JPH086763B2 - 電気粘性流体を用いたトルク伝達装置 - Google Patents

電気粘性流体を用いたトルク伝達装置

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JPH086763B2
JPH086763B2 JP12076789A JP12076789A JPH086763B2 JP H086763 B2 JPH086763 B2 JP H086763B2 JP 12076789 A JP12076789 A JP 12076789A JP 12076789 A JP12076789 A JP 12076789A JP H086763 B2 JPH086763 B2 JP H086763B2
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弘幸 吉村
保 神谷
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は流体式のトルク伝達装置に係り、特に電気粘
性流体を用いたトルク伝達装置に関するものである。
(背景技術) 相対向する円板間に粘性流体を介在させて一方を回転
させると、それら円板間に位置する粘性流体のずり剪断
応力に基づいて他方の円板も回転させられる。流体式ト
ルク伝達装置は、このような原理を利用してトルクの伝
達を行なうようにしたものであり、一般に、特開昭63−
34331号公報に開示されているように、有底円筒体の開
口部が蓋体で閉塞されて形成された構造の密閉空間内
に、所定の粘性流体が充填されると共に、該有底円筒体
と同心的に且つ有底円筒体と相対回転可能に軸部材が突
入され、更にそれら有底円筒体の筒壁の内周面と軸部材
の外周面とに、それぞれ、軸方向において交互に位置す
るように、共に円形つば状を呈する外側円板部材と内側
円板部材とがそれぞれの外周部および内周部で相互に所
定の間隔を隔てて固定的に取り付けられた構造を有して
いる。
ところで、このような流体式トルク伝達装置にあって
は、従来、トルクを伝達する粘性流体としてニュートン
流体が採用されていた。そのため、従来の流体式トルク
伝達装置にあっては、有底円筒体と軸部材との一方に加
えられる回転トルクと他方の回転負荷が一定の場合、そ
れらの一方から他方に伝達される伝達トルクもほぼ一定
となり、複雑、高価なクラッチ機構等を併用しなけれ
ば、出力トルクを所望の大きさに調節できないといった
問題があった。
そこで、近年、このような不具合を解消するために、
前述の如き構成の流体式トルク伝達装置において、粘性
流体として、作用する電界の大きさによって粘度が実質
的に(見掛け上)変化する電気粘性流体を採用する一
方、外側円板部材を有底円筒体に電気的に接続して外側
電極と為すと共に、内側円板部材を軸部材に電気的に接
続して内側電極と為し、それら両電極間にそれぞれ有底
円筒体および軸部材を通じて電圧を印加することによっ
て、それら電極間に位置する電気粘性流体に所定の電界
を作用させ得るようにしたトルク伝達装置が考えられて
いる。
このような電気粘性流体を用いたトルク伝達装置によ
れば、外側電極と内側電極との間に印加する電圧を変化
させることによって、それら電極間に位置する電気粘性
流体の粘度、ひいては外側電極と内側電極との相対回転
によって惹起されるずり剪断応力を実質的に変化させる
ことができるのであり、従って、複雑、高価なクラッチ
機構等を採用することなく、外側電極と内側電極との
間、ひいては有底円筒体と軸部材との間での伝達トルク
を変化させて、出力トルクを所望の大きさに調節するこ
とができるのである。
(解決課題) ところが、粘性流体としてニュートン流体を用いた従
来の流体式トルク伝達装置においては、前記公報(特開
昭63−34331号)に開示の装置のように、外側円筒部材
の内周縁部と内側円筒部材の外周縁部とが何れも拘束さ
れていないのが普通であるため、電気粘性流体を用いた
トルク伝達装置に従来の流体式トルク伝達装置の構造を
