JPH09110835A - 6−アザスピロ[4.5]デカン誘導体 - Google Patents

6−アザスピロ[4.5]デカン誘導体

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JPH09110835A
JPH09110835A JP7273023A JP27302395A JPH09110835A JP H09110835 A JPH09110835 A JP H09110835A JP 7273023 A JP7273023 A JP 7273023A JP 27302395 A JP27302395 A JP 27302395A JP H09110835 A JPH09110835 A JP H09110835A
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JP
Japan
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lower alkyl
azaspiro
tri
methanol
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JP7273023A
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English (en)
Inventor
Daisuke Kamimura
大輔 上村
Tou Shiyuu
▲とう▼ 周
Kazuyoshi Yazawa
一良 矢澤
Mayumi Kano
真弓 鹿野
Yuiko Ootani
結子 大谷
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な構造を有する抗炎症性物質を提供す
る。 【構成】 下記一般式 【化1】 で表される6−アザスピロ[45]デカン誘導体。
(式中、R1は水素原子,置換もしくは無置換の低級アル
キル基、トリ低級アルキルシリル基、アシル基又はスル
ホ低級アルキル基を表し、R2、R3 及びR4は独立に水
素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ低
級アルキルシリル基、又はアシル基を表し、Xはハロゲ
ン原子を表し、Yは酸素原子又は-NR5-を表す。R5
水素原子,置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ
低級アルキルシリル基又はアシル基を表す。) 【効果】 細胞質ホスホリパーゼA 2 阻害活性を有し、
抗炎症剤としての利用が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な6−アザスピ
ロ[4,5]デカン誘導体に関する。本化合物は細胞質
ホスホリパーゼA2 阻害活性を有し、抗炎症剤として利
用することが期待される。
【0002】
【従来の技術】炎症反応は有害な刺激が生体に侵入した
場合に発効される一種の生体防御作用であるが、結果と
して腫れ、痛み、臓器機能障害などの支障を伴い、致死
的であることも少なくない。具体的には外部からの作用
に対するI型アレルギーに伴う急性の炎症から、腎炎や
リウマチ性疾患による慢性の炎症まで、その原因や発症
過程、及び症状は極めて広範囲、かつ複雑である。この
対症療法剤として用いられるのが抗炎症剤と呼ばれる物
で、ステロイド抗炎症剤と非ステロイド抗炎症剤に大別
され、各種糖質コルチコイドやインドメタシン等が代表
として挙げられる。しかし、ステロイド系抗炎症剤は、
種々の蛋白性メジエーターを含む蛋白合成阻害作用を持
ち、薬理効果が広範囲であり治癒効果も大きいものの重
篤な副作用を引き起こすことが知られ、また薬理効果と
副作用の分離はほぼ不可能であることも最近明らかにさ
れた。一方、非ステロイド系抗炎症剤は、シクロオキシ
ゲナーゼ阻害(プロスタグランジン産生抑制)作用が主
要薬理作用であるため効果が限定される。そのため新た
な薬理作用に基づく抗炎症剤の開発が求められており、
細胞質内ホスホリパーゼA2阻害活性をもつ化合物はその
目的にかなう物質であると考えられる。細胞質ホスホリ
パーゼA2はごく最近その存在が明かにされた酵素であ
り、その活性化により主な炎症惹起メジエーターである
プロスタグランジン、ロイコトリエン、PAFの酵素的産
生が共通して開始されることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は新規な
