JPH0858224A - 情報担持体 - Google Patents

情報担持体

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JPH0858224A
JPH0858224A JP6220900A JP22090094A JPH0858224A JP H0858224 A JPH0858224 A JP H0858224A JP 6220900 A JP6220900 A JP 6220900A JP 22090094 A JP22090094 A JP 22090094A JP H0858224 A JPH0858224 A JP H0858224A
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JP
Japan
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refractive index
optically variable
reflected light
transmitted light
index layer
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Application number
JP6220900A
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English (en)
Inventor
Takahiro Harada
隆宏 原田
Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0858224A publication Critical patent/JPH0858224A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偽造・変造がされ難くかつこれ等偽造・変造
がなされた場合にもその事実が肉眼により簡単に判定可
能な情報担持体を提供する。 【構成】 この情報担持体(透明カード)50は、透明カ
ード基材51と、光透過性の光学可変性フレークを含有し
入射光の角度に応じ2以上の異なる色の間で色ずれを生
じさせる光学可変性インキにて形成された識別部52とで
その主要部が構成される。そして上記識別部からの反射
光は2以上の異なる色の間で色ずれを生じさせる一方、
カード基材を透過した透過光はその時の角度位置におけ
る反射光の補色の関係にあり、見る角度位置によって反
射光との補色関係を維持したままシフトし2以上の異な
る色の間で色ずれを生じさせる。従って、情報担持体に
設けられた識別部における反射光の特有の色ずれと透過
光の特有の色ずれを各々確認することにより情報担持体
の真偽を判定することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パスポート、運転免許
証、株券、債券、小切手、IDカード、クレジットカー
ド、ギフトカード等の情報担持体に係り、特に、偽造・
変造がされ難く、かつ、これ等偽造・変造がなされた場
合にもその事実が肉眼により簡単に判定可能な情報担持
体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーコピー機の普及に伴い、株
券、債券、小切手、通帳、宝くじ等の証券類についてこ
れを偽造する事件が多発している。
【0003】一方、パスポートや運転免許証等の身分証
明書にはその所有者が本人であるかどうかを識別するた
めの顔写真欄やサイン欄が設けられているが、最近、こ
れ等の欄を改ざん、変造して悪用する事件が多発してい
る。
【0004】そこで、従来においてはこれ等偽造・変造
等の防止を図るため、ロイコ染料等の赤外線吸収物質を
含有する印刷インキを用い上記証券類、身分証明書等の
任意部位に赤外線読取り装置にて機械読取り可能な情報
パターンを設ける方法が採られていた。すなわち、前者
の偽造コピーに対しては、複写機本体に上記情報パター
ンを機械読取りできる手段を設けると共にこの情報パタ
ーンが複写機により読取られた場合にはコピー操作を停
止する制御手段を設けることによりその防止を図ってお
り、また、後者の改ざん等に対しては、作成されたパス
ポートや運転免許証等の身分証明書について赤外線読取
り装置にて機械読取りを行い上記情報パターンの有無を
判別して真偽の判定を行っている。
【0005】しかし、ロイコ染料等の赤外線吸収物質は
可視領域においても光吸収性を有しているため、上記情
報パターンは赤外線読取装置にて機械読取りされると共
に肉眼でもその存在が判読され易く依然として上記偽造
や変造等を有効に防止する手段としては不十分であっ
た。
【0006】他方、上記証券類や身分証明書等の任意部
位にホログラム層を形成し、このホログラム層から再現
されるホログラムパターンの有無により上述した偽造・
変造等を防止する方法も開発されている。すなわち、こ
のホログラム層は、その樹脂層表面に形成された干渉縞
から成る凹凸パターンによりその主要部が構成され、表
面に白色光が照射されると凹凸パターン面による反射回
折光が互いに干渉して結像しその結像位置に上述したホ
ログラムパターンを再現するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このホログ
ラム層についてもホログラムの知識を有する者にとって
は比較的簡単にその偽造が可能であるという問題点を有
していた。すなわち、身分証明書等の任意部位に形成さ
れたホログラム層に対してレーザ光を照射し、かつ、そ
の反射レーザ光を予めセットした感光性材料へ入射させ
ることにより、上記ホログラム層に形成された凹凸パタ
ーンをその感光性材料に複写する、いわゆるデッドコピ
ーが比較的容易に行えるからであった。
【0008】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、偽造・変造がされ
難く、かつ、これ等偽造・変造がなされた場合にもその
事実が肉眼により簡単に判定可能な情報担持体を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明に係る情報担持体は、光透過性の光学可変性フレ
ークを含有し入射光の角度に応じて2以上の異なる色の
間で色ずれを生じさせる光学可変性インキにより形成さ
れた真偽判定用の識別部が基材上の任意箇所に設けら
れ、かつ、基材の少なくとも上記識別部の形成された部
位が光透過性を有することを特徴とするものである。
【0010】この請求項1に係る発明において光学可変
性インキに含有された光透過性の光学可変性フレーク
は、光学的膜厚(n・d,nは屈折率、dは物理的膜
厚)を有する低屈折率層と高屈折率層のセラミックス材
料を交互に組み合わせた多層光学薄膜から成り、所定の
波長領域の光線を反射あるいは透過させると共に、見る
角度を代えることにより(すなわち入射光の角度に応じ
て)薄膜内の光路長が変化し、透過光あるいは反射光の
色が変わって見える光学特性を有する。このため、上記
光学可変性インキで形成された識別部からの反射光は2
以上の異なる色の間で色ずれを生じさせる一方、光透過
性の基材を透過した透過光はその時の角度位置における
反射光の補色の関係にあり、見る角度位置によって反射
光との補色関係を維持したままシフトし2以上の異なる
色の間で色ずれを生じさせる。
【0011】従って、情報担持体に設けられた上記識別
部における反射光の特有の色ずれ並びに透過光の特有の
色ずれを各々肉眼にて確認することにより情報担持体の
真偽を判定することが可能となる。
【0012】また、上記光学可変性フレークの上述した
光学特性は、この光学可変性フレークを構成する多層光
学薄膜の各膜厚、膜総数、各薄膜を構成する材料の種類
とその組み合わせ等により大きく変化し、これ等パラメ
ータが僅かに相違するだけでその光学特性は大きく相違
する。
【0013】従って、上記識別部を構成する光学可変性
インキを検査してこのインキに含有された光学可変性フ
レークと同一の光学特性を有するフレークを調製しよう
としても実際上困難なため、情報担持体の偽造・変造を
確実に防止することが可能になり、かつ、その偽造・変
