JPH09101276A - デ−タ処理装置 - Google Patents

デ−タ処理装置

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JPH09101276A
JPH09101276A JP27971195A JP27971195A JPH09101276A JP H09101276 A JPH09101276 A JP H09101276A JP 27971195 A JP27971195 A JP 27971195A JP 27971195 A JP27971195 A JP 27971195A JP H09101276 A JPH09101276 A JP H09101276A
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JP
Japan
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data
distance
physical quantity
output
processing device
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JP27971195A
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Inventor
Koji Nishino
孝二 西野
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定装置から送られて来るディジタルデータ
を一定の時間間隔ごとに間引いて取り込むので、この時
間間隔を長くするとデータのピークの領域で精密な解析
を行うことが困難になり、この時間間隔を短くするとベ
ースラインの領域でデータの無駄が多くなるという問題
が生じていた。 【解決手段】 A/D変換器2から入力される各データ
(τn ,ξn )について、距離計算処理3bで前回出力
データ(τp ,ξp )との間の2次元空間上でのデータ
間距離dを計算すると共に、距離比較処理3dでこのデ
ータ間距離dと所定距離Dとを比較し、このデータ間距
離dが所定距離Dを超えた場合にのみ間引き処理3aを
通してデータ(τn ,ξn )を出力する。データ記憶処
理3cは、間引き処理3aからデータ(τn ,ξn )が
出力されるたびに、そのデータ(τn ,ξn )を前回出
力データ(τp ,ξp )として記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱分析装置等の測
定装置から送られて来るデータをパーソナルコンピュー
タ等に取り込むためのデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば材料の熱的特性を評価する場合に
は、示差走査熱量測定(DSC)等の熱分析装置を用い
る。このような熱分析装置は、以前は出力データをその
ままレコーダに送って熱分析曲線をプロットするだけで
足りたが、最近ではパーソナルコンピュータ等に取り込
んで一旦ハードディスク等の記憶装置に記憶させた後に
処理を行うことが多くなっている。この場合、熱分析装
置の検出器で計測され増幅された信号は、A/D変換に
よってディジタルデータに変換してからパーソナルコン
ピュータ等に取り込まれる。ただし、熱分析等は測定に
比較的長い時間を要するので、A/D変換されたディジ
タルデータを全てパーソナルコンピュータ等に取り込ん
だのではデータ量が多くなりすぎ、記憶装置の記憶容量
が圧迫されることになる。また、このように測定データ
のデータ量が多くなりすぎると、データ解析の際にハー
ドディスク等の補助記憶装置からデータを読み出すため
に長時間を要するようになったり、ディスプレイのグラ
フィック画面に表示する際の描画速度が遅くなるという
不都合も生じる。
【0003】そこで、従来は、上記A/D変換されたデ
ィジタルデータを一定時間間隔ごとに間引いてデータ数
を減少させてからパーソナルコンピュータ等に取り込む
ようにしていた。即ち、例えば0.1秒のサンプリング
周期でA/D変換されたディジタルデータを間引いて1
秒間に1サンプルずつのディジタルデータを取り込む
と、データ量を10分の1に減少させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば上記
示差走査熱量測定により時間の経過に伴う示差熱流量の
変化を測定すると、図8や図9に示すように、示差熱流
量がほとんど変化しないベースラインの領域と、この示
差熱流量が急激に変化するピークの領域とを有する熱分
析曲線が得られる。従って、取り込むディジタルデータ
の時間間隔を例えば図8に示すような比較的長い時間T
1 にすると、示差熱流量が急激に変化するピークの領域
では、データ間隔が粗くなりすぎるために、示差熱流量
