハ11のエッチングにより、一度に多数のダ
イアフラム3が容易に加工できるので、さらに作業性が
向上する。これを支持部材2のウエハ22と陽極接合、
または、第一の支持部材2のウエハ22と第二の支持部
材6のウエハ66と陽極接合すれば、均一な特性を持っ
た半導体圧力センサができる。後にダイサーやワイヤソ
ーなどでさいの目状に切り出すことで、大量に複数個の
圧力センサを歩留りが高く安価に製作することができ
る。切り出したチップをそれぞれ接合層8により固定部
材9と接合することで、容易に大量にセンサを製作する
ことができる。
【0024】より詳細に説明すると、センサ基板1のウ
エハ11の材料は半導体プロセスを利用できるシリコン
を用いる。半導体プロセスの利点を生かし、センサ基板
1のウエハ11の表面には、複数個の感歪ゲージ素子4
を設ける。その反対側の面には、ダイアフラム3を形成
するためのエッチングマスクを設ける。エッチングマス
クはSiO2 膜や、SiN膜などであらかじめ設けてお
く。この面の露出したSiをエッチングにより加工す
る。エッチング加工による場合、例えば、異方性エッチ
ングによれば、深い加工を高速にかつ高精度に実施でき
るので、ダイアフラム3の厚さのばらつきを押さえるこ
とが可能となり、歩留りの向上が図れる。また、等方性
エッチングによればダイアフラム3のコーナ部に丸みが
できるので、センサ耐圧向上を図ることができる。支持
部材2のウエハ22の材料には、シリコンと近似した熱
膨張係数を持つ硼珪酸ガラスを用いる。また、第二の支
持部材6のウエハ66にはセンサ基板1のウエハ11と
同じくシリコンを用いる。これらの接合には陽極接合を
用いる。陽極接合による場合、センサ基板1のウエハ1
1と支持部材2のウエハ22と第二の支持部材6のウエ
ハ66を重ね合わせてセッティングし、センサ基板1の
ウエハ11、第二の支持部材6のウエハ66を直流高電
圧の正極、支持部材2のウエハ22を同負極にそれぞれ
接合する。これを高温雰囲気中、例えば、250〜40
0℃で、高電圧、例えば、500 〜1500Vの電圧を印加す
ると、支持部材2のウエハ22の材料である硼珪酸ガラ
ス中の酸化ナトリウム(Na2O)が、2Na+,O2 -
電離し、各々陰極,陽極に移動する。陽極側に移動した
2 -はセンサ基板1のウエハ11の材料であるシリコン
(Si)と結合してシリコン酸化膜を生成し、センサ基
板1のウエハ11と支持部材2のウエハ22と第二の支
持部材6のウエハ66を強固に結合する。陰極側には、
Naが析出される。陽極接合による場合、接合部は均一
にしかも気密に接合できるので、信頼性の高い圧力セン
サを歩留り良く製作できる。固定部材9の材料にも、シ
リコンと近似した熱膨張係数を持つセラミックスやFe
−Ni系の合金を用いる。これらの材料は成形が容易で
あるため製作性に富み、安価に製作できる。固定部材9
の支持部材2または第二の支持部材6との接合面すなわ
ち固定部9aの表面または突起9bの側面には接合層8
を有する。この接合層8は固定部9aの表面または突起
9bの側面を低融点ガラス等の酸化物ソルダーでグレイ
ズ化して形成するか、低融点ガラス等の酸化物ソルダー
そのものをプリフォーム化して形成し、それらをチップ
と重ねあわせて接合する。あるいは、Au−Si合金層
又はAuの薄膜をスパッタ法あるいは蒸着法により形成
することができる。さらに、有機質もしくは無機質のソ
ルダーでも形成できる。この接合層8を固定部9aの表
面または突起9bの側面に直接設けるかあるいはプリフ
ォーム化してチップと重ねあわせることで、支持部材2
または第二の支持部材6を、低温で容易に接合できるの
で接合歪の影響を極力低減できる。
【0025】このように構成した半導体圧力センサで
は、固定部材9に丸形の固定部9aを設けるので、固定
部材9の形成が容易となる。また、丸形の固定部9aで
あるので材料の加工度の不均一、すなわち、熱膨張係数
の不均一が固定部9aには発生しない。すなわち、支持
部材の接合部分の面積の縮小化ならびに対称性、熱膨張
係数が均一となることにより、温度や静圧の変化に起因
する応力の変化が、ダイアフラム上の応力センサへ与え
る影響が少なくなり、これによって温度や静圧の変化に
起因するゼロシフト信号は最小とすることができる。ま
た、固定部9aと支持部材2または第二の支持部材6と
の接合面積を、固定部9a側のパターニングで最適な面
積にすることができる。また、固定部9aの中央部には
突起9bを設けることで貫通孔7または6aとの位置合
せが容易となり位置がなく接合できる。このため、後の
組立工程の歩留まりが向上しコスト削減に寄与できる。