そのまま採用した場合には、外側電極と内側電極とが接
触してしまう恐れがあり、電気的に短絡する可能性があ
るといった問題があった。
本発明は、このような事情を背景として為されたもの
であり、その解決すべき課題とするところは、複雑、高
価なクラッチ機構等を併用することなく、出力トルクを
調節することのできる電気粘性流体を用いたトルク伝達
装置であって、有底円筒体側に配設される外側電極と軸
部材側に配設される内側電極との接触を確実に防止し
て、それら電極の変形に起因する電気的な短絡現象の発
生を確実に防止し得るようにした構造のトルク伝達装置
を提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本発明にあっ
ては、有底円筒体の開口部が蓋体で閉塞されて形成され
た構造の密閉空間内に所定の電気粘性流体が充填される
と共に、該密閉空間内に、前記有底円筒体と同心的に且
つ該有底円筒体と電気的に隔てられた状態で、所定の軸
部材が該蓋体を貫通して該有底円筒体と相対回転可能に
突入されて成り、且つ、前記有底円筒体の筒壁の内周面
に外周面で電気的に接続されて固定的に配設された円形
つば状の複数の外側電極と、前記軸部材の外周面に内周
面で電気的に接続されて固定的に配設された円形つば状
の複数の内側電極とが、軸方向において相互に所定の間
隙を隔てて交互に配設されて、前記有底円筒体および軸
部材を通じてそれら外側電極と内側電極との間に印加さ
れる電圧によって、それら外側電極と内側電極との間に
位置する電気粘性流体に対して所定の電界が作用され得
るように構成された電気粘性流体を用いたトルク伝達装
置において、前記外側電極の外周部間および前記内側電
極の内周部間に、それぞれ、外側絶縁リングおよび内側
絶縁リングを介在させると共に、それら外側絶縁リング
の内周面と内側絶縁リングの外周面とにそれぞれ周方向
の係合溝を設けて、前記内側電極の外周縁部を該外側絶
縁リングの内周面の係合溝に周方向に摺動可能に係合さ
せる一方、前記外側電極の内周縁部を該内側絶縁リング
の外周面の係合溝に周方向に摺動可能に係合させること
としたのである。
(作用) このような構成のトルク伝達装置においては、外側電
極の外周縁部および内側電極の内周縁部だけでなく、外
側電極の内周縁部および内側電極の外周縁部も、内外の
絶縁リングにて軸方向への移動を規制されるため、それ
ら電極の板厚方向への変形が極めて良好に回避されるの
であり、それ故、外側電極と内側電極とのそれら電極の
変形に起因する接触が確実に回避されるのである。
しかも、本発明に従うトルク伝達装置においては、内
外の電極および絶縁リングを、有底円筒体への組付けに
先立って、有底円筒体の外部で軸部材に一体的に組み付
け得るのであり、それ故、それらの組付作業を極めて容
易に行なうことができるのである。
(実施例) 以下、本発明をより一層具体的に明らかにするため
に、その一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、第1図において、10は、所定の回転トルク源か
ら回転トルクが入力される入力軸であり、また12は、ト
ルク伝達部14を介して入力軸10に同軸に連結された出力
軸であって、トルク伝達部14を介して入力軸10から伝達
された回転トルクを図示しない所定の作用部材に伝える
ためのものである。
ここで、出力軸12と対向する入力軸10の端面には、内
周面にスプライン溝が形成された有底穴16が同心的に形
成されている。そして、トルク伝達部14の金属製の有底
円筒体18が、その底壁20の中央部に立設された連結突部
22において、かかる有底穴16にスプライン嵌合されて入
力軸10と同心的に配設されている。
一方、入力軸10と対向する出力軸12の端面には、外周
面にスプラインを備えた連結突部24が同心的に設けられ
ている共に、この連結突部24を取り囲む状態で、所定深
さの環状溝26が同心的に形成されている。そして、トル
ク伝達部14の金属製の軸部材30が、その一端側に形成さ
