JPH085994B2 - 酸素不透過性の水溶性フィルム - Google Patents

酸素不透過性の水溶性フィルム

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JPH085994B2
JPH085994B2 JP63237307A JP23730788A JPH085994B2 JP H085994 B2 JPH085994 B2 JP H085994B2 JP 63237307 A JP63237307 A JP 63237307A JP 23730788 A JP23730788 A JP 23730788A JP H085994 B2 JPH085994 B2 JP H085994B2
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JP
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water
film
oxygen
soluble
cellulose ether
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清 荒梅
裕一 西山
泰明 武藤
徹 千葉
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は例えば包装材に用いるフィルムに関するもの
である。
【従来の技術】
包装材の一つとして各種のフィルムが使用されてい
る。フィルムは内包物をごみや細菌の汚染から保護し、
熱や光による化学変化を抑えている。フィルムは内包物
の性質や用途によって使い分けられる。例えば医薬品、
食品、化学品のような大気中の酸素によって化学変化が
起き易い内包物には酸素不透過性のフィルムが使用され
る。一方、水に溶解、混合して使用する内包物には水溶
性のフィルムを用いると便利である。包装材ごと水に入
れれば包装材が溶解するため包装材を取り除く必要がな
い。特に粉体の包装に使用した場合、粉体が飛び散るこ
とがなく好都合である。予め所定量が包装されたもので
あれば、使用の都度秤量する手間が省ける他、誤計量防
止にも効果的である。 特開昭57−183702号公報に水溶性セルロースエーテル
フィルムを原料としたフィルムを包装材料として用いた
例が開示されている。この公報の実施例では液状あるい
はペースト状の農薬の吸着末をメチルセルロース製の袋
に入れて使用している。また、米国のポリマーフィルム
インコーポレーテッド社のカタログ(1967年4月)に
は、製パン会社において水溶性のメチルセルロースフィ
ルム製の袋に入ったパンの原料を用いる例、食肉加工会
社で同様な袋に入った各種の香辛料を用いる例が記載さ
れている。
【発明が解決しようとする課題】
例えば食品を水溶性のセルロースエーテルフィルムで
包装した場合、時間の経過と共に食品の味や香りが変質
することがある。このフィルムはセルロースエーテルの
水溶性の機能のみを利用したもので酸素が透過可能であ
り、フィルムを透過した酸素によって食品に化学変化が
生じたためである。食品以外にも例えば水に分散または
溶解して使用する粉体状の農薬のように、大気中の酸素
によって分解し易い物質は多い。このように水溶性セル
ロースエーテルを用いたフィルムは酸素透過率が大きい
ために、酸素によって化学変化し易い物を保存するため
の材料としては適当でない。そのため水溶性と酸素不透
過性を兼ね備えた包装材が求められている。 本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、
水溶性と酸素不透過性を兼ね備えたフィルムを提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の酸素不
透過性の水溶性フィルムは、水溶性セルロースエーテル
と単糖類とを含む組成物からなる。 水溶性セルロースエーテルは、例えばメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロースから一種または複数種の物質を選択して
使用する。 単糖類は、例えばブドウ糖、果糖、マンニットから一
種または二種の物質を選択して使用する。 水溶性セルロースエーテルと単糖類との重量比は98:2
〜65:35である。水溶性セルロースエーテルに対する単
糖類の重量比が98:2よりも小さくなると酸素透過率が減
少せず、65:35を越えるとフィルムの機械強度が低下す
る。そのため水溶性セルロースエーテルと単糖類との重
量比は96:4〜70:30であることが好ましい。 組成物中にはセルロースエーテルと単糖類の他に、例
えば汎用の着色剤、可塑剤、隠蔽剤、改質剤を添加して
も良い。 着色剤は、例えば食用タール色素、天然色素、アルミ
ニウムレーキ色素等の色素が使用出来る。 可塑性はセルロース誘導体を熱可塑化するための物質
で、例えば有機酸エステル、グリセリンおよびグリセリ
ンエステル、高沸点アルコール類、グリコール類が使用
出来る。有機酸エステルとしては、例えばクエン酸トリ
エチルエステル、アセチルクエン酸トリエチルエステル
等のクエン酸エステル類、フタン酸ジメチル、フタル酸
ジエチル等のフタル酸エステル類、セバシン酸ジエチ
ル、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル類があ
げられる。グリセリンエステルとしては、例えばトリア
セチン、ジアセチンがある。高沸点アルコール類として
は、例えばベンジルアルコールのような沸点が水の沸点
よりも高いアルコールが良い。グリコール類としては、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコールがあげられる。 隠蔽剤は、例えば二酸化チタンを用いる。 改質剤は例えば界面活性剤で、フィルムの水に対する
濡れを改善するためと上記の可塑剤の水に対する溶解度
を改善するものである。 本発明の酸素不透過性の水溶性フィルムを製造するに
はセルロースエーテルと単糖類とを混合した組成物水溶
液を作り、その水溶液から水分を蒸発させて乾燥するこ
とが望ましい。 水溶液の調製方法は、通常の方法でセルロースエーテ
ルの水溶液を調製し、単糖類を加えれば良い。単糖類を
溶解した水溶液の中にセルロースエーテルを溶解しても
良い。 このフィルムを成形するには上記のようにして粘度10
〜50000cpsの組成物水溶液を調製する。その水溶液を回
転する金属ドラムや金属ベルトの表面に流延し、一定隙
間のスリットを通過させて厚さを一定にし、金属ドラム
やベルトを加熱して水分を蒸発させればフィルムが得ら
れる。同様に連続的に移動するベルトに水溶液を流延
し、乾燥機を通過させて乾燥する方法もある。水溶液を