の変化の様子を正確に把握できなかったりピーク位置が
曖昧になるおそれがある。また、例えば図9に示すよう
に、ピークの領域の急激な変化の様子を詳細に示し得る
ような比較的短い時間間隔T2 でディジタルデータを取
り込むと、ベースラインの領域でほぼ同一のデータが大
量に連続することになり、取り込むデータ数が無駄に多
くなる。
【0005】このため、従来は、測定装置から送られて
来るディジタルデータを一定の時間間隔ごとに間引いて
取り込むので、この時間間隔を長くするとデータのピー
クの領域で精密な解析を行うことが困難になり、この時
間間隔を短くするとベースラインの領域でデータの無駄
が多くなるという問題が生じていた。また、一般の2次
元以上のデータにおいても、いずれかのスカラーの物理
量の成分について等間隔にデータを間引き又はサンプリ
ングを行った場合には、この物理量の等間隔的な変化に
対して他の物理量の変化の程度が大きく変わるときに
は、同様の問題が発生する。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、多次元空間上でのデータ間距離が一定となる
ようにデータを間引き又はサンプリングすることによ
り、変化の大きい領域では緻密なデータを取得し、変化
の乏しい領域では無駄にデータを取り込まないようにす
るデータ処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記課
題を解決するために、測定装置から送られて来る2次
元以上のデータを順次入力するデータ入力手段と、この
データ入力手段がデータを入力する度に、2次元以上の
多次元空間上におけるこのデータと前回出力データとの
間のデータ間距離を計算する距離計算手段と、この距離
計算手段が計算したデータ間距離が所定距離を超えた場
合に、今回入力したデータを出力すると共に、このデー
タを前回出力データとして設定するデータ間引手段とを
備えたことを特徴とする。
【0008】上記データ入力手段は、測定装置から送ら
れて来るディジタル信号又はアナログ信号のデータを順
次入力する。データがアナログ信号で送られて来る場合
には、このデータ入力手段がA/D変換してから入力を
行うようにしてもよいし、アナログ信号のまま入力する
ことも可能である。このデータ入力手段は、測定装置か
らリアルタイムにデータを入力する他、一旦記憶装置等
に蓄積したデータを順に入力することも可能である。
【0009】距離計算手段は、このデータ入力手段がデ
ータを入力する度に、2次元以上の多次元空間上におけ
るこのデータと前回出力データとの間のデータ間距離を
計算する。前回出力データは、次に説明するデータ間引
手段が前回出力したデータであるが、最初のデータにつ
いては、この距離計算手段によるデータ間距離の計算が
できないので、例えば測定装置から最初に送られて来た
データ等の適当なデータをこの前回出力データとして予
め設定しておく。
【0010】データ間引手段は、この距離計算手段が計
算したデータ間距離が予め設定された所定距離を超えた
かどうかを検査する。そして、このデータ間距離が所定
距離を超えないデータは順次捨て去るが、所定距離を超
えた場合には、そのデータを出力すると共に、このデー
タを前回出力データとして設定する。従って、このデー
タ間引手段では、新たな前回出力データが設定される度
に、この前回出力データとの間のデータ間距離が所定距
離を超える最初のデータが出力されることになり、これ
によってデータ間距離がほぼ一定間隔(所定距離)のデ
ータを順次得ることができる。なお、所定距離を超える
とは、所定距離以上、即ちデータ間距離が所定距離と一
致する場合も含むことができる。
【0011】ここで、データがアナログ信号のままで入
力される場合には、距離計算手段によってデータ間距離
が連続的に計算されると共に、データ間引手段は、この
データ間距離が所定距離を超えた時点でのデータをサン
プリングして出力することになる。
【0012】従来は、時間等のようなスカラーの物理量
を一定間隔とすることにより、1次元空間上のでのデー
タ間距離が等間隔となるようにしてデータを取り込んで
いた。しかし、の手段によれば、多次元空間上でのデ
ータ間距離がほぼ一定となるデータを得ることができる
ので、データ中の一成分の等間隔的な変化に対して他の
成分の変化が少ない領域では、データの前者の成分に関
する間隔を十分に広くしてデータ量を減少させることが
できる。そして、このようにデータ量が減少すると、こ
のデータをパーソナルコンピュータ等の記憶装置に記憶
させたり、通信回線等を通じて遠方に伝送する際に、必
要以上に大きい記憶容量や必要以上に高い伝送レートを
要求されるようなこともなくなる。しかも、データ中の
後者の成分が急激に変化する領域では、データの前者の
成分に関する間隔が広すぎるようなことがなくなるの
で、データを精密に解析することができるようになる。