れた有底穴28の開口端部をかかる出力軸12の環状溝26内
に突入させられると共に、その有底穴28においてかかる
出力軸12の連結突部24にスプライン嵌合されて、前記有
底円筒体18との間で所定の円筒状空間を形成するよう
に、該出力軸12に同心的に配設されている。
なお、ここでは、入力軸10および出力軸12が共に金属
で構成されており、入力軸10と有底円筒体18、および出
力軸12と軸部材30とは、それぞれ、電気的に接続されて
いるが、有底円筒体18の底壁20と軸部材30の端面との間
には所定の微小間隙が設けられて、それらが電気的に隔
てられている。
ところで、上記微小間隙を隔てて対向する有底円筒体
18の底壁20と軸部材30端面とには、それぞれの中央部に
位置して、所定深さの円形断面の有底穴32,34が形成さ
れており、それら有底穴32,34内に両端部を回転可能に
突入せしめられて、フッソ樹脂製の円柱状のスペーサ35
が配設されている。そして、これにより、有底円筒体18
の底壁20と軸部材30の端面とが電気的に隔てられた状態
で、有底円筒体18と軸部材30との同心的な位置関係が確
実に保持されつつ、有底円筒体18と軸部材30との滑らか
な相対回転が許容されるようになっている。
また、軸部材30の外周面と対向する有底円筒体18の円
筒部36の内周面には、該円筒部36に対して位置固定に、
スペーサとしてのフッソ樹脂製の外側絶縁リング38で外
周縁部をそれぞれ挟持されて、金属製の複数(ここでは
3個)の円形つば状の外側電極40が軸方向において等間
隔に配設されている。一方、有底円筒体18の円筒部36の
内周面と対向する軸部材30の外周面には、該軸部材30に
対して位置固定に、スペーサとしてのフッソ樹脂製の内
側絶縁リング42で内周縁部をそれぞれ挟持されて、金属
製の複数(ここでは4個)の円形つば状の内側電極44が
上記外側電極40と同じ配設間隔をもって軸方向に等間隔
に配設されている(ただし、内側電極44の1個は、後述
するように、軸部材30に一体に固設され、内側絶縁リン
グ42とその一方の側面だけで接触している)。そして、
ここでは、有底円筒体18の円筒部36と軸部材30との間に
形成された円筒状空間内において、それら外側電極40と
内側電極44とが軸方向で相互に一定の距離を隔てて交互
に配置され、有底円筒体18および軸部材30を通じてそれ
ら電極40,44間に所定の電圧が印加されたとき、軸方向
で隣接する電極40,44間において、電界強度の相等しい
一様な電界が惹起されるようになっている。
より具体的には、有底円筒体18の円筒部36の内周面に
は、第2図および第3図に示されているように、奥所側
の所定長さ部分にわたって複数条(ここでは6条)のス
プライン46が形成されており、そのスプライン形成部位
よりも開口部側の部位には、スプライン46の形成面の直
径よりもねじ山先端径が若干大きく設定された雌ねじ48
が形成されている。一方、外側絶縁リング38および外側
電極40の外周部には、第4図および第6図に示されてい
るように、上記円筒部36のスプライン46に対応して、該
スプライン46に対応した断面形状の切欠溝50,52がそれ
ぞれ形成されている。
そして、上記切欠溝50,52を備えた外側絶縁リング38
および外側電極40が、それぞれの切欠溝50,52において
スプライン46に嵌め合わされて有底円筒体18の円筒部36
の内周面に交互に複数嵌入され、外周部に設けられた雄
ねじ56で円筒部36の雌ねじ48に螺着された蓋体としての
円形つば状のナイロン製の閉塞部材54と、有底円筒体18
の底壁20との間でそれらが軸方向に挟持されて、複数
(ここでは3個)の外側電極40が軸方向に等間隔に有底
円筒体18の円筒部36の内周面に位置固定に配設されてい
る。
また、有底円筒体18の円筒部36の内周面と対向する軸
部材30の外周面には、第7図および第8図に示されてい
るように、入力軸10側の端部に位置して、1個の内側電
極44が一体に設けられていると共に、前記有底円筒体18
