JPH0890521A - 低密度ボード - Google Patents

低密度ボード

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JPH0890521A
JPH0890521A JP6229615A JP22961594A JPH0890521A JP H0890521 A JPH0890521 A JP H0890521A JP 6229615 A JP6229615 A JP 6229615A JP 22961594 A JP22961594 A JP 22961594A JP H0890521 A JPH0890521 A JP H0890521A
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JP
Japan
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pulp
paper pulp
waste paper
length
low
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Application number
JP6229615A
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English (en)
Inventor
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
Katsushi Sakano
賀津士 坂野
Fumio Niwa
文雄 丹羽
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 古紙パルプよりなり、緩衝性が優れた低密度
ボードを安定かつ容易に製造する方法を提供する。 【構成】 乾式で解繊した古紙パルプと、熱可塑性樹脂
微細繊維を乾式で混合後、該熱可塑性樹脂微細繊維の融
点以上の温度で加熱することにより、該熱可塑性樹脂微
細繊維の一部あるいは全部を融解し、古紙パルプ同士を
接着して低密度ボードを得る。古紙パルプは長さ加重平
均長さが0.5mm以上である必要があり、本数で比較し
た繊維長が0.4mm以下の古紙パルプの比率が、全古紙
パルプの90%以下であり、1mm以上の古紙パルプの比
率が3%以上であることが好ましい。熱可塑性微細繊維
はポリオレフィン系樹脂からなる、パルプ状多分岐繊維
であることが好ましく、重量平均繊維長は、0.2〜15m
mの範囲であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙を主素材とした低
密度ボードに関し、さらに詳しくは物品の破損、傷つ
け、つぶれ等を防止する目的で使用される緩衝材や、断
熱、保温材等として広範な使用が可能な低密度のボ−ド
に関する。
【0002】
【従来の技術】工場、商店、オフィス、一般家庭等から
排出される多量の古紙は、環境保護および資源の有効活
用の観点から、近年その利用分野、利用方法の拡大が急
務となっている。古紙を緩衝材の原料として用いる方法
としては、古紙を水で解繊して作製した古紙パルプを、
型金に導入し乾燥させることにより、卵の破壊防止用パ
ック状緩衝材等を得る、いわゆるモールド法が広く利用
されている。しかしながら、この方法で得られる古紙パ
ルプ緩衝材は、水で解繊した古紙パルプを乾燥させて成
型するため、パルプ間に強固な水素結合が形成され、金
型の形状により、見かけの嵩は高くできる一方で、得ら
れた基材の真比重は高く、しかも硬いため、緩衝性能は
不十分であった。また、基材自体が硬いために、シート
状の緩衝材としては、利用できなかった。更に、用途に
応じて高価な金型を作る必要があるという問題もあっ
た。
【0003】これらの問題を解決する方法としては、例
えば、特開昭56ー41142号公報には、古紙パルプと繊維長
10mm以上の繊維と熱可塑性樹脂粉末を乾式で混合後、
加熱成型したパレットが開示されている。この方法を用
いれば、パルプ間に水素結合がほとんど存在しないため
に、嵩高いシートの製造が可能である。しかしながら、
熱可塑性樹脂粉末をバインダーとして使用しているため
に、加熱成型後のシートが硬くなり、緩衝性能が劣るば
かりでなく、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂粉末を古
紙パルプや繊維と混合するさい、あるいはその後の製造
工程において、該熱硬化性樹脂粉末が飛散し、更に熱処
理時にフェノールやホルマリンが発生する等、作業環境
の悪化という問題があった。
