JPH0876297A

JPH0876297A - 立体視写真シート

Info

Publication number: JPH0876297A
Application number: JP21339094A
Authority: JP
Inventors: Kazumi Koike; 和己小池
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1994-09-07
Filing date: 1994-09-07
Publication date: 1996-03-22

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単でローコストに強度、耐久性を高めたレ
ンチキュラー方式による立体視写真シートを提供する。【構成】立体視写真シート２は、レンチキュラーシー
ト３に感光乳剤５を塗布した立体視印画シート１、及び
保護シート８からなっている。レンチキュラーシート３
背面の周囲に幅１．５ｍｍ以上の貼付領域７を設け、立
体視印画シート１背面全体を覆う白色の保護シート８を
粘着部９で貼付することにより、レンチキュラーシート
３の背面に塗布された感光乳剤５に直接接着せずに、立
体視印画シート１の背面全体を保護シート８で覆う。こ
れにより、既に貼付してある立体視プリント写真２を貼
り替える際にも、感光乳剤５に直接引っ張り力が掛かる
ことがなくなり、感光乳剤５が確実に保護され、立体視
プリント写真２の強度、耐久性が格段に良好になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、両眼視差を利用して被
写体のもつ立体感を再現する立体視写真シートに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】被写体のもつ立体感を再現する立体視写
真システムについては、これまで種々の方式が提案され
てきている。代表的なものは、ステレオビュアー方式、
ホログラフィー方式、及びレンチキュラー方式などであ
る。これらの内、ステレオビュアー方式は、視差のある
一組の画像を、一対の覗き窓、又はレンズを通して観察
することにより、立体視を実現するものであるが、観察
には常にステレオビュアーと呼ばれる一対の覗き窓、又
はレンズを有する専用の観察具が必要であり、また、覗
き窓、又はレンズを通して画像を覗き込む形で観察する
ため、視野が狭くなりやすく、広範囲にわたる立体視が
困難である。

【０００３】また、ホログラフィー方式は、被写体から
反射或いは透過してきた光波と参照波を重ね合わせて得
られる干渉縞を記録したホログラムを利用して立体視を
実現するものであるが、ホログラムの作成時にレーザー
光の照明が不可欠であるため、被写体の対象が制限さ
れ、また、再生画像のカラー化が困難である。

【０００４】これらに対してレンチキュラー方式は、複
眼のカメラ等を使用して、同一被写体に対して視差のあ
る複数の画像を写真フイルム上に原画として作成する。
そして、この視差のある複数の画像からなる１組の立体
視写真用の原画を基にして、表面にレンチキュラーレン
ズを多数形成したレンチキュラーシートの表面に感光材
料を設けた立体視印画シートに、この原画をレンチキュ
ールを通してプリントして、立体視写真シートを得るも
のである。

【０００５】このようなレンチキュラー方式の立体視写
真システムは、ステレオビュアー方式のように観察に際
して専用の立体視観察具などは一切必要なく、また、ホ
ログラフィー方式のように被写体撮影の際のレーザー光
の必要性もなく、再生画像のカラー化も極めて容易であ
る等、多くの利点を有する。従って、レンチキュラー方
式の立体視写真システムは、観光地での立体感溢れる絵
はがきや、雑誌の効果的な表紙等、広く一般に利用され
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たレンチキュラー方式の立体視写真システムによる立体
視写真シートは、レンチキュラーシートの平坦面に感光
乳剤を直接塗布したものであるため、乳剤が傷つきやす
いという欠点があった。このため、乳剤の裏面に白色塗
料を塗布するなどして乳剤面を保護しているものもある
が、この場合でも一度アルバム等に立体視写真シートを
貼付した後に剥がした場合、乳剤面を保護している白色
塗料と共に乳剤が剥がれてしまうなど、プリント写真自
体の強度に大きな問題があった。

【０００７】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたもので、簡単でローコストに強度、耐久
性を高めたレンチキュラー方式による立体視写真シート
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、レンチキュラーシート背面の周囲に感光乳剤
を一定幅塗布しない貼付領域を設け、感光乳剤を挟むよ
うにこの貼付領域にレンチキュラーシート背面全体を覆
う保護シートを貼付したものである。

【０００９】また、請求項２においては、レンチキュラ
ーシートの背面全体に塗布された感光乳剤の周辺部分を
一定幅除去して貼付領域を設け、感光乳剤を挟むように
この貼付領域にレンチキュラーシート背面全体を覆う保
護シートを貼付したものである。請求項３においては、
この貼付領域の幅を１．５ｍｍ以上にしたものであり、
請求項４においては、この保護シートに白色のものを用
いたものである。