造がなされた場合にも上記識別部における反射光の色ず
れ並びに透過光の色ずれの違いを肉眼にて確認すること
により偽造・変造の事実を簡単に判定することが可能と
なる。
【0014】尚、上記識別部が形成される基材について
は、基材の少なくとも識別部の設けられる部位が光透過
性を有していればよく、基材全体が光透過性を有する材
料で基材を構成しても、あるいは、識別部が設けられる
部位のみが光透過性を有し他の部位は光透過性を有さな
い材料で基材を構成してもよく、情報担持体の用途に応
じてプラスチックフィルム、シート、合成紙等任意の材
料を選択することができる。また、基材の識別部が設け
られる部位に適宜インキにより文字パターン、バーコー
ドパターン、図形パターン等の情報パターンを形成する
ことにより、真偽判定の対象が、識別部における反射光
並びに透過光の色ずれ情報と上記情報パターンになるた
め、判定の対象が増える分情報担持体の偽造・変造をよ
り確実に防止することが可能となる。請求項2に係る発
明はこの様な技術的理由によりなされている。
【0015】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る情報担持体を前提とし、真偽判定用
の情報パターンが上記基材の識別部の形成された部位に
設けられていることを特徴とするものである。
【0016】次に、上記識別部における反射光並びに透
過光の色ずれ情報の精度を高めるためには、識別部を構
成する光学可変性インキに含有される光学可変性フレー
クの反射光域における反射率が50%以上、その透過光
域における透過率が50%以上であることが望ましく、
より好ましくは光学可変性フレークの反射光域における
反射率が70%以上、その透過光域における透過率が7
0%以上であることが望ましい。請求項3及び請求項4
に係る発明はこの様な技術的理由に基づきなされてい
る。
【0017】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は2記載の発明に係る情報担持体を前提とし、上記
光学可変性フレークが、その反射光域における反射率が
50%以上、その透過光域における透過率が50%以上
の光学特性を有することを特徴とし、請求項4に係る発
明は、上記光学可変性フレークが、その反射光域におけ
る反射率が70%以上、その透過光域における透過率が
70%以上の光学特性を有することを特徴とする。
【0018】また、上記光学可変性フレークは上述した
ように低屈折率層と高屈折率層のセラミックス材料を交
互に組み合わせた多層光学薄膜から成るが、この多層光
学薄膜の合計膜厚については、上述した光学特性を実現
しかつ基材に形成される識別部が見掛け上平坦になるこ
とを考慮して、その合計膜厚が1.2μm未満、より好
ましくは0.6μm以下であることが望ましい。また、
多層光学薄膜の合計膜数については、最低2層において
上述した光学特性を実現する一方、過度に積層すると光
学可変性フレークの光透過性が損なわれるため、その合
計膜数は5層以下であることが望ましい。更に、上記低
屈折率層と高屈折率層における屈折率の差については、
上記識別部における反射光の色ずれ並びに透過光の色ず
れのコントラスト及び鮮明さを考慮して0.3以上、好
ましくは0.5以上であることがよい。請求項5〜11
に係る発明はこの様な技術的要請からなされている。
【0019】すなわち、請求項5に係る発明は、請求項
1〜請求項4のいずれかに記載の情報担持体を前提と
し、上記光学可変性フレークが多層薄膜構造を有してい
ることを特徴とし、請求項6に係る発明は、請求項5記
載の情報担持体を前提とし、上記多層薄膜の合計膜厚が
1.2μm未満であることを特徴とし、また、請求項7
に係る発明は、上記多層薄膜の合計膜厚が0.6μm以
下であることを特徴とする。
【0020】次に、請求項8に係る発明は、請求項5記
載の情報担持体を前提とし、上記多層薄膜の合計膜数が
2層から5層であることを特徴とし、また、請求項9に
係る発明は、上記多層薄膜構造が、交互に配置された高
屈折率層と低屈折率層とで構成されていることを特徴と
する。
【0021】また、請求項10に係る発明は、請求項9
記載の発明に係る情報担持体を前提とし、上記高屈折率
層と低屈折率層における屈折率の差が、0.3以上であ
ることを特徴とし、請求項11に係る発明は、上記高屈
折率層と低屈折率層がセラミックス材料により構成され
ていることを特徴とする。
【0022】次に、上記光学可変性フレークにおける高
屈折率層に適用できる構成材料としては、二酸化チタン
(屈折率n=2.3)、二酸化ジルコニウム(屈折率n
=2.1)、硫化亜鉛(屈折率n=2.3)、二酸化セ
リウム(屈折率n=2.3〜2.5)、酸化亜鉛(屈折
率n=2.1)、酸化タンタル(屈折率n=2.2)、
酸化インジウム(屈折率n=2.0)、酸化錫(屈折率
n=2.0)、酸化錫−酸化インジウムの混合物(IT
O,屈折率n=2.0)等のセラミック材料があり、他
方、低屈折率層に適用できる構成材料としては、フッ化
マグネシウム(屈折率n=1.4)、フッ化カルシウム
(屈折率n=1.4)、フッ化セリウム(屈折率n=
1.63)、フッ化アルミニウム(屈折率n=1.
3)、二酸化珪素(屈折率n=1.5)、酸化アルミニ
ウム(屈折率n=1.6)、酸化マグネシウム(屈折率
n=1.6)、フッ化マグネシウム(屈折率n=1.
4)等のセラミック材料がある。尚、上述したように多
層光学薄膜の各膜厚、膜総数、各薄膜を構成する材料の
種類とその組み合わせ等を変更することにより透過光及
び反射光の光学特性を変えることができる。また、上記
に掲げた以外の材料についても、高屈折率層と低屈折率
層における屈折率の差が0.3以上の組合せであれば特
に物質には限定されない。請求項12及び13は高屈折
率層及び低屈折率層を構成する材料を特定した発明に関
する。
【0023】すなわち、請求項12に係る発明は、請求
項9記載の発明に係る情報担持体を前提とし、上記高屈
折率層が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、硫化亜
鉛、二酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化イ
ンジウム、酸化錫、及び、酸化錫−酸化インジウムの混
合物から選択されたセラミックス材料により構成されて
いることを特徴とし、また、請求項13に係る発明は、
上記低屈折率層が、フッ化マグネシウム、フッ化カルシ
ウム、フッ化セリウム、フッ化アルミニウム、二酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び、フッ
化マグネシウムから選択されたセラミックス材料により
構成されていることを特徴とするものである。
【0024】次に、光学可変性フレークを構成する多層
薄膜の成膜手段については、各薄膜の膜厚制御が可能な
方式ならばいかなる成膜方法も適用可能である。中でも
薄膜の成膜には乾式法が優れており、これには通常の真
空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法やCV
D法のような化学的気相成長法を用いることができる。
特に、真空ロールコーターを用いた光学可変性フレーク
の製造方法は工業的に適している。
【0025】また、光学可変性インキについては、上記
光学可変性フレークを顔料と同様にインキビヒクル中に
分散させることにより得ることができる。この様なイン
キビヒクルとしては何れの種類のものを使用してもよ
く、上記識別部の印刷方法、識別部が形成される基材の
種類、他の印刷条件に合わせて適正なビヒクル条件を設
定すればよい。例えば、セルロース系、塩化ビニル、ア
クリル、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ等の樹脂
をバインダーにして、蒸発乾燥、酸化重合、二液反応、
光硬化等の乾燥方式を用いることができる。
【0026】また、上記印刷方法としては、凸版印刷、
グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の方
法があり、適宜な方法を選択すればよい。
