JPH086049B2 - 水性顔料分散液 - Google Patents

水性顔料分散液

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JPH086049B2
JPH086049B2 JP62158952A JP15895287A JPH086049B2 JP H086049 B2 JPH086049 B2 JP H086049B2 JP 62158952 A JP62158952 A JP 62158952A JP 15895287 A JP15895287 A JP 15895287A JP H086049 B2 JPH086049 B2 JP H086049B2
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acid
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meth
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哲夫 相原
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な分散剤を用いた製造が容易で、かつ貯
蔵安定性にすぐれた水性顔料分散液に関する。
従来、顔料を含むエマルション塗料及び水溶性樹脂塗
料等の水性塗料において、製造時の顔料の難分散性や貯
蔵中の顔料の凝集・沈降に基づく塗面の着色効果の低
下、フラッディング(浮き)、フローディング(浮きま
だら)、光沢の低下など好ましからざる現象が起こるこ
とはよく知られている。このため、一般には顔料を予め
分散剤で分散した水性顔料分散液を調製しておき、この
ものを被着色水性塗料に混合・分散して水性塗料の着色
が行なわれている。
従来の該水性顔料分散液には界面活性剤の如き低分子
量化合物が分散剤として使用されているが、該分散剤に
よる弊害、すなわち塗膜性能または塗膜状態が低下する
二次的な悪影響が避けられず、最近では分散剤としてオ
リゴマーまたは中程度の分子量を有する重合体を用いて
塗膜性能等の低下を抑えているのが実情である。
しかしながら、分散剤としてオリゴマーや重合体を用
いる場合、その使用量がが低分子界面活性剤に比較して
多量となり、また、得られる水性顔料分散液の使用が水
性塗料に用いられる結合剤の種類によって制限を受ける
等の欠点がある。このことは塗料の製造面での合理化に
逆行し、このため各種の水性塗料に共通な水性顔料分散
液の開発が強く要望されている。
従来、少量で顔料の易分散ができ、各種の水性樹脂と
相溶性を有し、しかもそれ自体高分子で水性塗料の塗膜
性能の低下をきたすことのない分散剤成分としては、本
特許出願人自身疎水性長鎖基を有する不飽和単量体と含
窒素不飽和単量体及びエチレン性不飽和カルボン酸を共
重合反応を行なうことによって得られる共重合体(特開
昭59−227940号公報、特開昭60−81252号公報、特開昭6
0−81253号公報、特開昭61−103537号公報、特開昭61−
235466号公報等)を提案した。
これら共重合体組成物は疎水部と親水部のバランスが
よくとれた櫛型構造をとっており、顔料に対して吸着能
の優れた窒素成分とカルボキシル基を含んでおり、水溶
液中で非常に界面活性能が高く、従来の水溶性樹脂と比
較して少ない配合量で優れた顔料分散性を示すものであ
った。
しかしながら、上記の共重合体組成物を分散剤として
用いて得られる水性顔料分散液は、製造時の顔料分散性
に優れるものの、該分散液の長期間の貯蔵において、顔
料同士が凝集して部分的又は全体的に固いケーキング状
態となり、このものを撹拌機を用いて再分散を行なって
も貯蔵前の状態にもどすことが不可能となって、このも
のが塗膜にブツ、光沢低下等の欠陥をもたらすという問
題点をもっていた。
そこで、本発明者は、上記問題点を解決すべき鋭意努
力した結果、単量体成分として脂肪酸基を有する単量
体、含窒素不飽和単量体の重合によって得られるマクロ
モノマー及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を必
須単量体成分とする共重合体を顔料分散安定剤として用
いることにより、上記問題点が解決されることを見出し
本発明を完成した。
即ち、本発明は、顔料、分散剤及び水性媒体からなる
水性顔料分散液において、該分散剤が、 (A)分子末端にC8以上の脂肪酸残基を有する変性ビニ
ル系不飽和単量体(以下、このものを「変性ビニル系単
量体」という) 3〜90重量部 (B)アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ア
リルオキシ、芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種
のビニル重合性官能基を片末端に有する含窒素マクロモ
ノマー(以下、このものを「含窒素マクロモノマー」と
いう) 2〜90重量部 (C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸1〜30重量
部 (D)上記(A)〜(C)以外のα,β−エチレン性不
飽和単量体 0〜91重量部 を共重合することにより得られる共重合体の水性化物で
あることを特徴とする水性顔料分散液が提供される。
本発明によれば、上記の共重合体は疎水性の強い長鎖
成分がマクロモノマーに由来する親水性の強い特定の窒
素含有単量体を含む主鎖と分離した形態で結合した構造
を有しており、このものを用いて水中に顔料分散する
と、該共重合体の有する官能基が顔料粒子に吸着又は化
学結合するとともに、一方で該共重合体の主鎖と分離し
た該長鎖成分が他の共重合体の該長鎖成分とからみ合っ
て顔料粒子のまわりをかこみ疎水性の強いバリヤー層を
形成するとともに親水性成分が水中に分散した形態とな
って水性媒体中に顔料の安定な水性顔料分散液を得るこ
とができるものである。該水性顔料分散液は、上記の如
く顔料と水との間に疎水性で、しかもそれ自体、耐加水
分解性に優れた成分を有するバリヤー層でかこまれるた
め水、アルカリ等の物質による侵入を阻止し、かつ該バ
リヤー層は立体障害の大きな成分よりなるので顔料同士