水平な平板上に流延し、一定厚の水溶液層を形成して室
温または乾燥機で乾燥する一般的なキャスティング法に
よる成形も可能である。また上記とは別に、粘度が5000
0〜1000000cpsの水溶液を調製し、スクリューやピスト
ンを用いて所望の金型から押し出し、乾燥することによ
って成形しても良い。 なおフィルムの厚みは用途によって種々異なるが、0.
01〜2.0mmの範囲であれば良い。
【作用】
本発明の酸素不透過性の水溶性フィルムは酸素の透過
率が低く水に可溶である。このフィルムを包装材料に用
いて化学品や医薬品を包装すれば、大気中の酸素による
化学変化が防止される。食品を密封すれば、食品の味や
香りが変質することがない。内包物を水に添加する時
は、このフィルムで包装したまま水に入れればフィルム
は水に溶解する。
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。 実施例には以下の物質を使用する。 ・水溶性セルロースエーテル: ヒドロキシプロピルメチルセルロース(A)メトキシ基
含料 23.0重量% ヒドロキシプロポキシル基含料 7.0重量% (2重量%水溶液の20℃における粘度が6.3センチスト
ークス)信越化学(株)製 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(B)メトキシ基
含料 28.5重量% ヒドロキシプロポキシル基含料 9.3重量% (2重量%水溶液の20℃における粘度が5.8センチスト
ークス)信越化学(株)製 ・単糖類 ブドウ糖 果糖 実施例1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(A)の10重量
%水溶液に単糖類としてブドウ糖を30重量%添加し、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースとブドウ糖の重量比
が76.9:23.1の混合溶液を調製した。その混合溶液をガ
ラス板上に流延し、25℃の室内に一昼夜放置して乾燥
し、厚さ0.1mmの透明なフィルムを作製した。 実施例2 単糖類として果糖を使用する他は実施例1と同様にし
てフィルムを作製した。 実施例3〜7 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(B)の10重量%
水溶液に単糖類として果糖を添加し、夫々の実施例につ
いて所定重量比のヒドロキシプロピルメチルセルロース
と果糖の混合溶液を調製した。その混合溶液を用いて実
施例1と同様にしてフィルムを作製した。 比較例1 ブドウ糖を添加しない他は実施例1と同様にしてヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(A)単独のフィルム
を作製した。 比較例2 果糖を添加しない他は実施例3〜7と同様にしてヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(B)単独のフィルム
を作製した。 比較例3 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(B)とブドウ
糖の重量比を63:37にする他は実施例3〜7と同様にし
てフィルムを作製した。 実施例1〜7および比較例1〜3で得られたフィルム
の諸特性を以下の方法で測定した。 ・酸素透過率 フィルムを直径30mmの円形に切り抜いて試料とし、気
体透過率測定装置K−315N−02型、理化精機工業(株)
製を用いて、フィルムの酸素透過率を測定する。 ・引張強度 フィルムを1号ダンベルで打ち抜き、オートグラフDS
S−10T−S型、島津製作所製を用いてフィルムの引張強
度を測定する。 ・溶解時間 フィルムを10×10mmに裁断し、富山産業(株)製の日
本薬局方崩壊試験法に準じた装置を用いて30℃の水中で
のフィルムの溶解時間を測定する。 ・折り曲げ試験 フィルムを10×20mmに切り出し、その長手方向を指で
二つ折りにし、その折目の状態を観察する。 第1表に各実施例および比較例の組成、酸素透過率、
引張り強度および溶解時間および折り曲げ試験の結果を
示す。
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の酸素不透過性の
水溶性フィルムは酸素不透過性および水溶性を兼ね備え
ていると共に十分な機械強度も有している。 このフィルムで形成した包装材は大気中の酸素を遮断
するため、酸素による内包物の化学変化を防止すること
が出来る。また、このフィルムは水に溶解するため、内
包物を水に添加する際に包装材を分離除去する必要がな
く、包装材ごと添加することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 泰明 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 千葉 徹 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭49−47460(JP,A) 特開 昭52−33893(JP,A) 特開 昭59−189141(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性セルロースエーテルと単糖類とを含
    む組成物からなり、その重量比が98:2〜65:35であるこ
    とを特徴とする酸素不透過性の水溶性フィルム。
  2. 【請求項2】前記水溶性セルロースエーテルがメチルセ
    ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
    ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエ
    チルメチルセルロースから選ばれる一種または複数種の
    物質であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の酸素不透過性の水溶性フィルム。
  3. 【請求項3】前記単糖類がブドウ糖、果糖、マンニット
    から選ばれる一種または二種の物質であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の酸素不透過性の水溶性
    フィルム。
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JP5757681B2 (ja) * 2009-08-12 2015-07-29 富士フイルム株式会社 セルロース誘導体、樹脂組成物、成形体及びその製造方法並びに電気電子機器用筐体

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