構造を有する抗炎症性物質を発見することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は海洋生物の
抽出液に含まれる成分を検索した結果、ピンナ属に属す
るイワカワハゴロモガイの剥き身の抽出液から分離され
る新規な6−アザスピロ[4,5]デカン誘導体が、細
胞質ホスホリパーゼA2 阻害活性を有することを見出
し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1は水素原子,置換もしくは無置
換の低級アルキル基、トリ低級アルキルシリル基、アシ
ル基又はスルホ低級アルキル基を表し、R2、R3 及び
4は独立に水素原子、置換もしくは無置換の低級アル
キル基、トリ低級アルキルシリル基、又はアシル基を表
し、Xはハロゲン原子を表し、Yは酸素原子又は-NR5
-を表す。R5は水素原子,置換もしくは無置換の低級ア
ルキル基、トリ低級アルキルシリル基又はアシル基を表
す。)で表される6−アザスピロ[4,5]デカン誘導
体を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)において、低級
アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状
のアルキル基を意味し、その具体例としてメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることがで
きる。低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン原
子、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基、フ
ェニル基、p−トリル基、フリル基等のアリール基等を
挙げることができる。
【0009】また、トリ低級アルキルシリル基として
は、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、t-
ブチルジメチルシリル基等を例示することができ、アシ
ル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル
基等を例示することができる。さらに、スルホ低級アル
キル基としては、2ースルホエチル基、2ースルホプロ
ピル基、3ースルホプロピル基、4ースルホブチル基等
を例示することができる。
【0010】本発明の前記一般式(I)で表される6−
アザスピロ[4,5]デカン誘導体のうち、下記式
(1)及び(2)で表される化合物は、ピンナ属の貝類
である例えばイワカワハゴロモガイ(Pinna属)等
の貝の剥き身を有機溶媒中で粉砕、抽出し、更にクロマ
トグラフィにより分離することにより、通常の方法で得
られる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】粉砕、抽出に用いられる溶媒としてはエタ
ノール、メタノール、アセトン等が挙げられ、クロマト
グラフィはカラム、高速液体及び薄層クロマトグラフィ
が用いられ、カラムクロマトグラフィとしてはTSK−
G3000Sの他、ダイヤイオンHP−20、セファデ
ックスLH−20、DEAEセファデックス、逆相系の
RP−18等が用いられ、高速液体クロマトグラフィと
しては逆相系RP−18等が用いられ、薄層クロマトグ
ラフィとしては、シリカゲルの他、RP−18が用いら
れる。
【0014】本発明の前記一般式(I)で表されるその
他の化合物は、例えば前記式(1)で表される6−アザ
スピロ[4,5]デカン誘導体を常法に従って、ヨウ化
メチル等のアルキル剤によるアルキル化、トリメチルシ
リルクロリド等のシリル化剤によるシリル化、アセチル
クロリド等によるアシル化によって得ることができる。
また、前記式(2)で表される6−アザスピロ[4,
5]デカン誘導体の適当な縮合剤存在下でのエステル化
もしくはアミド化、あるいは上記と同様のアルキル化、
シリル化、アシル化等を所望により組合せて行うことに
よっても得ることができる。
【0015】以下、実施例及び試験例により詳細に説明
する。
【0016】
【実施例】
実施例 1 イワカワハゴロモガイの剥き身(10kg)を、約10
Lのエタノールと混合して、ブレンダで粉砕した。得ら
れた浸漬液は10日間冷浸した後、内径30cmのブフ
ナロートで吸引濾過した。茶褐色の濾液を減圧下ロータ
リエバポレータ(約40℃)で濃縮乾固し、この濃縮物
を80%メタノールとn−ヘキサンで分配した。80%
メタノール層を濃縮し、水と酢酸エチルで分配し、水層
