JPH09119291A - トンネル掘削岩盤の性状判定方法とその方法に使用する岩盤歪み変形量測定装置。 - Google Patents

トンネル掘削岩盤の性状判定方法とその方法に使用する岩盤歪み変形量測定装置。

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JPH09119291A
JPH09119291A JP30192395A JP30192395A JPH09119291A JP H09119291 A JPH09119291 A JP H09119291A JP 30192395 A JP30192395 A JP 30192395A JP 30192395 A JP30192395 A JP 30192395A JP H09119291 A JPH09119291 A JP H09119291A
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Akira Koga
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トンネル掘削岩盤の硬軟の性状をトンネル施
工を中断することなくトンネル掘削中に連続的に且つ精
度よく判定し、トンネル掘削跡に施工する支保工とし
て、その性状に応じた強度、ピッチ等に設定したものを
採用し得るようにする。 【構成】 トンネル掘削機1の前胴体1aの両側に配設し
たフロントグリッパ5、6にストローク計13、14よりな
る歪み変形量測定装置11を夫々配設し、これらのフロン
トグリッパ5、6がトンネル掘削岩盤Aに当接した状態
を該グリッパ5、6に対する圧油供給管路に配設した油
圧計9の急激な変化によって検出してその当接状態から
さらにグリッパ5、6を押し進めた時の岩盤の歪み変形
量を上記ストローク計13、14により測定し、その測定値
の大小によって岩盤の硬軟性状を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明はシールド掘削機によ
って水力発電用の傾斜水路等のトンネルを掘削する際
に、そのトンネル施工を中断することなく岩盤地盤の性
状を判断し得るトンネル掘削岩盤の性状判定方法と、そ
の方法に使用する岩盤歪み変形量測定装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】岩盤層の地山にトンネルボーリングマシ
ン(以下、TBMと称する)によってトンネルを掘削す
る場合、掘削したトンネルの崩壊を防止すると共に作業
員の安全を確保するために支保工を組立てゝいるが、該
支保工の強度や間隔等は岩盤の性状に応じて設定して効
率のよい且つ経済的な施工を行うことが望ましい。又、
水力発電用の傾斜水路を掘削するに際して、TBMによ
りパイロット坑を掘削したのち、拡幅掘削する場合にお
いても、岩盤の性状に応じて発破工法によるか、無発破
工法によるかの判断を行っている。
【0003】このため、岩盤の性状を判定する必要があ
り、岩盤の性状判定方法として、従来からTBMによる
トンネル掘削時に、掘削されたTBMの後方のトンネル
内壁面をハンマーにより叩打して岩盤の強弱を人為的に
判断を行っている。また、TBMによるパイロット坑の
掘削終了後、拡幅掘削を施工するに際して、該パイロッ
ト坑内でJISに規格された平板載荷試験法を採用し、
平板の載荷重と岩盤の歪み変形量の関係から岩盤の強弱
を判定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハンマ
ーの叩打による岩盤の性状判定では、精度のよい判定が
行えないばかりでなく、トンネルの全長に亘って連続し
て岩盤の歪み変形量を測定することができず、そのた
め、岩盤に応じた支保工の強度やピッチを正確に設定す
ることが困難であると共に支保工にロックボルトを併用
する必要があるかどうかの判定も難しく、従って、支保
工を必要以上の強度に設定したり、ピッチを狭くするこ
とが行われて作業能率が低下したり工費が高くなるとい
う問題点が生じるものである。
【0005】また、平板載荷試験法においても、その測
定に手間を要する上に、トンネルの全長に亘って岩盤の
歪み変形量を連続して測定することが困難である。本発
明はこのような問題点を解消することを目的とするもの
で、トンネル施工を中断することなく、トンネル掘削機
による掘進に従って岩盤の性状を連続的に且つ精度よく
判定し得るトンネル掘削岩盤の性状判定方法とその方法
に使用する岩盤歪み変形量測定装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載したトンネル掘削岩盤の性状
