JPH0873972A - 強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料およびその製造方法 - Google Patents

強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料およびその製造方法

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JPH0873972A
JPH0873972A JP20570694A JP20570694A JPH0873972A JP H0873972 A JPH0873972 A JP H0873972A JP 20570694 A JP20570694 A JP 20570694A JP 20570694 A JP20570694 A JP 20570694A JP H0873972 A JPH0873972 A JP H0873972A
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strength
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Yoshio Akimune
宗 淑 雄 秋
Katsuhiro Kishi
克 宏 岸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた軽量な複
合材料を提供する。 【構成】 アルミニウム合金4a中に、35重量%以上
45重量%以下の炭化ケイ素4bを含有し、熱伝導率が
150W/(m・K)以上、熱膨張率が10×10−6
/℃以上12×10−6/℃以下である強度,耐摩耗
性,熱伝導性に優れた複合材料(バルブシート4)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度,耐摩耗性,熱伝
導性等に優れていることが要求されるエンジン部品など
の素材として好適に利用される強度,耐摩耗性,熱伝導
性に優れたアルミニウム・セラミックス系の複合材料お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンバルブの弁座となるバル
ブシートは、耐摩耗性に優れていることが要求されるた
め、下記に例示するごとき種々の対策が考えられてきて
いる。
【0003】(1)バルブと接触するテーパー部をセラ
ミックス(窒化ケイ素,炭化ケイ素,サイアロンなど)
とすると共にテーパー部を形成するセラミックスリング
の外周側に金属リングを設けた構成としたもの(特開昭
62−191607号公報,特開昭62−107216
号公報,特開昭62−23512号公報)。
【0004】(2)バルブシートリングを用いず、バル
ブシート部をセラミックス繊維で強化すると共にセラミ
ックス繊維による繊維強化金属部分の表面を金属の被覆
層でコートしてバルブシート部の耐摩耗性を向上させる
構造としたもの(特開昭61−76742号公報,特開
昭61−76744号公報,特開昭61−87947号
公報,特開昭61−87948号公報)。
【0005】(3)硬質セラミックス粒子に無電解Ni
めっきを施した複合粒子を鉄系焼結材に分散させたバル
ブシートの構造としたもの(特開昭64−56850号
公報)。
【0006】(4)Fe基焼結合金の素地中に微細な酸
化アルミニウム硬質相を分散させたバルブシートの構造
としたもの(特開平4−128348号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のバルブシートの構造では、シート部の耐摩耗性向
上に目的がおかれており、熱伝導性に劣るセラミックス
を用いているため断熱作用が大きくなってエンジン気筒
内の温度が上昇し、エンジン出力の低下が生じてしまう
等の問題点があったことから、このような問題点を解消
することが課題としてあった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、セラミックスと金属との
複合化により、例えばエンジンバルブシートやエンジン
シリンダライナー等において必要としている耐摩耗性と
強度を合わせ持ち、かつまた熱伝導性に優れた材料を提
供することによって、前述した従来の問題を生じるのを
防止してエンジン等の性能を向上させることが可能であ
る強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる強度,耐
摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料は、請求項1に記載
しているように、アルミニウム合金中に、35重量%以
