JPH09122403A - ガス・液体混合物内に含まれる液体の分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離率が高いとともに僅かな所要空間しか必
要としないガス・液体混合物内に含まれる液体を分離す
る装置を提供する。 【解決手段】 分離された液体に対する流出開口１１を
備えた分離機ハウジング１の中にモータ２で駆動される
少なくとも一個の回転円板４が設けられ、ガス・液体混
合物が分離機ハウジング１の一方の端面６から回転円板
４に向けて導入され、回転円板４がガス・液体混合物の
衝突個所から半径方向に内側に位置する少なくとも一個
の貫流開口９を有し、分離機ハウジング１の他方の端面
１５にガス出口開口１６が設けられ、回転円板４の直径
が分離機ハウジング１の内径に関して、回転円板４の少
なくともその外周縁１０が分離機ハウジング１内に形成
されている液体リング８の中に漬かるように寸法づけら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガス・液体混合物
内に含まれる液体を分離するための分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の分離装置は例えば液体リングポ
ンプと関連して、この液体リングポンプから押し出され
るガス・液体混合物を純粋なガス成部と純粋な液体成分
とに分離するために必要とされている。例えばドイツ特
許出願公開第３４２１８６６号明細書から液体リングポ
ンプのハウジングに分離機ハウジングが設けられている
液体リングポンプ装置が知られている。この分離機ハウ
ジング内においてガス・液体混合物はそらせ板（デフレ
クタ）において数回転向され、ガスおよび液体の質量慣
性モーメントが異なっていることにより混合物がそらせ
板に衝突した際にガスと液体との分離が行われる。その
場合ガスは分離機ハウジングの上側に設けられた開口を
通して、液体は下側に設けられた開口を通してそれぞれ
排出される。高い分離率を達成するために混合物は数回
にわたって転向させられなければならない。このために
分離装置は非常に大きな所要空間を必要とする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、分離
率が高いとともに所要空間を僅かしか必要としない分離
装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によればこの課題
は、ガス・液体混合物内に含まれる液体を分離する装置
において、分離された液体に対する流出開口を備えた分
離機ハウジングの中にモータで駆動される少なくとも一
個の回転円板が設けられ、ガス・液体混合物が分離機ハ
ウジングの一方の端面から回転円板に向けて導入され、
回転円板がガス・液体混合物の衝突個所から半径方向に
内側に位置する少なくとも一個の貫流開口を有し、分離
機ハウジングの他方の端面にガス出口開口が設けられ、
回転円板の直径が分離機ハウジングの内径に関して、回
転円板の少なくともその外周縁が分離機ハウジング内に
形成されている液体リングの中に漬かるように寸法づけ
られることによって解決される。

【０００５】これによりガス・液体混合物が回転円板に
衝突した際に液体成分はそこから半径方向外側に振り飛
ばされ、分離機ハウジングの内周面に沿って回転する液
体リング内に集められる。回転円板はその外周縁が液体
リングの中に漬かっているので、分離機ハウジングがそ
の内周面でガスの貫流を遮断している。従ってガスは回
転円板に設けられた貫通開口を通ってしか分離機ハウジ
ングのガス出口開口まで貫流することができない。

【０００６】液体流出開口に可制御弁が後置接続されて
いると有利であり、それによって液体リングの形状を特
に分離過程の開始時に制御できる。可制御弁が液体リン
グの半径方向の厚さおよび／又は液体リング内にかかる
圧力に関係して制御されると有利である。

【０００７】少なくとももう一個の（第２の）回転円板
が第１の回転円板に対して軸方向に間隔を隔てて設けら
れ、第２の回転円板の貫通開口が第１の回転円板の貫通
開口に対して半径方向に内側に配置されることによっ
て、大きな経費を必要とせずに分離装置の分離率を高め
ることができる。この場合、第１の回転円板の貫通開口
を通って流出しなお液体成分を含むガスは第１の回転円
板に後置された第２の回転円板に向けて導かれ、そこで
分離過程がもう一度繰り返される。

【０００８】ガス・液体混合物が第１の回転円板に傾斜
角度をもって導入されると分離過程にとって有利であ
る。その場合ガス・液体混合物が第１の回転円板の回転
方向に導入されると、最大の分離効率が得られる。

