JPH0863581A - 外部環境認識装置 - Google Patents

外部環境認識装置

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Publication number
JPH0863581A
JPH0863581A JP6326264A JP32626494A JPH0863581A JP H0863581 A JPH0863581 A JP H0863581A JP 6326264 A JP6326264 A JP 6326264A JP 32626494 A JP32626494 A JP 32626494A JP H0863581 A JPH0863581 A JP H0863581A
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JP
Japan
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Withdrawn
Application number
JP6326264A
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English (en)
Inventor
Akira Kuratsume
亮 倉爪
Naoki Sashita
直毅 指田
Shigemi Osada
茂美 長田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 外部環境を多角的,多面的に効率良く詳細に
認識できる。 【構成】 複数のセンサ10で検出する外部環境の観測
情報を認識レベルにより階層化した層12は、外部環境
認識の処理単位となる複数のノード14を有し、各ノー
ド14は、隣接層12における該当のノード14とリン
クにより結合され、最下位層12の各ノード14は、セ
ンサ検出の観測情報を入力する入力部16、及び観測情
報のパラメータ分布を算出する算出部18を有し、算出
の分布を階層上位側のリンク先ノード14へ送出する。
他層12の各ノード14は、階層下位側が送出した分布
を取得する取得部24、取得の分布を前回の結果と融合
して融合結果を保持する融合部26、並びに取得の分布
及び前回融合の分布について両分布の相関度を算出する
算出部28を有し、相関度が同一層12内において最大
で設定値を越えた分布のみを階層上位側のリンク先ノー
ド14へ送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のセンサから入力
された外部環境の観測情報でその環境の認識を行なう装
置に関する。
【0002】工場などにおいては整備された良好かつ安
定な環境下で予め決められた定型動作を単純に繰り返す
ロボットが使用されているが、ロボット要素の技術が急
速に発達していることから、屋外や未知の環境下におい
てもこれに適応して作業を遂行する自律型ロボットの実
現が期待される。
【0003】その自律型ロボットでは、作業指令が与え
られたときに外部環境認識装置の処理結果を用いて同作
業の動作計画が生成されるが、作業動作の計画生成時に
は外部環境認識装置で外部環境がどのように認識され、
理解されるかが非常に重要な問題となる。
【0004】例えば、テーブルに積み上げられた物体群
をカメラなどの視覚センサを用いて観測し、テーブル上
よりいずれかの物体を選択し、選択の物体を把握して移
動させる作業の指令が与えられた場合、視覚センサより
取り込まれた撮影画像から外部環境(テーブル上の物
体)の局所的な特徴情報を抽出し、その情報から把握対
象の物体が置かれている位置,同物体の姿勢,把握すべ
きポイントを正確に予測し推定する外部環境の認識処理
をいかにして行なうかでロボットの性能が大きく左右さ
れる。
【0005】
【従来の技術】外部環境の局所的な情報とあらかじめ与
えられた環境モデルとのマッチングをとる装置の場合に
は、対象物体の種類やその特徴量の種類がとともにマッ
チングの組み合わせ数が増加し、処理負荷や処理時間が
無視できないものとなる。
【0006】このため、解釈木を用いたモデルマッチン
グの対象物認識手法(W.E.L.Grimson a
nd T.Lozano−Perez:Model−b
ased recognition and loca
lization fromsparse range
or tactile data,Int.J.Ro
botics Res.,3,3,pp.3−35.1
984及びP.C.Gaston and T.Loz
ano−Prez:Tactile recognit
ion and localization usin
g object models:The case
of polyhedra on aplane,IE
EE Trans.Patten.Anal.Mac
h.Intell.,PAMI−6.3.pp.257
−265,1984参照)が提案されている。
【0007】ところがこの手法においては、センサ情報
や環境モデルの誤差を取り扱う処理上の難点から、複数
の解釈が生じ、したがって、認識結果の唯一性を保証す
ることが困難となる。
【0008】そこで、正規確率分布を用いる手法(Du
rrant−Whyte,Uncertain Geo
metry in Robotics.IEEE J.
ofRobotics and Automatio
n.Vol.4.No.1,pp.23−31,198
8参照),Dempster−Shafer理論を用い
る手法(L.Bogler,Shafer−Demps
tar Reasoning with Aplica
tion to Multisensor Targe
t Identification Systems,
IEEE Trans.on System,man.
and Cybernetics,pp.968−97
7,1987及び川嶋,白川,青木,不確実な局所的セ
ンサ情報に基づく対象物の認識.電子情報通信学会論文
誌.D−11.No.3,pp.383−391,19
90)が提案されており、センサ情報や環境モデルにお
ける誤差などの不確実性から複数の解釈の発生する曖昧
性が解消されている。
【0009】さらにベイズネットを用いる手法(Rim
ey and Brown,Task−specifi
c utility in a general Ba
ysnet vision system Proc.