固定部材と支持部材の接合には、低融点ガラス等により
容易に複数個のセンサを一括して接合できるので、作業
時間が削減でき作業性が向上する。さらに、センサ基板
1と支持部材2と第二の支持部材6との接合方法とし
て、陽極接合という極めて接着強度の強い方法を用いて
いるため、センサ基板1を確実に固定することができ
る。さらにまた、陽極接合がウェハ間で行われているた
め、個々の半導体圧力センサの接合部は均一に接合さ
れ、ダイシング後の個々の半導体圧力センサの接合部は
全体に渡って均一とすることができ、しかも気密封止の
歩留りも良くなる。
【0026】すなわち、より詳細に説明すると、丸形の
固定部9aにより材料の加工度の不均一、すなわち、熱
膨張係数の不均一を非常に小さくでき、かつ、最適な接
合面積を得られるので、温度及び静圧が変化した際に熱
歪みが円形または多角形ダイアフラム3にほとんど影響
しない。これによりゼロシフト量が減少する。また、熱
応力の発生も少なく、かつ、センサ基板1,支持部材2
または第二の支持部材6と固定部材9の材料の差が少な
いので、静圧変化での応力発生も緩和される。これによ
りゼロシフト特性も改善することができる。さらに、過
大圧による接着部の強度は、ダイアフラム3が破壊する
まで持つように固定部9aの面積を決めておけば、ごく
少ない接合面積、すなわちごく少ない面積の固定部9a
を設けることができる。突起9bの側面に接合層8を設
ければ、過大圧が加わっても接合層8には引張応力が発
生しないので接着部の強度が向上しさらに信頼性が高く
なる。さらにまた、ウエハ間接合が可能であるので、ア
センブリ工程を簡略化することができる。以上のような
工程は半導体プロセス工程の利点を生かしたもので、信
頼性の向上,低価格化に寄与することができる。
【0027】本実施例の半導体圧力センサでは、突起9
bを形成した丸形の固定部9aにより固定部9aの面内
の熱膨張係数を均一とし、かつ、接合部を少なくし、さ
らに、陽極接合による接合をウェハ間で行うようにして
いるので、静圧変化時の応力,温度変化時の応力を緩和
させることができ、低コストでゼロシフト量の少ないか
つ均一な特性を持たせることが可能となる。さらに、難
しい電気信号の補償回路を必要としたゼロシフト特性が
改善できるので、より高感度で高精度な差圧力測定を行
うことが可能となる。
【0028】このように構成した半導体圧力センサを、
図9に示すような気密端子30aを複数本持ったハウジ
ングに接合部30cを介して固定部材9を固定しセンサ
基板1を中空に浮かせる様な構成とし、アルミや金線等
の接続線30dでワイヤボンディングすれば、接合の影
響を全く受けずに高精度に差圧や圧力を検出するセンサ
アセンブリが提供できる。さらに、このセンサアセンブ
リを差圧,圧力伝送器やその他の圧力計をに組込めば、
高精度の差圧,圧力伝送器やその他の圧力計が容易に完
成できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば次の効果を奏する。すな
わち、固定部材に、突起とセンサ基板の各辺と同じかそ
れ以下の径の丸形の固定部を設けるようにしたので、固
定部材の形成は容易となり加工性が向上し、固定部内の
加工度を均一にできるので熱膨張係数のばらつきを生じ
ない。突起は貫通孔をガイドとして支持部材と固定部材
の位置を確定するので、位置ずれが無くなり後の組立工
程での作業性、歩留りが高くなる。支持部材と同様に固
定部材、また、接合層の材料には、センサ基板と同じ
か、または、近似した熱膨張係数を持つ材料を用いるの
で、温度変化による材料の歪をセンサ基板に与えない。
さらに、固定部の径を小径化することで接合歪を最小に
抑えることができる。このため、静圧変化時の応力、温
度変化時の応力を緩和させることができると共に、ゼロ
シフト量の少ないしかも高感度で高精度な差圧力測定を
行うことが可能で安価な極めて信頼性の高い半導体圧力
センサが提供できる。
【0030】さらにセンサ基板と第一の支持部材と第二
の支持部材を用いることで、それぞれの材料の持つヤン
グ率の差をキャンセルすることができるのでセンサのゼ
ロ点の静圧影響を最小にすることができる。
【0031】また、突起の側面に接合層を設けることで
センサ基板の表面と裏面に加えられる圧力差を剪断応力
として吸収できるため過大圧に対して十分な強度を持つ
ことができる。これにより、より信頼性の高い半導体圧
力センサが得ることができる。
【0032】さらに、センサ基板と支持部材の接合部は
陽極接合によるので、接合面は均一で気密な接合面にな
るため信頼性の高い圧力センサが得られる。これら、セ