判定方法は、トンネル掘削機の胴体両側に配設したグリ
ッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機
を支持する際に、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接し
た状態から該グリッパを押し進めた時の岩盤の歪み変形
量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪み変形量とグ
リッパの押圧力との関係から岩盤の性状を判定すること
を特徴とするものである。この方法において、請求項2
に記載したように、上記岩盤の歪み開始時をグリッパが
トンネル掘削岩盤に当接した状態からさらに押し進めた
際のグリッパの作動油圧の急激な変化により検知し、歪
み変形量は両側グリッパ間の距離変化を計測することに
より行うものである。
【0007】また、上記方法に使用する岩盤歪み変形量
測定装置として、請求項3に記載した発明は、トンネル
掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削機の胴体
と一体の固定部に対して摺動する可動部を有し、この可
動部を掘削岩盤に圧着させて前記トンネル掘削機を保持
する一対のグリッパと、一方のグリッパの可動部に取り
付けたレーザー発光器と、該レーザー発光器に対向して
他方のグリッパの可動部に取り付けたレーザー光反射板
とからなる構造を有するものである。また、別な岩盤歪
み変形量測定装置として、請求項4に記載した発明は、
トンネル掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削
機の胴体と一体の固定部に対して摺動する可動部を有
し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて機体を保持する
一対のグリッパと、一方のグリッパの固定部に取り付け
たストローク計本体と、その一端が前記グリッパの可動
部に固着していると共に他端が前記ストローク計本体に
摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルと
からなるストローク計と、このストローク計に剛性を有
する連結部材を介して連結される別のストローク計本体
と、その一端が他方のグリッパの可動部に固着している
と共に他端が前記別のストローク計本体に摺動自在に支
持されてなるストローク検出スピンドルとからなる別な
ストローク計とから構成しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】トンネル掘削機による一定長のト
ンネル部を掘削する毎にその胴体両側に配設したグリッ
パをトンネル掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機を支
持する。このグリッパをトンネル掘削岩盤に圧着させる
度に岩盤の歪み変形量を測定し、トンネル施工を中断す
ることなくトンネルの全長に亘って連続的に岩盤の歪み
変形量を測定するものである。この際、グリッパがトン
ネル掘削岩盤に当接した岩盤歪み開始時をグリッパの作
動油の圧力を検出する油圧計の変化によって判断するの
で、その歪み開始時からの両側グリッパ間の距離変化を
計測することによって岩盤の変形歪み量が正確に測定さ
れ、岩盤の性状を精度よく判定できて支保工の強度やピ
ッチを岩盤の性状に応じて設定し得る。
【0009】上記両側グリッパ間の距離測定装置とし
て、請求項3に記載したように、一方のグリッパの可動
部にレーザー発光器を、他方のグリッパの可動部に該発
光器からの光反射板を設置しておけば、両側グリッパが
トンネル掘削岩盤に当接した状態からのグリッパの押進
量、即ち、岩盤の変形歪み量をレーザー発光器から反射
板に発振されるレーザー光線の反射距離から測定し得
る。
【0010】又、請求項4に記載した岩盤歪み変形量測
定装置においては、一方のグリッパの固定側にストロー
ク計を取付けて該ストローク計のストローク検出スピン
ドルを該グリッパの可動部に固着している。従って、ト
ンネル掘削岩盤にグリッパを圧着させると、その反力に
よって固定側、即ち、トンネル掘削機の胴体が内径方向
に歪み変形し、該グリッパを押し進めた時のグリッパ圧
着部の岩盤歪み変形量はストローク計によって検出され
る数値から上記胴体の歪み変形量を加算した長さであ
る。さらに、他方のストローク計は上記ストローク計に
連結部材を介してそのストローク検出スピンドルを他方
のグリッパの可動部に固定しているので、該グリッパを
押し進めた時のグリッパ圧着部の岩盤歪み変形量はスト
ローク計によって検出される数値から上記胴体の歪み変
