JPH0891164A - エアバッグ収納用モジュールカバーの製造方法 - Google Patents

エアバッグ収納用モジュールカバーの製造方法

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JPH0891164A
JPH0891164A JP6226214A JP22621494A JPH0891164A JP H0891164 A JPH0891164 A JP H0891164A JP 6226214 A JP6226214 A JP 6226214A JP 22621494 A JP22621494 A JP 22621494A JP H0891164 A JPH0891164 A JP H0891164A
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JP
Japan
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filler
module cover
thermoplastic elastomer
injection molding
thermoplastic resin
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Pending
Application number
JP6226214A
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English (en)
Inventor
Takahiro Iino
恭弘 飯野
Shozo Sugiki
正三 杉木
Yasusuke Matsushima
庸介 松島
Haruo Okada
晴雄 岡田
Masayuki Haruhara
正行 春原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Nissei Plastic Industrial Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Corp
Nissei Plastic Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出機による予備混練、ペレット化を要する
ことなく、フィラーが成形モジュールカバー内に均一に
分散し、的確かつ安定した材料供給のもとに連続して成
形が可能なエアバッグ収納用モジュールカバーの製造方
法を提供する。 【構成】 少なくとも熱可塑性樹脂または熱可塑性エラ
ストマーおよびフィラーからなるティアラインを設けた
エアバッグ収納用モジュールカバーの製造方法におい
て、少なくとも2つ以上の供給装置33、34から、該
熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフィラ
ーの成形材料のうち少なくとフィラーを、フィードスク
リュ45を挿入した材料供給路44の材料排出側に前記
成形材料の通過量を規制する複数の孔51または切欠部
を有する規制部材50を介して加熱筒32内にスクリュ
35を配置した射出成形機31に定量的に投入して、加
熱筒32内にて溶融混練、可塑化し、金型1、2に射出
して直接成形することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の、運
転席のステアリングホイール、助手席のインストルメン
トパネル、ドアトリム等に取り付けられる乗員保護のた
めのエアバッグ装置に使用されるパッドカバー等と称さ
れるエアバッグ収納用モジュールカバーに係り、詳細に
は、押出機等による予備混練をせずに、熱可塑性樹脂ま
たは熱可塑性エラストマーおよびフィラーからなる複合
材料を直接成形したことを特徴とするエアバッグ収納用
モジュールカバーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗員保護のために自動車等の車両のステ
アリングホイール、助手席のインストルメントパネル、
ドアトリム等に取り付けられるエアバッグ装置が広く実
用に供されている。エアバッグ装置は一般に、車両に不
意な衝撃または急激な減速が生じた際に、袋体からなる
エアバッグを膨張させ、衝撃を緩和するエアクッション
を乗員とエアバッグが取り付けられている車体部品との
間に形成する。エアバッグ装置は概して、エアバッグモ
ジュールまたはエアバッグユニット等と称される車載可
能なユニットとして構成されており、比較的高圧なガス
を発生させるインフレータ(ガス発生器)と、折り畳ま
れた状態で装置内に収納されたエアバッグと、車室に面
するモジュールカバーとを備えている(例えば、特公昭
61−44708号公報、特開平3−167045号公
報、実開平2−91051号公報等参照)。
【0003】モジュールカバーは一般に、パッドカバ
ー、収納パッド、リッド、カバードアあるいはデプロイ
メントドア(Deployment door)等と称
され、通常は、エアバッグ収納用ケース、ハウジングま
たは緩衝材として機能し、衝突等の異常時には、エアバ
ッグの膨張により比較的容易に開裂、展開して、エアバ
ッグの迅速で円滑な膨張を保証する。確実かつ迅速なモ
ジュールカバーの開裂、展開を保証すべく、モジュール
カバーの比較的容易な開裂を促進する開裂部すなわちテ
ィアラインがモジュールカバーの所定の部位に設けられ
る。ティアラインは一般に、開裂用スリットまたは溝を
モジュールカバーの裏面に形成し、モジュールカバーの
一部を局所的に薄肉化することにより形成される。従来
から知られているエアバッグ収納用モジュールカバーと
して、ネットや基布等の補強材をインサート材として埋
設した3層構造の発泡ウレタンを使用したもの、軟質樹
脂の表皮層と硬質樹脂のコア層とを一体的に射出成形し
