JPH09114114A - 配向ポリシラン電荷輸送薄膜及びそれを用いた電子デバイス - Google Patents

配向ポリシラン電荷輸送薄膜及びそれを用いた電子デバイス

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JPH09114114A
JPH09114114A JP27146195A JP27146195A JPH09114114A JP H09114114 A JPH09114114 A JP H09114114A JP 27146195 A JP27146195 A JP 27146195A JP 27146195 A JP27146195 A JP 27146195A JP H09114114 A JPH09114114 A JP H09114114A
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JP
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polysilane
thin film
film
charge
substrate
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JP27146195A
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Toshiro Saito
俊郎 斎藤
Masato Isogai
正人 磯貝
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Hitachi Ltd
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動度の高い電荷輸送薄膜を製造する。 【解決手段】 基板上に、主鎖が珪素から構成されてい
るポリシランの膜を形成した電荷輸送膜。ポリシランは
蒸着法で形成され、その主鎖は膜厚方向に配向してい
る。導電性支持体21上に、下引き層22、電荷発生層
23、前記ポリシラン電荷輸送層24を積層すると応答
速度の速い電子写真感光体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシランを用い
た電荷輸送薄膜及びその電荷輸送薄膜を用いた電子デバ
イスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電荷輸送材料としては、トリフェ
ニルアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体やオキザゾール誘
導体を適当なバインダ樹脂に分子分散したものやその蒸
着膜が知られている。これらの電荷輸送材料は電子写真
用感光体や有機電界発光素子などの電荷輸送層に用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電荷輸送材料に求めら
れる特性のうち各種の電子デバイスに用いる上で最も重
要なものは移動度である。電荷輸送材料の移動度が高け
れば高いほど、電子写真感光体の応答速度は速くなり、
有機電界発光素子の輝度は高くなるというように各種電
子デバイスの特性が向上する。従来の輸送材料の移動度
は高々10-5cm 2/Vsのオーダーであり、各種電子
デバイスの特性をより一層向上させるためにはより高い
移動度を持つ電荷輸送材料の開発が求められていた。
【0004】ポリシランを電荷輸送材料に用いる試み
は、Abkowitzらによってポリシランが高いホー
ル移動度を示すことが報告されて以来〔ソリッド・ステ
イト・コミュニケイション、第62巻第8号547頁
(1987年)〕、非常に多く行われている。たとえ
ば、特開昭61−10747号公報、特開昭62−26
9964号公報、特開昭63−285552号公報に
は、ポリシランを電荷輸送層に用いた電子写真感光体が
開示されている。しかしながら、これらに報告されてい
るポリシランを用いた電荷輸送層の移動度は10-4cm
2/Vs程度であり、高速印写が要求されるプリンタの
感光体としては不十分な応答速度しか得られなかった。
【0005】テトラフェニルジアミン等の芳香族アミン
の蒸着薄膜も有機電界発光素子の電荷輸送層として検討
されてきたが、やはり移動度が10-4cm2/Vs程度
と低いために十分な輝度が得られていない。本発明は、
移動度の高い電荷輸送薄膜を提供すること、及び特性の
向上した電子デバイスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】種々のポリシランについ