を濃縮した。
【0017】ガラスカラムにエタノールで懸濁させたT
SK−G3000Sを充填し、溶媒を水に置換した後、
上記の濃縮した水層を通過させた。このカラムに順次、
25%エタノール−水、50%エタノール−水、75%
エタノール−水、99%エタノールを流し、50%エタ
ノールで溶出される画分を集めて濃縮後、少量のメタノ
ール溶液とした。これをメタノールで膨潤させたセファ
デックスLH−20カラムに乗せ、メタノールで溶出
し、活性画分を集め濃縮後少量の水溶液とした。このも
のをDEAEセファデックスカラムに乗せ、0.02M
リン酸緩衝液(pH6.9)で溶出、活性画分をそのま
まTSK−G3000S(水)に乗せ、エタノールの割
合を25、50、75、99%と順次変化させたエタノ
ール−水混合溶媒で溶出し、50%エタノール溶出部を
集め濃縮した。逆相カラムに乗せ、60%メタノール−
水で溶出し、活性画分を集めて、濃縮して順相カラムに
乗せ、15%メタノール−クロロフォルムで溶出し活性
画分1を集め濃縮した。これを分取用シリカゲル薄層板
(厚さ0.5mm、20x20cm)に吸着させ、メタ
ノール:クロロフォルム(3:7)で1時間展開し、R
f値が0.5付近の部分をかきとり、クロロフォルム:
メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後静置し、
下層を分液濃縮した。単一活性画分を濃縮乾固して6−
アザスピロ[4,5]デカン誘導体(1)(4mg)を
淡黄色固体として得た。このものの物性は以下の通りで
あった。
【0018】分子量:532 分子式:C25H41ClN2O6S1 H-NMR(CD3OD, 400MHz):δ6.28(1H,t), 5.82(1H,dd),
5.72(1H,d), 5.64(1H,dd), 5.03(1H,dd), 3.78(2H,t),
3.68(2H,t), 3.40(1H,m), 3.00(2H,t), 2.56(2H,br.d
d), 2.55(2H,t), 2.40(1H,m), 2.15(1H,dd), 1.98(1H),
1.92(1H), 1.88(3H,s), 1.86(1H), 1.84(1H), 1.82(2
H), 1.79(1H), 1.68(1H), 1.64(1H), 1.56(1H), 1.54(1
H), 1.40(1H,dddd), 1.08(3H,d).
【0019】13C-NMR(CD3OD, 125MHz):δ169.04(s), 1
36.98(d), 134.51(s), 132.14(s), 130.69(d), 128.29
(d), 127.71(d), 68.80(d), 68.74(s), 58.06(t), 54.2
1(d), 53.46(d), 49.05(t), 41.65(t), 36.17(d), 35.0
5(t), 34.11(t), 33.74(t), 31.24(t), 28.37(t), 27.2
1(t), 21.55(t), 19.38(t), 18.96(q), 11.30(q).
【0020】HRFAB-MS:m/z 533.2452 (△-0.5mmu)(M+H)
+
【0021】前記順相カラムの15%メタノール−クロ
ロフォルム溶出活性画分2を分取用シリカゲル薄層板
(厚さ0.5mm、20×20cm)に吸着させ、メタ
ノール:クロロフォルム(3:7)で1時間展開し、R
f値が0.2付近の部分をかきとり、クロロフォルム:
メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後静置し、
下層を分液濃縮した。単一活性画分を濃縮乾固して6−
アザスピロ[4,5]デカン誘導体(2)(1mg)を
淡黄色固体として得た。このものの物性は以下の通りで
あった。
【0022】分子量:425 分子式:C23H38ClNO4 1 H-NMR(CD3OD, 400MHz):δ6.45(1H,t), 5.82(1H,dd),
5.72(1H,d), 5.64(1H,dd), 5.03(1H,dd), 3.78(2H,t),
3.40(1H,m), 2.56(2H,br.dd), 2.55(2H,t), 2.40(1H,
m), 2.15(1H,dd), 1.98(1H), 1.92(1H), 1.88(3H,s),
1.86(1H), 1.84(1H),1.82(2H), 1.79(1H), 1.68(1H),
1.64(1H), 1.56(1H), 1.54(1H), 1.40(1H,dddd), 1.08
(3H,d).
