JPH0863778A - 光学ピックアップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、フォトディテクタ上のス
ポットずれが排除されることにより、安定したトラッキ
ングエラー信号またはウォブル信号が得られるようにし
た、光学ピックアップを提供すること。 【構成】 レーザーカプラ１１の光ビームを出射する光
源部と、この光源部から出射された光ビームを光ディス
クの記録面上に合焦するように照射する対物レンズ１２
と、このディスクの記録面からの戻り光ビームを受光す
るレーザーカプラの受光部とを含んでいる、光学ピック
アップ１０において、上記対物レンズとレーザーカプラ
の間の光路中に配設され且つ対物レンズに対して一体的
に取り付けられた偏光性ホログラム１３と、この偏光性
ホログラムにより分離された１次光を受光するフォトデ
ィテクタ１４とを備えるように、光学ピックアップ１０
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクに記録及び
／または再生を行なうための光学ピックアップに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、このような光ディスクの記録及び
／または再生を行なうための光学ピックアップは、基本
的には、光ビームを出射する光源部と、この光源部から
出射された光ビームを光ディスクの記録面上に合焦する
ように照射する対物レンズと、このディスクの記録面か
らの戻り光ビームを受光する受光部とから構成されてい
る。さらに、構成に応じて、光源部からの光ビームと光
ディスクの記録面からの戻り光を分離するためのハーフ
ミラー，ビームスプリッタ等の分離光学系や、光源から
の光ビームを平行光にするコリメータレンズ、あるいは
上記戻り光ビームを受光部に集光させるための集光レン
ズ等の光学要素が付加される。

【０００３】このような構成の光学ピックアップによれ
ば、レーザーカプラの光源部から出射された光ビーム
は、対物レンズを介して、光ディスクの記録面上のある
一点に結像される。これにより、光ディスクの記録面か
らの戻り光ビームは、再び対物レンズを介して、フォト
ディテクタの受光面に入射する。そして、フォトディテ
クタの各受光面からの検出信号に基づいて、光ディスク
の読取信号及びフォーカスエラー信号，トラッキングエ
ラー信号等の信号が生成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された光学ピックアップにおいては、トラッキ
ングエラー検出に関しては、所謂１ビームプッシュプル
方式が採用されている場合、対物レンズが光ディスクの
ラジアル方向に駆動されると、フォトディテクタ上のス
ポットが移動するため、オフセットによるスポットずれ
が発生し易い。従って、スポットずれを抑制するための
補正手段を設ける必要があり、フォトディテクタの検出
信号を処理するための電気回路が複雑になってしまい、
コストが高くなるという問題があった。

【０００５】また、ウォブル信号によって、アドレス情
報を得るような、例えばＣＤＲディスクやＭＤディスク
等においては、プッシュプル演算により、ウォブル信号
を検出していることから、対物レンズのラジアル方向の
移動によるアクセス時に、フォトディテクタ上のスポッ
ト移動によって、フォトディテクタの分割領域に差が生
じてしまい、ウォブル信号のＳ／Ｎが低下して、正確な
ウォブル信号が得られなくなってしまうという問題があ
った。

【０００６】本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成に
より、フォトディテクタ上のスポットずれが排除される
ことにより、安定したトラッキングエラー信号またはウ
ォブル信号が得られるようにした、光学ピックアップを
提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、光ビームを出射する光源部と、この光源部から出
射された光ビームを光ディスクの記録面上に合焦するよ
うに照射する対物レンズと、このディスクの記録面から
の戻り光ビームを受光する受光部と、前記対物レンズと
光源との間の光路中に配設され且つ対物レンズに対して
一体的に取り付けられた偏光性ホログラムと、この偏光
性ホログラムにより分離された１次光を受光するフォト
ディテクタとを備えている光学ピックアップにより、達
成される。

【０００８】本発明による光学ピックアップは、好まし
くは、前記偏光性ホログラムにより分離された１次光に
基づいて、フォトディテクタによりトラッキングエラー
信号が検出される。

