JPH091192A - 汚泥固化材および汚泥固化方法 - Google Patents

汚泥固化材および汚泥固化方法

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JPH091192A
JPH091192A JP15647295A JP15647295A JPH091192A JP H091192 A JPH091192 A JP H091192A JP 15647295 A JP15647295 A JP 15647295A JP 15647295 A JP15647295 A JP 15647295A JP H091192 A JPH091192 A JP H091192A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸
塩の少なくとも一方とを含む汚泥固化材、および上記汚
泥固化材を、汚泥に対し、必要に応じてセメントと共に
混合する汚泥固化方法。 【効果】 高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸
塩の少なくとも一方とを用いることによって、汚泥の水
分を吸水できて、汚泥の固化を迅速化できる。固化した
汚泥からの離水を抑制できるので、上記離水による周囲
に対する汚れに起因する汚泥の処理時における周囲の環
境の劣化や、流出した離水に関する処理の手間を軽減で
きる。セメントの混合によっても汚泥の固化の阻害が回
避されると共に汚泥の固化強度をセメントにより経時的
に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事や浚渫工事、
下水を活性汚泥法にて処理した後などから発生する汚泥
を廃棄容易な形態にするための汚泥固化材および汚泥固
化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、土木工事や浚渫工事、下水を活性
汚泥法にて処理した後などから発生する汚泥は、水分を
多く含み、また、異臭を備えることから、廃棄処理に手
間取るものであった。そこで、水分を多く含む上記汚泥
を、固化、安定化させて、廃棄処理を容易にするため、
例えば、セメント系固化剤を用いる方法が考えられてい
る。しかしながら、このような方法では、汚泥が固化し
て、取り扱い易い一定の強度に達するまでに約24〜72時
間という長時間を要するという問題を招来している。
【0003】そこで、上記問題を回避するために、特
開昭54−112554号公報では、泥状物に対し、水を吸水し
て膨潤する親水性架橋重合体を配合することが開示され
ている。特開平6−287556号公報では、高吸水性樹
脂、セメント、酸性物質よりなる土質固化剤が開示され
ている。特公平4-42080号公報では、汚泥に対し、吸
収性樹脂と、2価以上の陽イオンを含有する化合物とを
添加混合し、次いで、水硬性セメントを混合することが
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
各公報の構成や方法では、汚泥を完全に固化させること
ができないか、または一時的に固化できても、そのよう
な固化した汚泥を処理のため運搬するときに固化した汚
泥に含まれる水分の一部が離水することから、そのよう
な離水によって周囲に汚れが生じ、固化した汚泥の廃棄
処理等の処理時において周囲の環境を劣化させたり、流
出した離水の処理に手間取ったりするという問題を生じ
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の汚泥固化材は、
高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なく
とも一方とを含むことを特徴としている。
【0006】本発明の汚泥固化方法は、汚泥に対し、高
吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくと
も一方とを併用添加することを特徴としている。
【0007】本発明の他の汚泥固化方法は、汚泥に対
し、高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少
なくとも一方と、セメントとを併用添加することを特徴
としている。
【0008】セメントを併用しない場合、固化物は弾力
性を有する固体であるが、セメントを併用すると、経時
により高強度の固化物を得ることができる。特に、高強
度の固化物は、例えば埋め立て用として用いた場合に地
面沈下や恐れを回避できると共に、汚泥に有害物質が含
有している場合に、地下水や雨水等と接触しても上記有
害物質が固化物から溶出することを防止できるものであ
る。よって、高強度の固化物は廃棄処理の場所の適用範
囲を拡大化できるものである。
【0009】アルミン酸塩としては、オルトアルミン酸
ナトリウム、オルトアルミン酸カリウム、オルトアルミ
ン酸リチウム、メタアルミン酸ナトリウム、メタアルミ
ン酸カリウム、メタアルミン酸リチウム等の水溶性アル
ミン酸塩を挙げることができる。
【0010】ケイ酸塩としては、オルトケイ酸ナトリウ
ム、オルトケイ酸カリウム、オルトケイ酸リチウム、メ
タ二ケイ酸ナトリウム、メタ二ケイ酸カリウム、メタ二
ケイ酸リチウム、メタ三ケイ酸ナトリウム、メタ三ケイ
酸カリウム、メタ三ケイ酸リチウム、メタ四ケイ酸ナト
リウム、メタ四ケイ酸カリウム、メタ四ケイ酸リチウム
等の水溶性ケイ酸塩を挙げることができる。
【0011】汚泥としては、河川や海の浚渫工事の際に
発生する汚泥や、下水を活性汚泥法にて処理する際に発
生する汚泥や、土木工事において排出される汚泥や、各
種産業廃棄物等が挙げられる。本願発明では、例えばS