の接近を防げるので、その結果として沈降、凝集のない
貯蔵性に優れた性質を示す。また、該共重合体は長鎖成
分に由来する疎水性とマクロモノマー成分に由来する親
水性とのバランスに優れた界面活性能を有するものであ
るから顔料分散性、貯蔵性に優れた性質を示す。さら
に、該マクロモノマー成分は含窒素不飽和単量体を共重
合もしくは同一重合して得られる窒素含有量の多いもの
であるから顔料に対して強く吸着又は結合するので、顔
料分散性、貯蔵安定性に優れた分散液を得ることができ
るものである。該共重合体中の含窒素成分は、本発明に
用いるマクロモノマー成分を使用することによって容易
にかつ確実に導入することができる。さらに、該分散液
は酸価が低いことすなわちカルボキシル基の量が少ない
ことにより、耐水性等の性能において優れた着色塗膜を
得ることができる。
以下、本発明の水性顔料分散液に用いられる分散剤に
ついて詳細に説明する。
変性ビニル系単量体(A): 本発明の分散剤に使用する変性ビニル系単量体は、分
子末端にC8以上の脂肪酸残基及びエチレン性不飽和結合
を含有する単量体が包含され、例えば、エチレン性不飽
和結合を含有する単量体をC8以上の油脂、脂肪酸、脂肪
酸アルコール、脂肪酸グリシジルエステル又は脂肪酸ア
ミン等の変性剤で変性した単量体が挙げられる。
該エチレン性不飽和結合を含有する単量体としては、
分子中に水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、イソ
シアネート基、アジリジン基等の官能基を有する単量体
であり、具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、カ
ルボキシエチル(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン
酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、ビニルフェニルグリシジルエーテル等のグリシ
ジル基含有不飽和単量体;ジイソシアネート化合物とヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート(1:1)との付
加物、α,α−ジメチル−m−イソプロペニルベンジル
イソシアネート、イソシアネートエチル(メタ)アクリ
レート等のイソシアネート基含有不飽和単量体;アジリ
ジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジン基含
有不飽和単量体等が挙げられる。
また、変性剤としては、C8以上の油脂、脂肪酸、脂肪
族アルコール、脂肪酸グリシジルエステル、脂肪酸アミ
ン等のものであり、具体的には、ラウリン酸、2−エチ
ルヘキサン酸、ステアリン酸等の合成飽和脂肪酸;ヤシ
油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、アマニ油、
ダイズ油、ゴマ油、トール油、綿実油、脱水ヒヤシ油及
びこれらの脂肪酸;2−エチルヘキシルアルコール、ラウ
リルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アル
コール;カージュラE(シェル化学社製、バーサティッ
ク酸のグリシジルエステル)等の脂肪酸のグリシジルエ
ステル;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリル
アミン等の脂肪酸アミン等が挙げられる。
しかして、かかる変性ビニル系単量体(A)として
は、下記のものが挙げられる。
(i) (メタ)アクリル酸のアルキルエステル; 例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート等。
(ii) グリシジル基含有不飽和単量体と脂肪酸との付
加物(特開昭59−227940号公報); 例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとサフラワー
油脂肪酸との付加物等。
(iii) イソシアネート基含有不飽和単量体(特開昭6
1−235466号公報); 例えば、トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(モル比1/1)付加物とオレイルアル
コールとの反応物等。
(iv) 水酸基含有不飽和単量体と脂肪酸とのエステル
化物(特開昭59−227940号公報); 例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとアマニ
油脂肪酸とのエステル化物等。
(v) アジリジン基含有不飽和単量体と脂肪酸との付
加物(特開昭61−103537号公報); 例えばアジリジニルエチルメタクリレートとアマニ油脂
肪酸との付加物等。
含窒素マクロモノマー(B): 本発明の分散剤に使用するマクロモノマーは、含窒素
不飽和単量体を重合して得られる重合体を、分子主鎖と
し、該主鎖の片末端にアクリロイルオキシ、メタクリロ
イルオキシ、アリルオキシ、スチリル等のラジカル重合
性の不飽和基を有するものである。
また、上記の分子鎖を構成する含窒素不飽和単量体成
分としては、例えば含窒素複素環を有する不飽和単量体
又は(メタ)アクリル酸の含窒素誘導体の1種もしくは
2種以上の単量体を単一重合もしくは共重合して得られ
るものである。
[1]含窒素複素環を有する不飽和単量体としては1〜
3個、好ましくは1又は2個の環窒素原子を含む単環又
は多環の複素環がビニル基に結合した単量体が包含さ
れ、特に下記に示す単量体を挙げることができる。
(I)ビニルピロリドン類; 例えば、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ビニル−3
−ピロリドンなど。
(II)ビニルピリジン類; 例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5
−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニ
ルピリジンなど。
(III)ビニルイミダゾール類; 例えば、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メ
