JPH0860405A - 袖を有する衣類 - Google Patents

袖を有する衣類

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JPH0860405A
JPH0860405A JP6202065A JP20206594A JPH0860405A JP H0860405 A JPH0860405 A JP H0860405A JP 6202065 A JP6202065 A JP 6202065A JP 20206594 A JP20206594 A JP 20206594A JP H0860405 A JPH0860405 A JP H0860405A
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clothing
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 袖の長さ方向への伸びが良く、袖のずり上が
り、皺の発生、衣類の肩の部分の袖先方向への引きつれ
感、肩部分が腕側にずれ落ちて生じる着崩れなどの問題
が少なく、着心地の良い、肘を越える長さを有するほぼ
筒状の袖を具備する衣類を提供する。 【構成】 袖本体1を構成する生地が伸縮性の連続生地
からなり、当該生地を筒状に形成するための接ぎライン
4が、肘頭相当部位を横切る事なくほぼスパイラル状に
袖の周囲を斜行してほぼ1回転し、前記袖本体を構成す
る伸縮性の連続生地の最大伸び方向5がほぼ袖の長さ方
向に向けられてなる袖を有する長袖肌着。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、袖を有する衣類に関す
るものであり、特にずり上がりなどによる皺などの発生
の少い袖を有する衣類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種衣類、特に身体に比較的
密着して着用される衣類または運動用ないし作業用の衣
類、具体的には例えば肌着、ウインタム、ボディテデ
ィ、レオタード、スポーツウェアー、作業着などで肘を
越える長さを有する袖、例えば長袖とか七分袖とか言わ
れているほぼ筒状の袖を有する衣類においては、袖を構
成する生地として伸縮性の生地が用いられている場合に
は、その伸縮性生地の最大伸び方向は、袖の長さ方向に
対してほぼ直角方向になるように使用されているのが一
般的である。そして袖本体を構成する生地が連続生地か
らなる場合には、当該生地を筒状に形成するための接ぎ
ラインは通常袖の長さ方向に沿って袖の内側位置に設け
られているのが一般的である。ここで袖の内側とは、衣
類の着用者が掌を身体の脇に向けて真っ直ぐ下に伸ばし
た場合に身体脇側に位置する側を示す。
【0003】次に本発明において用いている袖の前側、
後側、外側、内側と言う用語について、図24を用いて
説明する。図24は袖付き衣類のほぼ左半身を示してい
る前側から見た斜視図であり、前述の用語を説明するた
めの説明図である。
【0004】図24において241が衣類240の袖で
あり、この袖241を図に示されているように脇からは
なして、少し上に挙げた状態において、衣類の真上から
見える側、即ち矢印242側から見える側が袖の外側、
その反対方向の衣類の真下から見える側、即ち矢印24
3側から見える側が袖の内側、また、衣類の前側から見
た場合に見える側、即ち矢印244側から見える側が袖
の前側、その反対方向の衣類の後側から見た場合に見え
る側、即ち矢印245側から見える側が袖の後側と言う
ことにする。
【0005】次に図19に従来の長袖肌着の前側から見
た平面図、図20にその左身部分(左半身)の構成生地
の展開図を示した。図20において袖用の生地191´
のB−CのラインがE−Dのラインと接ぎ合わされて袖
191が筒状に形成される。前身頃192のH−Iのラ
インが後身頃193のL−Mのラインと接ぎ合わされ、
また、F−GのラインがJ−Kのラインと接ぎ合わされ
る。そして袖の付け根の袖山のA−BのラインがG−H
のラインと接ぎ合わされ、また、A−EのラインがK−
Lのラインと接ぎ合わされて図19に示したような長袖
の肌着となる。そしてこの肌着の場合は袖用の生地19
1´の最大伸び方向は矢印194の方向になるようにと
られている。即ち袖の最大伸び方向は袖の長さ方向に対
しほぼ直角方向になるように設計されている。また、当
該生地を筒状に形成するための接ぎライン、即ちB−C
とE−Dのラインとが接ぎ合わさた部分の接ぎライン
は、袖191の内側を袖の付け根から袖口に向かって袖
の長さ方向に沿ってほぼ直線状に走っている。
【0006】次に図21に従来のウインタム(袖付きス
リップ)の前側から見た平面図、図22にその後側から
見た平面図、図23にその左身部分の構成生地の展開図
を示した。図23において袖用の生地231´のA−B
のラインがA−Iのラインと接ぎ合わされてC−B−I
−Hのラインが首回りの一部を形成し、D−Eのライン
がG−Fのラインと接ぎ合わされて袖231が筒状に形
成される。また、前身頃232のK−Lのラインが後身
頃233のN−Oのラインと接ぎ合わされる。そして袖
の付け根の袖山のC−DのラインがJ−Kのラインと接
ぎ合わされ、また、H−GのラインがM−Nのラインと
接ぎ合わされて図21、図22に示したような長袖のウ
インタムとなる。そしてこのウインタムの場合も袖用の
生地231´の最大伸び方向は矢印234の方向になる
ようにとられている。即ち袖の最大伸び方向は袖の長さ
方向に対しほぼ直角方向になるように設計されている。
また、当該生地を筒状に形成するための接ぎライン、即
ちD−EとG−Fのラインとが接ぎ合わさた部分の接ぎ
ラインは、袖231の内側を袖の付け根から袖口に向か
って袖の長さ方向に沿ってほぼ直線状に走っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の肌着やウインタ
