JPH08833Y2

JPH08833Y2 - 刈取収穫機の分草構造

Info

Publication number: JPH08833Y2
Application number: JP1990002210U
Authority: JP
Inventors: 正辻; 晃志黒見; 正彦湯川; 厚史戸成
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1990-01-11
Filing date: 1990-01-11
Publication date: 1996-01-17
Anticipated expiration: 2005-01-11
Also published as: JPH0392935U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、刈取前処理部の左右の一端における前端部
の分草具を、分草具取付フレームに対して前後調節及び
着脱自在に設けると共に、穀稈の機体がわへの倒れ込み
を抑制する分草杆を、前記分草具がわの機体横外がわに
おいて機体前後方向に沿う状態で、かつ機体に対して横
方向に遠近移動自在に、その前端がわを湾曲させて前記
分草具取付フレームに取付けてある刈取収穫機の分草構
造に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の刈取収穫機の分草構造としては、例え
ば実開平１−79932号公報に開示された構造のものが知
られていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記構造にあっては、分草具を前後調節自在及び着脱
自在に設ける分草具取付フレームに分草杆の前端がわを
取付けているので、分草具が後退位置にあるときは分草
具後端と分草杆の前部がわとの間に未刈側の穀稈が入り
込む隙間は少ないが、分草具を前方位置に調節したとき
は、分草具後端と分草杆の前部がわとの間に未刈側の穀
稈が入り込み得る広幅の隙間ができるので、その隙間に
倒れ込んだ未刈穀稈が分草杆の前端部で押し倒されて、
走行装置で踏み付けられる虞れが大きいという欠点があ
った。又、この不具合を解消するため、分草杆を伸縮自
在にしてその前端を分草具に取付ける手段もあるが、こ
の場合、分草具を分草具取付フレームから取外す際に、
分草杆の前端を分草具から分離する操作が必要であると
共に、前端の支持を失った分草杆を別途バンド掛け等に
よって機体に固定する手段も必要となり、刈取収穫機を
トラック等の運搬車輌に搭載して移動する場合や納屋へ
の格納時のように分草具を着脱する際に煩わしい操作が
要求されるものであった。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、
分草具の前後位置調節にかかわらず、分草具後端と分草
杆前部がわとの間に未刈穀稈が入り込むことを、手間を
かけることなく阻止できると共に、分草具着脱時の煩わ
しい操作を不要にすることができる刈取収穫機の分草構
造の提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る刈取収穫機の分草構造は、上記目的を達
成するために、刈取前処理部の左右の一端における前端
部の分草具を、分草具取付フレームに対して前後調節及
び着脱自在に設けると共に、穀稈の機体がわへの倒れ込
みを抑制する分草杆を、前記分草具がわの機体横外がわ
において機体前後方向に沿う状態で、かつ機体に対して
横方向に遠近移動自在に、その前端がわを湾曲させて前
記分草具取付フレームに取付けてある刈取収穫機の分草
構造において、前記分草具から後方に向けて弾性杆を延
出すると共に、この弾性杆の後方遊端部を前記分草杆の
前端がわ湾曲部位に前向きに形成した透孔に出退自在に
挿入支持させて、杆長さ方向で進退自在に構成してある
ことを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用、及び、効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

すなわち、分草具から後方に向けて延出した弾性杆
は、弾性杆自身の有する弾性作用と、弾性杆が分草杆に
対して前後に沿うことになるその杆長さ方向で進退自在
で、分草杆の前端がわ湾曲部位の前向きの透孔に出退自
在に挿入支持してあることにより、分草具と分草杆前端
がわとにわたって架設した状態となって、分草具の前後
調節、又は分草杆の機体に対する遠近移動にかかわら
ず、弾性杆を常に前後架設状態に維持でき、分草具を前
方がわに位置させることに伴って分草具後端と分草杆前
端がわとの間に広幅の隙間が生じても、未刈側穀稈の機
体がわへの倒れ込みを阻止できる。

又、刈取収穫機を運搬車両に搭載する場合や納屋への
格納時に分草具を分草取付フレームから取外すと、この
分草具と共に弾性杆は分草杆の透孔から引抜かれ、次に
分草具を取付ける際に弾性杆を分草杆の透孔に再び挿入
することで元の作用状態が得られる。

〔考案の効果〕

従って、本考案によれば、分草具後端と分草杆前端が
わとにわたって、未刈側穀稈の機体がわへの倒れ込みを
阻止する部材を着脱する必要がなく、単に分草具を前後
調節するだけの簡単な操作で常に良好に分草できるに至
った。また、分草具を着脱する際の操作も簡単に行え
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図に、本考案に係る分草構造を有する刈取収穫機
の一例のコンバインを示している。

このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置
（１），（１）、脱穀装置（２）、操縦部（３）等を備
えた機体の前部に、刈取前処理部（４）を機体に対して
横スライド可能に設けて構成してある。

前記刈取前処理部（４）は、第３図に示すように、２
個の引起し装置（５），（５）を機体横方向に並設し、
これら引起し装置（５），（５）の下方の左右両端及び
中間箇所に前方に向けて突出した分草具（６），
（６），（６）を突設すると共に、前記引起し装置
（５），（５）の後方には引起し穀稈を刈取る刈取装置
（７）を設け、かつ刈取穀稈を前記脱穀部（２）に向け
て搬送する搬送装置（８）を備えて構成してある。そし
て、第３図に示すように、刈取前処理部（４）に前後一
対のガイド軸（９），（10）を平行に横架してあり、一
方、機体がわから前方に延出した刈取部フレーム（11）
の前端部には一方のガイド軸（９）を横スライド自在に
挿通支持するボス部と、他方のガイド軸（10）を上下か
らのみ係合支持する係合支持部とを備えたスライドガイ
ド部材（12）を設けると共に、前記両ガイド軸（９），
（10）を支持する左右一対の支持フレーム（14），（1
4）のうち左支持フレーム（14）と前記スライドガイド
部材（12）との間にねじ軸（15）を設け、このねじ軸
（15）の回転操作によって刈取前処理部（４）を機体に
対して横スライド操作すべく構成されている。