1922 IEEE Computer Societ
y Conference on Computer
Vision and Pattern Recogn
ition.pp.142−147,1992)が提案
されており、この手法によれば、適切なセンシング行動
が選択されて外部環境の認識が効率的に行なわれ、その
結果、処理負荷が軽減され、処理速度が高められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来にお
いては、一種単一のセンサで得られた観測情報のみを入
力としていたので、対象物を多角的に総合して認識する
ことが不可能とされていた。
【0011】本発明は上記の従来の事情に鑑みて為され
たものであり、その目的は、多種多様なセンサで得られ
た観測情報を入力として外部環境の認識を行なえる装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1において,第1発明
にかかる装置では、複数のセンサ10が検出した外部環
境の観測情報を入力とし外部環境の認識結果を出力とす
る環境モデル1が,観測情報の入力側から認識結果の出
力側へ,外部環境の認識レベルにより階層化される。
【0013】そして環境モデル1の各層12は、外部環
境認識の処理単位となる複数のノード14を有し、各ノ
ード14は、隣接層12における該当のノード14とリ
ンクにより結合される。
【0014】さらに最下位層12の各ノード14は、該
当のセンサ10(ノード14に設けられた各センサ1
0)で検出された外部環境の観測情報を入力する観測情
報入力部16と、入力された観測情報のパラメータ分布
を算出する確率分布算出部18と、算出されたパラメー
タ分布を階層上位側のリンク先ノード14へ送出する第
1の確率分布送出部22と、を含む。
【0015】また他層12の各ノード14は、階層下位
側のリンク先ノード14から送出された存在確率分布を
取得する確率分布取得部24と、階層下位側のリンク先
ノード14より取得のパラメータ分布を前回の結果と融
合して融合結果を保持する確率分布融合部26と、階層
下位側のリンク先ノード14より取得のパラメータ分布
と前回融合のパラメータ分布とについて両パラメータ分
布の相関度を算出する相関度算出部28と、算出された
相関度が同一層12内において最大で設定値を越えたパ
ラメータ分布を階層上位側のリンク先ノード14へ送出
する第2の確率分布送出部30と、を含む。
【0016】図1において、第2発明にかかる装置の環
境モデル1も複数のセンサ10で検出された外部環境の
観測情報を入力とし、外部環境の認識結果を出力とし、
かつ、観測情報の入力側から認識結果の出力側へ外部環
境の認識レベルにより階層化される。
【0017】そして環境モデル1の各層12は、外部環
境認識の処理単位となる複数のノード14を有し、各ノ
ード14は、隣接層12における該当のノード14とリ
ンクにより結合される。
【0018】さらに最下位層12の各ノード14は、該
当のセンサ10で検出された外部環境の観測情報を入力
する観測情報入力部16と、入力された観測情報のパラ
メータ分布を算出する確率分布算出部18と、算出され
たパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノード14へ
送出する第1の確率分布送出部22と、を含む。
【0019】ここで他層12の各ノード14は、階層下
位側のリンク先ノード14から送出されたパラメータ分
布を取得する第1の確率分布取得部24と、階層下位側
のリンク先ノード14より取得のパラメータ分布を前回
の結果と融合して融合結果を保持する確率分布融合部2
6と、階層下位側のリンク先ノード14より取得のパラ
メータ分布と前回融合のパラメータ分布とについて両パ
ラメータ分布の相関度を算出する第1の相関度算出部2
8と、算出された相関度が同一層12内において最大で
設定値を越えたパラメータ分布を階層上位側のリンク先
ノード14へ送出する第2の確率分布送出部30と、算
出された相関度が同一層12内において最大で設定値を
越えたパラメータ分布を階層下位側のリンク先ノード1
4へ送出する第3の確率分布送出部32と、階層上位側
のリンク先ノード14から送出されたパラメータ分布を
取得する第2の確率分布取得部34と、融合されたパラ
メータ分布と階層上位側のリンク先ノード14より取得
のパラメータ分布とについて両パラメータ分布の相関度
を再び算出する第2の相関度算出部36と、再び算出さ
れた相関度が同一層12内において最小のパラメータ分
布を階層下位側のリンク先ノード14へ送出する第4の
確率分布送出部38と、を含む。
【0020】図13において、第3発明にかかる装置の
環境モデル1も複数のセンサ10で検出された外部環境
の観測情報を入力とし、外部環境の認識結果を出力と
し、かつ、観測情報の入力側から認識結果の出力側へ外
部環境の認識レベルにより階層化される。
【0021】そして環境モデル1の各層12は、外部環
境認識の処理単位となる複数のノード14を有し、各ノ
ード14は、隣接層12における該当のノード14とリ
ンクにより結合される。
【0022】さらに最下位層12の各ノード14は、該
当のセンサ10で検出された外部環境の観測情報を入力
する観測情報入力部16と、入力された観測情報のパラ
メータ分布を算出する確率分布算出部18と、算出され
たパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノード14へ
送出する第1の確率分布送出部22と、を含む。
【0023】ここで他層12の各ノード14は、階層下
位側のリンク先ノード14から送出されたパラメータ分
布を取得する確率分布取得部24と、階層下位側のリン
ク先ノード14より取得のパラメータ分布における欠落
部分を該パラメータ分布と以前に取得のパラメータ分布
とから推定して階層下位側のリンク先ノード14より取
得のパラメータ分布につき欠落部分の補完を行なう欠落
部分推定補完部40と、欠落部分が補完されたパラメー
タ分布を前回の結果と融合して融合結果を保持する確率
分布融合部26と、欠落部分が補完されたパラメータ分
布と前回融合のパラメータ分布とについて両パラメータ
分布の相関度を算出して欠落部分が補完されたパラメー
タ分布を蓄積記憶する相関度算出部28と、を含む。
【0024】また、蓄積記憶されているパラメータ分布
を階層下位側のリンク先ノード14より取得の逆順で相
関度算出部28に忘却させる確率分布忘却部42と、算
