JPH0885161A - クレーズを有する樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

クレーズを有する樹脂フィルムの製造方法

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JPH0885161A
JPH0885161A JP22192794A JP22192794A JPH0885161A JP H0885161 A JPH0885161 A JP H0885161A JP 22192794 A JP22192794 A JP 22192794A JP 22192794 A JP22192794 A JP 22192794A JP H0885161 A JPH0885161 A JP H0885161A
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film
craze
resin film
stretched
resin
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JP22192794A
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Keizo Abe
桂三 阿部
Takahiro Ozu
孝弘 小津
Hiroshige Sano
博成 佐野
Fumiyo Ikehata
富美代 池畑
Mitsuaki Yamahara
三昭 山原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 成形用ダイより押し出された熱可塑性樹脂フ
ィルムを、二軸延伸機を用い、先ず縦方向に1〜5倍延
伸し、次いでその延伸倍率の少なくとも2倍以上の倍率
で横方向に延伸して複屈折率が0.5×10-3以上の延
伸樹脂フィルムとなし、その後、該延伸樹脂フィルムの
横方向に、平行に設置された、先端角度が15〜135
度のエッジを有するクレーズ発生器に、該延伸樹脂フィ
ルムを当接させて、該延伸樹脂フィルムを局部的に折り
曲げ、ついで該延伸樹脂フィルムを引きとることによ
り、該延伸樹脂フィルムの横方向に連続な縞状のクレー
ズを形成させることを特徴とする、クレーズを有する樹
脂フィルムの製造方法。 【効果】 本発明のクレーズを有するフィルムの製造方
法は、従来からの逐次二軸延伸機を利用し、それにクレ
ーズ発生器を製造ラインに組み入れるだけで、均一のク
レーズを有する樹脂フィルムを工業的規模で、製造でき
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーズを有する樹脂
フィルムの製造方法に関するものである。このクレーズ
を有する樹脂フィルムは、通気性を生かした生鮮食品包
装材料、生理用ナプキンの防漏材、衣料材料、フィルタ
ー等の医療材料、入射光を角度依存により散乱させる視
野方向性を有する建材板硝子用オーバーレイフィルム等
に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、多孔性を有した通気性の樹脂
フィルムの製造方法として、無機充填剤を含む樹脂フィ
ルムを一軸又は二軸方向に延伸加工を施すことにより、
フィルム中に微細な空孔を発生させて、通気性樹脂フィ
ルムを得ることは良く知られている(例えば、特開昭5
8−149303号、特開昭58−15538号の各公
報参照)。しかし、この様な多孔性フィルムは、延伸加
工時に、分散されている無機充填剤の粗大粒子に応力集
中して、場合によっては延伸切れを起こすことになった
り、或いは切れないまでも延伸が均一に起こらないため
に、フィルムの肉厚の分布、強度等に難点があった。ま
た、延伸物特有のゴワゴワ感がある等との種々の欠点が
あった。そこで、この様な多孔性フィルムの柔軟性を改
良する目的で、液状化合物を添加する提案がなされてい
る。例えば、特開昭60−257221号公報には液状
り炭化水素重合体が、特開昭57−47334号公報に
は液状ポリブタジエンが、特開昭58−149925号
公報には液状ポリイソブチレンを添加することが記載さ
れている。
【0003】しかし、この様な液状化合物は多孔性フィ
ルムの表面へブリードしてくるため、ベタツキが起こ
り、防漏材や袋として使用するには問題があった。ま
た、液状化合物を添加すると、充填剤と樹脂の界面剥離
が起きにくくなり、多孔性能が低下する、即ち、通気性
が低下する問題があった。一方、特開平6−82607
号公報は、透明性の配向樹脂フィルムに、該フィルムの
分子配向方向と略平行に縞状のクレーズをクレーズ発生
器を用いて発生させるクレーズフィルムの製法を開示す
るが、原反の配向フィルムの製法については記載は無
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は通気性、透湿
性、視野方向性、引張強度に優れ、かつ、透明性を有す
るクレージングフィルムの工業的製造法を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形用ダイよ
り押し出された熱可塑性樹脂フィルムを、二軸延伸機を