MW(soil mixing wall) 工法等により排出される汚泥
のように、Al+3、Ca+2、Fe+3等の多価金属イオン
を多く含む汚泥に対し、特に顕著な効果を有する。
【0012】このような効果は、アルミン酸塩およびケ
イ酸塩の少なくとも一方の添加によって、高吸水性樹脂
による汚泥の固化に対する上記多価金属イオンに起因す
る悪影響を軽減できるからであると考えられる。SMW
工法とは、セメントおよび水を含み、必要に応じてベン
ナイトを含むスラリーを地下に注入して地下に隔壁を作
製するための工事工法である。
【0013】高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ
酸塩の少なくとも一方との配合は、高吸水性樹脂を10
0重量部に対し、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なく
とも一方を10〜300重量部配合することが好まし
い。
【0014】10重量部未満の少ない配合量では、汚泥
を充分に固化せしめることが困難になる場合があり、ま
た、経時により離水が認められる場合もある。300重
量部を越える多い配合量とした場合、経時安定性に優れ
た汚泥固化物を得るためには高吸水性樹脂の添加量を増
す必要が生じる。
【0015】また、本発明の汚泥固化方法は、汚泥に対
し、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一方を添
加した後、高吸水性樹脂を添加することが特に好まし
い。また、本発明の他の汚泥固化方法は、汚泥に対し、
アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一方を添加し
た後、高吸水性樹脂およびセメントを添加することが特
に好ましい。
【0016】このようなアルミン酸塩およびケイ酸塩の
少なくとも一方を先に添加する理由については、明確で
はないが次のように推察される。つまり、汚泥に対し、
まず、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一方を
添加することにより、固化性に悪影響を及ぼす前記多価
金属イオンが、より不活性化するためであろうと考えら
れる。
【0017】高吸水性樹脂を得るための原料の単量体と
しては、特に制限はなく、広い範囲の単量体が使用で
き、例えば、1) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、
有機アミンによる部分中和物や完全中和物等の不飽和モ
ノカルボン酸系単量体; 2) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸
あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有
機アミンによる部分中和物や完全中和物等の不飽和ジカ
ルボン酸系単量体; 3) ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド−2-
メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アク
リレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒ
ドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホ
エチルマレイミド、3-アリロキシ−2-ヒドロキシプロパ
ンスルホン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、ア
ンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物等
の不飽和スルホン酸系単量体; 4) (メタ)アクリルアミド、ビニルアセトアミド、イ
ソプロピルアクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリル
アミド等のアミド系単量体; 5) (メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2-メチル
スチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体; 6) 2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルア
ルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3-
メチル−2-ブテン−1-オール(プレノール)、ポリエチ
レングリコールモノプレノールエーテル、ポリプロピレ
ングリコールモノプレノールエーテル、2-メチル−3-ブ
テン−2-オール(イソプレンアルコール)、ポリエチレ
ングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、ポリ
プロピレングリコールモノイソプレンアルコールエーテ
ル、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリル
エーテル、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量
体; 7) ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオ
ン性単量体; 8) (メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体; 9) (メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メ