出された相関度が同一層12内において最大で設定値を
越えたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノード1
4へ送出する第2の確率分布送出部30と、算出された
相関度が同一層12内において最大で設定値を越えたパ
ラメータ分布を階層下位側のリンク先ノード14へ送出
する第3の確率分布送出部32と、階層上位側のリンク
先ノード14から送出されたパラメータ分布を取得する
第2の確率分布取得部34と、融合されたパラメータ分
布と階層上位側のリンク先ノード14より取得のパラメ
ータ分布とについて両パラメータ分布の相関度を再び算
出する第2の相関度算出部36と、再び算出された相関
度が同一層12内において最小のパラメータ分布を階層
下位側のリンク先ノード14へ送出する第4の確率分布
送出部38と、を含む。
【0025】
【作用】我々人間は周囲の環境をその部品が階層的に組
み立てられたものと認識し、周囲の環境に対して何らか
の働きかけを行なう場合、同環境の階層性を意識するこ
となく積極的に利用している。
【0026】例えば、ある部屋に机,椅子,本棚が存在
し、机の上にコンピュータや本が置かれ、コンピュータ
がディスプレイ,本体,キーボードで構成され、キーボ
ードが英字キーや数字キーを備えている場合において、
この部屋でコンピュータのキーボードを操作しようとす
るときには、椅子や本棚より先に机の上へ視線を移動し
てコンピュータが置かれていることを確認し、コンピュ
ータに接続されたキーボードを発見する。さらに、英字
キー,数字キーやラベルからキーボードの種類を調べ
る。
【0027】その際には、部屋,机,コンピュータ,キ
ーボード,キーやラベルという階層性を我々人間は無意
識に判断し、これを積極的に利用して探し出す範囲を効
率良く絞る。
【0028】第1発明の装置には、前述した正規確率分
布(パラメータ分布)の手法やDempster−Sh
afer理論の手法を適用でき、したがって、複数の解
釈の発生する曖昧性が解消される。
【0029】ただし環境モデル1は、複数のセンサ10
で検出された外部環境の観測情報を入力とし、外部環境
の認識結果を出力とし、さらに、観測情報の入力側から
認識結果の出力側へ外部環境の認識レベルで階層化され
る。
【0030】そして、環境モデル1の各層12(少なく
とも最下位層12以外)においてはセンサ10の出力情
報が融合され(確率分布融合部26)、かつ、競合関係
となる情報(パラメータ分布/存在確率分布:対象物の
確からしさが示される)から最も適切なもの(ノード1
4の示す要素が現在の観測対象であるという観測の信頼
度が最も高い分布)が選択され、この選択された情報の
みが階層の上位側へ伝播される。
【0031】すなわち、多種多様なセンサで得られた局
所的な観測情報がボトムアップ的に処理されて大域的な
ものへ逐次統合,集約される。このため、不確実な情報
すべての組み合わせを処理することによる組み合わせ爆
発を回避しながら、多面的,多角的な認識処理を人間と
同様にして効率良く行なうことが可能となる。
【0032】また第2発明の装置では、相関度が同一層
12内で最大かつ設定値を越えたパラメータ分布が階層
下位側のリンク先ノード14へ伝播され、融合された分
布と階層上位側のリンク先ノード14より伝播の分布と
について両分布の示す要素と観測対象との相関度が再び
算出され、再算出の相関度が同一層12内において最小
の分布が階層下位側のリンク先ノード14へ送出される
ので、大域的な環境情報が階層構造に沿ってトップダウ
ン的に伝播され、したがって、同情報から各層12にお
いて次の観測結果を予測して適切なセンシング行動を選
択でき、このため、外部環境を認識する処理をさらに効
率良く行なうことが可能となる。
【0033】第3発明の装置では、最下位層12以外の
層12における各ノード14が階層下位側のリンク先ノ
ード14から取得したパラメータ分布の欠落部分を推定
してその欠落部分の補完を行なう。1回の測定又は単一
のセンサ10ではパラメータ分布の融合処理に必要な環
境情報を全て得ることが一般に困難となり、例えば、触
覚センサで物体のいずれかの頂点が検出された場合、そ
の情報が示す1つの頂点の位置のみでは同物体の姿勢を
一意的に決定することは不可能となる。
【0034】また、種別が異なるセンサ10から次元の
異なる環境情報が得られる装置では、あるセンサ出力で
は環境情報の内容が冗長となるものの、別のセンサ出力
では環境情報が内容的にしばしば不足したものとなる。
そこで、最下位層12以外の層12における各ノード1
4は階層下位側のリンク先ノード14より取得したパラ
メータ分布の欠落部分を推定し、その欠落部分を補完
し、補完後のパラメータ分布で融合処理を行なう。
【0035】そして最下位層12以外の層12における
各ノード14は、パラメータ分布を階層下位側のリンク
先ノード14より取得の逆順で忘却する。一般に、動的
に変化する外部環境の観測が行なわれる場合、センサ1
0が新たに検出した環境情報は過去に検出された環境情
報より同時点における外部環境を的確に示しており、そ
の環境情報の精度や信頼性は高いものと考えられる。
【0036】このため、少なくとも最下位層12以外は
過去に得られた環境情報を古いものの順で次第に忘却す
る。
【0037】
【実施例】図1には第1実施例の構成が示されており、
同図において、環境モデル1は複数のセンサ10で検出
された外部環境の観測情報を入力とし、外部環境の認識
結果を出力とする。
【0038】本実施例においては同種,異種の環境観測
情報(位置,角度,照度,温度,湿度,対象物体の形
状,面積,色など)がセンサ10を用いて検出されてお
り、環境モデル1は観測情報の入力側(センサ10側)
から認識結果の出力側へ外部環境の認識レベルにより階
層化されている。
【0039】その環境モデル1の各層12は外部環境認
識の処理単位となる複数のノード14を有しており、各
ノード14は隣接層12における該当のノード14とリ
ンクされている(図2参照)。
【0040】ノード14はその抽象度の違いに応じて階
層的に配置されており、信頼度と存在確率分布を保持し
ている。また、各ノード14が結合するリンクは各ノー
ド14間の構成関係や幾何学的関係を保持している。
【0041】図3にはシーン層(scene層:上位
層),オブジェクト層(object層:中間層),特
徴層(feature層:下位層)の3層構造とされた
環境モデル1が示されている。
【0042】このモデル例では、シーンの候補としてノ