ムで説明したように、従来のほぼ筒状の形の袖付き衣類
においては、袖を構成する生地として伸縮性の生地が用
いられている場合には、その伸縮性生地の最大伸び方向
は、袖の長さ方向に対してほぼ直角方向になるように使
用されているのが一般的である。そして袖本体を構成す
る生地が連続生地からなる場合には、当該生地を筒状に
形成するための接ぎラインは通常袖の長さ方向に沿って
袖の内側位置にほぼ連続直線状に設けられているのが一
般的である。
【0008】従って、袖を構成する生地の最大伸び方向
は袖の長さ方向ではないので、袖の長さ方向の伸縮性は
十分でないばかりでなく、袖を構成する生地を筒状に形
成するための接ぎラインは前述したように、袖の長さ方
向に沿って袖の付け根側から袖口までほぼ連続した直線
状に設けられているので、この連続した直線状の接ぎが
袖の長さ方向の伸びを阻害する事になる。仮に、袖を構
成する生地の最大伸び方向を袖の長さ方向になるように
生地を配置した場合においても、袖を構成する生地を筒
状に形成するための接ぎラインが前述したように、袖の
長さ方向に沿って袖の付け根側から袖口までほぼ連続し
た直線状に設けられている場合には、この連続した直線
状の接ぎが袖の長さ方向の伸びを阻害する事になるの
で、袖を構成する生地の最大伸び方向を袖の長さ方向に
なるように生地を配置した効果が、ほとんど発揮されな
いことになる。
【0009】その結果、腕を動かした場合に、袖がその
長さ方向に十分伸びないため、袖は肩方向に引っ張ら
れ、次第にずり上がって皺が発生しやすく、また、肩の
部分も袖先方向に引っ張られるので引きつれ感が生じた
り、場合によっては衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着
崩れが生ずるなどの問題があった。この傾向は、身体に
比較的密着して着用される衣類、または、かなりの大き
な動作が行われる運動用ないし作業用の衣類、具体的に
は例えば肌着、ウインタム、ボディテディ、レオター
ド、スポーツウェアー、作業着などで肘を越える長さを
有する筒状の袖付き衣類において特に顕著に見られる問
題点である。
【0010】本発明はこれらの問題点を解決し、腕を動
かした場合、その他運動や体を動かす作業をした場合等
においても、袖がその長さ方向に十分伸び易く、袖がず
り上がって皺が発生したり、また、肩の部分が袖先方向
に引っ張られて引きつれ感が生じたり、衣類の肩部分が
腕側にずれ落ちて着崩れが生ずるなどの問題の少ない、
着心地の良い、肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖を
具備する衣類を提供する事を目的とするものである。
【0011】また、そのほか後述する本発明の各好まし
い態様に於いては、前記目的のほかにそれぞれ各態様に
応じて更に次のような目的を有する。すなわち、更に本
発明は、縫製の手間があまりかかり過ぎず、かつ前記目
的の達成可能な肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖を
具備する衣類を提供する事を目的とするものである。
【0012】更に、本発明の別の目的は、袖のずり上が
り防止、皺の発生防止、着崩れ防止などの機能が効果的
に発揮し得る肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖を具
備する衣類を提供する事を目的とするものである。
【0013】更に、本発明の別の目的は、袖のずり上が
り防止、皺の発生防止、着崩れ防止などの機能がより効
果的に発揮し得る肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖
を具備する衣類を提供する事を目的とするものである。
【0014】更に、本発明の別の目的は、効果的に本発
明の機能を利用できる肘を越える長さを有するほぼ筒状
の袖を具備する衣類を提供する事を目的とするものであ
る。更に、本発明の別の目的は、より効果的に本発明の
機能を利用できる肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖
を具備する下着類を提供する事を目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の袖を有する衣類は次の構成を有するもので
ある。
【0016】(1)肘を越える長さを有するほぼ筒状の
袖を具備する衣類であって、前記袖本体を構成する生地
が伸縮性の連続生地からなり、当該生地を筒状に形成す
るための接ぎラインが、ほぼスパイラル状に袖の周囲を
斜行しており、前記袖本体を構成する伸縮性の連続生地
の最大伸び方向がほぼ袖の長さ方向に向けられてなる袖
を有する衣類。
【0017】(2)袖本体を構成する生地を筒状に形成
するための接ぎラインが、袖の付け根から袖先方向に向
かって、袖の周囲をほぼ1/2回転〜1回転する接ぎラ
インである前記(1)項に記載の袖を有する衣類。
【0018】(3)袖本体を構成する生地を筒状に形成
するための接ぎラインが袖の肘頭相当部位を横切らない
接ぎラインである前記(1)項または(2)項のいずれ
かに記載の袖を有する衣類。
【0019】(4)袖本体を構成する生地の最大伸び方
向の伸度が10〜250%である前記(1)項〜(3)
項のいずれかに記載の袖を有する衣類。 (5)衣類が、身体に比較的密着して着用される衣類ま
たは運動用ないし作業用の衣類である前記(1)項〜
(4)項のいずれかに記載の袖を有する衣類。
【0020】(6)衣類が、身体に比較的密着して着用
される下着類である前記(1)項〜(4)項のいずれか
に記載の袖を有する衣類。
【0021】
【作用】
(1)本発明の袖を有する衣類は、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類であって、前記袖本体