次に、未刈穀稈が機体に向けて倒れ込まないように阻
止するための分草構造について説明する。

第１図に示すように、機体左端がわの前記分草具
（６）は、前記左支持フレーム（14）の前部がわに設け
たパイプ材製の分草具取付フレーム（18）に前後に出退
及び挿抜自在でセットボルトにより位置固定できるよう
に嵌入してある。そして、第１図及び第３図に示すよう
に、分草杆（20）は、前部分草杆（20a）と後部分草杆
（20b）とにより構成してあると共に、前記分草杆（20
a）を、前記分草具取付フレーム（18）において左側方
に突設したブラケット（19）に対して、上下向き軸芯
（Ｚ）周りで水平揺動自在に、その前端がわ湾曲部分の
端部で枢支してあり、他方、後部分草杆（20b）を、脱
穀部（２）の後端部に上下向き軸芯（Ｙ）周りで水平揺
動自在に枢支してある。又、第３図に示すように、断面
形状が楕円のパイプ部材からなる前部分草杆（20a）の
後端部には第１リング状連結具（20A）の基端部が相対
摺動可能に挿通保持され、断面形状が楕円のパイプ部材
からなる後部分草杆（20b）の前端部には第２リング状
連結具（20B）の基端部が相対摺動可能に挿通保持され
ている。そして、脱穀部（２）を搭載した機体フレーム
（21）に対して機体左右方向に出退可能に設けた支持フ
レーム（22）の先端に取付けた第３リング状連結具（22
A）に、第３図に示すように、前記第１リング状連結具
（20A）及び第２リング状連結具（20B）の夫々のリング
状部分を互いに相対揺動可能に係合連結して連結点
（Ｘ）を構成してある。尚、第１リング状連結具（20
A）、第２リング状連結具（20B）、及び第３リング状連
結具（22A）は１本の丸棒を２つ折りに折曲げその折曲
げ部にリングを形成したものであって、特に、第３リン
グ状連結具（22A）のリングは平面視で略長方形となる
ように形成してあると共に、第１リング状連結具（20
A）は、第３図中に示すように、そのリングの上がわ部
分（23）が平面視で機体に対して外方がわに湾曲した形
状にして、第３リング状連結具（22A）に対して平面視
で外がわから係合するようにしてあり、その湾曲部分に
よって、茎稈分草時に前部分草杆（20a）に摺接して機
体後方へ相対移行していく際、第１リング状連結具（20
A）と第３リング状連結具（22A）との係合箇所に引っ掛
からないよう外方へ逃がされ、スムーズな分草がなされ
る。

そして、第１図及び第３図に示すように、前部分草杆
（20a）の前端がわの湾曲部位の外側がわに前向きに透
孔（24）を形成してあると共に、断面直径5mmのピアノ
線材から成る弾性杆（25）を、その前端を分草具（６）
の杆部分に固着して後方に向けて延出し、その弾性杆
（25）の後方遊端部を、前記透孔（24）に出退自在に挿
入支持させて、その杆長さ方向に進退自在にしてある。
前記弾性杆（25）は、分草具（７）と前部分草杆（20
a）との間の隙間を埋める状態で分草作用を有してい
る。そして、刈取前処理部（４）の機体に対する横スラ
イド操作によって、或いは、分草具（６）の前後位置調
節によって、分草具（６）と分草杆（20）との相対位置
関係が変更しても、弾性杆（25）の弾性、及び、弾性杆
（25）の後方遊端部を前部分草杆（20a）の透孔（24）
に出退自在に挿入支持してあることにより、分草具
（６）と前部分草杆（20a）とにわたって常に弾性杆（2
5）が架設された状態で維持され、分草具（６）と前部
分草杆（20a）との間に穀稈が倒れ込むことを弾性杆（2
5）で阻止できる。

尚、分草杆（20）は、上記のように、前後２つに分離
した構造でなく、１本の杆材でのみ構成しても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機の分草構造の実施例を示
し、第１図は要部の分解斜視図、第２図は刈取収穫機の
全体側面図、第３図は刈取収穫機の概略平面図である。（４）……刈取前処理部、（６）……分草具、（18）…
…分草具取付フレーム、（20）……分草杆、（24）……
透孔、（25）……弾性杆。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者戸成厚史大阪府堺市石津北町64番地久保田鉄工株式会社堺製造所内 (56)参考文献実開昭57−138524（ＪＰ，Ｕ) 実公昭53−28752（ＪＰ，Ｙ２)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】刈取前処理部（４）の左右の一端における
前端部の分草具（６）を、分草具取付フレーム（18）に
対して前後調節及び着脱自在に設けると共に、穀稈の機
体がわへの倒れ込みを抑制する分草杆（20）を、前記分
草具（６）がわの機体横外がわにおいて機体前後方向に
沿う状態で、かつ機体に対して横方向に遠近移動自在
に、その前端がわを湾曲させて前記分草具取付フレーム
（18）に取付けてある刈取収穫機の分草構造であって、
前記分草具（６）から後方に向けて弾性杆（25）を延出
すると共に、この弾性杆（25）の後方遊端部を前記分草
杆（20）の前端がわ湾曲部位に前向きに形成した透孔
（24）に出退自在に挿入支持させて、杆長さ方向で進退
自在に構成してある刈取収穫機の分草構造。