ード「A」と「B」が、またオブジェクトの候補として
ノード[a」「b」「c」が、さらに特徴の候補として
「α」「β」「γ」「δ」が存在することを示してい
る。
【0043】そしてオブジェクト層のノード「a」に
は、現在観測しているオブジェクトが「a」であるとい
う観測の信頼度とオブジェクト[a」がいずれの位置に
存在するかを示す存在確率分布が保持される。
【0044】また、シーン層に含まれるノード「A」は
リンクでオブジェクト層のノード[a」、「b」と結合
されている。これはノード「A」がノード[a」、
「b」から構成されていることを示し、それらを結ぶリ
ンクについては両者の幾何学的位置関係が記述される。
【0045】同様に、オブジェクト層のノード「a」は
特徴層のノード「α」「β」「γ」と結合され、それら
を結ぶリンクに対しては両者の幾何学的位置関係が記述
される。
【0046】同環境モデル1は例えば図4の自律型ロボ
ットで採用され、同図の自律型ロボットは3階層の環境
モデル1,複数のセンサ10(視覚センサとしてのCC
Dカメラを含む),マニピュレータ400を備えてい
る。
【0047】視覚センサ10のCCDカメラはマニピュ
レータ40のハンドに固定され、円形のカラーマーカー
が設けられたブロック玩具を認識対象の物体として任意
の位置から任意の姿勢で撮影する。
【0048】図1において、最下位層12の各ノード1
4は観測情報入力部16,確率分布算出部18,確率分
布融合部20,確率分布送出部22を備えており、観測
情報入力部16は該当のセンサ10で検出された外部環
境の観測情報を入力する。
【0049】また確率分布算出部18は入力された観測
情報のパラメータ分布(空間的な存在確率分布)を算出
し、確率分布融合部20(複数のセンサ10から観測情
報が入力され、それらの情報に関する分布が確率分布算
出部18で算出される場合に設けられる)は同種のセン
サ10について得られたパラメータ分布を前回の結果と
してこの融合結果を保持し、確率分布送出部22は融合
されたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノード1
4へ送出する。
【0050】ここでセンサ測定値の誤差が一般に正規分
布となることから、確率分布算出部18はセンサ検出情
報の不確実性を点の座標や直線の方向などの幾何学的パ
ラメータの正規分布(存在確率分布)として表現する。
【0051】例えば視覚センサで空間上の一点xs=
(xs・ys・zs)の位置情報が得られた場合におい
て、座標xsを中心としセンサ10やセンシング環境に
依存する分散・共分散行列をΣsとすると、
【0052】
【数1】
【0053】の正規分布でセンサ出力を表現する。
【0054】なおセンサ出力が点座標であるときには、
分散・共分散行列Σsは
【0055】
【数2】
【0056】で表現できる。
【0057】このように不確実なセンサ情報は、分散・
共分散行列で表されるある広がりを持った確率的な分散
とされる(図5には2次元の場合の存在確率分布の例が
示されている)。
【0058】距離センサなどから面や線などの情報が得
られた場合、傾きなどのパラメータ誤差を正規分布で表
現することにより、これらの情報は点の位置情報と同様
に取り扱える。
【0059】また図1の確率分布融合部20は同種のセ
ンサ10について得られた複数の存在確率分布をベイズ
推定法で融合する(センサの不確実性を考慮し、複数の
センサ10から得られた不確実な環境情報を融合し、精
度,信頼度がより高い環境情報を生成する)。
【0060】例えば環境内のある一点を別々のセンサ
A,Bで独立に測定した場合、センサAにより得られる
観測点の存在確率分布が中心x=xA分散・共分散行列
ΣAである正規分布DA(x)で与えられ、センサBによ
りこの観測点がx=xBに観測される事象をSとしたと
きに、これらの情報を融合して得られる観測点の存在確
率分布Dc(x)はベイズ推定法から、
【0061】
【数3】
【0062】で表される。
【0063】ただしD(S|x)は観測点の真の位置が
xであると仮定した場合における事象Sの生起確率であ
り、一般に尤度と呼ばれ、尤度D(S|x)はセンサB
の分散・共分散行列ΣBを用いて、
【0064】
【数4】
【0065】のように表せる。
【0066】このときにnは観測情報の次元を表してお
り、これを上記の式へ代入することにより、融合後の存
在確率分布Dc(x)の中心xc,分散・共分散行列Σ
cは次のようにして各々求められる。
【0067】
【数5】
【0068】
【数6】
【0069】図1の確率分布送出部22は、環境モデル
1のリンク上に記述された幾何学的な位置関係が例えば
図6のように上位ノードAと下位ノードaを結ぶ相対的
位置ベクトルとして表現されることから、下位ノードa
の位置分布xaと上位ノードAの位置分布xAとの幾何
学的位置関係が
【0070】
【数7】
【0071】で、その微分関係が
【0072】
【数8】
【0073】で与えられる場合、上位ノードAの分散・
共分散行列ΣAを
【0074】
【数9】
【0075】の計算で求め、階層上位側へ向いリンクへ
送出する。なお、式中のJは微分関係を表すヤコビ行
列,Σaは下位ノードaの分散・共分散行列である。
【0076】図1において、他層12(最下位層12以
外)の各ノード14は確率分布取得部24,確率分布融
合部26,相関度算出部28,確率分布送出部30,確
率分布送出部32,存在確率分布取得部34,相関度算
出部36,確率分布送出部38を備えており、確率分布
取得部24は階層下位側のリンク先ノード14から送出
されたパラメータ分布を取得する。
【0077】また、確率分布融合部26は確率分布融合
部20と同様にして、階層下位側のリンク先ノード14
より取得のパラメータ分布を、前回の結果と融合してそ
の融合結果を保持する。
【0078】すなわち、ある下位ノードaから伝播され
た位置情報xAa.ΣAaと別の下位ノードbから伝播され
た位置情報xAb.ΣAbとを融合する場合、
【0079】
【数10】
【0080】より、
【0081】
【数11】
【0082】
【数12】
【0083】とする(図7参照)。
【0084】さらに図1の相関度算出部28は階層下位
側のリンク先ノード14より取得のパラメータ分布と前
回融合のパラメータ分布とについて両パラメータ分布が
示す要素と観測対象との相関度(信頼度)を算出し、確
率分布送出部30は算出された相関度が同一層12内に
おいて最大で設定値を越えたパラメータ分布を階層上位
側のリンク先ノード14へ送出する。