【０００９】ガス出口開口が分離機ハウジングに取り付
けられた外側ハウジングに開口し、この外側ハウジング
に測地学的に上側にガス流出開口および測地学的に下側
に液体流出開口がそれぞれ設けられることによって更に
有効な分離作用が達成される。この外側ハウジング内に
おいて分離機ハウジングから流出するガス流がもう一度
転向される。場合によってこのガス流内になお含まれて
いる液体成分はその転向の際にガス流から分離される。

【００１０】外側ハウジングに分離機ハウジングのガス
出口開口から外側ハウジングのガス流出開口への途中に
少なくとも一個のそらせ板が設けられることによって、
ガス流内をなお一緒に運ばれる液体成分の分離を助長す
る多重転向が達成される。

【００１１】

【実施例】以下図に示した実施例を参照して本発明を詳
細に説明する。

【００１２】図において１は分離機のハウジングであ
る。この分離機ハウジング１に駆動モータ２がフランジ
結合されている。分離機ハウジング１の中に突出するモ
ータ軸３上に二個の回転円板４、５が固定配置されてい
る。ガス・液体混合物は駆動モータ１側のハウジング端
面６からノズル７を通して分離機ハウジング１の中に入
れられ、第１の回転円板４に突き当たる。その場合ガス
・液体混合物に含まれる液体成分は半径方向外側に振り
飛ばされ、分離機ハウジング１の内周面に沿って回転す
る液体リング８の中に集められる。分離機ハウジング１
へのノズル７の開口とほぼ一致しているガス・液体混合
物の回転円板４への衝突個所から半径方向内側に少なく
とも一個の貫通開口９が設けられている。複数個の貫通
開口９が円周方向に一様に分布して配置されていると有
利である。

【００１３】第２の回転円板５には第１の回転円板４の
貫通開口９より更に半径方向内側に貫通開口９が配置さ
れている。両回転円板４、５の貫通開口９の半径方向の
ずれは貫通開口９が半径方向に重ならないように選択さ
れている。これによってガス・液体混合物が第１の回転
円板４の貫通開口９から直接第２の回転円板５の貫通開
口９を通って貫流することが避けられる。これによりガ
ス・液体混合物は第１の回転円板４の貫通開口９の貫流
後に再び第２の回転円板５の面に衝突するので、ガス・
液体混合物内になお含まれている液体成分が第２の回転
円板５によって半径方向外側に液体リング８に向かって
振り飛ばされる。

【００１４】回転円板４、５の直径はそれらの円周縁１
０が液体リング８の中に漬かるように寸法づけられてい
る。分離機ハウジング１の下側の個所に流出開口１１が
設けられ、可制御弁１２を備えた流出配管１３がこの流
出開口１１に接続されている。可制御弁１２は液体リン
グ８内にかかる圧力に関係しておよび／又は液体リング
８の半径方向の厚さに関係して制御される。これによっ
て分離装置の運転中に回転円板４、５の外周縁１０が常
に液体リング８の中に漬かること、従って回転円板４、
５の外周縁１０と分離機ハウジング１の内壁との間にガ
スが分離器ハウジング１の反対側の端面１５に形成され
ているガス出口開口１６まで貫流することがないという
ことが保証される。ガスは出口開口１６に到達するため
には両回転円板４、５の貫通開口９を貫流しなければな
らない。

【００１５】既に液体成分から十分に解放されたガス流
はガス出口開口１６を通って分離機ハウジング１に設け
られた外側ハウジング１７の中に流入する。この外側ハ
ウジング１７は上側にガス流出開口１８を有し、分離機
ハウジング１のガス出口開口１６の下側に液体流出開口
１９を有している。更に外側ハウジング１７内には二個
のそらせ板２０が設けられており、これらのそらせ板２
０は半径方向には上下に互いに隔てられているが軸方向
には一部が重なっている。従ってガス流は分離機ハウジ
ング１の出口開口１６から外側ハウジング１７の上側に
設けられたガス流出開口１８までの途中において更に転
向が行われる。

【００１６】この再度の転向によって場合によってまだ
ガス流内に含まれている液体粒子の分離が達成される。
ここで分離された液体成分は外側ハウジング１７の下側
範囲に集められ、液体流出開口１９を通って外側ハウジ
ング１７から放出される。

【００１７】分離機ハウジング１には必ずしも外側ハウ
ジング１７を設ける必要はない。即ちガスは分離機ハウ
ジング１のガス出口開口１６から直接排出することもで
きる。

【００１８】また分離装置は必ずしも駆動モータ２を備
える必要はない。この装置をガス・液体混合物を発生す
る機械の駆動装置と連結することも可能である。分離装
置が例えば液体リングポンプに付設されているときに
は、回転円板４、５の駆動は液体リングポンプの駆動モ
ータで行うことができる。

