JPH09103967A - ソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】レンチ筒３を大きさの異なるレンチ孔３Ａを有
する他のレンチ筒３に交換可能であって、且つレンチ筒
３の突出長を三段階に位置調整して使用することができ
るソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造を提
供すること。 【解決手段】握持部本体１の少なくとも一端部に取付孔
２を設け、この取付孔２にレンチ孔３Ａを形成したレン
チ筒３をスライド自在に嵌挿してこの取付孔２に対して
レンチ筒３が突没スライド移動自在となるように構成
し、この突没スライド移動するレンチ筒３を所定の位置
に位置決め保持するストッパー機構４を前記取付孔２と
レンチ筒３とに設けて構成したソケットレンチにおける
レンチ筒の突没移動構造において、前記レンチ筒３を取
付孔２に対して抜き差し自在に構成すると共に、取付孔
２に対してレンチ筒３が少なくともこのレンチ筒３の中
間部位置並びに両端部付近の位置で位置決め保持される
ように前記ストッパー機構４を構成したソケットレンチ
におけるレンチ筒の突没移動構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、ソケットレンチに
おけるレンチ筒の突没移動構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
ソケットレンチとしては、例えば、握持部本体の端部
に、大きさの異なるレンチ孔を上下に配したレンチ筒を
ラチェット構造を介して設けて構成したラチェット式の
ソケットレンチがあるが、このようなソケットレンチを
使用して締め付け作業を行うにあたっては、例えば締め
付け箇所が低く窪んだ位置にある場合などにレンチ筒の
突出長が足りないことがあるため、レンチ筒の長さ調整
を行い得る構造のものが要望されていた。

【０００３】そこで、従来、握持部本体の端部に取付孔
を設け、この取付孔にレンチ孔を形成したレンチ筒の基
部に連設した挿通杆を回動不能且つスライド自在に嵌挿
し、この挿通杆の挿通先端に前記レンチ筒のレンチ孔と
大きさの異なるレンチ孔を形成したレンチ筒を被嵌状態
に圧入係止固定して、この挿通杆が両端のレンチ筒をス
トッパーとして抜け止め不能状態にして取付孔に体して
突没スライド自在となるように構成すると共に、この挿
通杆の外周面の両端部に嵌合孔を形成する一方、取付孔
の内縁にこの嵌合孔に係止する突出弾性を有する突体を
設けて、この突体と嵌合孔との位置を合わせることによ
り、取付孔に対する挿通杆の位置を位置決め保持し得る
ように構成し、この位置決め保持によってレンチ筒を両
端各側のレンチ孔に対して夫々長く突出した状態と短く
引っ込んだ状態とに位置決め保持し得るように構成した
ものも提案されている。

【０００４】しかし、このようなレンチ筒の突没移動構
造を備えたものは、前述のように締め付け箇所が低く窪
んだ位置にある場合などにレンチ筒の長さを調整して使
用できる点で便利であるが、その調整範囲が小さく、ま
た一旦製作してしまうと、もはやレンチ筒を取り外して
大きさの異なるレンチ孔を有するものに交換することが
できない。

【０００５】そこで、本発明は、このようなソケットレ
ンチにおけるレンチ筒の突没移動構造を改良し、前記問
題を解決したもので、レンチ筒を握持部本体の取付孔に
対して抜き差し自在に構成して大きさの異なるレンチ孔
を有するレンチ筒に交換することができ、且つレンチ筒
の突没長さを三段階に位置調整することができる画期的
なソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造を提
供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００７】握持部本体１の少なくとも一端部に取付孔
２を設け、この取付孔２にレンチ孔３Ａを形成したレン
チ筒３をスライド自在に嵌挿してこの取付孔２に対して
レンチ筒３が突没スライド移動自在となるように構成
し、この突没スライド移動するレンチ筒３を所定の位置
に位置決め保持するストッパー機構４を前記取付孔２と
レンチ筒３とに設けて構成したソケットレンチにおける
レンチ筒の突没移動構造において、前記レンチ筒３を取
付孔２に対して抜き差し自在に構成すると共に、取付孔
２に対してレンチ筒３が少なくともこのレンチ筒３の中
間部位置並びに両端部付近の位置で位置決め保持される
ように前記ストッパー機構４を構成したことを特徴とす
るソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造に係
るものである。