【0085】例えば同一層内にA,B,Cのノードが3
種類存在する場合において、現在観測している要素がA
である確率(すなわち要素Aの信頼度)をP(O=A)
とし、これらを同一層内のすべてのノードについて並べ
たもの
【0086】
【数13】
【0087】を信頼度ベクトルP(O)とし、下位ノー
ドである観測結果が得られたという事象をSとすると、
事象Sの生起により現在観測している要素がAである信
頼度P(O=A)はP(O=A|S)へ変化する。
【0088】このP(O=A|S)はベイズの定理によ
り求められ、
【0089】
【数14】
【0090】となる。
【0091】式中のP(O=A)は観測事象Sが起こる
前の要素Aの信頼度(事前確率)であり、また分母は正
規化のための係数である。また、P(S|O=A)は現
在観測している要素がAであると仮定したときの観測事
象Sの起こる確率(尤度)であり、
【0092】
【数15】
【0093】のように定義できる。
【0094】式中で右上の添字oは要素Aの事前存在確
率分布に関するパラメータを、添字pは下位ノード14
から伝播された要素Aの存在確率分布に関するパラメー
タを各々示している。
【0095】この尤度は図7のように事前存在確率分布
D0(x)と下位ノードが伝播された存在確率分布Dp
(x)から定義され、D0(x)とDp(x)が空間的に
近いほど高くなり、両者が一致したときにもっとも大き
な値を示し、数式15を数式14へ代入することによ
り、観測事象Sが起こった後の要素Aの信頼度(事後確
率)P(O=A|S)を計算できる。
【0096】以上の信頼度更新は、階層下位側のノード
14から情報伝播される度に、同一層12内の全ノード
14に対して行なわれ、観測の進行とともに、同一12
層内では信頼度ベクトルの値に偏りが生じてある要素が
設定値を超えると、その最大信頼度を表すノード14の
情報のみが階層上位側のノード14へ伝播される。
【0097】ここで、階層下位側の全情報が階層上位側
へ伝播されて複数の下位ノード14から伝播される不確
実な情報全ての組み合わせを考慮しなければならず、組
み合わせ爆発が生じるが、本実施例においては、同一の
層12内で情報の競合,淘汰が行われることから、その
上位側では数の減少した正確な情報だけを取り扱えば良
く、したがって、この問題を回避しながら、外部環境認
識の処理効率を高めることが可能となる。
【0098】また、本実施例においては、局所的な環境
情報から大域的な環境情報へ統合するボトムアップ的な
情報処理の他に、観測の結果得られた大域的な環境情報
から、次の観測結果を予測して適切なセンシング行動を
選択するトップダウンの情報処理も行なわれる(図9参
照:なお、同図のようにセンサ検出の情報は最下位層1
2以外へ入力しても良い)。
【0099】このため、図1の確率分布送出部32は算
出された相関度が同一層12内において最大であって、
設定値を越えたパラメータ分布を、階層下位側のリンク
先ノード14へ送出する。
【0100】また、存在確率分布取得部34は階層上位
側のリンク先ノード14から送出されたパラメータ分布
を取得し、さらに、相関度算出部36は融合されたパラ
メータ分布と階層上位側のリンク先ノード14より取得
のパラメータ分布とについて両パラメータ分布の相関度
を再び算出する。
【0101】そして、確率分布送出部38は相関度算出
部36で再び算出された相関度が同一層12内において
最小のパラメータ分布のみを階層下位側のリンク先ノー
ド14へ送出する。
【0102】すなわち、ある階層12内の各ノード14
において更新された信頼度のうち、最も信頼度が高いノ
ード14のパラメータ分布が階層下位側のリンク先ノー
ド14へトップダウン的に伝播され、それらリンク先ノ
ード14においてトップダウン伝播のパラメータ分布と
ノード14内保持中のパラメータ分布とから信頼度が再
び計算され、これらから最も信頼度の低いノード14が
次のセンシング目標とされる。
【0103】実際にはこのノード14自信の持っていた
存在位置分布や階層上位側のノード14から伝播された
存在位置分布などの情報で予測される存在位置,姿勢な
どに基づき適切なセンサ10及びセンサ位置,センサ姿
勢などが選択され、その結果、最も否定的な証拠が集中
的に観測される。
【0104】次に、前述したブロック玩具に関する作用
を概略的に説明する。ここでは、カメラ撮影の画像から
環境情報を抽出するためにテンプレートマッチング法
(検索する特徴のプレートを予め画像中から取り出し、
実際に入力された画像中からテンプレートと最もマッチ
ングのとれていた位置を捜し出す)を用いることとす
る。
【0105】また、玩具の自由度は位置2自由度(平面
上の並進),姿勢1自由度(平面の法線軸まわりの回
転)とする。さらに、認識する対象の候補として図9に
示すシーンAからシーンCまでの3種類を想定する。そ
して、図11のように各シーンは3種類のオブジェクト
a、b、cから構成され、各オブジェクトは特徴α,
β,γ,δから各々構成され、環境モデル1は図11の
ようにシーン−オブジェクト−特徴層の3階層とされ
る。
【0106】ここで全ての観測を行なう前の初期状態と
して、各シーン,オブジェクト,特徴層の信頼度ベクト
ルの要素は全て等しく、その位置、姿勢分布(存在確率
分布)の分散は無限大で与えられるものとする。
【0107】この初期状態から認識を開始し、センサよ
り得られる特徴の位置情報に基づいて階層型認識機構で
情報の融合,伝播を繰り返し、シーンの種別とその位
置,姿勢分布を推定する。
【0108】より具体的には、まずある特徴を観測し、
そのパラメータ分布をオブジェクト層に伝播する。次に
別の特徴を観測し、そのパラメータ分布をオブジェクト
層に伝播して先程の情報と融合する。
【0109】この処理(特徴の観測からオブジェクト層
へ伝播し、融合する処理)を繰り返すと、オブジェクト
層の信頼度ベクトルのうち、ある要素についてのものの
みが設定値を越え、その最大の信頼度を示すオブジェク
トの情報だけがシーン層へ伝播される。
【0110】シーン層においても、オブジェクト層と同
様に、伝播された情報と保持していた情報とが融合さ
れ、それぞれの候補シーンについて信頼度とパラメータ
分布が得られる。
【0111】このとき、シーン層内における信頼度ベク
トルの要素で設定値値を越えるものが確認されると、そ
れの情報が認識結果として出力される。ただし、設定値
を越えるものがない場合は、最も信頼度の高い推定結果
がトップダウン方向へ伝播されて次に観測すべき特徴が
選択され、再び特徴及びオブジェクト層への伝播,融合