【0004】一方、特公昭52ー20588号公報には、ダンボ
ール、板紙等の古紙に対して、1 〜50重量%の合成パル
プを加え、これを乾式レファイナー等の解繊機を用いて
乾燥状態で混合解繊後、フォーメーションワイヤー上に
堆積し、次いで熱プレスにより平板状シートを製造する
方法が開示されている。この方法を用いれば、シート形
成の段階で水が存在しないため、水素結合の形成により
シートが硬くなり、シートの密度も上昇する等の問題は
なく、しかも接着剤としてフェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂粉末を使用していないため、製造時の熱硬化性樹脂
粉末の飛散や、加熱処理時に発生するフェノールやフォ
ルマリンによる、作業環境の悪化は無い。しかし、古紙
と合成パルプを乾式レファイナーで混合解繊するため
に、レファイナー内部の温度上昇により合成パルプが融
解し、古紙パルプフロックを形成したり、レファイナー
内部に融解した合成パルプが付着する等の問題点があ
り、また使用する古紙パルプの繊維長分布を特定の範囲
にしていないため、多量の粉状微細パルプ繊維成分によ
る作業環境の悪化や、パルプの長繊維成分の不足によ
る、強度や成型性の不足等の問題により、安定して高品
質の低密度ボードを作製することができなかった。更
に、特定の繊維長の合成パルプを使用していないため
に、緩衝材の実用に耐え得る強度と緩衝性を併せ持つ古
紙シートを安定的に製造することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、古紙
を主原料とすることにより、使用後に原料として再利用
が可能であり、廃棄する場合でも土中への埋設により微
生物で分解され、焼却処理する場合でも、有毒ガスの発
生が無い、環境に優しい低密度ボードの製造方法を提供
することにある。更に、製造工程で水を使用することに
起因するボードの硬さがなく、製造時におけるバインダ
ーや紙粉の飛散による環境の悪化がほとんど無く、使用
したバインダーからのフェノールやフォルマリン等の有
害物質の発生なしに、古紙を有効に利用して、緩衝性、
断熱性等に優れ、良好な強度と熱成型性を有し、かつ製
造が容易である嵩高な低密度ボードを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、古紙を、水を用いず
空気中で解繊する方法(乾式)で解繊した古紙パルプ
と、熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維
集合体を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱する
ことにより、該熱可塑性樹脂微細繊維の一部または全部
を溶解し、古紙パルプ同士を結合させて低密度ボードを
得る方法において、解繊後の長さ加重平均長さ(length
-weighted average length)が0.5mm以上である古紙
パルプを使用することにより、上記の問題の解消が可能
であり、更に、本数で比較した、繊維長が0.4mm以下
の古紙パルプの比率が、全古紙パルプの90%以下あり、
繊維長が1mm以上の古紙パルプの比率が、全古紙パル
プの3 %以上である古紙パルプを使用することにより、
緩衝性、断熱性等に優れた低密度ボードを容易に得るこ
とが可能なことを見出し、本発明を完成した。
【0007】本発明に使用する古紙は、パルプ繊維を主
体として形成されたものであれば特に限定するものでは
ないが、例えば新聞紙、雑誌、本、ダンボール、板紙、
上質紙、チラシ、パンフレット、包装用紙等の古紙を使
用することができる。解繊処理前の古紙の水分は、2〜1
5%、好ましくは2.5〜12%の範囲であるのが好ましい。
古紙の水分が、2 %より小さいと、シートが硬くなり、
乾式での解繊時に低密度ボードの製造に適さない微細パ
ルプ成分が増加するため好ましくない。更に、低水分の
ために、静電気の帯電が著しく、作業性を低下させるた
め好ましくない。逆に、古紙の水分が15%を越えると乾
式での解繊が不十分になり、紙片やパルプフロックが存
在しやすくなるばかりでなく、低密度ボード製造時の加
熱処理工程で、トラブル発生の原因となるため好ましく
ない。本発明においては、古紙は水を用いず空気中で解
繊される。解繊の方法は通常のドライパルプ製造装置や
乾式レファイナー等が使用可能である。この場合、古紙
はシュレッダー等の断裁装置や破砕装置で、解繊前に事
前に粗砕しても良い。
【0008】本発明の特徴の第一は、乾式で解繊したパ
ルプ繊維の長さ加重平均長さ(length-weighted averag