ンサ基板と支持部材をウエハ状態に形成しておけば、歩
留り,信頼性の高い安価な圧力センサが大量に製造でき
る。また、センサ基板,支持部材と固定部材の材質を熱
膨張係数の近い材質を用いることで、センサへの温度影
響がさらに低減できる。
【0033】気密端子を持ったハウジングに固定部材を
固定しセンサ基板を中空に浮かせる様な構成とすれば、
接合の影響を全く受けずに高精度に差圧や圧力を検出す
るセンサアセンブリが提供できる。さらに、このセンサ
アセンブリを差圧,圧力伝送器やその他の圧力計に組込
めば、高精度の差圧,圧力伝送器やその他の圧力計が容
易に完成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の第二の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の第三の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第四の実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第五の実施例を示す説明図。
【図6】本発明の第六の実施例を示す説明図。
【図7】本発明の第七の実施例を示す説明図。
【図8】本発明の第八の実施例を示す説明図。
【図9】本発明の第九の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1…センサ基板、2…支持部材、3…ダイアフラム、4
…感歪ゲーシ素子、5…空洞、6a,7,9c…貫通
孔、8…接合層、9…固定部材、9a…固定部、9b…
突起。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛田 朋之 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差圧や圧力を検出する感歪ゲージ素子を有
    するセンサ基板と、貫通孔を有し前記センサ基板を支持
    する支持部材と、前記支持部材を固定する固定部材から
    成る半導体圧力センサにおいて、前記固定部材は、前記
    支持部材と接合される固定部の中央に突起を有し、前記
    固定部の径を前記センサ基板の径と同等かあるいはそれ
    以下の径の丸形とすることを特徴とする半導体圧力セン
    サ。
  2. 【請求項2】差圧や圧力を検出する感歪ゲージ素子を有
    するセンサ基板と、貫通孔を有し前記センサ基板を支持
    する第一の支持部材と、貫通孔を有し前記第一の支持部
    材をさらに支持する第二の支持部材と前記第二の支持部
    材を固定する固定部材から成る半導体圧力センサにおい
    て、前記固定部材は、前記第二の支持部材との接合され
    る固定部の中央に突起を有し、前記固定部の径を前記セ
    ンサ基板の径と同等かあるいはそれ以下の径の丸形とす
    ることを特徴とする半導体圧力センサ。
  3. 【請求項3】差圧や圧力を検出する感歪ゲージ素子を有
    するセンサ基板と、貫通孔を有し前記センサ基板を支持
    する支持部材と、前記支持部材を固定する固定部材から
    成る半導体圧力センサにおいて、前記固定部材は、前記
    支持部材と接する面の中央に突起を有し、前記突起の側
    面で前記支持部材を固定することを特徴とする半導体圧
    力センサ。
  4. 【請求項4】差圧や圧力を検出する感歪ゲージ素子を有
    するセンサ基板と、貫通孔を有し前記センサ基板を支持
    する第一の支持部材と、貫通孔を有し前記第一の支持部
    材をさらに支持する第二の支持部材と前記第二の支持部
    材を固定する固定部材から成る半導体圧力センサにおい
    て、前記固定部材は、前記第二の支持部材と接する面に
    突起を有し、前記突起の側面で前記第二の支持部材を固
    定することを特徴とする半導体圧力センサ。
  5. 【請求項5】請求項1または3において、前記センサ基
    板として、感歪ゲージ素子を複数個形成したウエハ、前
    記支持部材として、貫通孔と円環状の支持部を複数個形
    成したウエハを用い一括して陽極接合、その後に一括し
    て切断して複数個の圧力センサを得る半導体圧力センサ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2または4において、前記センサ基
    板として、感歪ゲージ素子を複数個形成したウエハ、前
    記第一の支持部材として、貫通孔を複数個形成したウエ
    ハ、前記第二の支持部材として、貫通孔を複数個形成し
