JPH087762Y2

JPH087762Y2 - 電動車における速度設定装置

Info

Publication number: JPH087762Y2
Application number: JP1989022896U
Authority: JP
Inventors: 敬三西川
Original assignee: ATECS CORP
Current assignee: ATECS CORP
Priority date: 1989-02-27
Filing date: 1989-02-27
Publication date: 1996-03-04
Anticipated expiration: 2004-02-27
Also published as: JPH02114302U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は電動車椅子等の電動車において最高速度位
置やニュートラル位置等の速度を正確に設定する為の速
度設定装置に関するものである。

（従来技術）この種電動車にあっては、速度設定器であるアクセル
レバーの動きにより可変抵抗を変更調節しその出力電圧
を速度指令信号として取出し、該速度指令信号に基づい
てモーターへの通電量を制御して走行速度を調節してい
る。

（考案が解決しようとする課題）上記の如き形式の走行速度調節方法にあって、例え
ば、最高速度が定められている電動車椅子にあっては、
アクセルレバーの動きを所定の範囲内に規制する必要が
あり、製品の組立時や調整時に可変抵抗の出力電圧をテ
スター等で計測しながらアクセルレバーを操作し、最高
速度に対応する出力電圧位置にアクセルレバー回動範囲
を設定していた。

したがって、テスターでの計測等繁雑な工数を必要と
していた。この考案では、この様な欠点を解消しようと
するものである。

（課題を解決するための手段）（イ）．アクセルレバー12の操作により可変抵抗15から
の出力電圧を変更調節し、該出力電圧を速度指令信号と
してモータ３への通電量を制御するモータ駆動制御手段
と、（ロ）．アクセルレバー12と可変抵抗15との間の連結位
置を調節しアクセルレバー12のニュートラル位置を設定
するニュートラル位置設定手段、（ハ）．又は、及び（ニ）．アクセルレバー12の回動可能範囲を調節して最
高速度を設定する最高速度設定手段と、（ホ）．バッテリ電圧を検出し該検出電圧を複数の表示
装置33,33の点灯により表示するバッテリ残量表示手段
と、（ヘ）．ニュートラル位置設定時、又は、最高速度設定
時に切替スイッチ35の操作により、表示装置33,33への
バッテリ電圧出力に切り替えて、速度指令信号と基準値
との比較結果を出力して点灯表示する設定速度表示手段
とを設けてなる、（ト）電動車における速度設定装置の構成とする。

（考案の作用）この電動車はアクセルレバー12の操作によって可変抵
抗15を変更調節し、該可変抵抗15からの出力電圧を速度
指令信号として取出し、該速度指令信号に基づいてモー
タ３への通電量を制御して走行を行う。

電動車の最高速度やニュートラル位置を製品組立時や
調整時等において設定する場合には、切替スイッチ35を
切替えた後アクセルレバー12を操作すると可変抵抗15か
らの速度指令信号がCPUへ入力され基準電圧と比較され
この比較結果をバッテリ電圧を表実する表示装置33,33
へ出力する。即ち、該速度指令信号が基準値と一致すれ
ば該複数の表示装置33,33のうち特定の表示装置33が点
灯される。したがって、アクセルレバー12の回動範囲を
規制するストッパーをこの位置に調節すれば最高速度が
容易に設定でき、又、ニュートラル位置を設定する場合
には、アクセルレバー12と可変抵抗15との間の連結位置
を表示装置33を見ながら調節する。

（考案の効果）この考案は前述の如く構成するものであるから、電動
車の最高速度やニュートラル位置を設定するに際し、切
替スイッチ35の操作により速度指令信号である可変抵抗
15からの出力電圧と基準値を比較し、この比較結果をバ
ッテリー残量を表示する表示装置33の点灯により報知さ
せ、この表示装置33の点灯を確認しながら最高速度やニ
ュートラル位置を簡単な操作で正確に設定できるもので
ある。