た2層構造のものがある。このようなモジュールカバー
として、例えば、特開平1−202550号公報には、
2色成形法により軟質樹脂の表皮層と硬質樹脂のコア層
とが一体的に射出成形されるとともに、コア層にティア
ラインが形成されたモジュールカバーが開示されてい
る。しかしながら、前記発泡ウレタン製のエアバッグ用
モジュールカバーにおいては、補強材を所望の位置に埋
設するのに時間と困難さを要するため、生産性が低いの
みならず、補強材が所望の位置に埋設されたエアバッグ
用モジュールカバーの良品率が低いという問題があっ
た。また、前記2色成形法によるエアバッグ収納用モジ
ュールカバーの製造においては、成形に時間がかかると
ともに、表皮層用とコア層用の金型が必要となり、製造
コストが高くなるという問題があった。
【0004】また最近では、エステル系熱可塑性エラス
トマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いた単
層の射出成形モジュールカバーも知られている。これら
のモジュールカバーを射出成形によって製造する際に、
前記開裂を促進する厚さ0.4〜1.4mmの薄いティ
アラインをモジュールカバーの天面の中央部および側部
に、通常はH型のパターンで形成する必要があった。こ
のようなものの1例として、図4に示したものがある。
これについて簡単に説明すると、ステアリングホイール
等に取り付けられるエアバッグ装置は、エアバッグ20
およびガス発生器21等を収納してモジュールカバー2
2の側周壁23がベースプレート24の取付部25にリ
ベットあるいはビス等によって取り付け固定されてい
る。前記モジュールカバー22の天面の中央部および側
部には、エアバッグ作動時の開裂を促進するティアライ
ン26が設けられている。なお、27はエアバッグ20
をベースプレート24に固定するリング状のリテーナで
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モジュール
カバーを使用した上記のようなエアバッグ装置におい
て、冬季等の低温下でのエアバッグ完全展開に要する時
間が、他の季節の常温下での完全展開時間に比較して大
幅に遅れることが指摘されている。本発明者等は、製造
が比較的容易な射出成形型のエアバッグ収納用モジュー
ルカバーにおける完全展開時間について、鋭意研究を重
ねた結果、その原因が、インフレータのガス発生速度が
低温時に遅いという要因の影響は微々たるもので、むし
ろティアライン部が主として発泡ウレタンまたはオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーからなる軟質樹脂のみによ
って構成されているために、モジュールカバーを構成す
る材料自体の材料強度が高くなるために、ティアライン
部の強度が増大し、該ティアライン部の強度が温度によ
り影響を受け易くなる結果、低温下での開裂に時間を要
するという要因の影響が非常に強いという事実を見いだ
した。本発明者等は、さらに鋭意検討の結果、熱可塑性
樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフィラーからな
るモジュールカバーの少なくとも開裂部が平均粒子径1
00μm以下のフィラーを1〜50容積%配合した熱可
塑性樹脂または熱可塑性エラストマーからなるモジュー
ルカバーを使用することにより、環境温度の変化に関わ
らず、迅速で確実な開裂、展開が可能で乗員保護性能を
安定したものにするエアバッグ装置を完成させた。
【0006】本発明のエアバッグ装置に使用されるモジ
ュールカバーとしては、上記条件を満足していれば良
く、1層構造、2層構造等構造には依存しない。該モジ
ュールカバーを得る場合、押出機等により熱可塑性樹脂
または熱可塑性エラストマーおよびフィラーを予備的に
溶融、混練、ペレット化して金型に射出成形する方法が
とられていた。図5は、このような射出成形により形成
されるモジュールカバーの金型を示しており、図4とと
もに簡単に説明すると、内金型1の上面にはモジュール
カバー22の天面内側に形成されるHパターン等のティ
アライン26を成形するためのティアライン成形用突条
1Aが形成されている。そして、前記内金型1の外側に
はモジュールカバー22の厚みの間隔を存して外金型2
が配置され、内金型1の外面のコア3と外金型2の内面
のキャビティ4によって形成される空間9に、前記押出
機等により熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーお
よびフィラーを予備的に溶融、混練、ペレット化された
溶融樹脂6が射出ゲート5を通じて射出成形される。F
1は溶融樹脂の流れを示している。
【0007】しかしながら、このような熱可塑性樹脂ま
たは熱可塑性エラストマーおよびフィラーを予備的に溶
融、混練、ペレット化する方法では、熱可塑性樹脂また
は熱可塑性エラストマーが押出機により熱履歴を受け、
射出成形により再度熱履歴をうけるため、熱可塑性樹脂
または熱可塑性エラストマー、特にウレタン系、ポリア
ミド系、ポリエステル系等の熱可塑性樹脂または熱可塑
性エラストマーの分子量低下に起因する強度低下が生じ
ていた。このようなことから、押出機による熱履歴のな
い成形と、温度環境に左右されない迅速で確実なエアバ
ッグの開裂、展開のためにフィラーをモジュールカバー
内に均一に分散させ、しかも生産効率向上の点からも連
続して射出成形できる製造方法が熱望されていた。さら
に、省エネルギーの見地から、経済的にも押出工程を削
除することが望まれていた。
【0008】ところが、通常の射出成形では、ホッパー
に材料を貯蔵しておくことができるが、本モジュールカ
バーの製造においては、直径1.5〜2.5mm、高さ
4.5〜5.5mmの円柱状あるいは直径1.5〜2.