が開始される。
【0112】その際には、再び観測が行なわれるオブジ
ェクト層の初期状態として初期の観測と同様に、信頼度
ベクトルの全ての要素は等しく、パラメータ分布の分散
は無限大とされる。
【0113】このようにボトムアップ伝播およびトップ
ダウン伝播が繰り返され、その後、シーンに含まれる全
ての特徴が観測されると、この観測終了の時点で、シー
ンの種別や位置,姿勢を正しく認識する結果が得られ
る。
【0114】なお、再び観測が行なわれるオブジェクト
層の初期状態として、現在のシーン推定結果から予測さ
れるオブジェクトの信頼度を初期状態として用い、パラ
メータ分布の分散は無限大としても良い。
【0115】その場合においても、上記のボトムアップ
伝播およびトップダウン伝播を繰り返し行なうことによ
り、シーンに含まれる全ての特徴を観測し終えた時点
で、シーンの種別,姿勢が正しく認識される。
【0116】以上のように、環境モデル1が認識レベル
に応じて階層化され、その各層12をボトムアップ的に
伝達される際に観測情報(パラメータ分布)が融合さ
れ、淘汰されるので、多種多様なセンサ10で得られた
局所的な観測情報が大域的なものへ逐次的に統合,集約
される。
【0117】このため本実施例によれば、不確実な情報
すべての組み合わせを処理することはなく、したがっ
て、組み合わせ爆発を回避しながら、多くの観点から効
率良く対象物の認識処理を行なうことが可能となる。
【0118】その結果、環境の一部分が障害物などに隠
蔽されて部分的に欠落した情報しか得られない場合にお
いても、他の観測可能な特徴部分から欠落部分を推定す
るロバストな環境認識も効率良く行なえる。
【0119】また、環境モデル1の階層構造に沿ってト
ップダウン方向へ環境情報が伝播されて大域側から伝播
の情報で次の観測結果が予測され、適切なセンシング行
動が選択されて最も否定的な証拠が集中的に観測される
ので、外部環境の認識処理をより効率良く行なうことが
可能となる。なお、センサ検出の環境情報を全ての層1
2へ入力する構成としたり、最下位層12の確率分布融
合部20を省略する構成としても良い。
【0120】図13では第2実施例の構成が説明されて
おり、階層最下位以外のノード14において,確率分布
取得部24と確率分布融合部26,相関度算出部28と
の間に欠落部分推定補完部40が挿入されている。
【0121】この欠落部分推定補完部40は階層下位側
のリンク先ノード14より確率分布取得部24が取得し
たパラメータ分布における欠落部分を同パラメータ分布
とそれまでに取得のパラメータ分布とから推定し、階層
下位側のリンク先ノード14より取得のパラメータ分布
につき欠落部分の補完を行なう。
【0122】なお、確率分布融合部26は欠落部分が補
完されたパラメータ分布を前回の結果と融合して融合結
果を保持し、また、相関度算出部28は欠落部分が補完
されたパラメータ分布と前回融合のパラメータ分布とに
ついて両パラメータ分布の示す要素と観測対象との相関
度を算出して欠落部分が補完されたパラメータ分布を蓄
積記憶する。
【0123】欠落部分の情報は例えば二乗誤差最小基準
の計算処理で求められ、一般的には、階層下位側のノー
ドLにおけるパラメータ分布の期待値をPLとし、上位
側のノードUにおけるパラメータ分布の期待値をPUと
し、下位側期待値PLの欠落情報をEとし、欠落情報E
の推定値をErとした
【0124】
【数16】
【0125】を未知のパラメータEで偏微分し、
【0126】
【数17】
【0127】の推定値最小条件を満足する値Eをニュー
トン法などで算出する。
【0128】図14は物体uの直線エッジlを示すノー
ドLから同物体uの中心位置を示すノードUへ環境情報
が伝播されるときの具体的な作用を説明するもので、ノ
ードUが保持している物体uの中心位置の推定値をPG
とし、直線エッジl上に予め設定された代表点をPhと
し、この代表点Phから物体の中心位置への相対ベクト
ルをvとする。
【0129】観測により直線エッジlの方向ベクトルl
と同エッジl上の位置Ptが得られると、エッジ代表点
Phはパラメータ変数tを用いて
【0130】
【数18】
【0131】で表現できる。
【0132】またベクトルvは観測された方向ベクトル
l回りの回転角θをパラメータとして
【0133】
【数19】
【0134】で表現できる。
【0135】その式でv0は物体uのモデルについて予
め定義されたエッジ代表点Phから物体中心位置PGへ向
う相対ベクトルであり、物体中心位置PGが
【0136】
【数20】
【0137】となるので、その物体中心位置PGとノー
ドUにおける物体中心位置の推定値PGUとの二乗誤差
【0138】
【数21】
【0139】が最小となるようにパラメータt,θを決
定する。
【0140】このように、欠落した情報が推定されて補
完されることから、一回の測定あるいは単一のセンサ1
0により得られた情報でヤコビ行列の計算に必要な変数
(パラメータ分布の期待値)を全て用意できる。種別の
異なるセンサ10より原理的に欠落部分が存在する情報
が得られた場合であっても、ヤコビ行列の計算を行なえ
る。
【0141】したがって、ノード14間におけるパラメ
ータ分布を情報の欠落にもかかわらず確実に伝播させる
ことが可能となる。
【0142】図13において、確率分布忘却部42が相
関度算出部28に設けられており、確率分布忘却部42
は相関度算出部28に蓄積記憶されているパラメータ分
布を階層下位側のリンク先ノード14より取得の逆順で
その相関度算出部28に忘却させる。
【0143】前述したように、動的に変化する外部環境
の観測が行なわれる場合、センサ10が新たに検出した
環境情報は過去に検出された環境情報より同時点におけ
る外部環境を的確に示しているのが一般的であり、その
環境情報の精度や信頼性は高いものと考えられる。この
ため、少なくとも最下位層12以外は過去に得られた環
境情報を古いものの順で次第に忘却する処理が行なわれ
る。
【0144】具体的には、
【0145】
【数22】
【0146】のように、融合後におけるパラメータ分布
の共分散行列Σpに誤差項ΣNOISEを加えて共分散行列Σ
pを更新する。
【0147】本実施例及び前述の実施例のようにベイズ
の定理に従って環境情報の融合が行なわれる場合、無限
回の観測後に測定誤差が0となる。その結論はガウスの
仮定から直接的に導かれるものの、共分散行列Σpが零
行列となって測定誤差が0となると、僅かな測定誤差の
発生で信頼度の値が0となる。
【0148】本実施例においては、共分散行列Σpに誤