【0013】また、前記の距離計算手段が、2次元
以上の多次元空間上におけるデータ間の直線距離をデー
タ間距離として計算するものであることを特徴とする。
【0014】の手段では、データ間距離をデータ間の
直線距離とする。2次元以上のN次元空間上でのデータ
(x1 ,x2 ,…,xn )とデータ(y1 ,y2 ,…,
n)との間の直線距離dは、数1に示すように、双方
のデータの各成分の差の2乗和の平方根によって計算す
ることができる。
【数1】 なお、予め所望する実際の距離の2乗の値を所定距離と
して設定しておけば、データ間距離も実際の距離の2乗
と定義することができるので、各データについての数1
における平方根の計算を省略することが可能となる。ま
た、このデータ間距離は、この他にも、例えば多次元空
間上におけるデータ曲線又はデータ折れ線に沿った距離
として定義することもできる。さらに、この距離計算手
段は、データをN次元とした場合に、このN次元空間上
においてのみデータ間距離を計算するのではなく、一部
の成分を無視してN次元未満であり2次元以上の多次元
空間上においてデータ間距離を計算することもできる。
【0015】さらに、前記のデータが、スカラー
の第1物理量とスカラーの第2物理量との組み合わせか
らなる2次元データであることを特徴とする。
【0016】さらに、前記のデータが、スカラー
の第1物理量とベクトルの第2物理量との組み合わせか
らなる3次元以上の多次元データであることを特徴とす
る。
【0017】さらに、前記のデータにおけるスカ
ラーの第1物理量が時間であることを特徴とする。
【0018】さらに、前記〜のデータが、第1物
理量の等間隔ごとにサンプリングされたディジタルデー
タであることを特徴とする。
【0019】の手段では、2次元以上のデータの
態様を示す。これらのデータは、の手段に示すよう
に、時間等のようなスカラーの第1物理量の等間隔ごと
にサンプリングされたディジタルデータとして入力され
ることが多い。なお、データ間引手段は、データを出力
する際に、これら多次元のデータの全ての成分を出力す
るのではなく、一部の成分のみを出力するようにしても
よい。また、出力される各データのデータ間距離が所定
距離に一致するものとして取り扱うことができる場合に
は、この所定距離を既知とし又は別途出力することによ
り、データ中におけるデータ間距離の計算に関与した成
分のいずれか1つの出力を省略することが可能となる。
例えば、の手段の場合には、時間等の第1物理量
を省略したデータを出力しても、データ間距離の逆計算
によりこの第1物理量を再現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0021】図1乃至図7は本発明の一実施形態を示す
ものであって、図1はデータ処理装置の具体的構成を示
すブロック図、図2はデータ処理装置の使用例を示すブ
ロック図、図3はデータ処理装置の動作を示すフローチ
ャート、図4はデータ処理装置の動作を熱分析曲線上で
説明するための特性図、図5はデータ処理装置の出力デ
ータによる熱分析曲線を示す特性図、図6は図5の熱分
析曲線における各データの時間間隔の変化を示す特性
図、図7は図5の熱分析曲線の一部を拡大した特性図で
ある。
【0022】本実施形態は、示差走査熱量測定により時
間の経過に伴う示差熱流量の変化を測定する場合につい
て説明する。図2に示す示差走査熱量測定の測定装置1
から出力される示差熱流量のアナログデータは、A/D
変換器2によってディジタルデータに変換される。この
A/D変換器2のサンプリング周期は、示差熱流量の経
時的な変化を詳細に再現し得るような十分に短い期間と
する。そして、このA/D変換器2からは、測定の開始
から終了までの間にK個のディジタルデータが出力され
るものとし、これらのディジタルデータは、時間τと示
差熱流量ξとの成分を有する2次元データ(τ,ξ)で
あるとする。即ち、サンプリング周期をTS秒とすると
測定時間は(k−1)・Ts 秒間となり、これらの期間
にK個のデータ(τ1 ,ξ1 )〜データ(τK ,ξK
が出力されることになる。このA/D変換器2から出力
されるディジタルデータは、順次データ処理装置3に送
られるようになっている。データ処理装置3は、これら
K個のデータ(τ1 ,ξ1)〜データ(τK ,ξK )を
M個のデータ(τk1,ξk1)〜データ(τkM,ξkM)に
間引いて出力する装置である(K>M)。そして、この
データ処理装置3で間引いたデータは、パーソナルコン
ピュータ等の記憶装置4に送られ一旦格納した後に適宜
処理される。
【0023】上記データ処理装置3の具体的構成を図1
に示す。データ処理装置3に入力されたディジタルデー
タは、間引き処理3aを通過したものだけが出力され
る。また、このディジタルデータは、距離計算処理3b
で、前回出力データとの間の2次元空間上でのデータ間