タ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、
2-(メタ)アクリルアミド−2-メチルプロパンホスホン
酸等の含リン単量体; 10) 下記の一般式(1)にて表されるノニオン性単量体
などを挙げることができる。
【0018】
【化2】
【0019】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン
基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基であり、Yは炭素数1〜5のアルコキ
シ基、フェノキシ基、または炭素数1〜9のアルキル基
を1〜3個置換基として有するオキシアルキルフェニル
基であり、nは3〜100の正数である。) 一般式(1)にて表されるノニオン性単量体として、例
えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレン
グリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキ
シポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ベンジルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート等を挙げることができ、これらの1種または
2種以上を用いることができる。
【0020】上記した単量体の中でも、一般式(1)で
表されるノニオン性単量体、アミド基含有単量体および
スルホン酸基含有単量体の使用が好ましい。
【0021】一般式(1)で表されるノニオン性単量体
を用いる場合、単量体組成として、ノニオン性単量体3
0〜100重量%、ノニオン性単量体と共重合可能な単
量体70〜0重量%とすることが好ましい。ノニオン性
単量体と共重合可能な好ましい単量体としては、前記し
た、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸
系単量体を挙げることができる。
【0022】アミド基含有単量体を用いる場合、単量体
組成として、アミド基含有単量体40〜100重量%、
アミド基含有単量体と共重合可能な単量体60〜0重量
%とすることが好ましい。アミド基含有単量体と共重合
可能な好ましい単量体としては、前記した、不飽和モノ
カルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体を挙げ
ることができる。
【0023】スルホン酸基含有単量体を用いる場合、単
量体組成として、スルホン酸基含有単量体20〜100
重量%、スルホン酸基含有単量体と共重合可能な単量体
80〜0重量%とすることが好ましい。スルホン酸基含
有単量体と共重合可能な好ましい単量体としては、前記
した、不飽和モノカルボン酸系単量体、アミド基含有単
量体および一般式(1)で表されるノニオン性単量体を
挙げることができる。
【0024】高吸水性樹脂は、通常、前記単量体を、そ
の単量体に対して 0.001〜5モル%の架橋剤の存在下に
て重合して得られる。
【0025】架橋剤としては、例えば、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシ
アヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリル
エーテル等の1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上
有する化合物;単量体中のカルボキシル基と反応する官
能基を2個以上有するものとして例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセ
リン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ペン
タエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコー
ス、マンニット、マンニタン、ショ糖等の多価アルコー
ル類や、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上の混合物を用いるこ
とができる。
【0026】架橋剤として、多価アルコールを用いる場
合には150〜250℃で、ポリエポキシ化合物を用い
る場合には50〜250℃で重合中あるいは重合後に熱
処理することが好ましい。
【0027】架橋剤の使用量は、前記単量体に対して
0.001〜5モル%とすることが好ましい。5モル%を越
える量では、架橋重合体である得られる高吸水性樹脂の
架橋密度が大きくなりすぎて吸水能が低下する結果、固
化性が不良となる傾向がある一方、逆に 0.001モル%未
満の少ない量では、架橋密度が小さすぎて初期の吸収速
度が著しく低下する結果、固化性が低下する。
【0028】高吸水性樹脂を得るための重合方法は、従
来から知られている公知の方法が採用でき、例えばラジ
カル重合触媒を用いる方法、放射線・電子線・紫外線等
を照射する方法等が挙げられる。ラジカル重合触媒とし
ては、例えば過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、
キュメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物:アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2'- アゾビス-2- アミジノプ