チルイミダゾールなど。
(IV)ビニルカルバゾール類; 例えば、N−ビニルカルバゾールなど。
(V)ビニルキノリン類; 例えば、2−ビニルキノリンなど。
(VI)ビニルピペリジン類; 例えば、3−ビニルピペリジン、N−メチル−3−ビニ
ルピペリジンなど。
(VII)その他; 例えば、式 (ここで、R1は前記の意味を有する)で示されるN−
(メタ)アクリロイルモルホリンや、式 (ここで、R1は前記の意味を有する)で示されるN−
(メタ)アクリロイルピロリジンなど。
上記した含窒素複素環を有するビニル単量体の中でも
好適なものは、ビニルピロリドン類、ビニルイミダゾー
ル類及びビニルカルバゾール類であり、中でも環窒素原
子が3級化されているものが好適である。
[2](メタ)アクリル酸の含窒素誘導体には、(メ
タ)アクリル酸エステルのエステル部分に置換もしくは
未置換のアミノ基を含むもの、(メタ)アクリル酸のア
ミド及び該アミド部分に置換のアミノ基を含むものが包
含され、特に下記式(I)〜(III) 上記各式中、R1は前記の意味を表わし、R2及びR3はそれ
ぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を表わし、R4
水素原子又は低級アルキルを表わし、R5は水素原子、低
級アルキル基、ジ(低級アルキル)アミノ低級アルキル
基、ヒドロキシ低級アルキル基又は低級アルコキシ低級
アルキル基を表わし、nは2〜8の整数を表わす、 で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート及び
(メタ)アクリルアミドが適している。ここで「低級」
なる語はこの語が付された基の炭素原子数が6個以下、
好ましくは4個以下であることを意味する。
しかして、かかる含窒素(メタ)アクリル系単量体の
具体例として、上記式(I)のアミノアルキル(メタ)
アクリレートの例には、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル
(メタ)アクリレート、N−プロピルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートなどが包含され、また上記式(II)のアミノ
アルキル(メタ)アクリルアミドの例にはN,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが包含さ
れ、また上記(III)の(メタ)アクリルアミドの例に
は、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アク
リルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドなどが包含される。これらの含窒素(メ
タ)アクリル系単量体としては、存在する窒素原子が三
級化されているものが最適であり、次いで2級化されて
いるものも好適に使用される。中でも、耐加水分解性に
優れたN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドが好適である。
以上に述べたα,β−エチレン性不飽和含窒素単量体
はそれぞれ単独で又は2種もしくはそれ以上組合わせて
使用することができる。
本発明で使用するマクロモノマーの調製は、従来公知
の方法に従い、例えば、上記の単量体を、例えば、チオ
グリコール酸等のカルボキシル基を有する連鎖移動剤及
び、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベン
ゾイル等の重合開始剤の存在下で重合反応させて得られ
る片末端にカルボキシル基を有するプレポリマー、ある
いは上記の単量体を、例えば、アゾビスシアノ吉草酸等
のカルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤及び第3級
アミンの存在下で重合反応させて得られる片末端にカル
ボキシル基を有するプレポリマーを該プレポリマーのカ
ルボキシル基と反応しうる官能基を有するビニル系単量
体と反応せしめることによって行なうことができる。上
記のビニル系単量体としては、代表的には、例えば、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリ
ロイルオキシ又はメタクリロイルオキシ基を含有する単
量体;アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル等
のアリルオキシ基を含有する単量体及びp−イソプロペ
ニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニル
グリシジルエーテル等の芳香族ビニル基を含有する単量
体等が挙げられる。
本発明で使用するマクロモノマーの分子量は、数平均
分子量500〜15,000の範囲、好ましくは700〜10,000の範
囲を有することができ、分子量が500未満の場合は、水
性顔料分散液の貯蔵安定性に劣り、一方、分子量が15,0
00より大きい場合は、主鎖と側鎖の分子量のバランスが
くずれ、顔料分散性、水性顔料分散液の貯蔵安定性に劣
る。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(C): 本発明の分散剤に使用するα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸としては、カルボキシル基が結合する炭素原
子とそれに隣接する炭素原子との間に付加重合性の二重
結合を有する型の不飽和脂肪酸モノー又はポリカルボン
酸で、炭素原子を3〜8個、特に3〜5個含有し且つカ
ルボキシル基を1又は2個有するものが適しており、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げ
られる。
他のα,β−エチレン性不飽和単量体(D): さらに、上記(A)、(B)、(C)以外のα,β−
エチレン性不飽和単量体(D)としては、特に制約がな
く、本発明の分散剤に望まれる性能に応じて広範に選択
することができる。かかる不飽和単量体の代表例を示せ
