JPH0868372A - 重ね放電型点火装置 - Google Patents
重ね放電型点火装置Info
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- JPH0868372A JPH0868372A JP22605794A JP22605794A JPH0868372A JP H0868372 A JPH0868372 A JP H0868372A JP 22605794 A JP22605794 A JP 22605794A JP 22605794 A JP22605794 A JP 22605794A JP H0868372 A JPH0868372 A JP H0868372A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 重ね放電型点火装置において、火花吹き消え
現象に伴ってDC−DCコンバータの回路構成要素が焼損な
いし損傷する恐れを未然に防ぐ。 【構成】 点火プラグ15での放電火花を持続させる重ね
放電電流i2の大きさを電流検出回路41により検出する。
検出電流値が、重ね放電の回復不能と思われる所定の電
流値にまで低下したとき、DC−DCコンバータ21の出力電
圧VOが異常に高くなるのを防ぐため、作動停止回路42が
DC−DCコンバータ21の作動を強制的に停止する。
現象に伴ってDC−DCコンバータの回路構成要素が焼損な
いし損傷する恐れを未然に防ぐ。 【構成】 点火プラグ15での放電火花を持続させる重ね
放電電流i2の大きさを電流検出回路41により検出する。
検出電流値が、重ね放電の回復不能と思われる所定の電
流値にまで低下したとき、DC−DCコンバータ21の出力電
圧VOが異常に高くなるのを防ぐため、作動停止回路42が
DC−DCコンバータ21の作動を強制的に停止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車両に搭載される
内燃機関の点火装置、特に重ね放電型点火装置の改良に
関する。
内燃機関の点火装置、特に重ね放電型点火装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近では車両搭載の内燃機関として、空
燃比を極めて薄く設定した、いわゆる希薄燃焼エンジン
(リーンバーンエンジン)が採用されつつある。しか
し、この種のエンジンは着火効率が余り良くないため、
点火装置には高エネルギ型のものが必要になる。そこで
従来からも、古典的な電流遮断原理により発生する点火
コイル二次側出力にDC−DCコンバータの高圧出力を重畳
する、重ね放電型点火装置が提案されている。
燃比を極めて薄く設定した、いわゆる希薄燃焼エンジン
(リーンバーンエンジン)が採用されつつある。しか
し、この種のエンジンは着火効率が余り良くないため、
点火装置には高エネルギ型のものが必要になる。そこで
従来からも、古典的な電流遮断原理により発生する点火
コイル二次側出力にDC−DCコンバータの高圧出力を重畳
する、重ね放電型点火装置が提案されている。
【0003】図3には、従来におけるこのような重ね放
電型点火装置の代表的一例ないし原理的な一構成例が示
されている。説明すると、クランク角センサ等、気筒の
点火時期を知らせる点火時期センサ11からの信号に基づ
き、点火制御回路ユニット12は点火時期の少し前に点火
信号Sfを高レベルにし、これにより電流遮断ユニット13
に内蔵のパワースイッチング素子(図示の場合、単一の
バイポーラトランジスタQ1のみで簡単に示している)を
導通させて、点火コイル14の一次側にバッテリ(電圧B+
にて暗示的に示す)から一次電流i1を流し、当該点火コ
イル14の一次巻線にエネルギを蓄積させる。
電型点火装置の代表的一例ないし原理的な一構成例が示
されている。説明すると、クランク角センサ等、気筒の
点火時期を知らせる点火時期センサ11からの信号に基づ
き、点火制御回路ユニット12は点火時期の少し前に点火
信号Sfを高レベルにし、これにより電流遮断ユニット13
に内蔵のパワースイッチング素子(図示の場合、単一の
バイポーラトランジスタQ1のみで簡単に示している)を
導通させて、点火コイル14の一次側にバッテリ(電圧B+
にて暗示的に示す)から一次電流i1を流し、当該点火コ
イル14の一次巻線にエネルギを蓄積させる。
【0004】点火時期センサ11からの出力に基づき、点
火制御回路12が気筒点火時期と判断すると、当該点火制
御回路12は点火信号Sfを低レベルに立ち下げる。これが
点火信号Sfとしての有意のタイミングで、これにより電
流遮断ユニット13に内蔵の出力段であるパワースイッチ
ング素子Q1がターンオフし、点火コイル一次電流が急激
に遮断されることで点火コイル二次側に高電圧が生ず
る。電流遮断原理のみによる古典的な点火装置の場合に
は、この点火コイル14の二次側高電圧が点火プラグ15の
放電間隙を破り、以後、漸減する放電電流が放電火花と
なって点火プラグ15を流れる。
