JPH09107594A - 超音波装置 - Google Patents

超音波装置

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JPH09107594A
JPH09107594A JP7265508A JP26550895A JPH09107594A JP H09107594 A JPH09107594 A JP H09107594A JP 7265508 A JP7265508 A JP 7265508A JP 26550895 A JP26550895 A JP 26550895A JP H09107594 A JPH09107594 A JP H09107594A
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JP
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ultrasonic
adhesive
adhesives
adhesive layer
vibrator
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Withdrawn
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JP7265508A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kuroda
昌宏 黒田
Toshio Sawairi
利夫 澤入
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹面形振動子の不要、平面形振動子及び凹レ
ンズの併用不要で、構造簡単、集束超音波を送信可能、
空間的な分解能を向上可能な超音波装置を提供すること
である。 【解決手段】 超音波振動子と、前記超音波振動子に塗
布してなり、その密度が前記超音波振動子との隣接領域
における外縁部から中心部に向かって低くなる接着剤層
とを有してなることを特徴とする超音波装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は超音波装置に関
し、さらに詳しくは、凹面形振動子の使用や平面形振動
子と凹レンズとの併用に依らずに、超音波を集束させる
ことができ、空間的な分解能を向上させることができ
る、簡単な構造の超音波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から超音波を利用した装置として、
医療用超音波診断装置、超音波探傷装置などが知られて
いる。これらの装置には、用途に応じて圧電体、音響整
合層、音響レンズ、パッキン等で構成される超音波プロ
ーブが備えられている。これらの装置においては、ま
ず、前記超音波プローブから測定対象物に向けて超音波
を送信する。このとき、前記超音波プローブにおける圧
電体から発信された超音波は、接着層、音響整合層、接
着層、音響レンズ層等を経て測定対象物に伝達される。
次に、前記測定対象物からの反射波を計測することによ
り各種情報を得ている。
【0003】しかしながら、前記超音波プローブにおい
ては、接着層、音響整合層、音響レンズ層等の各層にお
ける音響インピーダンスがそれぞれ異なるので、前記各
層を通過する超音波が、前記各層の境界面で反射され、
減衰されてしまう。このため、高感度で効率よく計測を
行うことができないという問題がある。このような問題
のない、簡単な構造の超音波プローブの開発が望まれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題の1つ
は、前記従来における問題を解決することである。他の
1つは、凹面形振動子の使用や平面形振動子と凹レンズ
との併用に依らずに、超音波を集束させることができ、
空間的な分解能を向上させることができる超音波装置を
提供することである。他の1つは、構造が簡単で製造が
容易な超音波装置を提供することである。他の1つは、
医療用超音波診断装置、超音波非破壊検査装置等の各種
超音波測定装置における超音波プローブとして好適に使
用することができる超音波装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためにこの発明の発明者らが鋭意検討した結
