JPH0868317A - 排ガスを触媒処理するための触媒コンバーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ケーシング及び触媒手段の特に形状及び寸法を
設置場所に好適に適合させることができ、触媒手段及び
内側の中空空間の軸線方向における寸法が比較的大きく
ても排ガスを触媒手段の通路に均一に配分させることが
できると共に、圧力損失が少なく、始動特性に優れ、薄
板要素の結合部が安定で、低コストに製造可能な触媒コ
ンバーターを提供する。 【構成】触媒手段（２１０）は少なくとも２パックの薄
板要素（２１３，２１４）を有している。同じパックに
属している薄板要素（２１３，２１４）は、該薄板要素
に密着する互いに平行な密着面を決定している。異なる
パックによって画成された通路（２１７）は、内側の中
空空間（２２１）の個々の側で、該内側の中空空間から
離れるように延びている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排ガスを触媒処理する
ための触媒コンバーターに関し、より厳密には、ケーシ
ングと、該ケーシング内に配置される触媒手段とを有
し、少なくとも一部が触媒手段の領域の間にある内側の
中空空間と、触媒手段とケーシングの少なくとも一部と
の間にある外側の中空空間とが設けられ、触媒手段が薄
板要素を有し、該薄板要素が、内側の中空空間から外側
の中空空間へ通じている通路を画成しており、互いに隣
接している薄板要素の各対の少なくとも１つの薄板要素
が***部を有している触媒コンバーターに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】触媒コンバーターは、特に動力車のガソ
リンエンジン、例えば自動車のガソリンエンジンまたは
他のエンジンから発生する排ガスを、化学反応によって
転化させるようにして触媒処理することにより浄化及び
（または）無毒化する、即ち有害物質を除去するために
設けられる。

【０００３】排ガスを触媒処理するための公知の触媒コ
ンバーターは、排ガスの流入部及び排出部を備えたケー
シングを有している。ケーシングは触媒手段を有し、該
触媒手段は、排ガス用の通路を備え基体とも呼ばれる１
個のコンバーター本体部、または作動時に順次排ガスが
貫流する複数個のコンバーター本体部を備えている。通
路を画成している面には、少なくとも１種類の特殊鋼を
含む触媒活性材を備えた被覆部が設けられている。

【０００４】公知の多くの触媒コンバーターの欠点は、
流入部を貫流する排ガスが（第１の）コンバーター本体
部の小さな排ガス流入面にしか配分されないこと、及び
（または）排ガス流入面に均等に配分されないこと、及
び（または）始動時に、流入部と（第１の）コンバータ
ー本体部との間において、及び（または）（第１の）コ
ンバーター本体部自身の内部において、ケーシングの壁
を介して排ガスの大量の熱が比較的急速に周囲に放出さ
れることである。排ガスが小さな排ガス流入面にしか配
分されないと、及び（または）排ガス流入面に均等に配
分されないと、圧力降下または背圧が大きくなり、加え
て効率が減少して、必要とするコンバーター本体部の体
積、特殊金属の需要量が増大し、製造コストが高くな
る。また、エンジン及び触媒コンバーターの冷間始動時
に大量の熱が急激に放出されると、個々のコンバーター
本体部を効果的な排ガス処理に必要な温度へ加熱するま
でに比較的時間がかかる結果になる。

【０００５】欧州特許公開第０５１４３２６号公報に開
示されている触媒コンバーターは、既に上記欠点を十分
に解消するものである。例えばこの公開公報から知られ
ている触媒コンバーターのケーシングは側面を有し、触
媒手段は１個のリング状のコンバーター本体部を有して
いる。コンバーター本体部は、リング状の薄板要素のパ
ックから構成されている。積層されている薄板要素は、
互いに交差する波形部を備えている。薄板要素は保持手
段によって保持される。保持手段はボルトを有し、該ボ
ルトは薄板要素の穴を貫通し、一端において平らな板材
またはケーシングの壁に溶接されている。ケーシングの
開口部は、コンバーター本体部の内側面によって取り囲
まれている内側の中空空間に連通している。ケーシング
の他の開口部は、ケーシングの側面とコンバーター本体
部の外側面との間にある外側の中空空間に連通してい
る。コンバーター本体部は、内側の中空空間から外側の
中空空間へ延びる通路を有している。通路は、外側面の
外周に沿って均等に配分されている。この公知のコンバ
ーター本体部のケーシングの側面とコンバーター本体部
の側面は横断面が円形または楕円形であり、軸線方向の
寸法よりもかなり大きな横断面寸法を有している。

【０００６】この公知のコンバーター本体部のリング状
の薄板要素は、製造の際、通常は四角形の薄板またはベ
ルト状の薄板から押しぬかれる。その際比較的多量の薄
板廃棄物が発生し、触媒コンバーターの製造コストを高
くしている。

【０００７】触媒コンバーターを自動車の下面に取り付
ける場合、そのための場所に不足することがある。設置
場所の状況は自動車のタイプに応じてまちまちである。
排ガス管の長さを短くさせるためには、例えば側面が横
断面にて比較的フラットな形状を持ち、よって処理され
るべき排ガスの量のわりには側面の横断面寸法が比較的
短いことが望ましい場合がある。また、側面が横断面に
て三角形であるのが好ましい場合もある。さらに、側面
の（最大）横断面寸法がその長さよりも短いほうが好ま
しい場合もありうる。

【０００８】触媒手段またはコンバーター本体部が内側
の中空空間から外側の中空空間のほうへ延びている通路
を有しているこの種の公知の触媒コンバーターの場合、
通路の横断面は内側から外側へ増大している。このこと
は、触媒活性材の需要量を高め、よって製造コストを増
大させることになる。

【０００９】フランス特許公開第２６１７９０３号公報
から知られている触媒コンバーターは、ケーシングと、
１パックのリング状の薄板要素を備えた触媒手段とを有
している。薄板要素は、触媒活性材を備えた被覆部を有
している。触媒コンバーターの流入部は、触媒手段によ
って取り囲まれている筒状の内側の中空空間に開口して
いる。ケーシングの内面と触媒手段の間には、触媒コン
バーターの排出部に連通する外側の中空空間が設けられ
ている。触媒手段の薄板要素は通常円錐形であるが、互
いに隣接している薄板要素の各パックの少なくとも一つ
の薄板要素は、波形部またはこぶを備えている。その結
果薄板要素は互いに対をなして内側の中空空間から外側
の中空空間のほうへ延びる通路を画成している。薄板要
素はケージの中に配置されており、該ケージは、パック
の流入部側の端部にリングフランジを有し、他端に板材
と、該板材及びリングフランジに結合される、パックの
まわりに配分された棒材を有している。

【００１０】この公知の触媒コンバーターの内側の中空
空間の長さは、触媒コンバーターの直径よりもかなり長
い。従って、作動時に流入部を通って内側の中空空間に
流入する排ガスは、前記板材に衝突して初めて転向する
ような輻射線を形成する。よって、触媒手段の通路を通
って流動する排ガスの流動密度は、流入部付近において
は、触媒手段の流入部とは逆の側の端部付近よりもかな
り小さい。このような不均一な流動は触媒活性材の活用
を妨げるものであり、触媒手段を排ガスが均一に流動す
るものに比べて触媒コンバーターを大型化し、高価にさ
せるものである。さらに、内側の中空空間内に渦流が発
生する。この渦流は、触媒コンバーターを貫流する排ガ
スの圧力降下を増大させる。また、円錐形の薄板または
ベルト状の薄板から製造する場合、かなりの廃棄物が生
じる。さらに、円錐形の薄板要素に波形部またはこぶを
形成するのは面倒である。最後に挙げた公報によれば、
場合によっては薄板要素はスポット溶接によって互いに
結合され、或いは前記リングフランジまたは板材と結合
される。これらの薄板要素は、少なくとも一部分は、線
形的な波形頂部または点状のこぶ頂部においてのみ接触
し、被覆部を有しているので、すべての薄板要素を対を
成すように互いに溶接させることは非常に困難であり、
面倒である。また、薄板要素はこのように点状に結合さ
れているにもかかわらず比較的強く変形し、互いにずれ
ることがある。薄板要素は、触媒コンバーターの使用時
に振動、その他の加速度及び温度変化を蒙るので、薄板
要素、特にその被覆部が損傷する危険が大きい。

【００１１】フランス特許公開第２０７５６９１号公報
から知られている触媒コンバーターは、横断面にて楕円
形のケーシングを有し、ケーシングには排ガスの流入部
と排出部とが設けられている。ケーシング内に配置され
るＶ字形のコンバーター本体部は、二つの中空の脚部を
有している。これらの脚部は、内側を多孔性の内壁によ
って画成され、外側を多孔性の外壁によって画成され、
排ガスを触媒処理するために用いられる粒子状の材料を
含んでいる。排ガスの流入部は、コンバーター本体部の
多孔性の内壁の間にある内側の中空空間に開口してい
る。コンバーター本体部の多孔性の外壁とケーシングの
内面部分との間にある外側の中空空間は、排ガスの排出
部に連通している。

【００１２】前記粒子状の材料の粒子に関してはこのフ
ランス特許公開第２０７５６９１号公報に説明されてい
ないが、触媒活性材で被覆したセラミックス粒子から成
るものと察せられる。もしこの触媒コンバーターを自動
車のエンジンに接続させると、エンジンによって生じる
振動及び走行時の加速度が触媒コンバーターに作用す
る。従って粒子状の材料の粒子が移動し、その際粒子は
相互に且つコンバーター本体部の壁に衝突し、粒子同志
が摺り合ったり、壁上を滑動することになる。よって、
この触媒コンバーターを使用すると、摩耗、破砕により
粒子状の材料は短期間で破損する。

【００１３】前記フランス特許公開第２０７５６９１号
公報から知られている触媒コンバーターの流入部の、内
側の中空空間に開口している開口部の直径は、内側の中
空空間の長さよりも著しく小さく、且つ流入部の開口部
に接続している内側の中空空間の一部分よりも著しく小
さい。従ってこの触媒コンバーターを使用すると、流入
部から排出部へ高速で流動する排ガスの大部分は比較的
薄い輻射線を形成し、流入部から軸線方向へかなり離れ
た時点で初めてコンバーター本体部の多孔性の内面に衝
突する。内側の中空空間の、流入部の開口部の側方にあ
る領域では、大きな渦が発生する。従って、コンバータ
ー本体部内での排ガスの流動は不均一になる。その結
果、触媒活性材の活用性が悪くなり、大きな圧力降下ま
たは背圧が生じる。内側の中空空間に発生する渦流はこ
の圧力降下または背圧を一層大きくさせる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の触媒コンバーターの上記欠点を解消し、ケーシング及
び触媒手段の特に形状及び寸法を設置場所に好適に適合
させることができ、触媒手段及び内側の中空空間の軸線
方向における寸法が比較的大きくても排ガスを触媒手段
の通路に均一に配分させることができると共に、圧力損
失が少なく、始動特性に優れ、薄板要素の結合部が安定
で、低コストに製造可能な触媒コンバーターを提供する
ことである。

【００１５】

【課題を解決するための手段及び効果】本発明は、上記
課題を解決するため、排ガスを触媒処理するための触媒
コンバーターであって、ケーシングと、該ケーシング内
に配置される触媒手段とを有し、少なくとも一部が触媒
手段の領域の間にある内側の中空空間と、触媒手段とケ
ーシングの少なくとも一部との間にある外側の中空空間
とが設けられ、触媒手段が薄板要素を有し、該薄板要素
が、内側の中空空間から外側の中空空間へ通じている通
路を画成しており、互いに隣接している薄板要素の各対
の少なくとも１つの薄板要素が***部を有している触媒
コンバーターにおいて、触媒手段が少なくとも２パック
の薄板要素を有していること、同じパックに属している
薄板要素が、該薄板要素に密着する互いに平行な密着面
を決定していること、異なるパックによって画成された
通路が、内側の中空空間の個々の側で、該内側の中空空
間から離れるように延びていることを特徴とするもので
ある。

