JPH0875887A - 原子炉の炉心デブリ冷却装置 - Google Patents

原子炉の炉心デブリ冷却装置

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JPH0875887A
JPH0875887A JP6236003A JP23600394A JPH0875887A JP H0875887 A JPH0875887 A JP H0875887A JP 6236003 A JP6236003 A JP 6236003A JP 23600394 A JP23600394 A JP 23600394A JP H0875887 A JPH0875887 A JP H0875887A
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉の炉心が損傷崩壊し、デブリが原子炉
圧力容器内下部に落下した際に、従来、原子炉圧力容器
が破損し、その下部から原子炉格納容器底部上にデブリ
が落下するおそれがあったので、原子炉圧力容器が破損
する前に冷却し、これを防止する。 【構成】 原子炉圧力容器3の外壁を覆う保温材15
に、原子炉圧力容器3内の底部に落下したデブリ15か
らの熱伝導及び熱放射により開放される複数の熱開放ブ
ロック状保温材25と、保温材15の内側と外側との圧
力差で開放される複数の圧開放ブロック状保温材26と
を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の炉心が損傷崩
壊し、これが炉内構造物に溶融混合して形成されるデブ
リの冷却装置に係り、特にデブリが原子炉圧力容器内下
部に落下した際に、原子炉圧力容器下部外壁表面に確実
に冷却水を供給し、原子炉圧力容器外壁表面で発生した
蒸気を確実に原子炉圧力容器保温材の外部に放出するこ
とができる原子炉の炉心デブリ冷却装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所の設計を行う際には、設計
上の想定事故を超える事象として、炉心の損傷をも仮定
した苛酷事故対策についても検討される。この苛酷事故
対策の一つとして、従来、原子炉圧力容器下部が破損し
た後の原子炉格納容器内に落下した際の炉心デブリ冷却
装置が提案されている。ここでデブリとは、原子炉の炉
心が損傷崩壊し、これが炉内構造物に溶融混合して形成
される高温の溶融物のことである。このデブリは、原子
炉圧力容器内での冷却が十分でない場合に、原子炉圧力
容器下部を過温破損させ、原子炉圧力容器下部から原子
炉格納容器底部上に落下するおそれがある。
【0003】ところで、炉心の損傷崩壊の仮定そのもの
が新しい課題である。したがって、落下したデブリの冷
却に関しては、各国でその挙動を含め様々な研究が進め
られている段階であり、確立した先行技術といえるもの
は未だ存在せず、様々な研究を通してその課題が整理さ
れている段階である。したがって、現在までの知見に基
づき、炉心が損傷した場合の事象の概要を、図7に示す
加圧水型原子力発電所を例にして説明する。
【0004】図7において、符号1は燃料取替用水ピッ
ト2を内包する原子炉格納容器であり、この原子炉格納
容器1内には、炉心4を格納する原子炉圧力容器3が収
納されている。この原子炉格納容器1は、上部コンパー
トメント8および下部コンパートメント9と、原子炉圧
力容器3の下部に位置する原子炉キャビティ6と、燃料
取替ピット2および格納容器スプレイ10とから構成さ
れる原子炉格納容器となっている。原子炉格納容器3
は、一次冷却材配管11により蒸気発生器12、一次冷
却ポンプ13および加圧器14に接続され、炉心4で加
熱された一次冷却材は原子炉圧力容器3から一次冷却材
配管11を経て蒸気発生器12へ輸送され、そこで蒸気
発生器の伝熱管を介して2次冷却材に熱交換する。そし
て蒸気発生器で冷却された1次冷却材は1次冷却材ポン
プ13により水頭が付与され、再び原子炉圧力容器3に
供給される。原子炉圧力容器3ならびに1次冷却材配管
11、蒸気発生器12、1次冷却材ポンプ13および加
圧器14は保温材15で覆われている。但しこの図では
原子炉圧力容器3の下部以外の保温材およびループの配
管、機器の一部を省略している。
【0005】以上の構成において、炉心4が損傷し、崩
壊すると、炉心4の冷却形状が維持されないことから、
炉心4は炉内構造物とともに溶融混合し、高温の溶融物
であるデブリ5となって、原子炉圧力容器3の底部に落
下し始める。このとき、図示しない設備により、1次系
内への冷却水の注水が再開されれば、米国のスリーマイ
