JPH0890037A - 熱間圧延巻取温度制御方法 - Google Patents

熱間圧延巻取温度制御方法

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JPH0890037A
JPH0890037A JP6223543A JP22354394A JPH0890037A JP H0890037 A JPH0890037 A JP H0890037A JP 6223543 A JP6223543 A JP 6223543A JP 22354394 A JP22354394 A JP 22354394A JP H0890037 A JPH0890037 A JP H0890037A
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water injection
speed
water
cooling
hot rolling
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JP6223543A
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English (en)
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Ichiro Maeda
一郎 前田
Ryuta Mogi
龍太 茂木
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延板をコイラーで巻取る際、通板速度が急
激に変化する場合でも、少ない計算量で高精度に目標の
巻取温度に制御する。 【構成】 熱間圧延プロセスで仕上圧延した圧延板を冷
却設備に導入し、該圧延板に冷却水を注水して所定の巻
取装置に冷却する際、冷却水の注水量(注水距離)を圧
延板に設定した所定長さの仮想切板毎に、実測した仕上
圧延機出側温度と予め設定してある通板速度とに基づい
て推定して該仮想切板に注水する熱間圧延巻取温度制御
方法において、通板速度1がBのように線形に加速中に
ある仮想切板に対する注水量6を、線形に漸増する値に
簡易設定し、その結果発生する目標温度からの誤差7
を、冷却設備の後半部分に設けた調整ゾーンで補償す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延巻取温度制御
方法、特に熱間圧延プロセスで製造される圧延鋼板等の
圧延板をコイラーに巻取る際に適用して好適な熱間圧延
巻取温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延では仕上圧延機で所望
の厚さに圧延された鋼板を最終的にコイラーに巻取る作
業が行われているが、その巻取りの際、製品品質を維持
する等のために所定の巻取温度に冷却することが行われ
ている。この熱間圧延プロセスにおける巻取温度の制御
は、通常、仕上圧延機とコイラーとの間に配設された冷
却設備で行われる。
【0003】図6は、これら設備の位置関係を概念的に
示したもので、仕上圧延機の最終スタンドSFと該仕上
圧延機で圧延された鋼板Sを巻取るコイラー10との間
には冷却設備12が配設され、最終スタンドSFと冷却
設備12の間には、鋼板Sの仕上圧延機出側温度(Fin
ishar Delivaly Temperature、以下FDTともいう)
を測定するためのFDT計14が、又、冷却設備12と
コイラー10の間には巻取温度(Coiling Temperatu
re、以下CTともいう)を測定するためのCT計16
が、設置されている。
【0004】上記冷却設備12の内部には、図7に斜視
図で概略を示すように、矢印方向に進行する鋼板Sに沿
って、その上方と下方のそれぞれに多数の注水ヘッダ1
8(鋼板Sの幅方向に延びる直線で示した)が配設され
ている。これら各注水ヘッダ18では、バルブ(アクチ
ュエータ)20を開閉することにより、複数のノズル1
8A(図では鋼板Sの上面又は下面に垂直な7本の直線
で示した)から冷却水(図では網掛模様で示した)が鋼
板Sの表裏両面にそれぞれ噴射(注水)されるようにな
っており、全ての注水ヘッダは実質的に同一の冷却能力
を有している。
【0005】上記冷却設備12で鋼板Sを冷却し、CT
計16で実測されるCTが一定になるように制御する場