【００１６】本発明による触媒コンバーターの好ましい
構成は、従属項から明らかである。通路の、内側の中空
空間または外側の中空空間に開口している端部を、以下
では通路の内側の端部または外側の端部と記すことにす
る。

【００１７】本発明によれば、触媒手段は少なくとも２
パックの薄板要素を有している。これらの薄板要素パッ
クのそれぞれは、一群の通路を有している。通路は、少
なくとも外側の端部において互いに間隔を持って位置し
ており、この間隔は、互いに隣接し一つのパックに属し
ている薄板要素の間隔よりも著しく大きく、且つ同じ薄
板要素パックに設けられている通路の間隔よりも著しく
大きい。

【００１８】本発明によれば、各パックの薄板要素は隆
起部を備えている。この場合、各パックの他の薄板要素
は平らであることができる。各パックは、第１の薄板要
素と第２の薄板要素とを積層したものから成っており、
その際第１の薄板要素は波形部を有し、第２の薄板要素
はほぼ平らである。

【００１９】薄板要素の***部は、例えば互いに平行な
まっすぐな波形部またはこぶから成っている。これらの
波形部またはこぶは中心面の両側において突出し、薄板
要素の平面図においては、丸い、例えば円形の輪郭を持
っている。

【００２０】しかし、すべての薄板要素が***部を、例
えば波形部を持っていてもよい。この場合、積層された
薄板要素の波形部は互いに交差する。各薄板要素は、薄
板要素の両面に密着する二つの密着面または平らな密着
面を決定している。薄板要素が***部を有していると、
密着面は***部の最上位置に密着し、即ち例えば波形部
の頂部線或いはこぶの頂点に密着する。薄板要素が平ら
であると、この決定された密着面は、薄板要素の二つの
平らな面に等しい。

【００２１】薄板要素パックの積層された薄板要素は、
密着面において対を成して互いに接する。この場合密着
面は、一つのパックの両端にある密着面を除けば、互い
に隣接している薄板要素を局所的に接触させている接触
面をも形成する。

【００２２】触媒手段を少なくとも２パックの薄板要素
から形成させることにより、触媒手段及びケーシングの
形状及び寸法、特に側面の横断面寸法を、触媒コンバー
ターに提供される場所に好適に適合させることが可能に
なる。例えば２パックの薄板要素、及び２パックだけの
薄板要素を設けることができる。２パックの薄板要素
は、その間にあって内側の中空空間を通って延びる中央
面の互いに対向している側に位置し、この中央面及び内
側の中空空間から離れるように延びる通路を含んでい
る。この場合ケーシングは、横断面が円形のケーシング
に比べて比較的フラットな横断面形状を有することがで
きる。またケーシングは、前記中央面にたいして直角に
測った第１の横断面寸法と、中央面に平行に測った、第
１の横断面寸法よりも短い第２の横断面寸法とを有する
ことができる。より短い第２の横断面寸法は、提供され
る設置場所に依存しているが、第１のより大きな横断面
寸法の高々７０％または高々６０％、または５０％にす
ぎない。これにより、触媒コンバーターを、例えば自動
車の排気管装置の管の中において、この管及び触媒コン
バーターのケーシングの側面にたいして横方向に延びる
方向、例えば鉛直方向にわずかな場所しか提供されてい
ないような位置に設置することが可能になる。

【００２３】一方、３パックの薄板要素を備えた触媒手
段を設けて、ケーシングの側面を、横断面が三角形にな
るように構成することもできる。この場合ケーシングの
側面は、隅角部の代わりに角を丸くされた移行部を有す
る。ほぼ三角形の側面は、設置を容易にする可能性があ
る。この種の触媒コンバーターは、例えば側面の下辺が
三角形の水平方向の辺によって形成されているように、
自動車の床の下に配置することができる。

【００２４】さらに、四つまたはそれ以上の薄板要素の
パックを内側の中空空間のまわりに配分した触媒手段を
設けることもできる。この場合ケーシングの側面は、隅
角部の代わりに角を丸くした、横断面にて多角形の側面
であり、及び（または）多かれ少なかれ円形の側面であ
る。

【００２５】側面の軸線にたいして直角な横断面図にお
ける、触媒手段の最大横断面寸法は、例えば触媒手段の
軸線方向における最大寸法よりも小さく選定することが
できる。同様に、側面及びケーシング全体の最大横断面
寸法を、側面及びケーシング全体の軸線方向における最
大寸法よりも小さく選定することができる。

【００２６】各薄板要素は、平面図において、即ち薄板
要素によって決定される密着面にたいして直角な投影図
において、好ましくは四角形の輪郭を有している。さら
に各薄板要素は、平面図または前記投影図において、互
いに平行でまっすぐな、好ましくは少なくとも二つのエ
ッジを有している。この場合、少なくとも、内側の中空
空間または外側の中空空間に境を接している二つのエッ
ジは、直線状であり、互いに平行である。さらに、好ま
しいのは、各薄板要素の他の二つのエッジも前記投影図
において直線状であり、互いに平行なことである。この
ように構成すると、薄板要素は平面図または前記投影図
において斜角の、または直角の平行四辺形を形成する。
これにより、薄板要素を、廃棄物を極力少なくして、互
いに平行な縦エッジを持ったベルトから、或いは四角形
または正方形または長方形の板から製造することが可能
になる。

【００２７】本発明による触媒コンバーターは、内側の
中空空間に連通している排ガス用の流入部を有してい
る。この場合、流入部によって画成される内部空間また
は通路は、横断面にて少なくとも一部が触媒手段によっ
て画成される内側の中空空間に直接開口している。さら
に流入部の内部空間または通路は、内側の中空空間に開
口している開口部において、好ましくは大体において、
即ち少なくともほぼ、または例えば正確に内側の中空空
間と同じ横断面形状、または大体において、即ち少なく
ともほぼ、または正確に同じ横断面寸法を有している。
内側の中空空間は、触媒手段に境を接している好ましく
は少なくとも一つの自由領域を有し、この自由領域の横
断面は、流入部から離れる方向に減縮している。その
際、内側の中空空間の自由領域の横断面は、内側の中空
空間及び触媒手段の、流入部から離れる方向に延びてい
る延在範囲の少なくとも大部分において、例えば流入部
から離れる方向に延びている全延在範囲において、少な
くともほぼまたは正確に線形的に、流入部から間隔を持
って減縮している。内側の中空空間の横断面は、流入部
に最も近い位置にある触媒手段の通路が開口している位
置から、流入部から最も遠く離れた通路が内側の中空空
間に開口している位置まで、例えば少なくとも５０％、
または少なくとも８０％、即ち実質的にはゼロに減縮し
ている。流入部及び内側の中空空間のこの構成により、
流入部及び内側の中空空間の内部空間または通路の横断
面寸法に比べて内側の中空空間の軸線方向における寸法
が大きい場合でも、内側の中空空間に流入する排ガスを
触媒手段のすべての通路に均一に分配させることができ
る。これにより触媒活性材を活用することができ、単位
時間あたりに処理される排ガスの量に比較して好都合な
製造コストを可能にする。また、流入部の前記構成と、
内側の中空空間の各自由領域の横断面の減縮との組合せ
により、渦流の発生が阻止され、圧力損失を低維持する
ことができる。

【００２８】本発明による触媒コンバーターは、既に述
べたように、流入部は、大部分を触媒手段により画成さ
れた内側の中空空間内に直接開口している。この場合排
ガスは、流入部から流出するときと、触媒手段の通路内
へ流入するときの間で、ケーシングの壁の高々わずかな
部分に接触する可能性がある。しかし内側の中空空間
は、横断面において、その全長にわたってもっぱら触媒
手段により画成されており、その結果排ガスは、流入部
から流出するときと、触媒手段の通路内へ流入するとき
の間で実際にはほとんどケーシングの壁に接触すること
はできない。さらに流入部は、例えばケーシングの壁に
気密に固定される接続部材を有している。接続部材は、
ケーシングの壁によって取り囲まれている内部空間の中
へ突出している。この場合触媒手段を、流入部に属して
いる接続部材の、ケーシングの内部空間の中にある端部
に固定することができる。さらに例えば排ガス用の排出
部を設けることができる。排出部も同様に接続部材を有
しており、該接続部材は、ケーシングの壁に気密に固定
され、ケーシングの内部空間の中へ突出し、この内部空
間内に穴を備えている。この接続部材に触媒手段が固定
される。触媒手段は、すべての側においてケーシングの
壁から間隔を持って位置することができる。触媒コンバ
ーターのこのような構成は、触媒手段の上記構成と相俟
って、冷間始動時に、即ち排ガスを生じさせるエンジン
の始動時に触媒手段が周囲温度にあるときに、少なくと
も内側の中空空間に境を接している領域において、触媒
手段を排ガスの有効な触媒処理を可能にするような温度
へ急速に加熱させることに寄与する。

【００２９】触媒手段はケーシング内に固定されるが、
その際触媒手段とケーシングの壁の内面の間に、熱絶縁
性及び防音性の、少なくとも１種類の金属製の材料から
成る、及び（または）金網を有する中間層を設ける必要
がない。これは、触媒コンバーターの低コストな製造を
可能にする上で好ましい。

【００３０】既に述べたように、各薄板要素パックは、
例えば***部を有している第１の薄板要素と、ほぼ平ら
な第２の薄板要素とを交互に積層したものから成ってい
る。この場合、第１の薄板要素と第２の薄板要素は波形
部の頂部線において互いに接している。触媒手段をこの
ように構成することにより、波形部と通路に直角な断面
図において、単位面積あたり多数の通路が得られる。同
じグループに属する通路の断面は、通路の構成に依存し
て一部は平らであり、一部は湾曲していることができ
る。触媒手段は、通路に直角な断面図において、好まし
くは少なくとも６２個／ｃｍ²の通路（平方インチあた
り少なくともほぼ４００個の通路）、より好ましくは少
なくともほぼ９３個／ｃｍ²の通路（平方インチあたり
少なくともほぼ６００個の通路）、さらに好ましくは少
なくともほぼ１２４個／ｃｍ²の通路（平方インチあた
り少なくともほぼ８００個の通路）、または少なくとも
ほぼ１８６個／ｃｍ²の通路（平方インチあたり少なく
ともほぼ１２００個の通路）、例えばほぼ２４８個／ｃ
ｍ²の通路（平方インチあたり少なくともほぼ１６００
個の通路）を有する。

【００３１】波形頂部から波形頂部のほうへ測った波形
部の高さ、またはこぶ頂点からこぶ頂点のほうへ測った
こぶの高さは、合目的には高々２ｍｍ、好ましくは高々
１ｍｍ、有利には少なくとも０．３ｍｍ、例えばほぼ
０．５ｍｍである。***部が波形部によって形成されて
いる場合、波長は例えば波高の２倍ないし３倍の長さで
あり、波高がほぼ０．５ｍｍとすると、波長は例えばほ
ぼ１．２ｍｍないし１．４ｍｍである。

【００３２】触媒手段は、薄板要素を互いにつなぎ合わ
せ結合させる保持手段を有していのが好ましい。各薄板
要素は、少なくとも一つの保持部分、例えば少なくも二
つの保持部分を有するのが好ましい。各保持部分は保持
手段の少なくとも一つの構成要素に固定され、及び（ま
たは）この保持手段により他の薄板要素の保持部分から
間隔を持って保持される。保持部分は例えば別個に、及
び（または）対を成して溶接結合部及び（または）硬蝋
蝋付け結合部及び（または）締付け結合部により間隔要
素に固定される。これにより、薄板要素の安定な結合が
得られる。

【００３３】薄板要素は例えば金属材料、即ち鋼から成
る内側領域または中核領域を有している。鋼は鉄のほか
にほぼ２０重量％のクロム、ほぼ５重量％のアルミニウ
ム、場合によってはさらに少量のランタン及び（また
は）イットリウムを含んでいる。薄板要素の、通路に境
を接している主部分は、酸化金属、即ち酸化アルミニウ
ムから成る被覆部を有しているのが好ましい。この被覆
部は“ウォッシュコート”とも呼ばれ、その上に触媒活
性材がコーティングされる。触媒活性材は少なくとも特
殊金属、例えばプラチナ及び（または）ロジウムを有す
ることができる。薄板要素の保持部分は剥き出しで、被
覆されていないのが好ましく、その結果保持部分の表面
は薄板要素の内側領域または中核領域と同様の材料、即
ち鋼から成っている。