【０００８】また、前記ストッパー機構４を、前記取付
孔２の内縁に添って撓み屈曲自在な線材５を配設すると
共に、前記レンチ筒３の中間部位置並びに両端部付近の
位置の稜縁にこの線材５を嵌合係止し得る嵌合溝６を形
成し、取付孔２にレンチ筒３を嵌挿して前記線材５をこ
の嵌合溝６に嵌合係止することにより取付孔２に対して
レンチ筒３を位置決め保持し得るように構成したことを
特徴とする請求項１記載のソケットレンチにおけるレン
チ筒の突没移動構造に係るものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】最良と考える本発明の実施の形態
（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。

【００１０】レンチ筒３を取付孔２から挿脱し、大きさ
の異なるレンチ孔３Ａを有する他のレンチ筒３を取付孔
２に挿通係止して使用することができる。

【００１１】また、ストッパー機構４により取付孔２に
対するレンチ筒３の係止位置を、このレンチ筒３の中間
部位置若しくは両端部付近の位置のいずれかに選択して
位置決め保持し、レンチ筒３の突出長さをこのレンチ筒
３の両端各側のレンチ孔３に対して夫々「長く突出して
いる状態」・「１／２程度突出している状態」・「短い
状態」の三段階に位置調整して使用することができる。

【００１２】また、このストッパー機構４による位置決
め移動調整の際、レンチ筒３が取付孔２に対して必ず一
旦両端部でストッパー機構４により位置決めされるか
ら、このレンチ筒３が簡単に抜けてしまうようなことが
ない。

【００１３】従って、レンチ筒３を大きさの異なるレン
チ孔３Ａを有する他のレンチ筒３に交換可能であって、
しかも取付孔２に対するレンチ筒３の突出長さを３段階
に位置調整することができるから様々な用途に極めて良
好に対応して使用し得ることとなる。

【００１４】また、前記ストッパー機構４を、前記取付
孔２の内縁に添って撓み屈曲自在な線材５を配設すると
共に、前記レンチ筒３の中間部位置並びに両端部付近の
位置の稜縁にこの線材５を嵌合係止し得る嵌合溝６を形
成し、取付孔２にレンチ筒３を嵌挿して前記線材５をこ
の嵌合溝６に嵌合係止することにより取付孔２に対して
レンチ筒３を位置決め保持し得るように構成すれば、単
に、取付孔２の内縁に線材５を配設し、レンチ筒３の稜
縁に嵌合溝６を削り設けるだけで良いため、非常に簡単
にストッパー機構４を構成することができ、しかも線材
５を嵌合する嵌合溝６が非常に溝幅の狭い嵌合溝６で良
いため、この嵌合溝６をレンチ筒３の外周面の両端部に
近づけて形成することができ、これによりレンチ筒３を
非常に長く突出させた状態とほとんど突出長さを有しな
い状態とに係止保持し得るように構成することもできる
こととなる。

【００１５】

【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。

【００１６】本実施例は、握持部本体１の両端部にレン
チ筒３・11を備え、この夫々のレンチ筒３・11の各両端
部に夫々径の異なるレンチ孔３Ａ・11Ａを有し、この両
端部のレンチ筒３・11のうち一方のレンチ筒３にストッ
パー機構４を有するレンチ筒３の突没移動構造を備えた
ソケットレンチに本発明を適用したものである。

【００１７】この基本構成を図面に基づいて説明する
と、上下二枚の握柄板１Ａ・１Ｂを介在物７（樹脂材）
を介して重合して端部に所定の収納間隔８が保持される
握持部本体１を構成し、この握持部本体１の端部の上下
のレンチ受孔９・10を対向状態に形成し、この握持部本
体１の他端部のレンチ受孔９・10を介して前記収納間隔
８内に大きさの異なるレンチ孔11Ａを上下に形成したレ
ンチ筒11を水平回動自在に配設し、この収納間隔８内の
レンチ筒11の外周面にラチェット歯13を繞設し、このラ
チェット歯13に噛合するラチェット爪15を設けた切り替
えレバー14を握持部本体１他端部に設けている。