【0023】13C-NMR(CD3OD, 125MHz):δ170.14(s), 1
36.97(d), 134.51(s), 132.01(s), 130.75(d), 128.22
(d), 127.71(d), 68.84(d), 68.48(s), 58.06(t), 54.2
1(d), 53.46(d), 41.65(t), 36.37(d), 34.17(t), 33.7
0(t), 31.53(t), 28.54(t), 27.20(t), 21.66(t), 19.4
6(t), 19.03(q), 11.86(q).
【0024】HRFAB-MS:m/z 426.2412 (△+0.1mmu)(M+H)
+
【0025】試験例 1 ホスホリパーゼA2 阻害活性
測定 ホスホリパーゼA2 (PLA2 )としてはウサギ血小板
より既報(FEBS Lett., 282, 326-330, 1991)に基づき
精製した85kDa細胞質PLA2(cPLA2)を用
い、本酵素に対する阻害活性を以下のように測定した。
6−アザスピロ[4,5]デカン誘導体(1)また
(2)はメタノールに溶解し試験液として使用した。1
Mトリス−塩酸(pH9.0)を25μL、50mM塩
化カルシウム溶液20μLの混合緩衝液に試験液とcP
LA2 溶液を加えて200μLとし、37℃で20分間
反応させた。その後、基質である1−パルミトイル−2
−[14C]アラキドノイル−グリセロホスホエタノール
アミン(0.5nmol/50000dpm/50μ
L)を加え、更に37℃で20分間反応させた。ドール
試薬(イソプロパノール:ヘプタン:1N硫酸=10:
40:1)を1.25mL加え、反応を停止し、ドール
の方法により[14C]アラキドン酸画分を回収してその
放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定する
ことにより酵素活性を測定した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の化合物は細胞質ホスホリパーゼ
A2 阻害活性を有するため、細胞質ホスホリパーゼA2
阻害剤としての用途を有し、例えば抗炎症剤またはその
プロドラッグとして利用することが期待される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 6−アザスピロ[45]デカン誘導
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R1は水素原子,置換もしくは無置換の低級アル
キル基、トリ低級アルキルシリル基、アシル基又はスル
ホ低級アルキル基を表し、R2、R3 及びR4は独立に水
素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ低
級アルキルシリル基、又はアシル基を表し、Xはハロゲ
ン原子を表し、Yは酸素原子又は-NR5-を表す。R5
水素原子,置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ
低級アルキルシリル基又はアシル基を表す。)で表され
る6−アザスピロ[45]デカン誘導体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な6−アザスピ
ロ[45]デカン誘導体に関する。本化合物は細胞質
ホスホリパーゼA 2 阻害活性を有し、抗炎症剤として利
用することが期待される。
【0002】
【従来の技術】炎症反応は有害な刺激が生体に侵入した
場合に発効される一種の生体防御作用であるが、結果と
して腫れ、痛み、臓器機能障害などの支障を伴い、致死
的であることも少なくない。具体的には外部からの作用
に対するI型アレルギーに伴う急性の炎症から、腎炎や
リウマチ性疾患による慢性の炎症まで、その原因や発症
過程、及び症状は極めて広範囲、かつ複雑である。この
対症療法剤として用いられるのが抗炎症剤と呼ばれる物
で、ステロイド抗炎症剤と非ステロイド抗炎症剤に大別
され、各種糖質コルチコイドやインドメタシン等が代表
として挙げられる。しかし、ステロイド系抗炎症剤は、
種々の蛋白性メジエーターを含む蛋白合成阻害作用を持
ち、薬理効果が広範囲であり治癒効果も大きいものの重
篤な副作用を引き起こすことが知られ、また薬理効果と
副作用の分離はほぼ不可能であることも最近明らかにさ
れた。一方、非ステロイド系抗炎症剤は、シクロオキシ
ゲナーゼ阻害(プロスタグランジン産生抑制)作用が主
要薬理作用であるため効果が限定される。そのため新た
な薬理作用に基づく抗炎症剤の開発が求められており、
細胞質内ホスホリパーゼA2阻害活性をもつ化合物はその
目的にかなう物質であると考えられる。細胞質ホスホリ