を構成する生地が伸縮性の連続生地からなり、前記袖本
体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸び方向がほぼ袖
の長さ方向に向けられているので、袖がその長さ方向に
伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形成するための接
ぎラインが、ほぼスパイラル状に袖の周囲を斜行してい
るので、袖の長さ方向の伸びを阻害するような袖の長さ
方向に沿って袖の付け根側から袖口まで連続してほぼ直
線状に伸びる接ぎがなく、従って袖の長さ方向への伸び
が阻害されず、袖の長さ方向への伸びが十分発揮でき
る。よって、袖がずり上がって皺が発生したり、また、
肩の部分が袖先方向に引っ張られて引きつれ感が生じた
り、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着崩れが生ずるな
どの問題が少なく、着心地の良い、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類を提供する事ができ
る。すなわち、人体の上肢に於いては肘の関節部分での
皮膚の伸びが最も大きい。従って、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類において肘部で袖の長
さ方向の伸びがないと、肘を曲げた時に、つっぱりや袖
のずり上がりなどが生じるのである。
【0022】(2)また、袖用の生地のパターンを長尺
生地から裁断する場合に、本発明のごとく袖本体を構成
する生地を筒状に形成するための接ぎラインをスパイラ
ル状に斜行するようにするためには、生地の最大伸び方
向に対して斜め方向に袖用の生地を裁断することになる
が、本発明の衣類に於いて、袖本体を構成する生地を筒
状に形成するための接ぎラインが、袖の付け根から袖先
方向に向かって、袖の周囲をほぼ1/2回転〜1回転す
る接ぎラインである本発明の好ましい態様とすることに
より、接ぎラインが袖の周囲をより多く周回する場合に
はそれだけ縫製する距離が長くなるのと複雑になるの
で、縫製の手間がかかるが、袖の周囲をほぼ1/2回転
〜1回転する接ぎラインである本発明の好ましい態様の
場合には、周回数が少ないので、縫製の手間があまりか
かり過ぎず、製造コストが増大しないことと、周回数が
多い場合に比べて接ぎ部分が少くなるので、袖長さ方向
への伸びが接ぎにより影響を受ける機会が少くなり、袖
がより長さ方向に伸びやすく、前記(1)で説明した機
能を十分に発揮しやすい袖を有する衣類を提供できる。
【0023】(3)また、本発明の衣類に於いて、袖本
体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎラインが
袖の肘頭相当部位を横切らない接ぎラインである本発明
の好ましい態様とすることにより、人体の上肢に於いて
は肘の関節部分での皮膚の伸びが最も大きいので、肘を
越える長さを有するほぼ筒状の袖を具備する衣類におい
て肘部で袖の長さ方向の伸びが効果的に発揮されない
と、肘を曲げた時に、つっぱりや袖のずり上がりなどが
生じるが、本態様に於いては、袖の接ぎラインが袖の肘
頭相当部位を横切っていないので、すなわち、袖の肘頭
相当部位を外して肘頭相当部位よりも袖口側方向および
/または袖付け根側方向を横切らせることにより、肘近
傍での伸びが効果的に発揮され、袖のずり上がりや、肩
の部分が袖先方向に引っ張られて引きつれ感が生じた
り、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着崩れが生ずるな
どの問題をより一層少なくでき、皺の発生がより少い着
心地の良い袖を有する衣類を提供できる。
【0024】(4)また、本発明の衣類に於いて、袖本
体を構成する生地の最大伸び方向の伸度が10〜250
%である本発明の好ましい態様とすることにより、袖の
ずり上がりや、肩の部分が袖先方向に引っ張られて引き
つれ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着
崩れが生ずるなどの問題をより一層少なくでき、皺の発
生がより少い着心地の良い袖を有する衣類を提供でき
る。
【0025】(5)また、本発明の衣類に於いて、衣類
が身体に比較的密着して着用される衣類または運動用な
いし作業用の衣類である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、身体に比較的密着して着用される衣類の場合
には、衣類が身体の運動の影響を受けやすいので、袖の
ずり上がりや衣類の肩部分の腕方向への落ち込みや引き
つれ感の発生や皺の発生が生じやすい上に、身体に比較
的密着している分、着用時の不快感も大きく、また、運
動用ないし作業用の衣類の場合には、運動や身体を動か
す作業など、人体の動きが大きいので、本発明の構成を
採用することにより効果的に本発明の機能を生かして発
揮し得る衣類を提供できる。
【0026】(6)また、本発明の衣類に於いて、衣類
が、身体に比較的密着して着用される下着類である本発
明の好ましい態様とすることにより、これらの下着類は
肌に近い部分に人体に密着して着用されるので、人体の
動きによる影響がより大きく、また、袖のずり上がりや
衣類の肩部分の腕方向への落ち込みや、あるいは、引き
つれ感の発生等が生じた場合に、上衣の上から直すこと
ができない衣類であり、より効果的に本発明の機能を生
かして発揮し得る袖付きの衣類を提供できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の理解を容易にするために、図
面を参照しながら、具体例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこの具体例のもののみに限定されるもので
はない。
【0028】図1は、本発明の袖を有する衣類の一実施