用い、先ず縦方向に1〜5倍延伸し、次いで、その延伸
倍率の少なくとも2倍以上の倍率で横方向に延伸して複
屈折率が0.5×10-3以上の延伸樹脂フィルムとな
し、その後、該延伸樹脂フィルムの横方向に平行に設置
された、先端角度が15〜135度のエッジを有するク
レーズ発生器に該延伸樹脂フィルムを当接させて該延伸
樹脂フィルムを局部的に折り曲げ、ついで該延伸樹脂フ
ィルムを引き取ることにより該延伸樹脂フィルムの横方
向に連続な縞状のクレーズを形成させることを特徴とす
る、クレーズを有する樹脂フィルムの製造方法を提供す
るものである。
【0006】〔発明の具体的な説明〕クレーズフィルム用素材 クレーズフィルムとして用いられる素材としての樹脂
は、フィルムあるいはシートの成形が可能な熱可塑性樹
脂であれば特別に制限されるものではない。その様な熱
可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロ
ゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等を挙げることが
できる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、フィルムやシ
ートへの成形性や経済性の観点から、ポリオレフィン、
ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性
樹脂を使用することが好ましく、中でもポリオレフィ
ン、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用
することが好ましい。
【0007】これらの熱可塑性樹脂は、樹脂フィルムに
透明性を損なわない範囲で、単独で用いても、二種以上
混合して組成物として用いても、或いは、別の高分子樹
脂をブレンドしたりしても良く、更には二種以上の樹脂
を多層化して用いても良い。また、クレーズの形成の容
易さから、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃
以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−15
℃以上の樹脂を使用することが望ましい。二種以上の樹
脂組成物として使用するときや多層化して使用するとき
は、主成分を占める熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上
記範囲内にあることが好ましい。これより低いガラス転
移温度を示す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過ぎるために
クレーズの効率的な形成が難しい。
【0008】ポリオレフィンとしては、炭素数が2〜8
のα−オレフィンの単独重合体又は二種以上のα−オレ
フィンの共重合体、又は、α−オレフィンを主成分と
し、これと他のエチレン性不飽和単量体との共重合体で
ある。ここで共重合体とはブロック、ランダム、グラフ
ト等あるいはこれらの複合物でも良い。該エチレン性不
飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリ
ル酸メチル、マレイン酸等の不飽和カルボン酸又は無水
物等を挙げることができる。ポリオレフィンの具体例と
しては、低密度分岐ポリエチレン、高密度線状ポリエチ
レン、低密度線状ポリエチレン、アイソタクチックポリ
プロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリ
(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等
を挙げることができる。
【0009】ポリアミドとしては、芳香族又は/及び脂
肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分とし
て含む縮合生成物である。ポリアミドの具体例として
は、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、
ナイロン−4,6、ナイロン−12、非晶性ナイロン等
を挙げることができる。中でも、好ましいポリアミド
は、ナイロン−6、ナイロン−6,6、非晶性ナイロン
である。
【0010】ポリエステルとしては、例えば、その一つ
として、通常の方法に従って、ジカルボン酸又はその低
級アルキルエステル、酸ハライド若しくは酸無水物誘導
体とグリコール又は二価フェノールとを縮合させて製造
した熱可塑性ポリエステルを挙げることがてきる。これ
らポリエステルの中でも飽和ポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリナフタレンテレフタレートを使用することが好適で
ある。
【0011】スチレン系樹脂としては、ビニル芳香族化
合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げるこ
とができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合
物のホモポリマー及び共重合体である。これらの中でも
ポリスチレンが好ましく、更に、ゴムグラフトポリスチ