合、従来は図8に示すように鋼板Sを所定の長さに仮想
的に分割した仮想切板i 、i +1、i +2、・・・を考
え、仮想切板毎にFDT計14で鋼板Sの温度を実測
(又は予測)し、そのFDTと、コイラー10による巻
取り迄のスケジュールから予測される通板速度変動とを
考慮して適切な注水量(冷却量)を推定し、その注水量
になるように仮想切板が到達するタイミングに合せてバ
ルブ20を開閉する(実際にはバルブの開閉等の応答遅
れがあるのでその分適正に先出しする)ことにより、注
水距離(冷却設備12の入側から出側に向って冷却水を
噴射させるヘッダ18の数)を調整している。
【0006】ところで、一般に熱間圧延ラインにおける
仕上圧延機では、図9に示すような経時的に変化する圧
延速度で表わされる圧延スケジュールに従って速度を変
更しながら圧延を行っている。即ち、圧延開始後、鋼板
Sの先端がコイラー10に巻取られる迄は一定の低速A
で圧延した後、圧延時間を短縮するために略一定の加速
率の加速状態Bを経て高速状態Cにし、その状態を維持
した後、コイル形状を整える等のために略一定の減速率
の減速状態Dを経て低速状態Eにし、所定時間経過後圧
延を終了する。
【0007】上記図9に示した圧延スケジュールで仕上
圧延する場合、前記冷却設備12内を通過する鋼板Sの
速度も図9に示した圧延速度と実質的に同一の変動で推
移することになる。従って、前記FDT計14で実測さ
れる仮想切板のFDTが一定である場合には、同一のC
Tにするために要求される冷却量(冷却時間)を一定と
すればよいことから、鋼板Sが冷却設備12内を通過す
る速度(通板速度)の変動に合せて、即ち図9の速度変
動に比例する注水距離となるようにバルブ20の開閉を
制御すればよい。
【0008】ところが、実測されるFDTは、図10に
示すように目標FDTに対して鋼板Sの温度がその長さ
方向(先端→尾端)に周期的に変動するスキッドマーク
SM、尾端側が先端側より低温になるランダウンRD、
逆に尾端側が先端側より高温になるランアップRU等が
原因となって変動している。ここで、スキッドマークS
Mは、仕上圧延する前にスラブを加熱炉(図示せず)で
スキッド上に載置して加熱したために、スキッド位置に
対応して生じる周期的な温度変動であり、ランダウンR
Dは加熱炉から出したスラブを圧延した場合に、先端と
尾端とで圧延開始時間に差があるため、尾端に近いほど
圧延開始が遅れるために冷えることに起因する変動であ
り、又、ランアップRUは、圧延速度を加速したため
に、仕上圧延機で圧延中に冷される程度が減少し、それ
がランダウンの程度を超えることに起因する変動であ
る。
【0009】このように、仕上圧延機出側で実測される
FDTは実際には変動しているため、仮想切板i 、i +
1、i +2、・・・毎に、実測したFDT及び巻取り迄
の速度変動(通板時間の違いによる空冷量の差も含む)
等に基づいて推定される注水距離は、注水タイミング t
i 、 ti+1 、 ti+2 、・・・との関係を図11に示すよ
うに、仮想切板毎に異なることになる。
【0010】図12は、前記図9に示したスケジュール
に従って仕上圧延を実行する際に、仮想切板毎にFDT
計14で実測されるFDTと予測される通板速度等に基
づいて推定演算して得られる注水距離(冷却整備12で
バルブを開にする注水ヘッダの数)を、経過時間に対し
て、即ち仮想切板毎に概念的に示したグラフである。な
お、この図では、経過時間が短い程仮想切板の番号i は
若いため、番号が若い仮想切板程その注水距離は左側に
表示されている。
【0011】上述した如く、仮想切板毎に注水距離を推
定演算し、その推定結果に基づいて該当する仮想切板に
対してタイミングをとってバルブの開閉を行うことによ
り注水距離(注水量)を調整し、鋼板Sが同一の巻取温
度になるように制御する方法において、前記図9に示し
た圧延スケジュールにおける、A→B→Cのように、低
い定速状態から直線的な加速率で、高い定速状態に速度
変動する場合を更に詳細に検討する。
【0012】図13は、グラフ1に示すように、前記図
9に示した圧延スケジュールと同様にA→B→Cのよう
に低速状態から直線的に加速されて高速状態になる場合
の通板速度、注水距離(図では注水終了位置)及び巻取
温度誤差の関係を、細いFDT変動を無視し、簡単化し
て示したもので、Aの定速状態から加速状態Bを経てC