差項ΣNOISEが加えられることにより共分散行列Σpが更
新されて過去の環境情報が忘却されるので、共分散行列
Σpが0へ収束することが防止され、信頼度の耐ノイズ
性が高められる。
【0149】図15には2層の環境モデルが示されてお
り、同モデルは3つのノードからなる上位の物体層と各
頂点の位置を環境情報として出力する8つのノード及び
直線のエッジの位置や方向を環境情報として出力する1
2のノードからなる下位の特徴層で形成される。
【0150】ここで、図16の四角柱,四角錘,三角柱
が提示されてシミュレーションが行なわれた。シミュレ
ーションはモデル上で観測結果から頂点・エッジの対応
付けが可能な場合と不可能な場合に分けて行なわれ、以
下、それらを順に説明する。
【0151】・モデル上で観測結果から頂点・エッジの
対応付けが可能な場合についてまず、各頂点とエッジの
双方に識別印を付して四角柱,四角錘,三角柱を任意な
位置及び姿勢で提示したところ(観測された頂点がいず
れであるかを確実に行なえ、特徴層で観測結果を入力す
るノードを観測結果から直ちに決定できる)、図17,
図18,図19の認識結果が得られた。
【0152】図17,図18,図19において左側が提
示されたものを示し、右側が認識結果を示す。
【0153】これらから理解されるように、四角柱,四
角錘,三角柱の位置と姿勢が全て正確に認識された。
【0154】次に、頂点のみ,エッジのみ,頂点及びエ
ッジを順に提示した場合における信頼度の変化する様子
を調べたところ、図20,図21,図22の特性が各々
得られた。
【0155】これらの場合における観測回数と位置,姿
勢誤差の関係は図23,図24,図25に各々示され
る。特に図20及び図23と図22及び図25との比較
から理解されるように、頂点とエッジの双方を観測する
ことにより、物体を直ちにかつ正確に認識することが可
能となる。
【0156】・モデル上で観測結果から頂点・エッジの
対応付けが不可能な場合についてこの場合、各頂点やエ
ッジが同様な特徴を有しており、観測された頂点やエッ
ジがモデル上におけるいずれの頂点やエッジであるかを
特定できない。
【0157】シミュレーションでは観測結果を入力する
ノードの選択方式として、観測結果を特徴層内の各ノー
ドへ入力した際に、同特徴層内で信頼度が最大となる特
徴層ノードを選択する方式,観測結果を特徴層内の各ノ
ードへ入力し、その結果が物体層へ伝播したときに、物
体層内で計算された信頼度が最大となる特徴層ノードを
選択する方式が採用された。
【0158】なお、観測された特徴から頂点とエッジの
判別は可能としたが、8個の頂点候補と12個のエッジ
候補の判別は不可能とした。
【0159】図26では前者の方式による認識結果が、
図27では後者の方式による認識結果が説明されてお
り、左側が提示されたものを示し、右側が認識結果を示
す(四角柱を提示)。
【0160】前者の方式においては、モデルと観測結果
が適切に対応付けられないことから、15回の観測が行
なわれても四角柱と四角錘が判別されず、誤った位置,
姿勢で認識されていることが理解される。
【0161】また後者の方式では、提示された四角柱が
15回の観測が行なわれたときに正しい位置,姿勢で認
識される。これは、前者の方式が特徴層内の情報のみを
用いるのに対し、後者の方式が物体層内の大局的な情報
を特徴層内で積極的に使用するためと考えられる。した
がって、後者の方式によれば、人間に極めて近い外部環
境の認識処理が行なわれる高度なシステムを実現するこ
とが可能となる。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
種多様なセンサを用いて外部環境を多角的,多面的に効
率良く詳細に認識できる高性能なロボットシステムを構
築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成説明図である。
【図2】ノード間リンクの説明図である。
【図3】環境モデルの説明図である。
【図4】自律型ロボットの説明図である。
【図5】存在確率分布の説明図である。
【図6】存在確率分布の伝播作用説明図である。
【図7】存在確率分布の融合作用説明図である。
【図8】信頼度更新の作用説明図である。
【図9】実施例の概略作用説明図である。
【図10】認識対象の説明図である。
【図11】認識対象の説明図である。
【図12】ブロック玩具の環境モデル説明図である。
【図13】第2実施例の構成説明図である。
【図14】欠落情報推定の作用の説明図である。
【図15】2層環境モデルの構成説明図である。
【図16】2層環境モデルに提示される物体の説明図で
ある。
【図17】2層環境モデルの認識結果説明図である。
【図18】2層環境モデルの認識結果説明図である。
【図19】2層環境モデルの認識結果説明図である。
【図20】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図21】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図22】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図23】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図24】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図25】2層環境モデルの認識特性説明図である。
【図26】2層環境モデルの認識結果説明図である。
【図27】2層環境モデルの認識結果説明図である。
【符号の説明】
1 環境モデル 10 センサ 12 層 14 ノード 16 観測情報入力部 18 確率分布算出部 20 確率分布融合部 22 確率分布送出部 24 確率分布取得部 26 確率分布融合部 28 相関度算出部 30 確率分布送出部 32 確率分布送出部 34 確率分布取得部 36 相関度算出部 38 確率分布送出部 40 欠落部分推定補完部 42 確率分布忘却部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/18 560 C 8837−5L // G05D 1/02 H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサで検出された外部環境の観
    測情報を入力とし外部環境の認識結果を出力とする環境
    モデルが観測情報の入力側から認識結果の出力側へ外部