形量を減じた長さである。従って、両グリッパによる岩
盤歪み変形量は両ストローク計の数値の和によって知る
ことができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面について説明す
ると、図1はトンネル掘削機1の概略構造を示すもの
で、トンネル掘削機1はそのスキンプレートを前胴体1a
と後胴体1bとに分割して前胴体1aの後端部に後胴体1bの
前端部をシール材1cを介して前後摺動自在に被嵌してい
ると共に前胴体1aの開口前端に配設したカッタヘッド2
を前胴体1aの前部に設けている隔壁1cの前面側で回転自
在に支持させ、隔壁1cの背面側に装着している駆動モー
タ3よって回転駆動するように構成している。4は前胴
体1aと後胴体1b間を連結している推進ジャッキで、その
前後端部をこれらの前後胴体1a、1bに突設したブラケッ
ト1d、1eに枢着してある。なお、推進ジャッキ4は周方
向に一定間隔毎に複数本、配設されている。
【0012】5、6は前胴体1aの周壁両側部に直径方向
に対向した状態で装着しているフロントグリッパで、図
2に示すように、前胴体1aの両側内周面に一体に固着し
且つトンネル掘削岩盤Aに向かって開口した固定筒5a、
6aと、この固定筒5a、6a内に夫々摺動自在に配設されて
固定筒5a、6aの開口端から前胴体1aの直径方向に出没す
る可動部であるシリンダ5b、6bと、固定筒5a、6aの内底
面中央に一体的に固着し且つ該内底面中央からシリング
5b、6b内に夫々突出している固定ロッド体5c、6cとから
なり、これらのフロントグリッパ5、6はシリンダ5b、
6bと該シリンダ5b、6bに摺接したロッド体5c、6cの頭部
との間に夫々圧油を供給することによりロッド体5c、6c
側を固定部として可動部であるシリング5b、6bを前後に
作動させるように構成している。
【0013】又、フロントグリッパ5、6に対する作動
圧油の供給管路8には油圧計9が設けられている。10は
圧油供給源である。なお、図2においては、一方のフロ
ントグリッパ5に対する供給管路8と油圧計9とを示
し、他方のフロントグリッパ6に対する供給管路と油圧
計は省略している。7は後胴体1bの周壁数カ所に装着さ
れたリアグリッパで、圧油により周壁からトンネル掘削
岩盤Aに向かって出没するように構成している。
【0014】11は両側フロントグリッパ5、6をトンネ
ル掘削岩盤Aに圧着させた際に、その岩盤の歪み変形量
を測定する装置で、図3に示すように、棒状の連結部材
12の両端にストローク計13、14を固定状態で内装してい
るストローク計本体である筒体15、16の内端を夫々一体
に連結していると共に、一方の筒体15を一方のフロント
グリッパ5の固定部である固定筒5aの底部に固着して該
筒体15内から突出しているストローク計13のストローク
検出スピンドル13a の先端部をフロントグリッパ5の可
動部である上記シリンダ5bの底部に一体的に固着してあ
り、他方の筒体16を他方のフロントグリッパ6の固定部
である固定筒6aの外底面から連結部材12に向かって同一
軸線上に突設したガイドパイプ17内に摺動自在に挿嵌
し、該筒体16から突出しているストローク計14のストロ
ーク検出スピンドル14a の先端部をフロントグリッパ6
の可動部である上記シリンダ6bの底部に一体的に固着し
てなるものである。
【0015】なお、図1に示すように、トンネル掘削機
1にはカッタヘッド2と隔壁1'との間に掘削ズリ取入室
18が設けられていると共にカッタヘッド2の背面外周部
には取入室18内に向かって突出したズリ掻き上げ板19を
一体に設けてあり、この掻き上げ板19によって掻き上げ
られた土砂は取入室18から後方に延設している搬出コン
ベア20上に落下、投入されて後方に搬出されるように構
成している。
【0016】以上のように構成したトンネル掘削機1に
よってトンネルを掘削しながら該トンネル掘削岩盤の性
状を判定する方法について次に述べる。岩盤層からなる
地盤中に、例えば、図4に示すように、水力発電用の傾
斜水路Bを掘削するに先立ってトンネル掘削機1によっ
て小径トンネル(パイロット坑)Cを掘削する場合、前
胴体1aのフロントグリッパ5、6に圧油を供給してその
可動シリンダ5b、6bを前胴体1aの外径方向に突出させ、
トンネル掘削機1によって掘削されたトンネル掘削岩盤
Aの岩盤壁面に圧着させる。
【0017】この時、シリンダ5b、6bは、図5に示すよ
うに、岩盤壁面に当接するまでは作動油圧が殆ど上昇す
ることなく迅速に前進し、岩盤壁面に当接すると岩盤か
らの抵抗力によってこれらのシリンダ5b、6bの作動油圧
が急激に上昇することになる。この急激な油圧の上昇を