ロパン塩酸塩等のアゾ化合物:過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げ
られる。これらの重合開始剤は2種以上混合して使用す
ることも可能であり、さらに亜硫酸塩、L−アスコルビ
ン酸、第2鉄塩等の還元剤との組合わせによるレドック
ス系開始剤として使用してもよい。
【0029】重合温度は用いる触媒の種類により異なる
が、得られる高吸水性樹脂の分子量が充分大きくでき、
また重合を完結させる意味から20〜100℃の範囲で
あることが好ましい。
【0030】単量体を溶媒に溶解希釈してから重合に供
することも自由であり、このような重合系溶媒として
は、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン、ジ
メチルホルムアミド等やこれらの混合物や、ベンゼン、
トルエン、シクロヘキサン等の有機溶媒を使用すること
ができる。
【0031】単量体に対し溶媒溶液を用いる場合の溶液
濃度には特に制限はないが、重合反応の制御の容易さと
収率・経済性を考慮すれば、20重量%〜飽和濃度以下
であることが好ましい。
【0032】重合形態としては、溶液重合法の他に、例
えばソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、エチルセルロース、セルロースアセテート等
のセルロースエステル、セルロースエーテル、α−オレ
フィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含
有重合体等を分散剤として用いて疎水性有機溶媒中に単
量体水溶液を分散させて行う逆相懸濁重合法、注型重合
法、双腕型ニーダーのせん断力による含水ゲル状重合体
を細分化しながら重合する方法、薄膜重合法、噴霧重合
法等の種々の方法を採用できる。
【0033】上記のようにして得られた架橋重合体であ
る高吸水性樹脂の表面近傍に対し親水性架橋剤によって
さらに架橋し、表面の近傍と内部との間に架橋密度勾配
を導入し、それによって初期吸水速度を速めたものを用
いることもできる。
【0034】このような親水性架橋剤としては、例えば
グリセリン、エチレングリコール、ペンタエリスリトー
ル等の多価アルコール類:エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル等のポリエポキシ化合物:エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン類:グルタル
アルデヒド、グリオキサール等の多価アルデヒド類:塩
化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム
等の多価金属塩類等が挙げられる。
【0035】これらの親水性架橋剤の使用量は、表面近
傍を架橋しようとする高吸水性樹脂に対して、 0.005〜
5重量%の範囲が好ましい。また、高吸水性樹脂の表面
近傍を架橋する方法についても特に制限はなく、高吸水
性樹脂の粉体に親水性架橋剤をそのままあるいは溶液の
形で、混合したのち必要により加熱する方法や、高吸水
性樹脂の粉体を疎水性有機溶媒中に分散させて得た分散
液に親水性架橋剤を混合したのち必要により加熱する方
法等を採用することができる。
【0036】高吸水性樹脂の粒子径は特に制限はない
が、通常10〜1000μmの粒径が、取り扱い性や工
業的に容易に得られるために賞用されている。高吸水性
樹脂の吸水能については特に制限はないが、1%セメン
ト水に対する吸水倍率が下記の測定方法で10g/g以
上の吸水倍率を有するものが好ましい。
【0037】(吸水倍率の測定方法)脱イオン水99重
量部に対し、ポルトランドセメント(トクヤマ社製)1
重量部を入れ、2時間攪拌して混合液を得た。ついで、
その混合液を、No.2ろ紙でろ過して、そのろ液を1
%セメント水とした。
【0038】吸水倍率の測定では、まず、不織布等の透
水性を有する素材からなるティーバック状の袋内に高吸
水製樹脂約 0.1gを秤量して加えた後、上記袋を、上記
1%セメント水100gに24時間浸漬した後、上記袋
の重量を測定し、次式にしたがって吸水倍率を算出し
た。
【0039】 吸水倍率(g/g)=(B−C)/A A:採取した高吸水性樹脂粉末の重量(g) B:吸水後の袋を含めた全重量(g) C:空試験における袋を含めた重量(g) 本発明の汚泥固化材は、それ単独使用にて強度を有し、
しかも離水量の少ない汚泥固化物が得られるが、必要に
応じて、他の固化材と併用することはもちろん可能であ
る。
【0040】このような他の固化材として、グアーガ
ム、ローカストビンガム、クインスシードガム、アラビ
ノガラクタンガム、アラビアガム、トラガントガム、澱
粉、ザンサンガム、ザンコート、ゼラチン、サイリュー
ムガム、多糖類、アルギン酸塩類、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルハイドロオキシエチルセル
ロースなどの天然あるいは半合成高分子物質や、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキ
サイド、ポリエチレンイミン等の合成高分子物質や吸水
性繊維等を挙げることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。なお、「部」は「重量部」を
示す。
【0042】汚泥固化材は、高吸水性樹脂と、アルミン
酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一方とを含むものであ
る。まず、上記高吸水性樹脂の各例を参考例1〜10と
して次にそれぞれ説明する。
【0043】〔参考例1〕温度計を備えた容量 2.5Lの