レン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体または、その水添加物を用いることが好
適である。
【0012】ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネ
ート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカ
ーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス
(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシ
フェニル)スルフォン、スルフィド又はスルフォキサイ
ド系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネー
トを用いることが好適である。
【0013】ハロゲン含有熱可塑性樹脂は、テトラフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビニルフ
ルオライド等のホモ重合体及び共重合体を挙げることが
できる。この他にも、ビニリデンクロライドから導かれ
たホモ重合体及び共重合体を挙げることができる。これ
らの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂は、ポリ
弗化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレンとの共重合体並びにビニリデンクロライドを挙げ
ることができる。ニトリル樹脂としては、α,β−オレ
フィン系不飽和モノニトリルを50重量%以上含むもの
である。これらの不飽和モノニトリルの中でも、アクリ
ロニトリル及びメタクリロニトル及びそれらの混合物を
使用することが好ましい。例えば、具体的には、ポリア
クリロニトリル、アクリロニトリル・スチレン共重合体
が利用できる。
【0014】クレーズの形成 前述の熱可塑性樹脂を用いて、成形用ダイより押出され
た熱可塑性樹脂フィルムを、二軸延伸機を用いて延伸す
る。延伸温度は、結晶性樹脂は融点から融点以下100
度の範囲、非晶性樹脂はガラス転移点(Tg)±100
度の範囲、延伸速度は、0.5〜300m/分の条件で
あり、先ず縦方向にフィルムを1〜5倍延伸し、次いで
その延伸倍率の少なくとも2倍以上の倍率で横方向に延
伸して複屈折率が0.5×10-3以上の延伸樹脂フィル
ムとなし、該延伸樹脂フィルムの横方向に平行に設置さ
れた、先端部が鋭角なエッジを有するクレーズ発生器に
該延伸樹脂フィルムを当接し、ついで、該延伸樹脂フィ
ルムを局部的に折り曲げ、これを引きとることによりそ
の折り曲げ変形域を延伸樹脂フィルムに対し相対的に移
動させることにより、該延伸樹脂フィルムの横方向に、
連続的な縞状のクレーズをフィルムに連続的に形成させ
ることができる。
【0015】本発明のクレーズフィルムには、縞状のク
レーズ領域が設けられている。該縞状のクレーズは、基
本的に、高分子樹脂フィルムの分子配向の方向と略平行
に幅が一般に0.5〜100μm、好ましくは1〜50
μmのものである(図4参照)。この縞状クレーズが、
フィルムの厚み方向に貫通しているクレーズの数の割合
が全クレーズの数に対して10%以上、好ましくは20
%以上、特に好ましくは40〜100%以上必要であ
り、貫通している割合が10%未満であると、通気性・
偏光等の性能が得られ難くなる。該クレーズを分子配向
の大きい横方向(TD)と、略平行の方向に形成するの
は、分子鎖の配向の大きい横方向と、直角の縦方向(M
D)に延伸樹脂フィルムを引っ張ることによってクレー
ズが一定配列で形成されるからであり、分子鎖の配向の
大きい横方向と直角の縦方向にクレーズを形成すること
は難しいからである。ここで言うクレーズとは、延伸樹
脂フィルムの表面に現れる表面クレーズと内部に発生す
る内部クレーズを含むものであって、微細なひび状の模
様を有する領域を言う。このクレーズは分子束(フィブ
リル)とミクロボイドから構成されており、この部分で
各種ガスの通気性が生じることになる。
【0016】厚み 延伸樹脂フィルムの厚みは、一般に1〜800μm、好
ましくは3〜500μm、特に好ましくは8〜300μ
mのものが使用される。配向 上記延伸樹脂フィルムは、配向度が、複屈折率で0.5
×10-3以上、好ましくは1×10-3以上、特に好まし
くは1.5×10-3以上にある分子配向度を有すること
が、クレーズの形成には有効である。この複屈折率が上
記範囲外の分子配向を有する延伸樹脂フィルムでは、目
的とするクレーズを容易にに形成され難い。複屈折率 ここで言う複屈折率とは、主屈折率間の差として表現さ
れるもので、延伸樹脂フィルムの成形方向(縦方向:M
D)の屈折率(n2)とそれと直角方向(横方向:T
D)の屈折率(n1)の差(n1−n2)であり、分子
配向の程度を表現するインデックスの一つである。これ
ら複屈折率は、実際には、偏光顕微鏡とコンペンセータ
ーを用いることにより測定することができ、この値が大
きいほど異方性が大きくなり、クレーズが生じ易くな
る。クレーズの量 延伸樹脂フィルムに形成されるクレーズは、一般に0.