油圧計9によって検出させ、フロントグリッパ5、6の
可動シリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接したことを確認す
る。
【0018】一方、フロントグリッパ5、6のシリンダ
5b、6bが前進すると、歪み変形量測定装置11のストロー
ク計13、14のストローク検出スピンドル13a 、14a がこ
れらのシリンダ5b、6bと夫々一体的に伸長し、シリンダ
5b、6bが岩盤壁面に当接した時の夫々のストローク値を
これらのストローク計13、14から検知する。
【0019】シリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接した状態
から該シリンダ5b、6bをさらに前進させてトンネル掘削
機1の掘進反力を支持し得るまで岩盤Aに圧着させる
と、岩盤Aがその圧着力によって歪み変形する。この
際、図5に示すように、シリンダ5b、6bが岩盤Aに当接
した位置Dからの岩盤Aの歪み変形量はシリンダ5b、6b
の作動油圧の上昇に比例して大きくなるが、岩盤Aが軟
弱なほど、一定圧の作動油圧に対する歪み変形量が大き
くなる。
【0020】この歪み変形量の測定は、両側フロントグ
リッパ5、6のシリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接した位
置D、即ち、岩盤Aの歪み開始時からのシリンダ5b、6b
間の距離変化を計測することによって行うことができ
る。具体的には、上記歪み変形量測定装置11において、
一方のフロントグリッパ5のシリンダ5bを圧油供給によ
って岩盤Aに圧着させて岩盤Aを歪ませると、その歪み
変形量に応じてストローク計13のストローク検出スピン
ドル13a が伸長するが、シリンダ5bの圧着力の反力が固
定ロッド体5cを介して前胴体1aに作用して固定側が前胴
体1aの内径方向に歪み変形するので、正確な岩盤歪み変
形量は、ストローク計13によって検出された数値から上
記固定側の歪み変形量を減じた長さである。
【0021】さらに、他方のストローク計14は上記スト
ローク計13に連結部材12を介してこのストローク計13と
同一軸線上に連結していると共にそのストローク検出ス
ピンドル14a を他方のグリッパ6の可動シリンダ6bに固
定しているので、該シリンダ6bを圧油により岩盤Aに圧
着させた時の岩盤歪み変形量は、ストローク計14によっ
て検出される数値から上記前胴体1aの固定部の歪み変形
量を加算した量(長さ)である。従って、両グリッパ
5、6による岩盤Aの歪み変形量は、両ストローク計1
3、14の数値の和によって知ることができるのである。
【0022】なお、グリッパ5、6のシリンダ5b、6bは
必ずしも岩盤Aに同時に当接するものではなく、いずれ
か一方のグリッパが他方にグリッパよりも早く或いは遅
く岩盤Aに当接する。従って、夫々の距離を夫々のスト
ローク計13、14によって検出して、この検出量からトン
ネル掘削機1の位置を確認することができる。
【0023】こうして、両グリッパ5、6を岩盤Aに圧
着させた状態で、後胴体1b側のリアグリッパ7を収縮さ
せて岩盤壁面から離間させ、しかるのち、推進ジャッキ
4を収縮方向に作動させることによって後胴体1bを前胴
体1a側に引き寄せ、再び、リアグリッパ7を岩盤Aに圧
着させてトンネル掘削機1を支持する。次いで、前胴体
1aのフロントグリッパ5、6の岩盤Aに対する圧着を解
いたのち、カッタヘッド2を回転駆動すると共に推進ジ
ャッキ4を伸長させて後胴体1b側のリアグリッパ7に反
力を支持させながら前胴体1aを推進させ、岩盤を掘削す
る。前胴体1aの推進による一定長さのトンネルCの掘削
後、前胴体1a側のフロントグリッパ5、6を突出させて
トンネル掘削岩盤Aの壁面に圧着させ、これらのグリッ
パ5、6の圧着時に、上記同様にして岩盤の歪み変形量
を測定し、岩盤の硬軟を判定するものである。
【0024】そして、トンネル掘削機1の一定長の掘進
毎に判定されるトンネル掘削岩盤Aの脆弱(硬軟)の程
度によって、掘削壁面に沿って建て込む鋼製支保工Eを
選択する。例えば、岩盤Aの歪み変形量が大きければ、
岩盤Aが脆弱であると判断し得るので、強度やサイズの
大きい支保工Eを用いたり、支保工間のピッチを狭くす
ると共に併用するロックボルトとして長大なものを用
い、岩盤Aの歪み変形量が小さければ、岩盤Aが硬質で
あるので、支保工間のピッチを広くしたり、短いロック
ボルトの併用等を行うものである。
【0025】また、トンネル(パイロット坑)Cの掘削
後に拡幅して傾斜水路Bを施工する場合においても、岩
盤Aの上記性状に応じた工法を採用できるものである。
即ち、岩盤Aが脆弱な場合には無発破工法によって行う