5mmの球状であり、かつ比重が約0.9〜1.1の熱
可塑性エラストマーペレットと平均粒径数μm〜数百μ
mで比重が0,2〜5.0のフィラーというサイズ、形
状および比重の著しく異なる材料同士であるため、予め
計量、混合してホッパーに貯蔵しておいても、材料が互
いに分離し、次第に混合比率が変化してくるため、的確
かつ安定した材料の供給のもとに連続的な射出成形がで
きないという課題があった。そこで、本発明は、以上述
べてきたような従来の、開裂を促進するティアラインを
備えたモジュールカバーの製造方法における諸課題を解
決して、押出機による予備混練、ペレット化を要するこ
となく、的確かつ安定した材料の供給のもとに、フィラ
ーがモジュールカバー内に均一に分散し、かつ連続して
成形が可能なエアバッグ収納用モジュールカバーの製造
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、鋭意研究を重
ねた結果、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーお
よびフィラーからなるエアバッグ収納用モジュールカバ
ーの製造方法において、可塑化工程の間に射出成形機に
おける加熱筒の後部にあるホッパー口から熱可塑性樹脂
または熱可塑性エラストマーおよびフィラーを各々の供
給装置により定量的に投入して、溶融混練、可塑化し、
金型に射出して直接成形することにより、あるいは加熱
筒の後部にあるホッパー口から1つの供給装置により熱
可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを、加熱筒のほ
ぼ中間部に設けられた開口部からもう1つの供給装置例
えばベント式射出成形機のベント口によりフィラーを定
量的に投入して、溶融混練、可塑化し、金型に射出して
直接成形することにより、材料の的確且つ安定した供給
のもとに、フィラーが均一に分散したエアバッグ収納用
モジュールカバーが連続して成形できることを見い出
し、本発明では、前記課題を解決するための手段とし
て、少なくとも熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマ
ーおよびフィラーからなるティアラインを設けたエアバ
ッグ収納用モジュールカバーの製造方法において、少な
くとも2つ以上の供給装置から、該熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマーおよびフィラーの成形材料のうち
少なくともフィラーを、フィードスクリュを挿入した材
料供給路の材料排出側に前記成形材料の通過量を規制す
る複数の孔または切欠部を有する規制部材を介して加熱
筒内にスクリュを配置した射出成形機に定量的に投入し
て、加熱筒内にて溶融混練、可塑化し、金型に射出して
直接成形するようにしたことを特徴とするものである。
そして本発明は、射出成形の計量可塑化工程において、
前記供給装置を射出成形機本体のスクリュー回転に連動
して作動させて成形したことを特徴とするものである。
また、本発明は、前記供給装置の1つを射出成形機本体
加熱筒の一部に設けられた開口部に設置し、フィラーを
定量的に供給して成形したことを特徴とし、前記開口部
において、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを
完全に溶融させたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明では、以上の構成によって、射出成形機
の後部に設けられたホッパー口32Aに設置した供給装
置33から熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの
投入を開始し、射出成形機のほぼ中間部に設けられた開
口部32B(例えば、ベント式射出成形機のベント口)
からフィラー(例えば、ガラスバルーン)に設置した供
給装置34からフィラーの投入を開始する。それは、射
出成形の可塑化、計量工程すなわち射出成形機本体のス
クリュ35が回転し、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラ
ストマーが加熱筒32の先端に可塑化しながら移送さ
れ、一定量を計量する工程の間に、熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマーおよびフィラーの投入が開始さ
れ、各々を各供給装置から一定の比率で定量的に投入し
て行く際に、フィードスクリュ45を挿入した材料供給
路44の材料排出側に、フィードスクリュ45から送出
された成形材料の通過量を規制する複数の孔部51また
は切欠部を有する規制部材50を設けたため、各種形態
のフィラーに対して、ひと塊となっての供給がなされ
ず、粒子が程よく均一にばらされて的確かつ安定した供
給制御が行われて成形品にフィラーが均一に配合される
こととなる。また、加熱筒のほぼ中間部に設けられた開
口部32Bを投入した場合、該開口部32Bで前記熱可
塑性樹脂または熱可塑性エラストマーが充分溶融してい
るのでフィラーの形状破壊が抑制される。なお、投入の
方法としては、同時に開始し、同時に終了することが好
ましいが、これに限定されるものではない。それ以降の
成形工程は、通常の射出成形と同様に実施して、フィラ
ーが熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーに均一に
配合されたモジュールカバーが連続して得られることに
なる。本発明の別の実施態様では、熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマーおよびフィラーは加熱筒32の後
部に設けられたホッパー口42Aから投入される。基本
的には、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーが投
入される第1材料供給部33Aが前記ホッパー口42A
に設置され、該第1材料供給部33Aの排出側の上部に
フィラーが投入される第2材料供給部34Aの排出側が
合流接続されて構成される。本実施態様においても、フ
ィラーが投入される第2材料供給部34Aには規制部材
を設けているので、粒子が程よく均一にばらされて的確