ば次のとおりである。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル:例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イ
ソプロピル、メクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル
等のアクリル酸又はメタクリル酸のC1アルキルエス
テル;アリルアクリレート、アリルメタクリレート等の
アクリル酸又はメタクリル酸のC2アルケニルエステ
ル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のC2ヒドロキシアルキルエステル;アリ
ルオキシエチルアクリレート、アリルオキシメタクリレ
ート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC3アルケニ
ルオキシアルキルエステル。
(2)ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン。
(3)ポリオレフィン系化合物:例えば、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン。
(4)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニル、ビニル
プロピオネートなど。
また、前記した(1)〜(4)単量体以外にも前記し
た含窒素不飽和単量体を使用することができる。
上記した単量体の中でも、重合率、共重合性等の観点
からアクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族
化合物等を使用することが好ましい。
これは不飽和単量体は所望の物性に応じて適宜選択さ
れ、それぞれ単独で用いてもよく、或いは2種又はそれ
以上組合わせて使用することができる。
本発明に従えば、上記の変性ビニル系単量体(A)、
含窒素マクロモノマー(B)、α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸(C)及び不飽和単量体(D)は相互に共
重合せしめられる。該共重合は、アクリル系共重合体を
製造するためのそれ自体公知の方法に従い、例えば溶液
重合法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いて行なうこと
ができる。
共重合を行なう場合の上記5成分の配合割合は、分散
剤として望まれる性能に応じて変えることができるが、
下記の割合で配合するのが適当である。
変性ビニル単量体(A):3〜90重量部、好ましくは顔料
分散性、貯蔵安定性上から10〜80重量部、 含窒素マクロモノマー(B):2〜90重量部、好ましく
は、顔料分散性、貯蔵安定性上から3〜70重量部、 α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(C):1〜30重量
部、好ましくは水溶解性、塗膜性能上から2〜20重量
部、 上記(A)〜(C)以外の不飽和単量体(D):0〜91
重量部、好ましくは塗膜性能の面から5〜85重量部。
上記共重合反応は、有利には、溶液重合法に従って行
なうことが好ましく、上記の4成分を適当な不活性溶媒
中で、重合触媒の存在下に、通常約0〜約180℃、好ま
しくは約40〜約170℃の反応温度において、約1〜約20
時間、好ましくは約6〜約10時間反応をつづけることに
より行なうことができる。
使用する溶媒としては、該共重合反応中にゲル化が生
じないように、生成する共重合体を溶解し且つ水と混和
しうる溶媒を使用することが望ましい。特に水性顔料分
散液を得るに際し除去することなくそのまま使用できる
ものが良い。かかる溶媒としては例えば、式HO−CH2CH2
−OR6[ただし、R6は水素原子または炭素原子数1〜8
個のアルキル基を表わす]のセロソルブ系溶媒たとえば
エチレングリコール、ブチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブなど;式 [ただし、R6は上記と同じ意味を有する]のプロピレン
グリコール系溶媒たとえばプロピレングリコールモノメ
チルエーテルなど;式HO−CH2CH2−OCH2CH2−OR6[ただ
し、R6は上記の同じ意味を有する]のカルビトール系溶
媒、たとえばジエチレングリコール、メチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールなど:式R7O−CH2CH2−OR8[た
だし、R7及びR8はそれぞれ炭素原子数1〜3個のアルキ
ル基を表わす]のグライム系溶媒たとえばエチレングリ
コールジメチルエーテルなど;式R7O−CH2CH2OCH2−CH2
OR8[ただし、R7及びR8は上記と同じ意味を有する]の
ジグライム系溶媒たとえばジエチレングリコールジメチ
ルエーテルなど;式R9O−CH2CH2OCO−CH3[ただし、R9
は水素原子またはCH3もしくはC2H5を表わす]のセロソ
ルブアセテート系溶媒たとえばエチレングリコールモノ
アセテート、メチルセロソルブアセテートなど;式R10O
H[ただし、R10は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表
わす]のアルコール系溶媒たとえばエタノール、プロパ
ノールなど;並びに、ダイアセトンアルコール、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルム
アミド、3−メトキシ−3−メチル−ブタノール等が使
用できる。
しかしながら、水に混和しない不活性溶媒もまた使用
可能であり、かかる水−非混和性溶媒としては重合反応
終了後に常圧又は減圧下での蒸留により簡単に除去でき
るよう沸点が250℃以下のものが好ましい。かかる溶媒
としては、例えば、式 [ただし、R11は水素原子又は炭素原子数1〜4個のア
ルキル基を表わす]又は式 [ただし、R12及びR13はそれぞれ炭素原子数1〜4個の
アルキル基を表わす]で表わされる芳香族炭化水素類、
たとえばトルエン、キシレンなど;式R14−COO−R
15[ただし、R14は炭素原子数1〜6個のアルキル基を