1〜1,000μm、好ましくは1〜800μmの間隔
で形成された、縞状の領域として認識できる程度の量で
ある。クレーズ・フィルムの代表的物性例 クレーズを有する延伸樹脂フィルムの性能として、通気
性、透湿性、視野方向性等が得られる。通気性は、用い
る樹脂の種類により異なるが、例えば弗化ビニリデンの
ホモ重合体を用いると、酸素及び窒素ガスのガス透過度
(JIS−Z1707)が一般に0.3〜100,00
0×104 cm3 /m2 ・24hr・atmの範囲内の
ものに、透湿度(JIS−K7129)が一般に10〜
100,000×104g/m2 ・24hrの範囲内の
ものに、透明性(JIS−Z7105)が一般に1〜9
9.5%、好ましくは2〜90%、特に好ましくは5〜
80%の範囲内のもので、引張強度(JIS−Z170
2)が一般に縦方向横方向とも50〜500kg/cm
2 、好ましくは60〜500kg/cm2 、特に好まし
くは75〜500kg/cm2 の範囲内のものにするこ
とができる。
【0017】製造方法 本発明のクレーズフィルムの製造は、通常の二軸延伸機
を用いて得た延伸フィルムを、連続してクレーズ処理工
程を経て製造される。即ち、押出機で溶融混練された樹
脂を、Tダイより押し出してシートを得、これをキャス
ティングドラム上で冷却固化し、次いで縦方向にロール
群の周速度の差を利用して、好ましくは1.3〜5倍延
伸する(この縦延伸は、必ずしも必要としないが、便宜
上、延伸しないフィルム(1倍延伸)も1倍延伸とし
て、延伸の範囲とした。)。
【0018】次に、該縦延伸フィルムをテンターオーブ
ン内に送り込み、樹脂の融点より3〜100℃低い温度
に加熱し、テンターを用い、横方向に少なくとも縦延伸
倍率の2倍以上、もしくは、横方向に4〜12倍延伸
し、厚みが1〜800μm、好ましくは3〜500μ
m、更に好ましくは8〜300μmで複屈折率が0.5
×10-3以上の該延伸フィルムを得る。更に、該フィル
ムの横方向と平行方向に先端角度が15〜135度のエ
ッジを有するクレーズ発生器を該フィルムに当接し、つ
いで、該延伸樹脂フィルムを局部的に折り曲げ、その折
り曲げ変形域を延伸樹脂フィルムを引きとることにより
相対的に移動させることにより該延伸樹脂フィルムの横
方向に、連続的かつ規則的な縞状のクレーズ領域を持
つ、該クレーズフィルムを形成させる。該クレーズフィ
ルムの性能安定上、横方向の延伸工程にてアニーリング
工程を設けることが好ましい。又、クレーズ処理工程前
にて該延伸樹脂フィルムにコロナ表面処理を施してもよ
い。
【0019】全体の製造ラインとしては、上述のよう
に、押出工程→延伸原反フィルム作製工程→縦延伸工程
→横延伸工程→(アニーリング工程)→(コロナ放電処
理工程)→クレーズ処理工程→クレーズフィルムの巻取
工程の全てが連続したラインで、効率的かつ安定的に製
造される。また、該フィルムの層構成は、単層とは限ら
ず、多層共押出機にて多層構造としてもよい。なお、ク
レーズフィルムを製造後、用途によっては該クレーズフ
ィルムを他の基材、例えば、パルプ紙、アルミニウム
箔、ポリエチレンフィルム等と複合多層化して用いても
よい。また、クレーズ処理は、延伸工程とは別工程にて
実施してもよい。
【0020】クレーズフィルムの製造装置 本発明のクレーズフィルムの製造装置は、例えば、図1
に示すように、二軸延伸機により製造された、前述の配
向物性を有する二軸延伸樹脂分子フィルム1の表面に、
先端部にエッジ2を有するクレーズ発生器3を、該延伸
樹脂フィルムの分子配向の大きい横方向と略平行に当接
し、該延伸樹脂フィルムを局部的に折り曲げ、延伸樹脂
フィルムを矢印の方向に引きとることにより、該延伸樹
脂フィルム中にクレーズの帯を形成させ、移動方向(M
D)と略直角の横方向に、連続的な縞状のクレーズが発