の定速状態へ速度を変化させているのに、注水距離をグ
ラフ2のように変更せずに同一とする場合には、コイラ
ーによる巻取温度にグラフ3のような誤差が発生するこ
とになる。この誤差は、加速前後の速度差が大きいほど
大きく、100〜200℃になることもあり、この誤差
をグラフ4のように略0℃にするためには、グラフ3の
温度変動に対応させて注水距離の設定をグラフ5のよう
に変えなければならない。このような注水距離の設定変
更は、現象としては逆になるが、前記図9におけるC→
D→Eのように減速する場合にも同様に必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように速度変動に合せて注水距離を適切に推定し、変更
するためには、許容される巻取温度誤差がΔT[℃]で
あるとすれば、実際の誤差がこの範囲内になるような注
水距離を、仮想切板毎に、収束計算の繰返し等の複雑な
計算処理を短時間(Δt )で行って推定演算しなければ
ならない。
【0014】即ち、定速状態A、Cの場合は、巻取温度
誤差が比較的小さいため特に問題はないが、仮想切板毎
に速度変動に応じた注水距離(注水量)を推定し、その
冷却水を注水ヘッダ18から鋼板Sに噴射して巻取温度
を制御する場合には、FDTに大きな変動が無いとして
も、常に同等の制御精度を得ようとすると、通板速度の
加速率(又は減速率)が大きい程、又、通板速度自体が
大きい程、計算単位である仮想切板の長さを小さくしな
ければならなくなる。
【0015】その結果、計算周期Δt が短くなり、冷却
設備を制御するコントローラが有するCPU(中央演算
処理装置)による計算処理が間に合わなくなる事態が生
じ、高精度の巻取温度制御ができなくなるという問題が
ある。この問題は、注水量の推定に用いる温度計算モデ
ル式(推定式)が複雑になればそれだけCPUによる計
算処理の量が増大するため更に大きくなる。このこと
は、上記計算周期には、コントローラの計算処理能力と
1回の推定に要する計算量で決まる限界があることを意
味する。
【0016】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、スケジュールに従って熱間圧延され
る圧延板をコイラーで巻取る際、通板速度が急激に変化
する場合でも、コントローラの計算処理能力を増大させ
ることなく、高精度に目標の巻取温度に制御することが
できる熱間圧延巻取温度制御方法を提供することを課題
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱間圧延プロ
セスで仕上圧延した圧延板を冷却設備に進入させ、該圧
延板に冷却水を注水して所定の巻取温度に冷却する際、
冷却水の注水量を、圧延板に仮想的に設定した所定長さ
の仮想切板毎に、実測した仕上圧延機出側温度と予め設
定してある通板速度とに基づいて推定し、推定した注水
量の冷却水を、該当する仮想切板が到達するタイミング
に合せて該仮想切板に注水する熱間圧延巻取温度制御方
法において、通板速度が変動中にある仮想切板に対する
注水量を、実測又は予測される仕上圧延機出側温度と設
定通板速度とに基づいて予め推定計算してある変動前の
注水量から、同様に推定計算してある変動後の注水量に
向って任意の割合で漸増又は漸減する値に簡易設定する
ことにより、前記課題を解決したものである。
【0018】本発明は、又、上記巻取温度制御方法にお
いて、通板速度が線形の変動中にある仮想切板に対する
注水量を、線形に漸増又は漸減する値に簡易設定するよ
うにしたものである。
【0019】本発明は、更に、上記巻取温度制御方法に
おいて、通板速度の変動中に実測した仕上圧延機出側温
度から発生が予測される目標巻取温度からの誤差を、簡
易設定した注水量の冷却水を注水する制御ゾーンの後方
の冷却設備内に設けた調整ゾーンで補償するようにした
ものである。
【0020】
【作用】本発明においては、通板速度が変動中にある仮
想切板に対する注水量を、変動前の注水量から変動後の
注水量に向って漸増又は漸減する値に簡易設定するよう
にしたので、変動前と後の注水量をそれぞれ実測又は予
測されるFDTと通板速度とを推定式に適用して予め高
精度に求めておき、変動中は変動前の注水量から最終的
に変動後の注水量になるように、予め求めておいた速度
変動の比率に合せて順次変化させることが可能となる。