火制御回路12が気筒点火時期と判断すると、当該点火制
御回路12は点火信号Sfを低レベルに立ち下げる。これが
点火信号Sfとしての有意のタイミングで、これにより電
流遮断ユニット13に内蔵の出力段であるパワースイッチ
ング素子Q1がターンオフし、点火コイル一次電流が急激
に遮断されることで点火コイル二次側に高電圧が生ず
る。電流遮断原理のみによる古典的な点火装置の場合に
は、この点火コイル14の二次側高電圧が点火プラグ15の
放電間隙を破り、以後、漸減する放電電流が放電火花と
なって点火プラグ15を流れる。
【0005】これに対し、図示されている重ね放電型点
火装置の場合には、DC−DCコンバータユニット21からの
高圧出力電圧に基づく電流も重畳され、重ね放電電流i2
が得られる。すなわち、詳しくは図示していないが、例
えば点火制御回路ユニット12からの点火信号Sfを利用す
る等して得られるタイミングに基づき、図示しない重ね
放電制御回路(一般にマイクロコンピュータを含んで構
成されることもある)は所定の時点で重ね放電時間制御
信号Stを発生し、かつ、この信号Stを所定の時間継続さ
せることで、一定時間、発振回路22を発振動作させる。
そのため、発振回路22は、図示の場合、MOSFETと
して示されているスイッチング素子Q2を所定の周期でチ
ョッパリングし、バッテリ電圧B+に一端が接続されてい
る昇圧トランス23の一次巻線を流れる一次電流を所定周
期で断続することで、当該昇圧トランス23の二次側に高
電圧出力を発生させる。
火装置の場合には、DC−DCコンバータユニット21からの
高圧出力電圧に基づく電流も重畳され、重ね放電電流i2
が得られる。すなわち、詳しくは図示していないが、例
えば点火制御回路ユニット12からの点火信号Sfを利用す
る等して得られるタイミングに基づき、図示しない重ね
放電制御回路(一般にマイクロコンピュータを含んで構
成されることもある)は所定の時点で重ね放電時間制御
信号Stを発生し、かつ、この信号Stを所定の時間継続さ
せることで、一定時間、発振回路22を発振動作させる。
そのため、発振回路22は、図示の場合、MOSFETと
して示されているスイッチング素子Q2を所定の周期でチ
ョッパリングし、バッテリ電圧B+に一端が接続されてい
る昇圧トランス23の一次巻線を流れる一次電流を所定周
期で断続することで、当該昇圧トランス23の二次側に高
電圧出力を発生させる。
【0006】このDC−DCコンバータユニット21の生ずる
高電圧に基づく電流は、ダイオードDLを介して電流遮断
原理により発生した放電電流に対し同極性で加算され、
その結果、点火プラグ15の両端を介して流れる放電電流
i2は重ね放電電流i2となり、DC−DCコンバータユニット
21を用いない場合に比し、漸減することなく、所定時間
だけ、ある大きさのまま延長される。また、点火プラグ
電圧Vpは、電流遮断原理による当初の放電開始時には一
般に絶対値で 2〜3KV にまで上昇するが、点火プラグ15
に安定して放電が継続しているときには絶対値で 400〜
600V程度、代表的にはほぼ500Vで安定する。逆に、これ
を満足するためには、DC−DCコンバータ21の出力端子で
の出力電圧VOは、所定の値の放電電流i2が流れている負
荷下において、一般に1.5KV からそれ以上に設定され
る。
高電圧に基づく電流は、ダイオードDLを介して電流遮断
原理により発生した放電電流に対し同極性で加算され、
その結果、点火プラグ15の両端を介して流れる放電電流
i2は重ね放電電流i2となり、DC−DCコンバータユニット
21を用いない場合に比し、漸減することなく、所定時間
だけ、ある大きさのまま延長される。また、点火プラグ
電圧Vpは、電流遮断原理による当初の放電開始時には一
般に絶対値で 2〜3KV にまで上昇するが、点火プラグ15
に安定して放電が継続しているときには絶対値で 400〜
600V程度、代表的にはほぼ500Vで安定する。逆に、これ
を満足するためには、DC−DCコンバータ21の出力端子で
の出力電圧VOは、所定の値の放電電流i2が流れている負
荷下において、一般に1.5KV からそれ以上に設定され
る。
【0007】なお、DC−DCコンバータユニット21の高圧
出力電流を電流遮断放電電流に同極性で加算、重畳する
ためのダイオードDLと昇圧トランス23の二次巻線との直
列回路をバイパスするコンデンサCは、整流コンデンサ
でもあるが、電流遮断により生じた放電電流の過渡的な
立ち上がり成分を速やかに通すこともでき、放電電流i2
が例えば50〜60mA程度で直流的に落ち着いている時に
は、この放電電流の直流成分はコンデンサCを通過せ
ず、点火コイル14の二次巻線、ダイオードDL、昇圧トラ
ンス23の二次巻線、接地、点火プラグ15の経路で流れ
る。また、意図的にコンデンサCに対し電流をバイパス
できるダイオードを付加することもある。さらに、一般
に部品としても単一ユニット化ないし単一モジュール化
されるDC−DCコンバータユニット21の接地は、専用の接