生したフィルムを得る。クレーズ発生器3の適正なエッ
ジ角度2は、15〜135度の範囲で、好ましくは30
〜90度であり、適正なエッジ先端曲率半径は、0.0
1〜5mmの範囲で、好ましくは0.01〜1mmであ
る。この該フィルムの折り曲げ角度4は140度以下、
好ましくは120度以下が適切であるが、一般的に該折
り曲げ角度が小さいほど、又、引張り張力の大きいほ
ど、全クレーズに対する延伸樹脂フィルムの厚み方向に
貫通しているクレーズの割合が多くなり、通気性の良好
なフィルムが得られる。
【0021】また、このエッジを有するクレーズ発生器
は、図2や図3に示したように2本以上を用い、延伸樹
脂該フィルムの上面、及び下面に対し交互に当接しても
よい。その場合の折り曲げ角度4,10,14は全て同
角度にする必要はない。このクレーズ発生を行う雰囲気
温度は、効率の面から、一般的には室温15〜30℃で
行うが、場合によっては−40℃〜室温以下の温度で行
ってもよい。クレーズ発生のためのフィルム引取速度
は、通常0.5〜300m/分、好ましくは1〜100
m/分である。引取速度が早すぎたり、速度ムラが生じ
たりすると、延伸樹脂フィルムの切断、フィルム表面の
傷付き、クレーズの不均一等のトラブルの原因となる。
クレーズフィルムの通気性の程度は、延伸樹脂フィルム
中に形成されたクレーズの幅、クレーズ間の隔たり、フ
ィルムを貫通するクレーズの数割合を、変えることで調
節することができる。
【0022】具体的には、延伸樹脂フィルムの分子配向
の度合いやクレーズを形成させる時の温度、延伸子樹脂
フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、フィルム
の折り曲げ角度4,10,14等を調節することで、容
易に通気性をコントロールすることができ、使用目的に
応じたクレーズフィルムを提供することができる。例え
ば、クレーズを形成させる時の緊張度を増大させたり、
折り曲げ角度を小さくすると、生成するクレーズの間隔
は小さくなり、フィルムを貫通するクレーズの数の割合
が増大し、その結果、通気性は増大する。この様なクレ
ーズの幅、クレーズ間の隔たり、フィルムを貫通するク
レーズの割合を変えることで、クレーズフィルムの、酸
素ガス及び窒素ガスの透過度、透湿度、透明性、引張強
度等をコントロールすることができる。
【0023】
【実施例及び比較例】以下に示す実験例によって本発明
を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実験例によ
って限定されるものではない。 〔I〕評価方法フィルムの複屈折率 製膜したフィルムから小片を切出し、日本光学工業
(株)製の偏光顕微鏡(X−POL)とセナルモンコン
ベンセーターを用い、フィルムの成形方向とそれと直角
の方向の屈折率の差を複屈折率として測定した。クレーズ生成の確認 クレーズを形成したフィルムから小片を切り出し、日本
光学工業(株)製の生物顕微鏡(XF)を用いてクレー
ズ生成の有無を確認した。酸素透過率試験 JIS−Z1707に準拠し、等圧法により、酸素ガス
のガス透過度をcm3/m2 ・24hr・atmの単位
で求めた。
【0024】〔II〕使用材料 ポリプロピレン(表中、PPと記す。三菱油化(株)製
三菱ポリプロFL6CK(商品名))、ポリビニリデン
フルオライド(表中、PVDFと記す。三菱油化(株)
製KYNAR720(商品名))、高衝撃強度ポリスチ
レン(表中、HIPSと記す。三菱化成(株)製HH1
02(商品名))、6ナイロン(表中、Ny6と記す。
鐘紡(株)製MC140(商品名))を用いた。
【0025】〔III 〕実施例 実施例1 65mmφ単軸押出機(L/D=28)を用い、ポリプ