の円筒部36におけるスプライン46の形成部位に略対応す
る長さ部分にわたって、複数条(ここでは6条)のスプ
ライン58が形成されており、且つかかるスプライン形成
部位よりも出力軸12側の部位に位置して、スプライン58
の形成面の直径よりもねじ山先端径が若干小さく設定さ
れた雄ねじ60が形成されている。一方、前記内側絶縁リ
ング42および内側電極44の残りのものの内周部には、第
9図および第11図に示されているように、上記軸部材30
のスプライン58に対応して、該スプライン58に対応した
断面形状の切欠溝62,64がそれぞれ形成されている。
そして、上記切欠溝62,64を備えた内側絶縁リング42
および内側電極44が、それぞれの切欠溝62,64において
スプライン58に嵌め合わされて該軸部材30の外周面に交
互に複数嵌入され、内周部の雌ねじ68で軸部材30の雄ね
じ60に螺着された金属製の円環状締付部材66と、前記軸
部材30に固定の内側電極44との間でそれらが軸方向に挟
持されて、複数(ここでは4個)の内側電極44が、前記
外側電極40と同じ配設間隔をもって、軸方向に等間隔に
軸部材30の外周面に位置固定に配設されている。
そして、ここでは、第1図に示されているように、上
記外側電極40と内側電極44とが相互に一定の間隔を隔て
て交互に位置するように、有底円筒体18と軸部材30とが
組み付けられているのであり、これにより、入力軸10と
出力軸12とを通じてそれら電極40,44間に電圧が印加さ
れたとき、軸方向で隣接する各電極40,44間において、
電界強度の相等しい一様な電界が惹起され得るようにな
っているのである。
なお、第1図から明らかなように、ここでは、軸部材
30に一体に設けられた内側電極44と有底円筒体18の底壁
20とが、他の電極40,44間の距離と同じ間隔を隔てて対
向させられており、これにより、かかる内側電極44と有
底円筒体18の底壁20との間においても、他の電極40,44
間に惹起される電界と強度の等しい電界が惹起されるよ
うになっている。
ところで、外側絶縁リング38の内周面および内側絶縁
リング42の外周面には、第5図および第10図に示されて
いるように、それぞれ周方向の係合溝としての所定深さ
の環状溝72,74が形成されており、第1図に示されてい
るように、内側電極44の外周円部および外側電極40の内
周縁部がそれら環状溝72,74内に、それぞれ良好な摺動
性能をもって嵌入させられている。そして、これによ
り、有底円筒体18と軸部材30との滑らかな相対回転、つ
まり入力軸10と出力軸12との滑らかな相対回転を損なわ
ない状態で、内側電極44および外側電極40の各自由端部
が軸方向に移動不能に拘束されている。
また、有底円筒体18に螺着された閉塞部材54と軸部材
30に螺着された締付部材66との間には、第1図に示され
ているように、それらの滑らかな相対回転を許容するた
めに、所定の微小間隙が形成され、且つそれらの間を流
体密にシールするために、環状のシール材70がそれらの
間に配設されている。一方、閉塞部材54と有底円筒体18
との間は、外側絶縁リング38が軸方向で挟圧されること
によって流体密にシールされており、更に締付部材66と
軸部材30との間は、内側絶縁リング42が軸方向で挟圧さ
れることによって流体密にシールされている。
つまり、ここでは、電極40,44が収容された有底円筒
体18と軸部材30との間の円筒状の空間が、内外の絶縁リ
ング38,42の挟圧作用と、閉塞部材54と締付部材66との
間でのシール材70の挟圧作用とによって流体密に閉塞さ
れているのであり、かかる閉塞された空間内に所定の電
気粘性流体、すなわち、作用する電界に応じて粘度が実
質的に(見掛け上)変化する性質を有する流体が封入せ
しめられているのである。
なお、外側電極40および内側電極44に形成された通孔
76,78は、電気粘性流体の充填時において、電気粘性流
体を流体収容空間内に速やかに充填するために設けられ
ている。
このような構造の流体式トルク伝達装置においては、