e length)が特定の数値以上である古紙パルプと、熱可
塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体
を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱し、該熱可
塑性樹脂微細繊維の一部または全部を溶解し、古紙パル
プ同士を結合させることである。
【0009】本発明の特徴の第二は、本数で比較した繊
維長分布を、特定の範囲内に制御した古紙パルプを使用
することにある。即ち、乾式で解繊後の、長さ加重平均
長さが0.5mm以上、好ましくは0.6mm以上の古紙パル
プと、熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊
維集合体を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱
し、該熱可塑性樹脂微細繊維の一部または全部を溶解
し、古紙パルプ同士を結合させることを特徴とし、更
に、本数で比較した、繊維長が0.4mm以下の古紙パル
プの比率が、全古紙パルプの90%以下、好ましくは85%
以下であり、1mm以上の古紙パルプの比率が、全古紙
パルプの3%、好ましくは4%、最も好ましくは5 %以上
である古紙パルプを使用することことを特徴とする。
【0010】長さ加重平均長さが0.5mmより短いと、
作製した低密度ボードの表面強度が低下し、表面摩擦に
より、パルプ粉の脱離が発生し易く、更に曲げ加工等を
行う場合に、基材のひび割れ等が生じ易く適当でない。
また、本数で比較した、繊維長が0.4mm以下の古紙パ
ルプの比率が、全古紙パルプの90%より大きい場合、作
製した低密度ボードの表面強度が低下し、表面摩擦によ
り、パルプ粉の脱離が発生し易く、更に曲げ加工等を行
う場合に、基材のひび割れ等が生じ易く好ましくない。
逆に、本数で比較した、繊維長が1mm以下の古紙パル
プの比率が、全古紙パルプの3%を下回ると、シート強
度が低下し、更に曲げ加工等を行う場合に、基材のひび
割れ等が生じ易く適当でない。
【0011】パルプの長さ加重平均繊維長とは、パルプ
中の各繊維の長さをLi (i=1、2、3...n 、nは繊維の
本数)とし、Li の自乗の総和をLi の総和で除した数
値である。古紙パルプの長さ加重平均繊維長は、古紙パ
ルプ中から、面積1mm2以上の未離解の紙片を除去後、
バルメット・オートメーション社のカヤニー繊維長測定
機FS-2000 を用いて測定することが可能である。
【0012】本発明に使用可能な熱可塑性樹脂の微細繊
維は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの樹脂の共
重合物を短繊維状に加工したもの、または上記樹脂の2
種以上を同時に紡糸した、いわゆるサイドバイサイドタ
イプや、シースコアタイプの複合繊維を短繊維状に加工
したものであり、これらの1種以上を使用することが可
能である。特に、ポリエチレンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン樹脂より製造された、パルプ状多分岐繊維
が好ましい。熱可塑性樹脂の微細繊維の重量平均繊維長
は、0.2 〜15mmの範囲、好ましくは0.3 〜5mmの範
囲である。繊維長が0.2mmより小さいと、作製した低
密度ボードの強度が低下するため好ましくない。逆に繊
維長が15mmを越えると、パルプ中の熱可塑性樹脂微細
繊維の分散が不均一になり、好ましくない。熱可塑性樹
脂の微細繊維の重量平均繊維長は、JIS P8207 に示され
た装置を用い、TAPPI T233に示された方法で測定するこ
とが可能である。
【0013】古紙パルプと熱可塑性微細繊維との絶乾重
量配合比率は、古紙パルプ/微細繊維=95〜60/5
〜40、好ましくは90〜70/10〜30の範囲とす
る。熱可塑性繊維の配合率が5%未満では作成した低密
度ボ−ドの強度が弱く、配合率が40%を超えるとボ−
ドが硬くなりすぎて好ましくない。
【0014】本発明においては、製品である低密度ボ−
ドの強度と成型性を向上させるために、古紙パルプ中に
繊維の長い針葉樹パルプを配合することが可能である。
使用する針葉樹パルプは特に限定するものではないが、
例えば針葉樹をクラフト法、ソ−ダ法、ポリサルファイ
ド法などで煮解した化学パルプ、またはグランドパル
プ、サ−モメカニカルパルプ等の機械パルプを、未漂白
のままあるいは漂白して、単独または混合して使用する
ことが出来る。
【0015】針葉樹パルプは、長さ加重平均繊維長が0.