果、従来の超音波プローブにおける接着層、音響整合
層、音響レンズ層等を1層で形成すると、前記従来にお
ける問題を解決することができ、構造が簡単で製造が容
易な超音波装置を提供することができることを見い出し
たことに基づく。
【0006】前記課題を解決するための手段は、超音波
振動子と、前記超音波振動子に塗布してなり、その密度
が前記超音波振動子との隣接領域における外縁部から中
心部に向かって低くなる接着剤層とを有してなることを
特徴とする超音波装置である。
【0007】この超音波装置においては、接着剤層が、
接着剤と充填材とを含有する態様が好ましい。また、接
着剤層が、超音波振動子との隣接領域における外縁部か
ら中心部に向かってその密度が連続的または不連続的に
低減してなる態様が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の超音波装置は、超音波
振動子と接着剤層とを有してなる。この発明において
は、超音波装置がさらに他の要素を有していてもよい。
【0009】−超音波振動子− 前記超音波振動子は、振動子と電極とを有してなる。
【0010】前記振動子としては、圧電効果、電歪効
果、あるいは磁歪効果を有する材料であれば特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、たと
えば、単結晶性圧電材料、セラミックス圧電材料、圧電
性を持つ高分子材料、半導体圧電性膜材料、磁歪材料な
どが挙げられる。
【0011】前記単結晶性圧電材料としては、たとえ
ば、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、TeO3 、B
2 NaNb515などが挙げられる。
【0012】前記セラミックス圧電材料としては、たと
えば、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、チタン酸鉛
(PbTiO3 )、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr
Ti)O3 )などが挙げられる。
【0013】前記圧電性を持つ高分子材料としては、た
とえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げ
られる。
【0014】前記半導体圧電性膜材料としては、たとえ
ば、ZnO、CdSなどが挙げられる。
【0015】前記磁歪材料としては、たとえば、純ニッ
ケル、アルフェル(Fe−Al合金)、Ni−Cu系フ
ェライトなどが挙げられる。
【0016】これらの振動子の中でも、セラミック圧電
材料が好ましく、特にチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Z
rTi)O3 、以下「PZT」と称することがある。)
が好ましい。前記PZTは、超音波装置の通常の使用温
度(100℃以下)では相転移が生じないので、これを
振動子として使用すると、超音波装置の温度特性が安定
化する点で有利である。また、前記PZTは、電気機械
結合係数が大きいので、これを振動子として使用する
と、容易に超音波の出力を大きくすることができる点で
有利である。
【0017】前記振動子の形状、厚み、大きさ等につい
ては、目的に応じて選択することができ、一概に規定す
ることはできないが、前記形状としては、多くの場合、
超音波送信面あるいは超音波受信面が円形である形状が
選択される。また、前記厚みとしては、超音波装置の用
途が血流測定である場合には、通常10μm〜5mmで
あり、1〜3mmが好ましい。前記厚みが前記範囲内に
あると、塗布工程において接着剤層の厚みのコントロー
ルが容易な点で有利である。
【0018】前記電極としては、電極としての機能を有
すれば特に制限はなく、前記振動子の種類、大きさ、形
状等に応じて選択することができる。
【0019】前記超音波振動子は、通常、前記振動子と
前記電極とを容器内に収容してなる。
【0020】前記容器としては、特に制限はなく、目的
に応じて選択することができるが、たとえば、超音波装
置を医療用エコー、非破壊検査装置におけるプローブ等
として使用する場合には箱型容器を選択することがで
き、ドップラー血流計におけるプローブ等として使用す
る場合には筒状容器を選択することができる。
【0021】前記容器の材質としては、特に制限はな