【００３４】

【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面を用いて
説明する。予めことわっておくが、添付の図面はかなり
簡略に図示したものであり、一部は実寸ではない。

【００３５】図１から図３までに図示した触媒コンバー
ター２０１は軸線２０２を決定しており、ケーシング２
０３を有している。ケーシングの壁は側面２０４と、第
１の端壁２０５と、第２の端壁２０６とを有している。
側面２０４は軸線２０２を取り囲んでおり、軸線２０２
に沿って延び、軸線２０２にほぼ平行である。側面２０
４は例えば薄板部材から成っており、軸線に平行なエッ
ジは、図３に図示した折り曲げ部( Boerdel )によって
互いにしっかりと且つ気密に結合されている。端壁２０
５のエッジは例えば折り曲げ部により側面２０４のエッ
ジと結合されている。

【００３６】側面２０４は、軸線に直角な横断面図にて
ほぼ長方形であり、しかしこの長方形の隅角部の代わり
に湾曲した移行部が採用されている。即ち側面２０４
は、互いに対向している二つの第１の側面及び（また
は）縦面２０４ａと、互いに対向している二つの第２の
側面及び（または）縦面２０４ｂとを有している。側面
２０４に属している四つの側面及び（または）縦面は大
体において、即ち前記の湾曲した移行部と折り曲げ部と
を除いて平らであり、互いに平行に対を成している。ケ
ーシング２０３は、二つの第１の側面及び（または）縦
面２０４ａの間において軸線２０２を通って壁２０４ｂ
のほうへ延びている中心面を有している。この中心面
は、図２の切断線に一致しており、図３において符号２
０９で示した。ケーシング２０３とその側面とは、この
中心面２０９にたいして直角に測った第１の横断面寸法
と、前記中心面に平行に測った第２の横断面寸法とを有
している。

【００３７】端壁２０５，２０６はほぼ平らであり、且
つ軸線２０２にたいして直角であり、側面の横断面形状
に対応している輪郭形状を有している。第１の端壁２０
５は、第１の穴２０５ａを有している。第２の端壁２０
６は第２の穴２０６ａを有している。それぞれの端壁に
は接続部材が固定されており、即ち穴２０５ａまたは２
０６ａを画成するカラーのなかへ溶接されている。それ
ぞれの接続部材は、外側の筒状の部分と、該筒状の部分
から離れるようにケーシングの内部空間のほうへ拡大し
ている部分とを有している。両穴２０５ａ，２０６ａは
接続部材とともに触媒コンバーターの流入部２０７また
は排出部２０８を形成している。流入部２０７と排出部
２０８とは、軸線２０２に同軸である。

【００３８】ケーシング２０３は、二つのコンバーター
本体部２１１を備えた触媒手段２１０を有している。両
コンバーター本体部２１１の一方が図４に別個に図示さ
れている。各コンバーター本体部２１１はほぼ角柱の形
状をもっており、ほぼ平らな六つの面、または既に述べ
たように少なくとも平らな密着面を有しており、即ち基
面２１１ａと、これに平行な上面２１１ｂと、外面２１
１ｃと、これにたいして平行な内面２１１ｄと、第１の
端面２１１ｅと、これに平行な第２の端面２１１ｆとを
有している。両角柱上のコンバーター本体部２１１は、
図１に図示した断面図では、基面２１１ａ及び上面２１
１ｂと同様に、エッジの長さが異なる斜角の平行四辺形
の形状を有している。外面２１１ｃまたは内面２１１ｄ
は長方形上であり、それぞれ基面の長いほうのエッジを
上面の長いほうのエッジと結合させている。

【００３９】各コンバーター本体部は、第１の薄板要素
２１３と第２の薄板要素２０４とを交互に積層したパッ
クを有している。さらに各コンバーター本体部は、薄板
要素を結合させ間隔要素２１５を備えた保持手段を有し
ている。各薄板要素と保持要素とは、例えばそれぞれ別
個の材料から成っている。薄板要素２１３，２１４は、
平面図において、コンバーター本体部２１１の基面２１
１ａ及び上面２１１ｂと同一の輪郭形状を有しており、
即ち斜角の平行四辺形を有している。

【００４０】各第１の薄板要素２１３は主部分２１３ａ
を有している。主部分２１３ａは波形部２１３ｂを備え
ている。波形部２１３ｂは互いに平行に、且つ端面２１
１ｅ，２１１ｆに平行に外面２１１ｃから内面２１１ｄ
のほうへ延びている。拡大１の薄板要素２１３の波形部
２１３の波形頂部２１３ｃと２１３ｄは、基面２１１ａ
及び上面２１１ｂに平行な二つの平らな密着面を決定し
ている。これに対応して、第１の薄板要素によって決定
されるすべての平らな密着面は互いに平行である。頂部
から頂部へ測った波形部の波高は、好ましくは少なくと
も０．３ｍｍ、例えば少なくとも０．５ｍｍないし１ｍ
ｍである。波長は、例えば少なくとも波高に等しい。各
第１の薄板要素２０３は、その主部分２１３ａの互いに
逆の側に、即ち端面２１１ｅ，２１１ｆに、波形部に沿
って延び、波形部に平行なストライプ上の平らな保持部
分２１１ｅまたは２１３ｆを有している。

【００４１】各第２の薄板要素２１４は、少なくともほ
ぼ平らである。コンバーター本体部２１１の基面２１１
ａと上面２１１ｂは、例えばそれぞれ第２の薄板要素２
１４によって形成することができる。それぞれの第２の
薄板要素２１４は主部分２１４ａを有している。主部分
２１４ａは、コンバーター本体部の基面及び上面を形成
している第２の薄板要素において、隣接する第１の薄板
要素２１３の波形頂部に接しており、そして他のすべて
の第２の薄板要素において、隣接している二つの第１の
薄板要素２１３の波形頂部に接している。拡大２の薄板
要素２１４は、その主部分２１４ａの互いに対向する側
にストライプ状の、もちろん平らである保持部分２１４
ｅまたは２１４ｆを有している。

【００４２】各間隔要素２１５は、横断面にて四角形の
異形棒から成るまっすぐな部材から構成されている。コ
ンバーター本体部２１１の基面２１１ａと上面２１１ｂ
を度外視すれば、第１及び第２の薄板要素２１３，２１
４の保持部分２１３ｅ，２１３ｆ，２１４ｅ，２１４ｆ
は互いに対を成して直接接している。間隔要素２１５は
波形部の全長にわたって延びており、二つの保持部分２
１３ｅと２１４ｅまたは２１３ｆと２１４ｆの間に配置
されている。

【００４３】薄板要素２１３，２１４は、冒頭で述べた
鋼から成っている。各薄板要素２１３，２１４の主部分
２１３ａ，２１４ａの互いに対向している二つの表面
は、酸化アルミニウムから成る被覆部を備えている。酸
化アルミニウム被覆部の上には触媒活性材がコーティン
グされる。触媒活性材は例えばプラチナ及び（または）
ロジウムを有している。薄板要素の保持部分２１３ｅ，
２１３ｆ，２１４ｅ，２１４ｆは好ましくは剥き出しで
あり、コーティングされていない。その結果その表面は
鋼から成っている。間隔要素２１５も同様に金属材料か
ら成り、即ち鋼から成っており、波形部２１３ｂ側の面
にも同様に酸化アルミニウム及び触媒活性材から成る被
覆部を備えさせてもよい。

【００４４】互いに接している保持部分２１３ｅ，２１
３ｆ，２１４ｅ，２１４ｆと間隔要素２１５とは互いに
しっかりと結合され、即ち溶接されている。薄板要素２
１３，２１４の互いに接している主部分は協働して通路
２１７を画成している。通路２１７は、波形部２１３ｂ
と同様に外面２１１ｃから内面２１１ｄのほうへ延びて
いる。即ち各コンバーター本体部２１１は、互いに平行
で且つ面２１１ａ，２１１ｂ，２１１ｅ，２１１ｆに平
行で、これらの面の間を貫通して延びる通路２１７のグ
ループを有している。各通路２１７は全長にわたって一
定の横断面を有している。即ち、間隔要素２１５に境を
接している通路を除くと、すべての通路は大きさの等し
い横断面を有している。さらにすべての通路は同じ長さ
である。

【００４５】既に述べたように、ほぼ角柱状のコンバー
ター本体部の基面２１１ａと上面２１１ｂとは、例えば
それぞれ第２の薄板要素２１４によって形成されてお
り、これに対応してほぼ平らである。しかし、コンバー
ター本体部２１１の最も離れている薄板要素の少なくと
も一つが第２の波形の薄板要素から成ることも可能であ
る。この場合、触媒コンバーターの基面及び（または）
上面とは、最も外側の薄板要素の外側の波形頂部に密着
している平らな密着面である。

【００４６】コンバーター本体部の基面２１１ａと上面
２１１ｂは、第２の側面及び（または）縦面２０４ｂの
一つに向き合っており、前述したような意味では、ほぼ
平らであり、第２の側面及び（または）縦面２０４ｂに
平行である。両コンバーター本体部２１１は、その基面
２１１ａと上面２１１ｂに、例えば図２及び図３によれ
ば、それぞれケーシング２０３の第２の側面及び（また
は）縦面２０４ｂの一つに接している。

【００４７】両コンバーター本体部２１１の２１１ｃ，
２１１ｄ，２１１ｅ，２１１ｆは基面２１１ａ、上面２
１１ｂ、及びケーシングの第２の幅広の側面及び（また
は）縦面２０４ｂにたいしてそれぞれ直角である。第１
の外面２１１ｃと第１の端面２１１ｅとは、互いに図４
でαで示した角度、即ち９０°とは異なる角度、少なく
とも４５°、好ましくは少なくとも６０°、例えば７５
°ないし８７°を形成している。

【００４８】両コンバーター本体部２１１は、その第１
の端面２１１ｅにおいて、図１で軸線２０２の互いに対
向している側及び流入部２０７の開口部にある端壁２０
５の領域に気密に固定され、例えば溶接されている。両
コンバーター本体部２１１の外面２１１ｃは互いに対向
しており、第１の側面及び（または）縦面２０４ａの一
つに向き合っている。両コンバーター本体部２１１の領
内面２１１ｄは互いに向き合っており、流入部２０７か
ら離れる方向でたがいに接近している。面２１１ｃ，２
１１ｄは、軸線２０２を通って延びる中心面２０９と角
度を成しており、この角度は差９０°−α、即ち高々４
５°であり、好ましくは高々３０°、例えば３°ないし
１５°である。両コンバーター本体部２１１は、その流
入部２０７とは逆の側の端面２１１ｆにおいて互いにし
っかりと結合され、例えば直接に及び（または）料コン
バーター本体部を結合させている結合要素を介して溶接
されている。即ち両コンバーター本体部２１１は、図１
の断面図においては互いにＶ字を形成しており、その間
を通って延びている中心面２０９に関して鏡対称に形成
されている。

【００４９】側面２０４の前記第１及び第２の横断面寸
法と、側面２０４及びケーシング全体の対向している隅
角部の間で測った最大横断面寸法とは、側面２０４の長
さよりも短い。同様に、軸線２０２にたいして直角に測
った触媒手段２１０の横断面寸法は、軸線２０２に平行
に測った触媒手段２１０の長さよりも短い。

【００５０】流入部２０７の内部空間または通路は、ケ
ーシング２０３の第１の穴２０５ａにおいて、ケーシン
グ２０３内で両コンバーター本体部２１１の内面２１１
ｄの間にある、横断面にて多角形の、即ち四角形の内側
の中空空間２２１に開口している。流入部２０７の内部
空間は、内側の中空空間２２１に開口している開口部に
おいて、該内側の中空空間２２１の流入部により近い側
の端部と大体において同じ、即ち少なくともほぼ同じ、
好ましくは正確に同じ多角形の、即ち四角形の輪郭形状
または横断面形状を有し、そして大体において同じ、即
ち少なくともほぼ同じ、好ましくは正確に同じ輪郭形状
または横断面形状を有している。内側の中空空間２２１
は固定部材を含んでおらず、即ち完全に自由であり、図
１において軸線２０２に沿って流入部から離れる方向に
次第に幅狭になっている。内側の中空空間２２１の幅と
横断面積は、流入部２０７から線形的に減少しており、
その結果流入部から最も離れた通路２４７の内側の端部
においてはほとんどゼロに減縮しており、実際には消滅
している。