かつ安定した供給制御が行われて成形品にフィラーが均
一に配合される。このように、射出成形の可塑化、計量
工程すなわち射出成形機本体のスクリュ35が回転し、
樹脂材料を加熱筒32先端に、可塑化しながら移送す
る。それ以降の成形工程は、通常の射出成形と同様に実
施でき、フィラーが熱可塑性樹脂または熱可塑性エラス
トマーに均一に配合されたモジュールカバーが連続して
得られることは前記実施態様と同様である。このよう
に、本発明のモジュールカバーは、押出機を使用した予
備溶融混練工程を経ることがないので、樹脂材料のペレ
ット化の必要がなく、熱履歴によるダメージを最小限に
抑えることができ、経済的にも有利であり、フィラーの
熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーへの分散性も
均一で良好で、温度環境に左右されることなく、低温か
ら高温まで幅広い温度環境下において迅速で確実に開裂
展開するエアバッグ収納用モジュールカバーが提供され
るものである。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。 (1)熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー。 本発明で使用される熱可塑性樹脂または熱可塑性エラス
トマーとしては、−40〜90°Cまで使用できるもの
であれば、特に制限はないが、車室内装として触れた感
触が良好なショア押込硬度55D以下のものが好まし
い。ウレタンを主成分として含むウレタン系エラストマ
ー、スチレンを主成分として含むスチレン系エラストマ
ーもしくはその水素添加物、塩化ビニルを主成分として
含む塩化ビニル系エラストマー、ポリエステルを主成分
として含むエステル系エラストマー、ポリアミドを主成
分として含むポリアミド系エラストマー、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等を主成分として含むオレフィン系
エラストマーからなる群から選択される1種のエラスト
マーまたは2種以上のエラストマー混合物が挙げられ
る。また、熱可塑性樹脂としては、ナイロン11、ナイ
ロン12、ナイロン6・12、ABS(アクリロニトリ
ルブタジエンスチレン)等が好んで用いられる。また、
これらの熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂を適宜な
比率で混合して使用してもよい。ウレタン系エラストマ
ーとしては、エーテル系、エステル系、ポリカーボネー
ト系が好ましく使用できる。本発明において、熱可塑性
樹脂または熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、
難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、発泡剤等の各種添加剤を加えることができ
る。難燃剤としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、五酸化アンチモン、酸化
ジルコニウム等の無機系難燃剤、リン酸エステル系難燃
剤、含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤等のリン酸難燃
剤、臭素系難燃剤、塩素化パラフィン、パークロロシク
ロデカン等の塩素系難燃剤が挙げられる。酸化防止剤と
しては、光安定剤、金属不活性剤、オゾン劣化防止剤等
の連鎖開始阻止剤、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗
酸化剤等のラジカル補足剤、硫黄系抗酸化剤、リン系抗
酸化剤等の過酸化物分解剤等が挙げられる。帯電防止剤
としては、各種界面活性剤や官能基を有するポリマーが
挙げられる。着色剤としては、顔料、染料のいずれも使
用可能であり、顔料としては、難溶性アゾレーキ等のア
ゾ系有機顔料、フタロシアニンブルー等のフタロシアニ
ン系有機顔料、アントラキノン系等のスレン系有機顔
料、塩基性染料系等の染色レーキ系有機顔料、その他の
有機顔料、チタン系等の酸化物系無機顔料、黄鉛等のク
ロム酸モリブデン酸系無機顔料、カドミウムイエロー等
の硫化物、セレン化物系無機顔料、紺青等のフェロシア
ン系無機顔料、その他の無機顔料が挙げられ、使用可能
な染料としては、アゾ系、アントラキノン系、キノフタ
ロン系等の油溶性染料や水溶性染料等が挙げられる。紫
外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニ
ッケルキレート系の紫外線吸収剤があげられる。可塑剤
としては、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、リン酸
系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤が挙げられる。
【0012】(2)フィラー。 本発明で使用されるフィラーとしては、平均粒子径10
0μm以下のものであれば特に制限はないが、炭酸カル
シウム(重質炭酸カルシウム、チョーク、胡粉)、ケイ
酸アルミニウム(カリオンクレー、ロウ石クレー)、ケ
イ酸マグネシウム(タルク)、シリカ(ケイ砂、ケイ藻
土、無定型シリカ、湿式法ホワイトカーボン、乾式法ホ
ワイトカーボン)、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム(アルミナ水和物)、沈降硫酸バリウム、酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、カーボンブラック、雲母、
ガラス球、木粉、再生ゴム、エボ粉、変成メラミン樹
脂、ガラス繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、比重1
以下の軽量フィラー(ガラスバルーン、シラスバルー
ン、フライアッシュバルーン、パーライトバルーン、シ
リカバルーン等のケイ酸系無機質バルーン、非ケイ酸系
無機質バルーン、熱硬化性有機質バルーン、熱可塑性有
機質バルーン)等が挙げられる。なかでも、滑らかで均
一であり、粒子表面が濡れやすいガラス球、比重1以下