【００１９】既に述べたようにガス・液体混合物が第１
の回転円板４に衝突すると、衝突した液体成分が遠心力
によって外側に液体リング８の中に振り飛ばされる。こ
の過程はもう一度第２の回転円板５において繰り返され
る。このようにして非常に高い分離率が得られ、またそ
の分離装置に対する所要空間は非常に小さい。分離装置
は分離率をもっと高めるために三個以上の回転円板４、
５を装備することもできる。その場合個々の回転円板に
設けられる貫通開口９は分離機の入口側から出口側に向
かって徐々に半径方向内側に軸に近づけて配置し、各回
転円板に貫通開口の半径方向の重なりが生じないように
配置しなければならない。

【００２０】ガス・液体混合物が第１の回転円板４に斜
めに衝突できるようにするために、図２の平面図に示さ
れているように、ノズル７はハウジング端面６に対して
角度αを成して取り付けられている。その角度αが４５
°であると特に有効であることが判明している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づく分離装置の断面図。

【図２】図１の分離装置の縮小平面図。

【符号の説明】

１ 分離機ハウジング ２ 駆動モータ ３ モータ軸 ４ 第１の回転円板 ５ 第２の回転円板 ６ モータ側のハウジング端面 ７ ノズル ８ 液体リング ９ 貫通開口 １０ 回転円板の外周縁 １１ 液体流出開口 １２ 可制御弁 １３ 液体流出配管 １４ 液体リングの半径方向の厚さ １５ モータの反対側のハウジング端面 １６ ガス出口開口 １７ 外側ハウジング １８ ガス流出開口 １９ 液体流出開口 ２０ そらせ板

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 分離された液体に対する流出開口（１
   １）を備えた分離機ハウジング（１）の中にモータ
   （２）で駆動される少なくとも一個の回転円板（４）が
   設けられ、ガス・液体混合物が分離機ハウジング（１）
   の一方の端面（６）から回転円板（４）に向けて導入さ
   れ、回転円板（４）がガス・液体混合物の衝突個所から
   半径方向に内側に位置する少なくとも一個の貫流開口
   （９）を有し、分離機ハウジング（１）の他方の端面
   （１５）にガス出口開口（１６）が設けられ、回転円板
   （４）の直径が分離機ハウジング（１）の内径に関し
   て、回転円板（４）の少なくともその外周縁（１０）が
   分離機ハウジング（１）内に形成されている液体リング
   （８）の中に漬かるように寸法づけられていることを特
   徴とするガス・液体混合物内に含まれる液体の分離装
   置。
2. 【請求項２】 液体流出開口（１１）に可制御弁（１
   ２）が後置接続されていることを特徴とする請求項１記
   載の分離装置。
3. 【請求項３】 可制御弁（１２）が液体リング（８）の
   半径方向の厚さおよび／又は液体リング（８）内にかか
   る圧力に関係して制御されることを特徴とする請求項２
   記載の分離装置。
4. 【請求項４】 少なくとももう一個の回転円板（５）が
   第１の回転円板（４）に対して軸方向に間隔を隔てて設
   けられ、この第２の回転円板（５）の貫通開口（９）が
   第１の回転円板（４）の貫通開口（９）に比べて半径方
   向内側に配置されていることを特徴とする請求項１ない
   し３の１つに記載の分離装置。
5. 【請求項５】 ガス・液体混合物が第１の回転円板
   （４）に傾斜角度をもって導入されることを特徴とする
   請求項１ないし４の１つに記載の分離装置。
6. 【請求項６】 ガス・液体混合物が第１の回転円板
   （４）にその回転方向に導入されることを特徴とする請
   求項１ないし５の１つに記載の分離装置。
7. 【請求項７】 ガス出口開口（１６）が分離機ハウジン
   グ（１）に取り付けられた外側ハウジング（１７）の開
   口し、外側ハウジング（１７）の上側にガス流出開口
   （１８）および下側に液体流出開口（１９）がそれぞれ
   設けられていることを特徴とする請求項１ないし６の１
   つに記載の分離装置。
8. 【請求項８】 外側ハウジング（１７）に分離機ハウジ
   ング（１）のガス出口開口（１６）から外側ハウジング
   （１７）のガス流出開口（１８）への途中に少なくとも
   一個のそらせ板（２０）が設けられていることを特徴と
   する請求項７記載の分離装置。