【0027】この時、注意しなければならないこととし
て、光学可変性フレークをインキビヒクル中に均一に分
散させ、しかも光学可変性フレークの光学特性を損なわ
ないようにするためには、光学可変性フレークの粒径が
2〜20μmであることが望ましい。しかし、印刷方
法、インキの粘度等により、この範囲において適正な光
学可変性フレークの粒径を適宜設定してビヒクル中に分
散させ使用できる。
【0028】尚、この情報担持体の適用対象としては、
上述したパスポートや運転免許証等の各種身分証明書、
株券、債券、小切手、通帳、宝くじ、乗車券、回数券、
定期券等の証券類に加えて、IDカード、クレジットカ
ード,キャッシュカード、ギフトカード等のプラスチッ
クカード、テレホンカードに代表されるプリペイドカー
ドといった金券に変わる証券関連商品、及び、紙幣等が
挙げられる。
【0029】
【作用】請求項1及び請求項3〜13記載の発明に係る
情報担持体によれば、光透過性の光学可変性フレークを
含有し入射光の角度に応じて2以上の異なる色の間で色
ずれを生じさせる光学可変性インキにより形成された真
偽判定用の識別部が基材上の任意箇所に設けられ、か
つ、基材の少なくとも上記識別部の形成された部位が光
透過性を有することを特徴としている。
【0030】そして、上記光学可変性インキに含有され
た光透過性の光学可変性フレークは、所定の波長領域の
光線を反射あるいは透過させると共に、見る角度を代え
ることにより(すなわち入射光の角度に応じて)透過光
あるいは反射光の色が変わって見える光学特性を有す
る。このため、上記光学可変性インキで形成された識別
部からの反射光は2以上の異なる色の間で色ずれを生じ
させる一方、光透過性の基材を透過した透過光はその時
の角度位置における反射光の補色の関係にあり、見る角
度位置によって反射光との補色関係を維持したままシフ
トし2以上の異なる色の間で色ずれを生じさせる。
【0031】従って、情報担持体に設けられた上記識別
部における反射光の特有の色ずれ並びに透過光の特有の
色ずれを各々確認することにより情報担持体の真偽を判
定することが可能となる。
【0032】また、上記識別部を構成する光学可変性イ
ンキを検査してこのインキに含有された光学可変性フレ
ークと同一の光学特性を有するフレークを調製しようと
しても実際上困難なため、情報担持体の偽造・変造を確
実に防止することが可能になり、かつ、その偽造・変造
がなされた場合にも上記識別部における反射光の色ずれ
並びに透過光の色ずれの違いを肉眼にて確認することに
より偽造・変造の事実を簡単に判定することが可能とな
る。
【0033】他方、請求項2及び請求項3〜13記載の
発明に係る情報担持体によれば、真偽判定用の情報パタ
ーンが上記基材の識別部の形成された部位に設けられて
おり、情報担持体における真偽判定の対象が、識別部に
おける反射光並びに透過光の色ずれ情報と上記情報パタ
ーンになるため、判定の対象が増える分、情報担持体の
偽造・変造をより確実に防止することが可能となる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0035】尚、本発明の実施例に先だって実施例にお
いて適用される複数の光学可変性インキ(調製例1〜3
1、及び、比較例1〜5)をそれぞれ調製し、かつ、こ
れを下記の適宜基材に印刷して目視により光学可変性を
評価した。 「光学可変性インキの調製」すなわち、この光学可変性
インキは、図2に示された3層薄膜構造若しくは図3に
示された5層薄膜構造の光学可変性フレークと、インキ
ビヒクルとしてのポリエステル系樹脂と酢酸エチルと、
さらに光学可変性フレークの分散を良くする補助剤を所
定の配合比で混合して調製されている。
【0036】上記補助剤としては、何れの種類のものを
使用してもよく、印刷方法、基材の種類、他の印刷条件
に合わせて材料、配合比を適正条件になるように設定し
ている。例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤を分散
剤を用いることができるが、この実施例においては非イ
オン性界面活性剤が適用されている。
【0037】そして、調製された光学可変性インキを、
透明ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィル
ムにバーコーターにより塗布又はスクリーン印刷により
パターン状に印刷し、インキ塗膜が形成された透明ポリ
エステルフィルム、黒色ポリエステルフィルムの可視の
透過スペクトルと反射スペクトルを紫外・可視分光光度
計により測定し(但し、調製例31のデータのみ示
す)、かつ、目視により光学可変性(すなわち、『補
色』『色変化』『視認性』)を評価した。 {調製例1}まず、光学可変性フレーク10を図2に示
すように高屈折率層1、低屈折率層2及び高屈折率層1
の3層薄膜構造とし、かつ、高屈折率層1として硫化亜
鉛及び低屈折率層2としてフッ化マグネシウムを適用す
ると共に、3層薄膜の合計膜厚を0.5μm以下とし
た。また、光学可変性フレーク10の粒径が2〜20μ
mの範囲内のものを適用し、かつ、上記ビヒクル中に分
散させて光学可変性インキとした。
【0038】次に、この光学可変性インキのインキ塗膜
が形成された透明ポリエステルフィルム及び黒色ポリエ
ステルフィルムの上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向
から見た場合、透過光における吸収の中心波長つまり反
射の中心波長は580nmとし、反射光は黄色にかつ透
過光は青紫色に見えた。この時、反射光の反射率は70
%以上、透過光域の透過率も70%以上であった。一
方、フィルムを45度傾けた場合には、中心波長は低波
長側にシフトし、反射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に
色変化が生じ、視認性は良好であった。
【0039】この様に、反射光が2つ以上の異なる色の
間で色ずれを生じると同時に、透過光がその時の角度位
置における反射光の補色関係にあり、見る角度位置によ
って反射光との補色関係を維持したままシフトし2つ以
上の異なる色の間で色ずれが生じた。
【0040】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。
【0041】尚、『補色』の項目においては補色関係の
コントラストが極めて明瞭に確認できるのものを◎、明
瞭のものを○、不明瞭のものを×で表示し、『色変化』
の項目においては色ずれが極めて明瞭に確認できるもの
を◎、明瞭のものを○、不明瞭のものを×で表示し、ま
た、『視認性』の項目においては上記『補色』並びに
『色変化』が肉眼により極めて明瞭に確認できるものを
◎、明瞭のものを○、不明瞭のものを×で表示してい
る。 {調製例2}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として硫化亜鉛及び低屈折率層2としてフッ化カル
シウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚
並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性フ
レークと同一である。
【0042】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0043】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例3}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として硫化亜鉛及び低屈折率層2としてフッ化アル
ミニウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性
フレークと同一である。
【0044】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0045】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例4}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化ジルコニウム及び低屈折率層2として