表わし、R15は水素原子または炭素原子数1〜6個のア
ルキル基もしくはシクロヘキシル基を表わす]で表わさ
れる酸またはエステル類たとえば酢酸、ギ酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸シクロヘキシルなど;式R16R17C=O
[ただし、R16及びR17はそれぞれ炭素原子数1〜8個の
アルキル基を表わす]および で表わされるケトン類、たとえばメチルエチルケトン、
シクロヘキサノンなど:式R16−O−R17[ただし、R16
及びR17は上記と同じ意味を有する]で表わされるエー
テル類、たとえばエチルエーテル、ヘキシルエーテルな
ど;式R18OH[ただし、R18は炭素原子数5〜11個のアル
キル基を表わす]で表わされるアルコール類、たとえば
ヘキサノールなどが挙げられる。
これら溶媒は、前記共重合4成分の合計重量の15〜90
重量%の範囲で使用することができる。
また、重合触媒としては、例えば、アゾ系化合物、パ
ーキオサイド系化合物、スルフィド類、スルフィン類、
スルフィン酸類、ジアゾ化合物、ニトロソ化合物、レド
ックス系および電離性放射線等の通常のラジカル重合に
使用できるラジカル開始剤が使用される。
本発明においては生成する共重合体の分子量が変化し
ても実質的に満足できる水性顔料分散体が得られるが、
分子量があまり低すぎると被着色水性塗料の塗膜物性の
低下をきたすおそれがある。また、分子量が高すぎると
粘度が高くなり、粘度を下げると共重合体の濃度が低く
なり顔料の分散性が低下するので前記の共重合反応は、
一般に、生成する共重合体の数平均分子量が約2,000〜
約150,000、好ましくは約2,500〜約100,000の範囲内に
なるまで行なうのが有利である。
かくの如くして生成せしめられる共重合体樹脂はその
まま又は溶媒を留去した後、水溶性化される。この水溶
性化は、常法により、例えば該共重合体樹脂中に存在す
るカルボキシル基を従来公知の中和剤で中和処理するこ
とにより行なうことができる。用いうる中和剤としては
例えば、アンモニア、アミン、アルカリ金属の水酸化
物、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩等が挙げられ
る。該アミンとしては第1級、第2級又は第3級のアル
キルアミン;第1級、第2級又は第3級のアルカノール
アミン;およびシクロアルキルアミン等が使用できる。
また、アルカリ金属の水酸化物としては水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなど;アルカリ金属の炭酸塩及び
重炭酸塩としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウムなどが使用できる。
該中和処理は、前記の如くして得られた共重合体樹脂
又はその溶液に、上記中和剤又はその水溶液を加えて常
法により容易に行なうことができる。中和剤の使用量
は、一般に、樹脂中のカルボキシル基に対し0.1〜2.0当
量、好ましくは0.3〜1.0当量である。
このようにして得られる水溶性化重合体は、顔料、分
散剤及び水性媒体からなる水性顔料分散液における分散
剤として使用される。
上記水溶性化重合体からなる分散剤の使用量は、顔料
100重量部当り一般に約1〜500重量部、好ましくは約1
〜300重量部とすることができる。この範囲の上限を越
えるときは水性顔料分散液の着色力と粘度のバランスが
不均衡となる傾向がみられ、一方、下限を外れると顔料
の分散安定性が低下しやすい。
本発明の水性顔料分散液において使用する水性媒体
は、実質的には水であるが、必要に応じて、例えば分散
剤の親水性の程度が低く充分な顔料分散性能が得られな
いような場合には、親水性有機溶媒を併用することがで
きる。該親水性有機溶媒としては前記重合体の製造で使
用したものを単独もしくは混合して用いることかでき
る。
また、本発明の水性顔料分散液に使用される顔料は、
この種の顔料分散液において通常使用されている無機及
び有機顔料であることができ、例えば無機顔料として
は、(1)酸化物系(亜鉛華、二酸化チタン、ベンガ
ラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒等);(2)水
酸化物系(アルミナホワイト、黄色酸化鉄等);(3)
硫化物、セレン化物系(硫化亜鉛、朱、カドミウムエロ
ー、カドミウムレッド等);(4)フェロシアン化物系
(紺青等);(5)クロム酸塩系(黄鉛、ジンククロメ
ート、モリブデンレッド等);(6)硫酸塩系(沈降性
硫酸バリウム等);(7)炭酸塩系(沈降性炭酸カルシ
ウム等);(8)硅酸塩系(含水硅酸塩、クレー、群青
等);(9)燐酸塩系(マンガンバイオレット等);
(10)炭素系(カーボンブラック等);(11)金属粉系
(アルミニュウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末等)等が挙げ
られ、また有機顔料としては、(1)ニトロソ顔料系
(ナフトールグリーンB等);(2)ニトロ顔料系(ナ
フトールエローS等);(3)アゾ顔料系(リソールレ
ッド、レーキレッドC、ファストエロー、ナフトールレ
ッド、レッド等);(4)染付レーキ顔料系(アルカリ
ブルーレーキ、ローダミンレーキ等);(5)フタロシ
アニン顔料系(フタロシアニンブルー、ファストスカイ
ブルー等);(6)縮合多環顔料系(ペリレンレッド、
キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、イソ
インドリノンエロー等)などが包含される。
本発明の水性顔料分散液中における前記顔料の含有量
は特に技術的な制限がないが、一般には該分散液の重量
を基準にして約2〜90重量%である。
本発明の水性顔料分散液の調製は適当な分散装置中で
上記の各成分を一緒に混合することによって行なうこと
ができ、用いることのできる分散装置としては、通常塗
料工業において使用されているボールミル、ロールミ
ル、ホモミキサー、サンドグラインダー、シェーカー、
アトライターなどが挙げられている。
本発明の水性顔料分散液には、更に必要に応じて、従
来公知の界面活性剤や保護コロイドを加えることも可能
である。