か、或いは火薬の使用量を少なくして施工し、岩盤Aが
硬質の場合には発破工法によって行う等の効果的な施工
法を選択し得るものである。
【0026】図6は本発明における別な岩盤歪み変形量
測定装置の実施例を示すもので、上記フロントグリッパ
5、6の可動シリンダ5b、6bの一方にレーザー発光器21
を他方に該レーザー発光器21に対向させて反射板22を装
着してなるものである。なお、フロントグリッパ5、6
の固定筒5a、6aの底壁にはレーザー光を通過させる透孔
23、24を夫々貫設している。
【0027】このように構成したので、トンネル掘削機
1をフロントグリッパ5、6によって支持させる際に、
フロントグリッパ5、6を前進させてトンネル掘削岩盤
Aに当接したことを上記油圧計9によって検出すると、
その時の両グリッパ5、6間の距離、即ち、トンネル掘
削壁の内空径を、レーザー発光器21からのレーザー光を
反射板22に向かって発光し、該レーザー発光器21に到達
した距離から測定する。なお、レーザー発光器21には光
反射距離の測定器(図示せず)が配設されている。
【0028】この状態から、上記のようにフロントグリ
ッパ5、6のシリンダ5b、6bを更に圧油により押し進め
てトンネル掘削機1の推進反力を支持し得るまで岩盤A
に圧着させると、岩盤Aがその圧着力によって歪み変形
する。この変形量を上記同様にしてレーザー発光器21か
ら反射板22に向かって発振されるレーザー光の反射距離
を測定値から上記フロントグリッパ5、6のシリンダ5
b、6bが岩盤Aに当接した時の上記測定値を減算するこ
とによって算出し、その結果から岩盤Aの軟硬度(性
状)を判定するものである。なお、以上の実施例におい
ては、歪み変形量測定装置をフロントグリッパ5、6側
に設けたが、リアグリッパ7側に設けておいてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明のトンネル掘削岩盤
の性状判定方法によれば、トンネル掘削機の胴体両側に
配設したグリッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてト
ンネル掘削機を支持する際に、グリッパがトンネル掘削
岩盤に当接した状態から該グリッパを押し進めた時の岩
盤の歪み変形量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪
み変形量とグリッパの押圧力との関係から岩盤の性状を
判定するものであるから、トンネル施工を中断すること
なくトンネルの全長に亘って岩盤の歪み変形量を連続的
に正確且つ容易に測定することができ、従って、その歪
み変形量から岩盤の性状を精度よく判定することができ
てトンネル壁面を支持する支保工の強度やピッチ等をそ
の岩盤の性状に合わせて選択可能となり、掘削トンネル
の崩壊を確実に防止し得ると共に作業員の安全を確保し
得る効果的な支保工を築造し得るものである。さらに、
水力発電用の傾斜水路を施工する際には、その岩盤の性
状から発破工法で行えるか無発破工法でも可能であるか
の正確な選択が可能となるものである。
【0030】また、上記両側グリッパ間の距離測定装置
として、請求項3に記載したように一方のグリッパの可
動部にレーザー発光器を、他方のグリッパの可動部に該
発光器からの光反射板を設置しておけば、両側グリッパ
がトンネル掘削岩盤に当接した状態からのグリッパの押
進量、即ち、岩盤の変形歪み量をレーザー発光器から反
射板に発振されるレーザー光線の反射距離から容易に且
つ正確に測定し得るものであり、請求項4に記載した岩
盤歪み変形量測定装置によれば、岩盤に対してグリッパ
を圧着させた時にその反力でグリッパの固定側が内径方
向に歪み変形しても、その歪み変形に拘わらず、岩盤歪
み変形量を両側グリッパに夫々配設しているストローク
計によって精度よく測定でき、グリッパを岩盤に圧着さ
せる毎に該岩盤部分の岩盤性状を正確に判定し得るもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル掘削機の簡略縦断側面図、
【図2】そのフロントグリッパ部分の縦断正面図、
【図3】ストローク計による岩盤歪み変形量測定装置の
簡略縦断正面図、
【図4】パイロット坑を掘削している状態の簡略断面
図、
【図5】グリッパの作動油圧と岩盤の歪み変形量との関
係図、
【図6】レーザー光による岩盤歪み変形量測定装置を示
す簡略縦断正面図。
【符号の説明】