例の長袖肌着(長袖シャツ)の前側から見た平面図、図
2はその後側から見た平面図、図3はその左袖を衣類の
上側から見た平面図、図4は前記左袖を衣類の下側から
見た平面図、図5は図1〜2に示した長袖肌着を構成す
る生地の左身部分(左半身)の展開図である。1が袖、
1´が袖用の生地、2が前身頃、3が後身頃、4は袖本
体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎライン、
5は袖用の生地の最大伸び方向を示す矢印を示してい
る。
【0029】図5において袖用の生地1´のB−Cのラ
インがE−Dのラインと接ぎ合わされて袖1が筒状に形
成される。これが接ぎライン4であり、肘頭相当部位を
横切る事なくほぼスパイラル状に袖の周囲を斜行してい
る。また前身頃2のH−Iのラインが後身頃3のL−M
のラインと接ぎ合わされ、また、F−GのラインがJ−
Kのラインと接ぎ合わされる。そして袖の付け根の袖山
のA−BのラインがG−Hのラインと接ぎ合わされ、ま
た、A−EのラインがK−Lのラインと接ぎ合わされて
図1〜2に示したような長袖の肌着となる。そしてこの
肌着の場合は袖用の生地1´の最大伸び方向を矢印5の
方向になるように生地をとることにより、袖用の生地1
´の最大伸び方向5が袖1の長さ方向にほぼ沿った方向
になる。袖用の生地1´は、生地の最大伸び方向5に対
して斜め方向に生地をとる必要があり、図5に於いては
右上から左下方向に長めに生地をとっているが、スパイ
ラルの周回方向が図1〜4に示した方向と逆回転する場
合には、生地の最大伸び方向5に対して左上から右下方
向に斜めに長めに生地をとる。ところで図1〜4に示し
た例に於いては接ぎライン4は袖の付け根側から袖口方
向に向かって、図4や図2に示されるごとく、袖1の脇
下の内側からスタートし、袖1の後側をスパイラル状に
斜行し、図3や図1に示されるごとく袖1の外側を通り
袖1の前側にスパイラル状に斜行して袖口に至る接ぎラ
インとなっている。
【0030】尚、一層理解を容易にするために、図5に
示した本発明で用いる袖用の生地1´のパターンと図2
0に示した従来の長袖肌着の袖用の生地191´のパタ
ーンとを重ね合わせて描いたのが図6である。5は図5
に示した本発明で用いる袖用の生地1´の最大伸び方向
を示す矢印であり、図5に示した本発明で用いる袖用の
生地1´のパターンはその周囲がすべて実線で示されて
いる。図20に示した従来の長袖肌着の袖用の生地19
1´のパターンは、袖山部分のみが共通で他の周辺ライ
ンは点線で示してある。即ち図5に示した本発明で用い
る袖用の生地1´のパターンはA−B−C−D−Eで囲
まれるパターンであり、図20に示した従来の長袖肌着
の袖用の生地191´のパターンは、A−B−D−F−
Eで囲まれるパターンである。従来の長袖肌着の袖用の
生地191´のパターンの内E−D−Fで囲まれる部分
が、図5に示した本発明で用いる袖用の生地1´のパタ
ーンではB−C−Dで囲まれる部分に移されたと考える
事ができる。
【0031】以上、この実施例で説明した長袖肌着は、
袖本体を構成する生地が伸縮性の連続生地からなり、前
記袖本体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸び方向が
ほぼ袖の長さ方向に向けられているので、袖がその長さ
方向に伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形成するた
めの接ぎラインが、肘頭相当部位を避けてほぼスパイラ
ル状に袖の周囲を斜行しているので、この接ぎにより袖
の長さ方向の伸びが阻害されず、袖の長さ方向への伸び
が十分発揮できる。よって、袖がずり上がって皺が発生
したり、また、肩の部分が袖先方向に引っ張られて引き
つれ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着
崩れが生ずるなどの問題が少なく、着心地の良い長袖肌
着が提供される。かかる長袖肌着の様に身体に比較的密
着して着用される衣類の場合には、衣類が身体の運動の
影響を受けやすいので、袖のずり上がりや衣類の肩部分
の腕方向への落ち込みや引きつれ感の発生や皺の発生が
生じやすい上に、身体に比較的密着している分、着用時
の不快感も大きく、また、袖のずり上がりや衣類の肩部
分の腕方向への落ち込みや、あるいは、引きつれ感の発
生等が生じた場合に、上衣の上から直すことができない
衣類であり、本発明の構成を採用することにより一層効
果的に本発明の機能を生かして発揮し得る長袖肌着を提
供できる。
【0032】次に図7に本発明の袖を有する衣類の別の
一実施例の長袖肌着(長袖シャツ)の前側から見た平面
図、図8にその後側から見た平面図、図9に図7〜8に
示した長袖肌着を構成する生地の左身部分(左半身)の
展開図を示した。図1〜2に示した長袖肌着と主として
異なる点は、袖本体を構成する生地を筒状に形成するた
めの接ぎライン4の袖周囲を周回する方向が図1〜2に
示した長袖肌着と逆回転である点である。その結果、図
9に示した長袖肌着を構成する生地の左身部分(左半
身)の展開図のパターンがそれに応じて多少異なってく
るが、その他の部分は実質的にほぼ同一なので、同一部
分には同一の符号を付して説明を省略した。この様に接
ぎライン4の袖周囲を周回する方向が反対方向であって
も、図1〜2に示した長袖肌着とほぼ同等の効果を達成
できる長袖肌着を得ることができる。
【0033】次に図10に、本発明の袖を有する衣類の
一実施例のウインタム(袖付きスリップ)の前側から見
た平面図、図11にその後側から見た平面図、図12に
図10〜11に示したウインタムを構成する生地の左身
部分(左半身)の展開図を示した。1が袖、1´が袖用
の生地、2が前身頃、3が後身頃、4は袖本体を構成す
る生地を筒状に形成するための接ぎライン、5は袖用の
生地の最大伸び方向を示す矢印を示している。
【0034】図12において袖用の生地1´のA−Bの