【００１８】また、この握持部本体１の一端部の収納間
隔８に、六角形状の取付孔２を有するリング状の回動体
12を配設してこの取付孔２と前記上下のレンチ受孔９・
10とを連通せしめ、この連通孔に大きさの異なるレンチ
孔３Ａを上下に形成した前記取付孔２に丁度嵌合し得る
六角柱形状のレンチ筒３を挿通配設している。

【００１９】従って、取付孔２にレンチ筒３を挿通する
ことにより、この取付孔２とレンチ筒３とが同時に水平
回動するように構成している。

【００２０】この取付孔２とレンチ筒３とを、ストッパ
ー機構４を介して位置決め係止保持せしめ、この回動体
12の外周面にラチェット歯13を繞設し、このラチェット
歯13に噛合するラチェット爪15を設けた切り替えレバー
14を握持部本体１一端部に設けている。

【００２１】次に、本実施例の要旨であるストッパー機
構４による取付孔２とレンチ筒３との位置決め保持構
造、並びに取付孔２に対するレンチ筒３の抜き差し自在
構造について説明する。

【００２２】本実施例では、図３に示すように前記回動
体12の取付孔２の内縁全周に取付細溝16を形成し、図４
に示すようにフック状に折曲形成した撓み屈曲自在な線
材５を撓み収縮させることによりこの取付細溝16に配設
し、この取付孔２の六角状内縁の各角部にのみ線材５が
内側に突出した状態で配設されるように構成している。

【００２３】従って、複雑な係止構造などを要せず、単
に線材５の弾性力を利用して取付孔２の内縁に線材５を
配設するだけの構成のため、非常に簡易に製作できるこ
ととなる。

【００２４】一方、前記六角柱状のレンチ筒３の外周面
の中間部位置並びに両端部付近の位置の稜縁に、前記取
付孔２内縁の角部で内側に突出している線材５を嵌合係
止する嵌合溝６を形成している。

【００２５】従って、単にレンチ筒３の外周面の中間部
位置並びに両端部付近の位置の稜縁を細溝状に削り取る
だけで嵌合溝６を構成できるため、非常に簡易に製作で
きることとなる。

【００２６】従って、取付孔２に対してレンチ筒３を押
動移動して、前記線材５と前記いずれかの嵌合溝６との
位置を合わせると、レンチ筒３の稜縁によって押圧され
ていた線材５がこの線材５の撓み弾性力により嵌合溝６
に復帰嵌合係止して取付孔２に対するレンチ筒３の位置
を係止保持し得、この嵌合溝６に嵌合係止している線材
５の撓み弾性力以上の力でレンチ筒３を移動させると、
線材５と嵌合溝６との係止が解除されて取付孔２に対し
てレンチ筒３を任意に移動自在、且つ取付孔２に対して
レンチ筒３を抜き差し自在とし得るように構成してい
る。

【００２７】従って、図５に示すように、レンチ筒３を
取り外して大きさの異なるレンチ孔３Ａを有する他のレ
ンチ筒３に容易に交換して使用することができ、しかも
レンチ筒３の中間部位置並びに両端部付近の位置に形成
した嵌合溝６を選択して取付孔２内縁の線材５を嵌合係
止することにより、取付孔２に対するレンチ筒３の突出
長さを、両端各側のレンチ孔３に対して夫々「長く突出
している状態」・「１／２程度突出している状態」・
「短い状態」の三段階に位置調整することができるか
ら、様々な用途に適応させて使用し得ることとなる。

【００２８】また、レンチ筒３が取付孔２に対して抜脱
する前に必ず一旦両端部でストッパー機構４により位置
決めされるから、レンチ筒３の位置調整の際にこのレン
チ筒３が簡単に抜けてしまうようなことがない。