【００１０】

【作用】レンチキュラーシート背面の周囲に幅１．５ｍ
ｍ以上の貼付領域を設け、レンチキュラーシート背面全
体を覆う白色の保護シートを貼付することにより、感光
乳剤に直接接着せずにレンチキュラーシート背面全体が
保護シートで覆われることになり、既にアルバムに貼付
されている立体視写真シートを別なアルバムに貼り替え
るなどの繰り返し剥離においても、感光乳剤に直接引っ
張り力が掛かることがなくなり、感光乳剤が確実に保護
され、立体視写真シートの強度、耐久性が格段に良好に
なる。

【００１１】

【実施例】本発明の立体視写真シートを示す図１におい
て、立体視写真シート２は、レンチキュラーシート３、
感光乳剤５、及び保護シート８から構成されている。レ
ンチキュラーシート３の表面には、多数のレンチキュラ
ーレンズ４が形成されている。レンチキュラーレンズ４
は、通常、その１つ１つが識別困難な程、微細な蒲鉾型
のレンズであり、観察者の右目用画像と左目用画像とを
分離することにより、どのような補助観察装置を使わず
とも、容易に画像を立体視することができる。このレン
チキュラーシート３は、ポリカーボネート、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、アク
リル等の樹脂材で作られている。

【００１２】レンチキュラーシート３の裏面には、図２
に示すように感光乳剤５が均一に塗布され、立体視印画
シート１を構成している。この感光乳剤５は、通常のプ
リント写真の印画紙に使用される感光乳剤と同様のもの
である。感光乳剤５は、レンチキュラーシート３裏面の
周辺部を除いた、図１の感光乳剤塗布範囲６に塗布され
る。また、この感光乳剤５を塗布しない貼付領域７は、
幅が１．５ｍｍになっており、後述する保護シート８の
粘着部９が貼着される。

【００１３】感光乳剤５の背面は保護シート８で覆われ
る。保護シート８は、両面をビニルコートした白色のＷ
Ｐペーパー（商品名）であり、周囲に粘着剤を１．５ｍ
ｍ幅で薄く塗布した粘着部９が形成されている。そし
て、画像を立体視印画シート１の感光乳剤５に焼き付
け、定着処理を行った後に、レンチキュラーシート３の
貼付領域７と、この保護シート８の粘着部９が貼り合わ
されることにより、保護シート８が感光乳剤５に接着す
ることなく、立体視印画シート１の背面全体を掩覆す
る。

【００１４】次に、このような構成の本発明の作用につ
いて説明する。本発明の立体視写真シート２に使用され
る原画のフイルムは、例えば図３に示すような３眼の立
体カメラ１１で被写体を撮影することにより作成され
る。この立体カメラ１１には、撮影レンズ１２ａ、１２
ｂ、１２ｃが配列されている。撮影レンズ１２ａ、１２
ｂ、１２ｃは、被写体に対して互いに視差が生じるよう
に配置されている。例えば、撮影レンズ１２ｂが、ある
被写体を正面から捉えているとすれば、撮影レンズ１２
ａは被写体に向かって右側から、撮影レンズ１２ｃは被
写体に向かって左側から被写体を各々捉えることにな
る。

【００１５】そして、一回のシャッタレリーズ操作によ
り、各々の撮影レンズ１２ａ、１２ｂ、１２ｃに対応し
たシャッタ（図示せず）が一斉に開閉し、撮影レンズ１
２ａ、１２ｂ、１２ｃは同一被写体から各々視差をもっ
た撮影光束を取り込み、図４に示す写真フイルム１３上
に各々の撮影レンズ１２ａ、１２ｂ、１２ｃから取り込
まれた撮影画像１４ａ、１４ｂ、１４ｃが並列して結像
される。

【００１６】そして、各々視差をもった３つの撮影画像
１４ａ、１４ｂ、１４ｃが記録された写真フイルム１３
を現像し、撮影画像１４ａ、１４ｂ、１４ｃからなる１
組の原画１５を作成する。

【００１７】次に、この原画１５を焼き付け機にセット
し、３つの光源１６ａ、１６ｂ、１６ｃの光軸方向に立
体視印画シート１をセットする。光源１６を点灯させ原
画１５を照明すると、撮影画像１４ａ、１４ｂ、１４ｃ
が、各々焼き付けレンズ１７ａ、１７ｂ、１７ｃを介し
てレンチキュラーレンズ４の１つ１つに対応してスリッ
ト状の画像として感光乳剤５に結像する。そして、この
レンチキュラーレンズ４に対応して結像した多数の微細
な線条画像１８を現像、定着させる。