ラインがA−Jのラインと接ぎ合わされてC−B−J−
Iのラインが首回りの一部を形成する。また、袖用の生
地1´のE−FのラインがH−Gのラインと接ぎ合わさ
れて袖1が筒状に形成される。この接ぎラインが4であ
り、肘頭相当部位を横切る事なくほぼスパイラル状に袖
の周囲を斜行し、袖口側で接ぎライン4は袖の長さ方向
に沿ってほぼ直線状となり、直線状部分の接ぎライン4
の長さは袖1の長さの約20%程度になっている。(た
だし、図10、図11には、接ぎ4のうちこの直線状部
分の接ぎは現れていない。図12に於いて、E−Fのラ
インとH−Gのラインの袖口側の直線部分がこれに相当
する。)。この様に本発明においては、本発明の効果が
阻害されない範囲で袖口側および/または袖の付け根側
に袖の長さ方向に沿った接ぎラインを持つことは差し支
えなく、かかる接ぎラインは袖の長さの30%以下の長
さであれば問題はない。また前身頃2のL−Mのライン
が後身頃3のP−Qのラインと接ぎ合わされる。そして
袖のC−Dのラインが前身頃2のK−Lのラインと接ぎ
合わされ、また、D−EのラインがP−Oのラインと接
ぎ合わされ、更にI−HのラインがN−Oのラインと接
ぎ合わされて図10〜11に示したようなウインタムが
形成される。そしてこのウインタムの場合も袖用の生地
1´の最大伸び方向を矢印5の方向になるように生地を
とることにより、袖1の長さ方向に袖用の生地1´の最
大伸び方向がほぼ沿った方向になる。袖用の生地1´
は、生地の最大伸び方向に対して斜め方向にやや長めに
生地をとる必要があることは、前述した通りである。
【0035】以上、この実施例で説明したウインタム
は、袖本体を構成する生地が伸縮性の連続生地からな
り、前記袖本体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸び
方向がほぼ袖の長さ方向に向けられているので、袖がそ
の長さ方向に伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形成
するための接ぎラインが、肘頭相当部位を避けてほぼス
パイラル状に袖の周囲を斜行しているので、この接ぎに
より袖の長さ方向の伸びが阻害されず、袖の長さ方向へ
の伸びが十分発揮できる。よって、袖がずり上がって皺
が発生したり、また、肩の部分が袖先方向に引っ張られ
て引きつれ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落
ちて着崩れが生ずるなどの問題が少なく、着心地の良い
ウインタムが提供される。かかるウインタムの様に身体
に比較的密着して着用される衣類の場合には、衣類が身
体の運動の影響を受けやすいので、袖のずり上がりや衣
類の肩部分の腕方向への落ち込みや引きつれ感の発生や
皺の発生が生じやすい上に、身体に比較的密着している
分、着用時の不快感も大きく、また、袖のずり上がりや
衣類の肩部分の腕方向への落ち込みや、あるいは、引き
つれ感の発生等が生じた場合に、上衣の上から直すこと
ができない衣類であり、本発明の構成を採用することに
より一層効果的に本発明の機能を生かして発揮し得るウ
インタムを提供できる。
【0036】次に図13に、本発明の袖を有する衣類の
一実施例の別の態様のウインタム(袖付きスリップ)の
前側から見た平面図、図14にその後側から見た平面
図、図15にその前斜め側から見た左半身の部分斜視
図、図16に図13〜15に示したウインタムを構成す
る生地の左身部分(左半身)の展開図を示した。1が
袖、1´が袖用の生地、2が前身頃、3が後身頃、4は
袖本体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎライ
ン、5は袖用の生地の最大伸び方向を示す矢印、6は袖
用の生地1´の襠をとった部分を示している。
【0037】図16において袖用の生地1´のA−Bの
ラインがA−Lのラインと接ぎ合わされてC−B−L−
Kのラインが首回りの一部を形成する。また、袖用の生
地1´のG−HのラインがJ−Iのラインと接ぎ合わさ
れて袖1が筒状に形成される。この接ぎラインが4であ
り、肘頭相当部位を横切る事なくほぼスパイラル状に袖
の周囲を斜行して袖口側で接ぎライン4は袖の長さ方向
に沿ってほぼ直線状となり、直線状部分の接ぎライン4
の長さは袖1の長さの約20%程度になっている。(た
だし、図13〜図15には、接ぎ4のうちこの直線状部
分の接ぎは現れていない。図16に於いて、G−Hのラ
インとJ−Iのラインの袖口側の直線部分がこれに相当
する。)。また前身頃2のN−Oのラインが後身頃3の
R−Sのラインと接ぎ合わされる。そして袖のC−D−
Eのラインが前身頃2のM−Nのラインと接ぎ合わさ
れ、また、E−F−GのラインがR−Qのラインと接ぎ
合わされ、更にK−JのラインがP−Qのラインと接ぎ
合わされて図13〜15に示したようなウインタムが形
成される。そしてこのウインタムの場合も袖用の生地1
´の最大伸び方向を矢印5の方向になるように生地をと
ることにより、袖1の長さ方向に袖用の生地1´の最大
伸び方向がほぼ沿った方向になる。袖用の生地1´は、
生地の最大伸び方向に対してやや斜め方向に長めに生地
をとる必要があることは、前述した通りである。
【0038】以上、この実施例で説明したウインタム
は、袖本体を構成する生地が伸縮性の連続生地からな
り、前記袖本体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸び
方向がほぼ袖の長さ方向に向けられているので、袖がそ
の長さ方向に伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形成
するための接ぎラインが、肘頭相当部位を避けてほぼス
パイラル状に袖の周囲を斜行しているので、この接ぎに
より袖の長さ方向の伸びが阻害されず、袖の長さ方向へ
の伸びが十分発揮できる。よって、袖がずり上がって皺