【０００９】本発明による光学ピックアップは、好まし
くは、前記偏光性ホログラムにより分離された１次光に
基づいて、フォトディテクタによりウォブル信号が検出
される。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、分離光学系である偏光性ホ
ログラムが、対物レンズに一体的に取り付けられてい
る。従って、対物レンズがアクセス時に光ディスクのラ
ジアル方向に駆動されたときであっても、この偏光性ホ
ログラムにより分離された戻り光ビームの一次光は、ス
ポットずれを生ずることなく、フォトディテクタの受光
面に入射することになる。かくして、偏光性ホログラム
からフォトディテクタに入射する１次光によって、トラ
ッキングエラー信号またはウォブル信号が検出される場
合、安定したトラッキングエラー信号またはウォブル信
号が得られることになる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図１乃至図
５を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。

【００１２】図１は、本発明による光学ピックアップの
一実施例を示しており、光学ピックアップ１０は、レー
ザーカプラ１１，対物レンズ１２，分離光学系としての
偏光性ホログラム１３及びフォトディテクタ１４を備え
ている。

【００１３】上記レーザーカプラ１１は、光源部及び受
光部から構成されており、光源部は、例えば半導体レー
ザ素子から成り、また受光部は、例えば受光素子から成
る。

【００１４】ここで、半導体レーザ素子（図示せず）
は、半導体の再結合発光を利用した発光素子であり、光
源として使用される。また、受光素子（図示せず）は、
例えばフォトダイオード，フォトトランジスタ等であっ
て、受光量に対応した出力信号を出力するようになって
いる。

【００１５】対物レンズ１２は、レーザーカプラ１１の
光源部からの光ビームを、回転駆動される光ディスク１
５の記録面の所望のトラック上に結像させる。

【００１６】光ディスク１５の記録面に照射された光ビ
ームは、戻り光ビームとして、再び対物レンズ１２を介
して、偏光性ホログラム１３を透過する。

【００１７】ここで、偏光性ホログラム１３は、例え
ば、ニオブ酸リチウムから成る基板と、この基板の入射
側にプロトン交換法により形成された格子とから構成さ
れており、この格子の領域にて、常光及び異常光に対し
て異なる屈折率を有するようになっている。また、偏光
性ホログラム１３は、図２に示すように、光軸に沿った
ラインで、光ディスクのラジアル方向に２分割した二つ
の領域Ｈ１，Ｈ２を有している。この場合、偏光性ホロ
グラム１３は、ホログラム面１３ａが上面となるよう
に、設定されている。そしてホログラム面１３ａは、そ
の分離方向が、上記ラジアル方向に設定されている。こ
れにより偏光性ホログラム１３の各領域Ｈ１，Ｈ２によ
る１次光Ｌｅ１，Ｌｅ２が、それぞれフォトディテクタ
１４の点Ｐ１，Ｐ２にスポットを形成するように結像す
る（図１参照）。

【００１８】さらに、上記偏光性ホログラム１３は、対
物レンズ１２のアパーチャストップ１２ａに一体に取り
付けられている。これにより、対物レンズ１２がアクセ
ス時に二軸アクチュエータ１６により光ディスク１５の
ラジアル方向に駆動されるとき、偏光性ホログラム１３
は、対物レンズ１２と一体に移動することになる。尚、
偏光性ホログラム１３は、対物レンズ１２に対して一体
的に取り付けられていればよく、対物レンズ１２のアパ
ーチャストップに限らず、対物レンズホルダー等の他の
部分に固定されていてもよい。

【００１９】かくして、上記戻り光ビームは、図１に示
すように、この偏光性ホログラム１３を透過する際に、
この偏光性ホログラム１３の各領域Ｈ１，Ｈ２にて、そ
れぞれラジアル方向に関して、常光である０次光Ｉ０及
び異常光である１次光Ｌｅ１，Ｌｅ２に分離される。
尚、この偏光性ホログラム１３は、図１にて下方から入
射する光については、そのまま透過されるようになって
いる。

