JPH0910222A - 生体へのレーザ光照射システム - Google Patents

生体へのレーザ光照射システム

Info

Publication number
JPH0910222A
JPH0910222A JP7159247A JP15924795A JPH0910222A JP H0910222 A JPH0910222 A JP H0910222A JP 7159247 A JP7159247 A JP 7159247A JP 15924795 A JP15924795 A JP 15924795A JP H0910222 A JPH0910222 A JP H0910222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser light
laser beam
tissue
target
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7159247A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Daikusono
則雄 大工園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SLT Japan Co Ltd
Original Assignee
SLT Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SLT Japan Co Ltd filed Critical SLT Japan Co Ltd
Priority to JP7159247A priority Critical patent/JPH0910222A/ja
Publication of JPH0910222A publication Critical patent/JPH0910222A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Surgery Devices (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】治療対象部位のみにおいて組織の変成を生じさ
せ、他の組織部位のダメージを少なくする。 【構成】生体組織Mの内部にレーザ光を吸収して発熱を
生じる物質を存在させた部位をターゲットゾーン20と
し、ターゲットゾーン20に対して光ファイバー1より
レーザ光を照射して発熱を生じさせながら治療を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体へのレーザ光照射
システムに関する。特に、生体組織中のターゲット部分
におけるレーザ光の吸収効率を高めて治療効果に優れた
ものとするレーザ光照射システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ光を生体組織に照射させ
て、その組織の切開、蒸散、凝固あるいは温熱治療を行
うことが多く用いられている。
【0003】この場合、生体組織から離間して位置決め
した光ファイバーからレーザ光を生体組織に直接出射す
る非接触方式のほか、たとえば、本発明者の発明に係る
米国特許第4,736,743号に示されているよう
に、光ファイバーの前方に導光プローブを設けて、この
導光プローブを生体組織に接触させた状態でレーザ光を
生体組織に対して出射させる、いわゆる接触方式が多く
用いられている。
【0004】同特許には、熱吸収性粉体を含有する層を
プローブの先端に形成し、レーザ光のもつエネルギーを
熱エネルギーに変換して、組織の切開や凝固を良好にな
らしめる手段も開示されている。
【0005】この接触方式は、対象の部位に対して、プ
ローブの位置決めを適確に行うことができるとともに、
組織に対するレーザ光の入射量のコントロールを正確に
行うことができる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プローブから出射され
るレーザ光のエネルギー分布は、プローブの形状を目的
に応じて選択することによりある程度は決定できるもの
の、ある領域のみにレーザ光を入射させ、他の部分には
入射させないコントロールはできない。したがって、対
象領域以外にもレーザ光が照射されることになり、その
部分の組織にダメージを与える危険性がある。
【0007】また、治療の対象患部が、組織の内部にあ
る場合には、その組織表面から患部までの正常組織まで
ダメージを与えてしまうので、その患部近くまで、組織
を切開した後に、患部に対して直接的にレーザ光を照射
させる必要があり、患者の回復または治癒が遅れる原因
となる。
【0008】したがって、本発明の課題は、可能な限り
治療対象部位のみにおいて組織の変成を生じさせ、他の
組織部位のダメージを少なくすることにある。
【0009】他の課題は、組織の内部に患部がある場合
において、その組織表面からレーザ光を照射させたとし
ても、健全組織のダメージを少なくすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係るレーザ光照射システムは、生体組織表面または
内部にレーザ光を吸収して発熱を生じる物質を存在させ
た部位をターゲットとするターゲット手段と、前記ター