上45重量%以下の炭化ケイ素を含有し、熱伝導率が1
50W/(m・K)以上、熱膨張率が10×10−6
℃以上12×10−6/℃以下である構成としたことを
特徴としている。
【0010】そして、本発明に係わる強度,耐摩耗性,
熱伝導性に優れた複合材料の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、アルミニウム合金中に含有
する炭化ケイ素の粒子径が平均で12μm以上18μm
以下であるものとすることが可能であり、請求項3に記
載しているように、アルミニウム合金は鋳造用アルミニ
ウム合金とすることが可能であり、請求項4に記載して
いるように、アルミニウム合金は、Si:8〜11重量
%、Mg:4〜8重量%を基本成分として(その他例え
ばCu:5.0重量%以下、Ni:2.3重量%以下な
ど)含有し、残部が実質的にAlからなる鋳造用アルミ
ニウム合金とすることが可能であり、請求項5に記載し
ているように、エンジンバルブシートの素材として使用
することが可能であり、請求項6に記載しているよう
に、エンジンシリンダライナーの素材として使用するこ
とが可能である。
【0011】また、本発明に係わる強度,耐摩耗性,熱
伝導性に優れた複合材料の製造方法は、請求項7に記載
しているように、55重量%以上65重量%以下のアル
ミニウム合金溶湯と35重量%以上45重量%以下の炭
化ケイ素粉末とを混合したのち鋳造成形する構成とした
ことを特徴としている。
【0012】本発明に係わる強度,耐摩耗性,熱伝導性
に優れた複合材料およびその製造方法は、上記した構成
を有するものであり、アルミニウム合金としては、JI
SH 5302に制定されたダイカスト用アルミニウム
合金(ADC 1,ADC3,ADC 5,ADC
6,ADC 10,ADC 10Z,ADC 12,A
DC 12Z,ADC 14等)が使用され、また、請
求項3に記載のように、JIS H 5202に制定さ
れた鋳造用アルミニウム合金(AC 1A,1B,AC
2A,2B,AC 3A,AC 4A,4B,4C,
4CH,4D,AC 5A,AC 7A,7B,AC
8A,8B,8C,AC 9A,9B等)が使用され
る。
【0013】そして、用途が請求項5に記載のようにエ
ンジンバルブシートや請求項6に記載のようにエンジン
シリンダライナーである場合には、請求項4に記載のよ
うに、Si:8〜11重量%、Mg:4〜8重量%を基
本成分として含有し、残部が実質的にAlからなる鋳造
用アルミニウム合金を使用することが望ましい。
【0014】この場合、Si含有量が8重量%未満であ
ると炭化ケイ素粒子の表面の濡れ性が低下して炭化ケイ
素粒子の周囲に空気層が残留した構造となる傾向とな
り、11重量%を超えると合金冷却時にSi元素が析出
して硬さが増大し、バルブやピストンリングの損傷をも
たらす傾向となるので、エンジンバルブシートやエンジ
ンシリンダライナーの素材として使用する場合のアルミ
ニウム合金中のSi含有量は8〜11重量%の範囲とす
ることが望ましい。
【0015】また、Mg含有量が4重量%未満であると
炭化ケイ素粒子成形体の微細ポアに合金が浸透できず凝
集体の周囲に微細ポア(空孔)が残留した構造となる傾
向となり、8重量%を超えると合金冷却時に金属間化合
物が析出して脆くなる傾向となるので、エンジンバルブ
シートやエンジンシリンダライナーの素材として使用す
る場合のアルミニウム合金中のMg含有量は4〜8重量
%の範囲とすることが望ましい。
【0016】このようなアルミニウム合金中に含有され
る炭化ケイ素(SiC)の含有量は、35重量%以上4
5重量%以下であるが、この場合、炭化ケイ素含有量が
35重量%よりも少ないと、相対的にアルミニウム合金
の割合が増大することから、複合材料の強度および靭性
が向上すると共に熱伝導率は大きくなるものの、熱膨張
係数が大きくなり、また、硬さが低下して耐摩耗性が劣
化することとなるので好ましくなく、炭化ケイ素量が4
5重量%よりも多いと、相対的にアルミニウム合金の割
合が減少することから、複合材料の硬さが大きくなって
耐摩耗性は向上するものの、強度および靭性が低下する
と共に熱伝導率も低くなり、熱膨張係数も小さくなるの
で好ましくない。
【0017】そして、アルミニウム合金中の炭化ケイ素
含有量を35重量%以上45重量%以下とすることによ
って、熱膨張係数を10×10−6/℃以上12×10
−6/℃以下にできると共に、熱伝導率を150W/
(m・K)以上とすることができ、また、強度も高いも
のとすることが可能である。
【0018】図1はエンジンのシリダンヘッド部分を示
す断面説明図であり、図2はシリンダヘッド部分に設け
られるバルブシートの断面説明図であって、エンジンの