地ケーブルを介して行なわれても良いものの、通常は当
該ユニットのケースの金属部分での接地とされることが
多い。これらの点は、後述する本発明の適用された点火
装置でも同様である。
出力電流を電流遮断放電電流に同極性で加算、重畳する
ためのダイオードDLと昇圧トランス23の二次巻線との直
列回路をバイパスするコンデンサCは、整流コンデンサ
でもあるが、電流遮断により生じた放電電流の過渡的な
立ち上がり成分を速やかに通すこともでき、放電電流i2
が例えば50〜60mA程度で直流的に落ち着いている時に
は、この放電電流の直流成分はコンデンサCを通過せ
ず、点火コイル14の二次巻線、ダイオードDL、昇圧トラ
ンス23の二次巻線、接地、点火プラグ15の経路で流れ
る。また、意図的にコンデンサCに対し電流をバイパス
できるダイオードを付加することもある。さらに、一般
に部品としても単一ユニット化ないし単一モジュール化
されるDC−DCコンバータユニット21の接地は、専用の接
地ケーブルを介して行なわれても良いものの、通常は当
該ユニットのケースの金属部分での接地とされることが
多い。これらの点は、後述する本発明の適用された点火
装置でも同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、内燃機関の
各気筒燃焼室内での燃焼は、点火プラグ15に放電火花が
飛んだときから、初期燃焼、中期燃焼、主燃焼へと順次
移行するが、中期燃焼に移行すると、火炎伝播により燃
焼室内で急激な気流の変化が起こり、DC−DCコンバータ
によって重ね放電電流i2を供給しているにもかかわら
ず、点火プラグ15の放電間隙間にて生じていた放電火花
が吹き消される、いわゆる“吹き消え現象”が生ずるこ
とがある。このような吹き消え現象が生ずると、所期の
燃焼エネルギが得られないことはもとより、DC−DCコン
バータを構成している回路要素が耐圧オーバとなって焼
損ないし破損することがあった。
各気筒燃焼室内での燃焼は、点火プラグ15に放電火花が
飛んだときから、初期燃焼、中期燃焼、主燃焼へと順次
移行するが、中期燃焼に移行すると、火炎伝播により燃
焼室内で急激な気流の変化が起こり、DC−DCコンバータ
によって重ね放電電流i2を供給しているにもかかわら
ず、点火プラグ15の放電間隙間にて生じていた放電火花
が吹き消される、いわゆる“吹き消え現象”が生ずるこ
とがある。このような吹き消え現象が生ずると、所期の
燃焼エネルギが得られないことはもとより、DC−DCコン
バータを構成している回路要素が耐圧オーバとなって焼
損ないし破損することがあった。
【0009】と言うのも、上記したDC−DCコンバータの
出力電圧は、所定の放電電流i2が流れているときの値で
ある。逆に言うと、DC−DCコンバータの出力電力は、そ
れ自体はかなり大きく設定されている。例えば、重ね放
電電流i2の大きさは、DC−DCコンバータ21の出力電圧VO
から点火プラグ電圧Vpを差し引いた電圧値(VO−Vp)
を、放電電流i2の流れる放電経路のインピーダンスRtで
除した値である。式に表せば下記式(1) となる。 i2=(VO−Vp)/Rt ・・・・・・・・ (1) なお、このインピーダンスRtの中には、図3に示されて
いるように、点火プラグ15に意図的に直列抵抗Rpが接続
されている場合にはこの値も含まれる。
出力電圧は、所定の放電電流i2が流れているときの値で
ある。逆に言うと、DC−DCコンバータの出力電力は、そ
れ自体はかなり大きく設定されている。例えば、重ね放
電電流i2の大きさは、DC−DCコンバータ21の出力電圧VO
から点火プラグ電圧Vpを差し引いた電圧値(VO−Vp)
を、放電電流i2の流れる放電経路のインピーダンスRtで
除した値である。式に表せば下記式(1) となる。 i2=(VO−Vp)/Rt ・・・・・・・・ (1) なお、このインピーダンスRtの中には、図3に示されて
いるように、点火プラグ15に意図的に直列抵抗Rpが接続
されている場合にはこの値も含まれる。
【0010】一方、DC−DCコンバータ21の出力電力P
Oは、出力電圧VOと重ね放電電流i2の積によって規定さ
れる。つまり、 PO=i2・VO ・・・・・・・・ (2) である。
Oは、出力電圧VOと重ね放電電流i2の積によって規定さ
れる。つまり、 PO=i2・VO ・・・・・・・・ (2) である。
【0011】従って、既述した具体値のように、正常な
動作の下では当然、DC−DCコンバータ出力電圧VOは大体
1.5KV からそれより大きい程度と、いずれにしても概ね
設計期待値の維持される。ところが、上述した吹き消え
現象が発生すると、重ね放電電流i2は零ないしほぼ零に
なり、こうなると、DC−DCコンバータ21の負荷が極端に
軽くなるため、上記 (2)式でDC−DCコンバータの出力電
力POを電力供給能力として考え、これをほぼ一定と見る
と明らかなように、DC−DCコンバータの出力電圧VOが異
常な高電圧になることがある。その結果、DC−DCコンバ