て電荷輸送材料としての特性を鋭意検討した結果、主鎖
の向きを一方向に揃えた配向ポリシランが桁違いに高い
移動度を示すことを見出した。そして、この配向ポリシ
ラン膜を各種電子デバイスの電荷輸送層として用いると
デバイスの特性を著しく向上できることを見出すに到っ
た。
【0007】すなわち、本発明による電荷輸送膜は、基
板上に、主鎖が珪素から構成されている下式で表される
ポリシランの膜を形成した電荷輸送膜において、その主
鎖が膜厚方向に配向していることを特徴とする。
【0008】
【化2】
【0009】R1,R2はCn2n+1(nは1以上の整
数)で表されるアルキル基、又は置換基を有していても
よいアリル基を表す。R1とR2は同じものでも異なって
いてもよい。移動度には置換基の種類による大きな違い
は認められなかった。高分子を配向させる方法として
は、ラビング処理した配向膜を用いる方法が知られてい
るが、そのような配向膜によっては基体に対してポリシ
ランの主鎖を垂直に配向させることが困難であった。基
体に対してポリシランの主鎖を垂直に配向させる方法に
ついて鋭意検討した結果、蒸着法が優れていることが見
出された。
【0010】主鎖を膜厚方向に配向させたポリシランを
用いると移動度が増大するのは、キャリアを輸送しよう
とする方向にポリシランの主鎖を配向させたため、主鎖
間をキャリアがホッピングする過程が減少しキャリアが
主に主鎖上を走行するようになったためと考えられる。
さらに、上記配向ポリシラン電荷輸送薄膜を、感光体の
電荷輸送層、電界発光素子の正孔輸送層に用いるとそれ
ぞれの特性が大幅に向上することが見出された。配向ポ
リシラン電荷輸送薄膜を電子写真用感光体に適用する際
には、導電性支持体上に電荷発生層を設け、その上に配
向ポリシラン薄膜を形成する。帯電性が劣る場合には、
導電性支持体から電荷発生層への電荷の注入を阻止する
目的で導電性支持体と電荷発生層との間に下引き層を設
けることが望ましい。
【0011】上記配向ポリシラン電荷輸送薄膜を有機電
界発光素子に適用する際には、透明電極基板上に配向ポ
リシラン薄膜、発光層、電子輸送層、電極を順次積層し
た構成とする。発光材料と電子輸送材料とを同一の材料
とし発光する部位を配向ポリシラン薄膜と電子輸送層と
の界面とする構成や、配向ポリシラン薄膜中に発光材料
を分散させた構成や、配向ポリシラン薄膜中に発光材料
と電子輸送材料とを分散させた構成としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。 〈実施例1〉図1に断面構造を示すタイム・オブ・フラ
イト(time of flight)測定用の試料セルを作製した。
【0013】庄野らによってジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソシエティ・ケミカル・コミュニケーション、11
60頁(1990年)に報告されている電極還元反応を
用いてジ−n−ブチルジクロロシラン(チッソ製)を脱
塩素縮合して、ポリ(ジ−n−ブチル)シランを合成し
た。また、特開昭62−256866号公報に記載され
ている処方に従い、チタニルフタロシアニンを得た。
【0014】スライドガラス11に透明電極としてIT
O薄膜12をスパッタ法で作成し、その上にSiOx薄
膜13を真空蒸着法で150〜200nm形成し、その
上に電荷発生層としてチタニルフタロシアニン層14を
真空度6〜7×10-6Torrのもとで抵抗加熱により
約150nmの厚さに蒸着した。膜厚の測定は触針式膜
厚計(ULVAC DEKTAK−3030)で行っ
た。この蒸着膜をテトラヒドロフランを入れたシャーレ
上に14時間放置し、結晶成長を行った。得られた処理
後の膜のX線回折スペクトルを測定したところ、12.
7°,25.4°,28.6°に回折ピークが現れたこと
から、このチタニルフタロシアニン膜14の結晶型はα
型であることが確認された。
【0015】次に、前記方法で合成したポリ(ジ−n−
ブチル)シラン0.3gをタンタル製の加熱用ボードに
入れ、真空蒸着装置(ULVAC EBV−6CA)で
真空度6〜7×10-6Torrのもとで、2枚のチタニ
ルフタロシアニン蒸着膜基板と2枚の石英基板の上に蒸
着した。加熱用ボードの温度は約400℃とし、蒸着速
度は1nm/sec程度とした。この際、1枚のチタニ
ルフタロシアニン蒸着膜基板と1枚の石英基板は100
℃に加熱してポリ(ジ−n−ブチル)シランの蒸着を行
い、残りのチタニルフタロシアニン蒸着膜基板と石英基