の軽量フィラーが好ましい。さらにこれらのフィラーの
うち、配合物の比重低減効果のある真比重1以下の軽量
フィラーが好ましい。さらにこれらの軽量フィラーのう
ちでは、比重低減効果、耐圧強度に優れたガラスバルー
ンが最も好ましい。さらに、真比重が0.28〜0.7
0の範囲内にあり、粒子表面の多孔度が小さく、滑らか
で均一であり、粒子表面が濡れやすいガラスバルーンが
最も好ましく使用し得る。真比重が0.28未満では、
ガラスバルーンの耐圧強度が50kgf/cm2 未満と
なることが多く、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラスト
マーに溶融混練する場合には、その工程で、ガラスバル
ーンが破壊し、エアバッグ収納用モジュールカバーの比
重が高くなって、好ましくなく、他方、真比重が0.7
0を越えると、エアバッグ収納用モジュールカバーの比
重の低減効果が必ずも充分でない。フィラーの平均粒子
径は100μm以下であことが好ましい。平均粒子径が
100μmを越えると、モジュールカバーの表面、特に
薄肉部であるティアライン部の表面が凹凸になり、外観
上好ましくない。フィラーの配合量としては、熱可塑性
樹脂または熱可塑性エラストマーへの配合量を、配合物
全体に対して、1〜50容量%とすることが必要であ
る。1容量%以下では、エアバッグ装置とした場合、−
40°Cにおける完全展開時間が常温(室温)に比較し
て遅くなり、迅速な開裂展開の効果が充分でなく、50
容量%以上では、配合物の引張強度が低下しすぎて実用
的ではない。
【0013】(3)塗装。 モジュールカバーの表面を質感向上および耐久性向上の
ために塗装を施すこともできる。塗料としては、ウレタ
ン系の塗料が使用されることが好ましい。
【0014】(4)モジュールカバーの製造方法。 本発明の実施態様においては、図1に示すように、射出
成形機は射出装置31と、金型1、2を備え、射出装置
31は内部にスクリュ35を挿入した加熱筒32を備え
る。加熱筒32の前端には射出ノズル36を有し、後端
には前記スクリュ35を回転および前進させるスクリュ
駆動装置37を有する。なお48はスクリュ回転用の駆
動モータを示す。加熱筒32の後部には第1の成形材料
である熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを供給
する供給装置である第1材料供給部33を設け、該第1
材料供給部33には第1の熱可塑性樹脂または熱可塑性
エラストマーのペレットを収容するホッパー38と、該
ホッパー38の落下口に連通する水平移送路39と、該
水平移送路39の内部に配したフィードスクリュ40
と、該フィードスクリュ40を回転駆動する駆動モータ
ユニット41と、前記水平移送路39の先端に連通しか
つ加熱筒32の内部に連通する鉛直落下路42とを設け
ている。これによって、ホッパー38から水平移送路3
9に落下した第1の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラス
トマーは、駆動モータユニット41により回転するフィ
ードスクリュ40によって移送されるとともに、鉛直落
下路42を落下して加熱筒32の内部に供給される。こ
の時、駆動モータユニット41の回転数を制御すれば、
第1の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの供給
量を可変制御できる。他方、加熱筒32の中間部、望ま
しくは略中央部には例えばベント式射出成形装置のベン
ト口を構成する開口部32Bが設けられ、第2の成形材
料であるフィラーを供給する供給装置である第2材料供
給部が34設置される。該第2材料供給部34は、前記
第1材料供給部33と同様の構成、ホッパー43、水平
移送路44、フィードスクリュ45、駆動モータユニッ
ト46および鉛直落下路47を有する。
【0015】本発明の実施例では、図2に示すように、
少なくともフィラーの加熱筒32への供給を的確かつ安
定して供給するために、以下のような構成が採用されて
いる。図2(A)に詳細が示されているように、第2材
料供給部34において、フィラーMaであるガラスバル
ーンを用いる場合について、ガラスバルーンは直径が
0.03〜0.06mm程度の内部中空の粒状球体であ
り、成形品を軽量化する機能を有する。一方、装置ブロ
ック34Aには規制部材50を有する支持機構52およ
び閉塞部材49を取り付ける。閉塞部材49は取付孔5
3を通して材料供給のための水平移送路44に挿入する
とともに、支持機構52は取付孔53に装着し、固定ボ
ルトにより装置ブロック34Aに取り付ける。この際、
フィードスクリュ45の軸は支持機構52の軸受部内に
挿入して、回転検出用ロッド54に係合させる。また、
規制部材50の先端は閉塞部材49に当接させ、この状
態で閉塞部材49を固定ボルトにより装置ブロック34
Aに固定する。
【0016】本発明の別の実施態様では、図3に示した
ように、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーおよ
びフィラーは加熱筒32の後部に設けられたホッパー口
42Aから投入される。熱可塑性樹脂または熱可塑性エ
ラストマーが投入される第1材料供給部33Aが前記ホ
ッパー口42Aに設置され、該第1材料供給部33Aの
排出側の上部にフィラーが投入される第2材料供給部3
4Aの排出側が合流接続されて構成される。第1材料供
給部33Aには熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマ
ーが投入されるホッパー38Aが、第2材料供給部34
Aにはフィラーが投入されるホッパー43Aがそれぞれ
設けられている。本実施態様においても、詳述しないが
前記実施態様と同様に、フィラーが投入される第2材料
供給部34Aには規制部材50を設けているので、フィ
ラー粒子が程よく均一にばらされて的確かつ安定した供
給制御が行われて成形品にフィラーが均一に配合され
る。かくして、射出成形の可塑化、計量工程すなわち射
出成形機本体のスクリュ35が回転し、樹脂材料を加熱
筒32先端に、可塑化しながら移送する。それ以降の成
形工程は、通常の射出成形と同様に実施でき、フィラー
が熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーに均一に配
合されたモジュールカバーが連続して得られることは前
記実施態様と同様である。
【0017】以上の構成によって、駆動モータユニット
46によりフィードスクリュ45を回転させれば、ホッ
パ43から供給されるフィラーMaはフィードスクリュ
45により移送される。この際、フィラーMaは、図2
(B)に示すような規制部材50に設けた複数の孔部
(切欠部)51を通過して移動するため、規制部材50
を通過するフィラーMaの通過量は、孔部51の大き
さ、数等により規制、制限される。また、フィードスク
リュ45と水平移送路44との間の隙間Sは閉塞部材4
9により閉塞されるため、フィラーMaが該隙間Sを通
って、直接、加熱筒32側に流れ落ちる不具合はない。
なお、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーは第1
材料供給部33から加熱筒32内に供給される。かくし
て、フィードスクリュを挿入した材料供給路の材料排出
側に、フィードスクリュから送出された成形材料の通過
量を規制する複数の孔部または切欠部を有する規制部材
を設けたため、各種形態のフィラーに対して、的確かつ
安定した供給制御を行えるので、射出成形機のホッパー
口に設置した2つの供給装置33、34から、射出成形
の可塑化、計量工程すなわち射出成形機本体のスクリュ
35が回転し、樹脂材料をノズル36の先端に、可塑化
しながら移送し、一定量を計量する工程の間に、熱可塑
性樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフィラーの投
入を同時に開始し、各々一定の比率で定量的に投入し、
同時に投入をする。それ以降の成形工程は、通常の射出
成形と同様に実施でき、フィラーが熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマーに均一に配合されたモジュールカ
バーが的確かつ安定した材料供給のもとに連続して得ら
れることになる。また、射出成形機本体スクリュ35の
一部、特に先端部にダルメージ構造、サブフライト構
造、多条構造を有するスクリュを用いた場合には、さら
に配合の均一性が向上する。
【0018】また本発明では、射出成形の計量可塑化工
程において、前記供給装置を射出成形機本体のスクリュ
ー回転に連動して作動させて成形するもので、すなわち
各材料の供給装置における供給量は供給装置のフィード
スクリュの回転数に依存するので、これを供給する材料
の種類などに応じて適切に制御するものであり、射出成
形機本体のスクリュー回転すなわち加熱筒内における材
料の可塑化の進行具合に応じてこれに連動して作動させ
るものである。
【0019】さらに本発明では、前記供給装置の1つを
射出成形機本体加熱筒のほぼ中間部に設けられた開口部
に設置して、該供給装置からフィラーのみを定量的に供
給して成形したことを特徴とし、加熱筒内におけるスク
リュの回転によって別の供給装置から投入された熱可塑
性樹脂または熱可塑性エラストマー材料が可塑化されて
前記開口部に到るまでに完全に溶融されているように構
成されているものである。そして、該フィラーが投入さ
れた供給装置の下流において、加熱筒内におけるスクリ
ュの回転によってフィラーは均一に熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマー材料内に配合される。このよう
に、本発明のモジュールカバーは、押出機を使用した予
備溶融混練工程を経ることがないので、熱履歴によるダ
メージを最小限に抑えることができ、経済的にも有利で
あり、フィラーの熱可塑性樹脂または熱可塑性エラスト
マーへの分散性も均一で良好で、温度環境に左右される
ことなく、迅速で確実に開裂展開するエアバッグ収納用
モジュールカバーとなるものである。
【0020】なお、軽量フィラーの分散性と形状破壊率
を以下の方法によった。分散性は、成形されたモジュー
ルカバー100個を製造し、その各々を肉眼にてチェッ
クし、この1個のモジュールカバーの中に、分散不良が
1個でもあれば、不良品とみなし、全くなければ良品と
した。この結果より、良品数をチェックした総数を10
0で割り、それに100を乗することによって良品の百
分率を得た。したがって、該百分率の値が100であれ
ば、不良品が全くないことを意味する。また、形状破壊
率は、製造された1個のモジュールカバーより、所定の
異なった場所から10個、サンプリングし、各々の比重
を測定し、該実測値の平均値を得た。 一方、熱可塑性
エラストマーおよび軽量フィラーの形状が破壊しない時
と、破壊した時との比重は既知であり、また、軽量フィ
ラーの熱可塑性エラストマーへの配合容積%も既知であ
るため、例えば、軽量フィラーの形状が全く破壊してい
ない時の製造品の計算比重等が求められる。これらの比
重の結果により、軽量フィラーの熱可塑性エラストマー
への配合容積%を100容積%とみなした時に対する、
形状破壊容積%が計算される。この形状破壊容積%が高
い程、軽量フィラーの形状破壊が起きていることを示
す。
【0021】<比較例1>ショア押込硬度79A、比重
1.09、引張強度290kgf/cm2 のウレタン系
熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38、耐圧強度281kgf/cm2 のガラスバル
ーンを、加熱筒温度160〜210°C、スクリュ回転
数100rpmで2軸押出機に投入して溶融紺練し、ペ
レットを作製した。該ペレットを,加熱筒32の温度は
180°C〜200°C、スクリュ45の回転数を50
rpm、スクリュ45の構造は汎用型のフルフライト構
造、最大圧力80kgf/cm2 で射出成形し、図5に
示されるような、その一部に肉厚が0.6mmの開裂用
溝部すなわちティアライン(図4の26)を有する全体
的な天面部厚さが4.0mmのエアバッグ収納用モジュ
ールカバーを成形した。さらに表面にウレタン系の塗料
にて塗装を施した。この時のガラスバルーンのエアバッ
グ収納用モジュールカバーに対する含有量は19容量%
であった。この時の比重は1.09であり、ガラスバル