【００５１】コンバーター本体部によって形成される二
つのグループの通路は、中心面２０９にたいして直角で
あり、互いに対向している側において内側の中空空間２
２１から離れるように外側へ延びている。さらに通路２
１７のこれらの二つのグループは、外側の中空空間２２
２に通じている外側の通路端部において互いに間隔をも
って位置しており、この間隔は、互いに隣接して同じグ
ループに属している通路、即ち同じコンバーター本体部
に属する通路よりも非常に大きい。

【００５２】ケーシングの第１の側壁または縦壁２０４
ａの内面と、この内面に向き合っているコンバーター本
体部の第１の側面２１１ｃの間には、中間空間が設けら
れている。これらの中間空間は、ケーシングの端壁２０
６の内面とコンバーター本体部の端面２１１ｆの間にあ
る中間空間とともに外側の中空空間２２２を形成してい
る。この外側の中空空間２２２は、ケーシングの第２の
端壁２０６において排出部２０８の内部空間と結合され
ている。外側の中空空間２２２に通じている排出部２０
８の内部空間または通路の開口部は円形、または流入部
２０７の開口部と同様に四角形であることができる。

【００５３】触媒コンバーター２０１は、その使用にた
いしては、例えば自動車のガソリンエンジンの排気管装
置の中に組み込まれ、しかも自動車の床に次のように配
置され、即ちケーシングの第２の幅広の側壁及び（また
は）縦壁２０４ｂが自動車の床にほぼ平行に、且つ自動
車が走行する面にたいして平行に位置するように配置さ
れる。

【００５４】触媒コンバーター２０１の作動時には、図
１において矢印で示した排ガスの流動が触媒コンバータ
ー２０１内に生じる。排ガスは流入部２０７を通って内
側の中空空間２２１内へ流入し、このなかで転向し、排
ガス流入面として用いられるコンバーター本体部の内面
２１１ｄにおいて、通路２１７の内側の端部に流入す
る。排ガスは通路２１７を貫流する際に触媒処理され、
排ガス排出面として用いられる外面２１１ｃにおいて再
びコンバーター本体部から排出され、外側の中空空間２
２２を通って排出される。

【００５５】軸線２０２にたいする内面２１１ｄの傾斜
と、この傾斜及び流入部からの距離の増大によって生じ
る内側の中空空間の横断面積の減少により、排ガス流は
コンバーター本体部に流入する際に、排ガス流入面とし
て用いられる比較的大きな内面２１１ｄに均等に配分さ
れる。このため触媒処理の際には高効率が得られ、触媒
コンバーターによって生じる圧力損失または背圧を低く
保持することが可能になる。

【００５６】排ガスは、流入部２０７の第１の穴２０５
ａによって形成されるか移行部と、排ガス流入面として
用いられるコンバーター本体部の外面２１１ｄの間にお
いては、ケーシング２０３の壁の比較的わずかな領域と
しか接触しない。従って排ガスは、コンバーター本体部
の流入部と排ガス流入面の間でわずかな熱をケーシング
壁を介して周囲に放出される。両コンバーター本体部
は、比較的緩速に熱をケーシング壁を介して周囲に放出
するにすぎない。従って冷間始動の際には、少なくと
も、内側の中空空間２２１に境を接しているコンバータ
ー本体部２１１の領域は、排ガスにより、排ガスの効果
的な触媒処理を可能にする温度へ急速に加熱される。

【００５７】図５と図６に図示した触媒コンバーター２
３１は軸線２３２を決定しており、側面２３４を備えた
ケーシング２３３を有している。側面２３４は、二つの
第１の側壁及び（または）縦壁２３４ａと二つの第２の
側壁及び（または）縦壁２３４ｂとを有している。側面
２３４は横断面にてほぼ長方形であり、その結果側壁及
び（または）縦壁はほぼ平らであり、互いに対を成して
平行である。さらに第１の側壁及び（または）縦壁２３
４ａは第２の側壁及び（または）縦壁２３４ｂよりも幅
狭である。ケーシング２３３は、第１の穴２３５ａを備
えた第１の端壁２３５と、第２の穴２３６ａを備えた第
２の端壁２３６とを有している。両穴はこれに溶接され
ている接続部材と共に流入部２３７または排出部２３８
を形成している。図６には、二つの壁２３４ａの間で軸
線２３２を通って延びている中央面２３９が図示されて
いる。

【００５８】ケーシング２３３は、二つのコンバーター
本体部２４１を備えた触媒手段２４０を含んでいる。二
つのコンバーター本体部２４１は、中央面２３９の互い
に対向する側に配置され、中央面２３９に関して対称で
ある。各コンバーター本体部２４１は基面２４１ａと、
上面２４１ｂと、外面２４１ｃと、内面２４１ｄと、第
１の端面２４１ｅと、第２の端面２４１ｆとを有してい
る。両コンバーター本体部２４１は、図５に図示した断
面図においては、互いに直角な辺を備えた平行四辺形を
形成している。即ち長方形である。これに対応してコン
バーター本体部２４１の基面２４１ａと上面２４１ｂと
は直角を形成している。面２４１ｃ，２４１ｄ，２４１
ｅ，２４１ｆは基面２４１ａ及び上面２４１ｂにたいし
て直角である。即ち各コンバーター本体部２４１はほぼ
正方形の角柱を形成している。

【００５９】両コンバーター本体部２４１は、その基面
及び上面を除いて、例えばコンバーター本体部２１１と
同様に構成されている。そして両コンバーター本体部２
４１は、波形部を備えた第１の薄板要素と、ほぼ平らな
第２の薄板要素とを有している。

【００６０】コンバーター本体部２４１の薄板要素は、
平面図において、直角の平行四辺形、即ち長方形を形成
しており、例えばコンバーター本体部２１１と同様にそ
れぞれ別個の薄板部材から成り、互いに溶接され且つ間
隔要素と溶接されている。しかし同じコンバーター本体
部に属している薄板要素は、折り畳んだ一体の薄板部材
を切断することによって形成することもでき、第１の端
面または第２の端面において折り畳み部を介して交互に
結合している。さらに各コンバーター本体部２１１は、
互いに平行で内面２４１ｄにたいして直角にこの内面２
４１ｄから外面２４１ｃのほうへ延びているまっすぐな
通路２４７を有している。

【００６１】両コンバーター本体部２４１の基面２４１
ａ及び上面２４１ｂは、第２の幅広の側壁及び（また
は）縦壁２４３ｂに向き合っており、この壁に接してい
る。両コンバーター本体部２４１は、その第１の端面２
４１ｅにおいて、第１の穴２３５ａの互いに対向してい
る側で第１の端壁２３５に接しており、例えば溶接結合
部によってこれと結合されている。両コンバーター本体
部２４１の面２４１ｃ，２４１ｄは互いに平行であり、
且つ中央面２３９に平行である。これに対応して通路２
４７は中央面２３９にたいして直角である。両コンバー
ター本体部２４１の外面２４１ｃは、それぞれ幅狭の第
１の側壁及び（または）縦壁２３４ａに間隔を持って対
向しており、これらの壁２３４ａにたいして平行であ
る。両コンバーター本体部２４１の内面２４１ｄは互い
に平行であり、全長にわたって間隔を持って対向してい
る。コンバーター本体部２４１の第１の端壁２３５とは
逆の側の第２の端面２４１ｆは、長方形の円盤から形成
され第２の端壁２３６にたいして間隔を持って位置して
いる端部要素及び（または）閉鎖要素２４９と気密に且
つしっかりと結合され、例えば溶接されている。両コン
バーター本体部２４１とこれによって形成される一群の
通路２４７とは至る所で互いに間隔を持って位置してお
り、この間隔は、同じコンバーター本体部内に互いに隣
接して位置している通路の間隔よりもかなり大きい。

【００６２】両コンバーター本体部２４１の間に挿入さ
れ、好ましくは中空の画成要素２５０は、横断面にて四
角形、長方形、正方形の端部２５０ａを有している。こ
の端部２５０ａは、端部要素及び（または）閉鎖要素２
４９と気密に、及び（または）コンバーター本体部２４
１の流入部とは逆の側の端部と直接に結合され、例えば
溶接されている。画成要素２５０の、通路２４７に平行
に測った幅は、両コンバーター本体部２４１の、互いに
向き合っている内面２４１ｄの間隔にほぼ等しいか、ま
たは正確に等しい。画成要素２５０は、両コンバーター
本体部２４１の間を通ってほぼ流入部２３７の開口部ま
で突出している。画成要素２５０は、流入部の開口部に
おいて、刃先状または場合によってはわずかに丸くなっ
ている端部を有している。この端部のエッジまたは頂部
線は、両壁２３４ａの間にして両コンバーター本体部２
４１の間で軸線２３２を通って延びている前記中央面内
にある。画成要素２５０は互いに対向する二つの画成面
２５０ｂを有している。各画成面２５０ｂは、一方のコ
ンバーター本体部２４１の前で内面２４１ｄに向き合っ
ている。画成面２５０ｂは流入部２３７から離れるよう
に軸線２３２に沿って互いに傾斜しており、その結果そ
れぞれの画成面２５０ｂは流入部から離れるようにし
て、一方のコンバーター本体部２４１の内面２４１ｄに
接近している。画成面２５０ｂは平らであり、軸線２３
２を通って延びる中央面と内面２４１ｄの間で軸線２３
２と角度を成しており、この角度は高々４５°であり、
好ましくは高々３０°であり、例えば高々１５°であ
る。さらに画成要素２５０は、互いに平行で且つケーシ
ングの二つの側壁及び（または）縦壁２３４ｂに平行な
二つの面２５０ｃを有しており、これらの面２５０ｃは
それぞれ第２の側壁及び（または）縦壁２３４ｂの一方
に向き合っており、且つこれに接している。

【００６３】流入部２３７の内部空間は、両コンバータ
ー本体部２４１の間にある内側の中空空間２５１に通じ
ている。画成要素２５０はこの内側の中空空間２５１を
その軸線方向の延在の少なくとも大部分において二つの
自由な領域に分割させている。これらの領域の幅と横断
面積は、軸線２３２に沿って流入部２３７から離れるよ
うに線形的に減縮しており、流入部から最も離れた通路
においてはほとんどゼロになっている。第１の側壁及び
（または）縦壁２３４ａ及びケーシング２３４の端壁２
３６と、コンバーター本体部の第１の側面２４１ｃ及び
閉鎖壁２４９との間には、排出部２３８の内部空間に連
通している外側の中空空間２５２が設けられている。

【００６４】触媒コンバーター２４１の作動時において
は、排ガスは流入部２３７を通って、画成要素２５０に
より二つの自由な領域に分割されている内側の中空空間
２５１に流入する。排ガスはこの内側の中空空間２５１
の自由な領域において転向し、自由な中空空間領域に境
を接し軸線２３２に平行なコンバーター本体部２４１の
内面２４１ｄにおいてその通路２４７に流入する。この
場合、内側の中空空間２５１内での排ガスの転向は、流
入部２３７から離れる方向において排ガス流入面として
の内面２４１ｄにたいして傾斜している画成面２５０ｂ
によって支援される。その後排ガスは、通路２４７を通
って外側へ外側の中空空間２５２内へ流入し、この中空
空間２５２を通って排出される。