く、目的に応じて金属、セラミックス、プラスチック
ス、複合材料等から選択することができる。
【0022】なお、この発明においては、前記振動子と
前記電極とを前記容器内に収容する際に各種の層やパッ
キン等を設けることができる。
【0023】この発明においては、前記超音波振動子
に、その目的に応じて各種の装置、たとえば、高周波パ
ルス発生器、連続波発生器、シュミットトリガー発振
器、周波数カウンタ、ゲート、増幅器などを接続するこ
とにより、超音波を測定対象物に向けて送信することが
できるようにする。なお、この発明においては、これら
の各種の装置をたとえばバッキング材等を介して前記超
音波振動子に接続してもよい。前記バッキング材は、一
般に前記超音波振動子の応答性を向上させる目的で配置
され、その種類等については目的に応じて適宜選択する
ことができる。
【0024】前記超音波振動子から測定対象物に向けて
送信した超音波は、別途準備した超音波受信装置を使用
して計測してもよいが、以下のようにして計測してもよ
い。前記超音波振動子に、たとえば、増幅検波器、オシ
ロスコープ、演算器、分析器、モニターディスプレイ、
モニタースピーカー、コンピュータなどの各種の装置を
接続した装置を使用して計測してもよい。この場合、別
途に超音波受信装置を準備する必要がなく、測定対象物
からの反射波を超音波装置が直接計測することができ、
反射波のデータを視覚的あるいは聴覚的に得ることがで
き、超音波を送受信可能な超音波装置にすることができ
る。
【0025】−接着剤層− 前記接着剤層は、接着剤と充填剤とを含有する。
【0026】前記接着剤としては、前記超音波振動子に
塗布することができ、接着剤層を形成することができれ
ば特に制限はなく、前記超音波振動子の材質、大きさ、
形状、構造等に応じて適宜に選択することができる。
【0027】前記接着剤としては、たとえば、無機接着
剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、ゴム系接着剤、
構造用接着剤、耐熱性接着剤、シアノアクリレートおよ
び嫌気性接着剤、合成水溶性接着剤、エマルジョン接着
剤、液状ポリマー接着剤などが挙げられる。
【0028】前記無機接着剤としては、たとえば、低融
点ガラス接着剤、結晶化低融点ガラス接着剤、アルカリ
金属ケイ酸塩系無機接着剤、リン酸塩系無機接着剤、コ
ロイダルシリカ無機接着剤などが挙げられる。
【0029】前記熱可塑性接着剤としては、たとえば、
酢酸ビニルの重合物および共重合物接着剤、アクリル系
接着剤、エチレン共重合物接着剤、ドープセメント接着
剤、モノマーセメント接着剤、熱可塑性ポリアミド接着
剤、ポリエステル接着剤、ポリウレタン接着剤などが挙
げられる。
【0030】前記熱硬化性接着剤としては、たとえば、
尿素樹脂接着剤、メラミン樹脂等のアミノ樹脂接着剤;
レゾール、ノボラック等のフェノール樹脂接着剤;レゾ
ルシノールホルムアルデヒド樹脂接着剤;m−キシレン
ホルムアルデヒド樹脂等のキシレン樹脂接着剤;フラン
樹脂接着剤;ビスフェノール型あるいは多官能性等のエ
ポキシ樹脂接着剤;ポリウレタン系等のポリイソシアネ
ート樹脂接着剤;不飽和ポリエステル接着剤;熱硬化性
アクリル樹脂接着剤;フェノールポリ(ビニルアセター
ル)接着剤、フェノール・ニトリルゴム接着剤、フェノ
ール性クロロプレン接着剤、イソシアネートとの反応に
よる変性ポリマー状化合物接着剤、ナイロン・エポキシ
接着剤等の複合熱硬化性樹脂接着剤などが挙げられる。
【0031】前記ゴム系接着剤としては、たとえば、ポ
リクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生
ゴム系接着剤、SBR系接着剤、天然ゴム系接着剤など
が挙げられる。
【0032】前記構造用接着剤としては、たとえば、ビ
ニル/フェノリック接着剤、ポリクロロプレン/フェノ
リック接着剤、ニトリル/フェノリック接着剤、ニトリ
ル/エポキシ接着剤、液状ニトリルゴム/エポキシ接着
剤、ナイロン/エポキシ接着剤、エポキシ/フェノリッ
ク接着剤、ウレタン/エポキシ接着剤、ポリエステル/
エポキシ等の複合型構造用接着剤などが挙げられる。
【0033】前記耐熱性接着剤としては、たとえば、エ
ポキシフェノール系接着剤、メタロキサン系接着剤、ホ
ウ素−ケイ素系接着剤、芳香族複素環ポリマー系接着
剤、ポリベンズイミダゾール系接着剤、ポリイミド系接