距離dが計算される。前回出力データは、それ以前に最
後に間引き処理3aを通過して出力されたデータであ
り、データ記憶処理3cによって一時的に記憶しておい
たものを繰り返し読み出して使用する。この距離計算処
理3bで計算されたデータ間距離dは、距離比較処理3
dで予め設定された所定距離Dと比較され、その比較結
果が間引き処理3aに送られる。そして、間引き処理3
aでは、この比較結果がd≧Dとなった場合にのみ、そ
の際に入力されたディジタルデータを通過させて出力す
る。なお、一旦比較結果がd≧Dとなってディジタルデ
ータが出力されると、前回出力データが再設定されるの
で、次に入力されるデータとの間のデータ間距離dは通
常は所定距離Dよりも十分に短い値となる。そして、こ
のデータ間距離dが次に所定距離D以上となるまでの間
に順次入力したデータを出力することなく放棄すること
により、データの間引きが行われる。
【0024】上記構成のデータ処理装置3の動作を図3
のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップ
(以下「S」という)1において、最初のデータ
(τ1 ,ξ1 )を入力すると共に、変数nの値を“1”
に初期化する(S2)。この変数nは、現在入力してい
るデータがA/D変換器2で何番目にサンプリングされ
たディジタルデータであるかを示すものである。そし
て、データ(τn ,ξn )、即ちここでは最初のデータ
(τ1 ,ξ1 )を前回出力データ(τp ,ξp )として
一時的に記憶させると共に(S3)、このデータ
(τn ,ξn )、即ちデータ(τ1 ,ξ1 )をデータ処
理装置3から出力する(S4)。
【0025】次に、変数nの値をインクリメント(増
分)してから(S5)、この変数nの値がデータ総数K
を超えたかどうかを判定する(S6)。ただし、最初は
変数nの値がデータ総数Kを超えることはないので、引
き続いてデータ(τn ,ξn )、即ちここではn=2で
あるから2番目のデータ(τ2 ,ξ2 )を入力し(S
7)、この入力データ(τn ,ξn )と前回出力データ
(τp ,ξp )との間の2次元空間上でのデータ間距離
dを計算する(S8)。このデータ間距離dは、今回の
入力データ(τn ,ξn )と前回出力データ(τp ,ξ
p )とについて上記数1の計算を行ったものであり、2
次元空間上におけるデータ(τn ,ξn )とデータ(τ
p ,ξp )の間の直線距離となる。そして、計算したデ
ータ間距離dと所定距離Dとを比較して(S9)、デー
タ間距離dが所定距離Dよりも短いと判断した場合に
は、S5に戻りこのS5〜S9の処理を繰り返す。従っ
て、このS5〜S9のループでは、前回出力データ(τ
p ,ξp )との間のデータ間距離dが所定距離D以上の
長さになるまで、変数nの値を増加させながら順に次の
データ(τm ,ξn )の入力を繰り返すことになる。
【0026】上記ループ処理により、S9において、デ
ータ間距離dが所定距離D以上の長さになったと判断し
た場合には、S3に戻り以降の処理を繰り返す。従っ
て、この場合には、データ間距離dが所定距離D以上と
なったとき、即ちこのデータ間距離dが所定距離Dにほ
ぼ一致したときに入力されたデータ(τn ,ξn )のみ
をS4で出力し、それまでのデータを放棄することによ
り間引きが行われる。そして、S3で前回出力データ
(τp ,ξp )を再設定してから、再びS5〜S9のル
ープ処理を実行することにより、再度上記処理を繰り返
す。また、これらの処理の途中で、S7により最後のデ
ータ(τK ,ξK )が入力されると、次のループのS6
で変数nの値がデータ総数Kを超えるので測定処理を終
了する。
【0027】なお、上記処理では、変数nを用いてA/
D変換器2からのディジタルデータを順次入力するよう
にしているが、これらのディジタルデータがシーケンシ
ャルに入力される場合には、このような変数nを用いる
必要はない。即ち、S1やS7では、次のデータを1個
入力する処理を実行するだけで、順次ディジタルデータ
を入力することができる。ただし、この場合には、S6
の処理で、他の方法により全てのディジタルデータの入
力が完了したことを検出する必要がある。
【0028】上記フローチャートで示したデータ処理装
置3の動作を図4に基づいて具体的に説明する。まず、
直前にS4の処理で出力したデータ(τn ,ξn )が前
回出力データ(τp ,ξp )として設定されているもの
とする。そして、以降のS5の処理により、変数nの値
が順にインクリメントされてn1 〜n6 に増加するもの
とする。従って、S7の処理で入力されるデータ
(τn ,ξn )は、それぞれデータ(τn1,ξn1)〜デ
ータ(τn6,ξn6)となる。また、これらのデータ(τ
n1,ξn1)〜データ(τn6,ξn6)に基づいてS8の処