ータ21自体を構成している回路構成要素、例えば整流ダ
イオードとか整流コンデンサ等の耐圧が持たず、焼損な
いし破損することがあり得る。
動作の下では当然、DC−DCコンバータ出力電圧VOは大体
1.5KV からそれより大きい程度と、いずれにしても概ね
設計期待値の維持される。ところが、上述した吹き消え
現象が発生すると、重ね放電電流i2は零ないしほぼ零に
なり、こうなると、DC−DCコンバータ21の負荷が極端に
軽くなるため、上記 (2)式でDC−DCコンバータの出力電
力POを電力供給能力として考え、これをほぼ一定と見る
と明らかなように、DC−DCコンバータの出力電圧VOが異
常な高電圧になることがある。その結果、DC−DCコンバ
ータ21自体を構成している回路構成要素、例えば整流ダ
イオードとか整流コンデンサ等の耐圧が持たず、焼損な
いし破損することがあり得る。
【0012】そこで従来からも、図3中に併示のよう
に、当該DC−DCコンバータの出力電圧VO自体を検出する
電圧検出回路31を設け、これが検出する出力電圧VOが異
常な高電圧になったら、DC−DCコンバータ21の動作を強
制停止する作動停止回路32を設ける構成が提案された。
作動停止回路32は、一般にはDC−DCコンバータ中の発振
回路22に作用し、これを停止させる。
に、当該DC−DCコンバータの出力電圧VO自体を検出する
電圧検出回路31を設け、これが検出する出力電圧VOが異
常な高電圧になったら、DC−DCコンバータ21の動作を強
制停止する作動停止回路32を設ける構成が提案された。
作動停止回路32は、一般にはDC−DCコンバータ中の発振
回路22に作用し、これを停止させる。
【0013】ところが、このようなDC−DCコンバータ出
力電圧VOの監視では、実際には一体何ボルトにまで上昇
したときが火花吹き消えの起きているときなのか、正確
に対応付けることは困難で、実用には供し得なかった。
DC−DCコンバータの出力電圧VOの変化幅は、0Vから 5KV
それ以上の値にまで及ぶ極めて広範なものであり、その
ように広い変化幅内で正確な電圧値を読み取ること自体
も簡単ではない。
力電圧VOの監視では、実際には一体何ボルトにまで上昇
したときが火花吹き消えの起きているときなのか、正確
に対応付けることは困難で、実用には供し得なかった。
DC−DCコンバータの出力電圧VOの変化幅は、0Vから 5KV
それ以上の値にまで及ぶ極めて広範なものであり、その
ように広い変化幅内で正確な電圧値を読み取ること自体
も簡単ではない。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、火花吹
き消え現象に対しDC−DCコンバータの構成回路要素を保
護するための実用的構成を内蔵する重ね放電型点火装置
として、 (a) 重ね放電電流を検出する電流検出回路と; (b) 当該電流検出回路の検出電流値が回復の見込みのな
い所定の値にまで低下したときにDC−DCコンバータの作
動を強制停止する作動停止回路と;を有して成る重ね放
電型点火装置を提案する。このような構成は、後の実施
例の項中で詳しく触れる、図2に示される実験結果によ
り得られた知見に基づくものである。なお、電流検出回
路の内部回路構成自体は特に規定されるものではなく、
公知既存の電気回路技術に従い、電流を検出可能なよう
に構成されていれば良いが、重ね放電電流の放電経路に
直列に挿入された電流検出抵抗を有し、当該電流検出抵
抗の両端に表れる電圧に基づき、その時々の重ね放電電
流値を検出するように構成することが簡単である。
き消え現象に対しDC−DCコンバータの構成回路要素を保
護するための実用的構成を内蔵する重ね放電型点火装置
として、 (a) 重ね放電電流を検出する電流検出回路と; (b) 当該電流検出回路の検出電流値が回復の見込みのな
い所定の値にまで低下したときにDC−DCコンバータの作
動を強制停止する作動停止回路と;を有して成る重ね放
電型点火装置を提案する。このような構成は、後の実施
例の項中で詳しく触れる、図2に示される実験結果によ
り得られた知見に基づくものである。なお、電流検出回
路の内部回路構成自体は特に規定されるものではなく、
公知既存の電気回路技術に従い、電流を検出可能なよう
に構成されていれば良いが、重ね放電電流の放電経路に
直列に挿入された電流検出抵抗を有し、当該電流検出抵
抗の両端に表れる電圧に基づき、その時々の重ね放電電
流値を検出するように構成することが簡単である。
【0015】
【実施例】図1には本発明に従って構成された重ね放電
型点火装置の一実施例が概略的な回路図によって示され
ている。図3に示した従来例との対比を明確にする意味
から、本発明によるからと言って特には変更を要さない
構成要素、ないし対応する構成要素にはそれぞれ図3中
におけると同一の符号を付してある。従って、それら各
構成要素に対する説明もまた、特に断らない限り、既述
した所を援用することができる。
型点火装置の一実施例が概略的な回路図によって示され
ている。図3に示した従来例との対比を明確にする意味