入力軸10が回転させられると、有底円筒体18に支持され
た外側電極40(有底円筒体18の底壁20を含む)と閉塞部
材54とが軸部材30に支持された内側電極44に対して相対
回転されて、それらの間に位置する電気粘性流体のずり
剪断応力に基づいて、回転トルクが入力軸10から出力軸
12に伝達される。
而して、電気粘性流体の粘度は、それに作用する電界
に応じて実質的に変化するため、入力軸10および出力軸
12を通じて各対向する外側電極40(底壁20)と内側電極
44との間に所定の電圧を印加すれば、その印加電圧に応
じて相対向する電極40,44間の電気粘性流体の粘度が実
質的に変化し、ひいては入力軸10から出力軸12に伝達さ
れるトルクの大きさが変化することとなる。従って、入
力軸10と出力軸12を通じて外側電極40(底壁20)と内側
電極44との間に印加する電圧を制御するようにすれば、
入力軸10から出力軸12に伝達される伝達トルクを制御す
ることができ、ひいては出力トルクを制御することがで
きるのである。
そして、かかるトルク伝達装置においては、前述のよ
うに、外側電極40および内側電極44の内外周縁部が、何
れも、軸方向に移動不能に拘束せしめられていることか
ら、それら外側電極40および内側電極44の板厚方向の変
形が極めて良好に回避されるのであり、それ故、それら
電極40,44の板厚方向への変形によってそれらが相互に
接触することが確実に回避されて、それらの接触による
電気的な短絡現象の発生が確実に回避されるのである。
また、かかるトルク伝達装置においては、第1図から
明らかなように、内外の電極40,44や絶縁リング38,42等
を軸部材30に対して予め一体的に組み付けた後、その組
付体を有底円筒体18に一体的に組み付けるようにするこ
とができるため、その組付作業性が極めて優れているの
であり、更に、閉塞部材54が螺着される有底円筒体18の
雌ねじ48のねじ山先端径がスプライン46の形成面の直径
よりも若干大きく設定されている一方、締付部材66が螺
着される軸部材30の雄ねじ60のねじ山先端径がスプライ
ン58の形成面の直径よりも若干大きく設定されているこ
とから、有底円筒体18への外側絶縁リング38の挿入、お
よび軸部材30への内側絶縁リング42の挿入に際して、そ
れら絶縁リング38,42をねじ48,60にひっかけて傷付ける
ようなことを良好に防止できるといった利点もあるので
ある。
以上、本発明の一実施例を詳細に説明したが、これは
文字通りの例示であり、本発明が、かかる具体例に限定
されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる変更,修正,改良等を施した態様で実施で
きることは、言うまでもないところである。
例えば、前記実施例では、内側電極44の1個が軸部材
30に一体に設けられていたが、かかる内側電極44も軸部
材30と別体に設けて、他の内側電極44と同様に、締付部
材66による締付作用によって軸部材30に固設するように
することが可能である。なお、この場合には、例えば、
軸部材30の外周面の入力軸10側の端部に突起を設けて、
かかる突起と締付部材66との間で内側電極44と内側絶縁
リング42を挟持するようにすればよい。
また、前記実施例では、良好な摺動性および良好な絶
縁性が要求されることから、スペーサ35,外側絶縁リン
グ38および内側絶縁リング42の構成材料としてフッソ樹
脂が採用されていたが、良好な摺動性および良好な絶縁
性が得られる限り、それらをフッソ樹脂以外の材料で構
成することも可能であり、また、閉塞部材54の構成材料
としても、絶縁性および機械的強度に優れたものであれ
ば、ナイロン以外の材料を採用することが可能である。
更に、有底円筒体18は必ずしも一体構造である必要は
なく、電気粘性流体を収容する流体収容空間を流体密に
シールするシール構造等も、必要に応じて適宜変更する
ことが可能である。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う電気粘