ゲットに対してレーザ光を照射させて発熱を生じさせる
レーザ光照射手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、前記レーザ光照射手段としては、レ
ーザ光発生装置からのレーザ光を受けてレーザ光を出射
するレーザ光出射部と、この出射部からの少なくともレ
ーザ光の出射方向に設けられた冷却部と、この冷却部に
冷却媒体を流通させる冷却媒体供給手段とを備えたもの
が好適に使用される。
【0012】この場合、レーザ光としてパルスレーザ光
を用いるのが好適である。
【0013】また、レーザ光の照射領域に組織の温度検
出手段が設けられているのが好適であり、さらに好適に
はターゲット内に含糖酸化鉄が含まれている。
【0014】
【作用】本発明に従って、生体組織表面、たとえば皮膚
表面に、または生体の内部、たとえば前立腺に、レーザ
光を吸収して発熱を生じる物質を存在させた部位をター
ゲットとする。このレーザ光を吸収して発熱を生じる物
質(以下発熱性物質ともいう)としては、カーボン粉
末、染料、顔料、二酸化マンガン、ベンガラ(酸化鉄;
Fe2 3 )、酸化鉄(Fe3 4 )などの無機粉体、
あるいは有機物の粉体などを用いることができる。
【0015】この発熱性物質は、そのまま対象部位に適
用することもできるが、飛散しないように水(特に生理
食塩水が好ましい)、アルコール、ぶどう糖液などを分
散媒体として分散させるほか、耐熱性高分子に分散させ
ることが好ましい。必要により、分散液にバインダー、
増粘剤などを添加して、粘度の調整を行うことができ
る。さらに、発熱性物質は、使用するレーザ光の種類、
特に波長により選択することができる。Nd:YAGレ
ーザ光の場合には、蛋白質に吸収されやすいので、外部
から蛋白質物質を注入することにより、その蛋白質を発
熱性物質とすることができる。
【0016】生体組織表面に対しては、分散液を塗布す
ることができるが、組織内部に対しては、組織表面から
穿刺した注射針などを通して注入することができる。組
織内部に対して注入する場合には、生体の安全性を考慮
して、発熱性物質および分散液が選択される。この観点
からは、発熱性物質として、カーボン、二酸化マンガ
ン、酸化鉄、メラニン色素が好適である。分散媒体とし
ては、水、アルコールが好ましい。酸化鉄を用いる場合
の具体例としては、鉄欠乏性貧血の患者に対して静脈注
射用に使用される吉富製薬社製の「フェジン」を挙げる
ことができる。この「フェジン」は1糖酸化鉄(Ferric
Oxide、組成[Fe(OH)3 m[F22H22O11 n)と呼ば
れるものである。
【0017】発熱性物質を存在させた部位をターゲット
として、そこにレーザ光を照射すると、発熱性物質はレ
ーザ光を吸収して発熱する。その結果、組織の変成が生
じ、組織が凝固や蒸散する。
【0018】他方で、発熱性物質を存在させない場合に
は、ある部位の組織の蒸散や凝固を行わせるために必要
なレーザ光のエネルギーは大きなものが必要となる。し
たがって、その部位以外の部分に対しても、ダメージを
与えてしまう。
【0019】この点について、簡略的に、図1によって
説明すると、光ファイバー1からレーザ光Lを対象組織
Mの表面に照射する場合、二点鎖線で示すように、発熱
性物質が存在しない部位に対してあるレーザ光のパワー
0 で照射するときには、組織Mの深さ方向の温度分布
TD0 は、図示のように、緩やかなカーブを描いて温度
低下する。これに対して、予め、発熱性物質を含有する
層2を対象組織Mの表面に形成しておくと、レーザ光L
の照射により発熱性物質が発熱するために、対象組織M
の表面部分における温度が局部的に上昇する。したがっ
て、対象組織Mの表面部分における目的の温度を得るた
めのレーザ光のパワーP1 は、前記のパワーP0 より低
いもので足りる。しかも、組織Mの深さ方向の温度分布
TD1 は、図示のように、対象組織Mの表面部分におい
てレーザ光のエネルギーが消費(吸収)されるので、そ
れより深くなると急激に温度が低下する。その結果、た
とえば皮膚の痣治療や皮膚癌の治療において、痣や癌組
織部分のみを壊死させてるとともに、その痣や癌組織よ
り深い部位に対して障害を与えないことが可能となる。
【0020】また、組織Mの内部に対しては、レーザ光
を照射する場合には、図2に示すように、組織の表面を
冷却しながらレーザ光の照射を行うことが望ましい。す
なわち、予め、組織M内の所定の部位に対して、発熱性
物質を含有する分散液を注入針などにより注入して、タ
ーゲットゾーン20とする。
【0021】他方で、レーザ光の照射装置として、筒状
ホルダー10の先端に、レーザ光が透過可能な透光性の
セラミックスまたはプラスチックなどによりガイド窓1
2を設け、前記ホルダー10の中心には光ファイバー1
を保持させるとともに、冷却媒体、たとえば水Wの供給
導管14および排水導管16を、ガイド窓12とホルダ
ー10の先端の仕切り壁10Aで囲まれる流通室18内
に開口させて、水Wを供給導管14を通して流通室18
内に供給し、排水導管16から排水するようにした装置
を用いる。このレーザ光照射装置を用いて、前記流通室
18内に水Wを連続的または間欠的に流通させる過程
で、前記のターゲットゾーン20に対してレーザ光Lを
照射する。
【0022】この場合のレーザ光の組織Mの深さ方向の
エネルギーE温度分布は、同図に示すように、組織M表