から、本発明によるからと言って特には変更を要さない
構成要素、ないし対応する構成要素にはそれぞれ図3中
におけると同一の符号を付してある。従って、それら各
構成要素に対する説明もまた、特に断らない限り、既述
した所を援用することができる。
【0016】本発明における特徴的な改良点は、重ね放
電電流i2を検出する電流検出回路41と、この重ね放電電
流検出回路41の指令に基づいてDC−DCコンバータ21の動
作を強制停止する作動回路42が設けられていることであ
る。作動回路42は、DC−DCコンバータ21の動作を停止で
きれば良く、そのための具体的な回路構成は当業者であ
れば通常の電気回路技術に基づき極めて容易に組むこと
ができる。例えば発振回路22に対し特定の形態の信号を
送付し、これにより発振回路22への供給電源が断たれる
とか、あるいは発振に関与している抵抗とかコンデンサ
の両端が短絡されたり強制接地されるようにするとか、
さらには発振回路22の出力端子が適当な低抵抗によって
図示しないスイッチング回路を介し接地されることによ
りスイッチング素子Q2がオフになるとか等々、種々の回
路を組むことができる。
電電流i2を検出する電流検出回路41と、この重ね放電電
流検出回路41の指令に基づいてDC−DCコンバータ21の動
作を強制停止する作動回路42が設けられていることであ
る。作動回路42は、DC−DCコンバータ21の動作を停止で
きれば良く、そのための具体的な回路構成は当業者であ
れば通常の電気回路技術に基づき極めて容易に組むこと
ができる。例えば発振回路22に対し特定の形態の信号を
送付し、これにより発振回路22への供給電源が断たれる
とか、あるいは発振に関与している抵抗とかコンデンサ
の両端が短絡されたり強制接地されるようにするとか、
さらには発振回路22の出力端子が適当な低抵抗によって
図示しないスイッチング回路を介し接地されることによ
りスイッチング素子Q2がオフになるとか等々、種々の回
路を組むことができる。
【0017】ただ、点火プラグ15を介して流れる重ね放
電電流i2の値を検出するのに、当該重ね放電電流の流れ
る線路に対し非接触で磁気的検出を図る等は厄介なた
め、図1に例示されているように、重ね放電電流i2の放
電経路に直列に低い抵抗値の電流検出抵抗43を挿入し、
その両端電圧を検出することで重ね放電電流値i2を検出
するように図るのが便利である。もっとも本発明の場合
には、重ね放電電流値i2の検出と言っても、その値が所
定の値を越えたか否かを判断できれば良いので、これ
は、所定の電流値に対応して設定した基準電圧値と、電
流検出抵抗43の両端電圧値とを比較器にて比較すること
により実現できる。また、原理的には電流検出抵抗43は
点火プラグ15を含む重ね放電電流i2の放電経路中であれ
ばどこに入っていても良いが、図示の場合、DC−DCコン
バータ出力段である昇圧トランス23の二次巻線と接地と
の間に直列に入っており、この位置が電位的には比較的
安全である。DC−DCコンバータを文字通り一つの部品と
してユニット化ないしモジュール化し、このユニット21
内に予め組み込んでおくにも良い位置である。
電電流i2の値を検出するのに、当該重ね放電電流の流れ
る線路に対し非接触で磁気的検出を図る等は厄介なた
め、図1に例示されているように、重ね放電電流i2の放
電経路に直列に低い抵抗値の電流検出抵抗43を挿入し、
その両端電圧を検出することで重ね放電電流値i2を検出
するように図るのが便利である。もっとも本発明の場合
には、重ね放電電流値i2の検出と言っても、その値が所
定の値を越えたか否かを判断できれば良いので、これ
は、所定の電流値に対応して設定した基準電圧値と、電
流検出抵抗43の両端電圧値とを比較器にて比較すること
により実現できる。また、原理的には電流検出抵抗43は
点火プラグ15を含む重ね放電電流i2の放電経路中であれ
ばどこに入っていても良いが、図示の場合、DC−DCコン
バータ出力段である昇圧トランス23の二次巻線と接地と
の間に直列に入っており、この位置が電位的には比較的
安全である。DC−DCコンバータを文字通り一つの部品と
してユニット化ないしモジュール化し、このユニット21
内に予め組み込んでおくにも良い位置である。
【0018】ここで、本発明において上記の構成に至っ
た経緯につき、図2の実験結果に即して説明する。ま
ず、図1に示される装置構成から本発明に従って追加さ
れた電流検出回路41、作動停止回路42を省いた重ね放電
型点火装置、つまりは従来型の点火装置を実験装置とし
て用意した。ただし、実験のため、実際に流れる放電電
流値を検出するため、電流検出抵抗43は挿入し、その両
端電圧を電圧計装置(マイクロコンピュータを利用して
構築可能)により監視することで、対応する電流値を検
出するべくした。また、点火プラグ15の両端電圧Vpと、
DC−DCコンバータ21のその時々の出力電圧VOも、電圧計
装置により監視可能とした。
た経緯につき、図2の実験結果に即して説明する。ま