7mm以上、好ましくは1mm以上であり、本数で比較
した繊維長が0.6mm以下の針葉樹パルプの比率が、全
針葉樹パルプのの80%以下、好ましくは75%以下で
あり、繊維長が1.5mm以上の針葉樹パルプの比率が全
針葉樹パルプの5%以上、好ましくは10%以上のもの
を使用する必要がある。この範囲から外れた長繊維部分
の少ない針葉樹パルプを使用すると、強度の向上は少な
い。また古紙パルプに対する針葉樹パルプの配合率は、
5%以上とし好ましくは10%以上とする。配合率が5
%未満では強度の向上が十分でない。針葉樹パルプは古
紙パルプと同様に、水分が2〜15%の状態のものを乾
式で解繊し、古紙パルプと乾式状態で混合する。
【0016】均一に混合された古紙パルプと熱可塑性微
細繊維との繊維集合体は、移動するベルト状搬送用支持
体上に積層され、加熱処理装置へ移送される。この場
合、古紙パルプと熱可塑性微細繊維との混合繊維積層体
を上下から通気性の搬送用支持体で挟んでもよいし、熱
伝導性の高い、金属ベルト等ではさんで搬送しても良
い。加熱装置としては、混合繊維積層体中の熱可塑性微
細繊維の溶融が可能であれば、特に限定するものではな
く、例えば、熱風炉やマイクロウエーブ等が使用でき
る。熱風炉の場合には、古紙パルプや熱性微細繊維の飛
散を防止するために、搬送用支持体の下から吸引してお
くことが好ましい。加熱装置の加熱温度は、260℃以下
であることが好ましい。加熱温度が260℃を越えると、
パルプ繊維の炭化や発火の恐れがあり、好ましくない。
【0017】加熱装置により熱可塑性樹脂微細繊維の融
点以上に加熱された古紙パルプおよび熱可塑性樹脂微細
繊維の混合繊維積層体は、加熱装置内あるいは加熱装置
を出た後で、プレスロール等の加圧装置によって加圧さ
れ、所望の厚さおよび密度の低密度ボードを得ることが
できる。この場合、加圧処理は加熱装置の中および加熱
装置を出た後の両方で行ってもよい。加熱および加圧成
型後の低密度ボードの密度は、0.01〜0.4g/cm3、好
ましくは0.05〜0.3g/cm3の範囲であることが好まし
い。作製した低密度ボードの密度が0.01g/cm3より
小さいと、ボードの強度が低下するため好ましくなく、
逆に、ボードの密度が0.4g/cm3より大きいと、作製し
たボードが硬くなり過ぎ、緩衝性能が低下するため好ま
しくない。
【0018】一方、古紙パルプと熱可塑性微細繊維の混
合繊維を加熱機能を有するプレス機で熱プレスすること
によっても、上記方法と同様に低密度ボードを得ること
が可能である。即ち、均一に混合された古紙パルプと熱
可塑性微細繊維の混合繊維を、所望の低密度ボードの厚
さと同じ厚さのスペーサーを置いた、熱プレスの試料保
持側(下側)のプレス板の上に積層し、該熱性微細繊維
の融点以上の温度で熱プレスすることによって、上記方
法と同様に低密度ボードを作製することができるのであ
る。熱プレス開放後に低密度ボ−ドの厚さの戻りがある
場合には、スペ−サ−の厚さを薄くすることで所望の低
密度ボ−ドの厚さを得ることがあ出来る。熱プレスの加
熱温度は、260℃以下であることが好ましい。加熱温度
が260℃を越えると、パルプ繊維の炭化や発火の恐れが
あり、好ましくない。プレス成型時の圧力は、混合繊維
の積層体をスペーサーの厚みまで圧縮できる圧力であれ
ば良く、特に限定するものではない。即ち、圧力を高く
しても、スペーサーが存在することにより、スペーサー
の厚み以下に混合繊維の積層体が潰されることは無い。
【0019】本発明による低密度ボードは、古紙をその
主原料とするため、廃棄物の有効利用が可能となり、使
用後のボードは再度解繊されて低密度ボードの原料とし
て使用可能である。更に、廃棄する場合でも土中への埋
設により、微生物による分解が可能であり、焼却処理す
る場合でも、有毒ガスの発生が無い、環境に極めて優し
い資材である。本発明により、このような利点を有する
低密度ボードを、製造工程でのバインダーの飛散による
作業環境の悪化がほとんど無く、製造中にフェノールや
フォルマリン等の有害物質の発生無しに、安定かつ容易
に得ることが可能となり、熱成型、打ち抜き、貼合せ
等、必要に応じて種々加工されて、緩衝材、断熱、保温
材等として使用することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。尚、以下の実施例において、部および%は、特に
指定が無い場合には、全て重量部および重量%である。 実施例1 水分6 %の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160 )を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.44mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの52.5%
であり、1mm 以上の古紙パルプの比率は、全古紙パル
プの20.1%であった。得られた古紙パルプと、乾式で解
繊され乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学
(株)製、商品名SWP 、E990)を、古紙パルプ/合成パ
ルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合し
て混合繊維を得た。合成パルプの融点は130 ℃であり、
平均繊維長は2.1mmであり、水分は5%であった。次
に、該混合繊維を10mmの高さのスペーサを置いた熱プ
レス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)
の間に積層し、20kg/cm2の圧力、170℃の温度で10
分間保持し、低密度ボードを得た。得られた低密度ボー
ドの密度は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/m2
あった。
【0021】実施例2 水分8%の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160 )を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは0.80mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm 以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの84%
であり、1mm以上の古紙パルプの比率は、全古紙パル
プの4.0 %であった。得られた古紙パルプと、乾式で解
繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)製、
商品名SWP 、E780)を、古紙パルプ/合成パルプ=85/
15の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維
を得た。合成パルプの融点は130℃であり、平均繊維長
は1.6mmであり、水分は5%であった。次に、該混合繊
維を20mmの高さのスペーサを置いた熱プレス装置
((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T )の間に積
層し、10kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、
低密度ボードを得た。得られた低密度ボードの密度は0.