性流体を用いたトルク伝達装置によれば、電気粘性流体
を挟んで軸方向で対向するように設けられた円形つば状
の外側電極と内側電極とが、何れも、その内外周縁部を
軸方向に移動不能に拘束されて、それら電極の板厚方向
への変形が極めて良好に防止されることから、それら電
極の板厚方向への変形に起因する電気的な短絡現象の発
生が確実に回避されるのであり、しかも、内外の電極お
よび絶縁リングを軸部材に一体的に組み付けてから、そ
の組立体を有底円筒体に組み付けるようにすることがで
きることから、その組付作業を極めて簡単に為し得ると
いった特長もあるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従うトルク伝達装置の一例を示す要
部断面図であり、第2図は、第1図の装置の有底円筒体
の第1図に対応する断面図(第3図におけるII−II断面
図)であり、第3図は、第2図の有底円筒体の右側面図
であり、第4図は、第1図の装置の外側絶縁リングを示
す平面図であり、第5図は、第4図におけるV−V断面
図であり、第6図は、第1図の装置の外側電極を示す平
面図であり、第7図は、第1図の装置における軸部材の
第1図に対応する断面図(第8図におけるVII−VII断面
図)であり、第8図は、第7図における右側面図であ
り、第9図は、第1図の装置の内側絶縁リングを示す平
面図であり、第10図は、第9図におけるX−X断面図で
あり、第11図は、第1図の装置の内側電極を示す平面図
である。 10:入力軸、12:出力軸 14:トルク伝達部、18:有底円筒体 30:軸部材、35:スペーサ 38:外側絶縁リング、40:外側電極 42:内側絶縁リング、44:内側電極 46,58:スプライン 50,52,62,64:切欠溝 54:閉塞部材(蓋体) 66:締付部材、70:シール材 72,74:環状溝(係合溝)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−215431(JP,A) 特開 平1−158233(JP,A) 特開 平2−102928(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有底円筒体の開口部が蓋体で閉塞されて形
    成された構造の密閉空間内に所定の電気粘性流体が充填
    されると共に、該密閉空間内に、前記有底円筒体と同心
    的に且つ該有底円筒体と電気的に隔てられた状態で、所
    定の軸部材が該蓋体を貫通して該有底円筒体と相対回転
    可能に突入されて成り、且つ、前記有底円筒体の筒壁の
    内周面に外周面で電気的に接続されて固定的に配設され
    た円形つば状の複数の外側電極と、前記軸部材の外周面
    に内周面で電気的に接続されて固定的に配設された円形
    つば状の複数の内側電極とが、軸方向において相互に所
    定の間隙を隔てて交互に配設されて、前記有底円筒体お
    よび軸部材を通じてそれら外側電極と内側電極との間に
    印加される電圧によって、それら外側電極と内側電極と
    の間に位置する電気粘性流体に対して所定の電界が作用
    され得るように構成された電気粘性流体を用いたトルク
    伝達装置において、 前記外側電極の外周部間および前記内側電極の内周部間
    に、それぞれ、外側絶縁リングおよび内側絶縁リングを
    介在させると共に、それら外側絶縁リングの内周面と内
    側絶縁リングの外周面とにそれぞれ周方向の係合溝を設
    けて、前記内側電極の外周縁部を該外側絶縁リングの内
    周面の係合溝に周方向に摺動可能に係合させる一方、前
    記外側電極の内周縁部を該内側絶縁リングの外周面の係
    合溝に周方向に摺動可能に係合させてなることを特徴と
    する電気粘性流体を用いたトルク伝達装置。
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