ーンの分散率は100%、またガラスバルーンの形状破
壊率は30%であるが、2軸押出機によってペレット化
したために、生産効率が劣っていた。
【0022】<比較例2>ショア押込硬度79A、比重
1.09、引張強度290kgf/cm2 のウレタン系
熱可塑性エラストマー(エーテル系)を加熱筒の後部に
設けたホッパー口に設置した供給装置から、真比重が
0.38、耐圧強度281kgf/cm2 のガラスバル
ーンを、加熱筒の中央部に設けられた開口部に設置した
規制部材50および閉塞部材49を具備していない供給
装置から、加熱筒温度のホッパー口〜開口部間を180
〜230°C、開口部〜ノズル間を220〜230°
C、射出成形機にスクリュ回転数50rpmの計量、可
塑化工程の間に、スクリュの作動に連動して前記材料を
直接投入し、連続成形した。この時、前記開口部でエラ
ストマーは完全溶融の状態であった。最大圧力80kg
f/cm2 で射出成形し、図5に示されるような、その
一部に肉厚が0.6mmの開裂用溝部すなわちティアラ
インを有する全体的な天面部厚さが4.0mmのエアバ
ッグ収納用モジュールカバーを成形した。さらに表面に
ウレタン系の塗料にて塗装を施した。 ガラスバルーン
は規制部材50がない供給装置で供給されたため、ガラ
スバルーンは固まって投入され、混練不充分で、モジュ
ールカバーの分散性は0%であった。
【0023】<実施例1>ショア押込硬度79A、比重
1.09、引張強度290kgf/cm2 のウレタン系
熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38のガラスバルーンを、加熱筒温度180〜20
0°C、フルフライトスクリュ(汎用のスクリュー構
造)を設置した射出成形機の加熱筒の後部に設けられた
ホッパー口に2つの供給装置を設置して、スクリュ回転
数50rpmの計量、可塑化工程の間に、スクリュの作
動に連動して前記材料を、各々一定速度にて定量的に直
接投入し、連続成形した。最大圧力80kgf/cm2
で射出成形し、図5に示されるような、その一部に肉厚
が0.6mmの開裂用溝部すなわちティアラインを有す
る全体的な天面部厚さが4.0mmのエアバッグ収納用
モジュールカバーを成形した。さらに表面にウレタン系
の塗料にて塗装を施した。この時のガラスバルーンのエ
アバッグ収納用モジュールカバーに対する含有量は19
容量%であった。この時の比重は1.01であり、ガラ
スバルーンの分散率は100%、またガラスバルーンの
形状破壊率は7%である。電子顕微鏡により350倍に
拡大してティアラインおよび肉厚部を目視によって観察
したところ、ガラスバルーンは均一に分散していた。
【0024】<実施例2>ショア押込硬度79A、比重
1.09、引張強度290kgf/cm2 のウレタン系
熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38、耐圧強度281kgf/cm2 のガラスバル
ーンを、加熱筒温度180〜200°C、先端にダルメ
ージ構造(多羽根スクリュー構造)を有するスクリュを
設置した射出成形機の加熱筒の後部に設けられたホッパ
ー口に2つの供給装置を設置して、スクリュ回転数50
rpmの計量、可塑化工程の間に、スクリュの作動に連
動して前記材料を、各々一定速度にて定量的に直接投入
し、連続成形した。最大圧力80kgf/cm2 で射出
成形し、図5に示されるような、その一部に肉厚が0.
6mmの開裂用溝部すなわちティアラインを有する全体
的な天面部厚さが4.0mmのエアバッグ収納用モジュ
ールカバーを成形した。さらに表面にウレタン系の塗料
にて塗装を施した。この時のガラスバルーンのエアバッ
グ収納用モジュールカバーに対する含有量は19容量%
であった。この時の比重は1.03であり、ガラスバル
ーンの分散率は100%、形状破壊率は10%である。
電子顕微鏡により350倍に拡大してティアラインおよ
び肉厚部を目視によって観察したところ、ガラスバルー
ンは均一に分散していた。
【0025】<実施例3>ショア押込硬度79A、比重
1.09、引張強度290kgf/cm2 のウレタン系
熱可塑性エラストマー(エーテル系)を加熱筒の後部に
設けたホッパー口に設置した供給装置から、真比重が
0.38、耐圧強度281kgf/cm2 のガラスバル
ーンを、加熱筒の中央部に設けられた開口部に設置した
供給装置から、加熱筒温度のホッパー口〜開口部間を1
80〜230°C、開口部〜ノズル間を220〜230
°C、射出成形機にスクリュ回転数50rpmの計量、
可塑化工程の間に、スクリュの作動に連動して前記材料
を、各々一定速度にて定量的に直接投入し、連続成形し
た。この時、前記開口部でエラストマーは完全溶融の状
態であった。最大圧力80kgf/cm2 で射出成形
し、図5に示されるような、その一部に肉厚が0.6m
mの開裂用溝部すなわちティアラインを有する全体的な
天面部厚さが4.0mmのエアバッグ収納用モジュール
カバーを成形した。さらに表面にウレタン系の塗料にて
塗装を施した。この時のガラスバルーンのエアバッグ収
納用モジュールカバーに対する含有量は19容量%であ
った。この時の比重は1.00であり、ガラスバルーン
の分散率は100%、形状破壊率は5%である。電子顕
微鏡により350倍に拡大してティアラインおよび肉厚
部を目視によって観察したところ、ガラスバルーンは均
一に分散していた。
【0026】<実施例4>ショア押込硬度80A、比重
0,97、引張強度117kgf/cm2 のオレフィン
系熱可塑性エラストマーを加熱筒の後部に設けたホッパ
ー口に設置した供給装置から、真比重が0.38、耐圧
強度281kgf/cm2 のガラスバルーンを、加熱筒
の中央部に設けられた開口部に設置した供給装置から、
加熱筒温度のホッパー口〜開口部間を180〜230°
C、開口部〜ノズル間を220〜230°C、射出成形
機にスクリュ回転数50rpmの計量、可塑化工程の間
に、スクリュの作動に連動して前記材料を、各々一定速
度にて定量的に直接投入し、連続成形した。この時、前
記開口部でエラストマーは完全溶融の状態であった。最
大圧力80kgf/cm2 で射出成形し、図5に示され
るような、その一部に肉厚が0.6mmの開裂用溝部す
なわちティアラインを有する全体的な天面部厚さが4.