    環境の認識レベルにより階層化され、 環境モデルの各層は、 外部環境認識の処理単位となる複数のノードを有し、 各ノードは、 隣接層における該当のノードとリンクにより結合され、 最下位層の各ノードは、 該当のセンサで検出された外部環境の観測情報を入力す
    る観測情報入力部と、 入力された観測情報のパラメータ分布を算出する確率分
    布算出部と、 算出されたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノー
    ドへ送出する第1の確率分布送出部と、 を含み、 他層の各ノードは、 階層下位側のリンク先ノードから送出されたパラメータ
    分布を取得する確率分布取得部と、 階層下位側のリンク先ノードより取得のパラメータ分布
    を前回の結果と融合して融合結果を保持する確率分布融
    合部と、 階層下位のリンク先ノードより取得のパラメータ分布と
    前回融合のパラメータ分布とについて両パラメータ分布
    の相関度を算出する相関度算出部と、 算出された相関度が同一層内において最大で設定値を越
    えたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノードへ送
    出する第2の確率分布送出部と、 を含む、 ことを特徴とした外部環境認識装置。
  2. 【請求項2】 複数のセンサで検出された外部環境の観
    測情報を入力とし外部環境の認識結果を出力とする環境
    モデルが観測情報の入力側から認識結果の出力側へ外部
    環境の認識レベルにより階層化され、 環境モデルの各層は、 外部環境認識の処理単位となる複数のノードを有し、 各ノードは、 隣接層における該当のノードとリンクにより結合され、 最下位層の各ノードは、 該当のセンサで検出された外部環境の観測情報を入力す
    る観測情報入力部と、 入力された観測情報のパラメータ分布を算出する確率分
    布算出部と、 算出されたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノー
    ドへ送出する第1の確率分布送出部、 を含み、 他層の各ノードは、 階層下位側のリンク先ノードから送出されたパラメータ
    分布を取得する第1の確率分布取得部と、 階層下位側のリンク先ノードより取得のパラメータ分布
    を前回の結果と融合して融合結果を保持する確率分布融
    合部と、 階層下位側のリンク先ノードより取得のパラメータ分布
    と前回融合のパラメータ分布とについて両パラメータ分
    布の相関度を算出する第1の相関度算出部と、 算出された相関度が同一層内において最大で設定値を越
    えたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノードへ送
    出する第2の確率分布送出部と、 算出された相関度が同一層内において最大で設定値を越
    えたパラメータ分布を階層下位側のリンク先ノードへ送
    出する第3の確率分布送出部と、 階層上位側のリンク先ノードから送出されたパラメータ
    分布を取得する第2の確率分布取得部と、 融合されたパラメータ分布と階層上位側のリンク先ノー
    ドより取得のパラメータ分布とについて両パラメータ分
    布の相関度を再び算出する第2の相関度算出部と、 再び算出された相関度が同一層内において最小のパラメ
    ータ分布を階層下位側のリンク先ノードへ送出する第4
    の確率分布送出部と、 を含む、 ことを特徴とした外部環境認識装置。
  3. 【請求項3】 複数のセンサで検出された外部環境の観
    測情報を入力とし外部環境の認識結果を出力とする環境
    モデルが観測情報の入力側から認識結果の出力側へ外部
    環境の認識レベルにより階層化され、 環境モデルの各層は、 外部環境認識の処理単位となる複数のノードを有し、 各ノードは、 隣接層における該当のノードとリンクにより結合され、 最下位層の各ノードは、 該当のセンサで検出された外部環境の観測情報を入力す
    る観測情報入力部と、 入力された観測情報のパラメータ分布を算出する確率分
    布算出部と、 算出されたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノー
    ドへ送出する第1の確率分布送出部と、 を含み、 他層の各ノードは、 階層下位側のリンク先ノードから送出されたパラメータ
    分布を取得する確率分布取得部と、 階層下位側のリンク先ノードより取得のパラメータ分布
    における欠落部分を該パラメータ分布と以前に取得のパ
    ラメータ分布とから推定して階層下位側のリンク先ノー
    ドより取得のパラメータ分布につき欠落部分の補完を行
    なう欠落部分推定補完部と、 欠落部分が補完されたパラメータ分布を前回の結果と融
    合して融合結果を保持する確率分布融合部と、 欠落部分が補完されたパラメータ分布と前回融合のパラ
    メータ分布とについて両パラメータ分布の相関度を算出
    して欠落部分が補完されたパラメータ分布を蓄積記憶す
    る相関度算出部と、 蓄積記憶されているパラメータ分布を階層下位側のリン
    ク先ノードより取得の逆順で相関度算出部に忘却させる
    確率分布忘却部と、 算出された相関度が同一層内において最大で設定値を越
    えたパラメータ分布を階層上位側のリンク先ノードへ送
    出する第2の確率分布送出部と、 算出された相関度が同一層内において最大で設定値を越
    えたパラメータ分布を階層下位側のリンク先ノードへ送
    出する第3の確率分布送出部と、 階層上位側のリンク先ノードから送出されたパラメータ
    分布を取得する第2の確率分布取得部と、 融合されたパラメータ分布と階層上位側のリンク先ノー
    ドより取得のパラメータ分布とについて両パラメータ分
    布の相関度を再び算出する第2の相関度算出部と、 再び算出された相関度が同一層内において最小のパラメ
    ータ分布を階層下位側のリンク先ノードへ送出する第4
    の確率分布送出部と、 を含む、 ことを特徴とした外部環境認識装置。
JP6326264A 1994-06-17 1994-12-27 外部環境認識装置 Withdrawn JPH0863581A (ja)

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