二酸化珪素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0046】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0047】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例5}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化ジルコニウム及び低屈折率層2として
フッ化マグネシウムが適用されている点を除き、3層薄
膜の合計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る
光学可変性フレークと同一である。
【0048】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0049】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例6}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化ジルコニウム及び低屈折率層2として
フッ化アルミニウムが適用されている点を除き、3層薄
膜の合計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る
光学可変性フレークと同一である。
【0050】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0051】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例7}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン及び低屈折率層2として二酸化
珪素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚並
びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性フレ
ークと同一である。
【0052】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0053】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例8}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン及び低屈折率層2として酸化マ
グネシウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0054】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0055】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例9}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン及び低屈折率層2として酸化ア
ルミニウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0056】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0057】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例10}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として二酸化セリウム及び低屈折率層2として二
酸化珪素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性
フレークと同一である。
【0058】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0059】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例11}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として二酸化セリウム及び低屈折率層2としてフ
ッ化セリウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合
計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0060】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0061】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例12}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として二酸化セリウム及び低屈折率層2として酸
化アルミニウムが適用されている点を除き3層薄膜の合
計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0062】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0063】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例13}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化亜鉛及び低屈折率層2として二酸化珪
素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚並び
にフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性フレー
クと同一である。
【0064】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過の吸収の中心波長つまり反射の中心波長は580nm
とし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見えた。こ
の時、反射光の反射率は70%以上、透過光域の透過率
も70%以上であった。一方、フィルムを45度傾けた
場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は緑
色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認性は良好
であった。
【0065】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例14}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化亜鉛及び低屈折率層2としてフッ化マ
グネシウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0066】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0067】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例15}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化亜鉛及び低屈折率層2としてフッ化ア
ルミニウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0068】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0069】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例16}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化タンタル及び低屈折率層2として二酸