【００２０】これにより、０次光は、レーザーカプラ１
１に進み、その受光部に入射することになる。その際、
レーザーカプラ１１内に備えられたマイクロプリズム
（図示せず）によって、３分割され、フォーカシングエ
ラー信号が得られるようになっている。

【００２１】また、フォトディテクタ１４は、図３に示
すように、偏光性ホログラム１３の各領域Ｈ１，Ｈ２に
よりそれぞれラジアル方向に分離された２本のビーム、
即ち１次光Ｌｅ１，Ｌｅ２に対して、それぞれ結像点Ｐ
１，Ｐ２を中心とする受光面Ｓ１，Ｓ２を有するように
構成されている。

【００２２】本実施例による光学ピックアップ１０は以
上のように構成されており、レーザーカプラ１１の光源
部から出射された光ビームは、偏光性ホログラム１３を
透過して、対物レンズ１２を介して、光ディスク１５の
記録面上のある一点に結像される。

【００２３】光ディスク１５の記録面からの戻り光ビー
ムは、再び対物レンズ１２を介して、偏光性ホログラム
１３に入射する。ここで、戻り光ビームは、偏光性ホロ
グラム１３により、図３にて斜線で示すラジアル方向の
回折パターンに関し、０次光及び１次光Ｌｅ１，Ｌｅ２
の３つの光ビームに分離され、各光ビームがそれぞれレ
ーザーカプラ１１の受光部及びフォトディテクタ１４の
対応する受光面Ｓ１，Ｓ２に入射する。

【００２４】これにより、フォトディテクタ１４の受光
部Ｓ１，Ｓ２は、それぞれ出力信号Ｉ１，Ｉ２を出力す
る。

【００２５】従って、レーザーカプラ１１の受光部の検
出信号に基づいて、演算を行なうことにより、光ディス
ク１５の読取信号及びフォーカスエラー信号が得られる
と共に、フォトディテクタ１４の各受光部Ｓ１，Ｓ２の
出力信号Ｉ１，Ｉ２に基づいて、トラッキングエラー信
号が生成される。即ち、トラッキングエラー信号ＴＲＫ
は、

【数１】 なるプッシュプル信号で与えられることになる。

【００２６】ここで、上記偏光性ホログラム１３は、対
物レンズ１２に対して一体に取り付けられているので、
フォトディテクタ１４の受光部Ｓ１，Ｓ２において、偏
光性ホログラム１３の１次光がスポットずれを生ずるよ
うなことはない。

【００２７】図４及び図５は、本発明の光学ピックアッ
プの他の実施例を示している。この実施例においては、
図１乃至図３に示した光学ピックアップ１０に比較し
て、偏光性ホログラム１３及びフォトディテクタ１４の
代わりに、偏光性ホログラム２０及びフォトディテクタ
２１が配設されている点で異なる構成であり、他の構成
は図１の光学ピックアップ１０と同じである。

【００２８】この場合、偏光性ホログラム２０は、ラジ
アル方向及びタンジェンシャル方向について、それぞれ
分割されることにより、４分割の領域Ｈ１，Ｈ２，Ｈ
３，Ｈ４を備えている。これに対応して、フォトディテ
クタ２１は、同様に、４つの受光部Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３，
Ｓ４を備えている。

【００２９】この構成によれば、光ディスク１５の記録
面からの戻り光ビームは、再び対物レンズ１２を介し
て、偏光性ホログラム２０に入射する。ここで、戻り光
ビームは、偏光性ホログラム２０により、０次光及び１
次光Ｌｅ１，Ｌｅ２，Ｌｅ３，Ｌｅ４の５つの光ビーム
に分離され、各光ビームがそれぞれレーザーカプラ１１
の受光部及びフォトディテクタ１４の対応する受光部Ｓ
１，Ｓ２，Ｓ３，Ｓ４に入射する。

【００３０】これにより、フォトディテクタ１４の受光
部Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３，Ｓ４は、それぞれ出力信号Ｉ１，
Ｉ２，Ｉ３，Ｉ４を出力する。