面から緩やかなカーブを描いて低下するのに対して、温
度分布TD2 は、組織Mの表面部分は、流通室18を通
る水Wにより強制的に冷却されて、冷却されない場合よ
り低くなるとともに、その冷却熱が伝達しない領域では
温度は入射エネルギー量に応じた温度となる。さらに深
くなり、ターゲットゾーン20では発熱が生じるので、
急激な温度上昇を示し、それ以上の深さ部分では、レー
ザ光のエネルギーがターゲットゾーン20で消費(吸
収)されるので、急激に温度が低下する。
【0023】したがって、総体的には、ターゲットゾー
ン20が集中的に加熱されて、その部分の組織の蒸散や
凝固が生じる。また、温度分布TD2 から明らかなよう
に、組織表面からターゲットゾーン20までの温度は低
く、その部分における組織のダメージが防止される。
【0024】
【実施例】本発明の組織表面部分の冷却を行う場合にお
ける、第1の具体的を図3および図4によって説明す
る。この例では、照射装置の先端部を食道、胃、大腸な
どの体腔内に挿入して、光ファイバー1の出射方向に対
して側方の組織、たとえば癌組織などのターゲット20
にレーザ光を照射して、壊死させるものである。
【0025】光ファイバー1はレーザ光の発生装置22
に光学的に連結されている。光ファイバー1の周囲に
は、プラスチックチューブなどの保護管24が設けられ
ている。
【0026】26は反射体であり、たとえば耐熱性のセ
ラミックス、たとえば耐熱ガラス、人工サファイア、ア
ルミなどから形成される。ステンレスなどの金属でもよ
い。反射体26は、側方に開口部28を有する。この開
口部28と連通して透孔26aが形成されている。この
透孔26aには、連結具30がたとえばネジ部を介して
固定されており、この連結具30は光ファイバー1の先
端部を保持している。反射体26の開口部28は、縦断
面において約60度の開き角度で開口しており、その前
方面には、金メッキ層32が形成されている。
【0027】一方、保護管24の先端には、金属製の連
結具30を介して透光性セラミックス、たとえば耐熱ガ
ラスからなるカバー体34が連結され、反射体26を包
んでいる。このカバー体34の先端には、流出口34a
が形成されている。保護管24と光ファイバー1との間
には、流体、たとえば冷却水Wが供給されるようになっ
ている。連結具30の鍔部には、透孔30aが1または
複数形成されている。
【0028】レーザ光発生装置22からのレーザ光は、
光ファイバー1を通って、その先端から出射され、金メ
ッキ層32に衝突し、この金メッキ層32において、反
射し、開口部28を通り、カバー体34を透過し、組織
M内のターゲット20に対して照射される。
【0029】この照射過程において、冷却水Wが保護管
24内に連続的に供給される。冷却水Wは連結具30の
各透孔30aを通り、反射体26とカバー体34との間
を通って、流出口34aから連続的に流出する。その結
果、体腔内の本発明のレーザ光照射装置を挿入した場合
には、粘液などがカバー体34内へ侵入することがな
い。胃の内部に挿入した場合などにおいても、胃液が侵
入することがない。したがって、カバー34内は常に清
浄な状態に保持される。
【0030】一方、冷却水Wの供給によって、開口部2
8内、透孔26a内が常に冷却水Wによって充満される
ので、光ファイバー1の先端部の透孔26a内に臨む部
分、反射面、実施例においては、金メッキ層32が冷却
され、これらの部位が、レーザ光のパワーを高めたとし
てしも、レーザ光による熱により損傷することがない。
【0031】図5は第2の態様を示したもので、保護管
24とカバー体26とをスリーブ状の連結具30Bによ
り連結し、反射体26と光ファイバー1とは連結具30
Aにより連結するとともに、連結具30Aに透孔30b
を形成し、またプラスチックチューブなどからなる導管
36を連結し、透孔30bと連通させたものである。
【0032】この第2の態様においても、レーザ光の照
射過程において、冷却水Wが導管36内に連続的に供給
される。冷却水Wは連結具30Aの透孔30bを通り、
透孔26aに抜けて、開口部28から、反射体26とカ
バー体34との間を通って、やがて連結具30Aの透光
30cを通って、導管36と保護管24との間隙を通っ
て外部に排水される。したがって、第1の態様において
は、冷却水Wが一方通行であったのに対して、この第2
の態様においては、リターン方式とされている。
【0033】第2の態様においても、透孔26a内およ
び開口部28内が、常に冷却水Wが流通されるので、光
ファイバー1の先端部の透孔26a内に臨む部分、およ
び反射体26がレーザ光の熱により損傷することが防止
される。
【0034】図6においては、反射体26の反射面を凹
面32Aとした例である。この凹面の場合には、図示の
Pの点において、レーザ光エネルギーが集中するので、
低いレーザ光パワーであっても、ターゲット20の集中
的な加温を行うことができる。
【0035】反射体の反射面としては、薄厚のミラーを
接着剤などにより接着固定することもできる。反射体を
ステンレスなどにより形成する場合には、反射面を鏡面
加工すれば、そのまま反射面として利用できる。
【0036】前記の例においては、冷却水により冷却し
たが、空気や窒素などの気体でもよい。レーザ光は、光
ファイバーの先端から反射面に直接投射することなく、