板は室温で蒸着を行った。蒸着されたポリ(ジ−n−ブ
チル)シラン膜15の膜厚を触針式膜厚計(ULVAC
DEKTAK−3030)で測定したところ、1μm
であった。
【0016】石英基板上に蒸着されたポリ(ジ−n−ブ
チル)シラン蒸着膜を吸収スペクトル測定用試料とし
て、吸収スペクトルを測定した。結果を図2に示す。図
2(a)は蒸着時の基板温度を室温とした試料の吸収ス
ペクトルであり、図2(b)は蒸着時の基板温度を10
0℃とした試料の吸収スペクトルである。いずれの図に
おいても、太線は試料膜と入射光線のなす角度を90°
としたとき(垂直入射)の吸収スペクトルであり、細線
は試料膜と入射光線のなす角度を45°としたときの吸
収スペクトルである。
【0017】図2(a)に示されているように、石英基
板を加熱せずに室温のままとしてポリ(ジ−n−ブチ
ル)シランを蒸着した試料の吸収スペクトルは、光の入
射角度によって大きく変化し、315nm付近のSi骨
格のシグマ共役にもとづく吸収ピークは、光が蒸着膜に
垂直に当たる時には観測されず、光が蒸着膜に対し斜め
に当たる時に現れ、光の進行方向と蒸着膜とのなす角度
が小さくなればなるほど吸収ピークの強度が増加するこ
とが観測された。このことは、ポリシランのSi−Si
結合すなわち主鎖が石英基板に対して垂直に配向してい
ることを示している。
【0018】一方、図2(b)から分かるように、10
0℃に加熱した石英基板上に蒸着した試料のスペクトル
にはそのような入射角度依存性は顕著には見られなかっ
た。このことは、加熱した基板上にポリシランを蒸着す
ると主鎖は配向せずランダムな方向を向いていることを
示している。従って、基板を加熱するかしないかにより
配向していない膜と配向した膜を容易に作ることができ
ることが分かった。
【0019】吸収スペクトル測定後蒸着膜をヘキサンに
溶かし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分子
量の測定を行ったところ、分子量は約4000であっ
た。このポリ(ジ−n−ブチル)シラン蒸着膜15上に
アルミニウム電極16を真空蒸着法により形成してポリ
シランの主鎖が電極に対して垂直に配向したものとして
いないものの2種類のサンドイッチ型の試料セルを作製
した。
【0020】タイム・オブ・フライトの測定は、次のよ
うにして行った。予めITO電極12側に正の電圧(3
0〜100V)を印加し、QスイッチYAGレーザー励
起色素レーザー(Spectra Physics社
製、DCR−3、PDL−2、波長700nm)17の
光をITO電極側から試料セルに照射した。その際、ア
ルミニウム電極16とアース間に入れた挿入抵抗(50
Ω)18を光電流が流れることによって生じる電位の時
間変化を、デジタルオシロスコープ(テクトロニクス社
製 2430A)19で測定した。レーザー17の出力
光の一部はハーフミラーで分割して光検出器20で検出
し、この光検出器20の出力信号をデジタルオシロスコ
ープ19のトリガ信号として用いた。
【0021】出力波形の典型例を図3に示す。この出力
波形の前後の接線の交点からトランジットタイムtが求
められる。波形が明瞭な折れ曲がりを持たない場合に
は、両対数のプロットをとり、その折れ曲がりの前後の
接線の交点からトランジットタイムを求める。移動度μ
は、膜厚をL、印加電圧をVとして下式から決定され
る。
【0022】μ=L2/(V・t) ポリシランの主鎖が電極に対して垂直に配向したものと
していないものの移動度は、30V/μmの電界強度の
もとでそれぞれ約1×10-3、1×10-4cm 2/Vs
であった。この結果は、主鎖をキャリアが走行する方向
に配向させた方が移動度が高くなることを如実に示して
いる。 〈実施例2〉実施例1と同様にして、図1に断面構造を
示すタイム・オブ・フライト測定用の試料セルを作製し
た。ただし、電荷輸送薄膜としてポリ(ジ−n−ブチ
ル)シランに代えてポリメチルフェニルシランを用い
た。
【0023】ポリメチルフェニルシランは、庄野らによ
ってジャーナル・オブ・ケミカル・ソシエティ・ケミカ
ル・コミュニケーション、1160頁(1990年)に
報告されている電極還元反応を用いて、メチルフェニル
ジクロロシラン(チッソ製)を脱塩素縮合して合成し
た。実施例1と同様な方法でITO透明電極上にSiO
x薄膜、チタニルフタロシアニン薄膜を順次形成し、そ
の上にポリメチルフェニルシランを蒸着し、さらにアル
ミニウム電極を蒸着してサンドイッチ型の試料セルを作