【００６５】以上の説明以外の点では、触媒コンバータ
ー２３１は触媒コンバーター２０１と同様に構成されて
おり、同様の特徴を有している。図７から図９までに図
示した触媒コンバーター２６１は、軸線２６２と、軸線
２６２を取り囲んでいる側面２６４を備えたケーシング
２６３とを有している。側面２６４は、横断面にて例え
ば円弧状の二つの第１の側壁及び（または）縦壁２６４
ａと、例えば平らで互いに平行な二つの第２の縦壁２６
４ｂとを有している。側面２６４はその端部において第
１の端壁２６５または第２の端壁２６６と結合されてい
る。両端壁は軸線２６２に同軸の穴２６５ａまたは２６
６ａを有し、これらの穴に、流入部２６７または排出部
２６８として用いられる接続部材が溶接されている。ケ
ーシングは、壁２６４ａの間を通り且つ軸線２６２を通
って延びている中央面２６９を決定しており、中央面２
６９にたいして直角に測った第１の横断面寸法と、中央
面２６９に平行に測った第２の横断面寸法とを有してい
る。第２の横断面寸法は、第１の横断面寸法よりも小さ
い。

【００６６】ケーシング内に配置されている触媒手段２
７０は、二つのコンバーター本体部２７１を有してい
る。これらのコンバーター本体部２７１は中央面２６９
に関して鏡対称である。両コンバーター本体部２７１
は、互いに突合せになっているほぼ平らな基面２７１ａ
と、互いに突合せになっている平らな上面２７１ｂとを
有し、或いはつながっている共通の一つの基面２７１ａ
と、つながっている共通の一つの上面２７１ｂとを有し
ている。さらに各コンバーター本体部２７１は、外面２
７１ｃと、内面２７１ｄと、第１の端面２７１ｃと、第
２の端面２７１ｆとを有している。面２７１ａ，２７１
ｂは互いに平行であり、且つ壁２６４ｂにたいして平行
であり、これらの壁２６４ｂに接している。両内面２７
１ｄは横断面にて湾曲した規則面であり、軸線２６２に
平行な縦エッジにおいて互いに突合せになっている。流
入部２６７により近い位置にあり、図８に図示した、両
内面２７１ｄのエッジは、協働してそれ自体閉じた栓を
形成しており、即ち円を形成している。即ち両内面２７
１ｄは、その中央の横断面領域においては、即ち互いに
突合せになっている縦エッジを除いては、流入部２６７
のそばにある端部にて互いに間隔を持って位置してい
る。両内面２７１ｃの中央の横断面領域は、流入部２６
７から離れる方向で次のように互いに接近しており、即
ち流入部からさらに離れている端部に、ほぼ一致するよ
うに中央面２６９内にあるまっすぐなエッジを有するよ
うに互いに接近している。コンバーター本体部の両端で
切断した図９の横断面図においては、両内面２７１ｄは
ともにレンズ状である。両外面２７１ｃも横断面図では
湾曲した規則面である。各外面２７１ｃは、軸線２６２
に平行で中央面２６９にたいして直角なすべての断面図
では、コンバーター本体部２７１の内面２７１ｄにたい
して少なくともほぼ平行である。

【００６７】各コンバーター本体部２７１は、少なくと
も本来は長方形の第１の薄板要素と第２の薄板要素とを
交互に積層したパックからなっている。第１の薄板要素
は波形部を有し、そのいくつかを図７に図示した。波形
部は、第１の薄板要素の縦エッジに直角に延びている。
第２の薄板要素はほぼ平らである。コンバーター本体部
２７１を製造する際第１及び第２の薄板要素は互いに次
のように回動せしめられて積層され、即ちコンバーター
本体部の端部に配置される間隔要素を備えた保持手段に
より互いにしっかりと結合されるように、且つ薄板要素
の外側及び内側の縦エッジが協働してコンバーター本体
部の外面２７１ｃまたは内面２７１ｄを形成するように
積層されている。完成したコンバーター本体部の薄板要
素が正確に長方形利形状を維持するならば、端面２７１
ｅ，２７１ｆは湾曲した規則面を形成する。しかし第１
の端面２７１ｅを、少なくとも、内面２７１ｄにつき合
わせになっている領域で、第１の端壁２６５にたいして
平行に平らに構成してもよい。第１の端面２７１ｅは、
触媒コンバーター２６１の完成時にこの第１の端壁２６
５に当接する。両コンバーター本体部２７１は互いにし
っかりと気密に結合され、例えば溶接されている。さら
に両コンバーター本体部２７１はケーシング２６３とも
結合され、例えば溶接されている。この場合コンバータ
ー本体部の特に第１の端面２７１ｅは、ケーシングの第
１の端壁２６５と気密に結合される。

【００６８】各コンバーター本体部２７１は、内面２７
１ｄから外面２７１ｃのほうへ延びている一群の通路２
７７を有する。すべての通路２７７は第１の側壁及び
（または）縦壁２６４ｂに平行で、即ち一つの同じ面に
たいしても平行である。さらに、薄板要素の同じ対によ
って形成されるすべての通路は互いに平行である。これ
にたいして、通路中央面と角度をなしている。この角度
の値は、中央面２６９にたいして直角に軸線２６２とコ
ンバーター本体部の中心とを通って延びる面にたいする
間隔に依存している。基面２７１ａまたは上面２７１ｂ
に最も近くに位置するある通路の場合、前記角度は少な
くともほぼ９０°である。基面と上面の間で切断した図
７の切断図の場合、通路２７７は中央面２６９と９０°
とは異なる角度、好ましくは少なくとも４５°、例えば
少なくとも６０°である。通路２７７は、その全長にわ
たって一定の横断面積を有している。さらにすべての通
路２７７は少なくともほぼ等しい長さである。

【００６９】流入部２６７は、両内面２７１ｄによって
取り囲まれている内側の自由な中空空間２８１に通じて
いる。この内側の中空空間に通じている、流入部の開口
部は円形であり、第１の端壁２６５にある内側の中空空
間２８１の端部とほぼ同じ直径を有している。内側の中
空空間２８１の横断面積は、コンバーター本体部の内面
２７１ｄの構成に対応して、流入部から離れる方向に流
入部から間隔を持って線形的に減縮している。外面２７
１ｃ及び第２の端面２７１ｆとケーシングの壁２６４
ａ，２６６の間には、排出部２６８に連通している外側
の中空空間２８２が設けられている。触媒コンバーター
２６１の場合、通路の二つのグループの、内面２７１ｄ
によって形成される内側の開口面は、互いに突合せにな
っているが、通路の残りの部分、特に通路の、該外面２
７１ｃに通じている外側の端部においては、通路の両グ
ループは互いに間隔を持って位置している。

【００７０】触媒コンバーター２６１の作動時において
は、排ガスは流入部２６７を通って内側の中空空間２８
１内へ導入され、排ガス流入面として用いられる内面２
７１ｄにおいて、両コンバーター本体部２７１の通路２
７７に侵入し、排ガス排出面として用いられる外面２７
１ｃにおいてコンバーター本体部から排出され、次に外
側の中空空間２８２を通って排出部２６８へ流動する。
触媒コンバーター２６１の内側の中空空間２８１はほぼ
完全に、もっぱらコンバーター本体部２７１の内面２７
１ｄによって画成されているので、排ガスは流入部から
出るときとコンバーター本体部に流入するときの間に、
前述したコンバーター本体部２０１及び２０３の場合よ
りもわずかに少ない熱を触媒コンバーター２６１の周囲
へ放出する。従って、冷間始動時におけるコンバーター
本体部２７１は、前述したコンバーター本体部２０１及
び２０３の場合よりもさらに迅速に、排ガスを触媒処理
するために必要な温度へ加熱される。

【００７１】図１０に図示した触媒コンバーター２９１
では、側面２９４を備えたケーシング２９３と、ケーシ
ング内に配置される触媒手段２９５とを有している。触
媒コンバーター２９１は、図７から図９までに図示した
触媒コンバーター２６１ほとんど同一に構成されている
が、ただし側面２９４と触媒手段２９５の間に、横断面
にて触媒手段２９５を完全に取り囲んでいる外側の中空
空間２９７が設けられている点で異なっている。

【００７２】図１１と図１２に図示した触媒コンバータ
ー３０１は、軸線３０２とケーシング３０３を有してい
る。ケーシング３０３はケーシング２６３と同様に構成
されており、側面３０４と、端壁３０５，３０６と、流
入部３０７と、排出部３０８とを有している。ケーシン
グ３０３は触媒手段３１０を収容しており、該触媒手段
３１０は、ケーシング３０３の中央面の別々の側に配置
されるコンバーター本体部３１１を備えている。コンバ
ーター本体部３１１は基面３１１ａと、上面３１１ｂ
と、外面３１１ｃと、内面３１１ｄと、二つの端面３１
１ｅ，３１１ｆとを有している。内面３１１ｄは軸線３
０２にたいして平行であり、協働して、横断面にてほぼ
円形の筒面を形成している。外面３１１ｃも同様に軸線
３０２に平行であり、横断面にて次のように湾曲してお
り、即ち前記中央面にたいして直角に測った、外面３１
１ｃと内面３１１ｄの間隔が、至る所で同じ大きさであ
るように湾曲している。触媒コンバーター３０１の端面
３１１ｅ，３１１ｆは平らであり、軸線３０２にたいし
て直角である。各触媒コンバーター３０１は、一部を図
１１と図１２に図示した波形部を備える第１の薄板要素
と、ほぼ平らな第２の薄板要素とを有している。それぞ
れの触媒コンバーター３０１は、前記中央面にたいして
直角に内面３１１ｄから外面３１１ｃへ延びている、ほ
ぼ同じ長さのまっすぐな通路３１７のグループを有して
いる。

【００７３】両触媒コンバーター３０１は、互いにしっ
かりと気密に結合され、且つ端壁３０５とも結合されて
いる。この端壁３０５とは逆の側の端部には、円板状の
端部要素及び（または）閉鎖要素３１９が固定されてい
る。この端部要素及び（または）閉鎖要素３１９は画成
要素３２０を保持している。画成要素３２０は、内面３
１１ｄによって取り囲まれている内側の中空空間３２１
内へほぼ流入部の開口部まで突出している。画成要素３
２０は例えば中空であり、軸線３０２に関して回転対称
であり、ほぼ放物線状であり、外側に画成面３２０ａを
有している。画成面３２０ａは、両コンバーター本体部
３１１の内面３１１ｄと共に、横断面がリング状の、内
側中空空間３２１の自由領域を画成している。内側中空
空間３２１のこの自由領域の横断面積は、流入部３０７
から離れる方向に線形的に減縮しており、その結果流入
部から最も離れた通路３１７の内側端部においては、ほ
ぼゼロになっている。通路３１７の外側の端部は、排出
部３０８に連通している外側の中空空間３２２に通じて
いる。

【００７４】以上述べた以外の点では、触媒コンバータ
ー３０１は触媒コンバーター２６１と同様の構成であ
る。図１３に一部を図示した触媒コンバーター３６１は
軸線３６２を決定しており、ケーシング３６３を有して
いる。ケーシング３６３のうち、軸線３６２を取り囲ん
でいる側面３６４の輪郭だけを図示した。側面３６４
は、軸線３６２のまわりに配分されている平らな三つの
側壁及び（または）縦壁３６４ａを有しており、横断面
にて二等辺三角形を決定している。しかし三角形の隅角
部の代わりに、横断面において湾曲した側壁及び（また
は）縦壁３６４ｂが採用されている。

【００７５】ケーシング３６３は触媒手段３７０を有し
ている。触媒手段３７０は、軸線３６２のまわりに配分
され、湾曲した壁３６４ｂのほうへ突出している三つの
コンバーター本体部３７１を備えている。各コンバータ
ー本体部３７１は、互いに平行で且つ軸線３６２に平行
な二つの平らな側面３７１ａまたは３７１ｂと、外面３
７１ｃと、内面３７１ｄと、二つの端面３７１ｅまたは
３７１ｆとを有している。外面３７１ｃと内面３７１ｄ
は横断面にて湾曲しており、軸線３６２に平行である。
三つの内面３７１ｄは協働して、横断面にて円形の筒面
を形成している。外面３７１ｃは、コンバーター本体部
３７１の側面３７１ａ，３７１ｂに平行に測って、至る
所で、内面３７１ｄから少なくともほぼ等しい間隔を持
っている。端面３７１ｅ，３７１ｆはほぼ平らであり、
軸線３６２にたいして直角である。各コンバーター本体
部３７１は、長方形の第１の薄板要素と第２の薄板要素
とを交互に積層したパックを有している。第１の薄板要
素は、図１３に一部を図示した波形部を有しており、一
方第２の薄板要素はほぼ平らであり、軸線３６２に平行
である。各コンバーター本体部３７１は一群のまっすぐ
な通路３７７を有している。通路３７７は、軸線３６２
及び該当するコンバーター本体部を通って延びている面
に平行に、内面３７１ｄから外面３７１ｃのほうへ延び
ており、軸線３６２を通り該当するコンバーター本体部
の内面にた移行している面にたいして直角であり、全長
にわたって一定の横断面を有し、すべての通路がほぼ等
しい長さである。