光ファイバーの先端にレーザ光を透過させる媒体を通し
て投射させることもできる。
【0037】かかる冷却媒体の循環方式によれば、体液
や組織の異物の侵入を防止できるとともに、光ファイバ
ーの出射端部および反射面部分などを冷却でき、もって
これらをレーザ光による熱から保護できる。
【0038】本発明の冷却媒体の循環過程で、レーザ光
を照射させる方法は、たとえばバルーンカテーテルを用
いた前立腺の治療などに対しても適用できる。
【0039】図7は、バルーンカテーテル装置の概要を
示したもので、比較的柔軟ではあるがある程度の剛性を
有するたとえばポリエチレンチューブからなる挿入管4
0の中央部には同心的に、たとえばポリエチレンチュー
ブからなる保持管42が設けられ、その保持管42の先
端には金属製の先頭部材44が取り付けられている。こ
の先頭部材44の後部と挿入管40の前部との間には、
可撓性のゴムラテックスやプラスチックからなるレーザ
光の透過性を有するバルーン46が固定されている。こ
のバルーン46は、冷却水タンク48から送水ポンプ5
0により給水する水量と、冷却水タンク48への戻り水
量と差を持たせることにより、組織Mに対して膨出させ
て密着させるようになっている。
【0040】光ファイバー1は、保持管42内に挿入さ
れて、ホルダー52を介して、保持管42内面に固定さ
れている。保持管42はレーザ光の透過可能な材料から
選択される。したがって、レーザ光はその保持管42を
通して周辺に出射される。レーザ光の一部は、直線的に
前方に向かうが、先頭部材44の凸部44aの後端面に
は金メッキ層などが形成されることにより反射性を有し
ており、したがって、レーザ光は凸部44aの後端面に
おいて反射する。この反射したレーザ光は、やがて保持
管42を通ってバルーン46内に入り、そのバルーン4
6を通って組織M内に入射される。
【0041】光ファイバー1の先端からレーザ光が拡散
して出射するように、図示のように、光ファイバー1の
先端部においてコア部分を露出させるとともに、そのコ
ア露出部分1aの外面に光散乱性の粉体を有する散乱層
を形成する、あるいは凹凸加工するなどの手段を採用す
るのが望ましい。
【0042】バルーン46の内面には、熱電対54が接
着などにより固定されており、そのリード線56は外部
に導出されて温度コントローラ58に連結されている。
【0043】このレーザ光照射装置においては、これが
組織Mの内に挿入された状態で、冷却水Wが送水ポンプ
50により挿入管40と保持管42との間に供給され、
バルーン46を膨出させる。冷却水Wの一部は、保持管
42の透孔42aを通って内部に入り、ホルダー52の
切欠部を通って冷却水タンク48に戻される。これによ
って、組織Mの内壁面近傍が冷却される。
【0044】この冷却水の循環過程において、レーザ光
発生装置22からのレーザ光が光ファイバー1の先端の
コア露出部分1aから出射される。出射されたレーザ光
は、保護管42およびバルーン46を通って組織M内に
入射され、ターゲット20を含む部分に対して、レーザ
光照射治療が行われる。
【0045】組織Mの表面温度は熱電対54により検出
され、過度の組織温度にならないように、冷却水の循環
量を送水ポンプ50によりコントロールすることによ
り、あるいは図示しない冷却水温度コントローラにより
冷却水温度をコントロールすることにより制御される。
【0046】図8は、図7のシステムを前立腺の治療に
用いる態様を示したものである。バルーンカテーテル
は、尿道60を通って膀胱62まで挿入される。図示の
バルーンカテーテルには、バルーン46の先端に小バル
ーン46Aが設けられ、二段バルーンとされたもので、
小バルーン46A部分は膀胱62のネック部62Aを越
えて挿入され、手術中において、小バルーン46Aを膨
出させることにより、バルーンカテーテルがネック部6
2Aに引っ掛かって尿道から抜け出ないようにしてあ
る。
【0047】このバルーンカテーテルでは、図7に示す
ように、バルーン46が膨出され、その内部に冷却水が
循環される過程で、レーザ光が前立腺64に対して照射
される。
【0048】前立腺64にレーザ光を照射させる場合に
は、その内部のみをターゲット20として照射させ、尿
道60の内壁部分の温度を低い温度に維持させること
が、術後の治癒を迅速ならしめる。このために、バルー
ン46内に冷却水を循環させ、尿道内壁面近傍、および
括約筋部分63を冷却しながら、レーザ光の照射を行う
ことが有効である。
【0049】また、手術に先立って、前立腺の内部に
は、直接的な注射により、あるいは静脈注射により発熱
性物質が注入される。この発熱性物質が注入されたター
ゲット20に対してレーザ光が照射されるので、ターゲ
ット20部分において特に高温化し、前立腺内部にある
蛋白質が凝固され、術後の治癒が図られる。
【0050】レーザ光の照射過程において、過度のレー
ザ光の照射は、前立腺や直腸66を損傷させる可能性が
あるので、直腸66内にレクタムカテーテル68を挿入
し、その温度センサー部70により直腸66の内壁面温
度を検出しながら、レーザ光の出射エネルギーをコント
ロールすることが望ましい。72は押圧バルーンであ
り、挿入部74から膨出して、温度センサー部70によ
り直腸66の内壁面に密着させるようにすることによ
り、温度検出精度を高めている。
【0051】本発明においては、レーザ光を、組織の表