が発生したり、また、肩の部分が袖先方向に引っ張られ
て引きつれ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落
ちて着崩れが生ずるなどの問題が少なく、着心地の良い
ウインタムが提供される。また、この態様に於いては襠
6が採られていて、ウインタムの胴体脇の脇下部分をカ
バーしているので、脇下に接ぎがなく、しかもこの部分
はほぼ縦方向の伸びを有するので、腕を挙げる動作が一
層行いやすくなる。
【0039】また、かかるウインタムの様に身体に比較
的密着して着用される衣類の場合には、衣類が身体の運
動の影響を受けやすいので、袖のずり上がりや衣類の肩
部分の腕方向への落ち込みや引きつれ感の発生や皺の発
生が生じやすい上に、身体に比較的密着している分、着
用時の不快感も大きく、また、袖のずり上がりや衣類の
肩部分の腕方向への落ち込みや、あるいは、引きつれ感
の発生等が生じた場合に、上衣の上から直すことができ
ない衣類であり、本発明の構成を採用することにより一
層効果的に本発明の機能を生かして発揮し得るウインタ
ムを提供できる。
【0040】次に図17に、本発明の袖を有する衣類の
一実施例のスポーツウェアーの前側から見た斜視図、図
18にその後側から見た斜視図を示した。このスポーツ
ウェアーを構成する生地の左身部分(左半身)の展開図
は省略したが、形状の相違に応じた相違はあるものの、
ほぼ基本的な袖用の生地のパターンは、袖本体を構成す
る生地を筒状に形成するための接ぎライン4をスパイラ
ル状に斜行させるために袖用の生地の最大伸び方向に対
して斜め方向にやや長めに生地がとられることは図12
と基本的には同一である。1が袖、2が前身頃、3が後
身頃、4は袖本体を構成する生地を筒状に形成するため
の接ぎライン、5は袖用の生地の最大伸び方向を示す矢
印を示している。
【0041】以上、この実施例で説明したスポーツウェ
アーは、袖本体を構成する生地が伸縮性の連続生地から
なり、前記袖本体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸
び方向がほぼ袖の長さ方向に向けられているので、袖が
その長さ方向に伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形
成するための接ぎラインが、肘頭相当部位を避けてほぼ
スパイラル状に袖の周囲を斜行しているので、この接ぎ
により袖の長さ方向の伸びが阻害されず、袖の長さ方向
への伸びが十分発揮できる。よって、運動により、袖が
ずり上がって皺が発生したり、また、肩の部分が袖先方
向に引っ張られる引きつり感が少なくなり、着心地の良
いスポーツウェアーが提供される。
【0042】尚、前記ウインタムの実施例においては、
袖本体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎライ
ンが、袖口側に於いて一部ほぼ袖の長さ方向に沿ったほ
ぼ直線状の接ぎラインとなっている態様の具体例を示し
たが、前述した様に本発明の効果が阻害されない範囲で
袖口側および/または袖の付け根側に袖の長さ方向に沿
った接ぎラインを持つことは差し支えなく、かかる接ぎ
ラインは袖の長さの30%以下の長さであれば問題はな
い。尚、袖の長さとは袖の外側部分の長さを言う。
【0043】本発明の袖を有する衣類の袖用の生地とし
ては、最大伸び方向の伸度が10〜250%であるもの
が好ましく、より好ましくは30〜150%である。こ
の範囲の伸度を有する生地を用いることにより、袖のず
り上がりや、肩の部分が袖先方向に引っ張られて引きつ
れ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着崩
れが生ずるなどの問題をより一層少なくでき、皺の発生
がより少い着心地の良い袖を有する衣類を提供できる。
【0044】尚、伸度(%)とは、伸ばした状態で伸び
方向の生地の長さをd、伸ばす前の生地の元の長さをe
とすると、[(d−e)/e]×100の値である。伸
度の測定方法は、最大伸び方向が試験片の長さ方向にな
るように幅2.5cm×長さ16.0cmの試験片を作
成し、その長さ方向を上下方向に向けてその両端をクリ
ップでつかんだ。上部つかみ長さを2.5cm、下部つ
かみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間隔は10.
0cmとして定速伸長形引張試験機に取り付け、30±
2cm/分の速度で試験片を伸ばし、2.25kgfの
荷重をかけ、荷重2.25kgfの伸度を測定し、試験
片2つの平均値を求めて伸度とした。
【0045】本発明で用いられる袖用の生地の種類の具
体例としては、衣類の種類に応じて異なるので一概に規
定し難いが、例えば、天竺、フライス、スムース、トリ
コットなどが挙げられる。本発明の袖を有する衣類の袖
以外の生地の種類や最大伸び方向をどちらの方向にとる
かは、その衣類の種類に応じて適宜決めればよく、従来
からその衣類に用いられていると同様にしてもよいし、
その他本発明の効果が発揮できなくなる様な場合を除い
て任意である。
【0046】本発明の衣類に於いて、袖本体を構成する
生地を筒状に形成するための接ぎラインが、袖の付け根
から袖先方向に向かって、袖の周囲をスパイラル状に周
回する場合に1回転より多く、例えば2回転とか3回転
周回する様な接ぎラインであっても、本発明の目的は達
成できるが、ほぼ1/2回転〜1回転程度が好ましい。
すなわちより多く袖の周囲をスパイラル状に周回する場
合にはそれだけ縫製する距離が長くなるのと複雑になる
ので、縫製の手間がかかるが、袖の周囲をほぼ1/2回
転〜1回転する接ぎラインの場合には、周回数が少ない
ので、縫製の手間があまりかかり過ぎず、製造コストが
増大しないことと、周回数が多い場合に比べて接ぎ部分
が少くなるので、袖長さ方向への伸びが接ぎにより影響