理で計算されるデータ間距離dは、d1 〜d6 となって
順に増加するものとする。ここで、データ(τn5
ξn5)と前回出力データ(τp ,ξp )との間のデータ
間距離d5 はD>d5 の関係となるが、データ(τn6
ξn6)との間のデータ間距離d6 はD≦d6の関係にな
ったとすると、S4の処理でこのデータ(τn6,ξn6
が出力されることになる。また、それまでの5個のデー
タ(τn1,ξn1)〜データ(τn5,ξn5)は、出力され
ることなく放棄されて間引かれる。
【0029】上記動作により、データ処理装置3から出
力されるデータは、図5に示すように、隣接する各デー
タ間のデータ間距離dが全て所定距離Dにほぼ一致する
ものとなる。即ち、このデータは、図6に示すように、
示差熱流量ξがほとんど変化しないベースラインの領域
では各データ間の時間間隔がある程度粗くなり、この示
差熱流量ξが急激に変化するピークの領域では各データ
間の時間間隔が緻密になる。
【0030】以上説明したように、本実施形態のデータ
処理装置3によれば、時間間隔(サンプリング周期)が
一定のディジタルデータを間引くことにより、2次元空
間上でのデータ間距離dがほぼ一定となるデータを得る
ので、ベースラインの領域では各データ間の時間間隔を
長くしてデータ量の増大を防ぐと共に、ピークの領域で
は各データ間の時間間隔を短くしてデータの精密な解析
を可能にする。また、このデータをパーソナルコンピュ
ータ等の記憶装置4に記憶する際に、必要以上に大きい
記憶容量を要求するようなこともなくなる。
【0031】ところで、上記データ処理装置3から出力
されたデータは、熱分析曲線を表示したりプロットする
場合やピーク点を調べる場合には、そのままデータ処理
を行うことが可能である。しかし、ディジタルフィルタ
によるスムージング処理やFFT(高速フーリエ変換)
処理等を行う場合には、事前に内挿等の処理により一定
の時間間隔のデータに戻す必要がある。ただし、この場
合であっても、最初から一定の時間間隔のデータとして
取り込んだ場合に比べ、同じデータ量であればよりピー
クの領域で緻密なデータを得ることができ、このピーク
の領域が同じ緻密さのデータであれば全体のデータ量を
減少させることができる。
【0032】なお、上記実施形態では、データ処理装置
3が2次元のデータをそのまま出力する場合について説
明した。しかし、A/D変換器2のサンプリング周期が
十分に短い場合には、データ間距離dが最初に所定距離
D以上となったときの、このデータ間距離dと所定距離
Dとの差をほとんど無視できるので、データ間距離dが
所定距離Dに一致するものとして取り扱うことができ
る。そして、この場合には、図7に示すように、例えば
データ(τn2,ξn2)が既知のときに、示差熱流量ξn3
のみが与えられると、データ(τn2,ξn2)を中心とし
所定距離Dを半径とする半円とこの示差熱流量ξn3とが
交差する点が次のデータ(τn3,ξn3)となることが分
かる。従って、このような場合には、データ処理装置3
が2次元のデータの成分である時間τと示差熱流量ξの
双方を出力しなくても、示差熱流量ξだけを出力するこ
とにより時間τの情報を後に再生することが可能とな
る。
【0033】また、上記実施形態では、スカラーの物理
量である示差熱流量の変化を測定する場合について説明
したが、実際の示差走査熱量測定では、示差熱流量だけ
でなく温度の測定も行われるので、この測定装置1から
出力されるデータは、スカラーの物理量である時間と、
ベクトルの物理量である示差熱流量及び温度とを組み合
わせた3次元データとなる。従って、この場合には、3
次元空間上におけるデータ間距離dを計算する。ただ
し、このような3次元データであっても、いずれかの成
分を無視して2次元空間上でデータ間距離dを計算して
もよい。また、この示差走査熱量測定では、温度を横軸
とし示差熱流量を縦軸とした熱分析曲線をプロットする
ための2次元データを出力する場合もある。そして、こ
の場合には、この温度−示差熱流量による2次元空間上
でのデータ間距離dを計算する。
【0034】さらに、上記実施形態では、データ間距離
dを2個のデータ間の直線距離として計算したが、実際
のデータ曲線やデータ折れ線に沿った距離として定義す
ることもできる。即ち、例えば図4に示した前回出力デ
ータ(τp ,ξp )とデータ(τn3,ξn3)との間のデ
ータ間距離d3を、前回出力データ(τp ,ξp )とデ
ータ(τn1,ξn1)との間の直線距離と、このデータ
(τn1,ξn1)とデータ(τn2,ξn2)との間の直線距
離と、このデータ(τn2,ξn2)とデータ(τn3
ξn3)との間の直線距離との和とすることもでき、この
場合には、データの変化の程度により適応した出力デー
タを得ることが可能となる。
【0035】また、上記実施形態では、示差走査熱量測
定の測定装置1について説明したが、他の熱分析装置や