【００７６】三つのコンバーター本体部３７１は、ほぼ
放物線状の画成要素３８０を取り囲んでいる。この画成
要素３８０は、コンバーター本体部３７１の内面３７１
ｄと共に、横断面にてリング状で、横断面にて完全に内
面３７１ｄによって取り囲まれている内側の中空空間３
８１の自由領域を形成している。中空空間３８１には、
図示していない流入部が通じており、中空空間３８１の
横断面は流入部から離れる方向へ減縮している。側面３
６４とコンバーター本体部３７１の面３７１ａ，３７１
ｂ，３７１ｃの間にある外側の中空空間３８２は、ケー
シングの図示していない排出部に連通している。即ち３
群の通路３７７は、３方向へ内側の中空空間３８１から
外側の中空空間３８２のほうへ延びており、通路の内側
端部を除いて至る所で互いに間隔を持っている。

【００７７】図１４に図示した触媒コンバーター４０１
は軸線４０２を決定しており、ケーシング４０３を有し
ている。ケーシング４０３のうちその側面４０４だけを
図示した。側面４０４は、軸線４０２のまわりに配分さ
れた例えば四つの壁と、横断面にて湾曲した壁とを有し
ている。しかしこの代わりに、横断面にて至る所で湾曲
し、多かれ少なかれ円形であるように構成してもよい。

【００７８】ケーシング４０３は、四つのコンバーター
本体部４１１を備えた触媒手段４１０を収納している。
四つのコンバーター本体部４１１は軸線４０２のまわり
に均等に配分されており、協働して十字を形成してい
る。コンバーター本体部４１１はコンバーター本体部３
７１と同様に構成されており、特にそれぞれ外面４１１
ｃと、内面４１１ｄとを有している。各コンバーター本
体部４１１は、薄板要素のパックと、互いに平行に内面
４１１ｄから外面４１１ｃのほうへ延びているまっすぐ
な通路４１７のグループとを有している。内面４１１ｄ
は協働して閉じた筒面を形成しており、放物線状の画成
要素４２０と、内側の中空空間４２１とを取り囲んでい
る。内側の中空空間４２１はリング状の自由領域を備
え、この自由領域は、この領域に通じている図示してい
ない流入部から離れる方向へ減縮している。側面４０４
と外面４１１ｃの間には、図示していない排出部と連通
している外側の中空空間４２２が設けられている。

【００７９】図１５に図示した触媒コンバーター４３１
は軸線４３２を決定しており、金属製の壁を備えたケー
シング４３３を有している。この壁は、軸線４３２に平
行な側面４３４と、側面４３４の両端部に配置され、折
り曲げによりこの側面４３４と気密に固定される端壁４
３５，４３６とを有している。側面４３４は図１７にも
図示したが、図１７によれば、横断面にて例えばほぼ正
方形の形状を有し、その隅角部の代わりに、面取りされ
た移行部が採用されている。両端壁４３５，４３６はほ
ぼ平らであり、且つ軸線４３２にたいして直角であり、
中心部に穴を有している。触媒コンバーター４３１の流
入部４３７と排出部４３８とはそれぞれ接続部材を有し
ている。接続部材は筒状の管部材からなっており、第１
の端壁４３５または第２の端壁４３６の穴を貫通し、ケ
ーシングの壁によって取り囲まれている内部空間内へ突
出し、該当する端壁としっかりと且つ気密に結合され、
例えば溶接されている。排出部４３８に属している接続
部材または管部材の、前記内部空間内にある部分は、そ
の側面に配分された穴４３８ａを備えている。

【００８０】触媒コンバーター４３１は、ケーシング内
に配置され図１６，１７，１８，１９にも図示した触媒
手段４４０を有している。触媒手段４４０は、軸線４３
２のまわりに配分され協働して十字を形成している四つ
のコンバーター本体部４４１を備えている。各コンバー
ター本体部４４１は互いに平行で軸線４３２にも平行な
二つの平らな側面４４１ａまたは４４１ｂと、外面４４
１ｃと、内面４４１ｄと、二つの端面４４１ｅ，４４１
ｆとを有している。四つの内面４４１ｄは協働して、軸
線を完全に取り囲む面を形成している。これにたいして
四つのコンバーター本体部４４１の外面４４１ｃは互い
に間隔を持って位置している。内面４４１ｄの、端面４
４１ｅにつき合わせになり、図１５と図１６に図示した
エッジは、協働してそれ自体閉じた線、即ちほぼ円形を
形成している。外面４４１ｃと内面４４１ｄは規則面か
ら成り、コンバーター本体部４４１の側面４４１ａ，４
４１ｂに平行な切断線で切断したすべての断面図におい
て、まっすぐであり、互いに平行である。三つの外面４
４１ｃと四つの内面４４１ｄの縦エッジは軸線４３２に
平行であり、互いに対をなして接している。外面４４１
ｃ及び内面４４１ｄの残りの中央横断面領域は、端面４
４１ｅから離れるように軸線方向へ傾斜しており、その
結果各コンバーター本体部４４１の内面４４１ｄは、端
面４４１ｆにおいてＶ字状のエッジを有している。この
Ｖ字状のエッジは、Ｖ字脚部において、隣接する内面４
４１ｄのエッジに接している。これに対応して四つの内
面４４１ｄは、端面４４１ｆにつきあたっているエッジ
に集まって、互いに交差する２本の直線を形成してい
る。

【００８１】各コンバーター本体部４４１は、第１の薄
板要素と第２の薄板要素とを交互に積層したパックを有
している。第１の薄板要素４４３は、一部を図１５と図
１６に図示した波形部を有している。各第１の薄板要素
４４３は、その波形頂部に密着している二つの平らな密
着面を決定している。第２の薄板要素もほぼ平らであ
る。薄板要素は、第１の薄板要素４４３の平らな密着面
と第２の薄板要素の上面及び密着面とにたいして直角な
投影図において長方形であり、その結果各薄板要素の長
いほうのエッジはまっすぐであり、互いに平行であり、
当該薄板要素の長いほうのエッジにたいして直角であ
る。同じコンバーター本体部に属している薄板要素は、
第２の平らな薄板要素が第１の薄板要素の波形頂部に接
するように保持手段により互いにしっかりと結合されて
いる。保持手段は例えばストライプ状または細板状の間
隔要素４４５を有することができ、該間隔要素４４５
は、図４に図示したコンバーター本体部の間隔要素２１
５と同様に、薄板要素の短いほうのエッジに配置されて
おり、接している第１の薄板要素４４３の波形部にたい
して少なくともほぼ平行に延びている。一方、同じコン
バーター本体部４４１に属している薄板要素は、その縦
エッジが協働して外面４４１ｃと内面４４１ｄとを形成
するように互いに相対的に回動せしめられている。この
場合、外面４４１ｃと内面４４１ｄはそれぞれ湾曲した
規則面から成る。同じコンバーター本体部４４１に属し
ている薄板要素は、その短いほうのエッジにおいて互い
に溶接されており、且つ間隔要素とも溶接されている。
端面４４１ｅ，４４１ｆは、長方形の薄板要素を回動さ
せる際に生じる湾曲した規則面から成ることができる。
なお端面４４１ｅは、簡単に図示するため図１６におい
ては平面として図示した。一方端面４４１ｅ及び（また
は）４４１ｆを、後加工によって平らに且つ軸線４３２
に直角に形成することもできる。四つのコンバーター本
体部４４４は、その内面４４１ｄの縦エッジにおいて、
及び端面４４１ｆ内にある内面４４１ｄのエッジにおい
て互いにしっかりと気密に結合され、即ち溶接されてい
る。必要な場合には、図面には図示していない支柱等を
設けて、四つのコンバーター本体部を互いに付加的に結
合させることもできる。それぞれのコンバーター本体部
４４１は、内面４４１ｃから外面４４１ｄのほうへ延び
ている一群の通路４４７を有している。同じコンバータ
ー本体部４４１に属しているすべての通路４４７は、軸
線４３２とコンバーター本体部４４１の中心とを通って
延びている同一面にたいして平行であり、且つ端面４４
１ａ，４４１ｂにたいして平行である。さらに通路４４
７は、これを画成している第１の薄板要素の縦エッジに
たいして直角である。このように同じコンバーター本体
部に属する通路４４７は異なる方向に延びており、これ
らの方向は、図７ないし図９に図示した触媒コンバータ
ー２６１の場合と同様に、軸線４３２とコンバーター本
体部４４１の中心とを通って延びている面に依存してい
る。なお、各コンバーター本体部４４１は、その外寸に
比べて、図１６ないし図２０に図示した薄板要素よりも
かなり多くの薄板要素を有している。

【００８２】触媒手段４４０は、端面４４１ｅ，４４１
ｆにおいて、ケーシング４３３の内部空間内にある、流
入部４３７または排出部４３８を形成している接続部材
の端部としっかりと結合されている。触媒手段４４０
は、すべての側においてケーシング４３３の壁から間隔
を持って位置している。流入部４３７を形成している接
続部材は、四つのコンバーター本体部４４１と気密に結
合される端部において、内面４４１ｄを取り囲んでいる
内側の中空空間４５１に通じている。四つのコンバータ
ー本体部４４１に属している通路４４７は、コンバータ
ー本体部４４１の配置に対応して、軸線４３２のまわり
に均等に配分されている内側の中空空間４５１の四つの
異なる側でこの内側の中空空間４５１から離れる方向に
延びている。流入部４３７の内径、特に触媒手段４４０
と結合されている端部の内径は、端面４４１ｅ内にある
中空空間４５１のエッジによって形成されている円の直
径にほぼ等しいか、好ましくは正確に等しい。その結果
内側の中空空間４５１は、流入部の内部空間に段部なし
に接続している。内側の中空空間４５１は完全に自由で
あり、即ち画成要素２５０，３８０，４２０に相当する
画成要素を含んでおらず、軸線４３２に沿って流入部か
ら離れる方向に線形的に減縮している横断面を有してい
る。側面４３４とコンバーター本体部４４１の面４４１
ａ，４４１ｂ，４４１ｃの間には、外側の中空空間４５
２が設けられている。この中空空間４５２は、排出部４
３８の接続部材の穴４３８ａによって排出部４３８の内
部空間に連通している。