化珪素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚
並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性フ
レークと同一である。
【0070】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0071】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表1に示す。 {調製例17}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化タンタル及び低屈折率層2としてフッ
化マグネシウムが適用されている点を除き3層薄膜の合
計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0072】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0073】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例18}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化タンタル及び低屈折率層2としてフッ
化アルミニウムが適用されている点を除き3層薄膜の合
計膜厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0074】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0075】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例19}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化インジウム及び低屈折率層2として二
酸化珪素が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性
フレークと同一である。
【0076】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0077】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例20}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化インジウム及び低屈折率層2としてフ
ッ化マグネシウムが適用されている点を除き、3層薄膜
の合計膜厚並びにフレークの粒径等は上述した調製例1
に係る光学可変性フレークと同一である。
【0078】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0079】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例21}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化インジウム及び低屈折率層2としてフ
ッ化アルミニウムが適用されている点を除き、3層薄膜
の合計膜厚並びにフレークの粒径等は上述した調製例1
に係る光学可変性フレークと同一である。
【0080】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0081】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例22}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫及び低屈折率層2として二酸化珪素
が適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚並びに
フレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性フレーク
と同一である。
【0082】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0083】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例23}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫及び低屈折率層2としてフッ化マグ
ネシウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性
フレークと同一である。
【0084】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0085】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例24}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫及び低屈折率層2としてフッ化アル
ミニウムが適用されている点を除き、3層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例1に係る光学可変性
フレークと同一である。
【0086】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過の吸収の中心波長つまり反射の中心波長は580nm
とし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見えた。こ
の時、反射光の反射率は70%以上、透過光域の透過率
も70%以上であった。一方、フィルムを45度傾けた
場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は緑
色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認性は良好
であった。
【0087】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例25}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫−酸化インジウムの混合物(IT
O)及び低屈折率層2として二酸化珪素が適用されてい
る点を除き3層薄膜の合計膜厚並びにフレークの粒径等
は調製例1に係る光学可変性フレークと同一である。
【0088】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0089】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例26}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫−酸化インジウムの混合物(IT
O)及び低屈折率層2としてフッ化マグネシウムが適用
されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚並びにフレー
クの粒径等は調製例1に係る光学可変性フレークと同一
である。
【0090】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0091】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例27}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として酸化錫−酸化インジウムの混合物(IT
O)及び低屈折率層2としてフッ化アルミニウムが適用
されている点を除き、3層薄膜の合計膜厚並びにフレー
クの粒径等は調製例1に係る光学可変性フレークと同一
である。
【0092】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0093】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例28}まず、光学可変性フレーク10を図3に