ルアイランドの原発事故のように、デブリ5は原子炉圧
力容器3の底部に溜まって、そのまま冷却される可能性
がある。
【0006】ところが、デブリの量が多い場合や、この
時点でも1次系内への冷却水の注水が不可能な場合に
は、デブリ5は原子炉圧力容器3の底部を破損せしめ、
やがては、原子炉圧力容器3の底部から原子炉格納容器
1の底部へと落下し始めることになる。そして、デブリ
5が原子炉格納容器1の底部に落下すると、原子炉格納
容器1の底部を形成しているコンクリート7との化学反
応(コア・コンクリート反応)により、エアロゾル状の
放射性物質(FP等)、一酸化炭素あるいは水素が多量
に発生する。この発生したガスによる内圧上昇ないしは
ガスの爆発により、原子炉格納容器1が加圧破損し、大
量のエアロゾル状の放射性物質を含むガスが、大気中に
放出されるといった最悪の事態に至るおそれがある。
【0007】このような事態に至る可能性は、加圧水型
原子力発電所に限らず、図8に示す沸騰水型原子力発電
所にも同様である。なお図7において、符号18は基礎
コンクリート、19はサプレッションプール、20は上
部格納容器プール、21はドライウエル、22はウエッ
トウエル、23は原子炉圧力容器である。
【0008】ところで、デブリ5が原子炉圧力容器1の
底部に落下した段階において、何等かの方法でデブリ5
の冷却が可能であれば、外部への大量の放射性物質の放
出といった、最悪の事態は避けることができるものと期
待される。従来から提案されている冷却装置は、図7に
て原子炉圧力容器3が破損し原子炉キャビティ部6に落
下したあとのデブリを冷却するもので、デブリが落下す
る原子炉キャビティ部6に冷却水を導入するために、既
存のプール2と原子炉キャビティ部6とを連通するプー
ル水導入口16を設け、かつ通常時には、プール水の導
入を防止するために、プール水導入入口の出口に遠隔操
作弁17を配置した構造や、もともとデブリ捕獲、冷却
を目的としたコアーキャッチャー等の専用の設備が考え
られている。
【0009】また、ほとんどの加圧水型原子炉では、上
部コンパートメント8と原子炉キャビティ6の間には、
間隔が設けられており、事故時に燃料取替用水ピット2
ないしは原子炉格納容器外のタンクを水源とする格納容
器スプレイ10が作動した際に、スプレイ水の一部は、
この間隙を通過して原子炉キャビティ6に蓄水し、原子
炉圧力容器3の下部領域を冠水する構造となっており、
この場合にも原子炉圧力容器破損後のデブリ冷却は達成
される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の原子炉格納
容器底部での炉心デブリ冷却装置においては、原子炉圧
力容器が破損し原子炉格納容器底部に落下した後にデブ
リを冷却するもので、原子炉圧力容器外に大量の放射性
物質を放出することになるだけでなく、デブリ落下時の
冷却水との直接接触による蒸気爆発の恐れ、および冷却
水と接触するデブリ表面は見かけ上冷却されても、デブ
リの量、形状によってはデブリ下部は冷却されずコア・
コンクリート反応が継続する恐れもある。
【0011】そこで、米国等において、原子炉圧力容器
が破損する前に、原子炉圧力容器底部に落下したデブリ
を冷却することの可能性について研究が行われている。
しかしながら、一般に原子炉圧力容器は運転時の放熱に
よるロスを防ぐために保温材により覆われており、上記
デブリ冷却を阻害する要因となっている。
【0012】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、デブリが原子炉圧力容器の底部に落下した段
階で、原子炉圧力容器の保温材を通過して原子炉圧力容
器外壁表面に、大量の冷却水を効果的に導入することが
できる原子炉の炉心デブリ冷却装置を提供することを目
的とする。なお、本発明は、従来の技術により原子炉キ
ャビティは既に給水されていることを前提としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子炉格納容
器に収容された原子炉圧力容器下方に存在する原子炉キ
ャビティへの冷却水供給手段を有するものにおいて、前
記原子炉圧力容器の外壁を覆う保温材には、原子炉圧力
容器内の底部に落下したデブリからの熱伝導及び熱放射
により開放される複数の熱開放ブロック状保温材と、保
温材の内側と外側との圧力差で開放される複数の圧開放
ブロック状保温材とが配設されていることを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の前記熱開放ブロック状保温