（実施例）以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

実施例は電動車椅子に本考案の速度制御装置を実施し
たものであって、該電動車椅子はハンドル１により操舵
可能の１個の前輪２とモータ３によりキヤボックス（図
示せず）を介して駆動可能の一対の後輪5,5と、車体フ
レーム６、バッテリ収納ケース７、リヤカバー８、座席
９等ら構成してある。

10は操作ボックスであって、上下分割可能に構成する
と共に、該ボックス10内に凹型状の取付ベース11を取着
し、その左右両立壁間に操作軸13を回動自在に枢支して
ある。又、該操作軸13の操作ボックス10外への延出部に
はアクセルレバー12を取着し、更に、操作軸13の回転
を、伝動ギヤ14,14を介して可変抵抗15に伝動可能に構
成してある。伝動ギヤー14,14はセットネジ16,16により
それぞれの軸に取着してある。

又、操作軸13には中立位置復帰装置17を設け、アクセ
ルレバー12から手を放すと該アクセルレバー12が中立位
置に復帰すべく構成してある。

18は前進側ストッパーであり、取付ベース11に取着の
取付板19に進退自在に螺合させてあり、操作軸13に取着
のカム体20の前進操作方向（イ）への回動範囲を規制す
る。同じく21は後進側ストッパーであり、操作軸13の後
進方向（ロ）への回動範囲を規制する。

又、22は変速スイッチであり高速、中速、低速の指令
信号を制御装置のCPU23へ入力する。

24はホーンスイッチであり指令信号をCPU23へ入力し
た後、ホーン25へ出力させる。26は電源スイッチであ
り、CPU23を起動させるものである。

可変抵抗15は、その調節範囲の略中間位置が操作軸13
の中立位置に対応すべく伝動ギヤ14,14を介して連結し
てあり、その出力電圧を速度指令信号としてA/D変換器
を介してCPU23へ入力させてある。

36は温度センサであり、制御部の駆動トランジスタ付
近の温度を検出し、A/D変換器を介してCPU23へ入力し、
温度上昇時にモータ駆動電流を制限し、モータ３及び制
御部を保護すべく構成してある。

モータ３は前後進切替リレー27を介して電源に接続さ
れ、又、該前後進切替リレー27は、可変抵抗15からの出
力をCPU23で判断して切替え可能に構成してある。

28はモータ駆動トランジスタであって、可変抵抗15か
らの速度指令信号に応じ、CPU23を介しモータ駆動回路2
9へ通電可能に構成してある。

該モータ駆動回路29中には電流検出器30を設けてモータ
駆動電流を検出し、A/ Ｄ変換器を介してCPU23に入力
し、負荷状態を検出して通電率（デューティ比）の制御
等に利用する。

31は回転数検出装置であって、具体的にはモータ３へ
の駆動パルスオフ時にモータ３の惰性回転によって生じ
る起電力を測定し、A/D変換器を介してCPU23へ入力し走
行実速度を検出する。

32は負作動の電磁ブレーキであって走行中は通電によ
り制動を解除し、停止中はバネ力により復帰してモータ
軸に制動力を付与する。

バッテリ残量表示装置33,33は５連のLEDからなり、バ
ッテリ電圧検出装置34からの出力をCPU23により演算処
理し残量に応じた数のLEDを点灯させる。

切替スイッチ35は変速スイッチ22とホーンスイッチ24
と電源スイッチ26とからなり、第１図のフローチャート
で示す如く、変速スイッチ22を中速に設定し、かつ、ホ
ーンスイッチ24を押した状態で電源スイッチ26をオンす
るとCPU23起動時のみ設定速度表示モードへ切替えられ
る。尚、通常の始動時、即ち、切替スイッチ35を操作し
ない場合は走行モードへ切替りその回路を循環する為、
バッテリ残量の表示を行う。又、設定速度表示モードか
ら走行モードへの復帰は、電源スイッチ26を一度オフし
てリセットした後、通常の起動操作を行えばよい。