1 トンネル掘削機 1a、1b 前後胴体 5、6 フロントグリッパ 5b、6b 可動シリンダ 9 油圧計 11 歪み変形量測定装置 12 連結部材 13、14 ストローク計 13a 、14a ストローク検出スヒンドル 21 レーザー発光器 22 反射板 A トンネル掘削岩盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 順二 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 吉澤 和久 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 古川 董 大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2号 株 式会社奥村組内 (72)発明者 古賀 明 大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2号 株 式会社奥村組内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル掘削機の胴体両側に配設したグ
    リッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削
    機を支持する際に、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接
    した状態から該グリッパを押し進めた時の岩盤の歪み変
    形量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪み変形量と
    グリッパの押圧力との関係から岩盤の性状を判定するこ
    とを特徴とするトンネル掘削岩盤の性状判定方法。
  2. 【請求項2】 上記岩盤の歪み開始時を、グリッパがト
    ンネル掘削岩盤に当接した状態からさらに押し進めた際
    のグリッパの作動油圧の急激な変化により検知し、歪み
    変形量は両側グリッパ間の距離変化を計測することによ
    り行うことを特徴とする請求項1記載のトンネル掘削岩
    盤の性状判定方法。
  3. 【請求項3】 トンネル掘削機の胴体両側に配設され、
    該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動す
    る可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて前
    記トンネル掘削機を保持する一対のグリッパと、一方の
    グリッパの可動部に取り付けたレーザー発光器と、該レ
    ーザー発光器に対向して他方のグリッパの可動部に取り
    付けたレーザー光反射板とから構成したことを特徴とす
    るトンネル掘削岩盤の性状判定方法に使用する岩盤歪み
    変形量測定装置。
  4. 【請求項4】 トンネル掘削機の胴体両側に配設され、
    該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動す
    る可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて機
    体を保持する一対のグリッパと、一方のグリッパの固定
    部に取り付けたストローク計本体と、その一端が前記グ
    リッパの可動部に固着していると共に他端が前記ストロ
    ーク計本体に摺動自在に支持されてなるストローク検出
    スピンドルとからなるストローク計と、このストローク
    計に剛性を有する連結部材を介して連結される別のスト
    ローク計本体と、その一端が他方のグリッパの可動部に
    固着していると共に他端が前記別のストローク計本体に
    摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルと
    からなる別なストローク計とから構成されていることを
    特徴とするトンネル掘削岩盤の性状判定方法に使用する
    岩盤歪み変形量測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108678768A (zh) * 2018-05-04 2018-10-19 中铁二院昆明勘察设计研究院有限责任公司 一种拼装式的临时支护***及其支护方法
CN113338975A (zh) * 2021-06-07 2021-09-03 燕山大学 一种冲击式可转弯掘进机

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CN113338975A (zh) * 2021-06-07 2021-09-03 燕山大学 一种冲击式可转弯掘进机
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