ず、図1に示される装置構成から本発明に従って追加さ
れた電流検出回路41、作動停止回路42を省いた重ね放電
型点火装置、つまりは従来型の点火装置を実験装置とし
て用意した。ただし、実験のため、実際に流れる放電電
流値を検出するため、電流検出抵抗43は挿入し、その両
端電圧を電圧計装置(マイクロコンピュータを利用して
構築可能)により監視することで、対応する電流値を検
出するべくした。また、点火プラグ15の両端電圧Vpと、
DC−DCコンバータ21のその時々の出力電圧VOも、電圧計
装置により監視可能とした。
【0019】しかるに、経時的な動作順に従って当該点
火装置の動作を追うと、クランク角センサ等、気筒の点
火時期を知らせる点火時期センサ11からの信号に基づ
き、点火制御回路ユニット12は当該点火時期の少し前に
点火信号Sfを高レベルにし、これにより電流遮断ユニッ
ト13を介して点火コイル14の一次巻線に一次電流を流し
始める。図示の場合、電流遮断ユニット13は単一のバイ
ポーラトランジスタQ1のみで簡単に示しているが、実際
には複数のトランジスタ群を含む組み合わせ回路となっ
ていることが多く、バイポーラパワートランジスタに代
え、電界効果型のパワースイッチング素子が用いられる
こともある。もちろんこのようなことは、本発明にとっ
て直接の関係はなく、任意の問題である。
火装置の動作を追うと、クランク角センサ等、気筒の点
火時期を知らせる点火時期センサ11からの信号に基づ
き、点火制御回路ユニット12は当該点火時期の少し前に
点火信号Sfを高レベルにし、これにより電流遮断ユニッ
ト13を介して点火コイル14の一次巻線に一次電流を流し
始める。図示の場合、電流遮断ユニット13は単一のバイ
ポーラトランジスタQ1のみで簡単に示しているが、実際
には複数のトランジスタ群を含む組み合わせ回路となっ
ていることが多く、バイポーラパワートランジスタに代
え、電界効果型のパワースイッチング素子が用いられる
こともある。もちろんこのようなことは、本発明にとっ
て直接の関係はなく、任意の問題である。
【0020】点火コイル14に一次電流が流されている状
態下で、点火時期センサ11からの出力に基づき、点火制
御回路12が気筒点火時期と判断すると、当該点火制御回
路12は点火信号Sfを低レベルに立ち下げる。これが点火
信号Sfとしての有意のタイミングで、これにより電流遮
断ユニット13は点火コイル14の一次電流を急激に遮断し
(図示の場合、パワースイッチング素子Q1をターンオフ
させる)、これによって点火コイル二次側に高電圧が生
じ、点火プラグ15を含む放電経路に放電電流が流れ、点
火プラグ15の放電間隙に放電火花が発生する。この放電
開始時点が、図2中では「時点tO」で示されている。
態下で、点火時期センサ11からの出力に基づき、点火制
御回路12が気筒点火時期と判断すると、当該点火制御回
路12は点火信号Sfを低レベルに立ち下げる。これが点火
信号Sfとしての有意のタイミングで、これにより電流遮
断ユニット13は点火コイル14の一次電流を急激に遮断し
(図示の場合、パワースイッチング素子Q1をターンオフ
させる)、これによって点火コイル二次側に高電圧が生
じ、点火プラグ15を含む放電経路に放電電流が流れ、点
火プラグ15の放電間隙に放電火花が発生する。この放電
開始時点が、図2中では「時点tO」で示されている。
【0021】この一方で、図示しない重ね放電制御回路
は、この放電開始時点tOから所定の時間、重ね放電時間
制御信号Stを発生し、DC−DCコンバータ21中の発振回路
22を当該一定時間に亙り稼働させ、DC−DCコンバータを
動作させる。ここで述べている実験では、当該重ね放電
時間(信号Stの持続時間)は、図2中に併示のように4.
5msとし、重ね放電電流i2の大きさは60mA程度となるよ
うにDC−DCコンバータ21を設計した。なお、上述の重ね
放電制御回路は、先に少し述べたように、当業者であれ
ばハードウエアにより専用回路として組むこともできる
し、マイクロコンピュータによりソフト的な処理で組む
こともできる。また、信号Stの発生タイミング決定のた
めには、点火制御回路ユニット12から与えられる点火信
号Sfを利用したり、あるいはまた本発明実施例装置中で
認められるような電流検出抵抗に相当する抵抗を設け、
その両端電圧が電流遮断原理による初期放電火花の発生
によって変化することを利用することもできる。この点
もまた、本発明には直接の関係はなく、既存の技術に従
って良い。ただ、後者のように、DC−DCコンバータの動
作開始タイミングを得るのに電流検出抵抗を用いる場合
には、当該電流検出抵抗を、本発明のために設けられる
べき電流検出抵抗43としても流用することができる。
は、この放電開始時点tOから所定の時間、重ね放電時間
制御信号Stを発生し、DC−DCコンバータ21中の発振回路
22を当該一定時間に亙り稼働させ、DC−DCコンバータを
動作させる。ここで述べている実験では、当該重ね放電
時間(信号Stの持続時間)は、図2中に併示のように4.