【００１８】立体視印画シート１の現像、定着が完了す
ると、レンチキュラーシート３の背面に保護シート８を
貼付する。保護シート８の周囲に設けられた幅１．５ｍ
ｍの粘着部９を、レンチキュラーシート３の貼付領域７
にずれないように位置合わせして貼り合わせる。

【００１９】このようにして得られた立体視写真シート
２は、レンチキュラーシート３の周辺の貼付領域７だけ
が保護シート８と接着し、感光乳剤５の背面は保護シー
ト８と接着していない状態でレンチキュラーシート３の
背面全体が保護シート８で覆われることになるので、一
旦アルバムに貼付された立体視写真シート２を別なアル
バムに貼り替える等の繰り返し剥離においても、感光乳
剤５に直接引っ張り力が掛かることがなくなり、感光乳
剤５がレンチキュラーシート３から剥がれたり、傷つい
たりすることを確実に防止できる。

【００２０】なお、上述した実施例では、立体視写真シ
ートの感光乳剤は予め貼付領域を除いてレンチキュラー
シートに塗布されているが、他の実施例として、背面全
体に感光乳剤が塗布された立体視印画シートを使用して
被写体の原画を現像、定着後に、保護シートの粘着部が
当接する部分だけ感光乳剤を除去して貼付領域を確保
し、立体視印画シートと保護シートとを貼り合わせて
も、もちろん作用、効果は全く同じであり同様に実施で
きる。

【００２１】また、図５に示すように、背面に貼付領域
２３を除いて塗布された感光乳剤２４に、さらに白色の
保護塗料２５を塗布したレンチキュラーシート２２を用
いて被写体の原画を現像、定着し、レンチキュラーシー
ト２２の貼付領域２３と保護シート２６の粘着部２７を
貼り合わせてもよい。この場合、感光乳剤にさらに保護
塗料が塗布されるので、より一層、立体視写真シートの
感光乳剤の保護が確実になる。

【００２２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の立体視
写真シートによれば、レンチキュラーシート背面に貼付
領域を設け、レンチキュラーシート背面全体を覆う白色
の保護シートを貼付することにより、立体視写真シート
の繰り返し剥離においても、感光乳剤に直接引っ張り力
が掛かることがなくなり、感光乳剤を確実に保護でき、
立体視写真シートの強度、耐久性を向上させることが可
能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の立体視写真シートの分解斜視図であ
る。

【図２】図１の側面の一部を示す説明図である。

【図３】本発明の立体視写真シートの被写体撮影に使用
される立体カメラの一例を示す外観斜視図である。

【図４】本発明の立体視写真シートの焼き付けの様子を
示す説明図である。

【図５】他の実施例を示す説明図である。

【符号の説明】

１立体視印画シート２立体視写真シート３レンチキュラーシート５感光乳剤７貼付領域８保護シート９粘着部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】並列させた複数のレンズにより、少なく
とも水平方向で視差のある複数の画像を写真フイルム上
に記録し、この写真フイルムを現像処理して作成する１
組の立体視写真用の原画を、レンチキュラーシートの背
面に感光乳剤が塗布された立体視印画シートに焼き付け
た立体視写真シートにおいて、前記レンチキュラーシート背面の周囲に感光乳剤を一定
幅塗布しない貼付領域を設け、前記感光乳剤を挟むよう
にこの貼付領域に前記レンチキュラーシート背面全体を
覆う保護シートを貼付したことを特徴とする立体視写真
シート。
【請求項２】並列させた複数のレンズにより、少なく
とも水平方向で視差のある複数の画像を写真フイルム上
に記録し、この写真フイルムを現像処理して作成する１
組の立体視写真用の原画を、レンチキュラーシートの背
面全体に感光乳剤が塗布された立体視印画シートに焼き
付けた立体視写真シートにおいて、前記立体視印画シートに前記原画を焼き付けた後に、レ
ンチキュラーシートの背面全体に塗布された感光乳剤の
周辺部分を一定幅除去して貼付領域を設け、前記感光乳
剤を挟むようにこの貼付領域に前記レンチキュラーシー
ト背面全体を覆う保護シートを貼付したことを特徴とす
る立体視写真シート。
【請求項３】前記貼付領域の幅は１．５ｍｍ以上であ
ることを特徴とする請求項１ないし２記載の立体視写真
シート。
【請求項４】前記保護シートは、白色であることを特
徴とする請求項１ないし２記載の立体視写真シート。