シリンダヘッド1はアルミニウム合金よりなるものであ
って、その内部に冷却水通路2を形成していると共にシ
リンダ上部空間3を形成しており、バルブ座部にはバル
ブシート4が設けてあり、バルブ5のバルブフェース部
分が当接するようになっている。また、バルブ5はバル
ブガイド6に案内された状態で往復移動し、シリンダ上
部空間3とポート7とが開閉するものとなっている。
【0019】そして、本発明に係わる複合材料で形成し
たバルブシート4は、図2に示すように、アルミニウム
合金4a中に炭化ケイ素4bが粒子状に分散したものと
してリング形状に形成されたものとなっている。
【0020】本発明に係わる複合材料は、上記したよう
に、アルミニウム合金(例えば、Al−Si−Mg合
金)中に、炭化ケイ素セラミックス(例えば、1000
番粉末)35重量%以上45重量%以下を含有したもの
であるが、このような複合材料の製造工程としては、例
えば、炭化ケイ素粉末を上記アルミニウム合金成分の粉
末や塊材に混合して溶融することで得ることができる。
この場合、例えば、好ましい溶融含浸温度は670℃か
ら750℃までの範囲であり、通常のアルミニウム合金
の溶解方法と同じであるものとすることができる。
【0021】そして、バルブシートに形成するに際して
は、バルブシート形状に対応する鋳造空間およびこれに
連続する湯口を有する鉄製もしくは鋳物砂製の鋳型に湯
口より炭化ケイ素粒子を含むアルミニウム合金を注いで
鋳造する。その後、この複合材料よりなるリング状バル
ブシートをエンジンヘッドの鋳造工程でバルブシートに
相当する位置に固定してエンジン用シリンダヘッドを鋳
造で製造する。
【0022】
【発明の作用】本発明による炭化ケイ素−アルミニウム
合金複合材料では、請求項1に記載したように、アルミ
ニウム合金中に、35重量%以上45重量%以下の炭化
ケイ素を含有したものであり、アルミニウム合金相が連
続体を構成しているため、熱特性としては熱伝導率が1
50W/(m・K)以上と基材(例えば、AC 2A)
の特性値にかなり近く、かつまた、熱膨張率も10×1
−6/℃以上12×10−6/℃以下であってアルミ
ニウム合金の13.5×10−6/℃に近い値である。
【0023】そのため、熱膨張差でシリンダヘッドのア
ルミニウム合金相との剥離が起きがたくなると共に、熱
伝導率が150W/(m・K)以上であるので、シリン
ダヘッド内部の熱を冷却水側に逃がすことが可能とな
る。
【0024】本発明に係わる複合材料をバルブシートに
適用した場合に、従来はシリンダヘッドとバルブシート
との間での機械的な結合が必要であるため、外周部に金
属リングを設けたり、外周部に凹凸加工を施したりして
いたが、本発明の複合材料を用いればこのような構造な
いしは加工が不要となる。
【0025】また、請求項2に記載のように、炭化ケイ
素の粒子径が平均で12μm以上18μm以下であるも
のとすることによって、アルミニウム合金中の炭化ケイ
素セラミックスは緻密ではないが、荷重を受け持つた
め、アルミニウム−セラミックス複合材料としては最高
レベルの450〜500MPaの強度を持つものとな
る。また、残留金属が破壊時のクラック進展を防止する
ため、破壊靭性値も11〜13MPa√mと高い値を示
すものとなる。
【0026】本発明に係わる複合材料をエンジンバルブ
シートに適用した場合において、機械的な特性のみなら
ずエンジンのシリンダヘッドとして用いるのに必要なバ
ルブとの摩耗特性については、バルブの打撃による摩耗
テストにより摩耗量測定を行った結果、極めて良好であ
ることがわかった。この摩耗試験では、バルブはステラ
イト(STL)#32を用いて行った。試験条件は、バ
ーナーで加熱して、バルブシート温度で150℃、バル
ブ温度で550℃、に設定し、耐久条件はカムの回転数
2000rpm、5時間の試験であり、バルブへの凝着
量とバルブシートの摩耗量を測定する試験である。
【0027】耐摩耗性が良好なものとなっている理由
は、表面がセラミックスだけでなくアルミニウム合金で
あるため、表面の摩擦係数が著しく低下することによる
ものであり、硬さ(ビッカース)が通常のセラミックス
よりも数GPa低いためである。この理由としては、炭
化ケイ素が粒子状態であるため動き易いこと、および残
留アルミニウムが変形し易いことが挙げられる。
【0028】
【実施例】実施例1,2,比較例1,2 金属溶解用坩堝に、それぞれ表1の成分欄に対応するよ
うに50重量%,45重量%,35重量%,30重量%
の炭化ケイ素粉末(平均粒径が15μmのもの)と、下
記のアルミニウム合金50重量%,55重量%,65重
量%,70重量%を秤量し、加熱溶解後に十分に攪拌
し、鋳物砂により作製した鋳型に鋳造してバルブシート