【0021】従って、変動中は、変動前の注水量に、変
動前後の注水量差に所定の比率を乗じた値を加算するだ
けで済むので、各仮想切板毎に全て同一の方法で時間の
掛る推定演算を行う場合に比べて大幅に計算量を軽減す
ることが可能となるため、速度の変化率が大きい場合で
もコントローラの処理能力を増大させることなく、高精
度の巻取温度制御を行うことが可能となる。
【0022】又、本発明において、通板速度が線形の変
動中にある仮想切板に対する注水量を、線形に漸増又は
漸減する値に簡易設定する場合は、通板速度の変動中に
設定する注水量を単純な比例計算で求めることが可能と
なるため、コントローラによる計算処理の対応が一段と
容易となる。従って、圧延スケジュールとして設定され
る速度変動のように単調で連続的な変動に対して極めて
有効に対応することができる。
【0023】更に、本発明において、通板速度の変動中
に実測した仕上圧延機出側温度から発生が予測される目
標巻取温度からの誤差を、簡易設定した注水量の冷却水
を注水する制御ゾーンの後方の冷却設備内に設けた調整
ゾーンで補償する場合には、通板速度の変動中に設定す
る注水量を上述した簡易計算で求めて冷却したために誤
差が生じたとしても、短時間で急激な注水量の修正を必
要とする冷却は既に上記簡易計算に基づいて終了してい
るため、この誤差は変動の傾きと大きさが共に小さくな
っている。従って、上記誤差を補償する注水量を算出す
るための計算周期を長くすることができるため、正確な
推定式を用いて注水量を算出することが可能となり、そ
の注水量を適用して誤差を解消することができるため、
極めて高精度な巻取温度制御が可能となる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0025】図1は、本発明に係る一実施例に適用され
る冷却設備の配置を概念的に示した前記図6に相当する
図面であり、図2は本実施例の巻取温度制御方法の特徴
を概念的に示した前記図13に相当する図面である。
【0026】本実施例に適用される冷却設備12は、従
来の場合と同様に、その内部には前記図7に示したよう
に多数の注水ヘッダ18が鋼板Sの進行方向に配設さ
れ、バルブ20を開閉することにより、注水ヘッダ18
からの冷却水の注水距離(注水量)を修正できるように
なっていると共に、冷却設備12の長さ方向全体に亘る
冷却ゾーンが、上流側の制御ゾーン12Aと下流側の調
整ゾーン12Bとに分離され、各ゾーンにおける注水距
離の調整が独立してなされるようなっている。
【0027】本実施例の巻取温度制御方法の特徴を、前
記図13の場合と同様に、グラフ1のように通板速度が
Aから、加速状態Bを経てCに変動する場合について図
2を用いて説明する。
【0028】本実施例では、制御ゾーン12Aにおい
て、仮想切板に対して注水距離がグラフ6のように変化
するように設定し、該当する仮想切板が到達するタイミ
ングに合せてバルブの開閉を行ってその数を調整し、仮
想切板毎に設定した注水距離になるように修正して鋼板
Sを冷却する。
【0029】本実施例では、通板速度が低速状態Aと高
速状態Cのときは、従来と同様にFDTを実測しなが
ら、その実測FDTを用いて注水距離を推定演算して決
定しながら設定するが、通板速度が線形の加速を開始し
た後は、注水距離を以下のように線形に増大させる。
【0030】加速前に設定する低速時の注水距離を、実
測(又は予測)したFDT、及びスケジュールから決ま
る通板速度に基づいて予め正確に推定演算し、且つ加速
後に設定する高速時の注水距離を、予測したFDT、及
びスケジュールから決まる通板速度に基づいて後述する
方法により予め正確に推定演算すると共に、通板速度を
加速後に設定する注水距離を、加速開始時点1Sと同時
刻の始点6Sから終点6Eにかけて線形に変化する値と
して算出する。
【0031】即ち、加速する前の速度と加速を完了した
速度で全冷却ゾーンを通板する場合の注水距離をそれぞ
れ高精度な処理により予め求め、次いで加速前と後の注
水距離を適用できる時間範囲をそれぞれ求めると共に、
両注水距離の間を線形に結合する簡易計算により算出さ
れる注水距離を設定する簡易方式により注水距離を変更
する時間範囲とを決定する。この簡易計算により設定す
る注水距離を、前記図10に対応させて示すと図3のよ
うになる。
【0032】この推定演算は、図4のブロック図に示し