10g/cm3であり、坪量は2000g/m2であった。
【0022】実施例3 水分5 %の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160 )を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.80mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの43.6%
であり、1mm以上の古紙パルプの比率は、全古紙パル
プの28.1%以上であった。得られた古紙パルプと、乾式
で解繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)
製、商品名SWP 、E780)を、古紙パルプ/合成パルプ=
90/10の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合
繊維を得た。合成パルプの融点は130 ℃であり、平均繊
維長は1.6mmであり、水分は5%であった。次に、該混
合繊維を10mの高さのスペーサを置いた熱プレス装置
((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積
層し、20kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持
し、低密度ボードを得た。得られた低密度ボードの密度
は0.25g/cm3であり、坪量は2500g/m2であった。
【0023】実施例4 水分6%の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160 )を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.44mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの52.5%
であり、1mm以上の古紙パルプの比率は、紙パルプの2
0.1%であった。得られた古紙パルプと、乾式で解繊さ
れ乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品
名SWP 、E380)を、古紙パルプ/合成パルプ=80/20の
割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得
た。合成パルプの融点は130℃であり、平均繊維長は0.7
mmであり、水分は5 %であった。次に、該混合繊維を
30mmの高さのスペーサ−を置いた熱プレス装置((株)
東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、10
kg/cm2の圧力、170 ℃の温度で15分間保持し、低
密度ボードを得た。得られた低密度ボードの密度は0.15
g/cm3であり、坪量は4500g/m2であった。
【0024】実施例5 水分6 %の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160 )を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.44mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの52.5%
であり、1mm以上の古紙パルプの比率は、全古紙パル
プの20.1%であった。得られた古紙パルプと、乾式で解
繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)製、
商品名SWP 、E990)を、古紙パルプ/合成パルプ=80/
20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維
を得た。合成パルプの融点は130 ℃であり、平均繊維長
は2.1mmであり、水分は5%であった。次に、該混合繊
維を30mmの高さのスペーサを置いた熱プレス装置
((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積
層し、10kg/cm2の圧力、170℃の温度で15分間保持
し、低密度ボードを得た。得られた低密度ボードの密度
は0.07g/cm3であり、坪量は2400g/m2であった。
【0025】実施例6 水分4%の上質古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは2.24mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm 以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの38.8
%であり、1mm以上の古紙パルプの比率は、全古紙パ
ルプの32.4%であった。得られた古紙パルプと、乾式で
解繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)
製、商品名SWP 、E990)を、古紙パルプ/合成パルプ=
80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合
繊維を得た。合成パルプの融点は130 ℃であり、平均繊
維長は2.1mmであり、水分は5%であった。次に、該混
合繊維を10mmの高さのスペーサを置いた熱プレス装置
((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積
層し、20kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持
し、低密度ボードを得た。得られた低密度ボードの密度