素材を製造した後バルブシート形状に仕上げ加工した。
ここで用いたアルミニウム合金は、JIS−AC8A材
料(Cu:0.8〜1.3重量%、Si:11〜13重
量%、Mg:0.7〜1.3重量%、Ni:0.8〜
1.5重量%、残部AlおよびZn,Fe,Mn,Cr
等の不純物)に5重量%のマグネシウムを700℃で溶
解して製造した合金(アルミニウム合金中のSi含有量
を10重量%、Mg含有量を4.5重量%、残部をアル
ミニウムおよび微量成分ならびに不純物としたアルミニ
ウム合金)である。このときの試験片形状は、表1に示
すそれぞれの試験方法による指定形状とし、複合材料の
熱伝導率,熱膨張係数,曲げ強度,破壊靭性値,硬さ
(ビッカース)を測定した。これらの結果を同じく表1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】次に、表1に示した4種の複合材料をバル
ブシートとして利用した場合の単体評価試験(バルブシ
ート試験)機による耐久試験を行った。この結果を表2
に示す。この場合、バルブシートは、上記複合材料から
内径30mm,外径37mm,厚み14mmのバルブシ
ート形状に加工し、シートの摩耗量とバルブへの付着量
を評価した。また、バルブシート試験機は、エンジンの
バルブとバルブシートとの間での叩き状態を模擬試験す
る装置であり、バルブ温度をバーナーで760℃に加熱
し、シート温度を300℃に保持し、回転数2000回
転相当のたたきを与えて耐久試験(5時間)を行った。
このとき、バルブシート材料はステライト(STL)#
32を用いた。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示した結果より明らかなように、ア
ルミニウム合金の割合が増大するにしたがってバルブシ
ートの損耗量が増加し、かつまたバルブへの付着量も増
加していた。そして表2の参考欄に示す銅合金バルブシ
ート材の基準値と比べて本発明のアルミニウム・炭化ケ
イ素複合材料では、アルミニウム合金が55重量%以上
65重量%以下のとき、すなわち、炭化ケイ素が35重
量%以上45重量%以下のときに、この基準値を満た
し、バルブへの付着量を少なくしそしてまたバルブシー
トの摩耗量を少なくすると共にシリンダヘッド周囲の冷
却水温度を下げることが可能であった。
【0033】実施例1,3,4,比較例3〜5 実施例1で用いた45重量%炭化ケイ素−55重量%ア
ルミニウム合金複合材料において、炭化ケイ素原料粉末
の粒度を変更した場合の複合材料の耐久評価試験を前記
と同様にして実施したところ、表3に示す結果であっ
た。この場合、表3に示すように、炭化ケイ素は平均粒
子径で10μmから35μmまでとなる粉末を用いた。
また、各粒度のばらつきはそれぞれ平均径の上下20%
の広がりを持っているものである。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示した結果より明らかなように、炭
化ケイ素粒子径が増大するにしたがってバルブシートの
損耗量が増えることがわかり、また、炭化ケイ素の粒子
径が小さくなるとバルブへの付着量が増加してバルブの
摺動特性が低下することがわかり、粒子径の大きさに制
限が認められ、炭化ケイ素粒子径は平均で12μm以上
18μm以下とするのが望ましいことが認められた。
【0036】このような実施結果より明らかなように、
本発明による複合材料は、焼結によるセラミックスを用
いるのではなく、炭化ケイ素−アルミニウム合金からな
るセラミックス−金属複合材料とすることにより、摩耗
損を著しく少なくし、例えば、エンジンの製造(シリン
ダヘッドへのバルブシートの圧入や鋳包みによる製造)
に十分耐え得る強度と靭性をもつバルブシート一体型の
シリンダヘッドを創り出すことができ、また、シリンダ
ライナーに適用した場合に熱によるピストンリングの焼
き付きを防止することが可能であるなどの優れた利点が
もたらされる。
【0037】そして、本発明による複合材料を用いたシ
リンダライナーでは、耐摩耗性ばかりでなく、相手材を
損傷させない等のメリットがあり、エンジンのシリンダ
ライナーだけでなく他の油圧シリンダ等にも十分応用の
できるものである。さらに、比重は約2.85g/cm
であり、鋳鉄(7.8g/cm)製のライナーと比
較して格段の軽量化が実現されるものである。
【0038】
【発明の効果】本発明に係わる複合材料は、請求項1に
記載しているように、アルミニウム合金中に、35重量
%以上45重量%以下の炭化ケイ素を含有し、熱伝導率
が150W/(m・K)以上、熱膨張率が10×10
−6/℃以上12×10−6/℃以下である構成とした