しかして、本発明の水性顔料分散液は、水性塗料およ
び水性インキに用いられるアルキド樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、マレイン化ポリ
ブタジエン樹脂等の従来から公知の水溶性樹脂、水分散
性樹脂、エマルション等との混和性がよく、これらの樹
脂による制限が全くなく、いずれの樹脂からなる水性塗
料の着色にも広く使用することができる。
上記した水性樹脂の具体例としては、例えばアルキド
樹脂は従来の溶剤型のアルキド樹脂と同じ原料から合成
され、多塩基酸、多価アルコール、油成分を常法により
縮合反応させて得られるものである。アクリル樹脂は、
α,β−エチレン性不飽和酸(例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸など)、(メタ)アクリル酸エ
ステル(例えばアクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ルなど)およびビニル芳香族化合物(例えばスチレン、
ビニルトルエンなど)を共重合して得られるものであ
る。エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂のエポキシ基
と不飽和脂肪酸の反応によってエポキシエステルを合成
し、この不飽和基にα,β−不飽和酸を付加する方法や
エポキシエステルの水酸基と、フタル酸やトリメリット
酸のような多塩基酸とをエステル化する方法などによっ
て得られるエポキシエステル樹脂が挙げられる。
また、ウレタン系樹脂としては、ポリイソシアネート
化合物(例えばトルエンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等)を用い樹脂骨格
中にウレタン基を導入してなる樹脂で、且つジメチロー
ルプロピオン酸などを用いてカルボキシル基を導入した
ものである。
上記した水性樹脂を水溶性にして用いる場合には、樹
脂の酸価が約35〜200になるように合成され、このもの
をアルカリ性物質、例えば、水酸化ナトリウム、アミン
などで中和して水溶性塗料に供される。他方、これらの
樹脂を自己分散型にして用いる場合には樹脂の酸価を約
5〜35の低酸価型樹脂とし、このものを中和して水分散
型塗料に供される。
また、エマルションとしては、アニオン型もしくはノ
ニオン型低分子界面活性剤を用いてアルキド樹脂、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を分散させて得
られる乳化剤分散エマルション;上記界面活性剤を用い
て(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ス
チレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量
体を乳化重合して得られる乳化重合エマルション;マレ
イン化ポリブタジエン、マレイン化アルキド樹脂、マレ
イン化脂肪酸変性ビニル樹脂、乾性油あるいは半乾性油
脂肪酸変性アクリル樹脂などの水溶性樹脂を乳化安定剤
として前記した単量体を乳化重合及びグラフト反応させ
て得られるソープフリーエマルションが挙げられる。
本発明の水性顔料分散液は、特に顔料分散能の劣る低
酸価水分散性樹脂およびエマルションからなる水性塗料
に対し配合するのに有効である。中でも酸化硬化性を有
する低酸価水分散性樹脂およびエマルションに対し、特
に効果が顕著である。
本発明の水性顔料分散液の水性塗料に対する配合割合
は、該分散液中の顔料の種類や最終塗料に要求される着
色の程度等に依存し広い範囲で変えることができるが、
一般には、前述の水性塗料の樹脂分100重量部当り、顔
料分散液は2〜1,000重量部の範囲で配合することがで
きる。
次に、実施例により本発明をさらに説明する。実施例
中、部及び%は重量部及び重量%を示す。
参考例(A−1) サフラワー油脂肪酸 236 部 グリシジルメタクリレート 119 部 ハイドロキノン 0.4部 テトラエチルアンモニウムブロマイド 0.2部 を反応容器に入れた。反応はかきまぜながら140〜150℃
の温度で行って脂肪酸変性アクリル単量体(A−1)の
付加反応生成物を得た。エポキシ基とカルボキシル基の
付加反応は、残存カルボキシル基の量を測定しながら追
跡した。反応が完了するまで約4時間かかった。
参考例(A−2) アマニ油脂肪酸 364 部 アジリジニルエチルメタアクリレート 208 部 ハイドロキノン 0.6部 反応容器に上記の成分を入れた後、該反応溶液をかき
まぜながら、反応温度を140〜150℃に保ち付加反応を行
なった。エポキシ基とカルボキシル基の付加反応は、残
存カルボキシル基の量を測定しながら追跡した。反応時
間約4時間で脂肪酸変性アクリル系単量体(A−2)が
得られた。
参考例(A−3) 反応容器に、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
278部、トルエンジイソシアネート208部とハイドロキシ
ノン0.1部を入れ60℃で3時間反応させてイソシアネー
ト基を有する不飽和単量体を得た。次に上記で得られた
イソシアネート基を有する不飽和単量体486部にオレイ
ルアルコール430部を加え80℃、3時間反応させ、ウレ
タン結合を有する不飽和単量体(A−3)を得た。
参考例(B−1) 反応容器に、エタノール250部を仕込み、70℃まで昇
温した。次に、4,4′−アゾビスイソブチロニトリル12.
5部を、N−ビニル−2−ピロリドン250部に溶解したモ
ノマー液と、エタノール80部にメルカプト酢酸17.5部を
溶解した液をそれぞれ別々に2時間かかって滴下し重合
を行った。重合終了後20℃に冷却し、ジエチルエーテル
10000部に投入し凝集させたのち沈降を行ない、得られ
た粉末を80℃−10時間、10mmHgで減圧乾燥した。粉末の
酸価26.1であった。
次に、別の反応容器にエチルセロソルブ213部、上記
の粉末200部を加え70℃まで昇温し、粉末を完全に溶解
した。いったん20℃まで冷却し、グリシジルメタアクリ
レート13.2部、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.