卓上型ジャケット付ニーダー(内面は3フッ化エチレン
でライニング処理)に43%メタクリル酸ナトリウム水溶
液 581.4部(50重量%)およびメトキシポリエチレング
リコール(EO付加モル数9)メタクリレート 250部
(50重量%)、架橋剤としてポリエチレングリコール
(EO付加モル数8)ジメタクリレート 2.6部(対単量
体 0.2モル%)およびイオン交換水 164.8部を仕込ん
だ。
【0044】系内を窒素置換した後、ニーダーのブレー
ドを回転させながらジャケットに40℃の温水を通水して
内容物を40℃に昇温した(このとき、内容物中の単量体
の濃度は50%である)。次いで、重合開始剤として、2,
2'- アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩1.16部(対
単量体0.15モル%)を添加して20秒間攪拌し溶解した
後、攪拌を停止した。
【0045】直ちに重合が開始して 120分でピーク温度
84℃に到達した。この間、ジャケット温度は内容物の温
度と等しくなるように昇温した。次いで、ジャケット温
度を80℃に調節して1時間熟成した。熟成終了後、回転
数40rpm で10分間の解砕を行った。ニーダーを反転し
て、含水ゲルをニーダーの重合容器から取り出した。含
水ゲルの重合容器への付着は全く認められなかった。
【0046】かくして得られた微細な含水ゲルを熱風循
環式乾燥機で 120℃、4時間乾燥した。乾燥後、卓上簡
易型粉砕機(共立理工(株)製)を用いて粉砕して高吸
水性樹脂(1)を得た。高吸水性樹脂(1)における1
%セメント水に対する吸水倍率を前記した方法により測
定した結果、上記吸水倍率は38g/gであった。
【0047】〔参考例2〕単量体組成として、メタクリ
ル酸ナトリウム70重量%、メトキシポリエチレングリコ
ール(EO付加モル数9)メタクリレート30重量%と
し、かつ、単量体濃度を40重量%とした他は参考例1と
同様にして高吸水性樹脂(2)を得た。高吸水性樹脂
(2)の吸水倍率は、22g/gであった。
【0048】〔参考例3〕単量体組成として、メトキシ
ポリエチレングリコール(EO付加モル数9)メタクリ
レート 100重量%とし、かつ、単量体濃度を60重量%と
した他は参考例1と同様にして高吸水性樹脂(3)を得
た。高吸水性樹脂(3)の吸水倍率は、16g/gであ
った。
【0049】〔参考例4〕単量体組成として、アクリル
酸ナトリウム50重量%、ブトキシポリエチレングリコー
ル(EO付加モル数50)アクリレート50重量%とした以
外は実施例1と同様にして高吸水性樹脂(4)を得た。
高吸水性樹脂(4)の吸水倍率は、27g/gであっ
た。上記各高吸水性樹脂(1)〜(4)は請求項3記載
の高吸水性樹脂に対応するものである。
【0050】〔参考例5〕参考例1で用いたのと同じ重
合容器に、37%アクリル酸ナトリウム水溶液 275.6部
(30重量%)、40%アクリルアミド水溶液 595部(70重
量%)および架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリ
ルアミド0.68部(対単量体 0.1モル%) およびイオン交
換水 127.6部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、ニー
ダーのブレードを回転( 40rpm)させながらジャケット
に20℃の温水を通水して内容物を20℃に昇温した(この
とき、内容物中の単量体濃度は34重量%である)。
【0051】次いで、重合開始剤として、過硫酸ナトリ
ウム1.55部、L−アスコルビン酸 0.155部を添加した。
直ちに重合が開始して30分でピーク温度97℃に到達し
た。この間、ジャケット温度は内容物の温度と等しくな
るように昇温した。次いで、ジャケット温度を80℃に調
節して、30分間熟成した。
【0052】熟成終了後、上記回転数 40rpmで10分間の
解砕を行い、ニーダーを反転して含水ゲルをニーダーの
重合容器から取り出した。含水ゲルの重合容器への付着
は全く認められなかった。
【0053】このように得られた微細な含水ゲルを熱風
循環式乾燥機で 160℃、3時間乾燥した。乾燥後、卓上
簡易型粉砕機(共立理工(株)製)を用いて粉砕して高
吸水性樹脂(5)を得た。高吸水性樹脂(5)の吸水倍
率は、33g/gであった。
【0054】〔参考例6〕単量体組成として、アクリル
酸ナトリウム60重量%、アクリルアミド40重量%とした
他は参考例5と同様にして高吸水性樹脂(6)を得た。
高吸水性樹脂(6)の吸水倍率は、18g/gであっ
た。
【0055】〔参考例7〕単量体組成として、アクリル
アミド 100重量%とした他は参考例5と同様にして高吸
水性樹脂(7)を得た。高吸水性樹脂(7)の吸水倍率
は、21g/gであった。上記各高吸水性樹脂(5)〜
(7)は、請求項4記載の高吸水性樹脂に対応するもの
である。
【0056】〔参考例8〕参考例1で用いたのと同じ重
合容器に、43%メタクリル酸ナトリウム水溶液 372部
(40重量%)、45%ソディウムスルホエチルメタクリレ
ート水溶液 533.3部(60重量%)および架橋剤として
N,N−メチレンビスアクリルアミド0.40部(対単量体
0.1モル%) およびイオン交換水93.4部を仕込んだ。系
内を窒素置換した後、ニーダーのブレードを回転( 40r
pm)させながらジャケットに50℃の温水を通水して内容
物を50℃に昇温した(このとき、内容物中の単量体濃度
は40重量%である)。
【0057】次いで、重合開始剤として、2,2'- アゾビ
ス(N,N'- ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩0.