この設定速度表示モードにあっては、可変抵抗15から
の速度指令信号がCPU23内で基準値と比較され、その比
較結果が表示装置33,33へ出力される。

更に、具体的に説明すると、第２図に示す如く可変抵
抗15の出力設定範囲は中間位置から±一定範囲をニュー
トラル（Ｎ）にこの一端から＋側一定範囲を前進速度調
節範囲（Ｆ）に、更に＋側一定範囲を前進最高速度維持
範囲（FM）に設定し、又、ニュートラル範囲の他端から
−側一定範囲を後進速度調節範囲（Ｒ）に、更に−側一
定範囲を後進最高速度維持範囲（RM）に設定してある。

又、該設定速度表示モードにあっては、可変抵抗15か
らの速度指令信号がニュートラル範囲（Ｎ）の場合は、
その出力がCPU23内で基準値と比較演算され、５連のLED
表示装置33,33のうち中央のLED表示装置33へ出力されて
点灯表示され、又、前進最高速度維持範囲（FM）内の場
合は同様に右端のLED表示装置33へ、更に後進最高速度
維持範囲（RM）内の場合は左端のLED表示装置33へ出力
されて点灯される。

従って、操作部の組付や調整時にあっては、この設定
速度表示モードに切替えると、まず、アクセルレバー12
がニュートラル状態にあるか否かが、表示装置33,33に
よって一目瞭然に把握でき、ニュートラル範囲（Ｎ）外
にある場合は、セットネジ16,16を緩めて伝動ギヤー14,
14の噛合状態を変更することにより、可変抵抗15の出力
を調節する。

次にアクセルレバー12を前進方向（イ）、又は後進方
向（ロ）へ最大角度操作し、その状態でのLED表示装置3
3,33を目視することにより、それぞれの最高速度維持範
囲内に設定されているか否かが把握でき、その範囲外で
あれば、前進側ストッパー18若しくは後進側ストッパー
21を回して取付板19,19に対し進退させアクセルレバー1
2の操作角度範囲を調節する。

尚、設定範囲外の可変抵抗15からの出力もLED表示装
置33,33へ表示させれば、可変抵抗15の出力変化が容易
に理解できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものであって、第１図はフ
ローチャート、第２図は可変抵抗15の出力設定範囲を示
す図であり、第３図は表示装置33の表示状態を示す図、
第４図は電動車の全体斜視図、第５図は操作部の分解斜
視図、第６図は制御ブロック図である。図中、符号12はアクセルレバー、15は可変抵抗、３はモ
ータ、33は表示装置、35は切替スイッチ、Ｎはニュート
ラル範囲、Ｆは前進速度調節範囲、F,Mは前進最高速度
維持範囲、Ｒは後進速度調節範囲、R,Mは後進最高速度
維持範囲を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】（イ）．アクセルレバー12の操作により可
変抵抗15からの出力電圧を変更調節し、該出力電圧を速
度指令信号としてモータ３への通電量を制御するモータ
駆動制御手段と、（ロ）．アクセルレバー12と可変抵抗15との間の連結位
置を調節しアクセルレバー12のニュートラル位置を設定
するニュートラル位置設定手段、（ハ）．又は、及び（ニ）．アクセルレバー12の回動可能範囲を調節して最
高速度を設定する最高速度設定手段と、（ホ）．バッテリ電圧を検出し該検出電圧を複数の表示
装置33,33の点灯により表示するバッテリ残量表示手段
と、（ヘ）．ニュートラル位置設定時、又は、最高速度設定
時に切替スイッチ35の操作により、表示装置33,33への
バッテリー電圧出力に切り替えて、速度指令信号と基準
値との比較結果を出力して点灯表示する設定速度表示手
段とを設けてなる、（ト）．電動車における速度設定装置。