は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0026】実施例7 水分6%の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.44mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm 以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの52.5
%であり、1mm 以上の古紙パルプの比率は、全古紙パ
ルプの20.1%であった。得られた古紙パルプと、乾式で
解繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学(株)
製、商品名SWP 、E990)を、古紙パルプ/合成パルプ=
80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合
繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり、平均繊
維長は2.1mmであり、水分は5%であった。次に、該混
合繊維を、下部から吸引された多孔質材料よりなる搬送
用ベルト上に積層し、熱風ドライヤー中へ導入した。ド
ライヤーの温度は180℃であった。次いで、ドライヤー
出口に設置したプレスロールで、加熱処理した混合繊維
積層体を、密度0.15g/cm3になるように成型し、厚
さ10mm、坪量は1500g/m2の低密度ボードを得た。
【0027】実施例8 水分6%の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均
長さは1.44mmであり、本数で比較した、繊維長が0.4
mm 以下の古紙パルプの比率は、全古紙パルプの52.5
%であり、1mm 以上の古紙パルプの比率は、全古紙パ
ルプの20.1%であった。得られた古紙パルプと、乾式で
解繊され乾燥された合成パルプ(三井石油化学8株9
製、商品名SWP 、E990)とを、古紙パルプ/合成パルプ
=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混
合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり、平均
繊維長は2.1mmであり、水分は5%であった。次に、該
混合繊維を市販の電子レンジ中に導入し、2450MHzのマイク
ロ波を60秒間照射後、電子レンジから取り出し、プレス
ロールで密度0.15g/cm3になるように加圧成型し
て、厚さ10mm、坪量は1500g/cm2の低密度ボード
を得た。
【0028】実施例9 新聞古紙と、針葉樹漂白クラフトパルプ(以下NBKP
と記す)のシ−トとを、それぞれ単独でパルプ粗砕機
(瑞光鉄工(株)製、TYPE P-160)を用いて粗砕後、パ
ルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P-270)を用いて
乾式で解繊し、古紙パルプとNBKPを得た。得られた
古紙パルプの長さ加重平均繊維長は1.07mmであり、本
数で比較した繊維長が0.4mm 以下の古紙パルプの比率
は全古紙パルプの57.5%であり、繊維長が1mm以上の
古紙パルプの比率は全古紙パルプの19.3%であった。得
られたNBKPの長さ加重平均繊維長は2.69mmであり、本
数で比較した繊維長が0.6mm以下のNBKPの比率は全NBK
Pの59.4%であり繊維長が1.5mm以上のNBKPの比率は全
NBKPの23.3%であった。得られた古紙パルプとNBKPを古
紙パルプ/NBKP=45/55の割合で配合し、長さ加重
平均繊維長1.96mmの混合パルプを得た。この混合パル
プと、乾式解繊した多分岐状合成パルプ(三井石油化学
(株)製、商品名SWP,E780)を、混合パルプ/合成パル
プ=80/20の割合で配合し、ミキサ−で均一に混合
して混合繊維体とした。合成パルプの融点は130℃、重
量平均繊維長は1.6mmであった。次に該混合繊維体を8
mmの高さのスペ−サ−を置いた熱プレス装置((株)
東洋精機製作所製、ラボプレス30T) の間に積層し10
kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持して、
低密度ボ−ドを得た。ボ−ドの密度は0.15g/cm 3 であ
り、坪量は1200g/m2であった。
【0029】実施例10 実施例9で得られた古紙パルプとNBKPを70/30に配
合して長さ加重平均繊維長が1.56mmの混合パルプと
し、該混合パルプと合成パルプとを80/20に配合し
て得られた繊維混合体を実施例9と同様に処理して低密
度ボ−ドを得た。
【0030】実施例11 実施例9で得られた古紙パルプとNBKPを90/10に配
合して長さ加重平均繊維長が1.07mmの混合パルプと
し、該混合パルプと合成パルプとを80/20に配合し
て得られた繊維混合体を実施例9と同様に処理して低密
度ボ−ドを得た。
【0031】比較例1 長さ加重平均長さが0.31mmであり、本数で比較した、
繊維長0.4mm以下のパルプの比率が、全パルプの95.1
%であり、1mm以上のパルプの比率が、全古紙パルプ
の1.2 %である古紙パルプを使用したた以外は、実施例
1の操作を繰り返し、低密度ボードを得た。
【0032】比較例2 長さ加重平均長さが0.40mmであり、本数で比較した、
繊維長0.4mm以下のパルプの比率が、全パルプの92.1
%であり、1mm以上のパルプの比率が、全古紙パルプ
の2.6%である古紙パルプを使用した以外は、実施例1
の操作を繰り返し、低密度ボードを得た。
【0033】比較例3 水分19%の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊した
が、古紙の水分が高すぎるため、湿った紙片が塊状で多
数残り、低密度ボードの作製可能な古紙パルプは得られ
なかった。