パーゼA2はごく最近その存在が明かにされた酵素であ
り、その活性化により主な炎症惹起メジエーターである
プロスタグランジン、ロイコトリエン、PAFの酵素的産
生が共通して開始されることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は新規な
構造を有する抗炎症性物質を発見することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は海洋生物の
抽出液に含まれる成分を検索した結果、ピンナ属に属す
るイワカワハゴロモガイの剥き身の抽出液から分離され
る新規な6−アザスピロ[45]デカン誘導体が、細
胞質ホスホリパーゼA 2 阻害活性を有することを見出
し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1は水素原子,置換もしくは無置
換の低級アルキル基、トリ低級アルキルシリル基、アシ
ル基又はスルホ低級アルキル基を表し、R2、R3 及び
4は独立に水素原子、置換もしくは無置換の低級アル
キル基、トリ低級アルキルシリル基、又はアシル基を表
し、Xはハロゲン原子を表し、Yは酸素原子又は-NR5
-を表す。R5は水素原子,置換もしくは無置換の低級ア
ルキル基、トリ低級アルキルシリル基又はアシル基を表
す。)で表される6−アザスピロ[45]デカン誘導
体を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)において、低級
アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状
のアルキル基を意味し、その具体例としてメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることがで
きる。低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン原
子、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基、フ
ェニル基、p−トリル基、フリル基等のアリール基等を
挙げることができる。
【0009】また、トリ低級アルキルシリル基として
は、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、t-
ブチルジメチルシリル基等を例示することができ、アシ
ル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル
基等を例示することができる。さらに、スルホ低級アル
キル基としては、2ースルホエチル基、2ースルホプロ
ピル基、3ースルホプロピル基、4ースルホブチル基等
を例示することができる。
【0010】本発明の前記一般式(I)で表される6−
アザスピロ[45]デカン誘導体のうち、下記式
(1)及び(2)で表される化合物は、ピンナ属の貝類
である例えばイワカワハゴロモガイ(Pinna属)等
の貝の剥き身を有機溶媒中で粉砕、抽出し、更にクロマ
トグラフィにより分離することにより、通常の方法で得
られる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】粉砕、抽出に用いられる溶媒としてはエタ
ノール、メタノール、アセトン等が挙げられ、クロマト
グラフィはカラム、高速液体及び薄層クロマトグラフィ
が用いられ、カラムクロマトグラフィとしてはTSK−
G3000Sの他、ダイヤイオンHP−20、セファデ
ックスLH−20、DEAEセファデックス、逆相系の
RP−18等が用いられ、高速液体クロマトグラフィと
しては逆相系RP−18等が用いられ、薄層クロマトグ
ラフィとしては、シリカゲルの他、RP−18が用いら
れる。
【0014】本発明の前記一般式(I)で表されるその
他の化合物は、例えば前記式(1)で表される6−アザ
スピロ[45]デカン誘導体を常法に従って、ヨウ化
メチル等のアルキル剤によるアルキル化、トリメチルシ
リルクロリド等のシリル化剤によるシリル化、アセチル
クロリド等によるアシル化によって得ることができる。
また、前記式(2)で表される6−アザスピロ[4
5]デカン誘導体の適当な縮合剤存在下でのエステル化
もしくはアミド化、あるいは上記と同様のアルキル化、
シリル化、アシル化等を所望により組合せて行うことに
よっても得ることができる。
【0015】以下、実施例及び試験例により詳細に説明
する。
【0016】
【実施例】 実施例 1 イワカワハゴロモガイの剥き身(10kg)を、約10
Lのエタノールと混合して、ブレンダで粉砕した。得ら
れた浸漬液は10日間冷浸した後、内径30cmのブフ
ナロートで吸引濾過した。茶褐色の濾液を減圧下ロータ