たフローに従って、モデル式(複雑なので省略する)
に、鋼板仕様(厚さ等)、FDT、任意の注水距離から
決定される注水ヘッダのON/OFFの組合せ及び冷却
設備内移動時間等を適用して温度計算して目標地点の温
度Tを算出し、その計算温度Tと目標温度T0 とを比較
し、その差δの絶対値が許容誤差δ0 より小さい値に収
束するまで注水距離を増減させながら温度計算を繰返
し、収束した時の注水距離を推定値とすることで行うこ
とができる。
【0033】前述のように注水距離を線形に変動させる
簡易計算を行う理由を説明する。本実施例で注水距離を
線形に変動するということは、各仮想切板に対する注水
時間を一定にすることを意味する。注水時間を一定にす
れば、水冷による温度降下量は略一定になるが、線形の
速度変動に伴い空冷時間が線形に変動し、空冷による温
度降下量は略線形変動することになるため、線形速度変
動時に注水時間を一定にする(即ち、注水距離を線形に
変動させる)ことにより、全体としての温度降下量を略
線形に変動することができる。
【0034】本実施例で注水距離の変更を開始する時点
6Sは、その制御をし易くするために通板速度の加速を
開始する時点1Sと同時点に設定するが、注水距離の変
更を終了する時点6Eは通板速度の加速完了時点1Eよ
り時間ΔEの経過後に設定される。この時間ΔEは、加
速終了時に冷却ゾーンへ突入した部位が冷却ゾーンを出
るまでに要する時間である。
【0035】上記図2に示したグラフ6の注水距離は、
上述した方法で簡単に求めることができ、しかも同一種
の圧延板については一度算出し、決定しておけば繰返し
用いることができる。
【0036】上記のように通板速度が直線状に変化する
場合は、直線状に変化する注水距離に設定し、各注水距
離になるように、注水バルブを操作するタイミング(時
刻)を決め、そのタイミングに合せてバルブ20を開く
ことにより鋼板Sの冷却を行う。
【0037】ところで、速度変動中に制御ゾーン12A
で、上記グラフ6の注水距離になるようにバルブ20を
調整した場合には、前記図13にグラフ5として示した
実際に必要な注水距離(図2には破線で示した)と、グ
ラフ6で示した直線的に増大する注水距離との間には差
があるため、図2にグラフ7として示す巻取温度の誤差
が生じることになる。
【0038】上記誤差は、グラフ5の注水距離の設定で
対応しようとする場合の温度変化に比べれば、変動の傾
きと大きさは共に小さいので、前記図13に示したよう
に、ΔT℃以内の巻取温度の制御精度を達成するために
必要とされる計算の処理頻度は少なくなり、計算周期Δ
t を長くとることが可能となるため、複雑な推定式によ
る計算処理に対応し易くなるので、高精度な制御の実現
が可能となる。
【0039】本実施例では、上述した簡易方式により生
じる巻取温度誤差を、前記冷却設備の下流側に設けた調
整ゾーン12Bで修正する補償を行う。
【0040】この補償方式では、例えば、仮想切板毎
に、実測したFDTと、制御ゾーン12Aの内部に存在
する間の実績の速度や注水状況とに基づいて現在の温度
を適宜計算により求め、求めた現在位置の計算温度とそ
の後の予定速度を基にして修正に要する注水距離(注水
量)を推定し、その注水距離を調整ゾーン12Bにおけ
る注水量として設定することにより誤差を解消する。こ
こでの注水距離の推定演算は、前記図4に示したフロー
で、(2)の「FDT」を「現在位置での計算温度」に
置き変えることにより、前述した計算手順に従って同様
に行うことができる。
【0041】本実施例方法を適用した場合の、前記図1
2に相当する仮想切板毎に設定される注水距離を概念的
に示すと図5のようになる。この図に示す調整ゾーンで
行う「簡易計算により注水」は、注水距離を補償する時
に増減できるように、予めいくらかの固定の注水距離で
注水しておくことを意味する。
【0042】以上詳述した本実施例によれば、例えば、
普通鋼を対象とする熱間圧延巻取温度制御において、従
来コントローラのCPUに対する計算負荷がネックにな
って発生していた複雑な処理を適正な周期で実行するこ
とが困難なケースが発生していたが、これを解消するこ
とができ、且つ高精度な計算処理を調整ゾーンのみを対
象に適正なタイミングで実施できることにより、高精度
な巻取温度制御を達成することが可能となる。