面のみに対して集中的に照射させる場合と、組織内部の
みを集中的に照射させる場合の両者がある。いずれの場
合も、特に組織表面に対してレーザ光を照射させる場合
には、レーザ光は連続波でなく、パルス状に与えるのが
望ましい。パルスレーザ光を与える手段は従来のものを
そのまま採用できる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなとおり、本発明
によれば、可能な限り治療対象部位のみにおいて組織の
変成を生じさせ、他の組織部位のダメージを少なくする
ことが可能となるとともに、組織の内部に患部がある場
合において、その組織表面からレーザ光を照射させたと
しても、健全組織のダメージを少なくすることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ光の照射態様と組織の深さ方向
の温度分布を示す説明図である。
【図2】冷却水循環方式による本発明のレーザ光の照射
態様と組織の深さ方向の温度分布を示す説明図である。
【図3】側方へのレーザ光の照射システムの縦断面図で
ある。
【図4】その反射体の斜視図である。
【図5】側方へのレーザ光の他の照射システムの縦断面
図である。
【図6】他の反射体の例を示す縦断面図である。
【図7】バルーンカテーテルシステムの概要縦断面図で
ある。
【図8】バルーンカテーテルシステムを前立腺治療に適
用した例の断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバー、20…ターゲットゾーン、22…レ
ーザ光発生装置、M…生体組織、L…レーザ光、W…冷
却水。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体組織表面または内部にレーザ光を吸収
    して発熱を生じる物質を存在させた部位をターゲットと
    するターゲット手段と、前記ターゲットに対してレーザ
    光を照射させて発熱を生じさせるレーザ光照射手段とを
    有することを特徴とする生体へのレーザ光照射システ
    ム。
  2. 【請求項2】前記レーザ光照射手段が、レーザ光発生装
    置からのレーザ光を受けてレーザ光を出射するレーザ光
    出射部と、この出射部からの少なくともレーザ光の出射
    方向に設けられた冷却部と、この冷却部に冷却媒体を流
    通させる冷却媒体供給手段とを備える請求項1記載の生
    体へのレーザ光照射システム。
  3. 【請求項3】レーザ光がパルスレーザ光である請求項1
    または請求項2記載の生体へのレーザ光照射システム。
  4. 【請求項4】レーザ光の照射領域に組織の温度検出手段
    が設けられている請求項1、請求項2、または請求項3
    記載の生体へのレーザ光照射システム。
  5. 【請求項5】ターゲット内に含糖酸化鉄が含まれている
    請求項1〜4のうちのいずれかに記載の生体へのレーザ
    光照射システム。
JP7159247A 1995-06-26 1995-06-26 生体へのレーザ光照射システム Pending JPH0910222A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159247A JPH0910222A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 生体へのレーザ光照射システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159247A JPH0910222A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 生体へのレーザ光照射システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0910222A true JPH0910222A (ja) 1997-01-14

Family

ID=15689577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7159247A Pending JPH0910222A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 生体へのレーザ光照射システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0910222A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001218772A (ja) * 2000-02-10 2001-08-14 Shigehiro Kubota レーザ治療方法及び該治療に用いられるレーザ光強吸収媒質並びにこれらを用いたレーザ治療装置
WO2002036201A1 (fr) * 2000-10-31 2002-05-10 Shigehiro Kubota Procede de traitement au laser, milieux hautement absorbants des faisceaux laser utilises dans le traitement, et appareil de traitement au laser et son utilisation