から、強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れたものであり、
例えば、エンジンのバルブシートやシリンダライナー等
において必要としている強度と耐摩耗性を合わせ持ち、
かつまた熱伝導性にも優れたものであって、複合材料を
使用した部品自体の耐摩耗性が良好であるだけでなく相
手材の摩耗量も少なくする相手材攻撃性の小さい軽量な
材料であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0039】そして、本発明に係わる強度,耐摩耗性,
熱伝導性に優れた複合材料の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、アルミニウム合金中に含有
する炭化ケイ素の粒子径が平均で12μm以上18μm
以下であるものとすることによって、自己の耐摩耗性を
より一層良好なものにできると共に相手材に対する損耗
を小さいものにできるという効果がもたらされ、請求項
3に記載しているように、アルミニウム合金は鋳造用ア
ルミニウム合金とすることによって製造性が良好なもの
にでき、とくに請求項4に記載しているように、アルミ
ニウム合金は、Si:8〜11重量%、Mg:4〜8重
量%を基本成分として含有し、残部が実質的にAlから
なる鋳造用アルミニウム合金とするによって鋳造性が良
好であると共に強度および耐摩耗性が良好であり、相手
材に対する攻撃性も小さなものにすることが可能であ
り、請求項5に記載しているように、エンジンバルブシ
ートの素材として使用することによって耐久性の優れた
熱伝導性のよいバルブシートを提供することが可能であ
り、請求項6に記載しているように、エンジンシリンダ
ライナーの素材として使用することによって耐久性の優
れた熱伝導性のよいシリンダライナーを提供することが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンのシリンダヘッド部分を示す断面説明
図である。
【図2】エンジンのシリンダヘッド部分に設けられるバ
ルブシートの断面説明図である。
【符号の説明】
4 バルブシート(複合材料) 4a アルミニウム合金 4b 炭化ケイ素

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金中に、35重量%以上
    45重量%以下の炭化ケイ素を含有し、熱伝導率が15
    0W/(m・K)以上、熱膨張率が10×10−6/℃
    以上12×10−6/℃以下であることを特徴とする強
    度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金中に含有する炭化ケイ
    素の粒子径が平均で12μm以上18μm以下である請
    求項1に記載の強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合
    材料。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金は鋳造用アルミニウム
    合金である請求項1または2に記載の強度,耐摩耗性,
    熱伝導性に優れた複合材料。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金は、Si:8〜11重
    量%、Mg:4〜8重量%を基本成分として含有し、残
    部が実質的にAlからなる鋳造用アルミニウム合金であ
    る請求項3に記載の強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた
    複合材料。
  5. 【請求項5】 エンジンバルブシートの素材である請求
    項1ないし4のいずれかに記載の強度,耐摩耗性,熱伝
    導性に優れた複合材料。
  6. 【請求項6】 エンジンシリンダライナーの素材である
    請求項1ないし4のいずれかに記載の強度,耐摩耗性,
    熱伝導性に優れた複合材料。
  7. 【請求項7】 55重量%以上65重量%以下のアルミ
    ニウム合金溶湯と35重量%以上45重量%以下の炭化
    ケイ素粉末とを混合したのち鋳造成形することを特徴と
    する強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料の製造
    方法。
JP20570694A 1994-08-30 1994-08-30 強度,耐摩耗性,熱伝導性に優れた複合材料およびその製造方法 Pending JPH0873972A (ja)

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