リエバポレータ(約40℃)で濃縮乾固し、この濃縮物
を80%メタノールとn−ヘキサンで分配した。80%
メタノール層を濃縮し、水と酢酸エチルで分配し、水層
を濃縮した。
【0017】ガラスカラムにエタノールで懸濁させたT
SK−G3000Sを充填し、溶媒を水に置換した後、
上記の濃縮した水層を通過させた。このカラムに順次、
25%エタノール−水、50%エタノール−水、75%
エタノール−水、99%エタノールを流し、50%エタ
ノールで溶出される画分を集めて濃縮後、少量のメタノ
ール溶液とした。これをメタノールで膨潤させたセファ
デックスLH−20カラムに乗せ、メタノールで溶出
し、活性画分を集め濃縮後少量の水溶液とした。このも
のをDEAEセファデックスカラムに乗せ、0.02M
リン酸緩衝液(pH6.9)で溶出、活性画分をそのま
まTSK−G3000S(水)に乗せ、エタノールの割
合を25、50、75、99%と順次変化させたエタノ
ール−水混合溶媒で溶出し、50%エタノール溶出部を
集め濃縮した。逆相カラムに乗せ、60%メタノール−
水で溶出し、活性画分を集めて、濃縮して順相カラムに
乗せ、15%メタノール−クロロフォルムで溶出し活性
画分1を集め濃縮した。これを分取用シリカゲル薄層板
(厚さ0.5mm、20x20cm)に吸着させ、メタ
ノール:クロロフォルム(3:7)で1時間展開し、R
f値が0.5付近の部分をかきとり、クロロフォルム:
メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後静置し、
下層を分液濃縮した。単一活性画分を濃縮乾固して6−
アザスピロ[45]デカン誘導体(1)(4mg)を
淡黄色固体として得た。このものの物性は以下の通りで
あった。
【0018】分子量:532 分子式:C25H41ClN2O6S1 H-NMR(CD3OD, 400MHz):δ6.28(1H,t), 5.82(1H,dd),
5.72(1H,d), 5.64(1H,dd), 5.03(1H,dd), 3.78(2H,t),
3.68(2H,t), 3.40(1H,m), 3.00(2H,t), 2.56(2H,br.d
d), 2.55(2H,t), 2.40(1H,m), 2.15(1H,dd), 1.98(1H),
1.92(1H), 1.88(3H,s), 1.86(1H), 1.84(1H), 1.82(2
H), 1.79(1H), 1.68(1H), 1.64(1H), 1.56(1H), 1.54(1
H), 1.40(1H,dddd), 1.08(3H,d).
【0019】13C-NMR(CD3OD, 125MHz):δ169.04(s), 1
36.98(d), 134.51(s), 132.14(s), 130.69(d), 128.29
(d), 127.71(d), 68.80(d), 68.74(s), 58.06(t), 54.2
1(d), 53.46(d), 49.05(t), 41.65(t), 36.17(d), 35.0
5(t), 34.11(t), 33.74(t), 31.24(t), 28.37(t), 27.2
1(t), 21.55(t), 19.38(t), 18.96(q), 11.30(q).
【0020】HRFAB-MS:m/z 533.2452 (△-0.5mmu)(M+H)
+
【0021】前記順相カラムの15%メタノール−クロ
ロフォルム溶出活性画分2を分取用シリカゲル薄層板
(厚さ0.5mm、20×20cm)に吸着させ、メタ
ノール:クロロフォルム(3:7)で1時間展開し、R
f値が0.2付近の部分をかきとり、クロロフォルム:
メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後静置し、
下層を分液濃縮した。単一活性画分を濃縮乾固して6−
アザスピロ[45]デカン誘導体(2)(1mg)を
淡黄色固体として得た。このものの物性は以下の通りで
あった。
【0022】分子量:425 分子式:C23H38ClNO4 1 H-NMR(CD3OD, 400MHz):δ6.45(1H,t), 5.82(1H,dd),
5.72(1H,d), 5.64(1H,dd), 5.03(1H,dd), 3.78(2H,t),
3.40(1H,m), 2.56(2H,br.dd), 2.55(2H,t), 2.40(1H,
m), 2.15(1H,dd), 1.98(1H), 1.92(1H), 1.88(3H,s),
1.86(1H), 1.84(1H),1.82(2H), 1.79(1H), 1.68(1H),
1.64(1H), 1.56(1H), 1.54(1H), 1.40(1H,dddd), 1.08
(3H,d).