2部、ハイドロキノン0.3部を仕込み120℃で、5時間反
応させ、酸価0.5のN−ビニル−2−ピロリドンの49%
マクロモノマー溶液(B−1)が得られた。
参考例(B−2) 反応容器に、エタノール200部を仕込み、70℃に昇温
した。N−ビニル−2−ピロリドン100部、エタノール1
00部、4,4′−アゾビス(4−シアノ)吉草酸20部を混
合溶解した液を2時間かけて滴下した。滴下終了後20℃
に冷却し、ジエチルエーテル10000部に投入し再沈を行
い、得られた粉末を80℃−10時間、10mmHgで減圧乾燥し
た。粉末の酸価は34.2であった。
次に、別の反応容器にエチルセロソルブ104部、上記
粉末95部を仕込み70℃に昇温し、完全に溶解させ、20℃
に冷却し、グリシジルメタクリレート8.3部、テトラエ
チルアンモニウムブロマイド0.2部、ハイドロキノン0.2
部を仕込み115℃で5時間反応させ、酸価=1.0のN−ビ
ニル−2−ピロリドンの50%マクロモノマー溶液(B−
2)が得られた。
参考例(B−3) 参考例1のN−ビニル−2−ピロリドンの代わりに、
N,N−ジメチルアミノアクリルアミドを用い、酸価1.5の
N,N′−ジメチルアミノアクリルアミドの51%マクロモ
ノマー(B−3)を得た。
実施例1 n−ブチルセロソルブ292部を反応容器に入れ、加熱
して120℃にした。次に以下に示す割合の混合物を、こ
の溶液に約2時間かけて滴下した。反応は窒素注入下で
行った。
脂肪酸変性アクリル単量体(A−1) 94部 マクロモノマー(B−1) 41部 アクリル酸 15部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 79部 アゾビスジメチルバレロニトリル 14部 反応温度を120℃に保ち、反応溶液をかきまぜなが
ら、上記の混合物を滴下した。滴下終了1時間後にアゾ
ビスイソブチロニトリル2.0部を反応溶液に加え、さら
に2時間後、アゾビスイソブチロニトリル2.5部を反応
溶液に加え、その後2時間120℃に保ったまま反応を行
なった。反応終了後未反応の単量体とn−ブチルセロソ
ルブを減圧蒸留し、加熱残分70.3%、樹脂酸価48.9、ガ
ードナー粘度(40%n−ブチルセロソルブ溶液)Hの共
重合体溶液が得られた。さらに、この共重合体をトリエ
チルアミンで中和し(1.0当量中和)、水を加えて加熱
残分40%の水溶液からなる分散剤(I)を得た。
次に、この分散剤8.3部及びチタン白顔料(堺化学社
製チタン白R−5N)200部の混合物をRed Devil分散機を
用いて0.5時間分散せしめて、本発明の水性顔料分散液
(a)を得た。
同様にして後記表−1に示す配合で顔料の分散を行な
い本発明の水性顔料分散液(b)〜(d)を得た。なお
チタン白以外の顔料は1時間分散を行なった。
得られた水性顔料分散液の性状をまとめて後記表−1
に示す。
次に、水性顔料分散液(a)10部及び水分散型アルキ
ド樹脂(アマニ油脂肪酸/ペンタエリスリトール/安息
香酸/イソフタル酸/無水マレイン酸=903/705/1140/6
10/45(部)を原料とする油長30及び酸価16のアルキド
樹脂をトリエチルアミンで1.0当量中和して得られる固
形分40%溶液)23.4部からなる配合物を十分混合して水
性塗料(1)を調製した。
同様にして後記表−2に示す顔料分散液及び水性樹脂
からなる配合物を十分混合して水性塗料(2)〜(6)
を得た。得られた水性塗料の塗膜性能をまとめて後記表
−2に示す。
実施例2 n−ブチルセロソルブ280部を反応容器に入れ、加熱
して120℃にした。次に以下に示す割合の混合物を、こ
の溶液に約2時間かけて滴下した。反応は窒素注入下で
行なった。
脂肪酸変性アクリル系単量体(A−2) 75部 マクロモノマー(B−2) 250部 N−ビニルピロリドン 39部 アクリル酸 11部 アゾビスジメチルバレロニトリル 18部 反応温度を120℃に保ち、反応溶液をかきまぜなが
ら、上記の混合物を滴下した。滴下終了1時間後にアゾ
ビスイソブチロニトリル2.5部を反応溶液に加え、さら
に2時間後、アゾビスイソブチロニトリル2.5部を反応
溶液に加え、その後2時間120℃に保ったまま反応を行
なった。反応終了後未反応の単量体とn−ブチルセロソ
ルブを減圧蒸留し、加熱残分を70.3%、樹脂酸価36.4、
ガードナー粘度(40%n−ブチルセロソルブ溶液)Pの
共重合体溶液が得られた。さらに、この共重合体をトリ
エチルアミンで中和し(1.0当量中和)、水を加えて加
熱残分40%の水溶液からなる分散剤(II)を得た。
次に、得られた分散剤(II)を用いて後記表−1に示
す顔料を実施例1と同様の方法によって分散せしめて本
発明の水性顔料分散液(e)を得た。
また、この顔料分散液(e)と後記表−2に示す水性
樹脂を充分混合して水性塗料(7)を調製した。
上記顔料分散液(e)の性状及び水性塗料(7)の塗
膜性能をそれぞれ後記表−1及び表−2に示す。
実施例3 不飽和単量体(A−3) 150部 マクロモノマー(B−3) 170部 アクリル酸 15部 のモノマー混合物を実施例1に記載の方法に従って重合
反応させた。加熱残分70.5%、樹脂酸価45.7、ガードナ
ー粘度(40%n−ブチルセロソルブ溶液)Sの共重合体
溶液が得られた。このものをトリエチルアミン(1.0当
量中和)で中和し、加熱残分40%の水溶液からなる分散
剤(III)を得た。
次に、得られた分散剤(III)を用いて後記表−1に