製した。試料セルは、実施例1と同様に、ポリメチルフ
ェニルシランの蒸着時の基板温度を室温とした試料セル
と、100℃とした試料セルの2種類のものを作製し
た。ポリメチルフェニルシランの膜厚は、加熱した基板
に蒸着したものも室温の基板に蒸着したものも約1.1
μmであった。
【0024】ポリメチルフェニルシラン蒸着時の基板温
度を室温とした場合には、蒸着膜の吸収スペクトルに図
2(a)に示したのと同様な光の入射角度依存性が見ら
れ、基板を加熱して蒸着した場合にはその依存性が顕著
には見られなかった。このことから、ポリメチルフェニ
ルシラン膜においても、実施例1と同様に基板を加熱し
た場合には無配向の膜が、基板を室温のままにした場合
にはポリシランの主鎖が基板に垂直に配向した膜が得ら
れたことが分かった。
【0025】前記2種類の試料セルを用いて移動度の測
定を行った。測定方法は実施例1と同様とした。ポリシ
ランの主鎖が電極に対して垂直に配向したものとしてい
ないものの移動度は、30V/μmの電界強度のもとで
それぞれ約8×10-4、9×10-5cm 2/Vsであっ
た。実施例1と同様に、キャリアが走行する方向に主鎖
を配向させた方が移動度が高くなることが分かる。
【0026】実施例1と実施例2の移動度測定結果を表
1にまとめて示す。
【0027】
【表1】 〔電界強度30V/μmにおける移動度(cm2/Vs)〕 基板を加熱 基板を加熱せず 実施例1 1×10-4 1×10-3 実施例2 9×10-5 8×10-4 〈実施例3〉図4に断面構造を示す電子写真用感光体を
作製した。
【0028】作製にあたっては、アルミニウム基板21
上に、ポリアミド樹脂(商品名;M−1276、日本リ
ルサン株式会社製)1重量部、メラミン樹脂(商品名;
メラン2000、日立化成工業株式会社製)1重量部と
からなる下引き層22を約0.1μmの厚さに塗工し
た。その上に、τ型無金属フタロシアニン(東洋インキ
株式会社製、リオフォトン)2.5重量部をプロパノー
ル95重量部、ポリビニルブチラール(商品名;電化ブ
チラール#3000K、電気化学製)2.5重量部の溶
液に添加し、超音波洗浄機を用いて8時間分散して得ら
れた分散液を、浸漬塗工して電荷発生層23を形成し
た。電荷発生層23の膜厚は約0.3μmであった。
【0029】次に、実施例1で述べた方法で合成したポ
リ(ジ−n−ブチル)シラン0.8gをタンタル製の加
熱用ボードに入れ、真空蒸着装置(ULVAC EBV
−6CA)で真空度6〜7×10-6Torrのもとで電
荷発生層23の上に蒸着し(加熱ボードの温度は約40
0℃)て電荷輸送層24となし、電子写真用感光体を作
製した。比較用として、電荷発生層23を塗工してある
アルミニウム基板21を100℃に加熱しながらポリシ
ランを蒸着した試料も作製した。
【0030】実施例1からも明らかなように、電荷発生
層基板を100℃に加熱した場合にはポリシランは無配
向であり、基板温度が室温の場合には、電荷発生層に対
してポリシランの主鎖が垂直に配向していると判断され
る。膜厚の測定を触針式膜厚計(ULVAC DEKT
AK−3030)で行ったところ、2μmであった。こ
の様にして作製した電子写真感光体の電子写真特性評価
装置(ジェンティック社製、CYNTHIA 30H
L)で評価した。初期帯電を−90Vとし、40μW/
cm2、780nmの光を50ms間照射し、電位が−
45V(50%減衰)になるのに要する時間(半減露光
時間)を光応答性の評価基準として測定した。結果を表
2に示す。
【0031】
【表2】基板を加熱 基板を加熱せず 7.4ms 1.2ms 表2から明らかなように、ポリシラン蒸着時に電荷発生
層基板を加熱しない場合の方が光応答性に優れており、
ポリシランの主鎖を電荷発生層に対して垂直に配向させ
ることの有効性が確認された。 〈実施例4〉図5に断面構造示す発光素子を作製した。
【0032】作製にあたっては、ガラス基板31に幅5
mm長さ1cmのITO薄膜32をスパッタ法で形成
し、透明電極とした。その上に、実施例1で述べた方法
で合成したポリ(ジ−n−ブチル)シランを抵抗加熱方
式で蒸着して電荷輸送層33とした。比較のために、実
施例1から3と同様に、ポリ(ジ−n−ブチル)シラン
蒸着時の基板温度を室温とした発光素子と、100℃と
した発光素子の2種類のものを作製した。ポリシラン電
荷輸送層33の膜厚は約30nmであった。次に、電子
輸送層と発光材料を兼ねる層34としてトリス(8−キ
ノリノレート)アルミニウム錯体を約50nm蒸着し
た。最後に、インジウムを約200nm蒸着して電極3
5とした。