【0034】比較例4 水分1.4 %の新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)
製、TYPE FRー160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE Pー270)を用いて乾式で解繊した
が、解繊した古紙パルプへの静電気の帯電が著しく、パ
ルプの飛散、解繊装置への付着、放電等のため、作業性
が著しく低下したため、以降のテストを中止した。
【0035】比較例5 比較例2で使用した古紙パルプを使用し、合成パルプと
して重量平均繊維長0.1mmの合成パルプ(三井石油化
学(株)製、商品名SWP 、ESS5)を使用した以外は、実
施例1の操作を繰り返し、低密度ボードを得た。
【0036】比較例6 合成パルプを使用せず、合成パルプの代わりにフェノー
ル樹脂微粉末を使用した以外は、実施例1の操作を繰り
返したが、フェノール樹脂粉末の飛散と、フェノールお
よびフォルマリン臭が著しく、低密度ボードの作製を中
止した。
【0037】比較例7 比較例2で使用した古紙パルプを用い、該古紙パルプと
合成パルプの配合比を、古紙パルプ/合成パルプ=50/
50にした以外は、実施例1の操作を繰り返したが、熱プ
レスによる加熱加圧処理により、多量の合成パルプが溶
解するために、表面が不均一でざらついた状態となり、
得られた低密度ボードも厚さ方向で密度勾配が生じ、更
に硬いために、緩衝材としては使用できないものであっ
た。
【0038】比較例8 比較例2で使用した 古紙パルプと、乾式で解繊され乾
燥された合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SW
P 、E990)を、古紙パルプ/合成パルプ=80/20の割合
で配合し、ミキサ−で均一に混合して混合繊維を得た。
合成パルプの融点は130℃、重量平均繊維長は2.1mmで
あり、水分は5%であった。
【0039】次に、該混合繊維を4mmの高さのスペー
サを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラ
ボプレス30T)の間に積層し、50kg/cm2の圧力、17
0℃の温度で15分間保持し、ボードを得た。得られたボ
ードの密度は0.6g/cm3であり、坪量は2400g/m2
であった。実施例1〜11、比較例1〜8で得られたシ
ートを下記の試験方法で試験し、その品質を評価した。
製造条件を表1に示す。
【0040】
【表1】 また評価結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】試験方法 (1)古紙パルプの、長さ平均加重長さおよび繊維長分
布:バルメット・オートメーション社製、カヤニー繊維
長測定機(FSー2000)を用いて測定。 (2)熱性微細繊維の重量平均繊維長:JIS P8207 に
示された装置を用い、TAPPI T233に示された方法で測
定。 (3)坪量:JIS P8126 に示された方法を用いて測
定。 (4)密度:JIS P8118 に示された方法を用いて測
定。 (5)引張強度:JIS P8113 に示された方法を用いて
測定。 (6)L型成型性:L型金具2枚にサンプルを曲げては
さみ、しやこ万力ではさんで固定後、170 ℃で10分保持
したものにつき、L型成型性を以下の5段階で評価し
た。 5・・・ 成型後の戻りや曲げ部分のひび割れが全くなく極
めて良好である。 4・・・ 成型性が良好である。 3・・・ 成型性が普通である。 2・・・ 成型後に戻りがあり、ひび割れも目立つ。 1・・・ 成型性が全くない。
【0043】(7)表面性:作製したボードの表面性を
官能で評価した。評価は次の5段階で行った。 5・・・ 表面性が極めて良好である。 4・・・ 表面性が良好である。 3・・・ 表面性が普通である。 2・・・ 表面がざらつき、繊維の脱落が多い。 1・・・ 表面が極めて不良である。 (8)ボード成型性:低密度ボード作製の可否を次の3
段階で評価した。 ○・・・ ボードの作製が容易である。 △・・・ ボードの作製がやや難しい。 ×・・・ ボードの作製ができない。 (9)ボード緩衝性:低密度ボードの緩衝性能を官能評
価で、次の5段階で評価した。 5・・・ 緩衝性が極めて良好である。 4・・・ 緩衝性が良好である。 3・・・ 緩衝性が普通である。 2・・・ 緩衝性が劣る。 1・・・ 緩衝性が極めて劣る。
【0044】表1および表2から明らかなように、実施
例1〜11と比較例1〜8を比較すると、実施例1〜1
1では良好な低密度ボードが容易に得られた。一方比較
例1においては、古紙パルプの平均繊維長が短く、繊維
長0.4mm以下のパルプの比率が高いために、ボード作
製時に微細なパルプ粉末が多量に飛散し、作業環境は極
めて劣っており、更に、得られたボードの強度や表面性
も劣っていた。また比較例2においても、繊維長0.4m
m以下のパルプの比率が高いために、比較例1と同様な
問題があった。また比較例3においては、水分値の高い
古紙を解繊処理したために、解繊後も湿った紙片が塊状
に多数残り、低密度ボードの作製可能な古紙パルプが得
られず、比較例4においては、古紙の水分が低すぎたた
めに、解繊した古紙パルプへの静電気の帯電が著しく、
パルプの飛散、解繊装置への付着、放電等により、作業
性が著しく低下した。また比較例5においては、使用し
た熱性樹脂微細繊維の繊維長が短か過ぎたために、作製
した低密度ボードの強度が大幅に低下し、比較例6では
熱性樹脂微細繊維の代わりに、フェノール樹脂微粉末を
使用したために、フェノール樹脂の飛散トラブルや強い
フェノール臭、フォルマリン臭のため、作業性が大幅に
低下した。更に、比較例7においては、熱性微細繊維の
配合率が高いために、表面性が劣り、硬く、緩衝性能も
劣っており、比較例8においては、作製したボードの密
度が高いために、緩衝材としては不適当であった。なお