示すように高屈折率層1、低屈折率層2、高屈折率層
1、低屈折率層2及び高屈折率層1の5層薄膜構造と
し、かつ、高屈折率層1として二酸化ジルコニウム及び
低屈折率層2として二酸化珪素を適用すると共に、5層
薄膜の合計膜厚を1.0μm以下とした。また、光学可
変性フレーク10の粒径が2〜20μmの範囲内のもの
を適用し、かつ、上記ビヒクル中に分散させて光学可変
性インキとした。
【0094】次に、この光学可変性インキのインキ塗膜
が形成された透明ポリエステルフィルム及び黒色ポリエ
ステルフィルムの上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向
から見た場合、透過光における吸収の中心波長つまり反
射の中心波長は580nmとし、反射光は黄色にかつ透
過光は青紫色に見えた。この時、反射光の反射率は80
%以上、透過光域の透過率も80%以上であった。一
方、フィルムを45度傾けた場合には、中心波長は低波
長側にシフトし、反射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に
色変化が生じ、視認性は良好であった。
【0095】この様に、反射光が2つ以上の異なる色の
間で色ずれを生じると同時に、透過光がその時の角度位
置における反射光の補色関係にあり、見る角度位置によ
って反射光との補色関係を維持したままシフトし2つ以
上の異なる色の間で色ずれが生じた。
【0096】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例29}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として二酸化セリウム及び低屈折率層2としてフ
ッ化セリウムが適用されている点を除き5層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例28に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0097】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は80%以上、透過光域
の透過率も80%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0098】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例30}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として二酸化チタン及び低屈折率層2として酸化
アルミニウムが適用されている点を除き5層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例28に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0099】光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化セリウム及び低屈折率層2としてフッ
化セリウムが適用されている点を除き5層薄膜の合計膜
厚並びにフレークの粒径等は調製例28に係る光学可変
性フレークと同一である。
【0100】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見
えた。この時、反射光の反射率は70%以上、透過光域
の透過率も70%以上であった。一方、フィルムを45
度傾けた場合には、中心波長は低波長側にシフトし、反
射光は緑色にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認
性は良好であった。
【0101】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {調製例31}光学可変性フレーク10における高屈折
率層1として硫化亜鉛及び低屈折率層2としてフッ化マ
グネシウムが適用されている点を除き、5層薄膜の合計
膜厚並びにフレークの粒径等は調製例28に係る光学可
変性フレークと同一である。
【0102】そして、このインキ塗膜が形成された黒色
ポリエステルフィルムにおける反射光の可視スペクトル
を図4に、同じくインキ塗膜が形成された透明ポリエス
テルフィルムにおける透過光の可視スペクトルを図5に
示すと共に、上記ポリエステルフィルムの上記インキ塗
膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透過光における
吸収の中心波長つまり反射の中心波長は580nmと
し、反射光は黄色にかつ透過光は青紫色に見えた。この
時、反射光の反射率は80%以上、透過光域の透過率も
80%以上であった。一方、フィルムを45度傾けた場
合には、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は緑色
にかつ透過光は赤紫色に色変化が生じ、視認性は良好で
あった。
【0103】この調製例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表2に示す。 {比較例1}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として酸化アルミニウム(屈折率n=1.6)及び
低屈折率層2として二酸化珪素(屈折率n=1.5)が
適用され、かつ、3層薄膜の合計膜厚が0.6μm以下
である点を除きフレークの粒径等は調製例1に係る光学
可変性フレークと同一である。
【0104】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は薄い黄色にかつ透過光は薄い青
紫色に見えた。また、フィルムを45度傾けた場合に
は、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は薄い緑色
にかつ透過光は薄い赤紫色に色変化が生じたが、高屈折
率層1と低屈折率層2との屈折率差が0.3未満である
ため『補色』関係のコントラストが明瞭でなく、かつ、
『色変化』も不鮮明で『視認性』は不良であった。
【0105】この比較例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表3に示す。
【0106】この様に、反射光が2つ以上の異なる色の
間で色ずれを生じ、かつ、透過光がその時の角度位置に
おける反射光の補色関係にあり、見る角度位置によって
反射光との補色関係を維持したままシフトし2つ以上の
異なる色の間で色ずれを生じたが、上述したように高屈
折率層1と低屈折率層2との屈折率差が不十分なため反
射光と透過光の色変化が確認し難く、その偽造・変造防
止性は良好ではなかった。 {比較例2}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として酸化アルミニウム(屈折率n=1.6)及び
低屈折率層2として二酸化珪素(屈折率n=1.5)が
適用されている点を除き、5層薄膜の合計膜厚並びにフ
レークの粒径等は調製例28に係る光学可変性フレーク
と同一である。
【0107】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は薄い黄色にかつ透過光は薄い青
紫色に見えた。また、フィルムを45度傾けた場合に
は、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は薄い緑色
にかつ透過光は薄い赤紫色に色変化が生じたが、高屈折
率層1と低屈折率層2との屈折率差が0.3未満である
ため『補色』関係のコントラストが明瞭でなく、かつ、
『色変化』も不鮮明で『視認性』は不良であった。
【0108】この比較例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表3に示す。 {比較例3}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン(屈折率n=2.3)及び低屈
折率層2として二酸化ジルコニウム(屈折率n=2.