を受ける機会が少くなり、袖がより長さ方向に伸びやす
いなどの点から特に好ましい。
【0047】また、前記、実施例においては、長袖肌
着、ウインタム、スポーツウェアーについて図面を挙げ
て説明したが、本発明の衣類としては、この具体例に記
載されたもののみに限定されるものではなく、例えば、
七分袖、長袖など、その他肘を越える長さの袖を有する
衣類について各種の衣類に適用出来、好ましくは、身体
に比較的密着して着用される衣類または運動用ないし作
業用の衣類、より好ましくは、身体に比較的密着して着
用される下着類であり、具体的には、肌着、ウインタ
ム、ボディテディ、レオタード、スポーツウェアー、作
業着などに特に好適に適用出来る。身体に比較的密着し
て着用される衣類の場合には、衣類が身体の運動の影響
を受けやすいので、袖のずり上がりや衣類の肩部分の腕
方向への落ち込みや引きつれ感の発生や皺の発生が生じ
やすい上に、身体に比較的密着している分、着用時の不
快感も大きく、また、運動用ないし作業用の衣類の場合
には、運動や身体を動かす作業など、人体の動きが大き
いので、本発明の構成を採用することにより効果的に本
発明の機能を生かして発揮し得る衣類を提供できる。特
に衣類が、身体に比較的密着して着用される下着類であ
る場合には、これらの下着類は肌に近い部分に人体に密
着して着用されるので、人体の動きによる影響がより大
きく、また、袖のずり上がりや衣類の肩部分の腕方向へ
の落ち込みや、あるいは、引きつれ感の発生等が生じた
場合に、上衣の上から直すことができない衣類であり、
より効果的に本発明の機能を生かすことができる。
【0048】また、本発明の衣類に於いて、袖本体を構
成する生地を筒状に形成するための接ぎラインの袖付け
根側のスタート位置は任意であり、脇下の袖内側部分か
らスタートしても良いし、また、袖山上のいずれかの地
点からスタートしても良い。通常、脇下の袖内側部分か
らスタートするのが、一般的であるが特にこれに限定さ
れるものではない。また、この接ぎラインの袖口側の終
端位置も特に限定はなく、袖口の外側、内側、前側、後
側のいずれの位置でも良い。一般的には袖口の内側で終
わることが、接ぎラインの終端部が隠しやすくなると言
う意味では好ましい。
【0049】また、袖口に必要に応じて、レースなどか
らなる装飾部分が更に設けられていたり、ゴム弾性のあ
るずり上がり防止用の袖口テープが更に設けられていて
も良い。
【0050】
【発明の効果】
(1)本発明の袖を有する衣類は、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類であって、前記袖本体
を構成する生地が伸縮性の連続生地からなり、前記袖本
体を構成する伸縮性の連続生地の最大伸び方向がほぼ袖
の長さ方向に向けられているので、袖がその長さ方向に
伸び易く、しかも、当該生地を筒状に形成するための接
ぎラインが、ほぼスパイラル状に袖の周囲を斜行してい
るので、袖の長さ方向の伸びを阻害するような袖の長さ
方向に沿って袖の付け根側から袖口まで連続してほぼ直
線状に伸びる接ぎがなく、従って袖の長さ方向への伸び
が阻害されず、袖の長さ方向への伸びが十分発揮でき
る。よって、袖がずり上がって皺が発生したり、また、
肩の部分が袖先方向に引っ張られて引きつれ感が生じた
り、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着崩れが生ずるな
どの問題が少なく、着心地の良い、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類を提供する事ができ
る。すなわち、人体の上肢に於いては肘の関節部分での
皮膚の伸びが最も大きい。従って、肘を越える長さを有
するほぼ筒状の袖を具備する衣類において肘部で袖の長
さ方向の伸びがないと、肘を曲げた時に、つっぱりや袖
のずり上がりなどが生じるが、本発明の衣類は、かかる
問題点を前記構成を採用することにより改良することが
できるのである。。
【0051】(2)また、本発明の衣類に於いて、袖本
体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎライン
が、袖の付け根から袖先方向に向かって、袖の周囲をほ
ぼ1/2回転〜1回転する接ぎラインである本発明の好
ましい態様とすることにより、接ぎラインが袖の周囲を
より多く周回する場合に比べて周回数が少ないので、縫
製の手間があまりかかり過ぎず、製造コストが増大しな
いことと、周回数が多い場合に比べて接ぎ部分が少くな
るので、袖長さ方向への伸びが接ぎにより影響を受ける
機会が少くなり、袖がより長さ方向に伸びやすく、前述
した本発明の機能を十分に発揮しやすい袖を有する衣類
を提供できる。
【0052】(3)また、本発明の衣類に於いて、袖本
体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎラインが
袖の肘頭相当部位を横切らない接ぎラインである本発明
の好ましい態様とすることにより、人体の上肢に於いて
は肘の関節部分での皮膚の伸びが最も大きいので、肘を
越える長さを有するほぼ筒状の袖を具備する衣類におい
て肘部で袖の長さ方向の伸びが効果的発揮されないと、
肘を曲げた時に、つっぱりや袖のずり上がりなどが生じ
るが、本態様に於いては、袖の接ぎラインが袖の肘頭相
当部位を横切っていないので、すなわち、袖の肘頭相当
部位を外して肘頭相当部位よりも袖口側方向か或いは袖
付け根側方向を横切らせることにより、肘近傍での伸び
が効果的に発揮され、袖のずり上がりや、肩の部分が袖
先方向に引っ張られて引きつれ感が生じたり、衣類の肩
部分が腕側にずれ落ちて着崩れが生ずるなどの問題をよ
り一層少なくでき、皺の発生がより少い着心地の良い袖
を有する衣類を提供できる。
【0053】(4)また、本発明の衣類に於いて、袖本
体を構成する生地の最大伸び方向の伸度が10〜250
%である本発明の好ましい態様とすることにより、袖の