実施例9、10、11では針葉樹パルプを配合したの
で、針葉樹パルプを配合しなかった実施例1〜8で得ら
れた低密度ボ−ドよりも、強度の優れた製品が得られ
た。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、長さ
加重平均繊維長が特定値より長い古紙パルプに熱性樹脂
微細繊維を乾式で配合した繊維集合体を、該樹脂繊維の
融点より高い温度で加熱、加圧成型し得られるボ−ド
は、緩衝性が大きく成型性が優れ強度も高く、緩衝材や
断熱材として好適な低密度ボ−ドである。さらに針葉樹
パルプを配合することにより、ボ−ドの強度や成型性を
向上させることが出来る。また本発明によれば、古紙を
有効に利用することが可能であり、得られる低密度ボ−
ドは、従来から使用されているポリスチレン発泡体等に
比較して燃焼エネルギ−が低く、有毒ガスを発生せず、
土中に埋めた場合には土中の微生物により容易に分解す
る。さらに使用済みの低密度ボ−ドは、パルプ原料とし
て容易に再利用することも出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B27K 5/00 F 9123−2B B27N 1/02 9123−2B D04H 1/42 F 1/54 B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙を水を用いず空気中で乾式解繊した
    古紙パルプと、熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混
    合した繊維集合体を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度
    で加熱加圧成型することにより、該熱可塑性樹脂微細繊
    維の一部または全部を溶解し、古紙パルプ同士を結合さ
    せた低密度ボードであって、解繊後の古紙パルプの長さ
    加重平均長さ(length-weighted average length)が、
    0.5mm 以上であることを特徴とする低密度ボ−ド。
  2. 【請求項2】 前記古紙パルプに長さ加重平均長さが0.
    7mm以上の針葉樹パルプを配合し、乾燥状態における
    重量比率が、古紙パルプ/針葉樹パルプ=95〜40/5 〜
    60の範囲とすることを特徴とする特許請求項1に記載の
    低密度ボ−ド。
  3. 【請求項3】 本数で比較した繊維長が0.4mm以下の
    古紙パルプの比率が、全古紙パルプの90%以下であり、
    1mm以上の古紙パルプの比率が、全古紙パルプの3 %
    以上であることを特徴とする、特許請求項1または2項
    に記載の低密度ボード。
  4. 【請求項4】 本数で比較した繊維長が0.4mm以下の
    古紙パルプの比率が、全古紙パルプの90%以下であ
    り、1mm以上の古紙パルプの比率が全古紙パルプノ3
    %以下である古紙パルプと、本数で比較した繊維長が0.
    6mm以下の針葉樹パルプの比率が全針葉樹パルプの8
    0%以下であり、1.5mm以上の針葉樹パルプの比率が
    全針葉樹パルプの5%以上である針葉樹パルプとを配合
    することを特徴とする特許請求項2に記載の低密度ボ−
    ド。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂の微細繊維が、重量平均繊
    維長0.2 〜15mmのポリオレフィン系樹脂からなる、パ
    ルプ状多分岐繊維であることを特徴とする、特許請求項
    1、2、3または4項のいずれかに記載の低密度ボー
    ド。
  6. 【請求項6】 古紙パルプが、水分含有率が2 〜15%の
    範囲である古紙を、乾式で解繊したパルプであることを
    特徴とする、特許請求項1、2、3または4項のいずれ
    かに記載の低密度ボード。
  7. 【請求項7】 古紙パルプと熱可塑性樹脂の微細繊維が
    混合された繊維集合体を、加熱処理中あるいは加熱処理
    後に、加圧することにより、密度を0.01〜0.4g/cm3
    の範囲にすることを特徴とする、特許請求項1、2、
    3、または4項のいずれかに記載の低密度ボード。
  8. 【請求項8】 古紙パルプと熱可塑性樹脂微細繊維の絶
    乾状態の重量比が、古紙パルプ/微細繊維=95〜60/5
    〜40であることを特徴とする、特許請求項1、2、3、
    4または5項のいずれかに記載の低密度ボード。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013540913A (ja) * 2010-10-26 2013-11-07 ゼオ アイピー プロプライエタリー リミテッド セルロース繊維組成物
JP2015172265A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置
JP2015183336A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置
JP2015183320A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置及びシート製造方法

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JP2015172265A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置
JP2015183320A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置及びシート製造方法
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