着剤、縮合系ヘテロ環系接着剤などが挙げられる。
【0034】前記シアノアクリレートおよび嫌気性接着
剤としては、たとえば、メチルα−シアノアクリレート
接着剤、エチルα−シアノアクリレート等のシアノアク
リレートモノマー接着剤、テトラエチレングリコール・
ジメタクリレート接着剤などが挙げられる。
【0035】前記合成水溶性接着剤としては、たとえ
ば、ポリビニルアルコール接着剤、イソブテン−無水マ
レイン酸共重合体接着剤、ポリアクリルアミド接着剤、
ポリエチレンオキサイド接着剤、ポリビニルピロリドン
接着剤、酢酸ビニル共重合体接着剤、アクリル系共重合
体接着剤などが挙げられる。
【0036】前記エマルジョン接着剤としては、たとえ
ば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−エチレン共
重合物接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、ポリ
塩化ビニル系エマルジョン接着剤などが挙げられる。
【0037】前記液状ポリマー接着剤としては、たとえ
ば、1,4−液状ジエンポリマー接着剤、1,2−液状
ジエンポリマー等の低重合度ジエンポリマー接着剤、レ
ゾール樹脂接着剤、不飽和ポリエステル樹脂接着剤、液
状多硫化系ポリマー接着剤、液状ケイ素ポリマー接着
剤、ポリエーテルジオール接着剤およびポリエステルジ
オール接着剤などが挙げられる。
【0038】これらの接着剤は、1種単独で使用しても
よく、あるいは二種以上を併用してもよい。これらの接
着剤は合成したものでもよく、あるいは市販品でもよ
い。
【0039】この発明においては、前記接着剤の中で
も、エポキシ樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着
剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤が
好ましく、耐溶媒性が高く、超音波装置の通常の使用温
度(100℃以下)での耐熱性が充分であり、生体との
音響インピーダンスの調和が良好である点で特にエポキ
シ樹脂系接着剤が好ましい。これらの接着剤を使用する
と、一般に、前記超音波振動子との界面における音響イ
ンピーダンスの変動を小さくすることができ、超音波の
減衰を効果的に防止することができる点で有利である。
なお、これらの接着剤は、種類が多く、市販品も多いの
で、入手・選択が容易である。
【0040】前記充填材としては、特に制限はなく、た
とえば、無機充填材、有機充填材などが挙げられる。
【0041】前記無機充填材としては、たとえば、アル
ミニウム、銅、鉄、鉛、銀、スチール等の金属粉;けい
石、けい酸(シリカ)、微粉けい酸、シリカゲル、白雲
石(けい酸カルシウム、けい酸マグネシウム)、けい酸
ジルコニウム、アタパルジャイト等のけい酸質およびけ
い酸塩;アルミナ等の礬土質;炭酸カルシウム、沈降性
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシ
ウム、高吸油性炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウ
ム、石膏等の石灰質;マイカ、クレー等の礬土けい酸
質;タルク、アスベスト等の苦土けい酸質;グラファイ
ト、カーボンブラック等の炭素、炭化物;ガラス繊維、
ガラスビーズ、ガラス粉等のガラス質;酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄等の酸化
物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸
化物;セメント、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、長
石粉、サリサイト、カオリン、カオリンクレー、ロウ石
クレー、スレート粉などが挙げられる。
【0042】前記有機充填材としては、たとえば、リン
ター、リネン、サイザル木粉等の植物性あるいは絹等の
動物性の天然物、ビスコース、アセテート、ポリアミ
ド、ビニロン、塩化ビニル等の人造物あるいは合成物、
ポリスチレン、アクリル、フッ素系樹脂、ポリカーボネ
ートなどが挙げられる。
【0043】これらの充填材は、1種単独で使用しても
よく、あるいは2種以上を併用してもよい。前記充填材