5msとし、重ね放電電流i2の大きさは60mA程度となるよ
うにDC−DCコンバータ21を設計した。なお、上述の重ね
放電制御回路は、先に少し述べたように、当業者であれ
ばハードウエアにより専用回路として組むこともできる
し、マイクロコンピュータによりソフト的な処理で組む
こともできる。また、信号Stの発生タイミング決定のた
めには、点火制御回路ユニット12から与えられる点火信
号Sfを利用したり、あるいはまた本発明実施例装置中で
認められるような電流検出抵抗に相当する抵抗を設け、
その両端電圧が電流遮断原理による初期放電火花の発生
によって変化することを利用することもできる。この点
もまた、本発明には直接の関係はなく、既存の技術に従
って良い。ただ、後者のように、DC−DCコンバータの動
作開始タイミングを得るのに電流検出抵抗を用いる場合
には、当該電流検出抵抗を、本発明のために設けられる
べき電流検出抵抗43としても流用することができる。
【0022】しかるに、このようにして重ね放電電流i2
の発生後、当該電流値i2、点火プラグ両端電圧Vp、DC−
DCコンバータ出力電圧VOを監視した所、図2に示される
ように、放電開始時点tOからしばらくは設計期待値に近
いほぼ60mAの重ね放電電流値を計測していたが、放電開
始時点tOから約2.4ms を経過した時点taに認められるよ
うに、重ね放電電流値i2が急に15mA程度に低減する現象
が認められた。このときには、点火プラグ電圧Vpも、急
激に増加した。おそらくはこれは、先に述べたように、
初期燃焼から中期燃焼に移行し、燃焼室内での気流に大
きな乱れが生じた結果と思われる。点火プラグ15の放電
間隙間に生じている放電火花が激しい気流のために弧を
描き、飛び火距離が長くなって放電電圧が高くなり、放
電電流が減少したものと考えられるのである。しかし、
この時点taのときには、重ね放電電流は消失することな
く回復した。そのため、DC−DCコンバータ21の出力電圧
VOも上昇傾向に入ったものの、持ち直し、点火プラグ電
圧Vpもて低減している。
の発生後、当該電流値i2、点火プラグ両端電圧Vp、DC−
DCコンバータ出力電圧VOを監視した所、図2に示される
ように、放電開始時点tOからしばらくは設計期待値に近
いほぼ60mAの重ね放電電流値を計測していたが、放電開
始時点tOから約2.4ms を経過した時点taに認められるよ
うに、重ね放電電流値i2が急に15mA程度に低減する現象
が認められた。このときには、点火プラグ電圧Vpも、急
激に増加した。おそらくはこれは、先に述べたように、
初期燃焼から中期燃焼に移行し、燃焼室内での気流に大
きな乱れが生じた結果と思われる。点火プラグ15の放電
間隙間に生じている放電火花が激しい気流のために弧を
描き、飛び火距離が長くなって放電電圧が高くなり、放
電電流が減少したものと考えられるのである。しかし、
この時点taのときには、重ね放電電流は消失することな
く回復した。そのため、DC−DCコンバータ21の出力電圧
VOも上昇傾向に入ったものの、持ち直し、点火プラグ電
圧Vpもて低減している。
【0023】ところが、その後、重ね放電電流i2は再び
減少傾向に入り、点火開始時点tOから約3.2ms を経過し
た時点tbに認められるように、再度15mAを切ると今度は
回復せず、ほぼ零にまで落ち込んでしまった。これは火
花吹き消えの結果と十分推測できるが、同時にこのと
き、DC−DCコンバータ21の出力電圧VOは、図2中に仮想
線で併示のように、何と 5KV程度にも上昇してしまっ
た。これは、正常な場合に予定されるDC−DCコンバータ
出力電圧値(既述のように 1.5KV程度)を遥かに越える
値であり、回路構成要素の耐圧ぎりぎり、もしくは多く
のものの耐圧を越える値である。
減少傾向に入り、点火開始時点tOから約3.2ms を経過し
た時点tbに認められるように、再度15mAを切ると今度は
回復せず、ほぼ零にまで落ち込んでしまった。これは火
花吹き消えの結果と十分推測できるが、同時にこのと
き、DC−DCコンバータ21の出力電圧VOは、図2中に仮想
線で併示のように、何と 5KV程度にも上昇してしまっ
た。これは、正常な場合に予定されるDC−DCコンバータ
出力電圧値(既述のように 1.5KV程度)を遥かに越える
値であり、回路構成要素の耐圧ぎりぎり、もしくは多く
のものの耐圧を越える値である。
【0024】このような実験結果は、結局、上記実験装
置の場合、15mAが重ね放電電流の回復可能な下限である
ことを教えている。従って、こうした場合には、当該重
ね放電電流i2の値が所定の電流値として予め設定した値
15mAを低下したとき、DC−DCコンバータ21を強制停止す
れば、DC−DCコンバータの回路構成要素を効果的に保護
できることになる。しかも、DC−DCコンバータ21の出力
電圧VOを検出する場合に比し、重ね放電電流値の検出
は、上記実験例に認められるように、十分精度良く、困
難なく行なうことができる。このような知見に基づき、
本発明は既述のような構成を提供したのである。
置の場合、15mAが重ね放電電流の回復可能な下限である
ことを教えている。従って、こうした場合には、当該重
ね放電電流i2の値が所定の電流値として予め設定した値
15mAを低下したとき、DC−DCコンバータ21を強制停止す
れば、DC−DCコンバータの回路構成要素を効果的に保護
できることになる。しかも、DC−DCコンバータ21の出力
電圧VOを検出する場合に比し、重ね放電電流値の検出
は、上記実験例に認められるように、十分精度良く、困
難なく行なうことができる。このような知見に基づき、
本発明は既述のような構成を提供したのである。
【0025】もちろん、装置の如何により、装置ごとに
重ね放電電流が回復可能な最低限の電流値は異なろう
が、少なくとも各装置ごとの上記のような予備実験によ
り、回復可能な最低電流値は検証できるので、それぞれ
の装置ごとにこの値を所定の電流値として本発明を適用
し、電流検出回路41の検出電流が当該所定の電流値にま
で低下したときに、作動停止回路42がDC−DCコンバータ
21の動作を停止するように構成すれば、DC−DCコンバー
タ21を損傷から保護することができる。
重ね放電電流が回復可能な最低限の電流値は異なろう
が、少なくとも各装置ごとの上記のような予備実験によ