1)が適用され、かつ、3層薄膜の合計膜厚が0.6μ
m以下である点を除きフレークの粒径等は調製例1に係
る光学可変性フレークと同一である。
【0109】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は薄い黄色にかつ透過光は薄い青
紫色に見えた。また、フィルムを45度傾けた場合に
は、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は薄い緑色
にかつ透過光は薄い赤紫色に色変化が生じたが、高屈折
率層1と低屈折率層2との屈折率差が0.3未満である
ため『補色』関係のコントラストが明瞭でなく、かつ、
『色変化』も不鮮明で『視認性』は不良であった。
【0110】この比較例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表3に示す。 {比較例4}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン(屈折率n=2.3)及び低屈
折率層2として二酸化ジルコニウム(屈折率n=2.
1)が適用されている点を除き、5層薄膜の合計膜厚並
びにフレークの粒径等は調製例28に係る光学可変性フ
レークと同一である。
【0111】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、透
過光における吸収の中心波長つまり反射の中心波長は5
80nmとし、反射光は薄い黄色にかつ透過光は薄い青
紫色に見えた。また、フィルムを45度傾けた場合に
は、中心波長は低波長側にシフトし、反射光は薄い緑色
にかつ透過光は薄い赤紫色に色変化が生じたが、高屈折
率層1と低屈折率層2との屈折率差が0.3未満である
ため『補色』関係のコントラストが明瞭でなく、かつ、
『色変化』も不鮮明で『視認性』は不良であった。
【0112】この比較例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表3に示す。 {比較例5}光学可変性フレーク10における高屈折率
層1として二酸化チタン(屈折率n=2.3)及び低屈
折率層2として二酸化珪素(屈折率n=1.5)が適用
され、かつ、第3層目に高屈折率層でなしにアルミニウ
ムの反射層を適用すると共に、5層薄膜の合計膜厚を
1.0μm以下とした。また、光学可変性フレーク10
の粒径が2〜20μmの範囲内のものを適用し、かつ、
上記ビヒクル中に分散させて光学可変性インキとした。
【0113】そして、このインキ塗膜が形成された透明
ポリエステルフィルム及び黒色ポリエステルフィルムの
上記インキ塗膜に対しこれを垂直方向から見た場合、反
射の中心波長は580nmとし、反射光は薄い黄色に見
えたがアルミニウムの反射層に遮られて透過光は見えな
かった。また、フィルムを45度傾けた場合には、中心
波長は低波長側にシフトし、反射光は薄い緑色に色変化
したが上記反射層に遮られて透過光は見えなかった。
尚、反射光の『色変化』は鮮明で『視認性』は良好であ
った。
【0114】このように反射光が二つ以上の異なる色の
間で色ずれを生じたが、透過光は反射層に遮られ反射光
との補色関係がなく透過光の色変化を利用することはで
きなかった。
【0115】この比較例に係る光学可変性インキの薄膜
構造、各薄膜の構成材料、及び『補色』『色変化』『視
認性』の各評価結果を表3に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】 [実施例]次に、調製例31の光学可変性インキを用い
て識別部を形成した本発明の実施例に係る透明カード
(情報担持体)について説明する。
【0119】すなわち、この透明カード50は、図1
(A)〜(B)に示すように透明ポリエステルシートか
ら成るカード基材51と、このカード基材51の右端下
側に設けられ上述した調製例31の光学可変性インキか
ら成る識別部52とでその主要部が構成され、上記カー
ド基材51の識別部52が設けられた部位には黒色顔料
を含む黒色インキにて形成された『TOP OK』なる
文字パターン(情報パターン)53が設けられていると
共にカード基材51の他の部位には情報担持体としての
各種データ(例えば、『MEMBER’S CARD』
等の文字情報)が印刷形成されている。
【0120】そして、この透明カード50の識別部52
を垂直方向から見た場合、透過光における吸収の中心波
長つまり反射の中心波長は580nmとし、反射光α1
は黄色に見えると共に、その透過光β1 は黄色の補色で
ある青紫色に見えた。この時、反射光α1 の反射率は8
0%以上、透過光域の透過率も80%以上であった。一
方、透明カード50を45度傾けた場合には、中心波長
は低波長側にシフトし、反射光α2 は緑色に色変化する
と共に、透過光β2 は緑色の補色である赤紫色に色変化
した。
【0121】他方、黒色インキにて形成された『TOP
OK』なる文字パターン53が識別部52を通して視
覚され、かつ、透明カード50を傾けることにより反射
光が色変化しても上記文字パターン53は視覚された。
【0122】従って、この透明カードは、上記『TOP
OK』なる文字パターン53の有無を確認すると共
に、識別部52における反射光並びに透過光の色変化を
肉眼により確認することによりその真偽を簡便に判定で
きるものであった。
【0123】
【発明の効果】請求項1及び請求項3〜13記載の発明
に係る情報担持体によれば、この情報担持体に設けられ