【００２９】

【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、レ
ンチ筒を取付孔から簡単に取り外して大きさの異なるレ
ンチ孔を有するレンチ筒に交換して使用することがで
き、しかもストッパー機構により取付孔に対するレンチ
筒の係止位置を、このレンチ筒の中間部位置若しくは両
端部付近の位置のいずれかに選択して位置決め保持する
ことができるため、レンチ筒の突出長さをこのレンチ筒
の両端各側のレンチ孔に対して夫々「長く突出している
状態」・「１／２程度突出している状態」・「短い状
態」の三段階に位置調整して使用することができ、その
上、前述のようにレンチ筒を取付孔から取り外しできる
構成でありながら、レンチ筒が取付孔に対して抜脱する
前に必ず一旦両端部でストッパー機構により位置決めさ
れるから、取付孔に対してレンチ筒の突没移動調整を行
う際にこのレンチ筒が簡単に抜けてしまうようなことも
ないなど極めて実用性に秀れたソケットレンチにおける
レンチ筒の突没移動構造となる。

【００３０】また、前記ストッパー機構を、前記取付孔
の内縁に添って撓み屈曲自在な線材を配設すると共に、
前記レンチ筒の中間部位置並びに両端部付近の位置の稜
縁にこの線材を嵌合係止し得る嵌合溝を形成し、取付孔
にレンチ筒を嵌挿して前記線材をこの嵌合溝に嵌合係止
することにより取付孔に対してレンチ筒を位置決め保持
し得るように構成すれば、単に、取付孔の内縁に線材を
配設し、レンチ筒の稜縁に嵌合溝を削り設けるだけで良
いため、非常に簡単にストッパー機構を構成することが
でき、しかも線材を嵌合する嵌合溝が非常に溝幅の狭い
嵌合溝で良いため、この嵌合溝をレンチ筒の外周面の両
端部に近づけて形成することができ、これによりレンチ
筒を非常に長く突出させた状態とほとんど突出長さを有
しない状態とに係止保持し得るように構成することもで
きる秀れたソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動
構造となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の平面図である。

【図２】本実施例の側面図である。

【図３】本実施例のラチェット構造並びにストッパー構
造を示す一部を切り欠いた説明側面図である。

【図４】本実施例のラチェット構造並びにストッパー構
造を示す説明平断面図である。

【図５】本実施例のレンチ筒の取り替え作動を示す説明
側面図である。

【符号の説明】

１ 握持部本体 ２ 取付孔 ３ レンチ筒 ３Ａ レンチ孔 ４ ストッパー機構 ５ 線材 ６ 嵌合溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 握持部本体の少なくとも一端部に取付孔
   を設け、この取付孔にレンチ孔を形成したレンチ筒をス
   ライド自在に嵌挿してこの取付孔に対してレンチ筒が突
   没スライド移動自在となるように構成し、この突没スラ
   イド移動するレンチ筒を所定の位置に位置決め保持する
   ストッパー機構を前記取付孔とレンチ筒とに設けて構成
   したソケットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造に
   おいて、前記レンチ筒を取付孔に対して抜き差し自在に
   構成すると共に、取付孔に対してレンチ筒が少なくとも
   このレンチ筒の中間部位置並びに両端部付近の位置で位
   置決め保持されるように前記ストッパー機構を構成した
   ことを特徴とするソケットレンチにおけるレンチ筒の突
   没移動構造。
2. 【請求項２】 前記ストッパー機構を、前記取付孔の内
   縁に添って撓み屈曲自在な線材を配設すると共に、前記
   レンチ筒の中間部位置並びに両端部付近の位置の稜縁に
   この線材を嵌合係止し得る嵌合溝を形成し、取付孔にレ
   ンチ筒を嵌挿して前記線材をこの嵌合溝に嵌合係止する
   ことにより取付孔に対してレンチ筒を位置決め保持し得
   るように構成したことを特徴とする請求項１記載のソケ
   ットレンチにおけるレンチ筒の突没移動構造。