り、回復可能な最低電流値は検証できるので、それぞれ
の装置ごとにこの値を所定の電流値として本発明を適用
し、電流検出回路41の検出電流が当該所定の電流値にま
で低下したときに、作動停止回路42がDC−DCコンバータ
21の動作を停止するように構成すれば、DC−DCコンバー
タ21を損傷から保護することができる。
【0026】以上、本発明の一実施例に即し説明した
が、本発明の要旨構成に即する限り、種々の改変は自由
である。図示されているDC−DCコンバータユニット21
も、具体的回路例を概略的に示したに過ぎない。
が、本発明の要旨構成に即する限り、種々の改変は自由
である。図示されているDC−DCコンバータユニット21
も、具体的回路例を概略的に示したに過ぎない。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、DC−DCコンバータの出
力電圧ではなく、点火プラグを直列に含む放電経路中を
実際に流れている重ね放電電流自体を検出するので、そ
の検出は困難ではなく、また、ある程度以上の精度で行
なうことができる。その結果、火花吹き消えに繋がると
思われる電流値にまで当該重ね放電電流値が低下したと
きにDC−DCコンバータの作動を強制停止することがで
き、DC−DCコンバータの出力電圧が異常に高くなってDC
−DCコンバータ自体の内部回路構成要素を焼損ないし損
傷するような恐れを未然に防ぐことができる。
力電圧ではなく、点火プラグを直列に含む放電経路中を
実際に流れている重ね放電電流自体を検出するので、そ
の検出は困難ではなく、また、ある程度以上の精度で行
なうことができる。その結果、火花吹き消えに繋がると
思われる電流値にまで当該重ね放電電流値が低下したと
きにDC−DCコンバータの作動を強制停止することがで
き、DC−DCコンバータの出力電圧が異常に高くなってDC
−DCコンバータ自体の内部回路構成要素を焼損ないし損
傷するような恐れを未然に防ぐことができる。
【0028】換言すれば、DC−DCコンバータを構成する
ための回路要素の耐圧は、大きな余裕を見込むことな
く、重ね放電が正常になされている場合に要求される程
度の耐圧であっても良いため、必要十分な大きさと価格
のものを使用することができ、結局は回路の小型化、低
コスト化を実現することができる。
ための回路要素の耐圧は、大きな余裕を見込むことな
く、重ね放電が正常になされている場合に要求される程
度の耐圧であっても良いため、必要十分な大きさと価格
のものを使用することができ、結局は回路の小型化、低
コスト化を実現することができる。
【図1】本発明に従って構成された重ね放電型点火装置
の一実施例における回路構成図である。
の一実施例における回路構成図である。
【図2】本発明に至る過程で行なわれた、火花吹き消え
現象を検証するための実験結果の説明図である。
現象を検証するための実験結果の説明図である。
【図3】従来における重ね放電型点火装置の代表的一例
における回路構成図である。
における回路構成図である。
11 点火時期センサ, 12 点火制御回路ユニット, 13 電流遮断ユニット, 14 点火コイル, 15 点火プラグ, 21 DC−DCコンバータユニット, 22 発振回路, 23 昇圧トランス, 41 電流検出回路, 42 作動停止回路, 43 電流検出抵抗.
Claims (2)
- 【請求項1】 点火コイル一次電流の遮断により該点火
コイルの二次側に発生した高電圧により点火プラグに放
電火花を生じさせ、この放電火花電流に対し、DC−DCコ
ンバータの発生する高電圧に基づく放電電流を重畳して
重ね放電電流とし、該重ね放電電流の持続時間に亙り、
上記点火プラグに生じた放電火花を継続させる重ね放電
型点火装置であって;上記重ね放電電流を検出する電流
検出回路と;該電流検出回路の検出電流値が所定の値に
まで低下したときに上記DC−DCコンバータの作動を強制
停止する作動停止回路と;を有して成る重ね放電型点火
装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記電流
検出回路は上記重ね放電電流の放電経路に直列に挿入さ
れた電流検出抵抗を有し、該電流検出抵抗の両端に表れ
る電圧に基づき上記重ね放電電流値を検出すること;を
特徴とする重ね放電型点火装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22605794A JPH0868372A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 重ね放電型点火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22605794A JPH0868372A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 重ね放電型点火装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0868372A true JPH0868372A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16839128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22605794A Pending JPH0868372A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 重ね放電型点火装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0868372A (ja) |
Cited By (14)
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---|---|---|---|---|
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- 1994-08-29 JP JP22605794A patent/JPH0868372A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970218 |