【００３１】従って、レーザーカプラ１１の受光部の検
出信号に基づいて、演算を行なうことにより、光ディス
ク１５の読取信号及びフォーカスエラー信号が得られる
と共に、フォトディテクタ１４の各受光部Ｓ１，Ｓ２，
Ｓ３，Ｓ４の出力信号Ｉ１，Ｉ２，Ｉ３，Ｉ４に基づい
て、トラッキングエラー信号が生成される。即ち、トラ
ッキングエラー信号ＴＲＫは、

【数２】 なるＤＰＤ法によるプッシュプル信号で与えられること
になる。

【００３２】尚、上述した実施例においては、偏光性ホ
ログラムとして、常光を透過し、異常光を回折させる特
性のものが使用されているが、これに限らず、常光を回
折させ、異常光を透過させる特性を有する偏光性ホログ
ラムも使用されることは明らかである。

【００３３】このように上記実施例では、分離光学系で
ある偏光性ホログラムが、対物レンズに一体的に取り付
けられている。従って、対物レンズがアクセス時に光デ
ィスクのラジアル方向に駆動されたときであっても、こ
の偏光性ホログラムにより分離された戻り光ビームの一
次光は、スポットずれを生ずることなく、フォトディテ
クタの受光面に入射することになる。

【００３４】かくして、偏光性ホログラムからフォトデ
ィテクタに入射する１次光によって、トラッキングエラ
ー信号またはウォブル信号が検出される場合、安定した
トラッキングエラー信号またはウォブル信号が得られる
ことになる。この場合、スポットずれが生じないことか
ら、スポットずれを補正するための電気回路は不要であ
るので、光学ピックアップ全体の構成が簡単になり、コ
ストが低減されることになる。

【００３５】また、上記実施例においては、偏光性ホロ
グラム１３，２０により分離した１次光をフォトディテ
クタ１４，２１により検出して、トラッキングエラー信
号を生成するようになっているが、これに限らず、例え
ばウォブル信号を生成するようにしてもよいことは明ら
かである。

【００３６】さらに上記実施例では、光源及び受光部の
一部を同一基板上に構成したレーザカプラーを用いてい
る。しかし、本発明はこれに限らず、１ビームによるプ
ッシュプル方式のトラッキング制御を行う全ての光学ピ
ックアップに適用することができる。

【００３７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、簡
単な構成により、フォトディテクタ上のスポットずれが
排除されることにより、安定したトラッキングエラー信
号またはウォブル信号が得られるようにした、光学ピッ
クアップが提供されることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による光学ピックアップの一実施例の構
成を示す概略図である。

【図２】図１の光学ピックアップにおける２分割の偏光
性ホログラムの平面図である。

【図３】図１の光学ピックアップにおけるフォトディテ
クタの平面図である。

【図４】本発明による光学ピックアップの他の実施例に
おける４分割の偏光性ホログラムの平面図である。

【図５】図４の光学ピックアップにおけるフォトディテ
クタの平面図である。

【符号の説明】

１０ 光学ピックアップ １１ レーザーカプラ １２ 対物レンズ １３ 偏光性ホログラム １４ フォトディテクタ ２０ 偏光性ホログラム ２１ フォトディテクタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ビームを出射する光源部と、 この光源部から出射された光ビームを光ディスクの記録
   面上に合焦するように照射する対物レンズと、 このディスクの記録面からの戻り光ビームを受光する受
   光部と、 前記対物レンズと光源との間の光路中に配設され且つ対
   物レンズに対して一体的に取り付けられた偏光性ホログ
   ラムと、 この偏光性ホログラムにより分離された１次光を受光す
   るフォトディテクタとを備えていることを特徴とする光
   学ピックアップ。
2. 【請求項２】 前記偏光性ホログラムにより分離された
   １次光に基づいて、フォトディテクタによりトラッキン
   グエラー信号が検出されることを特徴とする請求項１に
   記載の光学ピックアップ。
3. 【請求項３】 前記偏光性ホログラムにより分離された
   １次光に基づいて、フォトディテクタによりウォブル信
   号が検出されることを特徴とする請求項１に記載の光学
   ピックアップ。