【0043】以上、本発明について、具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0044】例えば、前記実施例では、注水量が注水距
離である場合を示したが、注水量の修正をノズル等のア
クチュエータの開度を調整して行ってもよい。
【0045】又、本発明は、前記図9に示した圧延スケ
ジュールの前半の加速時や、後半の減速時のように、単
調な加減速時に限らず、先端の通板性を良好にするた
め、加速、減速を交互に短時間で繰返し切替えるジクザ
ク通板に適用してもよい。
【0046】又、冷却水の注水を可能とするためのアク
チュエータとしては、前記バルブに限定されない。
【0047】
【発明の効果】以上説明してとおり、本発明によれば、
スケジュールに従って熱間圧延される圧延板をコイラー
で巻取る際、通板速度が急激に変化する場合でも、コン
トローラの計算処理能力を増大させることなく、高精度
に目標の巻取温度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に適用される熱間圧延ライン
における冷却設備の位置関係を示す説明図
【図2】本実施例の巻取温度制御方法を説明するための
線図
【図3】本実施例の特徴を示す線図
【図4】注水距離の推定演算の手順を示すブロック線図
【図5】本実施例を適用した場合の全長に亘る注水距離
を概念的に示す説明図
【図6】従来の冷却設備の配置関係を示す説明図
【図7】冷却設備内部の要部構成の概略を示す斜視図
【図8】仮想切板を説明するための線図
【図9】一般的な圧延スケジュールによる速度変動を示
す線図
【図10】FDT変動の原因を説明するための線図
【図11】従来の注水距離の設定状況を説明するための
線図
【図12】従来の仕上圧延で冷却設備に設定する注水距
離を示す図4に相当する線図
【図13】従来の巻取温度制御方法の問題点を説明する
ための線図
【符号の説明】
10…コイラー 12…冷却設備 12A…制御ゾーン 12B…調整ゾーン 14…FDT計 16…CT計 18…注水ヘッダ 20…バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延プロセスで仕上圧延した圧延板を
    冷却設備に進入させ、該圧延板に冷却水を注水して所定
    の巻取温度に冷却する際、 冷却水の注水量を、圧延板に仮想的に設定した所定長さ
    の仮想切板毎に、実測した仕上圧延機出側温度と予め設
    定してある通板速度とに基づいて推定し、 推定した注水量の冷却水を、該当する仮想切板が到達す
    るタイミングに合せて該仮想切板に注水する熱間圧延巻
    取温度制御方法において、 通板速度が変動中にある仮想切板に対する注水量を、実
    測又は予測される仕上圧延機出側温度と設定通板速度と
    に基づいて予め推定計算してある変動前の注水量から、
    同様に推定計算してある変動後の注水量に向って任意の
    割合で漸増又は漸減する値に簡易設定することを特徴と
    する熱間圧延巻取温度制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 通板速度が線形の変動中にある仮想切板に対する注水量
    を、線形に漸増又は漸減する値に簡易設定することを特
    徴とする熱間圧延巻取温度制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 通板速度の変動中に実測した仕上圧延機出側温度から発
    生が予測される目標巻取温度からの誤差を、簡易設定し
    た注水量の冷却水を注水する制御ゾーンの後方の冷却設
    備内に設けた調整ゾーンで補償することを特徴とする熱
    間圧延巻取温度制御方法。
JP6223543A 1994-09-19 1994-09-19 熱間圧延巻取温度制御方法 Pending JPH0890037A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008290156A (ja) * 2008-09-08 2008-12-04 Jfe Steel Kk 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法

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