【００８３】触媒コンバーター４３１は、エンジンの排
気管装置の中に組み込むことができる。エンジンが作動
すると、図１５において矢印で示した排ガスは流入部４
３７を通って内側の中空空間４５１に流入する。この内
側の中空空間４５１ないで排ガスは転向し、通路４４７
に配分され、通路４４７を貫流する際に触媒処理され
る。その後排ガスは外側の中空空間４５２内へ達し、こ
の中で排出部４３８のほうへ流動する。この場合排ガス
の一部は、互いに隣接しているコンバーター本体部４４
１の側面４４１ａ，４４１ｂの間を通って流動するもの
もある。次に排ガスは穴４３８ａを通って排出部４３８
の内部空間内へ流入し、排出部４３８を通ってケーシン
グ４３３の内部空間を離れる。図１５から図１９までに
図示した触媒コンバーターは、既に一部を冒頭で、及び
（または）図１から図１４までに図示した触媒コンバー
ターに関連して説明した種々の利点を持っており、これ
らの利点を特に好ましく統合させるものである。例えば
触媒コンバーター４３１は、単位時間あたりに処理され
るべき排ガスの量に比べて比較的小さな横断面寸法を軸
線４３２にたいして直角に有している。また、コンバー
ター本体部４４１内に設けられる通路４４７は小さな横
断面を有することができ、互いに近くにある。従って各
コンバーター本体部４４１は、通路４４７にたいして直
角な外面４４１ｃまたは内面４４１ｄ、またはこれらの
面にたいして平行な湾曲した断面の単位面積あたりの通
路の数量、または少なくともいくつかの通路にたいして
直角な平らな断面の単位面積あたりの通路の数量が多
い。このことにより、通路を比較的短く構成し、体積、
重量及び触媒手段の特殊鋼の必要量を低維持できるよう
な高い効率を得ることができる。通路４４７が処理され
るべき排ガスの量に比べて、及び触媒手段の軸線方向に
おける拡がりに比べて、並びに内面４４１ｄに比べて比
較的小さいことにより、触媒手段４４０により作動時に
生じる圧力降下は、通路の横断面積が小さいにもかかわ
らず小さく保持することができる。流入部４３７から離
れる方向に線形的に減少する内側の中空空間４５１の横
断面積により、排ガスを個々の通路に均等に配分させる
ことができ、排ガスが十分に渦流なしに且つ小さな圧力
損失で転向し、個々の通路４４７へ配分される。流入部
４３７と内側の中空空間４５１が共通のまっすぐな軸線
を有し、排ガスがほぼまっすぐに、即ち転向なしに流入
部から内側の中空空間４５１の中へ流入するので、流入
部と、四つの内面４４１ｄによって形成される触媒手段
４４０の排ガス流入面との間には、わずかな圧力損失し
か生じない。さらに、触媒手段の排ガス排出面として用
いられる外面４４１ｃと、排出部４３８との間にも、わ
ずかな圧力損失しか生じない。排ガスがケーシングの壁
と接触せずに流入部を通って直接触媒手段４４０の内側
の中空空間４５１の中へ流入し、触媒手段４４０が直接
ケーシングの壁に接していないので、冷間始動時の触媒
手段４４０は、排ガスの触媒処理に必要な温度へ急速に
加熱される。この場合、内側の中空空間４５１内に、画
成要素２５０，３８０，４２０に相当するような画成要
素が設けられていないので、冷間始動時にこれを加熱さ
せる必要がない。触媒手段４４０は安定で頑丈であり、
経済的に製造することができ、ケーシングに低コストで
組み込むことができる。触媒手段を金属製のケーシング
に組み込むことができるので、しかもケーシングの壁と
触媒手段との間に特別に熱絶縁性及び（または）防音性
の中間層を配置する必要がないので、この点でも低コス
トに製造することができる。

【００８４】図２０と図２１に一部を図示したコンバー
ター本体部４７１は、例えば図１から図４までに図示し
たコンバーター本体部２１１と同様の輪郭形状を有し、
即ち角柱を形成しており、その基面は斜角の平行四辺形
から成っている。コンバーター本体部４７１は、第１の
薄板要素４７３と第２の薄板要素４７４とを交互に積層
したパックを有している。薄板要素は、角柱の基面と同
じ輪郭形状を有している。各第１の薄板要素４７３は、
***部を備えた主部分４７３ａを有している。***部
は、主部分４７３ａに配分されたこぶ４７３ｂから成っ
ている。こぶ４７３ｂの少なくともほとんどは、薄板要
素４７３のエッジから間隔をもって位置しており、それ
自体閉じた輪郭線、例えば円形の輪郭線によって画成さ
れている。図２１に図示した断面図では、上方及び下方
へ交互に突出するこぶ４７３ｂが積層されている。即ち
各第１の薄板要素４７３は、第１の薄板要素の中心面か
ら離れる方向と、隣接するこぶの間にある第１の薄板要
素の領域から離れる方向との逆の方向にこぶ４７３ｂを
有している。さらに各第１の薄板要素４７３は、短いほ
うのエッジに配置される例えば二つの平らな保持部分４
７３ｃを有している。第２の薄板要素４７４はほぼ平ら
である。薄板要素４７３，４７４は保持手段によって一
緒に保持されている。保持手段は、例えば保持部分４７
３ｅとこれに対向している第２の薄板要素４７４の保持
部分との間に配置され薄板要素に溶接される間隔要素４
７５を有している。コンバーター本体部４７１は、薄板
要素の１つの縦エッジから他の縦エッジへ延びている一
群の通路４７７を有している。

【００８５】図２０，図２１に従って構成されるコンバ
ーター本体部４７１は、コンバーター本体部２１１のよ
うに触媒コンバーターのケーシング内へ次のように配置
することができ、即ち協働してＶ字状の触媒手段を形成
するように配置することができる。一方、図５から図１
８までに図示したたたのすべてのコンバーター本体部の
場合にも、第１の薄板要素に波形部を備えさせる代わり
に、こぶ４７３ｂに相当するこぶを備えさせてもよい。

【００８６】本発明による触媒コンバーターは他の点で
も変形可能である。例えば、軸線に平行な、ケーシング
２０３または２６３の第１の側壁及び（または）縦壁２
０４ａ，２６４ａの代わりに、流入部から離れるように
互いに接近し且つ軸線に接近するような第１の側壁及び
（または）縦壁を設けてもよい。

【００８７】また、図面に図示した種々の実施例の特徴
を互いに組み合わせてもよい。例えば、図１から図３ま
でに図示した触媒コンバーター２０１の平らな第１の側
壁及び（または）縦壁２０４ａの代わりに、図７から図
１２までに図示した触媒コンバーターの場合のように、
横断面にて湾曲した側壁及び（または）縦壁を設けても
よい。

【００８８】さらに、図１ないし図６、図１１，図１
２，図１３，図１４に図示した触媒コンバーターの通路
の代わりに、軸線にたいして直角の平面と角度をなし、
この角度が好ましくは高々４５°、例えば高々３０°の
通路を設けてもよい。

【００８９】図１３と図１４に図示した触媒コンバータ
ーのコンバーター本体部の外面及び内面は、横断面が平
らでなく、湾曲していてもよい。この場合内側の中空空
間３８１または４２１は、横断面が円形でなく、ほぼ多
角形、即ち三角形または四角形であってもよい。これに
対応して、内側の中空空間の中へ通じている流入部の開
口部は、横断面が円形ではなく、三角形または四角形で
あるべきであり、しかも内側の中空空間と同じ横断面寸
法を有しているべきである。この場合、この触媒コンバ
ーターの放物線状の画成要素３８０または４２０の代わ
りに、ほぼ三辺または四辺の画成体を設けることができ
る。その結果、内側の中空空間の自由領域の横断面は少
なくともほぼ線形であり、好ましくは正確に線形であ
り、流入部にたいする間隔は減少している。

【００９０】図１３の触媒コンバーターでは、画成要素
３８０を設けずに、そのかわり三つのコンバーター本体
部に、図７ないし９及び図１５ないし１９に図示した触
媒コンバータの場合のように、流入部から離れれるよう
にして軸線に接近し、且つ互いに接近するような外面及
び内面を備えさせることができる。

【００９１】図１５に図示した触媒コンバーターの場合
には、流入部４３７を形成し、筒状の管部材から成って
いる接続部材の代わりに、少なくとも一部分が触媒手段
のほうへ円錐状に拡大しているような接続部材を設けて
もよい。さらに場合によっては、図１５に図示した排出
部４３８を変形させて、その触媒手段側の端部が、図
１，図２，図５，図７，図１１に図示した排出部のよう
に、第２の端壁４３６までしか達せず、即ち排出部の内
部空間の中へ突出しないようにしてもよい。この場合触
媒手段４４０は流入部４３７だけに固定され、排出部に
は固定されない。必要な場合には、この代わりに、触媒
手段４４０の排出側の端部を、ボルト等からなり軸線４
３２の周りに配分される結合要素により側面４３４及び
（または）第２の端壁４３６に固定させてもよい。

【００９２】図１から図１４までに図示した触媒コンバ
ーター及び（または）触媒手段の場合、図１５の触媒コ
ンバーター４３１の場合のように、流入部及び場合によ
っては排出部に、ケーシングの内部空間内へ突出する管
部材または接続部材を備えさせ、触媒手段が両端壁、例
えばケーシングの側面から間隔をもって位置するように
触媒手段をこの管部材または接続部材に固定してもよ
い。

【００９３】さらに、それぞれ一群の通路を備えた四つ
以上のコンバーター本体部を設け、図７ないし図１９に
図示した触媒コンバーターの場合のように、これらのコ
ンバーター本体部を軸線の周りに配分して、これらのコ
ンバーター本体部が協働して内側の中空空間を取り囲む
ようにしてもよい。

【００９４】コンバーター本体部の薄板要素と間隔要素
とを互いに結合させる溶接結合部の代わりに、硬蝋蝋付
け結合部または場合によってはある種の変形例において
締め付け結合部を使用してもよい。締め付け結合を生じ
させるため、保持手段は、薄板要素と間隔要素を貫通す
るボルト等を有していてもよい。場合によっては、触媒
手段の排ガス通路と交差し、及び（または）分割する保
持手段、例えばボルト及び間隔リングを設けることもで
きる。保持手段が交差するこのような通路は、他の通路
よりもわずかに短くすることができる。

【００９５】図１から図１９までに図示した触媒手段で
は、薄板要素によって決定され、薄板要素の面に密着し
ている密着面と、平らな薄板要素自身とは、触媒コンバ
ーターの軸線にたいして平行である。しかし、少なくと
も、平らな内面及び外面を有しているコンバーター本体
部においては、薄板要素を次のように配置することが可
能であり、即ち薄板要素によって決定され、薄板要素の
面に密着している密着面と、平らな薄板要素自身とが角
度をなし、例えばコンバーター本体部がＶ字状に配置さ
れた図３の実施例場合には、ケーシングの壁２０４ｂに
たいして直角をなし、且つ軸線２０２にたいして直角
か、或いは内面２１１ｄ及び外面２１１ｃにたいして直
角であるように構成することができる。この場合波形部
は、図示したコンバーター本体部のように、壁２０４ｂ
に平行に内側の中空空間２２１から外側の中空空間２２
２へ延びることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】触媒手段が二つのＶ字形に配置されるコンバー
ター本体部を有し、コンバーター本体部がそれぞれ一群
の通路を備えている、本発明による触媒コンバーターの
縦断面図である。

【図２】図１の線ＩＩ−ＩＩによる縦断面図である。

【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩによる横断面図であ
る。

【図４】図１から図３までに図示した触媒コンバーター
の触媒手段のコンバーター本体部の斜視図である。

【図５】互いに平行な二つのコンバーター本体部を備え
た触媒コンバーターの縦断面図である。

【図６】図５の線ＶＩ−ＶＩによる横断面図である。

【図７】触媒手段が２群の通路を有している触媒コンバ
ーターの変形例の縦断面図である。

【図８】図７の線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩによる断面図であ
る。

【図９】図７の線ＩＸ−ＩＸによる断面図である。

【図１０】触媒コンバーターの他の変形例の、図８に対
応する図である。

【図１１】触媒コンバーターの他の変形例の縦断面図で
ある。

【図１２】図１１の触媒コンバーターの簡略斜視図であ
り、ケーシングを側面の輪郭だけで示した図である。

【図１３】触媒手段が３群の通路を有している触媒コン
バーターの一部分の斜視図である。

【図１４】触媒手段が４群の通路を有している触媒コン
バーターの一部分の斜視図である。

【図１５】触媒コンバーターの他の変形例の縦断面図で
ある。

【図１６】図１５に図示した触媒コンバーターの触媒手
段の簡略斜視図である。

【図１７】図１６の触媒コンバーターを、矢印ＸＶＩＩ
方向に見た図であり、ケーシングの側面をも図示した図
である。

【図１８】図１５から図１７までに図示した触媒手段の
横断面図である。

【図１９】図１５から図１７までに図示した触媒手段
を、図１６の矢印ＸＩＸ方向に見た図であ

【図２０】薄板要素がこぶを備えている触媒手段を示す
図である。

【図２１】図２０の線ＸＸＩ−ＸＸＩによる断面図であ
る。

【符号の説明】

２０３，２３３，２６３，２９３，３０３，３６３，４
０３，４３３ケーシング ２１０，２４０，２７０，２９５，３１０，３７０，４
１０，４４０触媒手段 ２１３，２１４，４４３，４７３，４７４ 薄板
要素 ２１７，２４７，２７７，３１７，３７７，４１７，４
４７，４７７通路 ２２１，２５１，２８１，３２１，３８１，４２１，４
５１内側の中空空間 ２２２，２５２，２８２，３２２，３８２，４２２，４
５２外側の中空空間