JP2015217215A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 ニプロ株式会社 アブレーションデバイス及びアブレーションシステム
WO2024101288A1 (ja) * 2022-11-11 2024-05-16 古河電気工業株式会社 光拡散装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001218772A (ja) * 2000-02-10 2001-08-14 Shigehiro Kubota レーザ治療方法及び該治療に用いられるレーザ光強吸収媒質並びにこれらを用いたレーザ治療装置
WO2002036201A1 (fr) * 2000-10-31 2002-05-10 Shigehiro Kubota Procede de traitement au laser, milieux hautement absorbants des faisceaux laser utilises dans le traitement, et appareil de traitement au laser et son utilisation
US7182760B2 (en) 2000-10-31 2007-02-27 Shigehiro Kubota Laser therapy method, highly laser beam-absorbing media to be used in the therapy and laser therapy apparatus with the use of the same
JP2015217215A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 ニプロ株式会社 アブレーションデバイス及びアブレーションシステム
WO2024101288A1 (ja) * 2022-11-11 2024-05-16 古河電気工業株式会社 光拡散装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5609591A (en) Laser balloon catheter apparatus
US5454807A (en) Medical treatment of deeply seated tissue using optical radiation
US7524316B2 (en) Endovenous closure of varicose veins with mid infrared laser
US8740957B2 (en) Device and equipment for treating tumors by laser thermotherapy
US5487740A (en) Laser device for ablation of human tissue
US8257347B2 (en) Vein treatment device and method
EP1273274B1 (en) Medical energy irradiation apparatus
US20040092913A1 (en) Endovenous closure of varicose veins with mid infrared laser
US20040167503A1 (en) Malleable surgical ablation instruments
US20050222556A1 (en) Apparatus and method for hyperthermia treatment
Panjehpour et al. Nd: YAG laser‐induced interstitial hyperthermia using a long frosted contact probe
JPH0363915B2 (ja)
US6224590B1 (en) Laser balloon catheter
US7008416B2 (en) Medical energy irradiation apparatus
US6302878B1 (en) System for laser light irradiation to living body
JPH0910222A (ja) 生体へのレーザ光照射システム
KR102566620B1 (ko) 광 치료 장치
US6596017B1 (en) Device for heat treatment of body tissue
JPH0795987A (ja) レーザーバルーンカテーテル装置
JPH0795986A (ja) レーザーバルーンカテーテル
US20110015621A1 (en) Laser device for minimally invasive treatment of soft tissue
JPH0833646A (ja) 情報検出用カテーテル装置
KR0177853B1 (ko) 레이저 발룬 카테테르 장치
McNicholas et al. Interstitial laser coagulation therapy for benign prostatic hyperplasia
JPH10295838A (ja) 癌治療器