は、一般に、前記振動子の種類に応じて、選択した振動
子との間で音響インピーダンスが調和するような種類が
選択される。前記充填材の中でも、無機充填材が好まし
く、特にガラスビーズ、けい酸(シリカ)が好ましい。
前記充填材が、ガラスビーズ、けい酸(シリカ)である
と、充填材の粒径の均一化が容易であり、低コストで超
音波装置を製造することができる点で有利である。な
お、前記振動子がPZTである場合には、音響インピー
ダンスの調和の観点から前記充填材としてガラスビーズ
を選択するのが好ましい。
【0044】前記充填材の形状としては、特に制限はな
く、たとえば、粉末状、平板状、薄片状、六角板状、針
状、球状、繊維状、繊維織物状、不定形状などが挙げら
れる。これらの中でも粉末状が好ましく、特に球状が好
ましい。前記充填材の形状が球状であると、充填材の配
向性が超音波に与える影響を小さくすることができ、接
着剤中での分散性も良好になる点で有利である。
【0045】前記充填材の大きさとしては、前記接着材
層の厚み、目的等に応じて適宜に選択することができる
が、一般にその平均粒径が小さいほど超音波の反射を低
減させることができるので好ましい。前記平均粒径が1
0nm〜100μmであると数Mhzの超音波はほとん
ど反射されることはなく、10〜20μmであるとさら
にその効果が高いので好ましい。
【0046】前記充填材の前記接着剤層における含有量
は、目的に応じて適宜に選択することができるが、たと
えば、通常10〜50wt%であり、15〜30wt%
が好ましく、特に20〜30wt%が好ましい。前記が
含有量が20〜30wt%であると、空間における超音
波の分解能を向上させることができ、接着剤層の剥離強
度を向上させることができる点で有利である。
【0047】この発明において、前記接着剤層は、さら
にその他の成分を含有することができる。前記その他の
成分としては、たとえば、安定剤、補強剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。前記その他の成分
の前記接着剤層中における含有量としては、発明の目的
を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜に選
択することができる。
【0048】前記接着剤層の厚みとしては、特に制限は
なく目的に応じて適宜に選択することができるが、通常
10μm〜1cmであり、300〜500nmが好まし
い。前記厚みが300〜500nmであると、超音波の
減衰を低減させることができ、接着剤層による超音波の
集束に対する影響を増大させることができる点で有利で
ある。
【0049】この発明においては、前記接着剤層は、前
記超音波振動子との隣接領域における外縁部から中心部
に向かってその密度が低減している。前記接着剤層がこ
のような態様であると、この接着剤層を通過する超音波
が集束する。
【0050】前記接着剤層における密度の低減の態様と
しては、連続的に低減する漸減であってもよいし、ある
いは階段式等に低減する不連続的低減であってもよい。
前記漸減の場合、前記密度が、直線的に低減する態様、
2次曲線的に低減する態様、指数関数曲線的に低減する
態様のいずれであってもよい。これらの態様の中でも漸
減が好ましく、特に直線的に低減する態様、2次曲線的
に低減する態様が好ましい。前記低減の態様として、直
線的に低減する態様、2時曲線的に低減する態様を選択
すると、超音波の集束を容易にコントロールすることが
できる点で有利である。
【0051】前記接着剤層における密度を低減させるに
は、たとえば、前記充填材を前記接着剤に添加、混合等
して調製した接着塗料を、適宜選択した塗布方法に従っ
て前記超音波振動子に塗布する手法を採用することがで
きる。
【0052】具体的には、前記充填材の含有量が異なる
接着塗料を複数調製し、これを順次前記超音波振動子に
塗布する手法を採用することができる。前記塗布方法と
しては、たとえば、刷毛塗り、タンポ塗り、吹付塗り、
ホットスプレー塗り、エアスプレー塗り、静電塗り、ロ
ーラ塗り、カーテンフロー塗り、流し塗り、浸し塗り、
電着塗り、ころがし塗り、しごき塗り、へら塗りなどが
挙げられる。この発明においては、塗布の際に前記塗布
方法を2種以上組み合わせてもよい。これらの塗布方法
の中でも、機械的に塗布することができる方法が好まし
く、エアスプレー塗りが特に好ましい。