材の上側には、隣接する保温材と係合する接続部が、下
側には、外方に向かって下向きに傾斜した滑り面が、そ
れぞれ配設されていることを特徴とする。
【0015】また、本発明の前記接続部は、上側に隣接
する保温材とのオーバラップ部が低融点のろう付けで固
定された構造であることを特徴とする。
【0016】また、本発明の前記接続部は、上側に隣接
する保温材にバックル止めがね部が係止され、前記保温
材を貫通する止め軸が低融点ろう付けで固定された構造
であることを特徴とする。
【0017】また、本発明の前記圧開放ブロック状保温
材は、一辺に蝶番が取り付けられ、他の辺は水溶性の
糊,テープ等のシールで密封されていることを特徴とす
る。
【0018】また、本発明の前記圧開放ブロック状保温
材は、各辺にストッパーである突起物が設けられると共
に、水溶性の糊,テープ等のシールで密封されているこ
とを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明に係る原子炉の炉心デブリ冷却装置にお
いて、炉心領域から原子炉圧力容器の底部に落下してき
た炉心溶融デブリは、原子炉圧力容器の底部を加熱し、
原子炉圧力容器の底部外壁表面は高温状態となる。この
とき原子炉圧力容器の底部外壁表面にあらかじめ接触な
いしは近接して設置された熱開放ブロック状保温材上側
の接続部の低融点のろう付けを熱伝導ないしは熱放射に
よりとかすので、前記熱開放ブロック状保温材は下側の
滑り面にそって外方に開放され、保温材の一部あるいは
大部分は除去される。その結果、保温材の外部に滞留し
ていた冷却水は保温材が除去された領域を通って原子炉
圧力容器外壁表面に導入され、一方、原子炉圧力容器外
壁表面で加熱発生した蒸気はやはり保温材が除去された
領域を通って保温材外部に導出されることにより、原子
炉圧力容器外壁表面は良好に冷却される。
【0020】また原子炉圧力容器の底部外壁表面から離
れた場所で、デブリによる加熱効果を期待できないよう
な保温材については、水頭圧ないしは原子炉圧力容器外
壁表面での冷却水との接触による激しい気泡の発生、消
滅の繰り返しにともなう動圧により開放される複数の圧
開放ブロック状保温材が通常時閉の状態で配設されてい
るが、これが開放されることにより、保温材の内側と外
側との冷却水と蒸気の流通は促進され、原子炉圧力容器
外壁表面は良好に冷却される。
【0021】
【実施例】以下、添付図に基づいて本発明の実施例を詳
細に説明する。図1は原子炉圧力容器下部領域の拡大図
である。図2は、本発明に係る原子炉の炉心デブリ冷却
装置の第1実施例を示すもので、図中符号25は原子炉
圧力容器3を覆う保温材15の一部を構成する熱開放ブ
ロック状保温材である。保温材15の全体構成は、一般
に矩形のパーツをネジ、リベット、バックルあるいはバ
ンド方式により接続、組み合わせたものである。本実施
例は、この原子炉圧力容器下部領域の保温材15の一部
を開放可能として、複数の熱開放ブロック状保温材25
とし、この熱開放ブロック状保温材25を図2の
(a),(b)に示すように原子炉圧力壁側の上側の接
続部であるオーバーラップ部27のみを低融点のろうを
用いてろう付けして固定し、かつ下端は、符号28に示
すような角度を持たせた形状の滑り面として、上部接続
部のろうが溶融し離脱した際に、自重により符号25の
保温材が容易に落下するようにしたものである。
【0022】また、図3は本発明の第2実施例を示すも
ので、前記第1実施例におけるオーバーラップ部27に
代え、バックル止めがね部29の端の止め軸30を保温
材の原子炉圧力容器3側にろう付けしたものである。な
お、その他の点については、前記第1実施例と同一構成
となっている。以上の構成において、保温材を固定して
いるバックル止めがね部29の止め軸30の低融点のろ
う付け部分は加熱され、原子炉圧力容器下部がクリーブ
破損する前に、ろう付けは溶融し、バックル29は外
れ、この保温材25は離脱、落下する。その結果、前記
第1実施例と同様に保温材15に開口部が形成される。
【0023】このような熱開放ブロック状保温材25を
図1に示すように、ろう付け部分が原子炉圧力容器3の
外壁表面に接触ないしは近接させて設置し、原子炉圧力
容器3が高温となった場合にこのろう付け部が溶融し、
固定されていた保温材25は離脱、落下し、保温材15
に開口部が形成される。このような熱開放ブロック状保
温材25を複数設置する。
【0024】図4は、本発明の第3実施例の圧開放ブロ
ック状保温材26を示すもので、前記第1実施例におけ