39部および2,2'- アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩
酸塩0.52部を添加して20秒間攪拌し溶解した後、攪拌を
停止した。
【0058】直ちに重合が開始して40分でピーク温度98
℃に到達した。この間、ジャケット温度は内容物の温度
と等しくなるように昇温した。次いで、ジャケット温度
を80℃に調節して、30分間熟成した。
【0059】熟成終了後、上記回転数 40rpmで10分間の
解砕を行い、ニーダーを反転して含水ゲルをニーダーの
重合容器から取り出した。含水ゲルの重合容器への付着
は全く認められなかった。
【0060】このように得られた微細な含水ゲルを熱風
循環式乾燥機で 160℃、3時間乾燥した。乾燥後、卓上
簡易型粉砕機(共立理工(株)製)を用いて粉砕して高
吸水性樹脂(8)を得た。高吸水性樹脂(8)の吸水倍
率は、27g/gであった。
【0061】〔参考例9〕単量体組成として、メタクリ
ル酸ナトリウム80重量%、ソディウムスルホエチルメタ
クリレート20重量%とした他は参考例8と同様にして高
吸水性樹脂(9)を得た。高吸水性樹脂(9)の吸水倍
率は、13g/gであった。
【0062】〔参考例10〕単量体組成として、ソディ
ウムスルホエチルメタクリレート 100重量%とした他は
参考例8と同様にして高吸水性樹脂(10)を得た。高
吸水性樹脂(10)の吸水倍率は、25g/gであっ
た。上記各高吸水性樹脂(8)〜(10)は請求項5記
載の高吸水性樹脂に対応するものである。
【0063】〔実施例1〕ベンナイト、セメント、水道
水を含み、ベンナイト濃度6kg/m3 、セメント濃度250k
g/m3の注入液を、SMW(soil mixing wall) 工法によ
り地下注入して排出されるセメント含有の汚泥1000部に
対し、上記高吸水性樹脂(1)4部とアルミン酸ナトリ
ウム(メタアルミン酸ナトリウム)1部を同時に添加し
て攪拌して混合した。
【0064】上記汚泥について、30分後の外観を肉眼で
観察した結果、上記汚泥は、浮水、遊離水などの水分が
全く認められず、弾力性を有する固体状態であった。さ
らに、この弾力性を有するが固体状態の汚泥 100部に対
し2kg/cm2の荷重を印加し、その固化物からの離水量を
測定した。その測定結果を表1に示した。さらに、この
弾力性を有するが固体状態の汚泥を室温で2日間静置し
ておくと、汚泥中のセメントの作用により、高強度に固
化していた。
【0065】〔実施例2〜3〕実施例1におけるアルミ
ン酸ナトリウムの使用量(部)を、実施例1に記載の1
部に代えて、表1に示したように、4.0部、0.4部
にそれぞれ使用量を変更した以外は、実施例1と同様の
操作を行い、得られた汚泥の固化物における外観および
離水量をそれぞれ測定した。その測定結果を表1に合わ
せて示した。
【0066】〔実施例4〕実施例1におけるアルミン酸
ナトリウムに代えてアルミン酸カリウムを使用した以外
は、実施例1と同様の操作を行い、得られた汚泥の固化
物における外観および離水量をそれぞれ測定した。その
測定結果を表1に合わせて示した。
【0067】〔実施例5〕実施例1と同じ汚泥1000部に
対し、アルミン酸ナトリウム1部を添加して5分間攪拌
して混合した後、実施例1と同様の高吸水性樹脂(1)
4部を添加して攪拌して混合した。30分後の固化した汚
泥の外観を肉眼で観察した結果、浮水、遊離水などの水
分は全く認められず、上記汚泥は固体状態であった。
【0068】さらに、この固化物 100部に対し3kg/cm2
の荷重を印加し、その固化物からの離水量を測定したと
ころ、印加した荷重を実施例1と比べて増加させても離
水量は0部であった。その測定結果を表1にも示した。
【0069】〔実施例6〜14〕実施例1における高吸
水性樹脂(1)に代えて、参考例(2)〜(10)の各
高吸水性樹脂(2)〜(10)をそれぞれ用いて、実施
例1と同様の操作を行い、固化した汚泥について、その
外観および離水量についてそれぞれ測定した。それらの
測定結果を表1に合わせて示した。
【0070】〔実施例15〜19〕実施例1における高
吸水性樹脂(1)に代えて、市販の吸水性樹脂であるポ
リアクリル酸系吸水性樹脂(1%セメント水の吸水倍
率、4g/g)、イソブチレン/マレイン酸系吸水性樹
脂(1%セメント水の吸水倍率、21g/g)、ビニル
アルコール/アクリル酸系吸水性樹脂(1%セメント水
の吸水倍率、18g/g)、ポリビニルアセトアミド系
吸水性樹脂(1%セメント水の吸水倍率、33g/
g)、ポリビニルアルコール系吸水性樹脂(1%セメン
ト水の吸水倍率、14g/g)をそれぞれ用いて、実施
例1と同様の操作を行い、固化した汚泥について、その
外観および離水量についてそれぞれ測定した。それらの
測定結果を表1に合わせて示した。
【0071】
【表1】