【0053】また、前記充填材の含有量が一定である接
着塗料を1種調製し、これを遠心力塗りする手法を採用
することができる。前記遠心塗りとしては、たとえば、
回転する基台上に前記超音波振動子を載置し、これらの
中心部に前記接着塗料を滴下する方法、スピンコーター
を用いてスピンコートする方法などが挙げられる。
【0054】以上のような塗布工程が終了した後、前記
接着塗料を硬化させ、接着剤層を形成する。前記接着塗
料の硬化方法は、接着剤の種類に応じて適宜選択するこ
とができるが、一般には加熱、乾燥、硬化剤の使用等が
挙げられる。
【0055】なお、前記超音波振動子に前記接着塗料を
塗布すると、しばらくして前記接着塗料における、前記
接着剤よりも比重の大きな前記充填材が沈降し、前記超
音波振動子上に堆積する。このため、沈降した充填材上
に存在する接着剤が塗布面からはみ出して流出するのを
防止する必要があり、その手段として、型枠を使用する
ことができる。前記スピンコータ等を使用して前記接着
塗料を塗布すると、前記接着塗料が飛散することがある
が、前記型枠を使用すれば、このような接着塗料の飛散
も防止することができる。
【0056】前記接着剤層における密度の低減の状態
は、以下のようにして確認することができる。まず、前
記接着剤層を薄くスライスする。このスライス片の比重
をアルキメデス法により測定する。この測定したスライ
ス片の比重と、前記接着剤および前記充填材の既知の比
重とを比較することにより確認することができる。
【0057】なお、超音波の焦点距離は、たとえば超音
波の分野における当業者が周知のシュリーレン法に従っ
て測定することができる。
【0058】−その他の要素− この発明においては、前記超音波装置におけるその他の
要素として、たとえば超音波逓伝体などを使用すること
ができる。
【0059】前記超音波逓伝体は、一般に、超音波装置
における前記接着剤層を測定対象物に直接接触させるの
が好ましくないような場合に使用される。
【0060】前記超音波逓伝体としては、前記超音波振
動子から送信される超音波を干渉せずに測定対象物に伝
搬することができる機能を有していれば、その材質、形
状、大きさ、構造等について特に制限はなく、目的に応
じて適宜に選択することができる。前記超音波逓伝体の
形状としては、たとえば、前記超音波振動子が箱型であ
る場合には箱型に、筒型である場合には筒型に設計する
ことができる。前記構造としては、たとえば中空体であ
ってもよい。
【0061】前記超音波逓伝体は、通常、測定対象物に
直接接触するので、測定対象物に応じて適宜必要な表面
処理等が施されているのが好ましい。
【0062】前記超音波逓伝体の素材としては、たとえ
ば超音波装置を医療用超音波診断装置におけるプローブ
等として使用する場合には、石英ガラス、サファイア、
鉄、銅等の無機材料、アクリル樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有
機材料などが挙げられる。これらの素材の中でも、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。前記素材
としてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂を使用する
と、生体と接触する面の超音波の反射を少なくすること
ができる点で有利である。
【0063】前記超音波逓伝体は、前記接着塗料の塗布
後に前記接着塗料を介して前記超音波振動子に接合され
る。この接合の条件は、前記接着剤や前記充填材の種類
に応じて適宜決定すればよい。
【0064】この発明の超音波装置は以下のように作用
する。前記超音波振動子が超音波を測定対象物に向けて
送信する。前記超音波振動子により送信された超音波
は、前記接着剤層を通過して測定対象物に伝搬する。こ
のとき、前記接着剤層は1層で形成され、しかも前記接
着剤層における密度が、前記超音波振動子との隣接領域
における外縁部から中心部に向かって低減しているの
で、前記超音波振動子から測定対象物に向けて送信され
る超音波は集束し、焦点を結ぶ。
【0065】こうして得られた超音波装置には、以下の
利点がある。すなわち、超音波を集束させるのに音響レ
ンズ等を使用したり、前記超音波振動子の形状を凸型に
したりする必要がなく、前記接着剤層のみで超音波を集
束させることができるので、構造が簡単かつ小型にな