るオーバーラップ部27のろう付けに代え、蝶番31を
設けたもので、僅かな保温材の内側と外側との圧力差で
開放される。ただし、通常時は、閉状態を維持するため
に、蝶番31部分を除く周辺部32は水溶性の糊、テー
プ等によって密封し、同時に保温機能を維持する。
【0025】また、図5は、本発明の第4実施例の圧開
放ブロック状保温材26を示すもので、前記第1実施例
におけるオーバーラップ部27のろう付けに代え、スト
ッパーである突起物33を設けたもので、僅かな保温材
の内側と外側との圧力差で開放される。ただし、通常時
は、密閉状態を維持するために、周辺部34を水溶性の
糊、テープ等によって密封し、保温機能を高めることも
可能である。
【0026】以上の構成において、原子炉圧力容器の底
部外壁表面から離れた場所で、デブリによる加熱効果を
期待できないような保温材についても、水頭圧ないしは
原子炉圧力容器外壁表面での激しい気泡の発生、消滅の
繰り返しにともなう動圧により開閉可能となり、前記第
1実施例と同様に保温材の内側と外側との冷却水と蒸気
の流通は促進され、原子炉圧力容器外壁表面は良好に冷
却される。
【0027】図6は、本発明の第5実施例を示すもの
で、前記第1実施例の熱開放ブロック状保温材25に代
えて、原子炉圧力容器外周部に熱膨張率の小さい材質、
例えばセラミックからなる止めがねリング34および3
5を図のように組み合わせ、リング34は上部の保温材
36に固定し、リング35は下部保温材37に固定する
ことにより、上部と下部とを独立させ、かつこの2つの
リングを介して上部保温材により下部保温材を支えるこ
とを可能としたものである。このようなリングを原子炉
圧力容器下部領域に接触ないしは近接して設置すること
により、炉心溶融事故時に原子炉圧力容器下部に堆積し
たデブリからの加熱による周方向への原子炉圧力容器外
壁の熱膨張によるリング34,35の破壊により、下部
の保温材37の全体が自重により容易に原子炉キャビテ
ィ下部に落下するようにしたものである。なお、前記各
実施例においては、燃料取替用水ピットを原子炉格納容
器内に設置した場合について説明したが、燃料取替用水
ピットを原子炉格納容器外に設置したプラントの場合
や、図8に示すような構造の沸騰水型原子炉にも、同様
に適用することができる。
【0028】また、本発明は、前記各実施例に限定され
るものではなく、オーバーラップ部27及びバックル止
めがね部29の止め軸30のろう付けに代えて、形状記
憶合金による止めがね等を用いるようにすることもで
き、また蝶番31に代えて、符号32と同様に周辺部全
体を水溶性の糊、テープ等で固定あるいは、単に脱着可
能なよう設置しておき、事故時に原子炉キャビティに給
水が行われた際、あるいは更に蒸気発生時の負荷が加わ
ることにより確実に開放可能とすることもでき、種々の
変更ないし組み合わせが可能である。
【0029】次に本実施例の作動について説明する。原
子炉圧力容器3内に格納されている炉心が損傷し、溶融
すると原子炉圧力容器3の底部に落下しデブリ5となっ
て堆積する。すると、デブリ5内で発生する崩壊熱によ
り原子炉圧力容器3の下部は加熱され、原子炉圧力容器
の内壁はもとより外壁表面も高温状態となる。そのた
め、熱伝導ないしは放射伝熱により、熱開放ブロック状
保温材25を固定している接続部の低融点(例えば50
0〜600℃)のろう付け部分は加熱され、原子炉圧力
容器3の下部がクリープ破損(1000℃を越えると破
損のリスクが高くなる)する前に、ろう付けは外れ、こ
の保温材25は離脱、落下する。この保温材の開口部よ
り原子炉キャビティ6に予め蓄積されている冷却水は水
頭圧により原子炉容器下部領域24に流入し、原子炉容
器下部外壁表面は冷却される。そのため原子炉圧力容器
3の底部に堆積したデブリ5も冷却される。
【0030】また、原子炉圧力容器3の底部外壁面から
離れた場所で、デブリ5による加熱効果を期待できない
ような場所には、水頭圧ないしは原子炉圧力容器3外壁
表面での冷却水との接触による激しい気泡の発生、消滅
の繰り返しによる動圧により、複数の圧開放ブロック状
保温材26が開放されるので、保温材の内側と外側との
冷却水と蒸気の流通は促進され、原子炉圧力容器3の外
壁表面は良好に冷却される。
【0031】従って、原子炉圧力容器壁がさらに加熱す
るのを防止し、原子炉キャビティ6への給水が継続され
る限り、原子炉圧力容器下部は冷却され原子炉圧力容器
3の破損は防止される。これにより、デブリの原子炉圧
力容器外への飛散ないしは放出が防止され、放射性物質
による原子炉格納容器内汚染、蒸気爆発およびコア・コ