【0072】〔実施例20〕実施例1におけるアルミン
酸ナトリウムに代えて、ケイ酸ナトリウム(メソ二ケイ
酸ナトリウム、キシダ化学株式会社製)を、1部用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、得られた汚泥の
固化物における外観および離水量をそれぞれ測定した。
その測定結果を表2に示した。
【0073】〔実施例21〕実施例1におけるアルミン
酸ナトリウムに代えて、ケイ酸ナトリウム(メソ二ケイ
酸ナトリウム、キシダ化学株式会社製)を、4部用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、得られた汚泥の
固化物における外観および離水量をそれぞれ測定した。
その測定結果を表2に合わせて示した。
【0074】〔実施例22〕実施例1と同様な汚泥1000
部に対し、ケイ酸ナトリウム3部を添加して5分間5分
間攪拌して混合した後、実施例1と同様の高吸水性樹脂
(1)1部を添加して攪拌して混合した。30分後の固
化した汚泥について、その外観および離水量についてそ
れぞれ測定した。その測定結果を表2に合わせて示し
た。
【0075】
【表2】
【0076】次に、本願発明を説明するための各比較例
1〜4について説明する。各比較例1〜4では、汚泥を
固化させるための固化主剤として、参考例1に記載の高
吸水性樹脂(1)、実施例19記載のポリビニルアルコ
ール系吸水性樹脂、およびグアーガムを用いた。
【0077】〔比較例1〕実施例1におけるアルミン酸
ナトリウムの添加を省いた他は実施例1と同様にして汚
泥を固化させ、その固化した汚泥について、外観および
離水量をそれぞれ測定した。それらの結果を表3に示し
た。
【0078】〔比較例2〕比較例1における高吸水性樹
脂(1)の使用量4.0部に代えて、上記高吸水性樹脂
(1)を6.0部用いた他は比較例1と同様にアルミン
酸ナトリウムの添加を省いて、汚泥を固化させた。その
固化した汚泥について、外観および離水量をそれぞれ測
定した。それらの結果を表3に合わせて示した。
【0079】〔比較例3〕実施例1に記載の汚泥1000部
に対し、高吸水性樹脂として、ポリビニルアルコール系
高吸水性樹脂を4.0部と、酸性物質である硫酸アルミ
ニウムを1.0部とを加えて、他は実施例1と同様に上
記汚泥を固化させ、その固化した汚泥について、外観お
よび離水量をそれぞれ測定した。それらの結果を表3に
合わせて示した。
【0080】〔比較例4〕実施例1に記載の汚泥1000部
に対し、吸水性のものとして、グアーガムを4.0部
と、添加剤としての塩化カルシウムを1.0部とを加え
て、他は実施例1と同様に上記汚泥を固化させ、その固
化した汚泥について、外観および離水量をそれぞれ測定
した。それらの結果を表3に合わせて示した。
【0081】
【表3】
【0082】本願発明に係る各実施例の構成は、表1お
よび表2に示すように、外観において離水が観察されず
固体状であり、加圧下での離水量も2部以下であった。
一方、各比較例1〜4の各汚泥固化材では、離水が多く
観察され、また、加圧下の離水量も2部を越えていた。
【0083】このように上記各実施例の構成では、高吸
水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも
一方とを用いることによって、汚泥が迅速に固化するこ
とから上記汚泥の取り扱いを容易化できると共に、固化
した汚泥からの水分の離水を回避できるので、上記離水
による周囲に対する汚れに起因する汚泥の処理時におけ
る周囲の環境の劣化や、流出した離水に対する処理の手
間を防止できる。
【0084】その上、上記構成は、前記のSMW工法で
の排出汚泥のように、セメントを含有する汚泥に用いた
場合においても、その固化処理を迅速化および確実化で
き、かつ、固化した汚泥の固化強度が上記セメントによ
り経時的に向上することから、固化した汚泥による周囲
への汚染をさらに確実に回避できるものとなっており、
また、上記の汚泥を例えば埋め立てに用いたときに地盤
沈下の恐れ等を回避できるといった顕著な効果を有する
ものとなっている。
【0085】本願発明の汚泥固化方法では、上述したよ
うに固化した汚泥から離水を抑制できて、固化した汚泥
を取り扱い易いものとなっているが、さらに実施例5に
示すように、まず、アルミン酸塩を加えた後に、高吸水
性樹脂を添加・混合することにより、固化した汚泥から
さらに離水を抑制、すなわち防止することができて、固
化した汚泥の取り扱い易いをさらに容易とすることがで
きる。
【0086】さらに、上記方法では、汚泥に対し、高吸
水性樹脂、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一
方と、セメントを混合することにより、上記汚泥におけ
る含水率が50重量%というように高含水率で、かつ、セ