り、複雑な肯定を経ることなく製造することができる。
また、接着剤層を適宜選択するだけで、超音波の焦点距
離を容易にコントロールし、逆に超音波を拡散させるこ
ともできる。また、音響レンズ、音響整合層等を設ける
必要がないので、つまり、音響インピーダンスが異なる
層同士の境界面を超音波が通過する機会が少ないので、
超音波の減衰を低減させることができる。さらに、前記
接着剤層により音響インピーダンスを連続的に変化させ
ることができるので、超音波の減衰を低減させることが
できる。
【0066】この発明における超音波装置は以上のよう
な利点を有するので、医療用エコー診断装置、超音波ド
ップラー血流計等の医療用超音波診断装置を初めとし
て、超音波顕微鏡、超音波非破壊検査装置等の各種超音
波測定装置における超音波プローブ等として好適に使用
することができる。
【0067】
【実施例】PZT(音響インピーダンス:30.1g/
cm・s・105 )を振動子とし、これに電極を挟み、
前記振動子と前記電極とをバッキング材を使用して固定
した。これを超音波振動子とした。前記超音波振動子
に、リード線を介して発振器を接続した。
【0068】次に、充填材として300〜400メッシ
ュを通過したガラスビーズ(音響インピーダンス:1
3.55g/cm・s・105 )の0.1gを、液性エ
ポキシ樹脂系接着剤の0.5gに添加、混合して接着塗
料を調製した。
【0069】この接着塗料を、スピンコーター(ミカサ
(株)製,スピンコーター1H−DXII型)を用いて
超音波振動子の直径8mmの表面に、型枠を使用して、
3000ppmで30秒間スピンコートした。その後、
塗布した接着塗料を50〜60℃に加熱し、その粘性を
低く維持しつつ真空乾燥機を使用して脱気を行った。こ
の間に前記接着塗料におけるガラスビーズは、沈降して
前記超音波振動子上に堆積した。その後、前記接着塗料
を150℃に加熱し、熱硬化させて接着剤層を形成し、
超音波プローブを製造した。
【0070】エポキシ樹脂系接着剤の横波の音速は2.
68×105 cm/sであり、ガラスビーズの横波の音
速は5.33×105 cm/sであるので、(2.68
×105cm/s)/(5.33×10 5cm/s)=
0.53<1の関係式が成立しているので、この超音波
プローブにおける接着剤層を通過する超音波は、理論的
には集束しながら進む。実際、この超音波プローブを用
いて血液に超音波を送信した結果、送信された超音波は
集束し、焦点を結ぶことが観察された。前記アルキメデ
ス法により、前記接着剤層における密度の低減の状態を
測定した。その結果、前記接着剤層の密度は、超音波振
動子との隣接領域における外縁部から中心部に向かって
2次曲線的に低減していることが確認された。また、こ
の超音波プローブの焦点距離を前記シュリーレン法に従
って測定すると15mmであり、この超音波プローブ
は、空間的分解能が高いことが判明した。
【0071】
【発明の効果】この発明によると、凹面形の振動子を用
いたり、平面形振動子と凹レンズとを併用したりするこ
となく、超音波を集束させることができ、空間的な分解
能を向上させることができる簡単な構造の超音波装置を
提供することができる。この発明の超音波装置は、医療
用超音波診断装置、超音波顕微鏡、超音波非破壊検査装
置等の各種超音波測定装置における超音波トランスデュ
ーサとして好適に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子と、前記超音波振動子に塗
    布してなり、その密度が前記超音波振動子との隣接領域
    における外縁部から中心部に向かって低くなる接着剤層
    とを有してなることを特徴とする超音波装置。
  2. 【請求項2】 接着剤層が、接着剤と充填材とを含有す
    る請求項1に記載の超音波装置。
  3. 【請求項3】 接着剤層が、超音波振動子との隣接領域
    における外縁部から中心部に向かってその密度が連続的
    に低減してなる請求項1または2に記載の超音波装置。
  4. 【請求項4】 接着剤層が、超音波振動子との隣接領域
    における外縁部から中心部に向かってその密度が不連続
    的に低減してなる請求項1または2に記載の超音波装
    置。
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