【0023】13C-NMR(CD3OD, 125MHz):δ170.14(s), 1
36.97(d), 134.51(s), 132.01(s), 130.75(d), 128.22
(d), 127.71(d), 68.84(d), 68.48(s), 58.06(t), 54.2
1(d), 53.46(d), 41.65(t), 36.37(d), 34.17(t), 33.7
0(t), 31.53(t), 28.54(t), 27.20(t), 21.66(t), 19.4
6(t), 19.03(q), 11.86(q).
【0024】 HRFAB-MS:m/z 426.2412 (△+0.1mmu)(M+H)+
【0025】試験例 1 ホスホリパーゼA 2 阻害活性
測定 ホスホリパーゼA 2 (PLA 2 )としてはウサギ血小板
より既報(FEBS Lett., 282, 326-330, 1991)に基づき
精製した85kDa細胞質PLA 2 (cPLA 2 )を用
い、本酵素に対する阻害活性を以下のように測定した。
6−アザスピロ[45]デカン誘導体(1)また
(2)はメタノールに溶解し試験液として使用した。1
Mトリス−塩酸(pH9.0)を25μL、50mM塩
化カルシウム溶液20μLの混合緩衝液に試験液とcP
LA 2 溶液を加えて200μLとし、37℃で20分間
反応させた。その後、基質である1−パルミトイル−2
−[14C]アラキドノイル−グリセロホスホエタノール
アミン(0.5nmol/50000dpm/50μ
L)を加え、更に37℃で20分間反応させた。ドール
試薬(イソプロパノール:ヘプタン:1N硫酸=10:
40:1)を1.25mL加え、反応を停止し、ドール
の方法により[14C]アラキドン酸画分を回収してその
放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定する
ことにより酵素活性を測定した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の化合物は細胞質ホスホリパーゼ
2 阻害活性を有するため、細胞質ホスホリパーゼA 2
阻害剤としての用途を有し、例えば抗炎症剤またはその
プロドラッグとして利用することが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/18 C07F 7/18 T

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式、 【化1】 (式中、R1は水素原子,置換もしくは無置換の低級アル
    キル基、トリ低級アルキルシリル基、アシル基又はスル
    ホ低級アルキル基を表し、R2、R3 及びR4は独立に水
    素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ低
    級アルキルシリル基、又はアシル基を表し、Xはハロゲ
    ン原子を表し、Yは酸素原子又は-NR5-を表す。R5
    水素原子,置換もしくは無置換の低級アルキル基、トリ
    低級アルキルシリル基又はアシル基を表す。)で表され
    る6−アザスピロ[4,5]デカン誘導体。
JP7273023A 1995-10-20 1995-10-20 6−アザスピロ[4.5]デカン誘導体 Pending JPH09110835A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6924301B1 (en) 1999-10-22 2005-08-02 Shionogi & Co., Ltd. Composition for treating or preventing arrhythmia
EP2431029A2 (en) 2002-06-07 2012-03-21 Kieran Francis Scott Method of inhibiting prostate cancer cell proliferation
CN105272914A (zh) * 2014-07-01 2016-01-27 上海合全药业股份有限公司 一种叔丁基-2-羰基-8-螺[4.5]癸烷-8-羧酸的合成方法

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EP2431029A2 (en) 2002-06-07 2012-03-21 Kieran Francis Scott Method of inhibiting prostate cancer cell proliferation
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