た識別部における反射光の特有の色ずれと透過光の特有
の色ずれを各々確認することによりその情報担持体の真
偽を簡便に判定できる効果を有している。
【0124】また、上記識別部を構成する光学可変性イ
ンキに含まれた光学可変性フレークと同一の光学特性を
有するフレークを調製しようとしても実際上困難なた
め、情報担持体の偽造・変造を確実に防止でき、かつ、
その偽造・変造がなされた場合にも上記識別部における
反射光の色ずれ並びに透過光の色ずれの違いを肉眼にて
確認することにより偽造・変造の事実を簡単に判定でき
る効果を有している。
【0125】他方、請求項2及び請求項3〜13記載の
発明に係る情報担持体によれば、真偽判定用の情報パタ
ーンが識別部の形成された部位の基材に設けられてお
り、情報担持体における真偽判定の対象が、識別部にお
ける反射光並びに透過光の色ずれ情報と上記情報パター
ンになるため、判定の対象が増える分、情報担持体の偽
造・変造をより確実に防止できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施例に係る透明カード(情報担
持体)の斜視図、図1(B)はこの断面図。
【図2】実施例において調製された3層薄膜構造の光学
可変性フレークを示す断面図。
【図3】実施例において調製された5層薄膜構造の光学
可変性フレークを示す断面図。
【図4】調製例31に係る光学可変性インキ塗膜が形成
された黒色ポリエステルフィルムにおける反射光の可視
スペクトルを示すグラフ図。
【図5】調製例31に係る光学可変性インキ塗膜が形成
された透明ポリエステルフィルムにおける透過光の可視
スペクトルを示すグラフ図。
【符号の説明】
1 高屈折率層 2 低屈折率層 10 光学可変性フレーク 50 透明カード(情報担持体) 51 カード基材 52 識別部 53 文字パターン(情報パターン)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性の光学可変性フレークを含有し入
    射光の角度に応じて2以上の異なる色の間で色ずれを生
    じさせる光学可変性インキにより形成された真偽判定用
    の識別部が基材上の任意箇所に設けられ、かつ、基材の
    少なくとも上記識別部の形成された部位が光透過性を有
    することを特徴とする情報担持体。
  2. 【請求項2】真偽判定用の情報パターンが上記基材の識
    別部の形成された部位に設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の情報担持体。
  3. 【請求項3】上記光学可変性フレークが、その反射光域
    における反射率が50%以上、その透過光域における透
    過率が50%以上の光学特性を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の情報担持体。
  4. 【請求項4】上記光学可変性フレークが、その反射光域
    における反射率が70%以上、その透過光域における透
    過率が70%以上の光学特性を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の情報担持体。
  5. 【請求項5】上記光学可変性フレークが多層薄膜構造を
    有していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載の情報担持体。
  6. 【請求項6】上記多層薄膜の合計膜厚が1.2μm未満
    であることを特徴とする請求項5記載の情報担持体。
  7. 【請求項7】上記多層薄膜の合計膜厚が0.6μm以下
    であることを特徴とする請求項5記載の情報担持体。
  8. 【請求項8】上記多層薄膜の合計膜数が2層から5層で
    あることを特徴とする請求項5記載の情報担持体。
  9. 【請求項9】上記多層薄膜構造が、交互に配置された高
    屈折率層と低屈折率層とで構成されていることを特徴と
    する請求項5記載の情報担持体。
  10. 【請求項10】上記高屈折率層と低屈折率層における屈
    折率の差が、0.3以上であることを特徴とする請求項
    9記載の情報担持体。
  11. 【請求項11】上記高屈折率層と低屈折率層がセラミッ
    クス材料により構成されていることを特徴とする請求項
    9記載の情報担持体。
  12. 【請求項12】上記高屈折率層が、二酸化チタン、二酸
    化ジルコニウム、硫化亜鉛、二酸化セリウム、酸化亜
    鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化錫、及び、酸
    化錫−酸化インジウムの混合物から選択されたセラミッ
    クス材料により構成されていることを特徴とする請求項
    9記載の情報担持体。
  13. 【請求項13】上記低屈折率層が、フッ化マグネシウ
    ム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化アルミ
    ニウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
    ウム、及び、フッ化マグネシウムから選択されたセラミ
    ックス材料により構成されていることを特徴とする請求
    項9記載の情報担持体。
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