示す顔料を実施例1と同様の方法によって分散せしめて
本発明の水性顔料分散液(f)を得た。
また、この顔料分散液(f)と後記表−2に示す水性
樹脂を十分混合して水性塗料(8)を調製した。
上記顔料分散液(f)の性状及び水性塗料(8)の塗
膜性能をそれぞれ後記表−1及び表−2に示す。
実施例4 実施例3において不飽和単量体(A−3)の代わりに
ステアリルメタクリレートを同量使用した以外は実施例
3と同じ条件下で重合反応を行ない、加熱残分71.0%、
樹脂酸価33.0、ガードナー粘度(40%n−ブチルセロソ
ルブ溶液)Lの共重合体溶液が得られた。次にこのもの
をトリエチルアミンで中和し(1.0当量中和)、加熱残
分40%の水溶液からなる分散剤(IV)を得た。
次に、得られた分散剤(IV)を用いて後記表−1に示
す顔料を実施例1と同様の方法によって分散せしめて本
発明の水性顔料分散液(g)を得た。
また、この顔料分散液(g)と後記表−2に示す水性
樹脂を十分混合して水性塗料(9)を調製した。
上記顔料分散液(g)の性状及び水性塗料(9)の塗
膜性能をそれぞれ後記表−1及び表−2に示す。
実施例5 実施例1においてマクロモノマー(B−1)の代わり
にマクロモノマー(B−2)を同量使用した以外は実施
例1と同じ条件下で重合反応を行ない、加熱残分71.0
%、樹脂酸価35.6、ガードナー粘度(40%n−ブチルセ
ロソルブ溶液)Nの共重合体溶液が得られた。次にトリ
エチルアミンで中和し(1.0当量中和)、加熱残分40%
の水溶液からなる分散剤(V)を得た。
次に、得られた分散剤(V)を用いて後記表−1に示
す顔料を実施例1と同様の方法によって分散せしめて本
発明の水性顔料分散液(h)を得た。
また、この顔料分散液(h)と後記表−2に示す水性
樹脂を十分混合して水性塗料(10)を調製した。
上記顔料分散液(h)の性状及び水性塗料(10)の塗
膜性能をそれぞれ後記表−1及び表−2に示す。
比較例1 サフラワー油脂肪酸(236部)、グリシジルメタクリ
ート(119部)、ハイドロキノン(0.4部)、テトラエチ
ルアンモニウム(0.2部)を反応容器に入れ、140〜150
℃の温度で4時間反応を行い、脂肪酸変性単量体を得
た。次に実施例1のマクロモノマー(B−1)の代わり
に、N−ビニル−2−ピロリドンを固形分で同量使用
し、重合反応を行ない、加熱残分70.1%、樹脂酸価35.
2、ガードナー粘度(40%n−ブチルセロソルブ溶液)
Nの共重合体溶液が得られた。次にトリエチルアミンで
中和し(1.0当量中和)、加熱残分40%の水溶液からな
る分散剤(VI)を得た。
次に、得られた分散剤(VI)を用いて後記表−1に示
す顔料を実施例1と同様の方法によって分散せしめて水
性顔料分散液(i)を得た。
また、この顔料分散液(i)と後記表−2に示す水性
樹脂を十分混合して水性塗料(11)を調製した。上記顔
料分散液(I)の性状及び水性塗料(11)の塗膜性能を
それぞれ後記表−1及び表−2に示す。
*1 チタン白R−5N:堺化学社製酸化チタン カーボンMA:三菱化成社製カーボンブラック マピコエローXLO:チタン工業社製黄色顔料 *2 ASTM D1201−64により測定 *3 B型粘度計により測定 *4 実施例1で用いた水分散型アルキド樹脂の酸価を
60にした樹脂の中和物30部を乳化安定剤としてn−ブチ
ルアクリレート70部を重合して得られたエマルジョン
(固形分40%) *5 ドデシルベンゼンのナトリウム塩を乳化安定剤と
して、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルメタ
クリレート=35/15/50からなるモノマー混合物を重合し
て得られたエマルジョン(固形分50%) [塗膜性能試験] 水性塗料(1)〜(11)に水性ドライヤー(大日本イ
ンキ社製商品名“ディクネート”、コバルト金属含量3
%)を樹脂固形分100部に対し1部の割合で添加し、軟
鋼板に塗装した。20℃、相対湿度75%で3日間乾燥した
後、試験に供した。
ゴバン目付着性:1mm幅のゴバン目を100個作り、その上
にセロファン粘着テープをはりつけそれを勢いよくはが
して試験した。
耐水性:20℃の水道水に2日間浸漬して塗面状態を肉眼
で調べた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料、分散剤及び水性媒体からなる水性顔
    料分散液において、該分散剤が、 (A)分子末端にC8以上の脂肪酸残基を有する変性ビニ
    ル系不飽和単量体 3〜90重量部 (B)アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ア
    リルオキシ、芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種
    のビニル重合性官能基を片末端に有する含窒素マクロモ
    ノマー 2〜90重量部 (C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸1〜30重量
    部 (D)上記(A)〜(C)以外のα,β−エチレン性不
    飽和単量体 0〜91重量部 を共重合することによって得られる共重合体の水性化物
    であることを特徴とする水性顔料分散液。
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