    たウエハを用い一括して陽極接合、その後に一括して切
    断して複数個の圧力センサを得る半導体圧力センサの製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1,3または5において、前記セン
    サ基板の材質としてシリコン、前記支持部材の材質とし
    て硼珪酸ガラスを使用する半導体圧力センサ。
  8. 【請求項8】請求項2,4または6において、前記セン
    サ基板の材質としてシリコン、前記第一の支持部材の材
    質として硼珪酸ガラス、前記第二の支持部材の材質とし
    てシリコンを使用する半導体圧力センサ。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記固定部材をセラミ
    ックスとし、前記支持部材との接合面に、低融点ガラス
    等の酸化物ソルダーの接合層、または、Auの薄膜、A
    u−Si合金の薄膜の金属ソルダーの接合層を有し、前
    記固定部材と前記支持部材とが接合されている半導体圧
    力センサ。
  10. 【請求項10】請求項2において、前記固定部材をセラ
    ミックスとし、前記第二の支持部材との接合面に、低融
    点ガラス等の酸化物ソルダーの接合層、または、Auの
    薄膜、Au−Si合金の薄膜の金属ソルダーの接合層を
    有し、前記固定部材と前記第二の支持部材とが接合され
    ている半導体圧力センサ。
  11. 【請求項11】請求項1において、前記固定部材をFe
    −Ni系の合金とし、前記支持部材との接合面に、低融
    点ガラス等の酸化物ソルダーの接合層、または、Auの
    薄膜、Au−Si合金の薄膜の金属ソルダーの接合層を
    有し、前記固定部材と前記支持部材とが接合されている
    半導体圧力センサ。
  12. 【請求項12】請求項2において、前記固定部材をFe
    −Ni系の合金とし、前記第二の支持部材との接合面
    に、低融点ガラス等の酸化物ソルダーの接合層、また
    は、Auの薄膜、Au−Si合金の薄膜の金属ソルダー
    の接合層を有し、前記固定部材と前記第二の支持部材と
    が接合されている半導体圧力センサ。
  13. 【請求項13】請求項3において、前記固定部材をセラ
    ミックスとし、前記支持部材との接合面である前記固定
    部材の突起の側面に、低融点ガラス等の酸化物ソルダー
    の接合層、または、Auの薄膜,Au−Si合金の薄膜
    の金属ソルダーの接合層を有し、前記固定部材の突起の
    側面と前記支持部材とが接合されている半導体圧力セン
    サ。
  14. 【請求項14】請求項4において、前記固定部材をセラ
    ミックスとし、前記第二の支持部材との接合面である前
    記固定部材の突起の側面に、低融点ガラス等の酸化物ソ
    ルダーの接合層、または、Auの薄膜,Au−Si合金
    の薄膜の金属ソルダーの接合層を有し、前記固定部材の
    突起の側面と前記第二の支持部材とが接合されている半
    導体圧力センサ。
  15. 【請求項15】請求項3において、前記固定部材をFe
    −Ni系の合金とし、前記支持部材との接合面である前
    記固定部材の突起の側面に、低融点ガラス等の酸化物ソ
    ルダーの接合層、または、Auの薄膜、Au−Si合金
    の薄膜の金属ソルダーの接合層を有し、前記固定部材の
    突起の側面と前記支持部材とが接合されている半導体圧
    力センサ。
  16. 【請求項16】請求項4において、前記固定部材をFe
    −Ni系の合金とし、前記第二の支持部材との接合面で
    ある前記固定部材の突起の側面に、低融点ガラス等の酸
    化物ソルダーの接合層、または、Auの薄膜,Au−S
    i合金の薄膜の金属ソルダーの接合層を有し、前記固定
    部材の突起の側面と前記第二の支持部材とが接合されて
    いる半導体圧力センサ。
  17. 【請求項17】請求項1,2,3または4において、前
    記固定部材が気密端子を有するハウジングに固定されて
    いる半導体圧力センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010122883A1 (ja) * 2009-04-24 2010-10-28 京セラ株式会社 圧力センサ用パッケージ及びこれを用いた圧力センサ

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