ンクリート反応の発生を防止することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、デブリが
原子炉圧力容器下部に溶融落下した状態で、原子炉圧力
容器外壁の温度上昇、それによる外壁の熱膨張ないしは
原子炉キャビティへの給水を自動的に感知して、原子炉
圧力容器の保温材の一部ないしは全てを除去ないしは開
放可能とし、原子炉圧力容器外壁を直接冷却するための
冷却水導入および発生蒸気放出の十分な流路を確保する
ことにより、原子炉圧力容器の破損ならびに原子炉格納
容器内への放射性物質の大量拡散およびデブリとコンク
リートとの直接接触が防止されるので、コア・コンクリ
ート反応の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉の炉心デブリ冷却装置を示
す説明図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す熱開放ブロック状保
温材の図で、(a)は縦断面図を、(b)は斜視図をそ
れぞれ表わす。
【図3】本発明の第2実施例を示す熱開放ブロック状保
温材の縦断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す圧開放ブロック状保
温材の斜視図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す圧開放ブロック状保
温材の斜視図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す保温材熱開放部の断
面図である。
【図7】加圧水型原子力発電所におけるデブリの発生状
態を示す説明図である。
【図8】沸騰水型原子力発電所におけるデブリの発生状
態わ示す説明図である。
【符号の説明】
1 原子炉格納容器 3,23 原子炉圧力容器 5 デブリ 6 原子炉キャビティ 15 保温材 25 熱開放ブロック状保温材 26 圧開放ブロック状保温材 27 オーバラップ部 28 滑り面 29 バックル止めがね部 30 止め軸 31 蝶番 33 突起物 34 上部保温材止めがね 35 下部保温材止めがね 36 上部保温材 37 下部保温材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉格納容器に収容された原子炉圧力
    容器下方に存在する原子炉キャビティへの冷却水供給手
    段を有するものにおいて、 前記原子炉圧力容器の外壁を覆う保温材には、原子炉圧
    力容器内の底部に落下したデブリからの熱伝導及び熱放
    射により開放される複数の熱開放ブロック状保温材と、
    保温材の内側と外側との圧力差で開放される複数の圧開
    放ブロック状保温材とが配設されていることを特徴とす
    る原子炉の炉心デブリ冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記熱開放ブロック状保温材の上側に
    は、隣接する保温材と係合する接続部が、下側には、外
    方に向かって下向きに傾斜した滑り面が、それぞれ配設
    されていることを特徴とする請求項1記載の原子炉の炉
    心デブリ冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記接続部は、上側に隣接する保温材と
    のオーバラップ部が低融点のろう付けで固定された構造
    であることを特徴とする請求項2記載の原子炉の炉心デ
    ブリ冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記接続部は、上側に隣接する保温材に
    バックル止めがね部が係止され、前記保温材を貫通する
    止め軸が低融点ろう付けで固定された構造であることを
    特徴とする請求項2記載の原子炉の炉心デブリ冷却装
    置。
  5. 【請求項5】 前記圧開放ブロック状保温材は、一辺に
    蝶番が取り付けられ、他の辺は水溶性の糊,テープ等の
    シールで密封されていることを特徴とする請求項1記載
    の原子炉の炉心デブリ冷却装置。
  6. 【請求項6】前記圧開放ブロック状保温材は、各辺にス
    トッパーである突起物が設けられると共に、水溶性の
    糊,テープ等のシールで密封されていることを特徴とす
    る請求項1記載の原子炉の炉心デブリ冷却装置。
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