ずり上がりや、肩の部分が袖先方向に引っ張られて引き
つれ感が生じたり、衣類の肩部分が腕側にずれ落ちて着
崩れが生ずるなどの問題をより一層少なくでき、皺の発
生がより少い着心地の良い袖を有する衣類を提供でき
る。
【0054】(5)また、本発明の衣類に於いて、衣類
が身体に比較的密着して着用される衣類または運動用な
いし作業用の衣類である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、身体に比較的密着して着用される衣類の場合
には、衣類が身体の運動の影響を受けやすいので、袖の
ずり上がりや衣類の肩部分の腕方向への落ち込みや引き
つれ感の発生や皺の発生が生じやすい上に、身体に比較
的密着している分、着用時の不快感も大きく、また、運
動用ないし作業用の衣類の場合には、運動や身体を動か
す作業など、人体の動きが大きいので、本発明の構成を
採用することにより効果的に本発明の機能を生かして発
揮し得る衣類を提供できる。 (6)また、本発明の衣類に於いて、衣類が、身体に比
較的密着して着用される下着類である本発明の好ましい
態様とすることにより、これらの下着類は肌に近い部分
に人体に密着して着用されるので、人体の動きによる影
響がより大きく、また、袖のずり上がりや衣類の肩部分
の腕方向への落ち込みや、あるいは、引きつれ感の発生
等が生じた場合に、上衣の上から直すことができない衣
類であり、より効果的に本発明の機能を生かして発揮し
得る袖付きの衣類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の袖を有する衣類の一実施例の長袖肌着
の前側から見た平面図。
【図2】図1に示した長袖肌着の後側から見た平面図。
【図3】図1、図2に示した長袖肌着の左袖を衣類の上
側から見た平面図。
【図4】図1、図2に示した長袖肌着の左袖を衣類の下
側から見た平面図。
【図5】図1、図2に示した長袖肌着を構成する生地の
左身部分(左半身)の展開図。
【図6】図5に示した本発明で用いる袖用の生地1´の
パターンと図20に示した従来の長袖肌着の袖用の生地
191´のパターンとを重ね合わせて描いた比較説明
図。
【図7】本発明の袖を有する衣類の別の一実施例の長袖
肌着の前側から見た平面図。
【図8】図7に示した長袖肌着の後側から見た平面図。
【図9】図7〜8に示した長袖肌着を構成する生地の左
身部分(左半身)の展開図。
【図10】本発明の袖を有する衣類の一実施例のウイン
タムの前側から見た平面図。
【図11】図10に示したウインタムの後側から見た平
面図。
【図12】図10〜11に示したウインタムを構成する
生地の左身部分(左半身)の展開図。
【図13】本発明の袖を有する衣類の一実施例の別の態
様のウインタムの前側から見た平面図。
【図14】図13に示したウインタムの後側から見た平
面図。
【図15】図13に示したウインタムの前斜め側から見
た左半身の部分斜視図。
【図16】図13〜15に示したウインタムを構成する
生地の左身部分(左半身)の展開図。
【図17】本発明の袖を有する衣類の一実施例のスポー
ツウェアーの前側から見た斜視図。
【図18】図17に示したスポーツウェアーの後側から
見た斜視図。
【図19】従来の長袖肌着の前側から見た平面図。
【図20】図19に示した従来の長袖肌着の左身部分
(左半身)の構成生地の展開図。
【図21】従来のウインタムの前側から見た平面図。
【図22】図21に示した従来のウインタムの後側から
見た平面図。
【図23】図21〜22に示した従来のウインタムの左
身部分の構成生地の展開図。
【図24】袖の用語の説明のための袖付き衣類のほぼ左
半身を示している前側から見た斜視図。
【符号の説明】
1 袖 1´ 袖用の生地 2 前身頃 3 後身頃 4 袖本体を構成する生地を筒状に形成するための接ぎ
ライン 5 袖用の生地の最大伸び方向を示す矢印 6 袖用の生地の襠 191 袖 191´ 袖用の生地 192 前身頃 193 後身頃 194 生地の最大伸び方向を示す矢印 231 袖 231´ 袖用の生地 232 前身頃 233 後身頃 234 生地の最大伸び方向を示す矢印 240 衣類 241 衣類の袖 242 矢印 243 矢印 244 矢印 245 矢印

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肘を越える長さを有するほぼ筒状の袖を
    具備する衣類であって、前記袖本体を構成する生地が伸
    縮性の連続生地からなり、当該生地を筒状に形成するた
    めの接ぎラインが、ほぼスパイラル状に袖の周囲を斜行
    しており、前記袖本体を構成する伸縮性の連続生地の最
    大伸び方向がほぼ袖の長さ方向に向けられてなる袖を有
    する衣類。
  2. 【請求項2】 袖本体を構成する生地を筒状に形成する
    ための接ぎラインが、袖の付け根から袖先方向に向かっ
    て、袖の周囲をほぼ1/2回転〜1回転する接ぎライン
    である請求項1に記載の袖を有する衣類。
  3. 【請求項3】 袖本体を構成する生地を筒状に形成する
    ための接ぎラインが袖の肘頭相当部位を横切らない接ぎ
    ラインである請求項1または2のいずれかに記載の袖を
    有する衣類。
  4. 【請求項4】 袖本体を構成する生地の最大伸び方向の
    伸度が10〜250%である請求項1〜3のいずれかに
    記載の袖を有する衣類。
  5. 【請求項5】 衣類が、身体に比較的密着して着用され
    る衣類または運動用ないし作業用の衣類である請求項1
    〜4のいずれかに記載の袖を有する衣類。
  6. 【請求項6】 衣類が、身体に比較的密着して着用され
    る下着類である請求項1〜4のいずれかに記載の袖を有
    する衣類。
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