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排ガスを触媒処理するための触媒コンバ
   ーターであって、ケーシング（２０３，２３３，２６
   ３，２９３，３０３，３６３，４０３，４３３）と、該
   ケーシング内に配置される触媒手段（２１０，２４０，
   ２７０，２９５，３１０，３７０，４１０，４４０）と
   を有し、少なくとも一部が触媒手段（２１０，２４０，
   ２７０，２９５，３１０，３７０，４１０，４４０）の
   領域の間にある内側の中空空間（２２１，２５１，２８
   １，３２１，３８１，４２１，４５１）と、触媒手段
   （２１０，２４０，２７０，２９５，３１０，３７０，
   ４１０，４４０）とケーシング（２０３，２３３，２６
   ３，２９３，３０３，３６３，４０３，４３３）の少な
   くとも一部との間にある外側の中空空間（２２２，２５
   ２，２８２，３２２，３８２，４２２，４５２）とが設
   けられ、触媒手段（２１０，２４０，２７０，２９５，
   ３１０，３７０，４１０，４４０）が薄板要素（２１
   ３，２１４，４４３，４７３，４７４）を有し、該薄板
   要素が、内側の中空空間（２２１，２５１，２８１，３
   ２１，３８１，４２１，４５１）から外側の中空空間
   （２２２，２５２，２８２，３２２，３８２，４２２，
   ４５２）へ通じている通路（２１７，２４７，２７７，
   ３１７，３７７，４１７，４４７，４７７）を画成して
   おり、互いに隣接している薄板要素（２１３，２１４，
   ４４３，４７３，４７４）の各対の少なくとも１つの薄
   板要素（２１３，４４３，４７３）が***部を有してい
   る触媒コンバーターにおいて、 触媒手段（２１０，２４０，２７０，２９５，３１０，
   ３７０，４１０，４４０）が少なくとも２パックの薄板
   要素（２１３，２１４，４４３，４７３，４７４）を有
   していること、 同じパックに属している薄板要素（２１３，２１４，４
   ４３，４７３，４７４）が、該薄板要素に密着する互い
   に平行な密着面を決定していること、 異なるパックによって画成された通路（２１７，２４
   ７，２７７，３１７，３７７，４１７，４４７，４７
   ７）が、内側の中空空間（２２１，２５１，２８１，３
   ２１，３８１，４２１，４５１）の個々の側で、該内側
   の中空空間から離れるように延びていること、を特徴と
   する触媒コンバーター。
2. 【請求項２】 薄板要素（２１３，２１４，４４３，４
   ７３，４７４）の個々のパックが、少なくとも外側の中
   空空間（２２２，２５２，２８２，３２２，３８２，４
   ２２，４５２）へ開口している通路（２１７，２４７，
   ２７７，３１７，３７７，４１７，４４７，４７７）の
   端部において、間隔をもって位置し、この間隔は、互い
   に隣接し同じパックに属している薄板要素（２１３，２
   １４，４４３，４７３，４７４）の間隔よりもかなり大
   きいことを特徴とする、請求項１に記載の触媒コンバー
   ター。
3. 【請求項３】 互いに隣接し同じパックに属している薄
   板要素（２１３，２１４，４４３，４７３，４７４）が
   密着面に接触していることを特徴とする、請求項１また
   は２に記載の触媒コンバーター。
4. 【請求項４】 各パックが、***部を有する第１の薄板
   要素（２１３，４４３，４７，）と平らな第２の薄板要
   素（２１４，４７４）とを交互に積層して成ることを特
   徴とする、請求項１から３までのいずれか１つに記載の
   触媒コンバーター。
5. 【請求項５】 ***部が波形部（２１３ｂ）によって形
   成され、同じ薄板要素（２１３，４４３）に属している
   波形部（２１３ｂ）が互いに平行であることを特徴とす
   る、請求項１から４までのいずれか１つに記載の触媒コ
   ンバーター。
6. 【請求項６】 各薄板要素（２１３，２１４，４４３，
   ４７３，４７４）が、該薄板要素に密着している密着面
   にたいして直角な投影図において、互いに平行なまっす
   ぐなエッジを有していることを特徴とする、請求項１か
   ら５までのいずれか１つに記載の触媒コンバーター。
7. 【請求項７】 各薄板要素（２１３，２１４，４４３，
   ４７３，４７４）が前記投影図において四角形であり、
   さらに二つの互いに平行な他のまっすぐなエッジを有し
   ていることを特徴とする、請求項６に記載の触媒コンバ
   ーター。
8. 【請求項８】 個々のパックが、内側の中空空間（２８
   １，３２１，３８１，４２１，４５１）に境を接してい
   る内面（２７１ｄ，３１１ｄ，３７１ｄ，４１１ｄ，４
   ４１ｄ）を有し、該内面が、横断面にて内側の中空空間
   （２８１，３２１，３８１，４２１，４５１）をほぼ完
   全に隙間なしに取り囲んでいることを特徴とする、請求
   項１から７までのいずれか１つに記載の触媒コンバータ
   ー。
9. 【請求項９】 薄板（２１３，２１４）の各パックが、
   内側の中空空間（２２１，２５１）に境を接する平らな
   内面（２１１ｄ，２４１ｄ）と、該内面に平行で、外側
   の中空空間（２２２，２５２）に境を接している平らな
   外面（２２１ｃ，２４１ｃ）とを有し、通路（２１７，
   ２４７）が、内面（２１１ｄ，２４１ｄ）及び外面（２
   ２１ｃ，２４１ｃ）ないにある開口部を有していること
   を特徴とする、請求項１から８までのいずれか１つに記
   載の触媒コンバーター。
10. 【請求項１０】 触媒手段（３７０，４１０，４４０）
    が、内側の中空空間（３８１，４２１，４５１）に境を
    接している少なくとも３パックの薄板要素（４４３）を
    有していることを特徴とする、請求項１から９までのい
    ずれか１つに記載の触媒コンバーター。
11. 【請求項１１】 内側の中空空間（２２１，２５１，２
    ８１，３２１，３８１，４２１，４５１）に開口してい
    る内部空間を備えた流入部（２０７，２３７，２６７，
    ３０７，４３７）と、外側の中空空間（２２２，２５
    ２，２８２，３２２，３８２，４２２，４５２）に連通
    している内部空間を備えた排出部（２０８，２３８，２
    ６８，３０８，４３８）とが設けられ、内側の中空空間
    （２２１，２５１，２８１，３２１，３８１，４２１，
    ４５１）が、触媒手段（２１０，２４０，２７０，２９
    ５，３１０，３７０，４１０，４４０）に境を接してい
    る少なくとも１つの自由領域を有し、この自由領域の横
    断面が、流入部（２０７，２３７，２６７，３０７，４
    ３７）から離れる方向に減縮しており、流入部（２０
    ７，２３７，２６７，３０７，４３７）の内部空間が、
    内側の中空空間（２２１，２５１，２８１，３２１，３
    ８１，４２１，４５１）に開口している開口部におい
    て、内側の中空空間（２２１，２５１，２８１，３２
    １，３８１，４２１，４５１）とほぼ同じ横断面形状及
    び横断面寸法を有していることを特徴とする、請求項１
    から１０までのいずれか１つに記載の触媒コンバータ
    ー。
12. 【請求項１２】 内側の中空空間（２２１，２５１，２
    ８１，３２１，３８１，４２１，４５１）の各自由領域
    の横断面が、大体において、流入部（２０７，２３７，
    ２６７，３０７，４３７）から離れる方向での寸法に沿
    ってほぼ線形的に、且つ流入部（２０７，２３７，２６
    ７，３０７，４３７）から間隔をもって減縮しているこ
    とを特徴とする、請求項１１に記載の触媒コンバータ
    ー。
13. 【請求項１３】 流入部（２０７）の内部空間と内側の
    中空空間（２２１）とが、該内側の中空空間（２２１）
    に開口している前記内部空間の開口部において、横断面
    にて多角形を形成していることを特徴とする、請求項１
    １または１２に記載の触媒コンバーター。
14. 【請求項１４】 流入部（２６７，３０７，４３７）の
    内部空間と内側の中空空間（２８１，３２１，３８１，
    ４２１，４５１）とが、該内側の中空空間に開口してい
    る前記流入部（２６７，３０７，４３７）の開口部にお
    いて、横断面にて円形であることを特徴とする、請求項
    １１または１２に記載の触媒コンバーター。
15. 【請求項１５】 個々のパックが、内側の中空空間（２
    ２１，２８１，４５１）に境を接し流入部（２０７，２
    ６７，４３７）から離れる方向で互いに接近している内
    面（２１１ｄ，２７１ｄ，４４１ｄ）を有していること
    を特徴とする、請求項１１から１４までのいずれか１つ
    に記載の触媒コンバーター。
16. 【請求項１６】 触媒手段（２４０，３１０，３７０，
    ４１０）が軸線（２３２，３０２，３６２，４０２）を
    決定し、パックが、軸線に平行で内側の中空空間（２５
    １，３２１，３８１，４２１）に境を接している内面
    （２４１ｄ，３１１ｄ，３７１ｄ，４１１ｄ）を有し、
    内側の中空空間（２５１，３２１，３８１，４２１）内
    に画成要素（２５０，３２０，３８０，４２０）が配置
    され、該画成要素（２５０，３２０，３８０，４２０）
    が、対向している内面（２４１ｄ，３１１ｄ，３７１
    ｄ，４１１ｄ）とともに、内側の中空空間（２５１，３
    ２１，３８１，４２１）の少なくとも一つの自由領域を
    画成し、画成要素（２５０，３２０，３８０，４２０）
    が、流入部（２３７，３０７）から離れるようにして内
    面（２４１ｄ，３１１ｄ，３７１ｄ，４１１ｄ）に接近
    していることを特徴とする、請求項１１から１４までの
    いずれか１つに記載の触媒コンバーター。
17. 【請求項１７】 ケーシング（４３３）が壁を有し、流
    入部（４３７）が、ケーシング（４３３）の壁に気密に
    固定される接続部材を有し、該接続部材が、ケーシング
    （４３３）によって取り囲まれた内部空間内へ突出し、
    触媒手段（４４０）が接続部材に固定され、且つすべて
    の側においてケーシング（４３３）の壁から間隔を持っ
    て位置しており、流入部（４３７）が内側の中空空間
    （４５１）に開口していることを特徴とする、請求項１
    から１６までのいずれか１つに記載の触媒コンバータ
    ー。
18. 【請求項１８】 薄板要素（２１３，２１４，４４３，
    ４７３，４７４）が、触媒活性材を備えた被覆部を有
    し、各薄板要素（２１３，２１４，４４３，４７３，４
    ７４）が、少なくとも一つの平らな保持部分（２１３
    ｅ，２１３ｆ，２１４ｅ，２１４ｆ，４７３ｅ）を有
    し、該保持部分（２１３ｅ，２１３ｆ，２１４ｅ，２１
    ４ｆ，４７３ｅ）が、他の薄板要素（２１３，２１４，
    ４４３，４７３，４７４）の保持部分（２１３ｅ，２１
    ３ｆ，２１４ｅ，２１４ｆ，４７３ｅ）及び（または）
    保持手段の構成要素（２１５，４７５）に接しており、
    互いに接している保持部分（２１３ｅ，２１３ｆ，２１
    ４ｅ，２１４ｆ，４７３ｅ）と前記構成要素（２１５，
    ４７５）が互いに固定結合されていることを特徴とす
    る、請求項１から１７までのいずれか１つに記載の触媒
    コンバーター。