【0033】透明電極32を正極とし、インジウム電極
35を負極とした。この素子に約2秒間隔で直流電圧を
2Vずつステップ状に印加し、そのときの電流密度と発
光輝度の関係を測定した。輝度の測定にはミノルタ製L
S−100を使用した。図6に測定結果を示す。図6
中、●はポリ(ジ−n−ブチル)シラン蒸着時の基板温
度を室温とした発光素子の測定値であり、○は蒸着時の
基板温度を100℃とした発光素子の測定値である。図
6から明らかなように、ポリシランの主鎖が基板に対し
て垂直に配向した移動度の高いポリシランを正孔輸送層
に用いた場合の方が輝度が向上していることが分かる。
この結果は、本発明による電荷輸送薄膜の有効性を明確
に示すものである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、無機半導体並の非常に
高い移動度を有する有機電荷輸送層を蒸着法により簡便
かつ安価に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイム・オブ・フライト測定系の概略図。
【図2】ポリシラン蒸着膜試料の吸収スペクトルを示す
図。
【図3】測定波形図。
【図4】電子写真用感光体の断面概略図。
【図5】有機電界発光素子の断面概略図。
【図6】本発明による有機電界発光素子の発光輝度−電
流密度特性図。
【符号の説明】
11…スライドガラス、12…ITO薄膜、13…Si
Ox薄膜、14…チタニルフタロシアニン層、15…ポ
リ(ジ−n−ブチル)シラン膜、16…アルミニウム電
極、17…レーザー、18…抵抗、19…デジタルオシ
ロスコープ、20…光検出器、21…導電性支持体、2
2…下引き層、23…電荷発生層、24…ポリシラン電
荷輸送層、31…ガラス基板、32…ITO電極、33
…ポリシラン電荷輸送層、34…電子輸送層兼発光材料
層、35…インジウム電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、主鎖が珪素から構成されてい
    る下式で表されるポリシランの膜を形成した電荷輸送膜
    において、その主鎖が膜厚方向に配向していることを特
    徴とする電荷輸送薄膜。 【化1】 (R1,R2はCn2n+1(nは1以上の整数)で表され
    るアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリル基
    を表す)
  2. 【請求項2】 前記ポリシラン膜は蒸着によって形成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の電荷輸送薄膜。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電荷輸送薄膜を
    用いたことを特徴とする電子デバイス。
  4. 【請求項4】 導電性基体と、電荷発生物質を含有した
    電荷発生層と、請求項1に記載の電荷輸送薄膜からなる
    電荷輸送層とを含むことを特徴とする電子写真用感光
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電荷輸送薄膜を正孔輸
    送層として用いたことを特徴とする有機電界発光素子。
JP27146195A 1995-10-19 1995-10-19 配向ポリシラン電荷輸送薄膜及びそれを用いた電子デバイス Pending JPH09114114A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000305289A (ja) * 1999-02-16 2000-11-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体と、それを用いた画像形成方法及び装置
JP2001053355A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Sharp Corp 光電変換素子、その製造方法及び太陽電池
US7955768B2 (en) 2006-09-11 2011-06-07 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor and method for producing the same, image forming apparatus, and process cartridge

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