0mmのエアバッグ収納用モジュールカバーを成形し
た。さらに表面にウレタン系の塗料にて塗装を施した。
この時のガラスバルーンのエアバッグ収納用モジュール
カバーに対する含有量は12容量%であった。この時の
比重は0.91であり、ガラスバルーンの分散率は10
0%、形状破壊率は7%である。電子顕微鏡により35
0倍に拡大してティアラインおよび肉厚部を目視によっ
て観察したところ、ガラスバルーンは均一に分散してい
た。
【0027】以上各実施例について説明してきたが、各
供給装置33、34におけるフィードスクリュの回転速
度および加熱筒32内におけるスクリュ35の回転速度
およびスクリュ35と前記各供給装置におけるフィード
スクリュの回転速度すなわち各熱可塑性樹脂または熱可
塑性エラストマーの供給量との関係については、各供給
装置への材料の投入形態、選択された材料等によって適
宜選択されるものである。また、本発明の趣旨の範囲内
で、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフ
ィラーは前記例示以外のものも使用でき、射出成形機の
形状、種類、金型の形状すなわちエアバッグ収納用モジ
ュールカバーの形状等についても適宜のものが採用でき
ることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明で
は、開裂を促進するティアラインを備えたエアバッグ収
納用モジュールカバーの製造方法において、少なくとも
熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフィラ
ーからなるティアラインを設けたエアバッグ収納用モジ
ュールカバーの製造方法において、少なくとも2つ以上
の供給装置から、該熱可塑性樹脂または熱可塑性エラス
トマーおよびフィラーの成形材料のうち少なくともフィ
ラーを、フィードスクリュを挿入した材料供給路の材料
排出側に前記成形材料の通過量を規制する複数の孔また
は切欠部を有する規制部材を介して加熱筒内にスクリュ
を配した射出成形機に定量的に投入して、加熱筒内にて
溶融混練、可塑化し、金型に射出して直接成形するよう
にしたので、各種形態のフィラーに対して、ひと塊とな
っての供給がなされず、粒子が程よく均一にばらされて
的確かつ安定した供給制御が行われて成形品にフィラー
が均一に配合されることとなる。また、加熱筒のほぼ中
間部に設けられた開口部からフィラーを投入した場合、
該開口部で前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマ
ーが充分溶融しているのでフィラーの形状破壊が抑制さ
れ、的確かつ安定した成形材料の供給により、フィラー
が熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーに均一に配
合されたモジュールカバーが連続して得られる。このよ
うに、本発明のエアバッグ収納用モジュールカバーの製
造方法においては、押出機を使用した予備溶融混練工程
を経ることがないので、樹脂材料のペレット化の必要が
なく、熱履歴によるダメージを最小限に抑えることがで
き、軽量で経済的にも有利であり、フィラーの熱可塑性
樹脂または熱可塑性エラストマーへの分散性も均一で良
好で、温度環境に左右されることなく、低温から高温ま
で幅広い温度環境下において迅速で確実に開裂展開する
エアバッグ収納用モジュールカバーが提供されるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用される射出成形機
の全体図である。
【図2】図1の射出成形機における第2材料供給部の詳
細図である。
【図3】本発明において使用される別の実施態様の射出
成形機の全体図である。
【図4】エアバッグ収納用モジュールカバーの説明図で
ある。
【図5】樹脂が金型内に押出成形される様子を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 内金型 1A ティアライン成形用突条 2 外金型 3 コア 4 キャビティ 5 射出ゲート 6 溶融樹脂 9 成形空間 20 エアバッグ 21 ガス発生器 22 モジュールカバー 23 側周壁 24 ベースプレート 25 取付部 26 ティアライン 27 リテーナ 31 射出装置 32 加熱筒 32A ホッパー口 32B 開口部 33 第1材料供給部 33A 第1材料供給部 34 第2材料供給部 34A 第2材料供給部 35 スクリュ 36 射出ノズル 37 スクリュ駆動装置 38 ホッパー 38A ホッパー 39 水平移送路 40 フィードスクリュ 41 駆動モータユニット 42 鉛直落下路 42A ホッパー口 43 ホッパー 43A ホッパー 44 水平移送路 45 フィードスクリュ 46 駆動モータユニット 47 鉛直落下路 49 閉塞部材 50 規制部材 51 孔部 52 支持機構 F 溶融樹脂の流れ
フロントページの続き (72)発明者 岡田 晴雄 長野県埴科郡坂城町大字南条2110番地 日 精樹脂工業株式会社内 (72)発明者 春原 正行 長野県埴科郡坂城町大字南条2110番地 日 精樹脂工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂または熱可塑性
    エラストマーおよびフィラーからなるティアラインを設
    けたエアバッグ収納用モジュールカバーの製造方法にお
    いて、少なくとも2つ以上の供給装置から、該熱可塑性
    樹脂または熱可塑性エラストマーおよびフィラーの成形
    材料のうち少なくともフィラーを、フィードスクリュを
    挿入した材料供給路の材料排出側に前記成形材料の通過
    量を規制する複数の孔または切欠部を有する規制部材を
    介して加熱筒内にスクリュを配置した射出成形機に定量
    的に投入して、加熱筒内にて溶融混練、可塑化し、金型
    に射出して直接成形することを特徴とするエアバッグ収
    納用モジュールカバーの製造方法。
  2. 【請求項2】 射出成形の計量可塑化工程において、前
    記供給装置を射出成形機本体のスクリュー回転に連動し
    て作動させて成形したことを特徴とする請求項1に記載
    のエアバッグ収納用モジュールカバーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記供給装置の1つを射出成形機本体加
    熱筒のほぼ中間部に設けられた開口部に設置し、該供給
    装置によりフィラーを定量的に供給して成形したことを
    特徴とする請求項1に記載のエアバッグ収納用モジュー
    ルカバーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記開口部において、熱可塑性樹脂また
    は熱可塑性エラストマーを完全に溶融させたことを特徴
    とする請求項3に記載のエアバッグ収納用モジュールカ
    バーの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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