ロピレン(三菱油化(株)製三菱ポリプロFL6CK)
を、250℃にて溶融押し出しを行い、135℃で縦方
向を3.5倍に延伸して、さらに160℃で、横方向を
10倍に延伸した後、165℃でアニールして延伸樹脂
フィルムを作成した。延伸後のフィルムの厚みは20μ
mであり、複屈折率は21.5×10-3であった。次い
で、図1に示す装置を用い、延伸樹脂フィルム1の表面
に、先端角度が60度で、先端曲率半径が、0.2mm
のエッジ2を有するクレーズ発生器3を横方向に当接
し、延伸樹脂フィルムの曲折角度4が140度となるよ
うに折り曲げ、5と6の間の速度比が115%となるよ
うに設定して、50m/分の速度で引取り、横方向に連
続的な縞状のクレーズ領域が、発生したフィルム7を得
た。表1に、このクレーズフィルムの酸素透過率を示
す。また、このクレーズを形成させた後のフィルムを、
日本光学社製の生物顕微鏡(XF)で観察した結果を図
4として示す。
【0026】実施例2〜5 表1に示す樹脂を用い、同表に示す条件で、実施例1と
同様に延伸、クレーズ発生処理を行って得たクレーズフ
ィルムの酸素透過率を同表に示す。 比較例1〜4 表1に示す樹脂および成形条件でフィルムを製造した。
比較例1は、延伸樹脂フィルムの分子配向が縦方向のた
め、また比較例2〜4は延伸樹脂フィルムの分子配向が
不足のためクレーズの形成は起こらず、酸素透過性の向
上は認められなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明のクレーズを有するフィルムの連
続製造方法は、従来からの逐次二軸延伸機を利用し、そ
れにクレーズ発生器を製造ラインに組み入れるだけで均
一のクレーズを有する樹脂フィルムを工業的規模で製造
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーズフィルムの製造装置を示す。
【図2】クレーズフィルムの製造装置を示す。
【図3】クレーズフィルムの製造装置を示す。
【図4】実施例1で得た、クレーズフィルムのポリマー
結晶中のクレーズ構造を表す写真(200倍)である。
【符号の説明】
1 延伸樹脂フィルム 2,8,12 エッジの角度 3,9,13 クレーズ発生器 4,10,14 フィルム折り曲げ角度 5,6 ニップロール 7 クレーズフィルム 11,15 ガイドロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池畑 富美代 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 山原 三昭 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用ダイより押し出された熱可塑性樹
    脂フィルムを、二軸延伸機を用い、先ず縦方向に1〜5
    倍延伸し、次いでその延伸倍率の少なくとも2倍以上の
    倍率で横方向に延伸して複屈折率が0.5×10-3以上
    の延伸樹脂フィルムとなし、その後、該延伸樹脂フィル
    ムの横方向に、平行に設置された、先端角度が15〜1
    35度のエッジを有するクレーズ発生器に該延伸樹脂フ
    ィルムを当接させて該延伸樹脂フィルムを局部的に折り
    曲げ、ついで該延伸樹脂フィルムを引きとることによ
    り、該延伸樹脂フィルムの横方向に連続な縞状のクレー
    ズを形成させることを特徴とする、クレーズを有する樹
    脂フィルムの製造方法。
JP22192794A 1994-09-16 1994-09-16 クレーズを有する樹脂フィルムの製造方法 Pending JPH0885161A (ja)

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