メントの存在下に場合においても、汚泥を迅速に固化で
きると共に、そのように固化した汚泥の固化強度を上記
セメントの固化により経時的にさらに高めることが可能
となる。
【0087】よって、上記方法では、汚泥を廃棄処理す
る場合、高強度に固化した汚泥を、例えば埋め立て用と
して用いたときに、埋め立て地の地盤沈下の恐れを回避
できると共に、汚泥に有害物質が含有しているときに、
上記汚泥が地下水や雨水等と接触しても上記有害物質が
固化した汚泥から溶出することを防止できるので、上記
汚泥は廃棄処理の場所の適用範囲を拡大化でき、利用価
値の高いものとなる。
【0088】
【発明の効果】本発明の汚泥固化材および汚泥固化方法
は、高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少
なくとも一方とを汚泥固化材として含む構成であり、そ
の汚泥固化材を汚泥に対し混合する方法である。
【0089】それゆえ、上記構成および方法は、高吸水
性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一
方とによって、汚泥が迅速に固化することから上記汚泥
の取り扱いを容易化できると共に、固化した汚泥からの
離水を抑制できるので、上記離水による周囲に対する汚
れに起因する汚泥の処理時における周囲の環境の劣化
や、流出した離水に対する処理の手間を軽減できるとい
う効果を奏する。
【0090】本発明の他の汚泥固化方法は、汚泥に対
し、高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少
なくとも一方と、セメントとを混合する方法である。
【0091】それゆえ、上記方法では、さらに、セメン
トを混合しても、アルミン酸塩およびケイ酸塩の少なく
とも一方の混合によって、汚泥の固化が上記セメントの
混合により阻害されることを回避できる。
【0092】このことから、上記方法では、汚泥の迅速
な固化が維持されながら、固化した汚泥の強度を上記セ
メントにより、さらに経時的に改善できるという効果を
奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高吸水性樹脂と、アルミン酸塩およびケイ
    酸塩の少なくとも一方とを含むことを特徴とする汚泥固
    化材。
  2. 【請求項2】高吸水性樹脂を100重量部に対し、アル
    ミン酸塩およびケイ酸塩の少なくとも一方を10〜30
    0重量部を含むことを特徴とする汚泥固化材。
  3. 【請求項3】高吸水性樹脂が、一般式(1) 【化1】 (ただし、Rは水素またはメチル基であり、Xは全オキ
    シアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率が
    50モル%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
    基であり、Yは炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノキ
    シ基、または炭素数1〜9のアルキル基を1〜3個置換
    基として有するオキシアルキルフェニル基であり、nは
    3〜100の正数である。)で表されるノニオン性単量
    体を30〜100重量%含む単量体成分を重合して得ら
    れる架橋重合体であることを特徴とする請求項1または
    2記載の汚泥固化材。
  4. 【請求項4】高吸水性樹脂が、アミド基含有単量体を4
    0〜100重量%含む単量体成分を重合して得られる架
    橋重合体であることを特徴とする請求項1または2記載
    の汚泥固化材。
  5. 【請求項5】高吸水性樹脂が、スルホン酸基含有単量体
    を20〜100重量%含む単量体成分を重合して得られ
    る架橋重合体であることを特徴とする請求項1または2
    記載の汚泥固化材。
  6. 【請求項6】汚泥に対し、高吸水性樹脂と、アルミン酸
    塩およびケイ酸塩の少なくとも一方とを併用添加するこ
    とを特徴とする汚泥固化方法。
  7. 【請求項7】汚泥に対し、高吸水性樹脂と、アルミン酸
    塩およびケイ酸塩の少なくとも一方と、セメントとを併
    用添加することを特徴とする汚泥固化方法。
  8. 【請求項8】汚泥に対し、アルミン酸塩およびケイ酸塩
    の少なくとも一方を添加した後、高吸水性樹脂を添加す
    ることを特徴とする汚泥固化方法。
  9. 【請求項9】汚泥に対し、アルミン酸塩およびケイ酸塩
    の少なくとも一方を添加した後、高吸水性樹脂およびセ
    メントを添加することを特徴とする汚泥固化方法。
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