その他の測定装置であっても同様である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のデータ処理装置によれば、各データ間の多次元空間上
でのデータ間距離がほぼ一定となるデータを得ることが
できる。このため、データのある成分の変化が少ない領
域では、データの他の成分の間隔を十分に広くすること
ができるので、データ量が多くなりすぎるということが
なくなる。また、データの前者の成分が急激に変化する
領域では、データの後者の成分の間隔が広すぎるような
ことがなくなるので、このデータを精密に解析すること
ができるようになる。即ち、データのある成分の変化の
大きい部分でのみ他の成分に関して緻密なものとするこ
とにより、データ量を増大させることなく精密な解析を
可能にするので、このデータを格納する際の記憶容量を
減少させると共に、このデータを伝送する際の伝送レー
トを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、デー
タ処理装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、デー
タ処理装置の使用例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、デー
タ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、デー
タ処理装置の動作を熱分析曲線上で説明するための特性
図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、デー
タ処理装置の出力データによる熱分析曲線を示す特性図
である。
【図6】本発明の一実施形態を示すものであって、図5
の熱分析曲線における各データの時間間隔の変化を示す
特性図である。
【図7】本発明の一実施形態を示すものであって、図5
の熱分析曲線の一部を拡大した特性図である。
【図8】従来例を示すものであって、データ間隔が広い
データによる熱分析曲線を示す特性図である。
【図9】従来例を示すものであって、データ間隔が狭い
データによる熱分析曲線を示す特性図である。
【符号の説明】
1 測定装置 2 A/D変換器 3 データ処理装置 3a 間引き処理 3b 距離計算処理 3c データ記憶処理 3d 距離比較処理

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定装置から送られて来る2次元以上の
    データを順次入力するデータ入力手段と、 このデータ入力手段がデータを入力する度に、2次元以
    上の多次元空間上におけるこのデータと前回出力データ
    との間のデータ間距離を計算する距離計算手段と、 この距離計算手段が計算したデータ間距離が所定距離を
    超えた場合に、今回入力したデータを出力すると共に、
    このデータを前回出力データとして設定するデータ間引
    手段とを備えたことを特徴とするデータ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記距離計算手段が、2次元以上の多次
    元空間上におけるデータ間の直線距離をデータ間距離と
    して計算するものであることを特徴とする請求項1に記
    載のデータ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記データが、スカラーの第1物理量と
    スカラーの第2物理量との組み合わせからなる2次元デ
    ータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載のデータ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記データが、スカラーの第1物理量と
    ベクトルの第2物理量との組み合わせからなる3次元以
    上の多次元データであることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載のデータ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記データにおけるスカラーの第1物理
    量が時間であることを特徴とする請求項3又は請求項4
    に記載のデータ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記データが、第1物理量の等間隔ごと
    にサンプリングされたディジタルデータであることを特
    徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のデー
    タ処理装置。
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